JPH043453B2 - - Google Patents

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JPH043453B2
JPH043453B2 JP61028356A JP2835686A JPH043453B2 JP H043453 B2 JPH043453 B2 JP H043453B2 JP 61028356 A JP61028356 A JP 61028356A JP 2835686 A JP2835686 A JP 2835686A JP H043453 B2 JPH043453 B2 JP H043453B2
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graphite
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carbon fibers
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Description

【発明の詳細な説明】 ≪産業上の利用分野≫ 本発明は、炭素質ピツチ繊維から炭素繊維及び
黒鉛繊維を製造する方法に関する。更に詳しく
は、本発明は光学的異方性炭素質ピツチを紡糸
し、不融化、炭化、黒鉛化を行い、ロングフイラ
メントを得るのに適した炭素繊維及び黒鉛繊維の
製造方法に関する。
≪従来の技術≫ 従来、自動車、航空機その他の各種産業分野に
係る広範な技術分野において、軽量、高強度、高
弾性率等の性質を有する高性能素材の開発が要望
されており、係る観点から炭素繊維或いは成型炭
素材料が注目されている。特に、炭素質ピツチか
ら炭素繊維を製造する方法は、安価で高性能の炭
素繊維を製造し得る方法として重要視されてい
る。
しかしながら、従来の技術によつては、不融化
繊維の引つ張り強度が約0.01GPaと小さい上、脆
いためにその取扱が難しく、高性能製品を得るの
に必要なロングフイラメント状の繊維を得ること
は極めて困難であつた。
ピツチ繊維からロングフイラメント状の炭素繊
維を製造する方法として、従来、紡糸した糸を金
網のカゴの中に落として堆積せしめ、これを金網
ごと不融化し、更に700℃以上で第1次の熱処理
(予備炭化)を行い、糸条の引つ張り強度が
0.2GPa以上の強度となるようにした上で、該カ
ゴから引き上げて巻き取つた後若しくは巻き取り
つつ1500℃程度の温度で炭化して、炭素繊維を得
る方法が提案されている(特公昭51−12740号)。
しかしながらこの方法では、糸を堆積せしめた場
合に、捩れ又は撚りがかかる傾向があり、又糸の
屈曲ができやすく、このため炭素繊維にした時に
凹凸が著しく外観の悪い糸となる上、屈曲部の強
度が著しく低下するために糸切れが頻発し高品質
の糸ができ難いという欠点があつた。かかる欠点
は、糸を堆積せしめる場合の湾曲率を大きくとつ
ても本質的に改善することのできるものではなか
つた。
一方、特公昭53−4128号公報には、メソフエー
スピツチを溶融紡糸し、ボビンに一度巻き取り、
このうちの一部の糸条を金網皿に置いて250℃〜
500℃の酸化性雰囲気で酸化して糸の強度を増加
せしめ、糸扱いを容易にできるようにしてから加
工する方法が開示されている。しかしながらこの
方法によつては最終製品である炭素繊維の糸の強
度が低下する上、一度巻き取つた糸の一部ずつを
取り出しながら酸化して行くので生産効率が悪い
という欠点があつた。
上記の生産効率上の問題を改善するために、特
開昭60−81320号及び特開昭60−21911号公報に
は、ボビン巻のまま不融化して一定温度以下の非
酸化性雰囲気で予備炭化を行う方法が開示されて
いる。しかしながら、これらの方法においてはボ
ビン上のピツチ繊維の巻厚が厚くなると、不融化
中又は予備炭化中の通気性が不十分であるため不
融化度のバラツキが大きくなり、炭素繊維又は黒
鉛繊維にした時の強度のバラツキが極めて大きく
なるという欠点があつた。
又、ボビン巻のまま不融化し、予備炭化まで行
つてから解舒しようとすると、繊維の強度は約
0.2GPaと強くなつているが、通気性が不十分な
ため繊維間及び繊維束間の膠着や融着がいちじる
しく解舒(巻戻)が極めて困難になり、巻戻しに
際し、糸の毛羽が発生し易く、炭素繊維又は黒鉛
繊維にした時の商品価値を著しく低下させるとい
う欠点があつた。このような問題点を解決するに
は、膠着や融着の度合が予備炭化繊維に比較して
極めて低い不融化の終わつた段階でボビンから解
舒して連続的に線状で通糸しながら予備炭化、炭
化、黒鉛化を行う方法が考えられる。しかしなが
らこの方法においては、不融化繊維の強度がまだ
ピツチ繊維並で弱い上、不融化中に、繊維を集束
している油剤の分解や劣化が起こり、繊維束の集
束が乱れ、繊維束が極めて弱くて脆くなるため、
不融化後のボビンからの解舒(巻戻)が著しく困
難になり、巻戻しに際し毛羽が発生し易いという
欠点を有していた。
又、ボビン上のピツチ繊維の巻厚が厚くなる
と、不融化中の通気性が不十分なため、不融化度
のバラツキが大きくなり炭素繊維又は黒鉛繊維に
した時の強度のバラツキが極めて大きくなるとい
う欠点があつた。
更に、これらの不融化繊維を予備炭化及び炭化
工程にかける際、特開昭59−15517号公報に開示
されている様に、繊維束の温度が700〜800℃の温
度に達するまでに繊維束の強度が室温における強
度の約1/4に低下するので、熱処理中に繊維束の
切断が起こり易く糸扱いが困難であるという欠点
を有していた。
これらの欠点は、特開昭60−173121号公報に開
示された通気性ボビンを使用する方法によつて大
幅に改善されたが、尚生産効率が十分でなく更に
改善が求められていた。
≪発明が解決しようとする問題点≫ 一方、均一に不融化することができ、物性のバ
ラツキが小さく、且つ炭素繊維とした時に外観の
良い糸を得る方法として、ゴデツトローラーで延
伸した糸を不融化用の熱風炉に0.15m/分の糸速
度で連続的に通し、次いで炭化炉へ連続的に通し
て炭素繊維を得る方法が開示されている(特開昭
55−128020号公報)。しかしながら、この方法に
おいては、不融化処理中に、不融化が進むにつれ
て糸の集束が乱れ、繊維束が切断し易く、操業が
難しいという欠点があつた。又、時間当たりの製
品生産量が著しく小さいという欠点があつた。
又、これらの不融化繊維を予備炭化工程にかけ
る際、特開昭59−15517号の公報に開示されてい
る様に、繊維束の温度が、室温における強度の約
1/4に低下するので、熱処理中繊維束が切断し易
いという欠点があつた。
そこで、不融化処理中、繊維束の集束の乱れに
よる繊維束の切断がなく、時間当たりの製品生産
量が大きく、又、糸の外観が良い上取扱い時に毛
羽立ちが少なく、且つ高強度、高弾性で糸の強度
ムラのない高品質のピツチ系炭素繊維のロングフ
イラメントを、安価にしかも効率良く製造する方
法が切望されてきた。
従つて本発明は、糸扱いし易く高品質のピツチ
系炭素繊維及び黒鉛繊維を製造する方法を提供す
ることを目的としている。
又本発明の別の目的は、外観が良く、高強度、
高弾性率である、高品質ピツチ系ロングフイラメ
ントの炭素繊維及び黒鉛繊維を効率良く製造する
方法を提供することにある。
≪問題を解決するための手段≫ 本発明のかかる諸目的は、炭素質ピツチを溶融
紡糸し、紡糸されたピツチ繊維を合糸し、酸化雰
囲気で繊維束を連続的に線状で通して不融化を行
い、1800℃以下の非酸化性ガス雰囲気で第1次の
熱処理を行い、次いで3000℃以下の不活性ガス雰
囲気で第2次の熱処理をすることにより炭化又は
黒鉛化処理するに際し、不融化前の繊維に耐熱性
油剤を付与する炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
であつて、前記紡糸後のピツチ繊維のフイラメン
ト数が50〜1000フイラメントであり、合糸後のピ
ツチ繊維のフイラメント数が200〜50000フイラメ
ントであることを特徴とする炭素繊維及び黒鉛繊
維の製造方法により達成された。
(a) 炭素質ピツチ 本発明に用いる炭素質ピツチは、特に限定さ
れるものではなく、石炭を乾溜して得られるコ
ールタールピツチ、石炭液化物等の石炭系ピツ
チ、ナフサ分解タールピツチ、接触分解タール
ピツチ、常圧蒸留残渣、液圧蒸留残渣等の石油
系ピツチ、合成樹脂を分解して得られる合成ピ
ツチ等の各種のピツチ、これらのピツチを水素
又は水素供与物で水素化したものの他、熱処
理、溶剤抽出等で改質したものも用いることが
できる。炭素質ピツチの軟化点は、230℃〜320
℃であることが好ましい。
これらの炭素質ピツチは、等方性ピツチであ
つても光学的異方性ピツチであつても良く、ネ
オメソフエース、プリメソフエースと言われる
ピツチであつても良いが、特に、光学的異方性
炭素質ピツチとして、偏光顕微鏡で測定して約
95%以上の光学的異方性相を含有し、且つ、軟
化点が230〜320℃であるものを使用すること
が、紡糸及び最終製品の品質の観点から好まし
い。
(b‐1) 光学的異方性ピツチ 本発明で使用する光学的異方性炭素質ピツ
チとは、常温で固化したピツチ塊の断面を研
磨し、反射型偏光顕微鏡で直交ニコルを回転
して光輝が認められるピツチ、即ち実質的に
光学的異方性であるピツチが大部分であるピ
ツチを意味し、光輝が認められず光学的等方
性であるピツチについては、本明細書では光
学的に等方性炭素質ピツチと呼称する。従つ
て、本明細書における光学的異方性炭素質ピ
ツチには、純粋な光学的異方性炭素質ピツチ
のみならず、光学的異方性相の中に光学的等
方性相が球状又は不定型の島状に包含されて
いる場合も含まれる。
又、実質的に光学的異方性である場合と
は、光学的異方性炭素質ピツチと光学的等方
性炭素質ピツチが混在するが、光学的等方性
ピツチの量が少ないために上記偏光顕微鏡に
よつては光学的等方性相(以下IPとする)
を観測することができず、光学的異方性相
(以下APとする)のみが観測される場合であ
る。因に、一般には、APとIPの間に明瞭な
境界が観察される。
本明細書におけるAPは、所謂「メソ相」
と同様と考えられるが、「メソ相」にはキノ
リン又はピリジンに実質上不溶性のものと、
キノリン又はピリジンに溶解する成分を多く
含むものとの2種類があり、本明細書でいう
APは主として後者の「メソ相」である。
上記AP相及びIP相は光学的性質のみなら
ず粘度においても大きく異なるために、一般
に、両者が混在するピツチを紡糸することは
糸切れの原因や糸の太さムラとなるので好ま
しくない。このことは、光学的等方性ピツチ
が紡糸に好ましくない異物を含まない場合で
あつても、IP相がAP相の中に均一に分散し
ていない場合には特に悪い結果をもたらすこ
と意味する。従つて、本発明で使用する光学
的異方性ピツチには実質的な均質性が要求さ
れる。このような均質な光学的異方性ピツチ
は、IP含有量が20%以下であつて、反射型
顕微鏡観察でピツチの断面に粒径1μm以上
の固形粒子を検出できない上、溶融紡糸温度
で揮発物による発泡が実質上ないものであ
る。
本発明においては、APとIPの定量は、偏
光顕微鏡直交ニコル下で観察し、写真撮影し
てAP又はIP部分の占める面積率を測定して
行うが、この面積率は統計上実質的に体積%
を表す。しかしながら、APとIPの比重差は
0.05程度であり小さいので、近似的には体積
%と重量%とは等しいとして取り扱うことが
できる。
本発明で使用する光学的異方性ピツチは、
その軟化点は低いことが好ましい。ここに、
ピツチの軟化点とはピツチの固相と液相間の
転移温度であり、差動走査型熱量計によつて
ピツチの溶解又は凝固する際の潜熱の吸収又
は放出ピーク温度から求めることができる。
この方法によつて測定した軟化点は、リング
アンドボール法、微量融点法等の他の測定方
によつて得られる温度と、±10℃の範囲で一
致する。
本発明における紡糸には、通常の紡糸技術
を使用することができる。一般に溶融紡糸に
適する紡糸温度は、紡糸する物質の軟化点よ
り60℃〜100℃高い温度である。一方、本発
明で使用する光学的異方性ピツチは380℃以
上では熱分解重縮合がおこり分解ガスが発生
したり、不融解物が生成する場合がある。従
つて、本発明で使用する光学的異方性ピツチ
の軟化点は320℃以下であることが好ましく、
後述の不融化処理工程の上からは230℃以上
であるこが好ましい。
(b‐2) 光学的異方性ピツチの製造方法 本発明で使用する光学的異方性ピツチはい
かなる製法を用いて製造してもよいが、ピツ
チ製造用の一般的原料である重質炭化水素
油、タール、市販ピツチ等を反応槽で380℃
〜500℃の温度にて撹拌し、不活性ガスで脱
気しながら十分に熱分解重縮合して、残渣ピ
ツチの光学的異方性相(以下APと略す)を
高める従来の方法を使用することができる。
しかしながら、この方法によつてAPが80%
以上のものを製造した場合には、熱分解重縮
合反応が進み過ぎ、キノリン不溶分が70重量
%以上と大きくなり軟化点も330℃以上とな
る場合もあるのみならず、光学的等方性相
(以下IPと略す)も微小球状の分散状態とは
なりにくく必ずしも好ましい方法とは言えな
い。
従つて、本発明で使用する光学的異方性ピ
ツチの好ましい製造方法は、熱分解重縮合反
応を半ばで打ち切つてその重縮合物を350℃
〜400℃の範囲の温度で保持して実質的に静
置し、下層に密度の大きいAPを成長熟成さ
せつつ沈積し、これを密度の小さいIPが多
い上層の部分より分離して取り出す方法であ
り、この方法の詳細は特開昭57−119984号明
細書に記載されている。
本発明で使用する光学的異方性ピツチの更
に好ましい製造方法は、特開昭58−180585号
公報に記載されている如く、APを適度に含
み未だ過度に重質化されていない炭素質ピツ
チを溶融状態のまま遠心分離操作にかけ、迅
速にAP部分を沈降せしめる方法である。こ
の方法によれば、AP相は合体成長しつつ下
層(遠心力方向の層)に集積し、APが約80
%以上で連続層を成し、その中に僅かにIP
を晶状又は微小な球状体で分散している形態
のピツチが下層となり、一方上層はIPが大
部分で、その中にAPが微小な球状態で分散
している形態のピツチとなる。この場合、両
層の境界が明瞭であり、下層のみを上層から
分離して取り出すことができ、容易にAP含
有率が大きく紡糸しやすい光学的異方性ピツ
チを製造することができる。この方法によれ
ば、AP含有率が95%以上で軟化点が230℃〜
320℃の炭素質ピツチを短時間に、経済的に
得ることができる。このような光学的異方性
炭素質ピツチは、溶融紡糸加工特性において
優れ、その均質性と高い配向性のために、そ
れを紡糸して得られた炭素繊維及び黒鉛繊維
の引つ張り強度並びに弾性率は極めて優れた
ものとなる。
(c) 繊維の製造 () 紡糸 炭素質ピツチの紡糸は、公知の方法によつ
て行うことができる。このような方法は、例
えば、直径0.1mm〜0.5mmの紡糸口を1〜1000
ヶ有する紡糸口金を下方に有する紡糸容器に
ピツチを張り込み、不活性ガス雰囲気下で
280〜370℃の間の一定の温度にピツチを保持
し、溶融状態に保つたまま不活性ガスの圧力
を数百mmHgに上昇せしめて口金から溶融ピ
ツチを押し出し、温度及び雰囲気を制御しつ
つ流下したピツチ繊維を高速で回転するボビ
ンに巻き取るものである。
又、紡糸口金から紡糸したピツチ繊維を集
束させて気流で引取りつつ下方の集積ケース
の中にケンス状に集積する方法を採用するこ
ともできる。この場合、紡糸容器へのピツチ
の供給を、予め溶融したピツチやギアポンプ
等により加圧供給することによつて連続的に
紡糸することが可能である。更に、上記方法
において、口金の近傍で一定の温度に制御さ
れ高速で下降するガスを用いてピツチ繊維を
延伸しつつ引取り、下方のベルトコンベア上
に長繊維を作る方法も用いることができる。
更に、周壁に紡糸口金を有する円筒状の紡
糸容器を高速で回転させ、これに溶融ピツチ
を連続的に供給し、円筒紡糸器の周壁より遠
心力によつてピツチを押し出し、回転の作用
によつて延伸されるピツチ繊維を集積するよ
うな紡糸方法を採用することもできる。
本発明においてはボビンに巻いた状態から
均一な解舒(巻戻)を行うために、紡糸時の
トラバースは2〜100mm/(ボビン1回転当
り)のような大きなトラバースをかけて巻き
取り、巻厚は1〜100mm好ましくは5〜50mm
とすることが有効である。トラバースは、ピ
ツチ繊維のボビンからの解舒(巻戻)性を考
慮すれば5〜20mm/(ボビン1回転)程度が
好ましい。
本発明においては、いずれの公知の方法に
よつて紡糸する場合であつても、軟化点の低
い炭素質ピツチを使用するので、280℃〜370
℃という従来よりも低温で紡糸することがで
きる。このような温度で紡糸する場合には熱
分解や熱重合が極めて低く抑えられるので、
紡糸後のピツチ繊維は、紡糸前のピツチと殆
ど同じ化学的組成を維持することができる。
従つて、紡糸後の繊維を再溶融して再度紡糸
することができて好都合である。
本発明においては、溶融紡糸したピツチ繊
維はエアサツカーを通して集束しつつオイリ
ングローラーに導き集束剤(油剤)を付けて
更に集束する。この場合の集束剤としては、
例えばエチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−プロピルアルコール、ブチルア
ルコール等のアルコール類又は粘度3〜
300cst(25℃)のジメチルポリシロキサン、
メチルフエニルポリシロキサン等を低沸点の
シリコン油(ポリシロキサン)又はパラフイ
ン油等の溶剤で希釈したもの、又は乳化剤を
入れて水に分散させたもの;同様にグラフア
イト又はポリエチレングリコールやヒンダー
ドエステル類を分散させたもの;界面活性剤
を水で希釈したもの;その他通常の繊維、例
えばポリエステル繊維に使用される各種の油
剤の内、ピツチ繊維をおかさないものを使用
することができる。集束剤の繊維への付着量
は通常0.01〜10重量%であるが、特に0.05〜
5重量%であることが好ましい。
() ピツチ繊維の合糸 本発明においては、不融化時に安定に連続
して通糸するために、不融化に先立ち合糸を
行う。
溶融紡糸機1台(1紡糸口金)から紡糸さ
れるピツチ繊維のフイラメント数は溶融紡糸
のため限界があり、通常は1〜2000であり、
好ましくは50〜1000フイラメントである。
本発明では、溶融紡糸で得られるピツチ繊
維束を2〜20本用いて、200〜50000好ましく
は500〜5000フイラメントに合糸する。合糸
は、紡糸されたピツチ繊維を複数のボビンに
巻取つた後、同時に解舒し繊維束を1つに合
束し1つのボビンに巻取ることによつて行わ
れる。合糸時の巻取りトラバースはボビン1
回転当り5〜100mmであることが好ましい。
ボビンからの解舒性を良くするためにはトラ
バースを大きくする方が良いが、大き過ぎる
と糸が損傷し易いので好ましくない。
ケンス状に落としたピツチ繊維を複数のカ
ゴ又はケースから引き上げ合糸しても良い。
合糸は、ボビンからの解舒のみでなく複数
の紡糸機又は紡糸口金から同時に紡糸された
ピツチ繊維を集束し合糸することも可能であ
る。
合糸は、1度に2〜20本合糸しても良い
が、2〜10本を1回目に合糸し、更に、2〜
10本再合糸する方法も用いられる。
合糸後の巻厚は通常は、1〜100mm、好ま
しくは5〜50mmである。
本発明では、不融化時の不融化炉への安定
な通糸性を確保するために、合糸に際し及
び/又は合糸の後で耐熱性油剤を付与する。
耐熱性油剤としては、25℃における粘度が
10〜1000cstのアルキルフエニルポリシロキ
サン、ジアルキルポリシロキサン、ヒンダー
ドエステル油を、沸点160℃以下のシリコー
ン油、パラフイン油、アルコール類で希釈
し、0.01〜10%溶液、好ましくは0.1〜2%
溶液として使用する。
特にアルキルフエニルポリシロキサンは耐
熱性に優れているので好ましい。
アルキルフエニルポリシロキサンは、フエ
ニル基含有量が5モル%〜80モル%、好まし
くは5モル%〜50モル%であり、アルキル基
としてはメチル基、エチル基及びプロピル基
が好ましい。耐熱性油剤中に、アミン類、有
機セレン化合物、フエノール類等の酸化防止
剤を含む方法も使用される。酸化防止剤とし
ては、フエニルアルフアナフチルアミン、ジ
ラウリルセレナイド、フエノチアジン、鉄オ
クトレート等が使われる。
耐熱性基材油を希釈する成分は、連続不融
炉に入る以前に殆ど蒸発している必要がある
ため、沸点160℃以下のもので、且つピツチ
繊維を溶解せず、且つ基材油であるジメチル
ポリシロキサン、メチルフエニルポリシロキ
サン等を溶解するものが好ましい。
これらの希釈成分として、C2〜C8のアル
カノール−1、アルカノール−2、不飽和第
1アルコール、ヘキサメチルジシロキサン、
オクタメチルトリシロキサン等を使用するの
が好ましい。
油剤の付与は、スプレー、ローラー接触等
の何れの方式で行つても良い。
合糸後の巻圧は任意に設定できるが、作業
性、操業性の面から10〜100mmが好ましい。
合糸は、不融化炉に通糸する前に行つても
良いが、合糸しながら不融化を行うこともで
きる。
() ピツチ繊維の不融化 本発明においては、酸化性雰囲気に繊維束
を連続的に通して不融化を行う。
本発明では、連続通糸が円滑にできるよう
合糸し、耐熱性油剤を付与し、不融化処理
中、繊維束の断糸がないようにして行うの
で、ピツチ繊維を酸化して不融性炭素質繊維
とする工程における温度、酸化剤、反応時間
について、公知の種々の組み合わせを用いる
ことができる。本発明における不融化工程の
温度は150〜400℃、好ましくは200〜300℃の
範囲でステツプ状又は徐々に昇温して、通常
は30分〜5時間処理する。不融化は、空気、
酸素、空気と酸素又は空気と窒素の混合ガス
等を使用して行うことができる。本発明で
は、酸素濃度を高くしても繊維束内の反応熱
の蓄積による燃焼の恐れがないので、反応時
間を短縮する方法として酸素濃度を高くする
ことができる。
本発明においては、200℃以下の温度でハ
ロゲン、NO2、SO2、SO3、オゾン等の酸化
剤を含んだ雰囲気中で単時間処理するか、又
は、酸素ガス雰囲気中でピツチの軟化点より
30〜50℃低い温度、即ち150〜240℃の温度で
十分な不融化が得られる迄5分〜1時間保持
し、その後必要により約300℃迄昇温して不
融化を終了せしめる方法で行つてもよく、特
に後者の方法は容易且つ確実であり好まし
い。
不融化に際しては、雰囲気と同じ種類のフ
レツシユなガスを毎分0.1〜5回の割合で流
通置換して、古いガスを排出することが好ま
しい。
不融化処理時の雰囲気はフアンによつて強
制的に撹拌することが好ましく、その風速は
0.1〜10m/秒、好ましくは0.5〜5m/秒で
ある。このような強制撹拌は繊維束内へのガ
スの浸透を推進し、不融化炉内の温度分布を
なくして焼成を均一にする効果がある。
不融化処理は、繊維に張力をかけずに行う
こともできるが、通常は、不融化炉内で繊維
束(糸条)がたるみ炉底をこすることにより
発生する引きずり傷の防止、及び外観を良好
にし、且つ引張強度、引張弾性率等の炭素繊
維物性を向上せしめるために、1フイラメン
ト当り0.001〜0.2gの張力をかけながら不融
化を行うことが好ましい。
連続不融化炉を出た糸は、一度ボビンに巻
き取り、その後第1次の熱処理、次いで第2
次の熱処理にかけられる。又、巻き取ること
なくそのまま第1次及び第2次の熱処理を行
つても良い。
連続不融化炉を出た糸は、炉内での油剤の
一部の分解、蒸発、劣化等により脆く、且つ
弱くなつているので、巻き取る前、又は次の
第1次熱処理工程へ移る前に前記の耐熱性油
剤を付与して、繊維の糸扱い性を向上させる
ことが好ましい。
() 熱処理工程 連続不融化によつて不融性となつた炭素質
ピツチ繊維を、化学的に不活性な窒素ガス又
はアルゴンガス雰囲気で、500〜1000℃迄昇
温し初期の炭化を行うことによつて予備炭化
繊維が得られ、更に1000〜2000℃迄昇温し、
炭化することによつて所謂炭素繊維が得ら
れ、2000℃〜3000℃迄昇温し、黒鉛化するこ
とによつて黒鉛繊維が得られる。次にこれら
の方法について詳述する。
本発明においては、連続熱処理炉に、熱処
理しようとする繊維を線状で連続的に通して
熱処理を行う。
特に本発明においては、適切な炉の温度プ
ロフアイル(温度勾配)のもとで、不融化し
たピツチ繊維を予備炭化、炭化、黒鉛化処理
することによつて性能の優れた製品を効率良
く得るために、2段階の熱処理を行う。一般
に、炉の長さが短いと適切な温度プロフアイ
ル(温度勾配)を得ることは設備上困難であ
るが、一方、炉の長さが長くなると繊維束が
たるむために炉内をこすり、傷がつく度合が
増え、結果として製品性能が低下する。これ
らの相反する問題は、熱処理炉を分割し、第
1次の熱処理、第2次の熱処理という2段階
の処理を行うことによつて解決される。2つ
に分割することにより適切な温度プロフアイ
ルを作り易くなり、又、繊維束のたるみによ
る傷の発生も少なくすることが可能となる。
又、このような2段階の処理を行うことに
よつて第1次の熱処理、第2次の熱処理を合
わせた炉の長さを長くできるので、糸の温度
の実質的な昇温速度(本明細書では、これを
熱処理の昇温速度とする)が一定の場合に
は、炉への通糸速度を大きくすることができ
時間当たりの生産量を大きくすることができ
るので有利である。
本発明における2段階の熱処理に際する熱
処理の分離温度は、不融化したピツチ繊維の
予備炭化、及び炭化中に発生する反応生成ガ
ス、タール状物質の1次的、2次的影響によ
る製品性能への影響を最小にするために、第
1次の熱処理温度を、繊維束強度も考慮して
1800℃以下、好ましくは600〜1500℃として
行う。ガスの発生量は500℃前後で最も多い
ので、600℃以上であることが好ましく、約
1500℃では反応生成ガスが少量になるので好
ましい。
第1次の熱処理は、ボビン巻のまま行うこ
とも可能であるが、特に不融化した不融化繊
維をボビンから解舒しつつ、必要に応じて更
に合糸しながら実施することが好ましい。
第1次の熱処理は、窒素ガス及び/又はア
ルゴンガスのような非酸化性ガス雰囲気下に
線状で連続的に通して行う。雰囲気ガスは、
不融化繊維から生成した排ガスを除去するた
め、0.05〜1回/分の割合で流通置換する。
これらのガスの一部をリサイクルし、或いは
精製して全部を再び使用することも可能であ
る。
第1次の熱処理をいきなり高い温度から行
うと、繊維の溶融及び/又は融着により繊維
束の切断や部分的な糸切れが起こる。これを
避けるため、熱処理の開始を400℃以下、好
ましくは300℃以下から開始する。第1次の
熱処理の昇温速度は、徐々に炭化を行い繊維
束の軟化点を少しずつ上昇させて融着による
繊維束の切断を避けるため、20〜2000℃/分
好ましくは50〜500℃/分とする。
昇温速度を、遅くすれば通糸は容易になる
が、経済的でない。第1次の熱処理温度(最
高温度)は先に述べた理由により、1800℃以
下好ましくは600〜1500℃で行う。最高温度
到達後、1時間以内保持することも行われ
る。
第1次の熱処理は張力をかけずに行うこと
もできるが、繊維束がたるむことによつて、
熱処理炉の炉底や炉壁で糸がこすれて発生す
る損傷を防ぐと共に、張力下に糸条を焼成す
ることによつて、炭素繊維又は黒鉛繊維の物
性を上げるため、1フイラメント当たり
0.001〜0.2gの張力をかけて行うことが好ま
しい。第1次の熱処理は、通常0.1〜20m/
分の速度で連続的に焼成炉を通して行う。
第2次の熱処理は、アルゴンガス及び/又
は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気の連続熱処
理炉に通して行う。雰囲気ガスは、黒鉛繊維
を作る場合は特にアルゴンガスが好ましい。
雰囲気ガスは、繊維から生成したガスを除去
するため0.05〜1回/分の割合で流通置換す
る。必要に応じて雰囲気ガスをリサイクル
し、又は精製して再使用することも行う。
第2次の熱処理は、最高温度が1000〜3000
℃の範囲となるように行う。最高温度到達後
30分以内保持することも行われる。
第2次の熱処理の開始温度は1000℃以下で
あり、そこから第2次の熱処理の最高温度迄
の昇温速度は、100〜2000℃/分で行う。
第2次の熱処理は、張力をかけずに行うこ
とができるが、通炉中の糸の損傷を防ぎ、且
つ張力下で処理して炭素繊維及び黒鉛繊維の
物性を向上せしめるため1フイラメント当た
り0.001〜0.2gの張力をかけて行うことが好
ましい。
第2次の熱処理は、第1次の熱処理ですで
に炭素繊維又はそれに近い強度の繊維となつ
ているので、すでに公知となつているポリア
クリロニトリル系炭素繊維の場合の焼成法に
よつて焼成することができる(例えば、米国
特許第3700511号、同第3764662号、同第
3900556号、同第3954750号、同第4301136号、
英国特許第1110791号、同第1215005号、特公
昭45−12540号、同45−19415号、同47−
26733号、同47−36463号、特開昭46−2961
号、同47−716号、同60−99010号参照)。
第2次の熱処理炉を出た糸は、必要に応じ
て集束剤、サイジング剤等を付与した上、ボ
ビンに巻き取る。
尚、本発明における第1次の熱処理、第2
次熱処理の結果は、予備炭化、炭化、黒鉛化
の言葉で下記のように表現することができ
る。
第1次熱処理 第2次熱処理 予備炭化 炭化 予備炭化/炭化 炭化 予備炭化 炭化/黒鉛化 予備炭化/炭化 炭化/黒鉛化 予備炭化/炭化 黒鉛化 ≪発明の効果≫ 本発明は、炭素質ピツチ繊維を合糸して繊維束
の強度を増し、更に耐熱性油剤を付与してから、
繊維束を線状で連続的に不融化を行うので、不融
化中の繊維束の切断がなく、又、合糸するので生
産速度が速くできる。
繊維束を連続して線状で不融化炉を通す方式で
あるので、外観の良い繊維が得られるばかりでな
く、不融化中のムラがなく、均一な繊維を得るこ
とができ、又、引張強度、引張弾性が高い炭素繊
維、黒鉛繊維を得ることができる。
1800℃以下での第1次熱処理、3000℃以下での
第2次の熱処理も、繊維束を線状で連続的に焼成
できで、設備の連続化ができると共に、外観が良
くて均一な、引張強度、引張弾性率等の物性の高
い炭素繊維及び黒鉛繊維を得ることができる。
又、第2次の高温度の熱処理を非常に短時間で
終了させることにより、高強度、高弾性率の黒鉛
繊維を容易に得ることができる。又、このように
して得られた炭素繊維、黒鉛繊維は、糸扱い時の
毛羽立ちが少なく、糸の外観も良い高品質のロン
グフイラメント糸であり、巻き取り、巻き戻し、
合糸及び織物や編物とすることも自在であり、複
合材料を製造する場合のフイラメントワインデイ
ングやプリプレグの製造等に使用することができ
るので、その応用範囲も広く本発明の意義は大き
い。
≪実施例≫ 以下に本発明を実施例によつて更に詳述する
が、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
実施例 1 光学的異方性相(AP)を約55%含有し、軟化
点が232℃である炭素質ピツチを前駆体ピツチと
して使用した。この前駆体ピツチは、キノリン不
溶分16.1重量%と灰分0.26重量%を含有してお
り、370℃における粘度は2.8ポイズであつた。こ
のピツチを内容積20の溶融タンク中で溶融し、
370℃に制御して、ローター内有効容積200mlの円
筒型連続遠心分離装置へ20ml/分の流量で送り、
ローター温度を370℃に制御しつつ、遠心力を
30000GでAP排出口より光学的異方性相の多いピ
ツチ(Aピツチ)、IP排出口より光学的等方性の
多いピツチ(Iピツチ)を連続して抜き出した。
得られた光学的異方性ピツチは、光学的異方性
相を98%含み、軟化点265℃、キノリン不溶分は
29.5%であつた。
次に、得られた光学的異方性ピツチを、500穴
の紡糸口金を有する溶融紡糸機(ノズル孔径:直
径0.3mm)に通し、355℃で約200mmHgの窒素ガス
圧で押し出して、ノズル下部に設けた、高速で回
転する直径210mm幅200mmのステンレス網製の金網
ボビンに巻き取り、約500m/分の巻き取り速度
で10分間紡糸した。ボビン1回転当たりのトラバ
ースのピツチは10mm/1回転であつた。紡糸の間
の糸切れはなかつた。この際紡糸した糸はエアー
サツカーで略集束してオイリングローラーに導
き、糸に対して約0.5%の割合で集束用油剤を供
給した。油剤としては、25℃における粘度が
14cstのジメチルポリシロキサンを使用した。
ピツチ繊維を巻いたボビン6個を、トラバース
のピツチを20mm/1回転として合糸し、3000フイ
ラメントとして、10メツシユ(空間率55%)のス
テンレス製の金網ボビンに巻き取つた。
合糸時に、25℃で40cstのメチルフエニルポリ
シロキサン0.5重量%と、イソプロピルアルコー
ル99.5重量%とを混合した油剤を付与した。
このようにして得たボビン巻のピツチ繊維をボ
ビンから解舒(巻戻)しつつ、炉入口温度150℃、
最高温度270℃の空気雰囲気のフアン付強制熱風
循環の連続不融化炉に導入した。温度150℃から
270℃まで10℃/分で昇温し、270℃で30分間保持
した。処理時間は、150分であつた。この間、炉
内雰囲気を新しい空気で0.5回/分の割合で置換
した。
不融化時の風速は、0.7m/秒、繊維束にかけ
た張力は、0.007g/1フイラメント当りであつ
た。
不融化処理の終了後、合糸に用いたのと同じ油
剤を付与し、一旦ボビンに巻き取つた。このボビ
ンを、第1次の熱処理を行う連続焼成炉の前にセ
ツトした。
この糸巻を、解舒しつつ、連続的に線状で第1
次の熱処理、第2次の熱処理を行つたが、この
間、ボビンからの糸巻の解舒は、円滑に行われ
た。
第1次の熱処理は、炉入口温度300℃、最高温
度800℃の窒素ガス雰囲気の連続焼成炉で行つた。
昇温速度は200℃/分、通糸速度は1m/分で行
つた。第2次の熱処理は、窒素ガス雰囲気で、最
高温度1500℃で行い、この時の昇温速度は500
℃/分、通糸速度は1m/分であつた。第2次の
熱処理炉の出口で巻き取り、炭素繊維を得た。通
糸中の張力は1フイラメント当り、0.01gで行つ
た。得られた炭素繊維の引張強度は2.5GPa、引
張弾性率は260GPaであり、糸径は9.9μmであつ
た。
実施例 2 第2次の熱処理を2500℃、アルゴンガス雰囲気
で行つた他は実施例1と同様にして黒鉛繊維を得
た。得られた黒鉛繊維の引張強度は、2.4GPa、
引張弾性は650GPaとなり、糸径は9.7μmであつ
た。
このようにして得た炭素繊維、黒鉛繊維は、そ
の巻戻し、巻取り、合糸等は自在に行うことがで
きた。
比較例 1 合糸を行わなかつた他は、実施例1と同様に処
理した。このようにして得たピツチ繊維は、不融
化中、炉内で繊維束が切断し、長い不融化繊維を
得ることができなかつた。
比較例 2 合糸時に、耐熱性油剤をつけなかつた他は、実
施例1と同様に処理した。この場合、連続不融化
炉中で繊維束の切断が頻繁に起こり、長い繊維を
得ることができなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素質ピツチを溶融紡糸し、紡糸されたピツ
    チ繊維を合糸し、酸化雰囲気で繊維束を連続的に
    線状で通して不融化を行い、1800℃以下の非酸化
    性ガス雰囲気で第1次の熱処理を行い、次いで
    3000℃以下の不活性ガス雰囲気で第2次の熱処理
    をすることにより炭化又は黒鉛化処理するに際
    し、不融化前の繊維に耐熱性油剤を付与する炭素
    繊維及び黒鉛繊維の製造方法であつて、前記紡糸
    後のピツチ繊維のフイラメント数が50〜1000フイ
    ラメントであり、合糸後のピツチ繊維のフイラメ
    ント数が200〜50000フイラメントであることを特
    徴とする炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 2 合糸時のトラバースを5〜100mm/(ボビン
    1回転)とすることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方
    法。 3 合糸時、1m当たり0.1〜30回の撚りをかけ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 4 合糸したピツチ繊維に付与する耐熱性油剤が
    25℃で10〜1000cstの粘度を有するアルキルフエ
    ニルポリシロキサン及び/又はジアルキルポリシ
    ロキサンと、沸点160℃以下の低沸点シリコーン
    油及び/又はアルコール類との混合物であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素
    繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 5 アルキルフエニルポリシロキサンがフエニル
    基を5モル%〜80モル%含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項に記載の炭素繊維及び黒
    鉛繊維の製造方法。 6 アルキル基がメチル基、エチル基、プロピル
    基の何れかである特許請求の範囲第4項又は第5
    項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 7 アルコール類が、炭素数2〜8の、アルカノ
    ール−1、アルカノール−2及び不飽和第1アル
    コールの中から選択された少なくとも1種のアル
    コールであることを特徴とする特許請求の範囲第
    4項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 8 耐熱性油剤中に、アミン類、有機セレン化合
    物、フエノール類から選択された少なくとも1種
    の酸化防止剤を含むことを特徴とする特許請求の
    範囲第4項乃至第7項の何れかに記載の炭素繊維
    及び黒鉛繊維の製造方法。 9 酸化防止剤が、フエニル−α−ナフチルアミ
    ン、ジラウリルセレナイド、フエノチアジン、鉄
    オクトレートの中から選択された1種又は2種以
    上の混合物であることを特徴とする特許請求の範
    囲第8項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方
    法。 10 不融化処理を150℃〜400℃の温度範囲で、
    且つ空気、酸素又は、空気と酸素若しくは空気と
    窒素の混合ガス雰囲気下で行うことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛
    繊維の製造方法。 11 酸化性ガスを含有した雰囲気下で不融化を
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 12 酸化性ガスが、ハロゲン、NO2、SO2
    SO3及びオゾンの中から選択された少なくとも1
    種であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 13 不融化雰囲気ガスを0.1〜5回/分の割合
    で流通置換することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方
    法。 14 不融化雰囲気を、風速が0.1〜10m/秒の
    速度となるように強制撹拌することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛
    繊維の製造方法。 15 不融化時に、繊維に張力をかけることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊維
    及び黒鉛繊維の製造方法。 16 不融化後のピツチ繊維に耐熱性油剤を付与
    した後熱処理することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方
    法。 17 第1次の熱処理を、窒素ガス及び/又はア
    ルゴンガスの雰囲気下で行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項〜第16項の何れかに記載の
    炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 18 雰囲気ガスを0.05〜1回/分の割合で流通
    置換することを特徴とする特許請求の範囲第17
    項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 19 第1次の熱処理における最高温度が、600
    〜1500℃である特許請求の範囲第1項に記載の炭
    素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 20 第1次の熱処理開始温度が、400℃以下で
    あり、該開始温度から第1次の熱処理の最高温度
    までの昇温速度が20〜2000℃/分であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊維
    及び黒鉛繊維の製造方法。 21 第1次の熱処理の昇温速度が50〜5000℃/
    分であることを特徴とする特許請求の範囲第20
    項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。 22 第1次の熱処理を、1フイラメント当り
    0.001〜0.2gの張力をかけながら焼成することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊
    維及び黒鉛繊維の製造方法。 23 第2次の熱処理をアルゴンガス及び/又は
    窒素ガスの雰囲気下で行うことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維
    の製造方法。 24 第2次の熱処理の雰囲気ガスを0.05〜1
    回/分の割合で流通置換することを特徴とする特
    許請求の範囲第23項に記載の炭素繊維及び黒鉛
    繊維の製造方法。 25 第2次の熱処理における最高温度が、1000
    〜3000℃であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方
    法。 26 第2次の熱処理開始温度が、1000℃以下で
    あり、該開始温度から第2次の熱処理の最高温度
    迄の昇温速度が100〜2000℃/分であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊維
    及び黒鉛繊維の製造方法。 27 第2次の熱処理を、1フイラメント当り
    0.001〜0.2gの張力をかけながら焼成することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の炭素繊
    維及び黒鉛繊維の製造方法。 28 炭素質ピツチが、光学的異方性炭素質ピツ
    リが約95%以上の光学的異方性相を含有する光学
    的異方性ピツチであり、且つ軟化点が約230〜320
    ℃であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法。
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