JPH0433889B2 - - Google Patents
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- JPH0433889B2 JPH0433889B2 JP60247793A JP24779385A JPH0433889B2 JP H0433889 B2 JPH0433889 B2 JP H0433889B2 JP 60247793 A JP60247793 A JP 60247793A JP 24779385 A JP24779385 A JP 24779385A JP H0433889 B2 JPH0433889 B2 JP H0433889B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lignin
- fibers
- temperature
- wood
- hydrogenolysis
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- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
Description
〔発明の利用分野〕
本発明は、木質系資源を高温・高圧の飽和水蒸
気またはアルコール等の有機溶媒による高温処理
によつて可溶化するリグニンからの炭素繊維の製
造法に関するものである。 〔発明の背景〕 現在、木質系資源の主要成分であるリグニン、
ヘミセルロースおよびセルロースを効率的に分別
し、食料、飼料、化学工業原料、パルプ等に変換
する新しいプロセスの開発研究が盛んに行なわれ
ている。これらの主要成分を効率的に分別する方
法として、高温・高圧の飽和水蒸気またはアルコ
ール等の有機溶媒による高温下での処理がある。
これらのプロセスが経済的になりたつためには、
分離されたそれぞれの成分を有効に利用する総合
的利用システムを開発しなければならない。 〔発明の目的〕 本発明はかかる観点に基づいてなされたもので
あり、その目的は、前記木質系資源から分別され
る主成分の一つであり、未だその有効利用法の確
立されていないリグニンから、付加価値の高い炭
素繊維の製造する方法を提供するところにある。 〔発明の概要〕 而してかかる目的のためになされた本発明より
なるリグニン炭素繊維の製造法の特徴は、木質系
資源を、高圧飽和水蒸気処理した後有機溶媒又は
希アルカリで抽出したリグニン、あるいは、有機
溶媒で高温下に直接可溶化処理したリグニンを対
象原料として、このリグニンを水素添加分解し、
次いで不活性ガス雰囲気中で熱処理を行ない、こ
の後溶融法により紡糸、炭素化するようにしたと
ころにある。 木質系資源を、180℃以上の飽和水蒸気または
アルコール等の有機溶媒で高温処理すると、処理
条件や原料とする木質系資源の種類によつて異な
るが著量の有機溶媒に可溶なリグニンを得ること
ができる(志水一允等:木材学会誌、24巻p.632
−637,1978,29巻、p.428−437,1983)。これら
のリグニンは既存の工業リグニン(パルプ廃液中
のリグニン、例えばリグニンスルフオン酸、クラ
フトリグニン)と異なり重縮合等による変成が少
なく、またその分子内にイオウまたはハロゲンを
有しておらず、しかも有機溶媒に可溶で、その重
量平均分子量は約2000であるなどの特徴を有する
(須藤賢一等:Holzforschung,39巻、p.281−
288,1985)。しかし、これらのリグニンの分子量
分布は、150前後から数千という広範囲に渡り、
低分子部はそのまま加熱によつて熱流動するが、
熱流動しない高分子部分を含んでいる。 本発明者は、水素添加分解によつて、この高分
子部を一旦低分子化し、さらに窒素気流下で熱処
理して、この水素添加分解生成物を再縮合させ、
熱流動する高分子体に改質しうる知見を得、本発
明を完成した。 本発明者は以下に示す方法により木質系原料の
主要成分を効率的に分離できることを明らかにし
た。一つは、木質系原料(木材、竹、ササ等)の
チツプまたは粉状のものを高圧の水蒸気〔10Kg/
cm2(ゲージ圧)以上〕で処理すると、ヘミセルロ
ースとリグニンは低分子化され、前者は熱水抽出
により、後者は有機溶媒または希アルカリ抽出に
よつて取得でき、そしてセルロースは残渣として
得られる方法である。もう一つは、酢酸中で110
℃近辺で(Nimz、H.H.ISWPC Proceedings,
Technical Papers p.265−266、1985、バンクー
バー カナダ)または含水アルコール等有機溶媒
中(Kleinert,T.N:Tappi,57巻、p.99−102,
1974,志水一允等:木材学会誌,24巻,p.632−
637,1978)で160℃以上の温度で処理すると、ヘ
ミセルロースとリグニンはセルロースより分離し
て溶解し、これらの反応液より有機溶媒を留去し
て後者を沈殿物として、前者を水可溶物質として
分別する方法である。 本発明者は、これらの方法で得られるリグニン
を原料とした。これらのリグニンは、加熱により
溶融・流動するが、元来熱流動しない高分子部を
含むため繊維化は不可能であつた。 そこで、これらのリグニンを水素添加分解によ
つて改質することを試みた。溶媒として0.5〜5
%の水酸化ナトリウムを、触媒としてラネーニツ
ケルを用いて、水素加圧下における解重合を行な
つた。この処理でリグニン分子内のエーテル結合
や炭素−炭素結合の一部を開裂して、剛直なリグ
ニン分子を柔軟化させ、またヒドロキシメチル基
の脱離や水酸基の還元によつててリグニン分子内
の酸素量を低下させることができる。 反応後、リグニンの分別は次の二つの方法で行
なつた。第一の方法では、水素添加分解反応液を
塩酸で酸性にした後、クロロホルムで抽出し、こ
れを濃縮・乾固後二硫化炭素で低分子部を抽出・
除去してクロロホルム可溶−二硫化炭素不溶の改
質リグニンを調製した。二硫化炭素抽出によつ
て、リグニンを水素添加分解することで生成する
芳香族モノマー、ダイマーの大部分を除去でき
る。第2の方法では、反応液を希塩酸で酸性化す
ることにより沈殿する改質リグニンを遠心分離で
取得する方法である。この場合、沈殿物には、芳
香族モノマー、ダイマーフラクシヨンは含まれな
い。 このようにして得られた改質リグニンは、熱軟
化点が低く、70℃で熱流動を開始して0.3mmのピ
ンホールより連続的な繊維化が可能になつた。し
かし、熱流動開始温度が低いため、繊維の炭素化
前に必要な空気酸化による繊維の硬化が不可能で
あつた。これは、繊維の高温での炭素化の際、繊
維の再溶融や融着の発生を示唆する。そのため、
繊維化の前に改質リグニンを再縮合させ、改質リ
グニンの熱軟化点の上昇および流動開始温度の上
昇のために、窒素気流下、例えば300〜340℃の温
度で30分間加熱処理を行なつた。 このように調製したリグニン素材は、熱溶融法
による紡糸性が極めて良好であり、毎日約100m
の速度で紡糸することが可能であつた。この時、
紡糸した繊維の巾は、10〜40μmであつたが、20
〜30μmのものが大部分を占めた。この繊維は、
1.0〜5.0℃/分の昇温速度で空気中で加熱するこ
とによつて容易に熱安定化した。空気中、一定昇
温速度で加熱すると、繊維は軟化して僅かにたる
むが、さらに温度を上昇させると硬化して再緊張
し、不溶不融の繊維となつた。この熱安定化処理
は210℃以下で終了し、ピチ系炭素繊維の熱安定
化処理法と比べて極めて簡単であり、本法による
リグニン炭素繊維製造法の特徴といえる。 この熱安定化した繊維は、例えば管状炉内で窒
素気流下5℃/分の速度で1000℃以上の温度まで
昇温し、所定温度で20分間保持することによつて
炭素化できる。 〔発明の実施例〕 ここで、本発明における木質系資源を高温高圧
の飽和水蒸気で処理して、有機溶媒に可溶となる
リグニンを唯一の原料とした炭素繊維の製造につ
いての実施例および結果を説明する。 実施例 1 (1) 木質系資源:シラカンバ材チツプ (2) 蒸煮処理条件:前記シラカンバ材チツプをそ
のまま15Kg/cm2(ゲージ圧)(200℃)の飽和水
蒸気で15分蒸煮後、ダブルデスクリフアイナー
で解繊。 (3) リグニンの分別:前記蒸煮処理したシラカン
バ材試料を熱水抽出(70℃、2時間)してヘミ
セルロースを除去した後、ソツクスレー抽出器
でメタノール抽出し、抽出液を濃縮・乾固して
リグニンを取得した。メタノール抽出物中のリ
グニン量は、約82%であつた。この場合、リグ
ニンの収量は、木材中のリグニン当り約60%で
あつた。 (4) リグニンの水素添加分解における溶媒の選
択:前記(3)の方法で取得したリグニンの水素添
加分解は、ラネーニツケル触媒存在下、0.5〜
5%水酸化ナトリウム水溶液またはアルカリ性
90%ジオキサン溶液中(液比:試料重量あたり
10倍量)で、50Kg/cm2の水素加圧下、250℃の
温度を60分間保持することによつて行なつた。 水素添加分解によつて改質したリグニンの回
収は、反応液中の触媒を過によつて除去した
後、上述した様に溶媒分別によつてクロロホル
ム可溶一二硫化炭素不溶部として行ない、一部
は、触媒を除去した反応液を2N−HClで酸性
化したとき生じる沈澱物を遠心分離で分別して
取得した。
気またはアルコール等の有機溶媒による高温処理
によつて可溶化するリグニンからの炭素繊維の製
造法に関するものである。 〔発明の背景〕 現在、木質系資源の主要成分であるリグニン、
ヘミセルロースおよびセルロースを効率的に分別
し、食料、飼料、化学工業原料、パルプ等に変換
する新しいプロセスの開発研究が盛んに行なわれ
ている。これらの主要成分を効率的に分別する方
法として、高温・高圧の飽和水蒸気またはアルコ
ール等の有機溶媒による高温下での処理がある。
これらのプロセスが経済的になりたつためには、
分離されたそれぞれの成分を有効に利用する総合
的利用システムを開発しなければならない。 〔発明の目的〕 本発明はかかる観点に基づいてなされたもので
あり、その目的は、前記木質系資源から分別され
る主成分の一つであり、未だその有効利用法の確
立されていないリグニンから、付加価値の高い炭
素繊維の製造する方法を提供するところにある。 〔発明の概要〕 而してかかる目的のためになされた本発明より
なるリグニン炭素繊維の製造法の特徴は、木質系
資源を、高圧飽和水蒸気処理した後有機溶媒又は
希アルカリで抽出したリグニン、あるいは、有機
溶媒で高温下に直接可溶化処理したリグニンを対
象原料として、このリグニンを水素添加分解し、
次いで不活性ガス雰囲気中で熱処理を行ない、こ
の後溶融法により紡糸、炭素化するようにしたと
ころにある。 木質系資源を、180℃以上の飽和水蒸気または
アルコール等の有機溶媒で高温処理すると、処理
条件や原料とする木質系資源の種類によつて異な
るが著量の有機溶媒に可溶なリグニンを得ること
ができる(志水一允等:木材学会誌、24巻p.632
−637,1978,29巻、p.428−437,1983)。これら
のリグニンは既存の工業リグニン(パルプ廃液中
のリグニン、例えばリグニンスルフオン酸、クラ
フトリグニン)と異なり重縮合等による変成が少
なく、またその分子内にイオウまたはハロゲンを
有しておらず、しかも有機溶媒に可溶で、その重
量平均分子量は約2000であるなどの特徴を有する
(須藤賢一等:Holzforschung,39巻、p.281−
288,1985)。しかし、これらのリグニンの分子量
分布は、150前後から数千という広範囲に渡り、
低分子部はそのまま加熱によつて熱流動するが、
熱流動しない高分子部分を含んでいる。 本発明者は、水素添加分解によつて、この高分
子部を一旦低分子化し、さらに窒素気流下で熱処
理して、この水素添加分解生成物を再縮合させ、
熱流動する高分子体に改質しうる知見を得、本発
明を完成した。 本発明者は以下に示す方法により木質系原料の
主要成分を効率的に分離できることを明らかにし
た。一つは、木質系原料(木材、竹、ササ等)の
チツプまたは粉状のものを高圧の水蒸気〔10Kg/
cm2(ゲージ圧)以上〕で処理すると、ヘミセルロ
ースとリグニンは低分子化され、前者は熱水抽出
により、後者は有機溶媒または希アルカリ抽出に
よつて取得でき、そしてセルロースは残渣として
得られる方法である。もう一つは、酢酸中で110
℃近辺で(Nimz、H.H.ISWPC Proceedings,
Technical Papers p.265−266、1985、バンクー
バー カナダ)または含水アルコール等有機溶媒
中(Kleinert,T.N:Tappi,57巻、p.99−102,
1974,志水一允等:木材学会誌,24巻,p.632−
637,1978)で160℃以上の温度で処理すると、ヘ
ミセルロースとリグニンはセルロースより分離し
て溶解し、これらの反応液より有機溶媒を留去し
て後者を沈殿物として、前者を水可溶物質として
分別する方法である。 本発明者は、これらの方法で得られるリグニン
を原料とした。これらのリグニンは、加熱により
溶融・流動するが、元来熱流動しない高分子部を
含むため繊維化は不可能であつた。 そこで、これらのリグニンを水素添加分解によ
つて改質することを試みた。溶媒として0.5〜5
%の水酸化ナトリウムを、触媒としてラネーニツ
ケルを用いて、水素加圧下における解重合を行な
つた。この処理でリグニン分子内のエーテル結合
や炭素−炭素結合の一部を開裂して、剛直なリグ
ニン分子を柔軟化させ、またヒドロキシメチル基
の脱離や水酸基の還元によつててリグニン分子内
の酸素量を低下させることができる。 反応後、リグニンの分別は次の二つの方法で行
なつた。第一の方法では、水素添加分解反応液を
塩酸で酸性にした後、クロロホルムで抽出し、こ
れを濃縮・乾固後二硫化炭素で低分子部を抽出・
除去してクロロホルム可溶−二硫化炭素不溶の改
質リグニンを調製した。二硫化炭素抽出によつ
て、リグニンを水素添加分解することで生成する
芳香族モノマー、ダイマーの大部分を除去でき
る。第2の方法では、反応液を希塩酸で酸性化す
ることにより沈殿する改質リグニンを遠心分離で
取得する方法である。この場合、沈殿物には、芳
香族モノマー、ダイマーフラクシヨンは含まれな
い。 このようにして得られた改質リグニンは、熱軟
化点が低く、70℃で熱流動を開始して0.3mmのピ
ンホールより連続的な繊維化が可能になつた。し
かし、熱流動開始温度が低いため、繊維の炭素化
前に必要な空気酸化による繊維の硬化が不可能で
あつた。これは、繊維の高温での炭素化の際、繊
維の再溶融や融着の発生を示唆する。そのため、
繊維化の前に改質リグニンを再縮合させ、改質リ
グニンの熱軟化点の上昇および流動開始温度の上
昇のために、窒素気流下、例えば300〜340℃の温
度で30分間加熱処理を行なつた。 このように調製したリグニン素材は、熱溶融法
による紡糸性が極めて良好であり、毎日約100m
の速度で紡糸することが可能であつた。この時、
紡糸した繊維の巾は、10〜40μmであつたが、20
〜30μmのものが大部分を占めた。この繊維は、
1.0〜5.0℃/分の昇温速度で空気中で加熱するこ
とによつて容易に熱安定化した。空気中、一定昇
温速度で加熱すると、繊維は軟化して僅かにたる
むが、さらに温度を上昇させると硬化して再緊張
し、不溶不融の繊維となつた。この熱安定化処理
は210℃以下で終了し、ピチ系炭素繊維の熱安定
化処理法と比べて極めて簡単であり、本法による
リグニン炭素繊維製造法の特徴といえる。 この熱安定化した繊維は、例えば管状炉内で窒
素気流下5℃/分の速度で1000℃以上の温度まで
昇温し、所定温度で20分間保持することによつて
炭素化できる。 〔発明の実施例〕 ここで、本発明における木質系資源を高温高圧
の飽和水蒸気で処理して、有機溶媒に可溶となる
リグニンを唯一の原料とした炭素繊維の製造につ
いての実施例および結果を説明する。 実施例 1 (1) 木質系資源:シラカンバ材チツプ (2) 蒸煮処理条件:前記シラカンバ材チツプをそ
のまま15Kg/cm2(ゲージ圧)(200℃)の飽和水
蒸気で15分蒸煮後、ダブルデスクリフアイナー
で解繊。 (3) リグニンの分別:前記蒸煮処理したシラカン
バ材試料を熱水抽出(70℃、2時間)してヘミ
セルロースを除去した後、ソツクスレー抽出器
でメタノール抽出し、抽出液を濃縮・乾固して
リグニンを取得した。メタノール抽出物中のリ
グニン量は、約82%であつた。この場合、リグ
ニンの収量は、木材中のリグニン当り約60%で
あつた。 (4) リグニンの水素添加分解における溶媒の選
択:前記(3)の方法で取得したリグニンの水素添
加分解は、ラネーニツケル触媒存在下、0.5〜
5%水酸化ナトリウム水溶液またはアルカリ性
90%ジオキサン溶液中(液比:試料重量あたり
10倍量)で、50Kg/cm2の水素加圧下、250℃の
温度を60分間保持することによつて行なつた。 水素添加分解によつて改質したリグニンの回
収は、反応液中の触媒を過によつて除去した
後、上述した様に溶媒分別によつてクロロホル
ム可溶一二硫化炭素不溶部として行ない、一部
は、触媒を除去した反応液を2N−HClで酸性
化したとき生じる沈澱物を遠心分離で分別して
取得した。
【表】
*:反応液を希塩酸で酸性にしたとき生じる
沈殿物の収率
表1に示したように、アルカリ濃度の低い方
が改質リグニンの収率は高くなる。しかし、水
酸化ナトリウム濃度が2%以下の時、水素添加
分解後の反応液中にリグニンの沈殿物が著量に
認められた。そのため、改質リグニンの回収に
あたつて、沈殿物の溶解のためジオキサン等の
有機溶媒の使用が不可欠で操作が煩雑となる。
また、水素添加分解の溶媒としてジオキサンを
使用しても、改質リグニンの収量の増加は認め
られなかつた。一方、5%水酸化ナトリウム水
溶液を溶媒とすると、収量は低下するが反応後
リグニンは反応液に完全に溶解しており、その
後の改質リグニンの分別操作が単純化される。
そのため、溶媒としては5%水酸化ナトリウム
水溶液が推奨される。 (5) 改質リグニンの熱的性質および紡糸性 本項について詳細に述べるにあたり、本実施例
における熱溶融法による繊維化について説明す
る。すなわち、熱溶融法による繊維化とは、原料
を底部に0.5mm径のピンホールを有する溶融槽に
入れて、窒素気流下加熱溶融すると、溶融した試
料は温度上昇による粘度低下と窒素流による圧力
のためピンホールより繊維状に流出するので、こ
れを前もつて回転させてあるボビンに連続的に巻
き取ることによつて繊維化することである。な
お、加熱溶融した試料に、より大きな荷重を機械
的に加えることによつて試料を繊維とした連続的
に押し出してもよい。 従つて、本法によつてリグニンを繊維化するた
めには、リグニンが熱溶融し、かつ熱流動するこ
とが重要である。そのため、繊維化に対する原料
の適否を、フローテスターにより原料の熱流動性
を測定、観察することによつて判定した。 表2に示したように、メタノール抽出によつて
収得したリグニンは、フローテスター測定条件
(昇温速度:2℃/分、荷重:10Kg、ピンホール
径:直径0.3mm)において、69.1℃で軟化して
101.0℃で流動を開始した。なお、流動性は、溶
融槽底部のピンホールより試料が流出するか否か
で判定し、流出を開始したときの温度を流出開始
温度と規定する。 メタノール抽出物は101.0℃で流出したが、繊
維状態は0.3mmのピンホールを通過した試料とし
ては極めて太く、また脆弱であり、繊維化原料と
しては不適であると判定した。そのため、上述し
たように水素添加分解によるリグニンの改質を試
みた。改質リグニンは熱軟化点が極めて低く、ま
た低温で熱流動を開始した。一例として、表1の
実験番号3の条件で水素添加分解した生成物のク
ロロホルム可溶一二硫化炭素不溶部は70℃で熱流
動を開始した(表2)。この際、試料は0.3mmのピ
ンホールより連続的に流出し、紡糸可能であつ
た。 しかし、流動開始温度が低く、炭素化の前に必
要な空気酸化による熱安定化が困難であつた。そ
のため、改質リグニンを窒素気流下で熱処理し、
再縮合させて改質リグニンの熱軟化点および流動
開始温度を上昇せしめた。熱処理温度を300〜350
℃として、処理時間は30分に固定した。
沈殿物の収率
表1に示したように、アルカリ濃度の低い方
が改質リグニンの収率は高くなる。しかし、水
酸化ナトリウム濃度が2%以下の時、水素添加
分解後の反応液中にリグニンの沈殿物が著量に
認められた。そのため、改質リグニンの回収に
あたつて、沈殿物の溶解のためジオキサン等の
有機溶媒の使用が不可欠で操作が煩雑となる。
また、水素添加分解の溶媒としてジオキサンを
使用しても、改質リグニンの収量の増加は認め
られなかつた。一方、5%水酸化ナトリウム水
溶液を溶媒とすると、収量は低下するが反応後
リグニンは反応液に完全に溶解しており、その
後の改質リグニンの分別操作が単純化される。
そのため、溶媒としては5%水酸化ナトリウム
水溶液が推奨される。 (5) 改質リグニンの熱的性質および紡糸性 本項について詳細に述べるにあたり、本実施例
における熱溶融法による繊維化について説明す
る。すなわち、熱溶融法による繊維化とは、原料
を底部に0.5mm径のピンホールを有する溶融槽に
入れて、窒素気流下加熱溶融すると、溶融した試
料は温度上昇による粘度低下と窒素流による圧力
のためピンホールより繊維状に流出するので、こ
れを前もつて回転させてあるボビンに連続的に巻
き取ることによつて繊維化することである。な
お、加熱溶融した試料に、より大きな荷重を機械
的に加えることによつて試料を繊維とした連続的
に押し出してもよい。 従つて、本法によつてリグニンを繊維化するた
めには、リグニンが熱溶融し、かつ熱流動するこ
とが重要である。そのため、繊維化に対する原料
の適否を、フローテスターにより原料の熱流動性
を測定、観察することによつて判定した。 表2に示したように、メタノール抽出によつて
収得したリグニンは、フローテスター測定条件
(昇温速度:2℃/分、荷重:10Kg、ピンホール
径:直径0.3mm)において、69.1℃で軟化して
101.0℃で流動を開始した。なお、流動性は、溶
融槽底部のピンホールより試料が流出するか否か
で判定し、流出を開始したときの温度を流出開始
温度と規定する。 メタノール抽出物は101.0℃で流出したが、繊
維状態は0.3mmのピンホールを通過した試料とし
ては極めて太く、また脆弱であり、繊維化原料と
しては不適であると判定した。そのため、上述し
たように水素添加分解によるリグニンの改質を試
みた。改質リグニンは熱軟化点が極めて低く、ま
た低温で熱流動を開始した。一例として、表1の
実験番号3の条件で水素添加分解した生成物のク
ロロホルム可溶一二硫化炭素不溶部は70℃で熱流
動を開始した(表2)。この際、試料は0.3mmのピ
ンホールより連続的に流出し、紡糸可能であつ
た。 しかし、流動開始温度が低く、炭素化の前に必
要な空気酸化による熱安定化が困難であつた。そ
のため、改質リグニンを窒素気流下で熱処理し、
再縮合させて改質リグニンの熱軟化点および流動
開始温度を上昇せしめた。熱処理温度を300〜350
℃として、処理時間は30分に固定した。
【表】
表2に示したように、熱処理することによつ
て、熱軟化点および流動開始温度は上昇し、試料
は0.3mmのピンホールより連続的に繊維形態をと
つて流出した。 加熱処理した改質リグニンの紡糸性および熱安
定化性の難易度を表3に示した。各温度で熱
て、熱軟化点および流動開始温度は上昇し、試料
は0.3mmのピンホールより連続的に繊維形態をと
つて流出した。 加熱処理した改質リグニンの紡糸性および熱安
定化性の難易度を表3に示した。各温度で熱
以上、述べたように、木質系資源を高圧飽和水
蒸気、またはアルコール等有機溶媒で高温下処理
することによつて分離するリグニンを唯一の原料
として、それを水素添加分解、次いで窒素気流下
で熱処理して改質すると、熱溶融法により繊維の
紡糸が可能となり、その繊維を空気酸化で熱安定
化の後、炭素化することで炭素繊維の製造が可能
となつた。
蒸気、またはアルコール等有機溶媒で高温下処理
することによつて分離するリグニンを唯一の原料
として、それを水素添加分解、次いで窒素気流下
で熱処理して改質すると、熱溶融法により繊維の
紡糸が可能となり、その繊維を空気酸化で熱安定
化の後、炭素化することで炭素繊維の製造が可能
となつた。
図面は、実施例1で得られた炭素繊維の巾と引
張強度の関係を示した図である。
張強度の関係を示した図である。
Claims (1)
- 1 木質系資源を高圧の飽和水蒸気で処理した
後、有機溶媒又は希アルカリで抽出されうるリグ
ニン、およびアルコール等の有機溶媒で高温下で
処理することによつて可溶化するリグニンを、水
素添加分解し、次いで窒素等不活性ガスの気流下
で熱処理した後、熱溶融法により紡糸し、炭素化
することを特徴とするリグニン炭素繊維の製造
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24779385A JPS62110922A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | リグニン炭素繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24779385A JPS62110922A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | リグニン炭素繊維の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62110922A JPS62110922A (ja) | 1987-05-22 |
| JPH0433889B2 true JPH0433889B2 (ja) | 1992-06-04 |
Family
ID=17168732
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24779385A Granted JPS62110922A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | リグニン炭素繊維の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62110922A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| TWI589741B (zh) * | 2012-01-23 | 2017-07-01 | 茵芬提亞公司 | 穩定木質素纖維以進一步轉換成碳纖維之方法 |
| CN103397404B (zh) * | 2013-07-15 | 2015-05-13 | 北京林业大学 | 一种提高木质活性碳纤维比表面积的方法 |
| TWI611054B (zh) * | 2017-03-28 | 2018-01-11 | 柯漢哲 | 酒糟與貝殼炭化粉粒複合纖維之製法 |
| JP7634355B2 (ja) * | 2020-10-16 | 2025-02-21 | 林テレンプ株式会社 | 車両のフロア敷設構造体 |
-
1985
- 1985-11-05 JP JP24779385A patent/JPS62110922A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62110922A (ja) | 1987-05-22 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |