JPH0428422B2 - - Google Patents
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- JPH0428422B2 JPH0428422B2 JP58173234A JP17323483A JPH0428422B2 JP H0428422 B2 JPH0428422 B2 JP H0428422B2 JP 58173234 A JP58173234 A JP 58173234A JP 17323483 A JP17323483 A JP 17323483A JP H0428422 B2 JPH0428422 B2 JP H0428422B2
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、陰イオン交換基を有する高分子poly
A+とフエノール性水酸基を有する高分子polyB
とを構成成分の全体または一部とするブロツク共
重合からなる新規なイオン交換体に関する。 特異なミクロ相分離構造を形成するブロツク共
重合体は、そのミクロな不均一構造の故に新規な
性質を発現することが知られ、種々の利用法が見
い出されている。例えば、長いポリイソプレンあ
るいはポリブタジエン鎖と短いポリスチレン鎖か
らなるブロツク共重合体は熱可塑性ゴムとして、
長いポリスチレン鎖と短いポリイソプレンあるい
はポリブタジエン鎖からなるブロツク共重合体
は、耐衝撃性材料として知られ、ポリウレタンと
ポリエーテルからなるブロツク共重合体や親水性
のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
と疎水性のポリスチレンからなるブロツク共重合
体は抗血液凝固性材料として期待されている。ま
た、パーフロロアルキル基をもつ高分子を一つの
成分とするブロツク共重合体はプラスチツク等の
表面改質に有効であることも知られている。 最近、陽イオン交換基を導入可能な高分子(例
えば、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル)
と陰イオン交換基を導入可能な高分子(例えば、
ポリ(2−ビニルピリジン)やポリ(4−ビニル
ベンジルジメチルアミン))とイオン交換基をも
たない高分子(例えば、ポリイソプレンやポリブ
タジエン)とからなる多元ブロツク共重合体から
両性イオン交換体が得られることが報告されてい
る。(公開特許公報昭56−76408)これらの両性イ
オン交換体は、陽イオン交換基としてスルホン基
またはカルボキシル基、陰イオン交換基として4
級アンモニウム塩基を有しており、酸性からアル
カリ性に渡るかなり広いPH領域で両性イオン交換
体として機能し、低分子量の有機物と無機塩を分
離する膜として応用が期待されている。 本発明者らは、鋭意研究の末、陰イオン交換基
を有する高分子polyA +とフエノール性水酸基を
有する高分子polyBとを構成成分の一部または全
体とする新規なブロツク共重合体を思いつき、そ
の合成に成功した。そして、これらのブロツク共
重合体の成型物において異なる成分ブロツクは互
いに混じり合わずミクロ相分離して存在し、それ
ら成型物は、中性近傍あるいは酸性条件下で陰イ
オン交換体として挙い、アルカリ性条件下で両性
イオン交換体として挙うことを見い出した。これ
らの事実は、新たな機能材料としてのイオン交換
体の提供を約束するものであることは疑いない。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明におけるイオン交換体は、陰イオン交換
基を有する高分子polyA +とフエノール性水酸基
を有する高分子polyBとを構成成分の一部または
全体とするブロツク共重合体から得られる。ここ
で用いられるブロツク共重合体において上記の
polyA +とpolyBとを構成成分の一部とする場合
には、残る部分は極性基をもたない高分子polyC
からなる。これらのブロツク共重合体は、例え
ば、陰イオン交換基を導入可能な高分子polyAと
polyBの水酸基を適当な保護基で保護した高分子
polyBと、必要な場合、極性基をもたない高分子
polyCとから構成されるブロツク共重合体に、成
型前あるいは成型後あるいは成型と同時に、保護
基の脱離反応と陰イオン交換基の導入反応を施
し、必要に応じて架橋反応を施して得られる。 本発明のイオン交換体は、陰イオン交換基をも
つミクロドメインとフエノール性水酸基をもつミ
クロドメインあるいはこれら両方のミクロドメイ
ンと極性基をもたないミクロドメインからなる相
分離構造を有する。ポリイソプレンやポリスチレ
ン等の非極性の高分子からなるブロツク共重合体
では、固定状態において異なる成分ブロツクは互
いに混じり合わず、組成に応じて球状、柱状ある
いはラメラ状等の形態のミクロドメインに相分離
することが知られている。この場合、球状ドメイ
ンの直径、柱状ドメインの直径、それらドメイン
の中心距離、あるいはラメラ状ドメインの幅は成
分ブロツクが互いに絡ぎ合わされていることによ
る制限のため、それらドメインを構成するブロツ
ク一つの広がりと同程度(通常、数十から数百オ
ングストローム)となる。 本発明者らは、かかるミクロ相分離現象を利用
しつつ最終的に本発明のイオン交換体に到達する
方法を見つけ出した。 本発明で用いるブロツク共重合体において、フ
エノール性水酸基 をもつ成分ブロツクは、次の係合単位 (ただし、R4は水素あるいはメチル基、R5から
R9のいづれか一つは水酸基であり、他は水素原
子あるいはメチル基である。) をもつ高分子である。このような高分子の水酸基
は、pKa(pKa=−logKa、Kaは解離定数)が10
前後であり、酸性および中性条件下ではほとんど
解離せず、アルカリ性条件下のみ解離する。従つ
て本発明のイオン交換体は酸性および中性近傍条
件下では陰イオン交換基をもつミクロドメインと
解離していないフエノール性水酸基をもつミクロ
ドメインからなる多相構造を有し、アルカリ性条
件下においては陰イオン交換基をもつミクロドメ
インと解離したフエノール性水酸基(すなわち、
陽イオン交換基)をもつミクロドメインからなる
多相構造を有する。 さらに、本発明で用いるブロツク共重合体が極
性基をもたない成分ブロツクpolyCを含む場合に
は、いずれのPH条件下でも、極性基をもたないミ
クロドメインが加つた多相構造を有する。 本発明で用いるブロツク共重合体の成分ブロツ
クpolyA +がもつ陰イオン交換基はアンモニウム
基あるいはスルホニウム基あるいはホスホニウム
基等であればよく、これらのうちアンモニウム基
は下記のモノマー群Aから選ばれるモノマーから
なる高分子polyAを4級化することによつて得ら
れる。 モノマー群A: 2−ビニルピリジン、4−ビニルピリミジン、
2−メチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリ
ジン類、ビニルピリミジン類、ビニルキノリン
類、ビニルカルバゾール類、ビニルイミダゾール
類、 で表わされるo、m、p−ビニルフエニルアルキ
レンジアルキルアミン類、 で表わされるジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート類、 で表わされるジアルキルアクリルアミド類(ただ
し、R1およびR2は各々炭素数が1から12のアル
キル基、R3は水素原子あるいは炭素数1から12
のアルキル基、nは1から3の整数、mは2また
は3である。) フエノール性水酸基をもつ高分子polyBは、適
当な保護基で保護されたフエノール性水酸基をも
つ次の化学式で表わされるモノマーを重合後、保
護基を脱離することによつて得られる。 ここでR4は水素原子あるいはメチル基、R5か
らR9のいずれか一つは −O−CH3 (2) −O−CH2R10 (3) (ただし、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16
は炭素数1から12のアルキル基を示す。)等で表
わされる基のうちいずれかであり、その他は水素
原子あるいはメチル基である。 残る極性基をもたない高分子polyCを構成する
モノマー種は、例えば、次のモノマー群Cから選
ばれるものであれば良い。 モノマー群C: スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン等の芳香族環を有するモノマー、ブタジエン、
イソプレン、ペンタジエン、シクロヘキサジエ
ン、ジフエニルブタジエン等のジエン系モノマー このような高分子polyCを成分ブロツクとして
陰イオン交換基を有する高分子polyA +とフエノ
ール性水酸基を有する高分子polyBに加えてブロ
ツク共重合体を構成することにより、材料の機械
的強度を増大させたり、ミクロ相分離構造を安定
にすることが可能となる。特に、ジエン系のモノ
マーからなる高分子は、容易に架橋できるためこ
れらを用いれば材料の溶媒耐性を向上させること
ができる。 本発明のイオン交換体を得るのに望ましい方法
は、上記のモノマー群Aから選ばれるモノマーと
化学式(1)で表わされるモノマーあるいはこれら両
者とモノマー群Cから選ばれるモノマーからリビ
ングアニオン重合法を用いて調製した陰イオン交
換基を導入可能な高分子polyAとフエノール性水
酸基を導入可能な高分子polyBあるいはこれら両
方の高分子と極性基をもたない高分子polyCから
なる原ブロツク共重合体を成型後、あるいは成型
前あるいは成型と同時に陰イオン交換基の導入
(窒素原子の4級化)および加水分解することで
ある。 リビングアニオン重合法により原ブロツク共重
合体を得る場合、化学式(1)で表わされるモノマー
のうち、化学式(4)、(5)または(6)で表わされる保護
基をもつものが望ましく、さらに望ましくは化学
式(4)または(5)で表わされる保護基をもつモノマ
ー、最も望ましくは化学式(5)をもつモノマーであ
る。 リビングアニオン重合の開始剤としては、公知
のブチルチリウム(n、sec、tert等がある)や
2−メチルブチルリチウムあるいはナトリウムナ
フタレン、ナトリウムアントラセン、α−メチル
スチレンテトラマーナトリウム、ナトリウムビフ
エニル、クミルカリ、ブチルセシウム(n、sec、
tert等がある)等が用いられる。 重合溶媒としては、芳香族炭化水素、環状エー
テル、脂肪族炭化水素(一般にはベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、シク
ロヘキサン等が用いられる)が用いられ、真空も
しくは窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰
囲気下で重合が行なわれる。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、上記の
高分子polyA、polyB、polyCとが、例えば、
(polyA−polyB)x、(polyA−polyB)−xpolyA、
polyB(−polyA−polyB)x、(polyA−polyB−
polyC)x、(polyB−polyA−polyC)x、(polyA−
polyC−polyB)x、(polyA−polyC−polyB−
polyC)x、(polyC−polyA−polyC−polyB)x、
polyC−polyA−polyB−polyC、polyC−polyA
−polyC−polyB−polyC、polyA−polyC−
polyB−polyC−polyA、polyB−polyC−polyA
−polyC−polyB、polyA−polyB−polyC−
polyB−polyA、polyB−polyA−polyC−polyA
−polyB、polyC−polyA−polyB−polyA−
polyC、polyC−polyB−polyA−polyB−polyC
(ただし、xは1以上の整数)の配列で結合した
ものであればよい。 これらのうちpolyAとpolyBとがpolyCによつ
て互いに分け隔てられて結合しているもの、
polyA−polyC−polyB、(polyA−polyC−
polyB−polyC)x、(polyC−polyA−polyC−
polyB)x、polyC−polyA−polyC−polyB−
polyC、polyA−polyC−polyB−polyC−polyA、
polyB−polyC−polyA−polyC−polyBにおいて
はpolyCの含有率が適切な場合(通常、重量比で
当該ブロツク共重合体の約30%以上)、最終的に
得られるイオン交換体において、ミクロ相分離し
た陰イオン交換基をもつドメインとフエノール性
水酸基をもつドメインとが極性基をもたないドメ
インによつて互いに隔離される。 このようなイオン交換体は酸性からアルカリ性
までの広いPH領域においてミクロ相分離構造が安
定となるため、機能性材料として用いるのに好ま
しいと言える。 上記の原ブロツク共重合体を構成する成分高分
子polyA、polyB、polyCの分子量は103〜106
g/molであることが望ましい。さらに望ましく
は104〜5×105g/molである。一般によく知ら
れているように、ブロツク共重合体では、分子量
が低くなるに従いミクロ相分離により形成された
隣り合う二つのドメインの間に生ずる相溶界面領
域の体積分率は増加する。このため分子量の低い
試料では、アルカリ領域においてポリイオンコン
プレツクスの形成が大きく、本発明のイオン交換
体の特徴が薄れる。 種々のブロツク共重合体に対してこれまで公表
された実験事実によれば、各々の成分ブロツクの
分子量が103g/mol以下では明確な相分離構造
はほとんど形成されないと考えられる。一方、分
子量が大きすぎる試料の場合、その溶融または溶
液状態の大きな粘性のため成型が困難になる。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、最終的
に得られるイオン交換体の陰イオン交換基をもつ
領域とフエノール性水酸基を有する領域の重量分
率が各々当該イオン交換体の5%以上となるよう
なpolyAとpolyBの分子量と含有率をもつている
必要がある。 その理由は、それらの重量分率が5%未満とな
つた場合、本イオン交換体の特徴が著しく損われ
てしまうからである。 本発明で用いられる陰イオン交換基の導入可能
な高分子polyAの窒素分子は、アルキルハロゲン
化合物あるいはアルキレンジハライド類を用いて
四級化することができる。 アルキルハロゲン化合物としては、XClH2l+1、
アルキレンジハライド類としては、X(−C2H4)−l
X(ただし、Xは臭素あるいはヨウ素原子である)
で表わされるがlが1から12の化合物がある。 また、この四級化はクロロメチルベンゼン等の
クロロメチル化芳香族化合物や塩化ベンゼンスル
ホニルや塩化アセチル等の酸ハロゲン化物を用い
て行なうことが可能である。 四級化反応はこれらの化合物の蒸気あるいは溶
液中で行なうことができる。一方、これらpolyA
の窒素原子は塩酸等によつて三級アンモニウム塩
とすることもできる。 前記化学式(1)で示されるモノマーからなる重合
体からフエノール性水酸基をもつ高分子を得るに
は、公知の方法で保護基の脱離反応を行なえばよ
い。(文献;T.W.Greene、“Protective Groups
in Crganic Synthesis、”John Wiley&Sons、
New York、1981年) 例えば、化学式(5)で表わされる保護基の場合、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ア
セトニトリル等の溶媒中、加熱下、試料に塩酸ま
たは臭化水素酸またはヨウ化水素酸を滴下するこ
とによつて容易にその脱離反応を行なうことがで
きる。また、無水の1,1,1−トリフロロ酢酸
または酢酸と臭化水素酸の混合物またはトリメチ
ルシリルヨージドの四塩化炭素あるいはクロロホ
ルム溶液を用いて比較的低い温度でこの反応を行
なうことができる。 以上述べたようなフエノール性水酸基をもつイ
オン交換体は、高選択性分離膜、生体医用材料、
液体クロマトグラフイ用ゲル、表面改質材等とし
て広範囲な用途を有すると期待されるものであ
る。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 水素化カルシウムで脱水を行なつた後、n−ブ
チルリチウムを用いて精製したテトラヒドロフラ
ン600mlにアニオン重合の開始剤であるn−ブチ
ルリチウムを2.1×10-4モル投入した後、p−tert
ブトキシスチレンを12g投入し約20時間放置し
た。(第1段階)重合物の一部を採取した後、続
いて11.8gのイソプレンを投入し約20時間放置し
た。(第2段階) さらに重合物の一部を採取後、11.5gの4−ビ
ニルベンジルジメチルアミン(4−VBDMA)
を投入し約20時間放置した。(第3段階) ここで用いた3種類のモノマーのうち、p−
tertブトキシスチレンは、あらかじめベンゾフエ
ノンナトリウムを用いて精製した後、さらにトリ
フエニルメチルリチウムとリチウムブロマイドの
混合物で処理し真空蒸留を行ない精製した。 また、4−VBDMAは水素化カルシウムで脱
水を行ない、減圧蒸留した後、さらにトリフエニ
ルメチルリチウムとリチウムブロマトドの混合物
で処理し真空蒸留を行なつた。 イソプレンは水素化カルシウムとナトリウムで
乾燥後、蒸留を行なつた。 重合のそれぞれの段階で得られた重合体の数平
均分子量を膜浸透圧法により求めたところ、第1
段階では5.6×104g/mol、第2段階では1.10×
105g/mol、第3段階では1.66×105g/molで
あり、開始剤と仕込みのモノマー重量から計算し
た値によく一致した。また、重合収率はほぼ100
%であり、最終的に得られた重合物に含有される
炭素、水素、窒素の重量比は、それぞれ83.8%、
10.1%、2.8%であり計算値とよく一致した。 この最終重合物について東洋曹達社製GPCカ
ラムGMH6(長さ60cm、内径7.5mm)を用い、3%
のN,N−ジメチルベンジルアミンを含有するテ
トラヒドロフランを溶離液としてGPC測定を行
なつたところ、単一のピークが観察され、この試
料の分子量分布はかなり狭いことが判つた。(図
1)また、図2には最終重合物の赤外吸収スペク
トルを示した。 以上の結果から、本実施例において、ポリ(4
−VBDMA)とポリイソプレンとポリ(p−tert
ブトキシスチレン)からなるpolyA−polyC−
polyB型の3元ブロツク共重合体が得られたこと
は確実である。 最終重合体のベンゼン溶液より作製した厚さ
60μmのフイルムを四級化オスミウムで染色し、
透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリイソプ
レンドメイン(I)とポリ(p−tertブトキシスチレ
ン)ドメイン(B)とポリ(4−VBDMA)ドメイ
ン(A)が−I−B−I−A−の繰り返し単位で規則
正しく並んだラメラ状のミクロ相分離構造が確認
された。一つの層の厚さはほぼ150オングストロ
ームであつた。 陰イオン交換基とフエノール性水酸基の導入は
以下のように行なつた。 同様に作製した厚さ60μmのフイルム0.30gを
室温にて1.3ジヨードプロパン蒸気で40時間処理
することによつてポリ(4−VBDMA)部分を
4級化と同時に架橋した。このフイルムを50℃の
アセトン中に浸漬し、濃臭化水素酸を少量加えて
ポリ(p−tertブトキシスチレン)のtertブチル
基の脱離を開始させ、さらに適当量の希薄臭化水
素水溶液を加えて約10時間放置してtertブチル基
を完全に脱離させた。 tertブチル基の完全な脱離は、H1−NMRによ
つて確認した。すなわち、脱離反応前に見られた
t−ブチル基に帰因するピークは、脱離反応後、
完全に消失して新たにフエノール性水酸基と考え
られる大きなピークが現われた。 このようにして得られたフイルムを1NのKCl
水溶液中に一昼夜浸漬し、水洗後1NのNaNO3水
溶液に2日間浸漬して遊離する塩素イオンを定量
したところ、膜中に5.6モルの陰イオン交換基が
存在することがわかつた。さらに、このフイルム
を1Nの塩酸に一昼夜浸漬し、水洗後1NのNaCl
水溶液に2日間浸漬したが、水素イオンの遊離は
認められなかつた。一方、1Nの塩酸で処理し水
洗したフイルムを食塩と水酸化ナトリウムの混合
液(1mol/の食塩水100mlに対し0.1N水酸化ナ
トリウム水溶液を15ml加えたもの)に2日間浸漬
したところ、5.3molの水素イオンが遊離するこ
とがわかつた。このようにポリ(p−ヒドロキシ
スチレン)部分は、アルカリ性条件下でのみ解離
する。従つて、本実施例で得られたイオン交換体
は、アルカリ性領域でのみ両性イオン交換体とし
て挙う。 実施例 2 実施例1と同様に精製したテトラヒドロフラン
700mlにn−ブチルリチウムを1.7×10-4モル投入
した後、ブタジエン3.8g、p−tertブトキシスチ
レン9.0g、イソプレン3.7g、4−VBDMA8.9
g、ブタジエン3.7gを5段階で投入し、ブロツ
ク共重合を行なつた。重合時間は1段あたり約20
時間とした。 p−tertブトキシスチレン、イソプレンおよび
4−VBDMAの精製方法は実施例1と同様に、
ブタジエンの精製はイソプレンと同様に行なつ
た。 重合の各段階で得られた重合物について、膜浸
透圧法により求めた数平均分子量は、開始剤のモ
ル数とそれぞれの重合段階までに投入されたモノ
マーの総重量から計算した値にほぼ一致した。 また、重合収率はほぼ100%であり、最終重合
物の元素分析結果も計算値によく一致し、GPC
測定の結果も分子量分布が狭いことを示した。 以上の結果より、本実施例において、ポリ(4
−VBDMA)とポリイソプレンとポリブタジエ
ンとポリ(p−tertブトキシスチレン)からなる
polyC−polyA−polyC−polyB−polyC型の5元
ブロツク共重合体(ただし、両末端のpolyCはポ
リブタジエンで中央のpolyCはポリイソプレンで
ある。)が得られたことは確実である。 最終重合体のジオキサン溶液から作製した厚さ
60μmのフイルムを四酸化オスミウムで染色し、
透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリジエン
ドメイン(D)とポリ(p−tertブトキシスチレン)
ドメイン(B)とポリ(4−VBDMA)ドメイン(A)
とが−D−B−D−A−の繰り返し単位でラメラ
状に規則正しく並んだミクロ相分離構造が確認さ
れた。 同様に作製した厚さ60μmのフイルム0.30gを
実施例1と同様な方法でアミン部分を4級化とt
−ブチル基の脱離を行なつたところ5.2×10-4モ
ルの陰イオン交換基と4.9×10-4モルのフエノー
ル性水酸基をもつ膜が得られた。 実施例 3 実施例1と同様な方法で精製したテトラヒドロ
フラン600ml中にn−ブチルリチウムを2.0×10-4
モル投入した後、2−メチル−4−tertブトキシ
スチレンを11g投入し約20時間放置した。(第1
段階)重合物の一部を採取した後、続いて4−ビ
ニルピリジンを10.5g投入し約20時間放置した。
(第2段階)ここで用いた2種類のモノマーはあ
らかじめ実施例1に述べたp−tertブトキシスチ
レンと同様な方法で精製した。 重合のそれぞれの段階で得られた重合体の数平
均分子量を測定したところ、第1段階では5.6×
104g/mol、第2段階では1.06×105g/molで
あり、開始剤と仕込みのモノマー重量から計算し
た値によく一致した。重合収率はほぼ100%であ
り、実施例1と同様な方法で測定したGPCの溶
離曲線は単一の狭いピークを示した。 これらの事実は本実施例において、ポリ(4−
ビニルピリジン)とポリ(2−メチル−4−tert
ブトキシスチレン)からなるpolyA−polyB型の
2元ブロツク共重合体が得られたことを示してい
る。元素分析の結果や赤外吸収スペクトルもこの
ようなブロツク共重合体に矛盾しなかつた。 このブロツク共重合体のジオキサン溶液から作
製した厚さ60μmのフイルムを四酸化オスミウム
で染色し、透過型電子顕微鏡で観察したところ、
ポリ(2−メチル−4−tertブトキシスチレン)
ドメイン(M)とポリ(4−ビニルピリジン)ド
メイン(P)とがラメラ状に交互に並んだミクロ
相分離構造が確認された。これら一つの層の厚さ
は150〜200オングストロームであつた。 得られたブロツク共重合体0.30gを100mlのベ
ンゼンに溶解し、2mlのヨウ化メチルを加え撹拌
下2時間放置した。回収ポリマーを乾燥後50℃の
アセトン10mlに溶解し、少量の濃臭化水素酸を加
え、5分間撹拌後、0.5mlの希臭化水素酸を加え
撹拌下5時間放置した。この溶液から室温でキヤ
ストした厚さ40μmのフイルムに紫外線を数時間
照射することにより、これを水に対して不溶化し
た後、実施例1と同様な方法で陰イオン交換基と
フエノール性水酸基を定量したところ、それぞれ
1.05×10-3モルと2.42×10-4モルであつた。
A+とフエノール性水酸基を有する高分子polyB
とを構成成分の全体または一部とするブロツク共
重合からなる新規なイオン交換体に関する。 特異なミクロ相分離構造を形成するブロツク共
重合体は、そのミクロな不均一構造の故に新規な
性質を発現することが知られ、種々の利用法が見
い出されている。例えば、長いポリイソプレンあ
るいはポリブタジエン鎖と短いポリスチレン鎖か
らなるブロツク共重合体は熱可塑性ゴムとして、
長いポリスチレン鎖と短いポリイソプレンあるい
はポリブタジエン鎖からなるブロツク共重合体
は、耐衝撃性材料として知られ、ポリウレタンと
ポリエーテルからなるブロツク共重合体や親水性
のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
と疎水性のポリスチレンからなるブロツク共重合
体は抗血液凝固性材料として期待されている。ま
た、パーフロロアルキル基をもつ高分子を一つの
成分とするブロツク共重合体はプラスチツク等の
表面改質に有効であることも知られている。 最近、陽イオン交換基を導入可能な高分子(例
えば、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル)
と陰イオン交換基を導入可能な高分子(例えば、
ポリ(2−ビニルピリジン)やポリ(4−ビニル
ベンジルジメチルアミン))とイオン交換基をも
たない高分子(例えば、ポリイソプレンやポリブ
タジエン)とからなる多元ブロツク共重合体から
両性イオン交換体が得られることが報告されてい
る。(公開特許公報昭56−76408)これらの両性イ
オン交換体は、陽イオン交換基としてスルホン基
またはカルボキシル基、陰イオン交換基として4
級アンモニウム塩基を有しており、酸性からアル
カリ性に渡るかなり広いPH領域で両性イオン交換
体として機能し、低分子量の有機物と無機塩を分
離する膜として応用が期待されている。 本発明者らは、鋭意研究の末、陰イオン交換基
を有する高分子polyA +とフエノール性水酸基を
有する高分子polyBとを構成成分の一部または全
体とする新規なブロツク共重合体を思いつき、そ
の合成に成功した。そして、これらのブロツク共
重合体の成型物において異なる成分ブロツクは互
いに混じり合わずミクロ相分離して存在し、それ
ら成型物は、中性近傍あるいは酸性条件下で陰イ
オン交換体として挙い、アルカリ性条件下で両性
イオン交換体として挙うことを見い出した。これ
らの事実は、新たな機能材料としてのイオン交換
体の提供を約束するものであることは疑いない。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明におけるイオン交換体は、陰イオン交換
基を有する高分子polyA +とフエノール性水酸基
を有する高分子polyBとを構成成分の一部または
全体とするブロツク共重合体から得られる。ここ
で用いられるブロツク共重合体において上記の
polyA +とpolyBとを構成成分の一部とする場合
には、残る部分は極性基をもたない高分子polyC
からなる。これらのブロツク共重合体は、例え
ば、陰イオン交換基を導入可能な高分子polyAと
polyBの水酸基を適当な保護基で保護した高分子
polyBと、必要な場合、極性基をもたない高分子
polyCとから構成されるブロツク共重合体に、成
型前あるいは成型後あるいは成型と同時に、保護
基の脱離反応と陰イオン交換基の導入反応を施
し、必要に応じて架橋反応を施して得られる。 本発明のイオン交換体は、陰イオン交換基をも
つミクロドメインとフエノール性水酸基をもつミ
クロドメインあるいはこれら両方のミクロドメイ
ンと極性基をもたないミクロドメインからなる相
分離構造を有する。ポリイソプレンやポリスチレ
ン等の非極性の高分子からなるブロツク共重合体
では、固定状態において異なる成分ブロツクは互
いに混じり合わず、組成に応じて球状、柱状ある
いはラメラ状等の形態のミクロドメインに相分離
することが知られている。この場合、球状ドメイ
ンの直径、柱状ドメインの直径、それらドメイン
の中心距離、あるいはラメラ状ドメインの幅は成
分ブロツクが互いに絡ぎ合わされていることによ
る制限のため、それらドメインを構成するブロツ
ク一つの広がりと同程度(通常、数十から数百オ
ングストローム)となる。 本発明者らは、かかるミクロ相分離現象を利用
しつつ最終的に本発明のイオン交換体に到達する
方法を見つけ出した。 本発明で用いるブロツク共重合体において、フ
エノール性水酸基 をもつ成分ブロツクは、次の係合単位 (ただし、R4は水素あるいはメチル基、R5から
R9のいづれか一つは水酸基であり、他は水素原
子あるいはメチル基である。) をもつ高分子である。このような高分子の水酸基
は、pKa(pKa=−logKa、Kaは解離定数)が10
前後であり、酸性および中性条件下ではほとんど
解離せず、アルカリ性条件下のみ解離する。従つ
て本発明のイオン交換体は酸性および中性近傍条
件下では陰イオン交換基をもつミクロドメインと
解離していないフエノール性水酸基をもつミクロ
ドメインからなる多相構造を有し、アルカリ性条
件下においては陰イオン交換基をもつミクロドメ
インと解離したフエノール性水酸基(すなわち、
陽イオン交換基)をもつミクロドメインからなる
多相構造を有する。 さらに、本発明で用いるブロツク共重合体が極
性基をもたない成分ブロツクpolyCを含む場合に
は、いずれのPH条件下でも、極性基をもたないミ
クロドメインが加つた多相構造を有する。 本発明で用いるブロツク共重合体の成分ブロツ
クpolyA +がもつ陰イオン交換基はアンモニウム
基あるいはスルホニウム基あるいはホスホニウム
基等であればよく、これらのうちアンモニウム基
は下記のモノマー群Aから選ばれるモノマーから
なる高分子polyAを4級化することによつて得ら
れる。 モノマー群A: 2−ビニルピリジン、4−ビニルピリミジン、
2−メチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリ
ジン類、ビニルピリミジン類、ビニルキノリン
類、ビニルカルバゾール類、ビニルイミダゾール
類、 で表わされるo、m、p−ビニルフエニルアルキ
レンジアルキルアミン類、 で表わされるジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート類、 で表わされるジアルキルアクリルアミド類(ただ
し、R1およびR2は各々炭素数が1から12のアル
キル基、R3は水素原子あるいは炭素数1から12
のアルキル基、nは1から3の整数、mは2また
は3である。) フエノール性水酸基をもつ高分子polyBは、適
当な保護基で保護されたフエノール性水酸基をも
つ次の化学式で表わされるモノマーを重合後、保
護基を脱離することによつて得られる。 ここでR4は水素原子あるいはメチル基、R5か
らR9のいずれか一つは −O−CH3 (2) −O−CH2R10 (3) (ただし、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16
は炭素数1から12のアルキル基を示す。)等で表
わされる基のうちいずれかであり、その他は水素
原子あるいはメチル基である。 残る極性基をもたない高分子polyCを構成する
モノマー種は、例えば、次のモノマー群Cから選
ばれるものであれば良い。 モノマー群C: スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン等の芳香族環を有するモノマー、ブタジエン、
イソプレン、ペンタジエン、シクロヘキサジエ
ン、ジフエニルブタジエン等のジエン系モノマー このような高分子polyCを成分ブロツクとして
陰イオン交換基を有する高分子polyA +とフエノ
ール性水酸基を有する高分子polyBに加えてブロ
ツク共重合体を構成することにより、材料の機械
的強度を増大させたり、ミクロ相分離構造を安定
にすることが可能となる。特に、ジエン系のモノ
マーからなる高分子は、容易に架橋できるためこ
れらを用いれば材料の溶媒耐性を向上させること
ができる。 本発明のイオン交換体を得るのに望ましい方法
は、上記のモノマー群Aから選ばれるモノマーと
化学式(1)で表わされるモノマーあるいはこれら両
者とモノマー群Cから選ばれるモノマーからリビ
ングアニオン重合法を用いて調製した陰イオン交
換基を導入可能な高分子polyAとフエノール性水
酸基を導入可能な高分子polyBあるいはこれら両
方の高分子と極性基をもたない高分子polyCから
なる原ブロツク共重合体を成型後、あるいは成型
前あるいは成型と同時に陰イオン交換基の導入
(窒素原子の4級化)および加水分解することで
ある。 リビングアニオン重合法により原ブロツク共重
合体を得る場合、化学式(1)で表わされるモノマー
のうち、化学式(4)、(5)または(6)で表わされる保護
基をもつものが望ましく、さらに望ましくは化学
式(4)または(5)で表わされる保護基をもつモノマ
ー、最も望ましくは化学式(5)をもつモノマーであ
る。 リビングアニオン重合の開始剤としては、公知
のブチルチリウム(n、sec、tert等がある)や
2−メチルブチルリチウムあるいはナトリウムナ
フタレン、ナトリウムアントラセン、α−メチル
スチレンテトラマーナトリウム、ナトリウムビフ
エニル、クミルカリ、ブチルセシウム(n、sec、
tert等がある)等が用いられる。 重合溶媒としては、芳香族炭化水素、環状エー
テル、脂肪族炭化水素(一般にはベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、シク
ロヘキサン等が用いられる)が用いられ、真空も
しくは窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰
囲気下で重合が行なわれる。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、上記の
高分子polyA、polyB、polyCとが、例えば、
(polyA−polyB)x、(polyA−polyB)−xpolyA、
polyB(−polyA−polyB)x、(polyA−polyB−
polyC)x、(polyB−polyA−polyC)x、(polyA−
polyC−polyB)x、(polyA−polyC−polyB−
polyC)x、(polyC−polyA−polyC−polyB)x、
polyC−polyA−polyB−polyC、polyC−polyA
−polyC−polyB−polyC、polyA−polyC−
polyB−polyC−polyA、polyB−polyC−polyA
−polyC−polyB、polyA−polyB−polyC−
polyB−polyA、polyB−polyA−polyC−polyA
−polyB、polyC−polyA−polyB−polyA−
polyC、polyC−polyB−polyA−polyB−polyC
(ただし、xは1以上の整数)の配列で結合した
ものであればよい。 これらのうちpolyAとpolyBとがpolyCによつ
て互いに分け隔てられて結合しているもの、
polyA−polyC−polyB、(polyA−polyC−
polyB−polyC)x、(polyC−polyA−polyC−
polyB)x、polyC−polyA−polyC−polyB−
polyC、polyA−polyC−polyB−polyC−polyA、
polyB−polyC−polyA−polyC−polyBにおいて
はpolyCの含有率が適切な場合(通常、重量比で
当該ブロツク共重合体の約30%以上)、最終的に
得られるイオン交換体において、ミクロ相分離し
た陰イオン交換基をもつドメインとフエノール性
水酸基をもつドメインとが極性基をもたないドメ
インによつて互いに隔離される。 このようなイオン交換体は酸性からアルカリ性
までの広いPH領域においてミクロ相分離構造が安
定となるため、機能性材料として用いるのに好ま
しいと言える。 上記の原ブロツク共重合体を構成する成分高分
子polyA、polyB、polyCの分子量は103〜106
g/molであることが望ましい。さらに望ましく
は104〜5×105g/molである。一般によく知ら
れているように、ブロツク共重合体では、分子量
が低くなるに従いミクロ相分離により形成された
隣り合う二つのドメインの間に生ずる相溶界面領
域の体積分率は増加する。このため分子量の低い
試料では、アルカリ領域においてポリイオンコン
プレツクスの形成が大きく、本発明のイオン交換
体の特徴が薄れる。 種々のブロツク共重合体に対してこれまで公表
された実験事実によれば、各々の成分ブロツクの
分子量が103g/mol以下では明確な相分離構造
はほとんど形成されないと考えられる。一方、分
子量が大きすぎる試料の場合、その溶融または溶
液状態の大きな粘性のため成型が困難になる。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、最終的
に得られるイオン交換体の陰イオン交換基をもつ
領域とフエノール性水酸基を有する領域の重量分
率が各々当該イオン交換体の5%以上となるよう
なpolyAとpolyBの分子量と含有率をもつている
必要がある。 その理由は、それらの重量分率が5%未満とな
つた場合、本イオン交換体の特徴が著しく損われ
てしまうからである。 本発明で用いられる陰イオン交換基の導入可能
な高分子polyAの窒素分子は、アルキルハロゲン
化合物あるいはアルキレンジハライド類を用いて
四級化することができる。 アルキルハロゲン化合物としては、XClH2l+1、
アルキレンジハライド類としては、X(−C2H4)−l
X(ただし、Xは臭素あるいはヨウ素原子である)
で表わされるがlが1から12の化合物がある。 また、この四級化はクロロメチルベンゼン等の
クロロメチル化芳香族化合物や塩化ベンゼンスル
ホニルや塩化アセチル等の酸ハロゲン化物を用い
て行なうことが可能である。 四級化反応はこれらの化合物の蒸気あるいは溶
液中で行なうことができる。一方、これらpolyA
の窒素原子は塩酸等によつて三級アンモニウム塩
とすることもできる。 前記化学式(1)で示されるモノマーからなる重合
体からフエノール性水酸基をもつ高分子を得るに
は、公知の方法で保護基の脱離反応を行なえばよ
い。(文献;T.W.Greene、“Protective Groups
in Crganic Synthesis、”John Wiley&Sons、
New York、1981年) 例えば、化学式(5)で表わされる保護基の場合、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ア
セトニトリル等の溶媒中、加熱下、試料に塩酸ま
たは臭化水素酸またはヨウ化水素酸を滴下するこ
とによつて容易にその脱離反応を行なうことがで
きる。また、無水の1,1,1−トリフロロ酢酸
または酢酸と臭化水素酸の混合物またはトリメチ
ルシリルヨージドの四塩化炭素あるいはクロロホ
ルム溶液を用いて比較的低い温度でこの反応を行
なうことができる。 以上述べたようなフエノール性水酸基をもつイ
オン交換体は、高選択性分離膜、生体医用材料、
液体クロマトグラフイ用ゲル、表面改質材等とし
て広範囲な用途を有すると期待されるものであ
る。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 水素化カルシウムで脱水を行なつた後、n−ブ
チルリチウムを用いて精製したテトラヒドロフラ
ン600mlにアニオン重合の開始剤であるn−ブチ
ルリチウムを2.1×10-4モル投入した後、p−tert
ブトキシスチレンを12g投入し約20時間放置し
た。(第1段階)重合物の一部を採取した後、続
いて11.8gのイソプレンを投入し約20時間放置し
た。(第2段階) さらに重合物の一部を採取後、11.5gの4−ビ
ニルベンジルジメチルアミン(4−VBDMA)
を投入し約20時間放置した。(第3段階) ここで用いた3種類のモノマーのうち、p−
tertブトキシスチレンは、あらかじめベンゾフエ
ノンナトリウムを用いて精製した後、さらにトリ
フエニルメチルリチウムとリチウムブロマイドの
混合物で処理し真空蒸留を行ない精製した。 また、4−VBDMAは水素化カルシウムで脱
水を行ない、減圧蒸留した後、さらにトリフエニ
ルメチルリチウムとリチウムブロマトドの混合物
で処理し真空蒸留を行なつた。 イソプレンは水素化カルシウムとナトリウムで
乾燥後、蒸留を行なつた。 重合のそれぞれの段階で得られた重合体の数平
均分子量を膜浸透圧法により求めたところ、第1
段階では5.6×104g/mol、第2段階では1.10×
105g/mol、第3段階では1.66×105g/molで
あり、開始剤と仕込みのモノマー重量から計算し
た値によく一致した。また、重合収率はほぼ100
%であり、最終的に得られた重合物に含有される
炭素、水素、窒素の重量比は、それぞれ83.8%、
10.1%、2.8%であり計算値とよく一致した。 この最終重合物について東洋曹達社製GPCカ
ラムGMH6(長さ60cm、内径7.5mm)を用い、3%
のN,N−ジメチルベンジルアミンを含有するテ
トラヒドロフランを溶離液としてGPC測定を行
なつたところ、単一のピークが観察され、この試
料の分子量分布はかなり狭いことが判つた。(図
1)また、図2には最終重合物の赤外吸収スペク
トルを示した。 以上の結果から、本実施例において、ポリ(4
−VBDMA)とポリイソプレンとポリ(p−tert
ブトキシスチレン)からなるpolyA−polyC−
polyB型の3元ブロツク共重合体が得られたこと
は確実である。 最終重合体のベンゼン溶液より作製した厚さ
60μmのフイルムを四級化オスミウムで染色し、
透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリイソプ
レンドメイン(I)とポリ(p−tertブトキシスチレ
ン)ドメイン(B)とポリ(4−VBDMA)ドメイ
ン(A)が−I−B−I−A−の繰り返し単位で規則
正しく並んだラメラ状のミクロ相分離構造が確認
された。一つの層の厚さはほぼ150オングストロ
ームであつた。 陰イオン交換基とフエノール性水酸基の導入は
以下のように行なつた。 同様に作製した厚さ60μmのフイルム0.30gを
室温にて1.3ジヨードプロパン蒸気で40時間処理
することによつてポリ(4−VBDMA)部分を
4級化と同時に架橋した。このフイルムを50℃の
アセトン中に浸漬し、濃臭化水素酸を少量加えて
ポリ(p−tertブトキシスチレン)のtertブチル
基の脱離を開始させ、さらに適当量の希薄臭化水
素水溶液を加えて約10時間放置してtertブチル基
を完全に脱離させた。 tertブチル基の完全な脱離は、H1−NMRによ
つて確認した。すなわち、脱離反応前に見られた
t−ブチル基に帰因するピークは、脱離反応後、
完全に消失して新たにフエノール性水酸基と考え
られる大きなピークが現われた。 このようにして得られたフイルムを1NのKCl
水溶液中に一昼夜浸漬し、水洗後1NのNaNO3水
溶液に2日間浸漬して遊離する塩素イオンを定量
したところ、膜中に5.6モルの陰イオン交換基が
存在することがわかつた。さらに、このフイルム
を1Nの塩酸に一昼夜浸漬し、水洗後1NのNaCl
水溶液に2日間浸漬したが、水素イオンの遊離は
認められなかつた。一方、1Nの塩酸で処理し水
洗したフイルムを食塩と水酸化ナトリウムの混合
液(1mol/の食塩水100mlに対し0.1N水酸化ナ
トリウム水溶液を15ml加えたもの)に2日間浸漬
したところ、5.3molの水素イオンが遊離するこ
とがわかつた。このようにポリ(p−ヒドロキシ
スチレン)部分は、アルカリ性条件下でのみ解離
する。従つて、本実施例で得られたイオン交換体
は、アルカリ性領域でのみ両性イオン交換体とし
て挙う。 実施例 2 実施例1と同様に精製したテトラヒドロフラン
700mlにn−ブチルリチウムを1.7×10-4モル投入
した後、ブタジエン3.8g、p−tertブトキシスチ
レン9.0g、イソプレン3.7g、4−VBDMA8.9
g、ブタジエン3.7gを5段階で投入し、ブロツ
ク共重合を行なつた。重合時間は1段あたり約20
時間とした。 p−tertブトキシスチレン、イソプレンおよび
4−VBDMAの精製方法は実施例1と同様に、
ブタジエンの精製はイソプレンと同様に行なつ
た。 重合の各段階で得られた重合物について、膜浸
透圧法により求めた数平均分子量は、開始剤のモ
ル数とそれぞれの重合段階までに投入されたモノ
マーの総重量から計算した値にほぼ一致した。 また、重合収率はほぼ100%であり、最終重合
物の元素分析結果も計算値によく一致し、GPC
測定の結果も分子量分布が狭いことを示した。 以上の結果より、本実施例において、ポリ(4
−VBDMA)とポリイソプレンとポリブタジエ
ンとポリ(p−tertブトキシスチレン)からなる
polyC−polyA−polyC−polyB−polyC型の5元
ブロツク共重合体(ただし、両末端のpolyCはポ
リブタジエンで中央のpolyCはポリイソプレンで
ある。)が得られたことは確実である。 最終重合体のジオキサン溶液から作製した厚さ
60μmのフイルムを四酸化オスミウムで染色し、
透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリジエン
ドメイン(D)とポリ(p−tertブトキシスチレン)
ドメイン(B)とポリ(4−VBDMA)ドメイン(A)
とが−D−B−D−A−の繰り返し単位でラメラ
状に規則正しく並んだミクロ相分離構造が確認さ
れた。 同様に作製した厚さ60μmのフイルム0.30gを
実施例1と同様な方法でアミン部分を4級化とt
−ブチル基の脱離を行なつたところ5.2×10-4モ
ルの陰イオン交換基と4.9×10-4モルのフエノー
ル性水酸基をもつ膜が得られた。 実施例 3 実施例1と同様な方法で精製したテトラヒドロ
フラン600ml中にn−ブチルリチウムを2.0×10-4
モル投入した後、2−メチル−4−tertブトキシ
スチレンを11g投入し約20時間放置した。(第1
段階)重合物の一部を採取した後、続いて4−ビ
ニルピリジンを10.5g投入し約20時間放置した。
(第2段階)ここで用いた2種類のモノマーはあ
らかじめ実施例1に述べたp−tertブトキシスチ
レンと同様な方法で精製した。 重合のそれぞれの段階で得られた重合体の数平
均分子量を測定したところ、第1段階では5.6×
104g/mol、第2段階では1.06×105g/molで
あり、開始剤と仕込みのモノマー重量から計算し
た値によく一致した。重合収率はほぼ100%であ
り、実施例1と同様な方法で測定したGPCの溶
離曲線は単一の狭いピークを示した。 これらの事実は本実施例において、ポリ(4−
ビニルピリジン)とポリ(2−メチル−4−tert
ブトキシスチレン)からなるpolyA−polyB型の
2元ブロツク共重合体が得られたことを示してい
る。元素分析の結果や赤外吸収スペクトルもこの
ようなブロツク共重合体に矛盾しなかつた。 このブロツク共重合体のジオキサン溶液から作
製した厚さ60μmのフイルムを四酸化オスミウム
で染色し、透過型電子顕微鏡で観察したところ、
ポリ(2−メチル−4−tertブトキシスチレン)
ドメイン(M)とポリ(4−ビニルピリジン)ド
メイン(P)とがラメラ状に交互に並んだミクロ
相分離構造が確認された。これら一つの層の厚さ
は150〜200オングストロームであつた。 得られたブロツク共重合体0.30gを100mlのベ
ンゼンに溶解し、2mlのヨウ化メチルを加え撹拌
下2時間放置した。回収ポリマーを乾燥後50℃の
アセトン10mlに溶解し、少量の濃臭化水素酸を加
え、5分間撹拌後、0.5mlの希臭化水素酸を加え
撹拌下5時間放置した。この溶液から室温でキヤ
ストした厚さ40μmのフイルムに紫外線を数時間
照射することにより、これを水に対して不溶化し
た後、実施例1と同様な方法で陰イオン交換基と
フエノール性水酸基を定量したところ、それぞれ
1.05×10-3モルと2.42×10-4モルであつた。
図1は示差屈折計(東洋曹達社製RI−8)で
検出した実施例1で得られた最終重合体のGPC
溶離曲線である。東洋曹達社製カラムGMH6(長
さ60cm、内径7.5mm)、溶離液として3%のN,N
−ジメチルベンジルアミンを含有するテトラヒド
ロフランを用いて流速1ml/分で測定したもので
ある。図2は同じ重合体の赤外吸収スペクトルで
ある。
検出した実施例1で得られた最終重合体のGPC
溶離曲線である。東洋曹達社製カラムGMH6(長
さ60cm、内径7.5mm)、溶離液として3%のN,N
−ジメチルベンジルアミンを含有するテトラヒド
ロフランを用いて流速1ml/分で測定したもので
ある。図2は同じ重合体の赤外吸収スペクトルで
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 陰イオン交換基を有する高分子とフエノール
性水酸基を有する高分子とを構成成分の全体、ま
たは極性基をもたない高分子と共にその一部と
し、陰イオン交換基を有する高分子とフエノール
性水酸基を有する高分子のそれぞれの含有率が5
重量パーセント以上であるブロツク共重合体から
なるイオン交換体。 2 陰イオン交換基がアンモニウム塩基あるいは
ホスホニウム塩基あるいはスルホニウム塩基であ
る特許請求の範囲第1項に記載のイオン交換体。 3 陰イオン交換基を有する高分子が下記のモノ
マー群Aから選ばれるモノマーからなる高分子に
陰イオン交換基を導入したものである特許請求の
範囲第1項または第2項に記載のイオン交換体。 モノマー群A: ビニルピリジン類、ビニルピリミジン類、ビニ
ルキノリン類、ビニルカルバゾール類、ビニルイ
ミダゾール類、 で表わされるo、m、p−ビニルフエニルアルキ
レンジアルキルアミン類、 で表わされるジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート類、 で表わされるジアルキルアクリルアミド類。 (ただし、n=1〜3、m=2または3、R1お
よびR2は各々炭素数1から12のアルキル基、R3
は水素あるいは炭素数1から12のアルキル基であ
る。) 4 フエノール性水酸基を有する高分子が下記式 (ただし、R4は水素あるいはメチル基、R5から
R9のいづれか1つは水酸基であり、他は水素あ
るいはメチル基である。) で表わされる結合単位を有する特許請求の範囲第
1項〜第3項のいずれかに記載のイオン交換体。 5 ブロツク共重合体が極性基をもたない高分子
を重量比で30%以上含有する特許請求の範囲第1
項〜第4項のいずれかに記載のイオン交換体。 6 極性基をもたない高分子がジエン系のモノマ
ーからなる特許請求の範囲第1項〜第5項のいず
れかに記載のイオン交換体。 7 極性基をもたない高分子が芳香族環を有する
モノマーからなる特許請求の範囲第1項〜第5項
のいずれかに記載のイオン交換体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58173234A JPS6068056A (ja) | 1983-09-21 | 1983-09-21 | イオン交換体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58173234A JPS6068056A (ja) | 1983-09-21 | 1983-09-21 | イオン交換体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6068056A JPS6068056A (ja) | 1985-04-18 |
| JPH0428422B2 true JPH0428422B2 (ja) | 1992-05-14 |
Family
ID=15956632
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58173234A Granted JPS6068056A (ja) | 1983-09-21 | 1983-09-21 | イオン交換体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6068056A (ja) |
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-
1983
- 1983-09-21 JP JP58173234A patent/JPS6068056A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6068056A (ja) | 1985-04-18 |
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