JPH0430820B2 - - Google Patents

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JPH0430820B2
JPH0430820B2 JP63080028A JP8002888A JPH0430820B2 JP H0430820 B2 JPH0430820 B2 JP H0430820B2 JP 63080028 A JP63080028 A JP 63080028A JP 8002888 A JP8002888 A JP 8002888A JP H0430820 B2 JPH0430820 B2 JP H0430820B2
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photocatalyst
ethylene
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container
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農産物の鮮度保持方法および装置と、
植物の成長を人工的に制御する方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
野菜や果実、花、観葉植物、球根などの農産物
は、収穫された後の保存の過程においてエチレン
ガスを生成して成熟し、またエチレンガスの濃度
の高い空間では成熟が著しく促進されることが知
られている(増田芳雄著「植物生理学」培風館)。
そこで、収穫された農産物を密閉された空間で保
存するに際して、その鮮度を長期にわたつて維持
するためには、農産物から生成されるエチレンガ
スを除去し、あるいはエチレンガスの生成を抑制
することが重要になる。一方、植物の成長の際に
もエチレンガスが生成され、かつこのエチレンガ
スの植物の成長を促進することも、上記の文献な
どに示されている。従つて、野菜や花木、観葉植
物などを密閉された空間(例えば温室)で栽培す
るに際して、エチレンガスの濃度を制御すること
が、成長を制御する上で重要になる。
もちろん、収穫された農産物を新鮮な空気が流
通する開放空間に置けば、発生したエチレンガス
はある程度は流されていくので、農産物が過熱し
していく速度を低下させることはできる。しか
し、冷蔵庫のような場合には農産物収容空間を開
放することは不可能であり、農産物を収容した箱
を開けておくことは、収納などの点で著しく不便
である。そして、このような密閉空間で一部の農
産物が腐つたりすると、そこから生じたエチレン
ガスが他の農産物を過熱させ、結局は当該密閉空
間内の全ての農産物が腐つてしまうことになる。
これは植物を温室や人工栽培室で成長させる場合
も同様で、植物栽培空間のある程度以上の密閉性
は避けることができない。
従来、収穫された農産物の鮮度を密閉空間で維
持するものとして、例えば特公昭55−50451号公
報の技術がある。これは、数オングストロームの
細孔を有する炭素に臭素を吸着させ、貯蔵庫のエ
チレンガスを除去しようとするものである。ま
た、特開昭62−184035号公報では、エチレン吸収
能を有する鮮度保持フイルムで農産物を包むこと
が示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前者の公告公報の技術では、少
量の農産物の保存に際しても大量の鮮度維持材を
使用しなければならず、従つて手間がかかるだけ
でなくコスト高になるという欠点があつた。ま
た、後者の公開公報の技術では、少量の農産物の
保存に際しては少量の鮮度保持フイルムを使用す
るだけなので、コストを低減できる効果があるも
のの、個々の農産物をフイルムで包む作業が新た
に必要になり、手間がかかつて結局はコスト高に
なつてしまう。
一方、上記公報に示されている鮮度維持材ある
いは鮮度保持フイルムを、温室での植物成長制御
などに適用しようとすると、大量の維持材を用い
なければならず、またフイルムを用いるときには
成長中の植物を個々にフイルムで包まなければな
らず、実際問題としては植物成長制御への適用は
不可能になつてしまう。
そこで本発明は、収穫された農産物の鮮度保持
を、ほぼ密封された空間内で、低いコストで簡単
に行なうことのできる鮮度保持方法と装置を提供
することを目的とする。
また本発明は、ほぼ密閉された空間内での植物
の成長の制御を、低いコストで簡単に行なうこと
のできる植物成長制御方法を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意
検討を重ねた結果、下記の2点に着目して本発明
をなすに至つた。
第1は、酸化チタン(TiO2)あるいは白金
(Pt)を担持した酸化チタンなどからなる光触媒
(半導体光触媒)に光照射を行なうと、水分の存
在する雰囲気中のエチレンガスは分解されて二酸
化炭素などを生成することである。これは、ケミ
カル・フイジツクス・レターズ(Chemical
Physics Letters)Vol.70、No.1(1980、2、15)
などに示され、エチレンガスは C2H4+4H2O→2CO2+6H2 の反応式に従つた分解反応を、励起された光触媒
の存在下で起こすことが明らかにされている。こ
こにおいて、エチレンガスの分解の結果として生
成される二酸化炭素は、前掲の増田芳雄による文
献に示される通り、農産物の成熟をもたらすエチ
レン作用の拮抗的阻害物質であり、また植物の成
長をもたらすエチレン作用の拮抗的阻害物質であ
る。従つて、エチレンガスを除去することで農産
物の成熟および植物の成長を抑制しながら、同時
に二酸化炭素で上記のエチレン作用を抑制するこ
とが可能になる。
第2の着目点は、従来の鮮度維持材あるいは鮮
度保持フイルムは、いずれもエチレンガスを吸着
あるいは吸収することによつて農産物の成熟、植
物の成長を抑制しようとするものであり、いわば
エチレン吸着型(吸収型)の鮮度保持技術である
ということである。このため、従来のものでは時
間の経過と共にエチレンの吸着能は低下し、従つ
て長期の鮮度保持に適したものでなく、また吸着
材料自体を頻繁に取り換えなければならない。さ
らに、エチレンの吸着能を制御することは不可能
である。これに対し、光触媒を用いるものはエチ
レン吸着型と全く異なり、エチレンを分解してし
まうもの(エチレン分解型)であり、しかも用い
る材料は触媒であるので従来の吸着型と異なり少
量ですみ、またエチレン分解能が使用時間と共に
低下することもない。従つて、材料の取り換えが
原理的に不要となり、しかもエチレン分解能は光
照射によつて自在に制御される。
本発明に係る鮮度保持方法は、エチレンを生成
して成熟し、かつエチレンによつて成熟が促進さ
れる農産物の鮮度を保持するための鮮度保持方法
であつて、光によつて励起されてエチレンを分解
する光触媒を、前述の農産物を収容したほぼ密閉
された空間に配置し、光触媒(半導体光触媒)を
そのバンドギヤツプエネルギー以上の光の照射に
よつて励起させることを特徴とする。ここで、光
触媒は例えば酸化チタンもしくは白金を担持した
酸化チタンを含む半導体触媒から構成され、この
半導体触媒はバンドギヤツプエネルギー以上のエ
ネルギーを持つた波長の光の照射により励起さ
れ、前述の農産物からの水分の供給の下で、エチ
レンガスを前述の反応式に従つて分解する。
本発明に係る鮮度保持装置は、エチレンを生成
して成熟し、かつエチレンによつて成熟が促進さ
れる農産物の鮮度を、冷蔵庫のようなほぼ密閉さ
れた空間で保持するための鮮度保持装置であつ
て、農産物を収容するための農産物収容空間を形
成するほぼ密閉可能な容器と、この農産物収容空
間に接して光触媒収容空間を形成するよう上記の
容器に配設される通気可能な保持部材と、光触媒
収容空間に配設され、光励起によつてエチレンを
分解する光触媒とを備えることを特徴とする。こ
こで、光源は人工の光源であつてもよく、太陽光
などを用いてもよいが、光触媒はこれら光源から
の光により励起されうるバンドギヤツプエネルギ
ーを持つていることが必要である。
本発明に係る植物の成長制御方法は、エチレン
を生成して成長し、かつエチレンによつて成長が
促進される植物の成長を制御するための植物の成
長制御方法であつて、光によつて励起されてエチ
レンを分解する光触媒を、植物を成長させるため
にほぼ密閉された空間に配置し、光触媒を光照射
によつて励起させることを特徴とする。ここで、
上記のほぼ密閉された空間は例えば温室や人工栽
培室であり、光触媒は太陽光によつて、あるいは
人工光源からの光によつて励起される。
〔作 用〕
本発明に係る鮮度保持方法および装置によれ
ば、農産物から生成されるエチレンガスは光触媒
の介在によつて効率よく分解され、二酸化炭素が
生成される。従つて、農産物の成熟を促進するエ
チレンガスの濃度は低く抑えられ、かつ農産物の
成熟をもたらすエチレン作用の拮抗的阻害物質と
しての二酸化炭素は高濃度にされ、従つて長期に
わたつて鮮度が維持される。
本発明に係る植物の成長制御方法によれば、植
物の成長に際して生成されるエチレンガスは光触
媒の介在によつて効率よく分解され、二酸化炭素
が生成される。従つて、光触媒の配置およびその
光励起の制御により、エチレンガスと二酸化炭素
の濃度を制御して植物の成長を制御することが可
能になる。
〔実施例〕
以下、添付図面の第1図ないし第8図にもとづ
いて、本発明のいくつかの実施例を説明する。な
お、図面の説明において同一要素には同一符号を
付し、重複する説明を省略する。
第1図は本発明に係る鮮度保持方法を適用した
装置の、第1実施例の斜視図である。立方体ない
し直方体形状の容器1の前面には、ドアー2が開
閉自在にヒンジ結合され、取手3を操作して図示
しない農産物を農産物収容空間4に収納し、ある
いは取り出せるようになつている。容器1の内面
の上部には受け棚5が突出して形成され、ここに
光触媒ユニツト6が載置されている。光触媒ユニ
ツト6は光触媒受け皿61と、この上の光触媒収
容空間に配設された光触媒62と、この光触媒6
2の上側を覆う透明カバー63から構成される。
そして、容器1の天井には反射ミラー7が固設さ
れ、この反射ミラー7と光触媒ユニツト6の間に
光源8が固設されている。
光触媒受け皿61は通気性を有する薄膜状の材
料で構成され、あるいは無数の微細な通気孔を有
するフイルタ状の材料で構成され、光触媒62が
収容された空間(光触媒収容空間)と農産物収容
空間4の間では、エチレンガスや二酸化炭素、水
蒸気が自由に流通できるようになつている。具体
的には、光触媒62はパウダー状であつて直径が
数10μm以上であり、これに対してエチレンガ
ス、二酸化炭素、水蒸気は数オングストローム以
下であり、従つて受け皿はこれらの間の大きさの
通気孔を多数有するフイルタ状のものなどで形成
される。なお、受け皿61を通気性のない材料で
形成し、一部にいくつかの通気孔を設けてもよ
い。
また、光源8は光触媒62を励起させうるエネ
ルギー(半導体触媒のバンドギヤツプエネルギー
以上のエネルギー)の波長の光を発するものであ
り、透明カバー63はこの光を透過する性質を有
する材料で構成される。具体的には、光触媒62
として酸化チタンを用いたときには、410nm以
下の波長の光を照射する必要があり、これに適し
た光源8と透明カバー63が選ばれる。なお、本
発明の効果を達成するためには、密閉空間に光触
媒が配置され、これが光励起されるようになつて
いれば十分であり、受け皿61や透明カバー63
は必須のものではなく、例えば光触媒はメツシユ
状の袋体に収納されて密閉空間に吊下されていて
もよい。
次に、第2図を参照して、第1図に示す実施例
の作用を説明する。
第2図は第1図の装置の縦断面図である。図示
の通り、容器1によつて形成される農産物収容空
間4には収穫された農産物としてトマト10が入
れられ、ドアー2は閉じられているものとする。
そして、光源8は点灯されて、光触媒収容空間6
4中の光触媒62は光励起されているものとす
る。すると、トマト10の成熟によつてエチレン
ガスが生成され、これによつて農産物収容空間4
中のエチレン濃度は高まる。このエチレンガスは
光触媒受け皿61を通つて光触媒収容空間64中
に入る。すると、ここで光励起された光触媒62
の作用により、 C2H4+4H2O→2CO2+6H2 の化学式に従つてエチレンガスは分解され、従つ
てエチレンガスの濃度が低下される。同時に、二
酸化炭素の生成によつて農産物収容空間4中の二
酸化炭素ガス濃度が上昇する。以上の結果、トマ
ト10の成熟は抑制され、鮮度が保持されること
が可能になる。なお、上記のエチレン分解の過程
で水(H2O)が消費されることになるが、エチ
レン自体の量が数ppmの濃度しか発生しないた
め、この消費量は非常にわずかであり、野菜など
の農産物によつてもたらされる水分(水蒸気)で
十分である。
次に、第1実施例の第1の変形例を、第3図に
より説明する。
第1図および第2図に示す第1実施例では、農
産物収容空間4を低温にすることについて特に工
夫がされておらず、また光源8が容器1の内部に
設けられているため、その発熱によつて農産物収
容空間4の温度が上昇しがちである。農産物の中
には、例えばバナナのように低温障害(腐敗)を
おこすものがあるが、低温にすればより長期の保
存が可能になるものも多い。
そこで、第3図の変形例は、農産物収容空間4
を低温に保つことによつて、鮮度の保持を更に向
上させようとするものである。すなわち、容器1
に冷却ポンプ31を取り付け、これによつて冷気
32を農産物収容空間4内に供給し、農産物収容
空間4の内部を低温に保つ。また、光触媒を励起
するための光源8を、容器1の外部に配置して光
フアイバケーブル33で励起光を光触媒ユニツト
6に導く。このようにすれば、励起された光触媒
の作用でエチレンガスを分解しながら、農産物収
容空間4を光源8によつて高温化させることがな
いので、冷却ポンプ31の消費エネルギーを低減
できる。また、容器1に取り付けられた棚21,
22上のトマト10、バナナ11、キヤベツ12
等の鮮度を、より長期にわたつて保持することが
可能になる。
次に、第1の実施例の第2の変形例を、第4図
ないし第6図により説明する。
第4図はその全体構成を示す断面図である。図
示の通り、容器1にはドアー2が取り付けられ、
従つて取手3を操作することで農産物収容空間4
中の棚21〜232上に、トマト10、バナナ1
1、キヤベツ12等の農産物を収納したり、取り
出したりできるようになつている。このような容
器1のドアー2の反対側の内面には触媒ボツクス
69が取り付けられ、これによつて水分の存在す
る雰囲気下でのエチレンの分解がされる。
触媒ボツクス69の断面構造は第5図の示すよ
うになつている。同図において、ボツクス691
の下側壁面には複数の吸気孔692が形成され、
上側壁面には複数の排気孔693が形成される。
そして、この吸気孔692および排気孔693は
共に折れ曲り形状をなし、従つて内部からの光線
がボツクス691の外部に漏れないようになつて
いる。ボツクス691の内面には表面積が増加す
るように曲げられたリブ694が形設され、この
リブ694の表面には無数の光触媒パウダー69
5が付着されている。そして、ボツクス691の
中心部分には光触媒励起用の光源8が配置されて
いる。第6図はリブ694に光触媒パウダー69
5が付着させられた様子を示す拡大断面図であ
る。図示の通り、曲がつたリブ694の外面には
一様に接着剤696が塗布され、これに光触媒パ
ウダー695が無数に接着されている。
次に、上記の変形例の作用を説明する。
まず、容器1には冷却ポンプ(図示せず)が設
けられ、第4図のものが冷蔵庫としての機能も有
しているとする。そして、農産物収容空間4には
図示のようにトマト10、バナナ11、キヤベツ
12等が収納されているものとする。
この状態で、第5図に示す光源8が図示しない
電源によつて通電し、紫外線を多く含む高エネル
ギーの光を発すると、リブ694に付着された光
触媒パウダー695は光励起される。また、ボツ
クス691内の空気は光源8によつて加熱され、
従つて、農産物収容空間4内の空気は吸気孔69
2を通つてボツクス691内の吸入され、ボツク
ス691内の空気は排気孔693を通つて農産物
収容空間4内に排気される。従つて、農産物収容
空間4内では第4図に矢印で示すような対流が生
じることになり、農産物の成熟によつて生成され
たエチレンガスと農産物から出た水分は、次々と
ボツクス691内に送られることになる。
その結果、ボツクス691内ではエチレンガス
の分解反応が生じ、二酸化炭素を多く含みエチレ
ンガスをほとんど含まない空気が、農産物収容空
間4内に次々と供給されることになる。なお、こ
のときの光源8による温度上昇は冷却ポンプ(図
示せず)の機能により補償される。また、吸気孔
692および排気孔693は折れ曲つて光トラツ
プをなしているので、農産物等にとつて有害に光
源8からの紫外線は、農産物収容空間4内に漏れ
たりすることがない。また、光源8をオゾンを生
じさせないような波長の光を発するランプにして
おけば、農産物収容空間4内に有害なオゾンか充
満することもない。
次に、本発明に係る鮮度保持方法および装置の
第2の実施例を、第7図ないし第9図により説明
する。
この第2の実施例は、光触媒を励起させる光源
として、太陽光あるいは室内光などを用いるもの
で、第1の例は第7図の如く構成される。同図に
おいて、容器1は上方に開放された筺体をなし、
その内面の開口近傍に受け棚5が固設されてい
る。光触媒受け皿61はこの受け棚5に受けられ
うる寸法に形成され、その上にはパウダー状の光
触媒62が広げられている。そして、透明カバー
63によつて容器1の開口が閉じられると、農産
物収容空間4と光触媒収容空間は容器1と透明カ
バー63により密閉されるようになつている。農
産物の収納は、光触媒受け皿61および透明カバ
ー63を持ち上げた状態で行ない、収納後はこれ
を太陽光のあたる場所に置く。すると、太陽光に
よつて光触媒62は励起され、農産物からのエチ
レンガスは分解されるので、その鮮度が長く保持
されることになる。
第8図にその変形例を示す。この変形例では、
光触媒受け皿61、光触媒62および透明カバー
63で構成される光触媒ユニツト6が、ヒンジ機
構40によつて容器1にヒンジ結合されている。
従つて、光触媒ユニツト6が同時に容器1のド
アーとしての機能を有している。この変形例で
は、ドアーとしての光触媒ユニツト6が閉じられ
たとき、光触媒ユニツト6の上面は一方向に傾斜
しているので、屋外で使用(太陽光による励起)
されたときに雨天になつても、雨水が光触媒ユニ
ツト6上にたまつたりすることがない。
第9図に他の変形例を示す。この例では6個の
光触媒ユニツト6a〜6fが、容器1の上部に形
成された棚41上に立て掛けられており、この上
には透明なカバー42が取りつけられている。こ
の例では、農産物収容空間4への農産物の出し入
れは、容器1の前面にヒンジ結合(図示せず)さ
れたドアー2によりなされる。
次に、本発明に係る植物の成長制御方法につい
て説明する。
第10図は第1実施例を示す断面図である。地
面71上には温室72が建てられ、この温室72
内の地面71上には密閉のためのシート73が敷
かれている。そして、シート73上には複数のプ
ランタ74が配置され、ここに植物75が植えら
れている。温室72の天井近傍には光触媒ユニツ
ト6が配設されている。植物75は成長の過程で
エチレンガスを生成し、これによつて温室72内
のエチレンガス濃度が高くなる。そこで、温室7
2内に適宜の数の光触媒ユニツト6を配設してお
くと、光触媒は太陽光によつて励起され、温室7
2内のエチレンガスは分解されて二酸化炭素が生
成される。従つて、温室内の植物75の成長に係
わるエチレン作用を所望に制御でき、しかも二酸
化炭素によつて光合成の条件を高めることが可能
になる。
第11図は第2実施例を示す断面図である。人
工栽培室81内にはプランタ82が設けられ、こ
れに栽培液83と栽培マツト84が入れられてい
る。栽培液83はポンプ85によつてホース86
を介して循環させられる。なお、このポンプ85
はタンク87に連結されている。人工栽培室81
の天井には光触媒ユニツト6が固着され、その下
に設けられた光源8によつて光励起される。そし
て、光源8の下側には光源8からの紫外線が植物
75に照射されないようにするための紫外線吸収
フイルタ88が設けられている。
この実施例によれば、植物75は栽培液83と
光源8からの有害な紫外線を除いた光照射によつ
て成長し、その過程でエチレンガスを生成する。
ところが、このエチレンガスは光源8からの主と
して紫外線によつて光励起された光触媒ユニツト
6中の光触媒を介して分解され、二酸化炭素を生
成する。このため、光触媒ユニツト6の数あるい
は光源8による光励起と程度を制御することによ
り、人工栽培室81内のエチレンガス濃度を制御
でき、従つて植物75の成長に影響を与えるエチ
レン作用を所望に制御できる。しかも、エチレン
分解の過程で生成された二酸化炭素は、植物75
の光合成を促進することになる。
次に、本発明の効果を確認するために、本発明
者らが行なつた具体的な実施例について説明す
る。
実施例 1 まず、貯蔵庫のモデルとして密閉性の良好のデ
シケータを用い、その上側開口近傍の受け棚に光
触媒受け皿をセツトした。そして、その上に光触
媒としての二酸化チタン微粉末(フルウチ化学
製、300メツシユ)を広げた。デシケータの側面
にはアルミ箔を貼り付け、内部の農産物に光が照
射されるのを防いだ。なお、デシケータの蓋につ
いては、半導体光触媒としての酸化チタンのバン
ドギヤツプエネルギー以上のエネルギーを持つた
光である410nm以下の波長の光を、十分に透過
しうるものであることをあらかじめ確認しておい
た。
このように構成されたデシケータ内部に、完熟
したトマトを2個、新鮮なレタスを1個、新鮮な
ブロツコリを6個、新鮮なホウレン草を5株だけ
セツトした。そして、冬期に太陽光の当たる戸外
に置き、7日間静置した。7日後に内部の農産物
を調べたところ、次のようなことがわかつた。
トマト…適度に柔らかい状態で、鮮度は十分に保
持されていた。また、表面は輝き(光沢)のあ
る赤色を保つていた。
レタス…傷みは全く見られず、新鮮であつた。
ブロツコリ…新鮮であつた。
ホウレン草…一部でしおれていたが、かなり生き
生きしていた。
比較例 1 実施例1と同じ型のデシケータを用い、同じ種
類の農産物を同じ数だけ入れ、実施例1のデシケ
ータと並べて戸外に7日間静置した。但し、光触
媒はセツトしなかつた。7日後に農産物を取り出
して調べたところ、次のようになつていた。
トマト…2個とも熟しすぎ、過度に柔かくなつて
いた。また、表面は輝き(光沢)のない鈍い赤
色に変つていた。
レタス…部分的に黒かつ色になつており、腐つて
いた。
ブロツコリ…実施例1と同様であつた。
ホウレン草…クロロフイルの分解により、淡緑色
に変わり、全体が著しくおれていた。
なお、ガスクロマトグラフイによる測定では7
日後の農産物表面のエチレン濃度は、実施例1で
は比較例1の数分の一以下であつた。
実施例2、比較例2 実施例1、比較例1と同様のデシケータを用
い、実施例2についてのみ光触媒として、 B.Kraeutler、A.J.Bardの方法(J.Am Chem.
Soc.、Vol.100、No.13、1978)により合成した白
金を担持した酸化チタンをセツトした。そして、
太陽光に代えて500Wのキセノンランプを光源と
し、72時間の光照射を並行して行なつた。72時間
後にデシケータ内部の農産物表面のエチレン濃度
を調べたところ、実施例2の場合には比較例2の
場合の数分の一以下であつた。
実施例3、比較例3 実施例2、比較例2と同様の実験を、大型冷凍
庫の内部で行なつた。但し、実施例3の光触媒を
励起する光源には、冷蔵庫の殺菌灯を代用した。
その結果、実施例2、比較例2と同様に、エチレ
ン濃度に数倍以上の差があることが判明した。
本発明は上記実施例に限定されず、種々の変形
が可能である。
例えば、光源の形状や光触媒ユニツトの具体的
構成については、種々の変形が可能である。ま
た、光触媒としては半導体光触媒である酸化チタ
ンおよび白金を担持した酸化チタンを例示した
が、光照射によつて励起され、エチレンを分解さ
せるものであれば、酸化スズ(SnO2)、酸化タン
グステン(WO3)、硫化亜鉛(ZnS)、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸
化亜鉛(ZnO)であつてもよく、硫化カドニウム
(CdS)やシリコン(Si)であつてもよい。但し、
カドニウムなどを用いるときには毒性が問題とな
るので、農産物に降りかかつたりしないような特
別の工夫が必要になる。また、光触媒の表面積を
大きくする点では、パウダー状とするのが望まし
いが、これに限られるものでもない。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り、本発明に係る鮮度
保持方法および装置によれば、農産物から生成さ
れるエチレンガスは光触媒の介在によつて効率よ
く分解され、二酸化炭素が生成される。従つて、
農産物の成熟を促進するエチレンガスの濃度は低
く抑えられ、かつエチレン作用の拮抗的阻害物質
である二酸化炭素は高濃度にされ、従つて長期に
わたつて鮮度が維持される。このため、収穫され
た農産物の鮮度保持を、保存庫や冷蔵庫のような
密閉空間で、低いコストで簡単に行なえる効果が
ある。
また、本発明に係る植物の成長制御方法によれ
ば、植物の成長に際して生成されるエチレンガス
は光触媒の介在によつて効率よく分解され、二酸
化炭素が生成される。従つて、光触媒の配置され
る量やその光励起の制御により、エチレンと二酸
化炭素の濃度を制御してエチレン作用を制御する
ことが可能になる。このため、植物の成長の制御
を、温室のような密閉された空間内で、低いコス
トで簡単に行なうことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の鮮度保持方法および装置に係
る第1実施例を説明する斜視図、第2図は第1図
に示す実施例の作用を説明する断面図、第3図は
第1実施例の変形例の断面図、第4図は第1実施
例の他の変形例の断面図、第5図および第6図は
第4図の要部の断面図、第7図は鮮度保持方法お
よび装置に係る第2実施例を説明する斜視図、第
8図および第9図は第2実施例の変形例の断面
図、第10図および第11図は本発明に係る植物
の成長制御方法を説明する図である。 1……容器、2……ドアー、3……取手、4…
…農産物収容空間、5……受け棚、6……光触媒
ユニツト、61……光触媒受け皿、62……光触
媒、63……透明カバー、64……光触媒収容空
間、69……触媒ボツクス、691……ボツク
ス、692……吸気孔、693……排気孔、69
4……リブ、695……光触媒パウダー、696
……接着剤、7……反射ミラー、8……光源、1
0……トマト、11……バナナ、12……キヤベ
ツ、21〜23……棚、31……冷却ポンプ、3
2……冷気、33……光フアイバケーブル、40
……ヒンジ機構、71……地面、72……温室、
73……シート、74……プランタ、75……植
物、81……人工栽培室、83……栽培液、84
……栽培マツト、85……栽培液用ポンプ、86
……栽培液用ホース、87…栽培液用タンク。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エチレンを生成して成熟し、かつエチレンに
    よつて成熟が促進される農産物の鮮度を保持する
    ための鮮度保持方法において、 光によつて励起されてエチレンを分解する光触
    媒を前記農産物を収容したほぼ密閉された空間に
    配置し、前記光触媒を光照射によつて励起させる
    ことを特徴とする鮮度保持方法。 2 前記光触媒が、酸化チタンもしくは白金を担
    持した酸化チタンを含んで構成されることを特徴
    とする請求項1記載の鮮度保持方法。 3 エチレンを生成して成熟し、かつエチレンに
    よつて成熟が促進される農産物の鮮度を保持する
    ための鮮度保持装置において、 前記農産物を収容するための農産物収容空間を
    形成するほぼ密閉可能な容器と、前記農産物収容
    空間に接して光触媒収容空間を形成するよう前記
    容器に配設される通気可能な保持部材と、前記光
    触媒収容空間に配設され光励起によつてエチレン
    を分解する光触媒とを備えることを特徴とする鮮
    度保持装置。 4 前記光触媒をそのバンドギヤツプエネルギー
    以上の光で照射するよう前記容器に配設された光
    源を更に備えることを特徴とする請求項3記載の
    鮮度保持装置。 5 前記容器が前記農産物収容空間を形成する第
    1の容器と、前記光触媒収容空間を形成する第2
    の容器とを含むことを特徴とする請求項3または
    4記載の鮮度保持装置。 6 エチレンを生成して成長し、かつエチレンに
    よつて成長が促進される植物の成長を制御するた
    めの植物の成長制御方法において、 光によつて励起されてエチレンを分解する光触
    媒を前記植物を成長させるためのほぼ密閉された
    空間に配置し、前記光触媒をそのバンドギヤツプ
    エネルギー以上の光の照射によつて励起させるこ
    とを特徴とする植物の成長制御方法。
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