JPH0435334B2 - - Google Patents

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JPH0435334B2
JPH0435334B2 JP6132187A JP6132187A JPH0435334B2 JP H0435334 B2 JPH0435334 B2 JP H0435334B2 JP 6132187 A JP6132187 A JP 6132187A JP 6132187 A JP6132187 A JP 6132187A JP H0435334 B2 JPH0435334 B2 JP H0435334B2
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JP
Japan
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steel sheet
layer
car body
coated
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JP6132187A
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Koji Ozaki
Teruo Suga
Saburo Ayusawa
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車用プレコート鋼板、さらに詳
しくは、自動車車体の強度向上や軽量化のために
用いられる薄膜樹脂層を表面に塗層装した高強度
鋼板に係り、その樹脂層が剪断、プレス工程にお
いては剪断、プレス成形の容易な未発泡の樹脂層
であり、また車体塗装工程においては塗料焼付炉
の加熱条件で発泡し厚膜化する加熱発泡性樹脂層
であることを特徴とする車体の張り剛性、音振特
性などを向上させ、高強度鋼板の特性を助成する
自動車用プレコート鋼板に関する。
従来の技術 最近燃料消費低減のための自動車車体の軽量化
に伴い、種々の高強度鋼板が開発され、鋼板の板
厚減少に寄与している。
しかし鋼板板厚を低減してゆくと、0.75mm以下
位から外板の張り剛性の低下及び音振特性の低下
という新しい課題が生じて来た。この問題点を解
決するための手段として軽量な樹脂材料を利用
し、外板を補強する方法が種々検討されて来てい
る。例えば植物繊維製のフエルトや合成樹脂製の
発泡体を鋼板裏面に張り付けて補強する方法があ
るが、自動車のドアなど外板と内板が溶接され、
箱状の組立体となつた後ではこれらの補強材を張
り付けることが難しいので、プレス成形した鋼板
の所要位置に軽量の補強材を張り付けた後、組立
体を成形して目的を達している。
しかし車体製造工程としては部位の組立後、脱
脂、洗滌、化成処理、洗滌、電着塗装などの工程
を径るので、プレス成形した鋼板の裏面に軽量発
泡体シートを接着剤で張り付ける場合、発泡シー
トの表面にこれらの脱脂、洗滌液などが滲入しな
いようにホツトメルト材料でカバーする方法(特
開昭57−105265号公報)、或はプレス成形した鋼
板裏面の局部的箇所に多層構造の厚手の補強材を
張り付け、塗料の焼付工程で補強材の一部を同時
に加熱発泡させてビード状膨出部を形成し、補強
する方法(特開昭59−48152号公報)などが提案
されている。
しかしこれらの方法は部位組立て前に、プレス
成形した鋼板裏面の所要位置に部品形状に適合し
て補強材を張り付ける作業を要し、自動車生産の
自動化された工程を著しく妨げている。またプレ
ス後の鋼板表面の汚れにより密着不良が生じ易
く、また密着していても鋼板への密着力が低下す
ると、実車使用中、補強材と鋼板の界面に腐食が
生じ、剥離し易くなる。
また前者のプレス成形後の鋼板に張り付ける補
強材に発泡体シートを使用する場合、車体の張り
剛性を得るためにシートは5mm以上とし、後者の
塗料の焼付温度で多層体の一部を発泡させる場
合、発泡前の全樹脂厚みは1mm以上としている。
しかし、これらはプレス成形後の鋼板に張り付
ける場合であり、通常の自動車用鋼板と同じく素
材として供給され、使用される場合は始めに剪
断、プレス加工を受ける。この場合、樹脂層が厚
膜になるとプレス、絞り加工の際、鋼板とプレス
型との空隙を大きくとらなければならず、プレス
作業によつて成形が困難となる場合が多い。
また加熱発泡性樹脂層を表面に被覆したプレコ
ート鋼板を自動車製造用に使用するという試みは
なく、どのような品質特性を有するプレコート鋼
板が、自動車製造用に用いることができるプレコ
ート鋼板であるか明かでなかつた。
そこで本発明者らは、このようなプレコート鋼
板を自動車の製造用に用いることについていろい
ろ研究を行つた結果、加熱発泡性樹脂層を表面に
被覆したプレコート鋼板を自動車製造用に使用す
るには、その樹脂層がプレス工程及び車体塗装工
程において下記に示す加工条件に対して少くとも
全て耐えうる優れた品質特性を保有していなけれ
ばならないことが判明した。
その条件は次のとおりである。
第1に剪断、プレス、絞り加工が容易に出来る
こと、すなわち補強を必要とする自動車の全ての
部位に成形加工出来る樹脂層であること、 第2に部位組立ての際の溶接に妨げのないこ
と、 第3に脱脂、化成処理、電着塗装などの工程を
径ても樹脂層に変化のないこと、すなわち耐化学
薬品性、電気絶縁性に優れていること、 第4に車体塗装工程の塗料焼付条件で車体の張
り剛性、音振特性などを向上するに充分な厚みに
発泡すること、製造設備により塗料焼付条件が変
化しても必要な厚みに発泡すること、 第5に長期的実車走行をしても発泡した樹脂層
の鋼板に対する密着性、防食性が劣化しないこと
などである。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、これらの従来技術の問題点、(1)プレ
ス成形後、部品形状に適した補強材を張り付ける
作業が必要である、(2)プレス成形後の汚れた鋼板
表面に補強材を張り付けるので密着性が悪く剥離
しやすい、などを解決することを目的とするもの
であつて、薄膜樹脂層を表面に塗覆装したプレコ
ート鋼板を自動車製造用に用いることによつて、
自動車の生産性向上、作業員の省力化、補強材料
費のコスト低減などを可能とする自動車用プレコ
ート鋼板を提供するものである。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は、高強度冷延鋼板の特性を
助長するため、薄膜樹脂層を表面に被覆した自動
車用プレコート鋼板であつて、しかも前記樹脂層
が車体製造工程のプレス工程においてはプレス成
形の容易な未発泡の樹脂層であり、車体塗装工程
において塗料焼付炉の加熱条件で前記樹脂層を発
泡させて厚膜化して車体の張り剛性、音振特性な
どを向上することを特徴とする自動車用プレコー
ト鋼板である。
作 用 自動車製造工程においてプレス成が容易に行う
ことができ、車体塗装工程において塗料焼成炉の
焼付温度で発泡し厚膜化することができるので、
煩雑な作業や特別の設備など必要とせず、自動車
の生産工程の流れに沿つて、所望のものが得ら
れ、その生産性の向上、省力化、コスト低減など
多くの利点を有する。
以下さらに本発明を詳しく説明する。
自動車車体の板厚は大別して張り剛性、耐デン
ト性(微小永久変形に対する抵抗力)、耐久(疲
労)強度、部材剛性および大変形衝撃強度の5つ
の特性によつて決定される。これらの特性は使用
する鋼板材料特性値と相関があり、特性値に優れ
た高強度冷延鋼板が開発されている。例えば新日
本製鉄(株)の高強度冷延鋼板SANC、SAFC−R,
SAFC−D,SAFC−E,SAFC−RBシリーズな
どがあげられる。
本発明は、これら高強度冷延鋼板の諸特性の
中、軽量化のため板厚減少しても車体の張り剛
性、音振特性などを向上し、高強度鋼板の特性を
助成する目的で予め塗覆装してある自動車用プレ
コート鋼板である。
プレコート鋼板は加工性の良好な薄膜樹脂層を
有するので自動車製造工程で剪断、プレス成形が
容易に実施出来、その薄膜樹脂層は車体塗料の焼
付温度で発泡し、厚膜化して、高強度鋼板を助成
する補強層を生成するのである。従つて従来技術
のようなプレス成形後に部品形状に適合して補強
材を張り付ける作業が不要で、自動車生産性が著
しく向上し、作業要員の省力化、補強材料費のコ
スト低減など多くの利点が得られるのである。
また高強度鋼板を連続塗装設備で鋼板表面を清
浄にし、防錆処理を施した後、薄膜樹脂層を塗覆
装してあるので、従来のプレス後の汚れた鋼板表
面に補強材を張り付ける場合と異なり、密着性に
優れ、長期間実車走行しても剥離を生じない。
次に本発明のプレコート鋼板の製造法について
説明する。
プレコート鋼板においては、樹脂層が厚膜にな
るとプレス、絞り加工の際、鋼板とプレス型との
空隙を大きくとらなければならず、プレス作業に
よつて成形困難な場合が多い。従つて、薄くて伸
びのある樹脂層である程良く、樹脂層の厚みとし
ては少くとも1mm以下の薄膜樹脂層であることが
望ましい。薄膜とするのはまた製品コスト及び鋼
材の輸送、取扱上からも好ましい。
樹脂層の伸び率としては15%以上は必要であ
る。なお高強度冷延鋼板のプレス成形性、絞り加
工性は薄膜樹脂層の表面に潤滑油或は固体潤滑剤
(ステアリン酸ナトリウムなどの金属石鹸、ペン
タエリスリトールなど)を塗布すると更に向上す
る。これは加工の際、潤滑材料と樹脂層の界面に
滑り現象が生じるためである。
しかし補強材の厚みは車体補強効果から厚い
程、樹脂層の機械的強度の大きい程、高強度鋼板
の特性を助成するので、薄膜樹脂層を車体塗装後
の塗料の焼付温度を利用して発泡する場合、高発
泡で厚膜となり、且つ発泡後の樹脂層が充分な強
度を有することが望ましい。樹脂層の発泡倍率を
高くする程、初期の未発泡での樹脂層の厚みはプ
レス成形し易い薄膜に出来るが、発泡倍率を高く
すると発泡後の樹脂層の強度が低下することも考
えて、倍率は10〜40倍が好ましい範囲である。
発泡性樹脂としては通常発泡体として使用され
るポリオレフイン系樹脂、ポリスチロール樹脂、
ポリウレタン系樹脂を含め、熱可塑性樹脂及び熱
硬化性樹脂の多くが使用出来るが、プレコート鋼
板はプレス成形後、組立体として脱脂、化成処
理、電着塗装などの工程を径るので伸び率が大き
く、且つ耐化学薬品性、電気絶縁性に優れている
ポリオレフイン系樹脂が最も適している。
また高分子化合物の中で、比重の小さい樹脂な
ので軽量補強材として良好である。ポリオレフイ
ン系樹脂は温度上昇に伴つて急激な粘度低下を生
じるので、発泡温度域を拡げ、安定した発泡を行
うには化学架橋により樹脂溶融時の粘弾性を改善
することが好適である。従つて鋼板に塗覆装する
ポリオレフイン系樹脂層には予め化学架橋剤を含
有させておくとよい。架橋剤としてはジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3および1,3−ビス(tert−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどの通
常の架橋剤の全てが使用出来る。その添加量とし
ては樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部が好ま
しい。
同じく樹脂層に予め含有させておく発泡剤とし
てはアゾジカルボンアミド、イソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N′−ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、PP′−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジドなどの市販の多く
の発泡剤が使用出来る。
その添加量としては発泡倍率により異なるが、
樹脂100重量部に対し通常2〜30重量部である。
発泡剤は車体塗装後の塗料焼付温度で分解発泡す
る発泡剤を選定することが必要で、電着塗装後の
焼付温度及び焼付時間は通常160〜200℃で20〜30
分間であるが、今後省エネルギーの見地から100
℃に近い低温焼付硬化型の塗料に進展しても、そ
れに見合つた重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ムなどの無機系の低温分解型発泡剤を選定すれば
本発明を実施することは可能である。
ポリオレフイン系樹脂を高倍率発泡すると樹脂
層の強度が低下する方向にあるので、曲げ剛性に
対する補強効果を向上するには更に架橋度を上げ
ると良い。発泡に先立つて架橋度を上げすぎると
安定した発泡が抑圧されるので、始め低分解温度
の架橋剤で化学架橋を先行させ、樹脂溶融時の流
動性を低下させ、或る程度の形状維持性が出た所
で、発泡剤が分解し、気泡発泡が始まるようにす
る。そして完全な発泡樹脂層になつても更により
高分解温度の架橋剤で化学架橋を継続して行な
い、高架橋度の発泡した樹脂層を生成させるので
ある。
また補強効果を向上する別法として伸び率の小
さい、機械的強度の大きい樹脂をプレス成形性を
損わない範囲でポリオレフイン系樹脂に混合する
ことも出来る。また樹脂層にガラス繊維などを混
入して塗覆装することも補強効果を上げる一方法
である。
或は補強効果は機械的性質の異なる樹脂を混合
することなく、樹脂層を多層化することでも向上
することが出来る。すなわち最上層がガラス繊維
を混入した硬質樹脂層、中間層が高発泡体になる
軟質樹脂層、最下層が鋼板に対する密着性と防食
性の良好な樹脂層からなる多層の樹脂層で、その
各樹脂層の合計した全厚みが1mm以下の薄膜樹脂
層として塗覆装するとプレス成形性で良い結果が
得られる。高強度鋼板に対する発泡性樹脂層の塗
覆装は帯鋼板の連続塗装設備で実施することがで
きる。
原料である高分子樹脂に発泡剤及び化学架橋剤
或は必要に応じてその他の添加剤(難燃剤、充填
剤、安定剤、帯電防止剤など)を混合機で均一に
混合し、混合物を押出機に供給し、発泡剤が分解
しない温度条件の下に樹脂混合物を溶融混練し、
Tダイによりフイルム状に押出したものを予熱し
た帯鋼板に連続的に塗覆装することができる。
発泡性樹脂層と帯鋼板の密着は防錆処理した清
浄な帯鋼板に予め接着剤を塗布しておくことによ
り行うことができる。
また接着性樹脂を発泡性樹脂と同じように押出
機にて溶融し、二層Tダイにより接着層と発泡性
樹脂層を共押出してフイルム状とし、予熱した帯
鋼板に張合せる方法によつて実施出来る。帯鋼板
に連続的に樹脂層を塗覆装する場合、組立体にす
るために溶接がし易いようにL方向(帯鋼板の長
さ方向)では帯鋼板両端部を予め溶接部巾として
それぞれ50〜75mm位連続して未塗覆装にしておく
とよい。C方向(帯鋼板巾方向)には組立体にす
るための部品の打抜き寸法(ブランキングサイズ
の長さ)毎に、溶接部巾として一定間隔(100〜
150mm位)を空けて未塗覆にしておくと便利であ
る。またC方向については別法として連続して塗
覆装され、巻取られたコイルをブランキングサイ
ズに剪断する際、同時に走行グラインダーで剪断
部の樹脂層を溶接部巾だけ研磨除去することも可
能である。
帯鋼板の塗覆装前の防錆処理法としては通常の
クロム酸塩(付着量Cr量として30〜500mg/m2
位)、リン酸塩(付着量0.5〜1.5g/m2位)などに
よる化成処理およびまたは防錆顔料を含むプライ
マー塗料の薄膜塗布(膜厚0.1〜8μ位)などがあ
り、更にこれらの防錆処理に先立つて高強度鋼板
に金属めつき層を付与すると一層優れた耐食性が
得られる。
以下実施例を挙げてさらに本発明を具体的に説
明する。
実施例 本発明の一具体例として帯鋼板の連続塗装設備
において自動車用発泡性樹脂被覆プレコート鋼板
を試作し、それを自動車製造工程においてドア外
板にプレス成形し、内板と溶接してドア組立体と
し、ホワイトボデーに組付け、脱脂、化成処理、
電着塗装などを通過させ、通常の自動車製造工程
で実施した例について詳述する。
連続塗装設備において帯鋼板(新日本製鐵(株)、
絞り加工用高強度冷延鋼板SAFC35R)、板厚0.7
mm×板巾1350mmを脱脂、洗滌、乾燥し、その片面
(発泡性樹脂塗覆装面)にクロム酸塩を含む防錆
処理剤(付着量Cr量として200mg/m2)を塗布し
た。乾燥焼付炉で鋼帯の温度を120℃まで昇温し、
炉出側でポリエチレン樹脂100重量部に対して化
学架橋剤1,1−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン
(分解温度153℃)2重量部及び2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン(分解温度179℃)2重量部と発泡剤P,P′−
オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(分解
温度130℃)6重量部とアゾジカルボンアミド
(分解温度175℃)9重量部を加え、混合し、押出
機で120℃で溶融混練したものと、帯鋼板への接
着層としてカルボキシル基を導入した変性ポリエ
チレン樹脂を押出機で130℃で溶融したものを二
層Tダイにて共押出し、フイルム状にしたものを
接着層を下面とし、120℃に予熱された帯鋼板に
塗覆装した。なお発泡性樹脂層の厚みは700μm、
接着層の厚みは10μmであつた。
発泡性樹脂を帯鋼板に塗覆装するに際し、組体
に溶接し易いように鋼帯の両端夫々75mm巾位を未
塗装部とした。また、ドア外板用剪断長さ1570mm
毎に150mm巾位の未塗装部を作り、フイルム状樹
脂層を塗覆装した。塗覆装した帯鋼板は室温まで
冷却し、発泡性樹脂層面も含めて帯鋼板の両面に
防錆潤滑油を塗布し、コイル状に巻取つた。
次に、この帯鋼板をドア外板にプレス成形する
ための打抜き寸法巾1350mm×長さ1570mmに剪断し
た。すなわち1350mm×1570mmにブランキングされ
た鋼板は、周辺に溶接部巾として75mm位の未塗装
部分を有している。
ブランキングした鋼板はドア外板にプレス成形
をした。伸びのあるポリエチレン樹脂とその上に
塗布した潤滑油の相乗効果でプレス後の樹脂層の
剥離、傷付は全く認められなかつた。
次に、内板と溶接して組立体を構成し、ホワイ
トボデーに組付け脱脂、洗滌、化成処理、洗滌
後、カチオン型電着塗料中に浸漬して電着塗装
し、水洗乾燥後、190℃に保持した。炉中にて20
分間電着塗膜の焼付を行つた。
ドア組立体の昇温に従つて低分解温度の化学架
橋剤でポリエチレンの架橋が始まり、同時に二種
類の発泡剤が昇温につれて順次熱分解して発泡ポ
リエチレンを生成させ、更に高分解温度の化学架
橋剤が架橋を更に進めて、ゲル分率で70%位の架
橋度の完全な架橋発泡ポリエチレン補強層が生成
された。
更にボデイー表面への中塗り塗装、焼付、上塗
り塗装、焼付を行い塗装工程を全て終了した後、
ドア組立体を切断し、内部を点検すると脱脂、化
成処理、電着塗装などの工程を径ても耐化学薬品
性、電気絶縁性に優れたポリエチレン樹脂なので
外観に全く変化が認められず、ドア外板裏面に完
全に密着していた。なお発泡した樹脂層の厚みは
21mm位の厚い補強層になつており、ドア組立体の
箇所によつてはドア内板との間に完全に充満して
いる部分もあつた。
密着した発泡樹脂層を有するドア外板の内側に
ついて塩水噴霧試験(JIS Z2371)3000時間を実
施したが、樹脂層周辺部より樹脂層と鋼板の界面
への腐食の進行はなく、密着性の劣化、剥離は見
られなかつた。
またドア外板に対する補強効果を見るため40Kg
の曲げ荷重を与えて鋼板の曲げ剛性を調査した
が、変位は1mm以下で形状の変化は認められず、
従来の補強材を張り付けた場合と比べ約2倍以上
の効果が得られた。これは、広い面積にわたり、
厚みのある発泡樹脂層で補強されたためと考えら
れ、場合によつては車体外板を補強するためのビ
ード部も省略出来ると思われる。
また制振効果を見るため、電磁石により試験材
に振動エネルギーを与え、減衰特性を測定した。
減衰能は20×10-2以上で通常車体フロアなどに制
振材として使用されているアスフアルトに比べ、
はるかに大きい減衰能を示し、エンジンおよび路
面から受ける振動による放射音の低減に大きく寄
与することが確認された。
またJIS A1409により試験材の吸音率を測定し
た。200Hz低周波音域で30%、3KHz高周波音域で
70%の吸音率を示し、車室内、エンジンルーム内
の反射音を低減し、車内音、車外音を低減する優
れた吸音材料であることが確認された。
またドア外板の裏面がほぼ全面に発泡樹脂層で
被覆されているため副次的効果として断熱特性に
優れていることが判明した。発泡樹脂層の熱伝導
率を測定すると、0.029kcal/m・h・℃と小さ
く、組立体であるドア外板の表面温度を80℃に長
時間保定しても、ドア内板の裏面温度は23℃以下
で、車内冷房器の省エネルギーになる優れた断熱
特性を示している。
発明の効果 以上説明した通り、本発明の自動車用発泡性樹
脂被覆プレコート鋼板は、加工性の良好な薄膜樹
脂層とその表面の潤滑剤との相乗効果で高強度冷
延鋼板のプレス成形性を向上するのみならず、溶
接後組立体として脱脂、化成処理、電着塗装など
の工程を径ても耐化学薬品性のため塗膜の溶損も
なく、電気絶縁性のため無駄な電着がなく電着塗
料のコスト低減となり、また塗料焼付工程で発
泡、厚膜化し、且つ強固な樹脂層になると、従来
の補強材の張り付け法と比べ、高強度冷延鋼板の
張り剛性、音振特性、断熱特性などを著しく向上
する。更にこれらの品質向上に加えて素材として
自動車製造工程をそのまゝ流せるため自動車生産
性の向上、作業要員の省力化など多くの利点が得
られる。従つて、これらの特徴を必要とする車体
の多くの部位、ドア、ルーフ、ダツシユ、フロア
などに自動車用プレコート鋼板として広く使用さ
れ、発明の効果は極めて大である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高強度冷延鋼板の特性を助長するため、薄膜
    樹脂層を表面に被覆した自動車用プレコート鋼板
    であつて、しかも前記樹脂層が車体製造工程のプ
    レス工程においてはプレス成形の容易な未発泡の
    樹脂層であり、車体塗装工程において塗料焼付炉
    の加熱条件で前記樹脂層を発泡させて厚膜化して
    車体の張り剛性、音振特性などを向上することを
    特徴とする自動車用プレコート鋼板。 2 薄膜樹脂層が、プレス成形性から厚み1mm未
    満であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の自動車用プレコート鋼板。 3 薄膜樹脂層が、高強度冷延鋼板のプレス成形
    性を更に向上するため潤滑剤を表面に塗布したも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    または第2項記載の自動車用プレコート鋼板。 4 薄膜樹脂層が、ブランキング、プレス工程な
    どの100℃未満の温度では未発泡であり、車体塗
    装工程では100〜240℃の塗料焼付温度で分解発泡
    する発泡剤を含有するものであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項から第3項のいずれかに
    記載の自動車用プレコート鋼板。 5 薄膜樹脂層が、車体補強効果を大きくするた
    めガラス繊維を混入したものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項から第4項のいずれか
    に記載の自動車用プレコート鋼板。 6 薄膜樹脂層が、ガラス繊維を混入した硬質樹
    脂からなる最上層、高発泡体を形成する軟質樹脂
    からなる中間層及び鋼板に対する密着性と防食性
    の良好な樹脂からなる最下層の三層からなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項から第5項の
    いずれかに記載の自動車用プレコート鋼板。 7 高強度鋼板が金属メツキ層、化成処理層、防
    食プライマー層および/または接着剤層を有する
    ものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項から第6項のいずれかに記載の自動車用プレコ
    ート鋼板。
JP6132187A 1987-03-18 1987-03-18 自動車用プレコ−ト鋼板 Granted JPS63227328A (ja)

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