JPH0735443B2 - アニオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents

アニオン交換膜およびその製造方法

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JPH0735443B2
JPH0735443B2 JP61094655A JP9465586A JPH0735443B2 JP H0735443 B2 JPH0735443 B2 JP H0735443B2 JP 61094655 A JP61094655 A JP 61094655A JP 9465586 A JP9465586 A JP 9465586A JP H0735443 B2 JPH0735443 B2 JP H0735443B2
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polya
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なアニオン交換膜およびその製造方法に
関し、特に柔軟性と機械的強度に優れ、電気抵抗の低い
アニオン交換膜を提供するものである。
〔従来の技術〕
アニオン交換膜は、現在電気透析による塩水(かん水あ
るいは海水等)の脱塩や濃縮,食品類の脱塩,アミノ酸
の脱塩・精製,医薬品,生理活性物質等の精製等あるい
は電解プロセスによる貴金属類の回収,各種化合物の合
成,拡散透析による廃酸の回収等に用いられている。こ
れらの膜の代表的な製造方法として、スチレンモノマ
ー,ジビニルベンゼン,可塑剤(ジオクチルフタレート
等)および重合触媒(過酸化ベンゾイル等)の混合溶液
にポリ塩化ビニル粉末を添加して調製したペーストを芯
材の布に塗布し、加熱と加圧により重合,架橋を行いベ
ース膜を得、次いで、クロロメチル化とアミノ化等を行
う方法、あるいはスチレン−ブタジエン共重合体ラテッ
クスを芯材に塗布した後、架橋、クロロメチル化および
アミノ化等を順に行う方法、あるいは部分重合したスチ
レン,ジビニルベンゼン,重合触媒を混合し、重合と架
橋を行い塊状重合物を得、これを平らに切削しベース膜
をつくり、次にクロロメチル化とアミノ化等を行う方法
等が知られている。
しかし、これら従来の方法で作製されたアニオン交換膜
は、膜の寸法安定性や機械的強度を高めるためあるいは
クロロメチル化反応で膜が破損することを防ぐためかな
り高密度で架橋されており、さらに膜の製造上必然的に
イオン交換基をもつ部分と架橋に寄与する部分が混じり
合っている。このように従来のアニオン交換膜は硬く、
曲げに対して弱く、膜抵抗を低くすることが難しくな
り、さらには膜厚を薄くしたり、筒状やチューブ状に成
型するときに膜の柔軟性が失なわれているため著しく成
型を困難にしている。これらは膜を使用するうえで様々
な不都合を生じ、膜の用途を狭める原因ともなってい
る。
また、最近フルオロカーボンを骨格とするアニオン交換
膜も知られているが、これらの膜は機械的強度や柔軟性
には優れているものの、価格の高いことが問題である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、前述のような従来のアニオン交換膜のもつ問
題点を改良し、機械的強度と柔軟性および成型性に優
れ、電気抵抗の低いアニオン交換膜およびその製造方法
を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の要旨は、アニオン交換膜の原料として直鎖状の
ブロック共重合体を用い、その構成高分子のアニオン交
換基をもつ部分とイオン交換基をもたない部分をミクロ
な領域に分離させたことにあり、以下その詳細について
説明する。
本発明は、アニオン交換基をもつ高分子とイオン交換基
をもたない高分子とが直鎖状に結合したブロック共重合
体からなるアニオン交換膜及びその製法に関する。
本発明でいうアニオン交換膜を構成する領域とは、分子
あるいは高分子の集合体を意味するものであり、アニオ
ン交換基をもつ領域とは、該プログラム共重合体のアニ
オン交換基をもつ高分子の集合体であり、イオン交換基
をもたない領域とは該ブロック共重合体のイオン交換基
をもたない高分子の集合体をいう。
本発明のアニオン交換膜は、アニオン交換基をもつ領域
とイオン交換基をもたない領域とからなる不均質構造を
有しており、そのモルホロジー(形態)とそれぞれの領
域のサイズは以下の3つの場合が好ましい。
a)アニオン交換基をもつ領域とイオン交換基をもたな
い領域がいずれもラメラ構造(層状)であり、それぞれ
の層の厚さが50〜500オングストロームである。
b)アニオン交換基をもつ領域が柱状であり、イオン交
換基をもたない領域がマトリックス相であって、アニオ
ン交換基をもつ領域の直径が50〜500オングストローム
である。
c)アニオン交換基をもつ領域がマトリックス相であ
り、イオン交換基をもたない領域が島状あるいは柱状で
あって、イオン交換基をもたない領域の直径が50〜500
オングストロームである。また前記のモルホロジーは、
膜のブロック共重合体からなる部分(支持体や補強材を
除いた部分)のうち体積比で50%以上占めれば良く、さ
らに望ましくは70%以上である。本発明では、部分的な
モルホロジーの乱れは避け得ない。また、柱状や層状の
領域が蛇行しても本発明の効果を大きく損われることは
ない。
しかしながら膜が前述のモルホロジーを満足しない場
合、イオン交換膜としての性能が損われ、また機械的強
度や柔軟性が損われる危険性が大きい。
本発明のアニオン交換膜においては、ブロック共重合体
のアニオン交換基をもつ高分子の割合が重量比で25〜75
パーセントである必要がある。これを満足しない場合、
本発明で必要な膜のモルホロジーを得ることはできず、
本発明の効果が損われる。さらに望ましくは、アニオン
交換基をもつ高分子の割合は重量比で30〜70パーセント
である(ただし、この重量比はブロック共重合体を乾燥
した場合に対する値である。)。
本発明のアニオン交換膜は、アニオン交換基が導入可能
な高分子(polyA)とイオン交換基を導入しない高分子
(polyB)とが直鎖状に結合してなるブロック共重合体
を膜状に成型後、polyA部分にアニオン交換基を導入
し、これをアニオン交換基をもつ高分子(polyA+)とし
て得ればよい。
ここでブロック共重合体の結合様式はpolyAとpolyBとが
(polyA−polyB)n,polyBpolyA−polyB)n,polyApo
lyB−polyA)nのいずれかで結合されたものであればよ
い。ただし、ここでnは整数であり、1から10であるこ
とが望ましく、さらに望ましくは1から3である。ま
た、これら結合様式のうちpolyBpolyA−polyB)nで
nが1または2である場合に、特に優れたアニオン交換
膜を得ることができる。
さらに、ブロック共重合体はアニオン交換基が導入可能
な高分子(polyA)とイオン交換基を導入しない少なく
とも2種類の高分子(polyB1とpolyB2)とから構成され
ることが望ましい。この場合、結合様式としてpolyB1
polyA−polyB2,polyB1−polyA−polyB2−polyA,polyB1
−polyA−polyB2−polyA−polyB1,polyA−polyB1−poly
A−polyB2−polyAであることが望ましい。これらのブロ
ック共重合体を用いることにより、モルホロジーの乱れ
の少ないアニオン交換膜を得易くなる。
ブロック共重合体を構成する高分子polyA,polyB,poly
B1,polyB2の分子量は、いずれも数平均で103〜106g/mol
であることが望ましく、さらに望ましくは5×103〜5
×105g/molである。これら高分子ブロックの分子量がこ
れより低い場合は最終的に得られるアニオン交換膜にお
いて明確なミクロ相分離構造が形成されず、本発明の効
果が損なわれる。また、分子量がこれより高い場合は、
分子構造がコントロールされたブロック共重合体を得る
ことが難しいうえ、ブロック共重合体を膜状に成型する
ことが難しくなる。
本発明においてブロック共重合体を構成するアニオン交
換膜を導入可能な高分子(polyA)は3級アミノ基をも
つモノマーの重合体であることが望ましい。このような
モノマーの例としてビニルピリジン類(2−ビニルピリ
ジン,4−ビニルピリジン,2−メチル−5−ビニルピリジ
ン等),ビニルピリミジン類,ビニルキノリン類,ビニ
ルカルバゾール類あるいは一般式 (aは0から3の整数、R7とR8は各々炭素数が1から12
のアルキル基)で表わされるo,m,p−ビニルベンジルジ
アルキルアミン類等のスチレン誘導体アミン類あるいは
一般式 (R9は水素あるいは炭素数が1から12のアルキル基)で
表わされるアルキルアミノアクリレート類や、一般式 で表わされるジアルキルアクリルアミン類を挙げること
ができる。
これら3級アミノ基をもつ高分子(polyA)は (R10,R11,R12は水素原子あるいは炭素数が1から11の
飽和あるいは不飽和炭化水素基、Xは臭素あるいはヨウ
素原子)で表わされる化合物、あるいは XCH2bX (bは1から10の整数)で表わされる化
合物、あるいは X′−CH2−Ar (X′はハロゲン原子、Arは芳香族
環)であらわされる化合物あるいは酸ハライド基(−CO
X′あるいは−SO2X′基)を1〜6コ有する炭素数1〜2
0の化合物を用いて4級化することにより容易にアニオ
ン交換基をもつ高分子polyA+とすることができる。また
前記化合物のうちハロゲン基あるいは酸ハライド基を2
個以上有する化合物を用いた場合、polyA部分が4級化
と同時に架橋されるので、含水率の低いアニオン交換膜
が作製されるので好ましい。
また、前記の3級アミノ基は水に溶けて強酸となるも
の、例えば塩化水素,臭化水素,硫酸等の蒸気あるいは
水溶液で処理すれば3級アンモニウム基とすることがで
き、これによっても3級アミノ基をもつ高分子polyAを
アニオン交換基をもつ高分子polyA+とすることができ
る。
ここで、アニオン交換基の導入率はアニオン交換基の導
入可能な高分子polyAを構成するモノマー単位あたり50
%以上であることが望ましく、さらに望ましくは75%以
上である。
本発明のアニオン交換膜を構成するブロック共重合体の
イオン交換基をもたない高分子(polyB,polyB1,polyB2
等)は、疎水性であり、そのホモポリマーのガラス転移
点が20℃以下であることが望ましく、さらに望ましくは
10℃以下である。そのガラス転移点が20℃以上の場合、
最終的に得られるアニオン交換膜の柔軟性が損なわれ硬
くなり、曲げに対して弱くなってしまう。
このような本発明での高分子の例としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリイソプレン,ポリブタジエ
ン,ポリイソブチレン,ポリ塩化ビニリデン,ポリテト
ラフロロエチレン,ポリジメチルシロキサン,ポリ(n
−ブチルメタクリレイト),ポリメチルアクリレイト等
があり、ポリジエン系の高分子が特に望ましい。それは
このような高分子はゴム弾性を持つので、得られるアニ
オン交換膜が曲げや振動に対してさらに強くなるからで
ある。この高分子を構成するジエン系のモノマーとして
は一般式 (ここで、R1,R2,R3,R4,R5,R6は水素原子、炭素数1か
ら12のアルキル基、芳香族環、弗素原子あるいは塩素原
子)で表わされるものである。
本発明でのブロック共重合体を形成する高分子を得る方
法の代表例としては、通常知られている逐次重合法とカ
ップリング法がある。これらのうち逐次重合法において
は、例えばブチルリチウム(n−,sec−,tert−等),2
−メチルブチルリチウム,ナトリウムナフタレン,ナト
リウムアントラセン,α−メチルスチレンテトラマーナ
トリウム,ナトリウムビフェニル等の金属有機化合物を
重合開始剤として、芳香族炭化水素,環状エーテル,脂
肪族炭化水素等を溶媒に用い、真空もしくは不活性ガス
雰囲気下で、重合開始剤を含む溶媒中に必要なモノマー
を適当な時間間隔で投入し、重合すればよい。一方、カ
ップリング法においては上記のアニオン交換基を導入可
能な高分子とイオン交換基を導入しない高分子を別々に
通常の方法で重合した後、それぞれの高分子の片末端あ
るいは両末端に結合に適した活性基を導入し、両者を混
合し、通常の結合反応を行なえばよい。
本発明において、ブロック共重合体を膜状、例えば平
膜,チューブ,ホローファイバー等に成型する方法の例
としては通常の方法でよく、代表的なものとして溶媒蒸
発法がある。この場合、ブロック共重合体を揮発性を溶
媒に溶解し(この時、ポリマー濃度は5〜40重量パーセ
ントであることが望ましい)、この溶液を支持体にむら
なく付着させ、溶媒をゆっくり蒸発させればよい。支持
体としては網状物,中空状の組み紐,不織布の他,多孔
性のシート,チューブあるいは中空糸等がある。ここ
で、網や組み紐は、太さ200μm以下の糸あるいは繊維
から作製されたものであることが望ましい。また、上記
のブロック共重合体溶液を多孔性の支持体表面あるいは
滑らかな表面をもつ物体上に塗布し、そのまま溶媒を蒸
発させるか、適当な時間経過後、凝固剤(原ブロック共
重合体の非溶媒)に投入するか、あるいは、同心円的に
配置された複合紡糸口金を用いブロック共重合体溶液を
さや成分とし、凝固剤あるいは適当な気体を芯成分と
し、空間を自然落下させた後、凝固剤中に導びくことに
よっても製膜が可能である。
本発明において、イオン交換基をもたない高分子polyB,
polyB1,polyB2は必ずしもホモポリマーでなくともよ
く、イオン交換基をもたない(導入しない)他のモノマ
ーとの共重合体であっても本発明の趣意に反しない。こ
の場合、polyB,polyB1あるいはpolyB2等がそれぞれのホ
モポリマーのガラス転移点が20℃以下と50℃以上のモノ
マーの共重合体であれば組成を調節することにより最終
的に得られるアニオン交換膜の硬さを調節することが可
能である。
ここでTgの50℃以上のモノマーの含有率はイオン交換基
をまたない高分子部分の50wt%以下であればよい。ま
た、polyB1とpolyB2のいずれか一方をガラス転移点が20
℃以下の重合体とし、他の一方をガラス転移点が50℃以
上の重合体としてもよく、これによっても最終的に得ら
れる該膜を適当な硬さに調整することができる。
〔発明の効果〕
本発明は以上の如く、先ずブロック共重合体をえて、こ
れをアニオン化しアニオン膜とするために、機械的強度
と柔軟性に優れ電気抵抗の低いアニオン交換膜が得られ
るのみならず、膜の成型についても平面状は勿論のこと
チューブ状,円筒状等様々な形態のアニオン交換膜を容
易に得ることが可能となる。これらによりアニオン交換
膜の用途が拡大されることが期待される。
〔実施例〕
以下、実施例1によって本発明を説明するが、本発明は
これら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン2を溶媒、n
−ブチルリチウム2.2×10-3molを重合開始剤として、イ
ソプレン55g,4−ビニルベンジルメチルアミン(4−VBD
MA)130g,ブタジエン55gをこの順に20時間毎に重合槽中
に投入して通常の逐次重合を行い、polyB1−polyA−pol
yB2型の原ブロック共重合体235gを得た。
この原ブロック共重合体をキシレンに溶解し、ポリマー
濃度を20重量バーセントとし、これをテトラフロロエチ
ルン製の円柱状ローターに塗布し、ローターを水平に回
転しつつ溶媒を自然蒸発させた。得られた原ブロック共
重合体膜をローターより剥がし厚さを測定したところ15
0μmであった。この膜をヨウ化メチルの蒸気中に10時
間放置することによりアミン部分の4級化を行い、真空
乾燥を行ってアニオン交換膜を得た。この膜のアニオン
交換容量を常法である膜を1Nの食塩水に1昼夜浸漬後水
で洗浄し、1Nの硝酸ナトリウム中に1昼夜浸漬し、遊離
したCl-イオンをイオンクロマトグラフィーにより定量
することによる4級化反応の転換率を求めたところ95%
であった。これを2%の四酸化オスミウム水溶液で染色
して、透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリ(4−
VBIMA)層(白い部分)とポリイソブレンあるいはポリ
ブタジエン層(黒い部分)とが交互に配列したラメラ構
造が認められた。これらの層はかなり乱れて曲がりくね
っているものの、1つの層の厚さは100〜200オングスト
ローム程度であった。また、得られたアニオン交換膜を
1mol/のKCl水溶液に50時間浸漬後、0.02mol/と0.01
mol/のKCl水溶液を膜のそれぞれの面に接した時それ
ら両方の溶液間に生じる電位(膜電位)から静的アニオ
ン輸率を求めたところ0.97であり、0.5mol/ NaCl水
溶液中で1000Hzの交流を用いて膜抵抗を測定したところ
1Ω・cm2以下と小さい値であった。また、0.5mol/
NaCl溶液を用いて2A/dm2の電流密度で電気透析を行い塩
素イオンの電流効率を求めたところ90%であった。
また得られたアニオン交換膜は乾燥状態でも水を含んだ
状態でも柔軟性を有し、折り曲げてもひげや裂け目が生
じることはなかった。
実施例2〜4 実施例1において用いるモノマーの重量比を変えた他は
実施例1と同様にしてアニオン交換膜を得た。これらの
モノマー重量と膜の性質を表1に示した。ただし、実施
例3においてはアミン部分の4級化は1,3−ジプロモプ
ロパンを用いて行ったのでアミン部分は架橋されてい
る。いずれの膜もアニオン交換膜として良好な性質を有
していることがわかる。これらの膜は、4−VBDMA含量
が少ない程柔軟であった。
比較例1,2 実施例1において用いるモノマーの重量比を変えた以外
は同様の方法で、アニオン交換膜の作製を試みた。表1
に示したように比較例1では4−VBDMAの含量を20%程
度減らし、比較例2では逆に80%程度まで増加させた。
その結果、比較例1では膜が柔らか過ぎ、また比較例2
では逆に膜が硬過ぎ、いずれも膜としての形状を保つこ
とが不可能であった。
比較例3 比較例1において得られた膜を塩化第二すずの蒸気で24
時間処理することにより、膜のポリイソプレンとポリブ
タジエン部分を架橋し、膜の形状を固定した。この膜の
電気抵抗を実施例1と同様の条件で測定したところ、約
18Ω・cm2と大きな値であった。
比較例4 スチレン(230部),ジビニルベンゼン(30部),可塑
剤(ジオクチルフタレート30部),触媒(過酸化ベンゾ
イル2.5部)およびポリ塩化ビニル微粉末(100部)を混
合して調製したペーストを芯材の布(帝人(株)製、塩
ビスクリーン)に塗布し、これを2枚のポリ四フッ化エ
チレン製の板に挟み密閉容器中で100℃に加熱し、その
まま12時間放置し重合を行った。得られた膜状高分子物
(厚さ200μm)を、無水塩化アルミニウム触媒を行
い、クロロメチルエーテルで処理してクロロメチル化を
行い(反応時間40分,温度20℃)、続いてトリメチルア
ミンを用い常法により4級アンモニウム基を導入した。
得られたアニオン交換膜はKCl水溶液に対するアニオン
輸率は0.97と高い値であったが、0.5mol/ NaCl水溶液
中での電気抵抗は4.2Ω・cm2とかなり大きく、この膜は
柔軟性に欠け折り曲げるとひびが生じた。
実施例5 実施例1と同様に精製したベンゼン1を溶媒とし、se
c−ブチルリチウム1.1×10-3molを重合開始剤として、
ブタジエン56gと2−ビニルピリジン81gを重合槽中に投
入して重合を行い、polyB−polyA型の原ブロック共重合
体135gを得た。
この原ブロック共重合体をキシレンに溶解し、ポリマー
濃度を5重量パーセントとし、これを水銀面上に拡げ、
溶媒を蒸発させ厚さ130μmのフィルムを作製した。こ
の膜をヨウ化エチルの蒸気中に20時間60℃で放置するこ
とによりピリジン環を4級化し、真空乾燥を行ってアニ
オン交換膜を得た。この時の4級化反応の転換率は94%
であった。これを2%の四酸化オスミウム水溶液で染色
して、透過型電子顕微鏡で観察したところ、ポリ(2−
ビニルピリジン)層(白い部分)とポリブタジエン層
(黒い部分)とが交互に配列したラメラ構造が認められ
た。それぞれの層の厚さは約150オングストロームであ
った。得られたアニオン交換膜を1mol/のKCl水溶液に
50時間浸漬後、0.02mol/と0.01mol/のKCl水溶液を
膜で隔て、それら水溶液間に生じる電位から静的アニオ
ン輸率を求めたところ0.95であり、0.5mol/のNaCl水
溶液中で1000Hzの交流を用いて膜抵抗を測定したとこ
ろ、1Ω・cm2以下と非常に小さい値であった。また、
0.5mol/ NaClを用いて2A/dm2の電流密度で電気透析を
行い塩素イオンの電流効率を求めたところ86%であっ
た。
また、得られたアニオン交換膜は乾燥状態でも水を含ん
だ状態でも柔軟性を有し、折り曲げてもひびや裂け目が
生じることはなかった。
実施例6 実施例1で得られた原ブロック共重合体のトルエン溶液
(ポリマー濃度20重量パーセント)にポリエチレン製ネ
ット(NBC工業(株)製、商品名“ニップ強力綱"120×1
02メッシュ)を浸しこれをテトラフロロエチレン製ロー
ターに巻き取り、溶剤を乾燥し、ポリエチレンネットで
バッキングされた原ブロック共重合体膜を得た。これを
ヨウ化エチルの蒸気中に10時間放置し、アミン部分の4
級化を行い、真空乾燥を行ってアニオン交換膜を得た。
この時の4級化反応の転換率は96%であった。実施例1
と同様に電子顕微鏡で観察したところ実施例1と同様の
ラメラ構造が認められた。また、実施例1と同様に求め
た静的アニオン輸率は0.96、膜抵抗は1Ω・cm2以下で
あった。
この膜を2室型の透析セルに装着し、一方の室に1Nの塩
酸,他方の室に純水を満たし、両方の液をマグネチック
スターラーで撹拌しつつ透析を行った。この時、塩酸の
膜透過速度から求めた拡散速度は18mol/m2・hr・(mol/
)と従来のアニオン交換膜に比べて2倍以上大きな値
であった。
実施例7 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン1を溶媒、n
−ブチルリチウム8×10-4molを重合開始剤として、ブ
タジエン70gを20時間重合し、続いてこの重合槽中に4
−ビニルベンジルジエチルアミン(4−VBDEA)105gを
投入し20時間重合してpolyA−polyB型の原ブロック共重
合体170gを得た。
この原ブロック共重合体をトルエンに溶解し、ポリマー
濃度を18重量パーセントとし、これをテトラフロロエチ
レン製の円柱状ローターに塗布し、ローターを水平に回
転しつつ溶媒を自然蒸発させ、厚さ140μmの膜を得
た。この膜をジヨードブタンの蒸気中35℃で10日間放置
することにより、アミン部分の4級化および架橋を行
い、続いてヨウ化メチルの蒸気中25℃で10時間放置し、
真空乾燥を行いアニオン交換膜を作製した。4級化率は
95%であった。
得られたアニオン交換膜を2%の四酸化オスシウム水溶
液で染色して透過型電子顕微鏡で観察したところ、4級
化ポリ(4−VBDEA)層(白い部分)とポリブタジエン
層(黒い部分)とが交互に配列したラメラ構造が認めら
れた。これらの層はかなり乱れて曲がりくねっており、
1つの層の厚さは100〜250オングストローム程度であっ
た。また、このアニオン交換膜を1mol/のKCl水溶液に
50時間浸漬後、0.02mol/と0.01mol/のKCl水溶液を
膜のそれぞれの面に接した時、それら両方の溶液間に生
じる電位から静的アニオン輸率を求めたところ0.98であ
り、0.5mol/のNaCl水溶液中で1000Hzの交流を用いて
膜抵抗を測定したところ約1.5Ω・cm2であった。また、
0.5mol/のNaCl水溶液を用いて2A/dm2の電流密度で電
気透析を行い塩素イオンの電流効率を求めたところ95%
であった。また、得られたアニオン交換膜は乾燥状態で
も水を含んだ状態でも柔軟性を有し、折り曲げてもひび
や裂け目が生じることはなかった。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン交換基をもつ高分子とイオン交換
    基をもたない高分子とが直鎖状に結合した不均質構造を
    もつブロック共重合体で該アニオン交換基をもつ高分子
    部分の該共重合体に対する割合が重量比で25〜75パーセ
    ントであることを特徴とするアニオン交換膜。
  2. 【請求項2】アニオン交換領域とイオン交換基をもたな
    い領域が層状でいずれも厚さが50〜500オングストロー
    ムである特許請求の範囲第1項記載のアニオン交換膜。
  3. 【請求項3】アニオン交換領域が柱状であり、イオン交
    換基をもたない領域がマトリックス相であって、アニオ
    ン交換領域の直径が50〜500オングストロームである特
    許請求の範囲第1項記載のアニオン交換膜。
  4. 【請求項4】アニオン交換領域がマトリックス相であ
    り、イオン交換基をもたない領域が島状あるいは柱状で
    あって、イオン交換基をもたない領域の直径が50〜500
    オングストロームである特許請求の範囲第1項記載のア
    ニオン交換膜。
  5. 【請求項5】ブロック共重合体がアニオン交換基をもつ
    高分子(polyA+)とイオン交換基をもたない高分子(po
    lyB)からなり、その結合様式が(polyA+−polyB)n,po
    lyBpolyA+−polyB)n,polyA+polyB−polyA+)n (nは整数)のいずれかである特許請求の範囲第1項記
    載のアニオン交換膜。
  6. 【請求項6】ブロック共重合体がアニオン交換基をもつ
    高分子(polyA+)とイオン交換基をもたない異なるモノ
    マーからなる少なくとも2種類の高分子(polyB1とpoly
    B2)とから構成され、その結合様式がpolyB1−polyA+
    polyB2,polyB1−polyA+−polyB2−polyA+,polyB1−poly
    A+−polyB2−polyA+−polyB1,polyA+−polyB1−polyA+
    −polyB2−polyA+のいずれかである特許請求の範囲第1
    項記載のアニオン交換膜。
  7. 【請求項7】ブロック共重合体を構成するpolyA+,poly
    B,polyB1,polyB2で表わされる高分子の分子量がいずれ
    も103〜106g/molである特許請求の範囲第1項から第6
    項記載のアニオン交換膜。
  8. 【請求項8】イオン交換基をもたない高分子が、疎水性
    であり、そのホモポリマーのガラス転移点が20℃以下で
    ある特許請求の範囲第1項から第7項記載のアニオン交
    換膜。
  9. 【請求項9】イオン交換基をもたない高分子が一般式 (ここで、R1,R2,R3,R4,R5,R6は水素原子,炭素数1か
    ら12のアルキル基,芳香族環,弗素あるいは塩素原子の
    いずれかを表わす。)で表わされるジエン系モノマーを
    重合してえられる特許請求の範囲第1項から第8項記載
    のアニオン交換膜。
  10. 【請求項10】アニオン交換領域とイオン交換基をもた
    ない領域のいずれかあるいは両方が架橋されている特許
    請求の範囲第1項から第9項記載のアニオン交換膜。
  11. 【請求項11】3級窒素原子を有する高分子とイオン交
    換基を導入しない高分子とを、逐次反応又はカップリン
    グ反応により該3級窒素原子を有する高分子部分の割合
    が重量比で25〜75パーセントになるよう直鎖状に結合さ
    れたブロック共重合体を製造し、これを膜状に成型後、
    該3級窒素原子を有する高分子を3級塩基又は4級アン
    モニウム塩基とすることによりアニオン交換基を導入す
    ることを特徴とするアニオン交換膜の製造方法。
  12. 【請求項12】ブロック共重合体が3級窒素原子を有す
    る高分子(polyA)とイオン交換基を導入しない高分子
    (polyB)からなり、その結合様式が(polyA−polyB)
    n,polyBpolyA−polyB)n,polyApolyB−polyA)n
    (nは整数)のうちいずれかである特許請求の範囲第11
    項記載の製造方法。
  13. 【請求項13】ブロック共重合体が3級窒素原子を有す
    る高分子(polyA)とイオン交換基を導入しない高分子
    (polyB1とpolyB2)とから構成され、その結合様式がpo
    lyB1−polyA−polyB2,polyB1−polyA−polyB2−polyA,p
    olyB1−polyA−polyB2−polyA−polyB1,polyA−polyB1
    −polyA−polyB2−polyAのうちいずれかである特許請求
    の範囲第11項記載の製造方法。
  14. 【請求項14】ブロック共重合体を構成するpolyA,poly
    B,polyB1,polyB2で表わされる高分子の分子量がいずれ
    も103〜106g/molである特許請求の範囲第11項から第13
    項記載の製造方法。
  15. 【請求項15】イオン交換基を導入しない高分子が、疎
    水性でありそのホモポリマーのガラス転移点が20℃以下
    である特許請求の範囲第11項から第14項記載の製造方
    法。
  16. 【請求項16】イオン交換基をもたない高分子が一般式 (ここで、R1,R2,R3,R4,R5,R6は水素原子,炭素数1か
    ら12のアルキル基,芳香族環,弗素原子あるいは塩素原
    子を表わす。)で表わされるジエン系モノマーを重合し
    てえられる特許請求の範囲第11項から第15項記載の製造
    方法。
  17. 【請求項17】アニオン交換基をもつ高分子とイオン交
    換基をもたない高分子のいずれかあるいは両方を架橋す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第11項から第16項記
    載の製造方法。
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