JPH04342491A - 電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法 - Google Patents
電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法Info
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- JPH04342491A JPH04342491A JP14665591A JP14665591A JPH04342491A JP H04342491 A JPH04342491 A JP H04342491A JP 14665591 A JP14665591 A JP 14665591A JP 14665591 A JP14665591 A JP 14665591A JP H04342491 A JPH04342491 A JP H04342491A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁溶解とCZ引き上
げ法との組合せによるシリコン単結晶製造方法に関する
。 【0002】 【従来の技術】各種半導体や高効率な太陽電池の素材と
して、シリコン単結晶は不可欠である。工業的なシリコ
ン単結晶の製造法としては、シリコン融液より単結晶ロ
ッドを引き上げるCZ法と、多結晶シリコンロッドを誘
導コイル内に挿通させて単結晶化するFZ法とがある。 【0003】CZ法は、FZ法に比して工程数が少なく
、歩留りも良いことから経済性が良好とされているが、
FZ法ほどの単結晶品質は得られない。CZ法で単結晶
品質を低下させている最大の原因は、シリコン融液を収
容する石英るつぼが消耗することによる石英るつぼから
の不純物汚染である。CZ法での今一つの大きな問題は
、長時間の連続引き上げが難しいということである。長
時間の連続的な引き上げにより、単結晶ロッドの比抵抗
を一定することが原理的に可能となり、これによって歩
留りが飛躍的に向上し、しかも炉運転の効率を上げるこ
とができるわけであるが、これまで、この要求を満足さ
せる連続化を成功させたところはない。その最大の原因
は、単結晶品質を低下させる要因と同じく、石英るつぼ
の消耗にある。 【0004】このような状況を背景として最近注目され
始めたのが、CZ法への電磁溶解の導入である。電磁溶
解法は、周方向に分割された導電性の水冷るつぼを使用
し、電磁場によりるつぼ内の材料を浮遊状態で溶解する
言わば浮遊溶解法であり、その原理は、特開昭61−5
2962号公報、特開平1−264920号公報、特開
平2−30698号公報等に開示された多結晶シリコン
製造装置にも用いられている。CZ法でのシリコン融液
の形成にこの電磁溶解を使用すれば、るつぼ内のシリコ
ン融液がるつぼ内面に非接触の状態に保持されるので、
原理的には、るつぼの消耗がなくなり、るつぼからの不
純物汚染が防止され、FZ法に匹敵する単結晶品質が確
保されると共に、長時間の連続引き上げも可能になる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単結晶
品質の一部項目、例えば比抵抗値分布等に限って言えば
、電磁溶解による製品は従来のるつぼ溶解による製品よ
りも劣り、このことが、電磁溶解によるCZ法の工業化
を進める上で、致命的な欠陥になることが、本発明者ら
の実験から明らかになってきた。単結晶品質の一部項目
を劣化させる原因は、るつぼ内に非接触状態で保持され
たシリコン融液の攪拌現象である。この攪拌現象を図4
により説明する。 【0006】誘導コイル1の内側に、周方向に分割され
た導電性のるつぼ2が設置されている。誘導コイル1を
流れる交流電流によりるつぼ2の各分割片に電流が流れ
、るつぼ2内のシリコン融液3に半径方向の磁界が印加
される。これにより、シリコン融液3に周方向の電流が
流れ、ジュール熱を発生させる。ところが、この磁界は
、誘導コイル1の構造上、上下に向かうほど弱くなるの
を避け得ず、この磁界の不均一分布に基づくローレンツ
力の差により、シリコン融液3に攪拌力が付加される。 そして、この攪拌力による液流動は、次の3つの不都合
が重なって非常に激しいものとなる。 【0007】1つは、誘導コイル1に投入されるパワー
に比例した強力な攪拌力がシリコン融液3に加えられる
ことである。2つ目は、低周波域ほど攪拌力が大きくな
ることである。すなわち、シリコンの電磁溶解では、誘
導周波数が高いと、電流効率は向上するが、表皮効果が
顕著になるために、るつぼ2内のシリコン融液3の中心
部までうず電流が到達せず、中心部の溶解が不足する。 そのため、大型の単結晶ロッド4の製造では、誘導周波
数の低下が不可避であり、例えば2〜3kHzの低周波
数域が選択される。ところが、このような低周波数域で
は、電流がるつぼ2内のシリコン融液3の深層まで達し
、シリコン融液3に強い攪拌力が生じる。これは、単結
晶ロッド4の大型化が進む昨今にあっては、極めて不都
合なことと言える。3つ目の不都合は、シリコン融液3
がるつぼ2内に浮遊し、本質的に運動しやすい状態にあ
ることである。そして、これらの不都合が重なってシリ
コン融液3にその中心部から上下に向かう激しい液流動
が生じる。 【0008】この言わば電磁攪拌は、図4に破線で示す
従来のるつぼ溶解で自然発生的に起きる熱対流とは比較
にならない激しいものである。そのため、るつぼ溶解に
比して、シリコン融液3の液面が激しく波立ち、シリコ
ン融液3から引き上げられる単結晶ロッド4に温度の激
しい振動に起因する顕著なスワール欠陥、転位等が生じ
る。その結果、FZ溶解レベルの純度が得られるにもか
かわらず、比抵抗値分布等の一部品質が極端に悪化し、
満足な製品が得られなくなる。 【0009】本発明の目的は、電磁溶解にて形成された
シリコン融液の電磁攪拌を抑え、シリコン融液から引き
上げられる単結晶の品質を、全項目にわたってFZ溶解
レベルにまで改善し得る電磁溶解によるシリコン単結晶
製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の電磁溶解による
シリコン単結晶製造方法は、電磁溶解によって形成され
たシリコン融液から単結晶ロッドを引き上げる際に、該
シリコン融液に対し、その融液形成用の交流磁界とは別
に、シリコン融液の攪拌に伴ってその攪拌を抑える方向
のローレンツ力が生じる攪拌防止用の磁界を印加するこ
とを特徴としてなる。 【0011】 【作用】前述したように、本発明者らは、電磁溶解によ
るシリコン単結晶製造方法では、シリコン融液に激しい
電磁攪拌が起こり、これによる単結晶品質の一部低下が
、この方法の工業化を阻害する要因になることを突き止
めた。本発明の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法
は、シリコン融液に対し、その融液形成用の磁界とは別
に、融液攪拌防止用の磁界を印加し、シリコン融液の激
しい電磁攪拌を抑えることにより、液面の波立ちを問題
のない程度に止める。 【0012】なお、ヒータを用いたるつぼ溶解によるC
Z法での融液対流を抑えるために磁界を用いることは、
特開昭56−45889号公報および特開昭56−10
4795号公報等に開示される如く周知の技術である。 ここにおける磁界印加では、電磁溶解されたシリコン融
液の激しい電磁攪拌を抑えることができないばかりでな
く、シリコン融液に磁界印加するための磁極が、ヒータ
があるためにるつぼから離れ、磁界印加効率が悪い。本
発明の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法は、ヒー
タがないために攪拌防止の磁界をシリコン融液に効率よ
く印加させることもできる。 【0013】 【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳しく説明
する。 【0014】図1は本発明法の一実施態様を示す模式図
である。図1の実施態様は、水冷るつぼ40、誘導コイ
ル51および一対の磁極60,60を使用する。これら
は、気密容器10内に収容されている。 【0015】気密容器10は、円筒状の溶解室11と、
その上方に同心状に突設された引き上げ室12とよりな
る。溶解室11は不活性ガス導入口11aおよび排気口
11bを有し、上方には、真空弁11cを介してビーム
照射手段20としての電子ビーム銃が設けられている。 また、引き上げ室12の上方には、ワイヤ31を有する
引上手段30が設けられている。 【0016】水冷るつぼ40は、気密容器10の溶解室
11内の中心部に設置されている。このるつぼ40は、
銅等の導電性および熱伝導性に優れた金属材料よりなり
、その収容部41を含む略上半部(I−Iより上方の部
分)が周方向に間隔をあけて分割されている。水冷るつ
ぼ40を冷却する冷却水は、気密容器10外より給水路
42を通って水冷るつぼ40に供給され、水冷るつぼ4
0の各分割片を循回した後、排水路43を通じて水冷る
つぼ40外に排水される。収容部41の下方に設けた空
間44は、誘導コイル51によって誘起される電流がる
つぼ収容部41に集束し、るつぼ内に磁力を効率よく発
生させるためのものである。 【0017】誘導コイル51は、水冷るつぼ40の収容
部41外側に配置され、内部を流れる冷却水により強制
冷却される。 【0018】一対の磁極60,60は、誘導コイル50
の外側に対向配置されている。該磁極60,60は、水
冷るつぼ40収容部41の内部空間を真横から見たとき
の投影面積より広く、コイル61,61に供給される直
流電流により、その内部空間全体に直流磁界を水平方向
に通過させる。磁極60,60の背面同志は、図示され
ないヨークにより連結されている。 【0019】図1の実施態様では、まず、水冷るつぼ4
0の収容部41内に多結晶シリコンからなる塊状、粒状
の原料シリコンを装入する。次いで、気密容器10内が
電子ビーム照射に必要な真空度になるまで、気密容器1
0内を排気口11bより排気する。気密容器10内が排
気されると、電子ビーム銃20を作動させて、水冷るつ
ぼ40に収容された原料シリコンに電子ビームを照射し
、原料シリコンを予備加熱すると共に、誘導コイル51
に所定周波数の交流を供給する。 【0020】誘導コイル51に通電を行うことにより、
水冷るつぼ40の分割片にうず電流が生じ、そのうず電
流により、水冷るつぼ40の収容部41内に電磁場が形
成される。ただし、原料シリコンが固体の状態では、溶
解に至るほどのうず電流は生じない。しかし、原料シリ
コンに電子ビームが照射されてプールが形成されると、
そのプールに充分なうず電流が流れ、ジュール熱による
自己発熱にてプールが拡大し始める。原料シリコンに所
定のプールが形成されると、電子ビームの照射を停止す
る。 【0021】水冷るつぼ40に収容された原料シリコン
の溶解が進むと、必要に応じて気密容器10内のホッパ
ー(図示せず)より、水冷るつぼ40の収容部41内に
原料シリコンを補充する。水冷るつぼ40の収容部41
内がシリコン融液80で満たされると、磁極60,60
によりシリコン融液80に直流磁界を印加し、この状態
で引上手段30を作動させてそのワイヤ31によりシリ
コン融液80の液面からその融液を回転させながら円柱
状に引き上げて単結晶ロッド81となす。収容部41内
のシリコン融液80に流れるうず電流と、水冷るつぼ4
0の分割片に流れるうず電流とは、方向が逆であること
から、シリコン融液80はるつぼ内面に対して非接触の
状態に浮遊保持される。 【0022】このとき、水冷るつぼ40内のシリコン融
液80に印加される融液形成用の交流磁界の不均一分布
に基づき、シリコン融液80に強い攪拌力が作用する(
図4参照)。しかし、シリコン融液80には、融液形成
用の交流磁界とは別に、磁極60,60によって水平方
向の直流磁界が印加されている。そのため、シリコン融
液80が攪拌力によって流動を始めると、その流動を阻
止する方向のローレンツ力がシリコン融液80に作用し
、シリコン融液80の攪拌流動が抑えられる。その結果
、シリコン融液80の液面の波立ちが抑制され、シリコ
ン融液80から引き上げられる単結晶ロッド81におけ
るスワール欠陥、転位等が、従来法に比して大幅に減少
する。 【0023】なお、シリコン融液80の温度をより均一
にするために、シリコン融液80を単結晶ロッド81が
回転する方向とは逆の方向に回転させることもできる。 電子ビームの照射が終了した後の適当な段階で、ガス導
入口11aよりアルゴン等の不活性ガスを気密容器10
内に導入して大気圧操業に切り換える。原料シリコンと
しては、例えば、流動造粒法にて製造された顆粒状の多
結晶シリコン等を使用する。 【0024】このような方法で外径40mmの単結晶シ
リコンロッドを製造した。冷却るつぼ40内のシリコン
融液80に印加する水平方向の直流磁界は、0,0.0
5,0.1,0.20テスラの4段階に調節した。製造
条件を表1に、また、製造された単結晶ロッドの品質と
磁界強さとの関係を表2に示す。すなわち、磁界を印加
すると、磁界強さ0.1テスラまでは、品質がやや改善
されるが、著しい改善ではない。しかし、磁界強さ0.
2テスラでは比抵抗値が均一になり、ライフタイムも著
しく改善される。 【0025】 【表1】 【0026】 【表2】 【0027】図2は本発明の別の実施態様
を示す模式図である。図2の実施態様は、水冷るつぼ4
0を使用せず、代わりに、誘導コイル51と一体になっ
た溶解容器50を用いている。 【0028】溶解容器50は、スカル溶解用容器であり
、環状の誘導コイル51と、その底を閉塞する定盤52
とを有する。これらは、内部に冷却水が通され、強制冷
却される。誘導コイル51の内周面および定盤52の上
面には、SiO2 、Si3 N4 等の高融点絶縁物
からなる絶縁膜53が被覆されている。絶縁膜53を形
成する高融点絶縁物としては、電気絶縁性および融点が
高く物性の安定なシリコン系化合物が望ましく、SiO
2 が特に良い。溶解容器50を構成する定盤52は、
誘導コイル51と同方向に巻かれたパンケーキ状の誘導
コイルとすることもできる。 【0029】溶解容器50内のシリコン融液80から単
結晶ロッド81を引き上げる際には、溶解容器50の内
面にシリコンスカル層82が形成される。このようなス
カル溶解を用いたCZ法によれば、誘導コイル51にて
形成される磁界がるつぼを介することなく溶解容器50
内のシリコンに直接作用するので、るつぼを用いた間接
電磁溶解によるCZ法に比して電力消費効率が略2倍に
向上する。シリコンスカル層82がインシュレータとな
るために、絶縁膜53からの汚染が防止され、シリコン
融液80が浮遊保持される場合に匹敵する純度が確保さ
れる。溶解容器50内のシリコン融液80がシリコンス
カル層82に付着するため、シリコン融液80に強い攪
拌力が作用する場合にも、シリコン融液80が浮遊保持
されるときのような激しい融液攪拌がおこらない。 【0030】しかし、従来のヒータを用いたるつぼ溶解
の場合に比べると融液攪拌は激しい。そこで、この融液
攪拌を一対の磁極60,60を用いて抑える。融液攪拌
を抑えるメカニズムは、図1の実施態様と同じである。 溶解容器50が充分に冷却されていれば、誘導コイル5
1に供給するパワーをシリコンスカル層82が消失する
程度に上げても、絶縁膜53からの不純物の溶出が抑え
られるので、シリコンスカル層82をなくし、シリコン
融液80の温度を高めることもできる。 【0031】なお、シリコン融液80の攪拌防止用の直
流磁界を形成する手段としては、図3に示すように、誘
導コイル51を用いることもできる。誘導コイル51は
、融液形成用の交流磁界に攪拌防止用の直流磁界を重畳
させるために、交流電源55および直流電源56に接続
されている。 【0032】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法は、電磁溶解
に伴うシリコン融液の激しい攪拌を抑え、攪拌による単
結晶品質の一部低下を防止することにより、太陽電池等
に要求される全品質に優れたシリコン単結晶の製造を可
能にし、電磁溶解によるシリコン単結晶製造の実用化に
大きく貢献する。
げ法との組合せによるシリコン単結晶製造方法に関する
。 【0002】 【従来の技術】各種半導体や高効率な太陽電池の素材と
して、シリコン単結晶は不可欠である。工業的なシリコ
ン単結晶の製造法としては、シリコン融液より単結晶ロ
ッドを引き上げるCZ法と、多結晶シリコンロッドを誘
導コイル内に挿通させて単結晶化するFZ法とがある。 【0003】CZ法は、FZ法に比して工程数が少なく
、歩留りも良いことから経済性が良好とされているが、
FZ法ほどの単結晶品質は得られない。CZ法で単結晶
品質を低下させている最大の原因は、シリコン融液を収
容する石英るつぼが消耗することによる石英るつぼから
の不純物汚染である。CZ法での今一つの大きな問題は
、長時間の連続引き上げが難しいということである。長
時間の連続的な引き上げにより、単結晶ロッドの比抵抗
を一定することが原理的に可能となり、これによって歩
留りが飛躍的に向上し、しかも炉運転の効率を上げるこ
とができるわけであるが、これまで、この要求を満足さ
せる連続化を成功させたところはない。その最大の原因
は、単結晶品質を低下させる要因と同じく、石英るつぼ
の消耗にある。 【0004】このような状況を背景として最近注目され
始めたのが、CZ法への電磁溶解の導入である。電磁溶
解法は、周方向に分割された導電性の水冷るつぼを使用
し、電磁場によりるつぼ内の材料を浮遊状態で溶解する
言わば浮遊溶解法であり、その原理は、特開昭61−5
2962号公報、特開平1−264920号公報、特開
平2−30698号公報等に開示された多結晶シリコン
製造装置にも用いられている。CZ法でのシリコン融液
の形成にこの電磁溶解を使用すれば、るつぼ内のシリコ
ン融液がるつぼ内面に非接触の状態に保持されるので、
原理的には、るつぼの消耗がなくなり、るつぼからの不
純物汚染が防止され、FZ法に匹敵する単結晶品質が確
保されると共に、長時間の連続引き上げも可能になる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単結晶
品質の一部項目、例えば比抵抗値分布等に限って言えば
、電磁溶解による製品は従来のるつぼ溶解による製品よ
りも劣り、このことが、電磁溶解によるCZ法の工業化
を進める上で、致命的な欠陥になることが、本発明者ら
の実験から明らかになってきた。単結晶品質の一部項目
を劣化させる原因は、るつぼ内に非接触状態で保持され
たシリコン融液の攪拌現象である。この攪拌現象を図4
により説明する。 【0006】誘導コイル1の内側に、周方向に分割され
た導電性のるつぼ2が設置されている。誘導コイル1を
流れる交流電流によりるつぼ2の各分割片に電流が流れ
、るつぼ2内のシリコン融液3に半径方向の磁界が印加
される。これにより、シリコン融液3に周方向の電流が
流れ、ジュール熱を発生させる。ところが、この磁界は
、誘導コイル1の構造上、上下に向かうほど弱くなるの
を避け得ず、この磁界の不均一分布に基づくローレンツ
力の差により、シリコン融液3に攪拌力が付加される。 そして、この攪拌力による液流動は、次の3つの不都合
が重なって非常に激しいものとなる。 【0007】1つは、誘導コイル1に投入されるパワー
に比例した強力な攪拌力がシリコン融液3に加えられる
ことである。2つ目は、低周波域ほど攪拌力が大きくな
ることである。すなわち、シリコンの電磁溶解では、誘
導周波数が高いと、電流効率は向上するが、表皮効果が
顕著になるために、るつぼ2内のシリコン融液3の中心
部までうず電流が到達せず、中心部の溶解が不足する。 そのため、大型の単結晶ロッド4の製造では、誘導周波
数の低下が不可避であり、例えば2〜3kHzの低周波
数域が選択される。ところが、このような低周波数域で
は、電流がるつぼ2内のシリコン融液3の深層まで達し
、シリコン融液3に強い攪拌力が生じる。これは、単結
晶ロッド4の大型化が進む昨今にあっては、極めて不都
合なことと言える。3つ目の不都合は、シリコン融液3
がるつぼ2内に浮遊し、本質的に運動しやすい状態にあ
ることである。そして、これらの不都合が重なってシリ
コン融液3にその中心部から上下に向かう激しい液流動
が生じる。 【0008】この言わば電磁攪拌は、図4に破線で示す
従来のるつぼ溶解で自然発生的に起きる熱対流とは比較
にならない激しいものである。そのため、るつぼ溶解に
比して、シリコン融液3の液面が激しく波立ち、シリコ
ン融液3から引き上げられる単結晶ロッド4に温度の激
しい振動に起因する顕著なスワール欠陥、転位等が生じ
る。その結果、FZ溶解レベルの純度が得られるにもか
かわらず、比抵抗値分布等の一部品質が極端に悪化し、
満足な製品が得られなくなる。 【0009】本発明の目的は、電磁溶解にて形成された
シリコン融液の電磁攪拌を抑え、シリコン融液から引き
上げられる単結晶の品質を、全項目にわたってFZ溶解
レベルにまで改善し得る電磁溶解によるシリコン単結晶
製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の電磁溶解による
シリコン単結晶製造方法は、電磁溶解によって形成され
たシリコン融液から単結晶ロッドを引き上げる際に、該
シリコン融液に対し、その融液形成用の交流磁界とは別
に、シリコン融液の攪拌に伴ってその攪拌を抑える方向
のローレンツ力が生じる攪拌防止用の磁界を印加するこ
とを特徴としてなる。 【0011】 【作用】前述したように、本発明者らは、電磁溶解によ
るシリコン単結晶製造方法では、シリコン融液に激しい
電磁攪拌が起こり、これによる単結晶品質の一部低下が
、この方法の工業化を阻害する要因になることを突き止
めた。本発明の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法
は、シリコン融液に対し、その融液形成用の磁界とは別
に、融液攪拌防止用の磁界を印加し、シリコン融液の激
しい電磁攪拌を抑えることにより、液面の波立ちを問題
のない程度に止める。 【0012】なお、ヒータを用いたるつぼ溶解によるC
Z法での融液対流を抑えるために磁界を用いることは、
特開昭56−45889号公報および特開昭56−10
4795号公報等に開示される如く周知の技術である。 ここにおける磁界印加では、電磁溶解されたシリコン融
液の激しい電磁攪拌を抑えることができないばかりでな
く、シリコン融液に磁界印加するための磁極が、ヒータ
があるためにるつぼから離れ、磁界印加効率が悪い。本
発明の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法は、ヒー
タがないために攪拌防止の磁界をシリコン融液に効率よ
く印加させることもできる。 【0013】 【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳しく説明
する。 【0014】図1は本発明法の一実施態様を示す模式図
である。図1の実施態様は、水冷るつぼ40、誘導コイ
ル51および一対の磁極60,60を使用する。これら
は、気密容器10内に収容されている。 【0015】気密容器10は、円筒状の溶解室11と、
その上方に同心状に突設された引き上げ室12とよりな
る。溶解室11は不活性ガス導入口11aおよび排気口
11bを有し、上方には、真空弁11cを介してビーム
照射手段20としての電子ビーム銃が設けられている。 また、引き上げ室12の上方には、ワイヤ31を有する
引上手段30が設けられている。 【0016】水冷るつぼ40は、気密容器10の溶解室
11内の中心部に設置されている。このるつぼ40は、
銅等の導電性および熱伝導性に優れた金属材料よりなり
、その収容部41を含む略上半部(I−Iより上方の部
分)が周方向に間隔をあけて分割されている。水冷るつ
ぼ40を冷却する冷却水は、気密容器10外より給水路
42を通って水冷るつぼ40に供給され、水冷るつぼ4
0の各分割片を循回した後、排水路43を通じて水冷る
つぼ40外に排水される。収容部41の下方に設けた空
間44は、誘導コイル51によって誘起される電流がる
つぼ収容部41に集束し、るつぼ内に磁力を効率よく発
生させるためのものである。 【0017】誘導コイル51は、水冷るつぼ40の収容
部41外側に配置され、内部を流れる冷却水により強制
冷却される。 【0018】一対の磁極60,60は、誘導コイル50
の外側に対向配置されている。該磁極60,60は、水
冷るつぼ40収容部41の内部空間を真横から見たとき
の投影面積より広く、コイル61,61に供給される直
流電流により、その内部空間全体に直流磁界を水平方向
に通過させる。磁極60,60の背面同志は、図示され
ないヨークにより連結されている。 【0019】図1の実施態様では、まず、水冷るつぼ4
0の収容部41内に多結晶シリコンからなる塊状、粒状
の原料シリコンを装入する。次いで、気密容器10内が
電子ビーム照射に必要な真空度になるまで、気密容器1
0内を排気口11bより排気する。気密容器10内が排
気されると、電子ビーム銃20を作動させて、水冷るつ
ぼ40に収容された原料シリコンに電子ビームを照射し
、原料シリコンを予備加熱すると共に、誘導コイル51
に所定周波数の交流を供給する。 【0020】誘導コイル51に通電を行うことにより、
水冷るつぼ40の分割片にうず電流が生じ、そのうず電
流により、水冷るつぼ40の収容部41内に電磁場が形
成される。ただし、原料シリコンが固体の状態では、溶
解に至るほどのうず電流は生じない。しかし、原料シリ
コンに電子ビームが照射されてプールが形成されると、
そのプールに充分なうず電流が流れ、ジュール熱による
自己発熱にてプールが拡大し始める。原料シリコンに所
定のプールが形成されると、電子ビームの照射を停止す
る。 【0021】水冷るつぼ40に収容された原料シリコン
の溶解が進むと、必要に応じて気密容器10内のホッパ
ー(図示せず)より、水冷るつぼ40の収容部41内に
原料シリコンを補充する。水冷るつぼ40の収容部41
内がシリコン融液80で満たされると、磁極60,60
によりシリコン融液80に直流磁界を印加し、この状態
で引上手段30を作動させてそのワイヤ31によりシリ
コン融液80の液面からその融液を回転させながら円柱
状に引き上げて単結晶ロッド81となす。収容部41内
のシリコン融液80に流れるうず電流と、水冷るつぼ4
0の分割片に流れるうず電流とは、方向が逆であること
から、シリコン融液80はるつぼ内面に対して非接触の
状態に浮遊保持される。 【0022】このとき、水冷るつぼ40内のシリコン融
液80に印加される融液形成用の交流磁界の不均一分布
に基づき、シリコン融液80に強い攪拌力が作用する(
図4参照)。しかし、シリコン融液80には、融液形成
用の交流磁界とは別に、磁極60,60によって水平方
向の直流磁界が印加されている。そのため、シリコン融
液80が攪拌力によって流動を始めると、その流動を阻
止する方向のローレンツ力がシリコン融液80に作用し
、シリコン融液80の攪拌流動が抑えられる。その結果
、シリコン融液80の液面の波立ちが抑制され、シリコ
ン融液80から引き上げられる単結晶ロッド81におけ
るスワール欠陥、転位等が、従来法に比して大幅に減少
する。 【0023】なお、シリコン融液80の温度をより均一
にするために、シリコン融液80を単結晶ロッド81が
回転する方向とは逆の方向に回転させることもできる。 電子ビームの照射が終了した後の適当な段階で、ガス導
入口11aよりアルゴン等の不活性ガスを気密容器10
内に導入して大気圧操業に切り換える。原料シリコンと
しては、例えば、流動造粒法にて製造された顆粒状の多
結晶シリコン等を使用する。 【0024】このような方法で外径40mmの単結晶シ
リコンロッドを製造した。冷却るつぼ40内のシリコン
融液80に印加する水平方向の直流磁界は、0,0.0
5,0.1,0.20テスラの4段階に調節した。製造
条件を表1に、また、製造された単結晶ロッドの品質と
磁界強さとの関係を表2に示す。すなわち、磁界を印加
すると、磁界強さ0.1テスラまでは、品質がやや改善
されるが、著しい改善ではない。しかし、磁界強さ0.
2テスラでは比抵抗値が均一になり、ライフタイムも著
しく改善される。 【0025】 【表1】 【0026】 【表2】 【0027】図2は本発明の別の実施態様
を示す模式図である。図2の実施態様は、水冷るつぼ4
0を使用せず、代わりに、誘導コイル51と一体になっ
た溶解容器50を用いている。 【0028】溶解容器50は、スカル溶解用容器であり
、環状の誘導コイル51と、その底を閉塞する定盤52
とを有する。これらは、内部に冷却水が通され、強制冷
却される。誘導コイル51の内周面および定盤52の上
面には、SiO2 、Si3 N4 等の高融点絶縁物
からなる絶縁膜53が被覆されている。絶縁膜53を形
成する高融点絶縁物としては、電気絶縁性および融点が
高く物性の安定なシリコン系化合物が望ましく、SiO
2 が特に良い。溶解容器50を構成する定盤52は、
誘導コイル51と同方向に巻かれたパンケーキ状の誘導
コイルとすることもできる。 【0029】溶解容器50内のシリコン融液80から単
結晶ロッド81を引き上げる際には、溶解容器50の内
面にシリコンスカル層82が形成される。このようなス
カル溶解を用いたCZ法によれば、誘導コイル51にて
形成される磁界がるつぼを介することなく溶解容器50
内のシリコンに直接作用するので、るつぼを用いた間接
電磁溶解によるCZ法に比して電力消費効率が略2倍に
向上する。シリコンスカル層82がインシュレータとな
るために、絶縁膜53からの汚染が防止され、シリコン
融液80が浮遊保持される場合に匹敵する純度が確保さ
れる。溶解容器50内のシリコン融液80がシリコンス
カル層82に付着するため、シリコン融液80に強い攪
拌力が作用する場合にも、シリコン融液80が浮遊保持
されるときのような激しい融液攪拌がおこらない。 【0030】しかし、従来のヒータを用いたるつぼ溶解
の場合に比べると融液攪拌は激しい。そこで、この融液
攪拌を一対の磁極60,60を用いて抑える。融液攪拌
を抑えるメカニズムは、図1の実施態様と同じである。 溶解容器50が充分に冷却されていれば、誘導コイル5
1に供給するパワーをシリコンスカル層82が消失する
程度に上げても、絶縁膜53からの不純物の溶出が抑え
られるので、シリコンスカル層82をなくし、シリコン
融液80の温度を高めることもできる。 【0031】なお、シリコン融液80の攪拌防止用の直
流磁界を形成する手段としては、図3に示すように、誘
導コイル51を用いることもできる。誘導コイル51は
、融液形成用の交流磁界に攪拌防止用の直流磁界を重畳
させるために、交流電源55および直流電源56に接続
されている。 【0032】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法は、電磁溶解
に伴うシリコン融液の激しい攪拌を抑え、攪拌による単
結晶品質の一部低下を防止することにより、太陽電池等
に要求される全品質に優れたシリコン単結晶の製造を可
能にし、電磁溶解によるシリコン単結晶製造の実用化に
大きく貢献する。
【図1】本発明の一実施態様を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施態様を示す模式図である。
【図3】誘導コイルで攪拌防止用の直流磁界を発生させ
る場合の回路図である。
る場合の回路図である。
【図4】電磁溶解によるCZ法での融液攪拌現象を示す
模式図である。
模式図である。
10 気密容器
40 冷却るつぼ
50 溶解容器
51 誘導コイル
60 磁極
80 シリコン融液
81 単結晶ロッド
Claims (2)
- 【請求項1】 電磁溶解によって形成されたシリコン
融液から単結晶ロッドを引き上げる際に、該シリコン融
液に対し、その融液形成用の交流磁界とは別に、シリコ
ン融液の攪拌に伴ってその攪拌を抑える方向のローレン
ツ力が生じる攪拌防止用の磁界を印加することを特徴と
する電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法。 - 【請求項2】 攪拌防止用の磁界が直流磁界である請
求項1の電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14665591A JPH04342491A (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14665591A JPH04342491A (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04342491A true JPH04342491A (ja) | 1992-11-27 |
Family
ID=15412638
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14665591A Pending JPH04342491A (ja) | 1991-05-21 | 1991-05-21 | 電磁溶解によるシリコン単結晶製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04342491A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106222746A (zh) * | 2016-10-17 | 2016-12-14 | 宁夏协鑫晶体科技发展有限公司 | 单晶炉熔料时间缩短装置及方法 |
-
1991
- 1991-05-21 JP JP14665591A patent/JPH04342491A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106222746A (zh) * | 2016-10-17 | 2016-12-14 | 宁夏协鑫晶体科技发展有限公司 | 单晶炉熔料时间缩短装置及方法 |
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