JPH04329830A - 鉄損の低い薄物一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の低い薄物一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH04329830A
JPH04329830A JP3100232A JP10023291A JPH04329830A JP H04329830 A JPH04329830 A JP H04329830A JP 3100232 A JP3100232 A JP 3100232A JP 10023291 A JP10023291 A JP 10023291A JP H04329830 A JPH04329830 A JP H04329830A
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菅 洋三
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電機機器の鉄心に用いら
れる薄物一方向性珪素鋼板の製造方法に関するもので、
これにより鉄損の低い薄物一方向性珪素鋼板の製造を可
能にするものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は鋼板面が{110}
面で、圧延方向が〈100〉軸を有する、いわゆるゴス
方位(ミラー指数で{110}〈001〉方位を表わす
)を持つ結晶粒から構成されており、軟磁性材料として
変圧器および発電機用の鉄心に使用される。この鋼板は
磁気特性として磁化特性と鉄損特性が良好でなければな
らない。磁化特性の良否はかけられた一定の磁場中で鉄
心内に誘起される磁束密度の高低で決まり、磁束密度の
高い製品では鉄心を小型化できる。磁束密度の高さは鋼
板結晶粒の方位を{110}〈001〉に高度に揃える
ことによって達成できる。
【0003】鉄損は鉄心に所定の交流磁場を与えた場合
に熱エネルギーとして消費される電力損失であり、その
良否に対して磁束密度、板厚、不純物量、比抵抗、結晶
粒の大きさ等が影響する。磁束密度の高い鋼板は電気機
器の鉄心を小さくでき、また鉄損も少なくなるので望ま
しく、当該技術分野ではできる限り磁束密度の高い製品
を安いコストで製造する方法の開発が課題である。
【0004】ところで、一方向性珪素鋼板は、熱延板を
適切な冷延と焼鈍との組合せにより最終板厚になった鋼
板を仕上焼鈍することにより{110}〈001〉方位
を有する一次再結晶粒を選択成長させる、いわゆる二次
再結晶によって得られる。二次再結晶は二次再結晶前の
鋼板中に微細な析出物、例えばMnS,AlN,MnS
e,BN,(Al,Si)N等が存在すること、あるい
はSn,Sb,等の粒界存在型の元素が存在することに
よって達成される。
【0005】これら析出物、粒界存在型の元素はJ.B
.May and D.Turnbull(Trans
. Met.Soc.AIME212(1958)p7
69/781)によって説明されているように、仕上焼
鈍工程で{110}〈001〉方位以外の一次再結晶粒
の成長を抑え、{110}〈001〉方位粒を選択的に
成長させる機能を持つ。このような粒成長の抑制効果は
一般にはインヒビター効果と呼ばれている。したがって
当該分野の研究開発の重点課題はいかなる種類の析出物
、あるいは粒界存在型の元素を用いて二次再結晶を安定
させるか、そして正確な{110}〈001〉方位粒の
存在割合を高めるためにそれらの適切な存在状態をいか
に達成するかにある。
【0006】特に、最近では一種類の析出物による方法
では{110}〈001〉方位の高度の制御に限界があ
るため、各析出物について短所・長所を深く解明するこ
とにより、いくつかの析出物を有機的に組合せて、より
磁束密度の高い製品を安定に、かつコストを安く製造で
きる技術開発が進められている。現在、工業生産されて
いる代表的な一方向性珪素鋼板製造方法として3種類あ
るが、各々については長所・短所がある。第一の技術は
M.F Littmannによる特公昭30−3651
号公報に示されたMnSを用いた二回冷延工程であり、
得られる二次再結晶粒は安定して発達するが、高い磁束
密度が得られない。第二の技術は田口等による特公昭4
0−15644号公報に示されたAlN+MnSを用い
た最終冷延を80%以上の強圧下率とするプロセスであ
り、高い磁束密度は得られるが、工業生産に際しては製
造条件の厳密なコントロールが要求される。第三の技術
は今中等による特公昭51−13469号公報に示され
たMnS(および/またはMnSe)+Sbを含有する
珪素鋼を二回冷延工程によって製造するプロセスであり
、比較的高い磁束密度は得られるが、二回冷延法である
ことから製造コストが高くなる。
【0007】上記3種類の技術においては共通して次の
ような問題がある。すなわち、上記技術はいずれもが析
出物を微細、均一に制御する技術として熱延に先立つス
ラブ加熱温度を、第一の技術では1260℃以上、第二
の技術では特開昭48−51852号公報に示すように
素材Si量によるが3%Siの場合で1350℃、第三
の技術では特開昭51−20716号公報に示されるよ
うに1230℃以上、高い磁束密度の得られた実施例で
は1320℃といった極めて高い温度にすることによっ
て粗大に存在する析出物を一旦固溶させ、その後の熱延
中、あるいは熱処理中に析出させている。スラブ加熱温
度を上げることはスラブ加熱時の使用エネルギーの増大
、ノロの発生による歩留り低下および加熱炉補修費の増
大ならびに加熱炉補修頻度の増大に起因する設備稼働率
の低下、さらには特公昭57−41526号公報に示さ
れるように線状二次再結晶不良が発生するために連続鋳
造スラブが使用できないという問題がある。しかしこの
ようなコスト上の問題以上に重要なことは、鉄損向上の
ためにSiを多く、成品板厚を薄く、といった手段を採
ると、この線状二次再結晶不良の発生が増大し、高温ス
ラブ加熱法を前提にした技術では将来の鉄損向上に希望
を持てない。これに対し特公昭61−60896号公報
に開示されている技術では鋼中のSを少なくすることに
よって二次再結晶が極めて安定し、高Si薄手成品を可
能にした。しかしこの技術は量産規模で工場生産する上
で磁束密度の安定性に問題があり、例えば特開昭62−
40315号公報に開示されているような改良技術が提
案されているが、今まで完全に解決するに至っていない
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べて来たように
現在工業化されている製造方法は二次再結晶に必要なイ
ンヒビターを冷間圧延以前の工程で造り込むものである
。これに対し本発明は特開昭62−40315号公報と
同一技術思想に基づく製造方法である。即ち、二次再結
晶に必要なインヒビターは、脱炭焼鈍(一次再結晶)完
了以降から仕上焼鈍における二次再結晶発現以前までに
造り込むもので、その手段として鋼中にNを侵入させる
ことによって、インヒビターとして機能する(Al,S
i)Nを形成させる。
【0009】鋼中にNを侵入させる手段としては、従来
技術で提案されているように仕上焼鈍昇温過程での雰囲
気ガスからのNの侵入を利用する方法があるが、本発明
においては、脱炭焼鈍後段領域あるいは脱炭焼鈍完了後
のストリップを連続ラインでNH3 等の窒化源となる
雰囲気ガスを用いて行う。このようなプロセスを採る場
合においても二次再結晶粒を小さくし、良質の被膜を形
成させることが低鉄損を得る上で重要なことに変わりは
ないが、この点まだ十分とは言えない。この他鋼板の板
厚が薄くなると二次再結晶粒の発達が不安定になる傾向
も出ており、このような問題点も解決していく必要があ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの技術を
さらに詳細に検討した結果、鋼板表面に脱炭焼鈍および
連続的な窒化焼鈍過程で生成する酸化物の酸素量及び仕
上焼鈍昇温過程の追加酸化によって形成する酸化膜の量
と質が、後の仕上焼鈍過程での雰囲気ガスからの窒化や
インヒビターの抜け及びグラス被膜の形成過程で多大な
影響をもたらすことを確かめ、これらの制御により最終
成品での磁気特性、グラス被膜特性を著しく改善できる
という新しい知見に加えて粒界偏析型であるSn,Sb
を添加することにより仕上焼鈍高温域(二次再結晶開始
温度)まで一次再結晶粒成長制御効果をもたせ、特に薄
物製品の磁気特性の安定化に効果が大きいことを見出し
た。
【0011】この鋼板表面に形成する酸素量の制御は通
常脱炭焼鈍時の雰囲気ガス露点及び焼鈍分離剤の持込水
分量規制で行われるが、鋼の成分、例えばMn,Si,
Al,Cr等の含有量によって、或いは鋼板の表面性状
によってその変動はさけられない。また、鋼板の板厚が
薄くなればなる程、鋼板表面層のインヒビターの変動の
影響が大きくなり磁気特性が変動する。
【0012】本発明はこれらの変動を小さくすることを
狙いとし、鋼中に微量のSnとSbを複合添加して上記
問題点を解決し目的を達成することを確認したものであ
る。AlNを基本インヒビターとする珪素鋼にSnを添
加する方法は例えば特開昭53−134722号公報記
載の方法が挙げられるが、これは実施例から見ても判る
ように従来の高温スラブ加熱の思想に基づくものである
【0013】次に本発明を実験結果に基づいて説明する
。C:0.054%,Si:3.3%,Mn:0.14
%,S:0.007%,酸可溶性Al:0.028%,
N:0.0075%,Cr:0.10%を含み、残部F
e及び不可避的不純物からなるスラブを再溶解し、Sn
,Sbを添加した鋼塊を1150℃に加熱し、1.8m
mに熱延した。
【0014】この熱延板を1120℃で焼鈍し、酸洗し
、冷延して板厚0.20mmの冷延板にした。次いで脱
炭焼鈍を840℃の温度で、N2 :25%、H2 :
75%、露点65℃の雰囲気中で行った。次いで窒化処
理を750℃×30秒間、N2 :25%、H2 :7
5%、微量のNH3 を混合した雰囲気中で行った。窒
化後の[N]量はほぼ200ppmに調整した。次いで
MgOとTiO2 を主成分とするスラリーを塗布した
後、1200℃×20時間の仕上げ焼鈍を行った後、張
力コーティングを施した。この結果を図1に示す。
【0015】Sbは0.00〜0.10%の範囲で、S
nは0.00〜0.14%の範囲で複合添加した。良好
な鉄損の得られるSbとSnの合計量は0.03〜0.
15%の範囲である。特にSb:0.02〜0.04%
、Sn:0.04〜0.08%の範囲で添加したものが
優れている。なおSbは0.08%を越すと脱炭性が劣
ってくる。
【0016】次に本発明の限定理由について述べる。C
の含有量が0.025%未満になると二次再結晶が不安
定となり、かつ二次再結晶した場合でも製品の磁束密度
(B8 値)が1.80Tに満たない低いものとなる。 一方、Cの含有量が0.075%を越えて多くなり過ぎ
ると、脱炭焼鈍時間が長大なものとなり、生産性を著し
く損なう。
【0017】Siの含有量が2.5%未満になると低鉄
損の製品を得難く、一方、Siの含有量が4.5%を越
えて多くなり過ぎると材料の冷間圧延時に、割れ、破断
が多発して安定した冷間圧延作業を不可能にする。本発
明の出発材料の成分系における特徴の一つは、Sを0.
015%以下、好ましくは0.010%以下とする点に
ある。
【0018】従来、公知の技術、例えば特公昭40−1
5644号公報或は特公昭47−25250号公報に開
示されている技術においては、Sは二次再結晶を生起さ
せるに必要な析出物の一つであるMnSの形成元素とし
て必須であった。前記公知技術において、Sが最も効果
を発揮する含有量範囲があり、それは熱間圧延に先立っ
て行われるスラブの加熱段階でMnSを固溶できる量と
して規定されていた。
【0019】しかしながら、インヒビターとして(Al
,Si)Nを用いる本発明においては、MnSは特に必
要としない。むしろ、MnSが増加することは磁気特性
上好ましくない。従って、本発明においては、Sの含有
量は0.015%以下、好ましくは0.010%以下で
ある。AlはNと結合してAlNを形成するが、本発明
においては、後工程、即ち一次再結晶完了後に鋼を窒化
することにより(Al,Si)Nを形成せしめることを
必須としているから、フリーのAlが一定量以上必要で
ある。そのため、sol.Alとして0.010〜0.
050%添加する。
【0020】Mnは含有量が少な過ぎると二次再結晶が
不安定となり、一方、多過ぎると高い磁束密度をもつ製
品を得難くなる。適正な含有量は0.050〜0.45
%である。Nは0.0010%未満では二次再結晶粒の
発達が悪くなる。一方0.0120%を越えるとブリス
ターと呼ばれる鋼板のふくれが発生する。
【0021】SnとSbを複合で添加すると、特に板厚
0.23mm以下の薄物の磁束密度、鉄損改善及びその
安定化に効果がある。適正範囲はこれら両者の合計で0
.03〜0.15%である。Crは脱炭焼鈍時の酸化挙
動に大きく影響する元素であるが、Sn,Sbと同時に
添加すると酸化層の質、量の変動を小さくし、仕上焼鈍
における被膜形成を安定化する。その添加量は0.04
%未満では効果が小さく、一方、0.20%を越えると
磁気特性上好ましくない。適正範囲は0.04〜0.2
0%である。
【0022】スラブ加熱温度については、従来のように
インヒビターを固溶する高温スラブ加熱でも、また殆ん
ど従来では無理と考えられていた普通鋼並の低温スラブ
加熱でも二次再結晶は行われる。しかし熱延の割れが少
なくできること、及び熱エネルギーが少ない低温スラブ
加熱が有利であることから、スラブ加熱温度はノロの発
生しない1200℃以下が望ましい。
【0023】熱延以降の工程においては、最も高いB8
 を得るために短時間の焼鈍後、80%以上の高圧延率
の冷延によって最終板厚にする方法が望ましい。しかし
特性はやや劣るが低コストとするために熱延板焼鈍を省
略してもよい。また最終成品の結晶粒を小さくするため
中間焼鈍を含む工程でも可能である。次に湿水素或いは
湿水素、窒素混合雰囲気ガス中で脱炭焼鈍をする。この
ときの温度は特にこだわらないが800〜900℃が好
ましい範囲である。
【0024】本発明における窒化処理は脱炭焼鈍後、ス
トリップを走行せしめる状態下で水素ガス及び窒素ガス
を含む混合ガスにNH3 を混合し、かつ酸化ポテンシ
ャル:PH2 O/PH2 ≦0.04の雰囲気中、5
00〜900℃の温度域で行うのがよい。次いで焼鈍分
離剤を塗布し、高温(通常1100〜1200℃)長時
間の仕上焼鈍を行う。
【0025】
【実施例】以下実施例について述べる。 実施例1 C:0.050%,Si:3.30%,Mn:0.10
%.S:0.007%,酸可溶性Al:0.030%,
N:0.0073%,Cr:0.10%を基本成分とし
、これにSbとSnを次の表1の如く添加したインゴッ
トを造った。
【0026】これを1150℃で加熱し、熱延し、1.
6mm厚の熱延板を得た。この熱延板を切断し、110
0℃×2.5分+900℃×2分の焼鈍をし、100℃
の湯中で冷却した後、酸洗し、0.17mm厚に冷延し
た。次いで830℃×90秒の脱炭焼鈍を露点60℃の
湿水素、窒素雰囲気中で行った。次いで水素75%、窒
素25%、微量のアンモニア混合ガス中で750℃×3
0秒の窒化処理を行い、鋼板の窒素量を180ppmと
した。次いでMgOにTiO25%とNa2 B4 O
7 0.3%を添加してなるスラリーを塗布した後、1
200℃×20時間の仕上焼鈍を行った。次いで張力コ
ーティング処理を行った。磁気特性を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】Sn単独、Sb単独よりSnとSbを複合
添加したものが優れた磁気特性を示した。 実施例2 C:0.052%,Si:3.45%,Mn:0.12
%.S:0.007%,酸可溶性Al:0.028%,
N:0.0075%,Cr:0.08%を含み、残部F
eおよび不可避的不純物からなる材料Aとこの成分にS
n:0.08%、Sb0.02%を添加した材料Bの1
.3mmの熱延板を、それぞれ950℃×5分の焼鈍を
し、100℃の湯中で冷却した。次いで酸洗し、0.1
3mm厚に冷延した。次いで830℃×90秒の脱炭焼
鈍を露点60℃の湿水素、窒素雰囲気中で行った。次い
で750℃×30秒の窒化処理を水素、窒素、アンモニ
アの混合ガス中で行い、窒化後の窒素量180ppmと
した。次いでMgOにTiO2 5%とSb2 (SO
4 )30.2%を添加してなるスラリーを塗布した後
、1200℃×20時間の仕上焼鈍を行った。
【0030】次いでレーザー照射して磁区制御を行った
後、張力コーティングを施した。磁気特性は次の如くで
あった。Sn,Sbを添加した試料Bが非常に優れた磁
気特性を示した。                         試
料  A              試料  BB8
 (T)              1.89   
           1.92W13/50 (W/
kg)    0.40              
0.31
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、鉄損の低い薄物一方向
性珪素鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成品中のSb,Sn量と鉄損との関係を示す図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量でC:0.025〜0.075%
    、Si:2.5〜4.5%、S≦0.015%、酸可溶
    性Al:0.010〜0.050%、N:0.0010
    〜0.012%、Mn:0.050〜0.45%、Cr
    :0.04〜0.20%、SnとSbを複合で0.03
    〜0.15%を含み、残部Fe及び不可避的不純物から
    なる珪素鋼スラブを、1200℃以下の温度に加熱した
    後、熱延し、一回又は中間焼鈍を介挿する二回以上の圧
    延で、その最終圧延率を80%以上とし、次いで脱炭焼
    鈍、仕上焼鈍をする一方向性珪素鋼板の製造プロセスで
    あって、脱炭焼鈍後、ストリップを走行せしめる状態下
    で水素、窒素、アンモニアの混合ガス中で窒化処理を行
    うことを特徴とする鉄損の低い薄物一方向性珪素鋼板の
    製造方法。
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