JPH04366702A - 微小変位検出器 - Google Patents

微小変位検出器

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JPH04366702A
JPH04366702A JP16884991A JP16884991A JPH04366702A JP H04366702 A JPH04366702 A JP H04366702A JP 16884991 A JP16884991 A JP 16884991A JP 16884991 A JP16884991 A JP 16884991A JP H04366702 A JPH04366702 A JP H04366702A
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Ichiji Miki
一司 三木
Hiroshi Tokumoto
洋志 徳本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小な変位を高感度、
高精度に検出するための微小変位検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、原子力間顕微鏡の登場により、カ
ンチレバーの自由端における微小な変位(例えば0.1
nmオーダ)を高感度に検出する必要が生じてきた。こ
のような微小変位を検出するということは、もちろん、
当該微小変位を生じせしめた原子間力(一般には10−
7〜10−9N以下のオーダ)を検出することにもなる
が、現在の所、このための具体的な方法としては、以下
に述べるような二つの装置ないし手法が提案されている
【0003】一つは、図9に示されるようなトンネル電
子顕微鏡を組合せる方法である。まず同図(A) に即
し、装置的な構造から説明すると、一端が固定端33と
なり、他端が自由端34となったカンチレバー31があ
り、当該カンチレバー31の自由端の上面近傍には、ピ
エゾ素子41の先端に設けた探針42が臨んでいる。こ
の探針42とカンチレバー自由端34の上面との間の離
間距離δを1nm程度以下とし、それらの間に適当なる
バイアス電圧Vを印加すると、真空障壁を介してトンネ
ル電流it が流れるようになる。そこで、このトンネ
ル電流量を一定にするように、ピエゾ素子41の両端に
設けた一対の電極43,43間に印加するピエゾ電圧E
を制御し、ピエゾ素子41を伸縮させる。このような手
法によると、図9(B) に示されるように、原子間力
等によって自由端34がΔyだけ変位した場合、トンネ
ル電流it を一定にするべくピエゾ電圧Eを制御する
ことによって、結果としてピエゾ素子41の長さもΔy
だけ変化する。したがって逆に言えば、当該物理的ない
しは寸法的な変位Δyを電気量の変化に変換して検出す
ることができ、事実、この手法による変位検出の最大感
度は、通常のトンネル電子顕微鏡の感度に準じ、0.0
1nm程度の良好な値が得られる。
【0004】微小変位を検出する従来例のもう一つの手
法としては、図10に示されるような、いわゆる「光て
こ」を利用するものがある。これは、ある点の物理的な
変位量を光点の動きとして幾何的に増幅し、検出するも
ので、装置構成としては同図(A) に示されるように
なる。一端が固定端33、他端が自由端34となったカ
ンチレバー31を使用する点では先の従来例と同様であ
るが、別途に発光源、それも特に指向性の良いことが望
ましいので、一般にはレーザ光源50とその受光部51
を必要とする。ここで、カンチレバー31に変位が生じ
ていない場合にレーザ光源50からのレーザ光がカンチ
レバー自由端34の上面近傍を入射角θにて照射したと
すると、当該カンチレバー自由端近傍の被照射位置にお
ける表面の平滑性が十分高く保たれているならば、当然
のことながら、反射光は入射角と同じ角度の出射角θ方
向に出射して行くので、これを受光部51の基準位置に
て捕らえるように測定系を初期設定する。初期設定後、
同図(B) に示されるように、カンチレバー31が固
定端33を支点にして微小変位Δyしたとすると、レー
ザ光源50からの照射光の入射角も先のθからわずかに
変化してψとなり、鏡面反射光には2(ψ−θ)の角度
変化が起き、これに伴って受光部51にはΔxの受光位
置変化が生ずる。そして、実際の変位Δyに対するこの
Δxの変化量は、カンチレバー自由端近傍の反射位置と
受光部51の受光位置との間の距離(受光距離)Lが長
い程、幾何的に増幅されたものとなる。例えば、カンチ
レバー31の長さlを1mmとし、最大感度として0.
1nmまでの微小変位Δyを検出することを考えると、
レーザ光の反射角度変化は1.1×10−5度と見積も
れるので、受光距離Lが1mあれば受光位置の変化Δx
は10−2mm程度となり、既存の光点位置検出系でも
十分に高い分解能で検出が可能な範囲に入る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、トンネ
ル電子顕微鏡との組合せを利用した従来法でも、あるい
はまた光てこを利用した従来法でも、カンチレバー先端
自由端の微小変位検出に関する感度自体については満足
な値が得られていると言って良い。しかし、実用的な装
置であるか否かにつき考えると、それぞれに下記のよう
な欠点を有している。
【0006】トンネル電子顕微鏡を利用する手法では、
トンネル電流が検出可能となる位置まで、探針を近付け
る必要があるが、そのための装置は複雑で高い精度の要
求されるものとなり、装置全体としても大型化する外、
振動に対しても弱いものとなる。振動の除去は、この種
の微小変位検出にとってその原理上、必須かつ最も重要
な測定環境条件の一つとなる。また、この手法では、測
定の都度、トンネル電流が一定になるようにカンチレバ
ーと探針間の離間距離を制御せねばならないので、作業
能率の向上は望めず、操作性も極めて悪い。
【0007】これに対して光てこを利用した手法は、ト
ンネル電子顕微鏡を利用する方法にも増して、装置全体
が極めて大型化することが最大の問題である。図10に
即して説明した通り、この方法により微小変位を検出し
ようとすると、カンチレバーと受光器との間の離間距離
はかなり大きく採らねばならない。トンネル電子顕微鏡
を利用する方法に比し、感度こそ、一桁低い0.1nm
程度で満足であったにしても、そのために必要となるカ
ンチレバーと受光器との間の離間距離ないし受光距離L
は、実際上、既述のように1mにもなってしまう。微小
変位の幾何的な増幅量をさらに高め、検出分解能をさら
に向上しようとすると、この方法の原理からして当然の
ことながら、より一層、長い受光距離を要することにな
る。してみるに、このように極めて大きな装置系の全体
を除振することは、殆ど至難の技である。また、この光
てこを利用する方法では、レーザ光の照射を受けるカン
チレバー表面での散乱ないし乱反射が無視し得ない。測
定上満足な範囲にまで当該カンチレバー表面の鏡面化を
果たすには、かなり進んではいる既存の研磨技術をして
もなお、極めて高い加工精度を要する。
【0008】さらに、これらいずれの従来法も、共に装
置系全体の除振が困難であることの外、超高真空装置や
極低温装置との複合的な利用も難しい欠点がある。超高
真空環境内で行われる微細加工(特に半導体プロセスに
おいて)や極低温環境下での各種の現象に基づく微小変
位量の観測は、将来的に見ても益々もって様々な技術分
野から要求されてくるに違いないが、これに応え得ない
ということは大変な損失である。本発明は、上記のよう
な実情に鑑み、新たなる原理に従い、上記従来例の持っ
ていた欠点を全て解消し得る、簡易かつ高精度な微小変
位検出器を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、固定端と自由端との間に長さを持ち、固定
端を支点として微小変位できるカンチレバーを持つ点で
は上記した従来例と同様ではあっても、まず、当該カン
チレバーを絶縁性とした上で、これにピエゾ抵抗効果に
よって抵抗値の変化する抵抗線路を設けて成る微小変位
検出器を提案する。ただし、本書で言う絶縁性とは半絶
縁性を含み、また、半導体であっても真性またはほぼ真
性に近い半導体であってその比抵抗が極めて高い材料の
持つ電気的状態をも含む。換言すれば、抵抗線路を形成
するべく選ばれ、ピエゾ抵抗効果を呈し得る抵抗物質に
比し、ピエゾ抵抗効果が認められないか、殆ど無視しえ
る範囲内の物質を指す。抵抗線路は、カンチレバーと別
体に作成され、後からカンチレバーに取り付けられるか
、印刷や蒸着により形成されても良いし、上記のように
カンチレバーが絶縁性ではあっても真性またはほぼ真性
に近い半導体材料で作成されているような場合には、当
該半導体材料に対しての適当なる不純物のドーピングに
より、いわゆる特定の導電型を持つ半導体線路として形
成することもできる。さらに、カンチレバーを絶縁性と
することに代え、カンチレバーそのものが抵抗性である
場合には、これに設ける抵抗線路は当該カンチレバー自
体であっても良い。また、本発明の別な態様によると、
カンチレバーには、上記の抵抗線路に代えて、カンチレ
バーの微小変位に伴う応力に応じ、圧電効果によって起
電圧の変化する絶縁材料線路が設けられている微小変位
検出器も提供される。この場合にも、カンチレバー自体
が自身の微小変位に伴う応力に応じ、圧電効果によって
起電圧の変化する絶縁材料製である場合には、当該カン
チレバーそのものを当該カンチレバーに設けられる絶縁
材料線路とすることができる。
【0010】
【実施例】図1(A) には、本発明に従って構成され
た微小変位検出器の基本的な一実施例の要部が示されて
いる。まず、一端は適当なる支持部材9によって安定か
つ堅固に支持された固定端3となっているが、他端は変
位できる自由端4となったカンチレバー(片持ち梁)1
があり、図示の場合、このカンチレバー1は長さがl、
幅がb、厚みがhの直方体棒状形状となっている。もっ
とも、厚みhは実際上、極めて薄く作成されるので、長
方形の板状といった方がむしろ適当である。しかるに、
長さlと幅bとで規定されるこのカンチレバー1の表裏
両主面の中、一面(例えば図示されている面を表面とす
るなら当該表面)5上には抵抗線路2が設けられている
。 図示実施例の場合、当該抵抗線路2は、カンチレバー1
の固定端側と自由端側との間に伸びる互いに平行な一対
のストリップ状パタン部分21,21と、それら一対の
ストリップ状パタン部分の長さ方向両端部の中、一端部
相互(図示の場合はカンチレバー自由端側の端部相互)
を電気的に接続する折返し状パタン部分22とから成っ
ている。これにより、抵抗線路2はこの場合、全体とし
てヘアピン形状をなしており、カンチレバー1の固定端
側にあって当該ヘアピンの開いた一対の端部相互の間、
すなわち図示実施例においてはそれぞれに電極8,8が
付されている端部間に所要の電気抵抗値を得ることがで
きる。そして、この抵抗線路2が、文字通り通常の意味
で電気抵抗を有する限り、これにはピエゾ抵抗効果が見
込まれる。というよりも、後述の微小変位検出メカニズ
ムにより、検出可能な範囲内の抵抗値変化を起こし得る
変化率を呈する材料ないし物質により形成された線路2
を本発明では抵抗線路2と呼び、これに対してピエゾ抵
抗効果が認められないか、あっても抵抗線路2のそれに
比し、無視可能な範囲となる材料または物質の持つ電気
的性質を絶縁性と呼ぶ。したがって、いわゆる半絶縁性
と呼ばれる物質や、半導体であっても真性またはそれに
近い半導体等もこの絶縁性物質に含ませることができる
【0011】カンチレバー1の一面上に対し、抵抗線路
2を形成する具体的手法の如何については後述するが、
図1(A) に示されているような構成の本発明微小変
位検出器では、同図(B) に横から見た状態が示され
ているように、それまで平らに伸びていたカンチレバー
1の自由端4に対し、例えば下から上に向けて何らかの
力Fが加わると、カンチレバー1の表面5には圧縮応力
が、裏面6には引っ張り応力が働く。この応力は、この
実施例でカンチレバー1の表面5上に形成されている抵
抗線路2の両端間の抵抗値を変化させる。したがって、
当該抵抗線路2の両端に設けた電極8,8を適当なる電
気的信号線路を介して適当なる測定系(図示せず)に導
き、この微小な抵抗値変化を捕らえれば、印加された力
Fによってカンチレバー1の自由端4に生じた微小な変
位Δyを電気量に変換して検出することができ、ひいて
は印加された力Fの大きさを知ることができる。もちろ
ん、変位Δyの方向ないしは力Fの方向も検知できる。 上記と異なり、印加される力Fが上から下に向けてのも
のである場合には、抵抗線路2に加わる応力も圧縮応力
から引っ張り応力に変わるので、抵抗値の変化の方向も
変わるからである。
【0012】こうした原理による本発明微小変位検出器
の実用性を実証するため、具体的な作成例につき検討し
てみる。例えば絶縁性のカンチレバー1が真性またはほ
ぼ真性の半導体であるならば、既存の半導体加工プロセ
スを利用し、その表面上に所定のパタンに従っての不純
物導入を図ることで、図1(A) に示されるような平
面形状の抵抗線路2を比較的簡単に作ることができる。 カンチレバー1の構造物半導体がシリコンであるならば
、抵抗線路2は砒素の導入により導電型がn型の半導体
線路として形成することができる。実際、長さlが20
0μm、幅bが20μm、厚さhが2μmの真性シリコ
ン製カンチレバー1の表面5に対し、砒素のドープ量を
1019/cmとして、それぞれの長さはカンチレバー
の長さとほぼ同じ約200μmであるが、各々の線幅が
5μm、深さ1μmのストリップ状パタン部分21,2
1を有する抵抗線路2(したがって、折返しパタン部分
22の長さを無視すると抵抗線路2としての全長はほぼ
400μm)を形成したものでは、当該シリコンのヤン
グ率が11.26×1010N/m2(出典:AIP 
Handbook 3rd ed.. McGRAW−
HILL)であるので、カンチレバー自由端4が例えば
0.18nm変位したとすると、抵抗線路2の設けられ
ているカンチレバー表面にて受ける横方向の圧縮歪みは
−10−8程度となる。一方、歪みに対する感度は[1
00]方向に−133(出典1:C.S.Smith,
 Phys. Rev. 94,(1954)42 ;
 出典2:「センサ基礎技術に関する調査研究報告書1
」,日本電子工業振興協会,1985年)と報告されて
いるので、その時の抵抗線路2の抵抗変化率は10−6
程度となる。したがって、定常状態下で計った抵抗線路
2の抵抗値は、上記条件により作成された場合、1KΩ
程度となるので、上記の圧縮歪みを受けたことによる抵
抗値の変化分も1mΩ程度は得られ、これは既存の電気
的測定系をして十分に検出し得る範囲となる。換言すれ
ば本発明の微小変位検出器は、サブナノメータのオーダ
の微小変位に関し、十分なる検出能力を有することにな
る。なお、上記条件でのカンチレバー1の共振周波数は
ほぼ36KHzと計算できる。
【0013】また、微小変位の検出感度は、カンチレバ
ー1の幾何的サイズ、材質の如何によって異なってくる
が、一般的に言うと、許される限りカンチレバー1の長
さを長くし、幅を短く、厚さを薄くする程、感度は向上
する。もちろん、抵抗線路2を形成するために用いた不
純物の如何によっても、ひいては当該抵抗線路2の導電
率の如何によっても感度を向上するか、ないしは調整す
ることができる。
【0014】もちろん、上記において微小な変位を検出
できるという事実は、当該微小変位を生起させた力Fの
大きさを測定できることをも意味する。例えば上記の具
体例の場合、バネ定数は0.56N/mであるので、既
述したように、微小変位Δyが0.18nmと検出され
た場合には、このときに加わっている力Fの大きさは1
0−10 Nであることが分かる。したがって本発明の
微小変位検出器は、この程度のオーダの微小な力Fを検
出する能力を持つことができる。
【0015】なお、力Fを検出する部位ないし変位Δy
の生ずる部位が、カンチレバー1の自由端4ではなく、
固定端3から自由端4に向かう長さ方向途中の部位に限
定されることが分かっている場合には、その点近傍で抵
抗線路2を折り返しておくことで当該力Fないし変位Δ
yを検出可能であるし、そのことにより感度を高めるこ
ともできる。例えば当該力Fないし変位Δyの生ずる部
位を界にして、固定端側と自由端側とで逆方向の反りが
生じ得るような場合には、カンチレバー1の長さ方向の
ほぼ全長に亙って伸びる抵抗線路があると抵抗の変化が
打ち消され、実効感度が低下するが、変位点までの形成
に留められていればその恐れがない。
【0016】本発明の微小変位検出器はまた、加速度の
検出もなすことができる。例えば図1に示される検出系
に対し、地震等によって急激な加速度が掛かったとする
。ここで、加速を生じさせる振動周波数が本測定系の共
振周波数(上記で挙げた具体例の場合には既述の通り3
6KHz)に比して十分に大きく、かつ、加速に対する
抵抗力が速度に比例し、この比例係数自体が加速が掛か
る周期に対して十分に大きいとすると、この時には図2
に示されるように、カンチレバー1の重心Gは空間に静
止する。そして、この重心Gを中心とし、カンチレバー
1の自由端4の側はΔy1 だけ変位し、固定端3の側
はΔy2 だけ変位する。これらの両変位にともない、
抵抗線路2の抵抗値は変化することになるが、自由端側
の変位Δy1と固定端側の変位Δy2 との関係は予測
可能であるから、実際に突然の加速αにより変位したΔ
y2も換算により検出可能である。さらに、重心Gの所
で抵抗線路2を折り返しておけば、先に述べた理屈によ
り、自由端側の変位Δy1 の影響を受けることなく、
加速に伴う変位Δy2 のみ、ひいては当該加速度をの
み、検出することができる。
【0017】以下では、上記した本発明微小変位検出器
の基本的な一実施例に対する構造的な改変例や抵抗線路
パタン形状に関する改変例等々、種々の改変例につき説
明する。図1に示される本発明実施例においては、カン
チレバー1の表面5上に形成される抵抗線路2はヘアピ
ン状のものであったが、図3に示されるように、全体と
しては蛇行形状のパタンとすることもできる。すなわち
、図3に示される実施例の場合、カンチレバー1の固定
端3と自由端4との間に伸びる互いに平行なストリップ
状パタン部分21,・・・・・は全部で六本あり、それ
らが順に、隣接するもの同志、交互に固定端側と自由端
側とで折返し状パタン部分22,・・・・・により電気
的に接続されたものとなっている。このようにすると、
当然のことながら、抵抗線路2の一対の両端電極8,8
間における抵抗値が高くなるのみならず、微小変位に伴
う応力による抵抗値の変化分も大きくなるので、感度の
向上を生むことができる。この場合、蛇行の回数は任意
設計的に定めることができる。つまり、一般にnを3以
上の数として、全部でn本の互いに平行なストリップ状
パタン部分21,・・・・・がある場合、これらを交互
に対向端部相互で連結しながら、全体として蛇行形状の
抵抗線路2を形成する時、必要な折返し状パタン部分の
数はn−1個となるが、当該nの値に原理上の制約はな
い。実際の製品として同一のカンチレバー一面上に作り
込め得る範囲であれば良い。
【0018】当然、上記のnの値が大きくなる程、微小
変位検出感度は向上することになるが、上記を逆に考え
ると、感度上の問題が生じない場合には、本発明の微小
変位検出器として最も基本的な抵抗線路形状は、図1(
A) に示されているヘアピン形状よりもさらに単純に
なり、例えば単なる一本のストリップ状パタン部分21
のみからなる形状であって良いことも分かる。この場合
、図1(A) や図3においては、当該抵抗線路2の両
端に設けられる電極8,8は共にカンチレバー1の固定
端側、特に支持部材9の表面上に形成されていたが、こ
れに代えて、その中の一つは自由端側に形成されること
になる。しかし、そうであっても問題はない。カンチレ
バーの自由端側に設けられた電極に対し、測定系への有
線配線をすることも既存の微細配線技術をして簡単に行
えるし、そうではなく、例えばこの電極に対して接触は
しないが極めて近接する探針状の電極を設け、トンネル
電流の存在を介して当該抵抗線路への電気的接続を図る
こともできる。したがってまた、一対の電極8,8が共
にカンチレバー1の長さ方向の一端側に揃う場合にあっ
ても、既述の実施例のように、何もカンチレバー1の固
定端3の側にて揃えねばらない必要もなく、要すれば自
由端4の側にて揃えるようにしても良い。例えば図1(
A) に示されるヘアピン形状や、図3に示される蛇行
形状が図示の方向とは逆向きになっていても良いという
ことである。さらに、上記を総合的に考えれば、図3に
示される蛇行形状を採るにしても、並設されているスト
リップ状パタン部分21,・・・・・の数nが奇数であ
るがため、一方の電極8は少なくともカンチレバーの自
由端側に形成しなければならないような場合にも、それ
で差し支えないということである。第一、このような電
極8,8自体、説明的なものであり、実際に例えばドッ
ト状パタンとしてこれを形成して良いことはもちろんで
はあるが、いわゆる既存のプリント基板配線技術に見ら
れるように、支持部材9上に形成された連続線路パタン
部分(図示せず)を介し、抵抗線路両端の測定系への連
絡が図られていても良い。
【0019】なお、上記においてストリップ状パタン部
分と述べた部分に関しても、それは大略的に見ると長さ
方向に伸びていれば良いという程度の意味であって、細
幅でまっすぐな線路パタンにのみ限定されるものではな
い。途中でうねっていたり、あるいは太い部分と細い部
分とが交互になっている等しても良い。特に変位部位が
予想できる場合にあって、その部位に関し適当なる基準
抵抗値を設定することにより、抵抗線路全長としての変
位に対する抵抗値の変化度合いを所望の値に設定したい
ようなときには、このような幾何的かつ部分的なパタン
形状の変更も有効である(同様の目的はまた、既述した
不純物導入による場合、局所的なドープ量の変化によっ
ても満たすことができる)。当然、折返しパタン部分2
2に関しても同様で、任意適当なる線路パタン形状であ
って良い。
【0020】さらに、カンチレバー1に対して設けられ
る抵抗線路2は複数個であっても良い。例えば図4に示
されるように、二本のヘアピン状抵抗線路2,2がカン
チレバー1の表面5上に並設されている等しても良い。 この場合にも、並設数は任意であるし、個々の抵抗線路
2,2の全体形状もそれぞれ任意であり、必ずしも同じ
形状である必要はない。蛇行回数が異なったり、少なく
とも一つの抵抗線路2は単なるストリップ状パタン部分
だけで形成されていたりしても良い。そして、それぞれ
に独立な抵抗線路は、電気的にも各々独立に使用されて
良い外、外部の配線により、用途ないしは目的に応じ、
互いに直列接続されたり、並列接続されて使用されても
良い。直列接続は感度向上のため、並列接続は抵抗線路
2の電流容量増強のためと考えるのが一般的であるが、
他の特殊な応用を妨げるものではない。場合により、変
位に重畳するノイズ成分の除去のため、各抵抗線路2の
全体パタンやその方向に工夫することにより、そのよう
な直列接続ないし並列接続が有効に作用することもある
【0021】一つのカンチレバー1に対し、複数個の抵
抗線路を設けるにしても、図5(A)にカンチレバー1
の表面5側から見た斜視図を、また図5(B) に裏面
6側から見た斜視図をそれぞれ示すように、カンチレバ
ー1の表裏面のそれぞれに互いに独立な抵抗線路2,2
を設けて、これらを独立に使用しても良い。図5は図1
(A)に示されていると同様のヘアピン状パタンを持つ
抵抗線路をカンチレバー1の表裏面に一つづつ形成した
実施例であるが、既述の通り、カンチレバーの表面5の
側でも裏面6の側でも、それぞれに形成される抵抗線路
2の数や各々の全体形状は任意である。また、原則とし
て、これら複数の抵抗線路は独立に使用されることの外
、すでに説明したように、目的に応じ、互いに直列ない
しは並列接続して用いられても良い。ただし、同一の二
次元平面パタンであってカンチレバー表裏面に振り分け
て形成されている抵抗線路同志を接続すると、変位に対
して抵抗値の変化方向が逆方向になり、かつ絶対値にお
いては同程度となって打ち消しあってしまう場合もある
。当然、こうなってしまうような使用は考えられない。
【0022】カンチレバー1の二次元的、三次元的形状
についても、原則として大きな制約はない。例えば図6
に示されるように、固定端側から自由端側に行く程、厚
みが薄くなった楔形状等であっても良いし、図示されて
いないが、先端に行く程幅の狭くなった先細り形状等で
あって良い外、固定端と自由端という概念があれば、殆
ど任意の平面形状、断面形状を許容することができる(
ただし、微小変位検出感度に関しては、薄く細く、そし
て長い形状のもの程優れていること、既述の通り)。ま
た、図7に示されるように、カンチレバー1の平面的な
外形輪郭こそ三角形状ではあるが、中抜きの枠状になっ
ているようなものでも良い。このような場合には、実質
的に固定端3が二ケ所になっていると見ることもできる
【0023】これから推して、固定端の数は何ケ所であ
っても良い。例えば面内で直交する二点に固定端があり
、ここからそれぞれ適当なる距離の点に自由端があるよ
うな形状のカンチレバーを考えると、こうしたカンチレ
バーは面内の直交する二方向に沿っての変位が可能とな
るので、抵抗線路2を少なくとも二つ用い、これらが直
交するように図れば、それぞれの抵抗値変化を監視する
ことにより、そうした面内二方向に関する微小変位の検
出が可能となり、ひいては全方向に関する微小変位の検
出が可能となる。もちろん、図8に示されるように、例
えばカンチレバー1の裏面6にチップ状の突起10等を
設け、変位する物体に対してこの突起10を接触させ、
当該変位を測定し易いようにする等の工夫も自由である
【0024】構造上、形態上の観点からしてさらに言う
なら、本発明で言うカンチレバーの自由端4とは、意図
的に安定かつ堅固に固定の図られている固定端3に対し
ての比較において、意図的に変位が許容できるように構
成されている端部を指す。したがって、仮に自由端4が
脆弱な部材により、何等かの固定部分に機械的に接続さ
れているような場合、つまり、ちょっと見には両持ち梁
のような形状をしていても、ある部位の変位が許容され
るように仕組まれているものであれば、当該部位を自由
端相当の部分として、そのような構造体は実質的に本発
明で言うカンチレバー構成を満たしているものと看做す
。これが上記で述べたように、二次元方向の変位検出に
展開される場合には、見た目にはいわゆるダイアフラム
形状のカンチレバーとなることも考えられる。
【0025】次ぎに、抵抗線路2の形成手法につき鑑み
るに、上記における抵抗線路2は、いずれも、先に挙げ
た不純物のドーピングによる形成が可能な外、所定の形
状の抵抗導体として予め別途に作成したものを絶縁性の
カンチレバーに貼り付ける機械的な手法や、カンチレバ
ー上への所定パタンに応じた抵抗性物質の印刷法、ない
しはまた既存の半導体プロセスを利用しての所定パタン
に応じた蒸着法(エピタキシャル成長法)等によっても
形成することができる。
【0026】のみならず、概念としては、機械的な変位
を生ずるカンチレバー1と、これに設けられた抵抗線路
2との基本的な二つの構成要素から成るものが本発明の
微小変位検出器であるにしても、絶縁性のカンチレバー
1を用いるのに代え、ピエゾ抵抗効果によって抵抗値の
変化する抵抗性物質(例えば適当な抵抗率を持つ所定導
電型の半導体材料)にてカンチレバーを構成したような
場合には、当該カンチレバーの長さ方向に離間した二点
から測定系への引き出しリードを取り出せば、上記した
本発明の微小変位検出メカニズムはそのままに機能する
。すなわちこの場合には、抵抗線路2は抵抗性材料で構
成された半導体カンチレバーそれ自体として当該カンチ
レバーに設けられていることになる。
【0027】さらに、抵抗線路2に代えて、カンチレバ
ーの微小変位に伴う応力に応じ、圧電効果によって起電
圧の変化する絶縁材料線路を用いることも考えられる。 その場合の当該絶縁材料線路の形成の仕方や全体パタン
等については、これまで説明してきた抵抗線路2に関す
るものがほぼそのまま応用でき、したがって、図1から
図8に掛けて示されている本発明の各実施例において、
図中の当該抵抗線路2を絶縁材料線路2と読み替えれば
、それぞれがまた新たなる本発明の各実施例となる。 微小変位に伴う歪みにより、対応的な起電圧を示す絶縁
材料として好適なものには、ロッシェル塩とかチタン酸
バリウムがある。これであれば、すでに知られている特
性からして、1A(オングストローム)の微小変位に対
し、1V程度の電圧値変化を得ることもでき、これは解
析に十分なる値である。また、抵抗線路をカンチレバー
自体によって構成する実施例と同様に、カンチレバー1
を、微小変位に伴う応力に応じ圧電効果によって起電圧
の変化する絶縁材料によって作成すれば、カンチレバー
1に設ける絶縁材料線路2は当該カンチレバー自体によ
って構成することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の微小変位検出器は、カンチレバ
ーと、これに形成された抵抗線路または絶縁材料線路と
だけで最も基本的な微小変位検出系が構成されている。 これ以上削ることができない程に簡単な構成である点で
、まずもって既述した従来例に比し、著しく優れている
。当然、装置構成も小型化でき、除振も容易になる。 さらに、検出感度も満足なものが得られ、簡単な構成で
あるが故に結局は電気量への変換精度も向上することが
できる。また、原則として、超高真空環境下や、極低温
環境下での使用も可能であるため、将来的に見ても広い
応用分野が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって作成される微小変位検出器の基
本的実施例の構造及び動作の説明図である。
【図2】加速度の印加時における本発明微小変位検出器
の作用の説明図である。
【図3】抵抗線路を蛇行形状に形成した本発明実施例の
概略構成図である。
【図4】抵抗線路を複数個形成した本発明実施例の概略
構成図である。
【図5】カンチレバーの表裏面にそれぞれ抵抗線路を形
成した本発明実施例の概略構成図である。
【図6】カンチレバーの形状を楔形にした本発明実施例
の概略構成図である。
【図7】カンチレバーを三角形の枠状にした本発明実施
例の概略構成図である。
【図8】カンチレバーに突起状のチップを設けた本発明
実施例の概略構成図である。
【図9】トンネル電子顕微鏡を利用して微小変位を検出
する従来例の構成及び作用の説明図である。
【図10】「光てこ」を利用して微小変位を検出する従
来例の構成及び作用の説明図である。
【符号の説明】
1  カンチレバー 2  抵抗線路または絶縁材料線路 3  固定端 4  自由端 5  カンチレバー表面 6  カンチレバー裏面 8  電極 9  支持部材

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  固定端と自由端との間に長さを持ち、
    該固定端を支点として微小変位できる絶縁性のカンチレ
    バーと;該カンチレバーに設けられ、該カンチレバーの
    微小変位に伴う応力に応じ、ピエゾ抵抗効果によって抵
    抗値の変化する抵抗線路と;を有して成る微小変位検出
    器。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の微小変位検出器であっ
    て;上記抵抗線路は、上記カンチレバーの一面上におい
    て、上記固定端から上記自由端に向けて伸びるストリッ
    プ状パタン部分を有すること;を特徴とする微小変位検
    出器。
  3. 【請求項3】  請求項1記載の微小変位検出器であっ
    て;上記抵抗線路は、上記カンチレバーの一面上におい
    て、上記固定端から上記自由端に向けて伸びる互いに平
    行な二本のストリップ状パタン部分と、該二本のストリ
    ップ状パタン部分の長さ方向両端の中、いずれか一方の
    端部相互を電気的に接続する折返し状パタン部分とを有
    すること;を特徴とする微小変位検出器。
  4. 【請求項4】  請求項1記載の微小変位検出器であっ
    て;上記抵抗線路は、上記カンチレバーの一面上におい
    て、上記固定端から上記自由端に向けて伸びる互いに平
    行な三本以上n本のストリップ状パタン部分と、該n本
    のストリップ状パタン部分をその並設方向に沿って順に
    、かつ長さ方向の一端部側と他端部側とで交互に電気的
    に接続する全部でn−1個の折返し状パタン部分とを有
    すること;を特徴とする微小変位検出器。
  5. 【請求項5】  請求項2,3または4記載の微小変位
    検出器であって;上記抵抗線路は複数個設けられている
    こと;を特徴とする微小変位検出器。
  6. 【請求項6】  請求項5記載の微小変位検出器であっ
    て;上記複数個の抵抗線路は、それら全てが上記カンチ
    レバーの上記一面上にのみ設けられるのに代えて、該複
    数個の抵抗線路の中、少なくとも幾つかの抵抗線路は該
    カンチレバーの上記一面に対向する他面上に設けられて
    いること;を有して成る微小変位検出器。
  7. 【請求項7】  請求項5または6記載の微小変位検出
    器であって;上記複数個の抵抗線路の中、少なくとも幾
    つかは、互いに電気的に直列接続されていること;を特
    徴とする微小変位検出器。
  8. 【請求項8】  請求項5または6記載の微小変位検出
    器であって;上記複数個の抵抗線路の中、少なくとも幾
    つかは、互いに電気的に並列接続されていること;を特
    徴とする微小変位検出器。
  9. 【請求項9】  請求項2,3,4,5,6,7または
    8記載の微小変位検出器であって;上記抵抗線路は上記
    カンチレバーに対する抵抗導体の貼り付けにより設けら
    れていること;を特徴とする微小変位検出器。
  10. 【請求項10】  請求項2,3,4,5,6,7また
    は8記載の微小変位検出器であって;上記抵抗線路は上
    記カンチレバーに対する抵抗性物質の印刷により設けら
    れていること;を特徴とする微小変位検出器。
  11. 【請求項11】  請求項2,3,4,5,6,7また
    は8記載の微小変位検出器であって;上記抵抗線路は上
    記カンチレバーに対する抵抗性物質の蒸着により設けら
    れていること;を特徴とする微小変位検出器。
  12. 【請求項12】  請求項2,3,4,5,6,7また
    は8記載の微小変位検出器であって;上記カンチレバー
    は真性またはほぼ真性半導体材料製であり;上記抵抗線
    路は該真性またはほぼ真性半導体材料製のカンチレバー
    に対する不純物のドーピングにより設けられていること
    ;を特徴とする微小変位検出器。
  13. 【請求項13】  請求項1記載の微小変位検出器であ
    って;上記カンチレバーは、上記絶縁性であることに代
    えて、自身の微小変位に伴う応力に応じ、ピエゾ抵抗効
    果によって抵抗値の変化する抵抗性であり;上記抵抗線
    路は該カンチレバー自体であること;を特徴とする微小
    変位検出器。
  14. 【請求項14】  請求項1,2,3,4,5,6,7
    または8記載の微小変位検出器であって;上記カンチレ
    バーには、上記抵抗線路に代えて、該カンチレバーの微
    小変位に伴う応力に応じ、圧電効果によって起電圧の変
    化する絶縁材料線路が設けられていること;を特徴とす
    る微小変位検出器。
  15. 【請求項15】  請求項14記載の微小変位検出器で
    あって;上記カンチレバーは、自身の微小変位に伴う応
    力に応じ、圧電効果によって起電圧の変化する絶縁材料
    製であり;上記絶縁材料線路は該カンチレバー自体であ
    ること;を特徴とする微小変位検出器。
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