JPH04372614A - セメント質硬化体のコーティング方法 - Google Patents

セメント質硬化体のコーティング方法

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JPH04372614A
JPH04372614A JP17726991A JP17726991A JPH04372614A JP H04372614 A JPH04372614 A JP H04372614A JP 17726991 A JP17726991 A JP 17726991A JP 17726991 A JP17726991 A JP 17726991A JP H04372614 A JPH04372614 A JP H04372614A
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松井 二三雄
Nobuyuki Kaneko
信行 金子
Yuji Arita
有田 雄二
Takuhiko Motoyama
本山 卓彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント質硬化体の表
面コーティング方法に関するものであり、更に詳しくは
セメント質硬化体の表面に組成物を塗布し、加熱又は高
エネルギー放射線により硬化させることにより釉薬調の
光沢を有し、硬度、耐表面損傷性、耐水性、及び耐久性
に優れたコーティング膜を形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント質硬化体は建築材料として多く
用いられ、その表面は意匠、防水、耐久性を目的として
各種塗料等を用いて被覆されることが一般的に行なわれ
ている。その際タイル様の光沢を得るために用いられる
釉薬をセメント質硬化体の表面に施し、焼き付け一体化
することが美観、光沢、硬度、耐水性、耐候性いずれの
面においても望ましいと考えられている。
【0003】しかしながら釉薬は焼き付けに500℃以
上の高温にすることが必要であるためセメント質硬化体
は330℃近辺で結晶水を失ない、脆弱な組織となるだ
けでなく、大きな収縮を伴ない、クラックが発生する。 一方、有機高分子系の塗料は、美観は優れているが、耐
久性に欠陥があり、又硬度の点でも不充分である。有機
高分子系塗料のこれらの欠点は加熱硬化により架橋密度
を高めることで相当に改良し得ることが知られている。 しかし、セメント質硬化体は含水率が高いため、予め、
絶乾状態に調整しておかないと、加熱硬化時の水分の蒸
発による塗膜ふくれ、クラック等の発生が避けられない
。大寸法の部材等ではこの乾燥工程はその巨大な装置の
準備が必要であり、非実際的である。又、通常、有機高
分子系塗料は耐久性が劣るため一定年月毎に塗り替える
必要があり、そのメンテナンス費用も多額にのぼる。
【0004】塗料や硬化体自身に着色するための顔料は
有機質のものは耐久性に劣り変退色しやすいことが知ら
れている。しかしながら耐久性に優れる無機顔料は反面
、発色が鮮明でなく、くすんだ色調しか発現できないと
いう欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、釉薬など無
機系塗料に代る有機高分子系塗料・顔料におけるこれら
の問題点を解決しようとするものであり、セメント質硬
化体の表面に釉薬調の光沢を与え、硬度、耐摩耗性、耐
水性及び耐候性等について改善されたコーティング膜を
形成する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、鋭意検討を重ねた結果、炭素数1〜3の
アルキル基、フェニル基及び特定のアクリル官能性基を
側鎖の一部に有するポリオルガノシルセスキオキサンと
特定のポリ(メタ)アクリレート及び重合開始剤からな
る組成物をセメント質硬化体の表面に塗布した後、40
〜90℃に加熱して、又は高エネルギー放射線を照射し
て、硬化せしめることにより、又、重合開始剤を用いず
、電子線照射を行なうことにより高光沢で、硬度、耐表
面損傷性、耐水性及び耐久性に優れたコーティング膜が
形成されることを見い出した。すなわち、本発明は、(
A)下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル官能
性ポリオルガノシルセスキオキサン
【化3】 (式中R1 、R2 は炭素数が1〜3のアルキル基、
フェニル基及び下記一般式(II)で示されるアクリル
及び/又はメタクリル官能性基を含み、又、m個の各構
造単位は互いに同一又は異なる。又R3 、R4 、R
5 、R6 は水素原子、メチル基、及びエチル基から
なる群から選ばれる2種以上からなり、水素原子は常に
含まれる。mは重合度を示す。一般式(II)は、 式中R7 は水素原子又はメチル基を示し、R8 は炭
素数1〜12の非置換又は置換二価炭化水素を示し、R
7 、R8 はそれぞれm個の構造単位間において異な
っていてもよい。)(B)下記一般式(III) で示
されるポリ(メタ)アクリレート
【化4】 (式中、R9 は水素原子又はメチル基であり、l個の
R9 はすべて同じでなくてもよい。R10は異なる炭
素原子に(メタ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水
素残基、主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又は、多
価アルコールと多塩基酸とで構成されるエステルの残基
を示し、lは2以上の整数である。)および、(C)重
合開始剤からなる組成物をセメント質硬化体の表面に塗
布し、40〜90℃に加熱して、又は高エネルギー放射
線を照射して硬化させることを特徴とするセメント質硬
化体のコーティング方法、上記硬化性組成物を、無機顔
料を含有してなるセメント質硬化体の表面を研磨後塗布
硬化させることを特徴とするセメント質硬化体のコーテ
ィング方法、上記(C)成分を含むことなく、電子線を
照射させることを特徴とするセメント質硬化体のコーテ
ィング方法に関する。
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明に
おいて(A)成分として使用される(メタ)アクリル官
能性ポリオルガノシルセスキオキサンは、下記一般式(
I)で示され、シルセスキオキサン単位のm個の繰り返
し構造単位からなるものである。
【化5】 繰り返し構造単位におけるR1 、R2 は炭素数が1
〜3のアルキル基、フェニル基及び一般式(II)で示
される、アクリル及び/又はメタクリル官能性基からな
る。
【0008】ここで言うアクリル及び/又はメタクリル
官能性基とはアクリル基及び/又はメタクリル基をその
官能基の一部に含んでいるものを指す。又、炭素数1〜
3のアルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基のいずれかであり、これらのアルキル基は
含まず、炭素数4以上のアルキル基では硬化被膜の硬度
、耐摩耗性が不十分となり、又フェニル基がなければ硬
化被膜の強靭性、耐クラック性、耐衝撃性に劣るように
なり好ましくない。又、上記一般式(II)で示される
アクリル及び/又はメタクリル官能性基中R7 は水素
原子又はメチル基であり、R8 は炭素数1〜12の非
置換又は置換二価炭化水素基である。R8 の非置換二
価炭化水素基の例としては、メチレン、エチレン、トリ
メチレン、テトラメチレンなどのアルキレン基が挙げら
れ、又R8 の置換二価炭化水素基の置換基の例として
はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアル
キル基又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の
一部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した基等が挙
げられる。
【0009】なお、一般式(I)の繰り返し単位を形成
する各シルセスキオキサン単位はR1 、R2 の選択
により決まるが、同一であっても異なっていても良い。 前記一般式(I)のm個の繰り返し単位のR1 、R2
 は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基及び前記一
般式(II)で示されるアクリル及び/又はメタクリル
官能性基からなるが、該官能性の置換基と該アルキル基
とフェニル基とのモル比は5〜50:95〜50が好ま
しい。アクリル及び/又はメタクリル官能性の置換基が
5モル%未満の場合硬化速度が遅く、又50モル%を超
えると硬化性は良好になるが、硬度、耐摩耗性、耐熱性
、耐水性等に欠けるようになる。R1 、R2 のアル
キル基とフェニル基とのモル比は99:1〜70:30
が好ましく、アルキル基が99%を超えると、密着性、
耐水性、耐溶剤性が劣り、フェニル基が30%を超える
と硬度、硬化性が劣る。
【0010】次に、一般式(I)においてR3 、R4
 、R5 、R6 は水素原子、メチル基、エチル基か
ら選ばれる2種以上から成るが水素原子は常に含まれる
。すなわち、ポリマーの末端基OR3 、OR4 、O
R5 、OR6 のうち少なくとも1つは水酸基であり
、他はメトキシ基及び/又はエトキシ基である。
【0011】R3 、R4 、R5 、R6 の内容は
原料に用いる複数のトリアルコキシ類の種類と比率さら
には加水分解及び縮合反応に対する反応性、反応温度、
時間などの反応条件によって影響される。例えば原料に
トリメトキシシランとトリエトキシシランとをある比率
で併用した場合、加水分解及び縮合反応に対する反応性
はメトキシシランの方が高いため、縮合反応が一定段階
まで進んだ状態で反応停止し、本発明の(A)成分とし
て用いられる一般式(I)の末端基のうち、水酸基を除
くと、エトキシ基の残留率がメトキシ基の残留率より高
いため、原料段階での比率より、エトキシ基の比率が高
くなっている。なお、ここで記述したようにアルコキシ
基は加水分解して水酸基となり、次いで起こる縮合反応
は水酸基どおしの脱水反応又は水酸基とアルコキシ基と
の脱アルコール反応の形式を採りながら進行するため、
水酸基は常に(I)のオリゴマーに含まれていることが
必須であることは明白である。
【0012】(A)成分の数平均分子量はゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(以下GPCと省略する)
等の測定方法により容易に測定されるが、1,000〜
100,000の範囲が好ましい。分子量が1,000
未満では硬化被膜の耐摩耗性及び耐水性等が不充分とな
る他、硬化収縮が大きくなる欠点があり、逆に分子量が
100,000を超えると組成物の粘度が高くなりすぎ
てセメント質硬化体表面への薄膜コーティングが困難と
なる。(A)成分をこのような分子量域のポリマーとす
ることにより、硬化被膜の収縮は低減され、クラック発
生などの弊害を回避することが可能となった。
【0013】(A)成分の一合成方法としては、以下の
ような方法がある。アクリル及び/又はメタクリル官能
性基を有するトリアルコキシシラン、炭素数1〜3のア
ルキル基を有するアルキルトリアルコキシシラン及びフ
ェニル基を有するフェニルトリアルコキシシランを水と
酸又は塩基の共存下、必要ならば加温して縮合させた後
、共存する水および副生するアルコールを除去すること
により製造される。ここでトリアルコキシシランのかわ
りに、トリクロロシランを用い、加水分解、縮合を行な
っても(A)成分を合成することができる。
【0014】(B)成分は下記一般式で示されるポリア
クリレート又はポリメタクリレートであり、
【化6】 (III)式中R9 は水素原子又はメチル基であり、
l個のR9 はすべて同じでなくてもよい。R10は異
なる炭素原子に(メタ)アクリル酸残基が結合した多価
炭化水素残基、主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又
は、多価アルコールと多塩基酸とで構成されるエステル
の残基を示し、lは2以上の整数である。
【0015】この場合、R10の異なる炭素原子に(メ
タ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水素残基又は、
主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基であるポリアクリ
レート又はポリメタクリレートは、有機多価アルコール
とアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化反応を公
知の条件下に反応させることにより製造することができ
る。
【0016】この、有機多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジプロピレン
グリコール、プロピレングリコール、平均分子量約15
0〜約600を有するポリプロピレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピル、2,2−ジメチル−3−ヒドロ
キシプロパナート、平均分子量約150〜約600を有
するポリエチレングリコール、2,2−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プ
ロパン、トリエタノールアミン、2,3−ブタンジオー
ル、テトラエチレングリコール、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、1,4−ブタンジオール、約1.5当量
のカプロラクトンを含むトリメチロールプロパンのポリ
カプロラクトンエステル、約3.6当量のカプロラクト
ンを含むトリメチロールプロパンのポリカプロラクトン
エステル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1
,5−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上が使用し得る。
【0017】このようなポリアクリレート又はポリメタ
クリレートとしては、特に限定されるものではないが、
ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート及びトリメチロールプロパント
リメタクリレートなどが挙げられる。
【0018】又、R10として多価アルコールと多塩基
酸とで構成されるエステルの残基を有するポリアクリレ
ート又はポリメタクリレートを得る場合、多価アルコー
ルとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,6−エキサンジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサン
トリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコールなどが挙げられる。
【0019】一方、多塩基酸としては、例えばフタル酸
、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、コハク酸、ア
ジピン酸、ドデカン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタ
コン酸、フマール酸、ピロメリット酸、トリメリット酸
などの多塩基酸又はその無水物などがある。なお、エス
テル残基R10は1種の多価アルコールと1種の多塩基
酸であることを必要とせず、それぞれ2種以上の多塩基
酸から構成されていてもよい。
【0020】このようなポリエステルアクリレートの具
体例としては、
【化7】
【化8】
【化9】 などが挙げられる。
【0021】(A)成分及び(B)成分の好ましい配合
量(合計で100重量部)としては、(A)成分30〜
95重量部、さらに好ましくは40〜90重量部に対し
て、(B)成分70〜5重量部、さらに好ましくは60
〜10重量部である。(A)成分が30重量部未満では
、(A)成分に基づく硬度、耐水性、光沢等の特徴発現
が不十分であり、90重量部を超えると架橋密度が低く
なることにより耐薬品性、耐溶剤性が劣る。(B)成分
が70重量部を超えると、硬化被膜の耐水性、硬度、耐
摩耗性が劣り、硬化収縮が大きいという弊害が現われて
くる。一方(B)成分が5重量部未満であると、硬化速
度が遅く、又硬化被膜は脆く、クラックが入りやすくな
り好ましくない。
【0022】(A)、(B)成分の他に、重合性の単官
能性の不飽和基を有する化合物を併用し、希釈による粘
度調整、基材に対する密着性、帯電防止性、その他の性
質を改良することも可能である。この種のモノマーとし
ては幅広い選択が可能であるが、メチルメタクリレート
、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、イソボルニルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−
アシッドホスフェート、メタクリル酸、N−ビニル−2
−ピロリドン、スチレンなどが例示し得る。
【0023】(C)成分である重合開始剤としては、従
来公知とされている種々のものを使用することができる
。すなわち、加熱により硬化させる場合には、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイルのような過酸化物、ブチル
ハイドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサイ
ド類、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物
が単独またはアミン、金属石鹸のような硬化促進剤と組
合わせて、重合開始剤として用いられる。また高エネル
ギー放射線により硬化させる場合にはアセトフェノン、
プロピオフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベン
ゾインアルキルエーテル、キサントール、フルオレノン
、ベンズアルデヒド、フルオレン、アンスラキノン、3
−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、
4,4’ジメトキシベンゾフェノンなどが例示される。 ただし、電子線を用いて硬化させる場合には上記開始剤
を添加しなくてもよい。
【0024】これらの重合開始剤は1種類を単独でもし
くは2種類以上を混合して使用することができる。又、
本発明において上記の重合開始剤を用いるときに共に3
級アミン等のいわゆる促進助剤を用いて紫外線硬化性を
一層高めることも可能である。3級アミンとしては脂肪
族、芳香族の各種3級アミンが使用可能であり、N−ジ
メタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、トリエチルアミン、P−ジメチル
アミノ安息香酸エチルなどが例示される。
【0025】電子線照射の場合を除きこれらの重合開始
剤及び促進助剤を使用する場合は、(A)、(B)両成
分の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部が
好ましく、更に好ましくは1〜4重量部の範囲である。 (C)成分が0.1重量部未満では硬化速度が遅く、非
実用的となり、10重量部を超えると、強度、耐候性に
悪影響をおよぼす。
【0026】(A)、(B)、(C)成分からなる組成
物は予め混合して保存しておいてから用いられるのが一
般的であるが保存が6ヶ月以上の長期にわたるときには
、暗所であっても重合、ゲル化等が起こる場合があるの
で、3成分を別々に保存しておき、使用前に混合するか
、(A)、(B)両成分のみ混合したもので保存してお
き、使用前にこれに(C)成分を添加し混合する等の方
法をとる。(A)、(B)両成分のみ用いる場合は特に
問題はない。又、3成分を混合する際には、必要に応じ
てブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等
溶剤を加えてもよい。
【0027】なお、該組成物には硬化物の物性の改質を
目的として、あるいは硬化物の用途等に応じて、種々の
物質や化合物を配合して硬化させることができる。これ
らの添加物としては熱安定剤としてハイドロキノン、P
−メトキシフェノールなど、着色顔料としてフタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン、チタンホワイト
など、増粘剤としてシリカ、炭酸カルシウム、カオリン
、クレー、コロイダルシリカなど、各種の紫外線吸収剤
、酸化防止剤など、更に本発明の組成物の特徴を損なわ
ない範囲で、使用目的に応じ通常のジオルガノポリシロ
キサン等を添加してもよい。
【0028】上記のように調整された組成物をセメント
質硬化体表面に塗布するが、セメント質硬化体とは次の
ようなものである。まず結合剤として用いられるセメン
ト質材料としてはポルトランドセメント、高炉セメント
、フライアッシュセメント、アルミナセメント、マグネ
シアセメント、石膏等が挙げられ、必要に応じてこれら
のセメント質材料に珪酸質原料を添加したものでもよい
【0029】又、各種の骨材、充填剤、増量剤、例えば
砂、天然及び人工の軽量骨材、フライアッシュ、スラグ
、シンダー、パーライトなどを添加したものでもよく、
スチールや繊維補強材などを用いて補強したものでもよ
い。セメント質硬化体の形状は板状、円筒状、異形等が
あり、これらの成形方法としてはスラリー鋳込み、プレ
ス、ロール、押出し、抄造等各種の成形方法が採用しう
る。
【0030】セメント質硬化体は顔料をセメント質材料
に加えてあるいは表面に顔料を含有する着色塗料等を塗
布して着色したものであってもよい。セメント質硬化体
の着色に用いられる無機顔料としては、酸化チタン、カ
ーボンブラック、酸化鉄、カドミウム化合物、コバルト
化合物、黄鉛、ジンククロメート、シアナミド鉛、白色
ポルトランドセメント等が例示される。
【0031】セメント質硬化体に上記顔料を添加する場
合は従来淡く、くすんだ発色しか得られなかったが、セ
メント質硬化体表面に(A)、(B)、(C)成分又は
(A)、(B)成分からなる組成物を塗布し、硬化させ
ることにより濃く鮮やかな本来の発色を実現することが
可能となった。
【0032】ここで該組成物をコーティングする前段階
として、無機顔料を含むセメント質硬化体表面を研磨す
ることがあるが、これは表面層に遊離した炭酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム等の、本来の着色を損う物質を取
り除くためである。研磨はベルトサンダー、サンドブラ
スト等、通常知られている方法で行うことができる。セ
メント質硬化体は表面にのみ着色層を有するものであっ
てもよい。即ち所定形状の硬化体の表面にセメント質材
料と共に必要に応じて無機顔料を添加し水と共に混練し
たものを塗布し、硬化せしめたものであってもよい。セ
メント質硬化体または該組成物を塗布する方法としては
、スプレーコーティング、刷毛塗り、浸漬コーティング
、フローコーティング、スピンコーティング等のいずれ
の方法も用いられる。
【0033】セメント質硬化体に該組成物を塗布する際
の厚みとしては3〜100μm が好ましく、これより
薄膜では光沢等の特性発現が不充分であり、一方100
μm 以上の厚膜では硬化時、未硬化モノマー含有量が
多くなる他、硬化被膜にクラック等の弊害を生じやすく
なる。該組成物を硬化させるに際し、熱硬化の場合は、
炉内で蒸気、電熱、赤外線等を用いて40〜90℃に加
熱して行い、紫外線硬化の場合は紫外線源として、紫外
線蛍光灯、高圧水銀灯、炭素アーク灯、メタルハライド
灯等を用いて行い、その照射量は適宜選定し得る。電子
線照射の場合は、種々の加速機を用いて行われる。
【0034】
【作用】本発明のセメント質硬化体コーティング剤は、
(メタ)アクリル官能性ポリオルガノシルセスキオキサ
ン、ポリ(メタ)アクリレート及び重合開始剤からなる
組成物であり、これをセメント質硬化体表面に塗布し、
種々の硬化法によって硬化被膜を生成することができる
。すなわち、セメント質硬化体表面に、該組成物を塗布
し、高エネルギー放射線を照射して硬化させることによ
り、加熱硬化を必要とせず、常温で反応を行うことがで
きるため、従来数百度という高温加熱硬化により起こっ
ていた塗膜ふくれ、クラック等の問題が解決された。 又加熱硬化させる場合も40〜90℃で行うことによっ
て、水分蒸発等が起こらないため、上記問題が回避され
ることがわかった。又セメント質硬化体に無機顔料を加
えた場合、濃く鮮やかな発色が可能になったのは、セメ
ント質硬化体表面の事前の研磨により表面層の着色を妨
げる物質を除去したことや、該組成物がセメント質硬化
体表面の多孔質部分にまで深く浸入し硬化後は透明で平
坦な硬化被膜を形成するためであると考えられる。
【0035】こうして得られた硬化被膜は(I)式で示
されるようなラダー型ポリシロキサンの特徴である光沢
、耐水性、硬度、耐摩耗性等を保持するだけでなく、ポ
リ(メタ)アクリレートの特徴である易硬化性、各種機
能への対応のしやすさ等の特徴を併せ持っている。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例中の「部」は特に断りのない限り、「重量
部」を示す。なお、実施例中の各物性値は下記の方法に
従って測定した。
【0037】(耐摩耗性)太さ#0000のスチールウ
ールの束を加重500gをかけながら硬化被膜を15往
復こすり、その後被膜についた傷の程度を調べ、下記の
ように4ランクに分けて評価した。 A:全く傷がつかない B:10本以内の傷がつく C:10本以上の傷がつくが、なお光沢を保持している
D:無数の傷で光沢を失う (表面硬度)塗料用鉛筆引かき試験機を用いて、JIS
  K5401に準じて測定した。 (耐水性)800℃の温水中に浸漬し、硬化被膜にクラ
ック等の異常の発生する時間を測定した。 (耐候性)JIS  B7753の規定に従い、カーボ
ンアークサンシャインウエザーメーター試験を行った。 判定は500時間後の試験体の表面を試験のものと比較
観察することで下した。
【0038】((A)成分の合成例1)温度計、撹拌装
置、還流冷却器を取りつけた1リットルのフラスコに、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン149
g(0.6モル)、メチルトリエトキシシラン356g
(2.0モル)、フェニルトリエトキシシラン96g(
0.4モル)、塩酸0.002モル、水108g(6モ
ル)、P−メトキシフェノール0.01gを仕込み、フ
ラスコ内の温度を60℃まで昇温し、撹拌しながら60
分間保持した。続いて70℃に昇温し、1時間反応させ
た後、n−ブチルアミン0.6g(0.0082モル)
を滴下し、更に45分間反応せしめた後、蟻酸0.4g
(0.0087モル)を滴下し、70℃で30分間保持
した。水洗した後、無水硫酸ナトリウムで脱水後、ロー
タリーエバポレータを用いて脱溶媒したところ、25℃
の粘度が450cps の粘稠な(A)−1成分320
gが得られた。この(A)−1成分の分子量をGPCに
より求めたところ数平均分子量5,700、重量平均分
子量13,800であった。本合成例の(A)−1成分
においては側鎖のメチル基、フェニル基、メタクリル基
のモル比がおよそ67:13:20であった。
【0039】((A)成分の合成例2)温度計、撹拌装
置、還流冷却器を取りつけた1リットルのフラスコに、
γ−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン128g
(0.5モル)、メチルトリクロロシラン450g(3
.0モル)、フェニルトリクロロシラン42g(0.2
モル)、水80g(5モル)、P−メトキシフェノール
0.01gを仕込み、フラスコ内の温度を60℃まで昇
温し、撹拌しながら60分間保持した。ついで徐々に温
度を上昇せしめ、90℃で15分間保った後、室温にも
どし、水酸化ナトリウムで中和した。反応液を濾過、水
洗した後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、さらにロータ
リーエバポレーターを用いて脱溶媒したところ、粘度が
25℃において600cps である(A)−2成分が
得られた。GPCで求めた(A)−2成分の数平均分子
量は4,800、重量平均分子量は11,000であっ
た。また側鎖のメチル基、フェニル基、メタクリル基の
モル比はおよそ88:4:8であった。
【0040】(実施例1)(A)−1成分20部、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート27部、N−ビニ
ル−2−ピロリドン4部、カプロラクトン変性ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート6部、ベンゾフェノ
ン1.5部、P−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.5
部、メチルセロソルブ35部、ブチルセロソルブ5部を
混合し、硬化性組成物を調整した。セメント質硬化体と
しては、厚さ10mmのスレート板に白色ポルトランド
セメントを、結合剤として使用し、これに、充填剤とし
てシリカ及びマイカ、増粘剤としてメチルセルロースを
配合した着色塗料を厚さ1mmにスプレーコーティング
した板状材料を用いた。この板状材料に前記組成物を5
0g/m2 付着するようにスプレーコーティングした
。次に高圧水銀灯を用い、紫外線照射量が2J/cm2
 になるよう均一に照射を行い、組成物を硬化させた。 その結果、組成物によりコーティングされる以前の板が
セメント系着色板特有の白っぽく不鮮明な外観であった
ものが、コーティング後、濃色の色鮮やかでかつ釉薬調
の光沢ある外観に一変した。硬化に伴なう反り、クラッ
ク等の弊害は全く認められなかった。この硬化被膜の諸
物性を表1に示す。
【0041】(実施例2)(A)−2成分42部、トリ
メチロールプロパントリアクリレート28部、イソボル
ニルアクリレート10部、過酸化ベンゾイル1部、メチ
ルイソブチルケトン12部を混合し、硬化性組成物を得
た。実施例1と同じスレート板に着色顔料を塗布した板
状材料にこの組成物を実施例1と同じようにスプレーコ
ーティングし、80℃の炉の中で硬化を行った。この硬
化被膜も実施例1と同様に良好な外観を呈した。その諸
物性を表1に示す。
【0042】(実施例3)厚さ10mmのスレート板に
白色ポルトランドセメントを結合剤として使用し、これ
に顔料として酸化チタン、酸化鉄、充填剤としてシリカ
及びマイカ、増粘剤としてメチルセルロースを配合した
着色塗料を厚さ1mmにスプレーコーティングし、硬化
せしめた板状材料の表面をサンドブラストしたものを基
材とし、これに実施例1の硬化性組成物を実施例1と同
様にスプレーコーティングし、紫外線硬化を行った。そ
の結果、組成物によりコーティングされる以前の板が、
セメント系着色板特有の白っぽく不鮮明な外観であるが
、この実施例の硬化被膜を複合すると濃色の色鮮やかで
かつタイル調の光沢ある外観に一変した。又硬化に伴な
う反り、クラック等の弊害は全く認められなかった。こ
の硬化被膜の諸物性を表1に示す。
【0043】(実施例4)白色ポルトランドセメントを
結合剤として使用し、これに酸化鉄、シリカ、マイカ、
繊維補強材、メチルセルロース、水を配合したものを真
空土練機を用いて中空リブを有する板材に押出し成形し
、オートクレーブを用いて飽和水蒸気圧10kg/cm
2 で6時間養生し、表面をベルトサンダーを用いて研
磨したものをセメント質硬化体基板として用いた。実施
例1の紫外線硬化性組成物を実施例1と同様にスプレー
コーティングし、紫外線硬化せしめた。やはり鮮明で光
沢ある硬化被膜が得られた。この硬化被膜の諸物性を表
1に併せて示す。
【0044】(実施例5)α−石膏を結合剤として使用
し、これにコバルト化合物、シリカ、マイカ、繊維補強
材、水を配合したものを凹凸のある大版タイル状に成形
し、この表面に実施例2の硬化性組成物をスプレーコー
ティングし実施例2と同様に加熱炉で硬化せしめた。そ
の結果釉薬調の色鮮やかなタイルが得られた。この硬化
被膜の諸物性を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明のセメント質硬化体のコーティン
グ方法によってセメント質硬化体の有する水分、結晶水
に何ら妨害されずに釉薬調の光沢、硬度、耐摩耗性、耐
水性、耐候性に優れた硬化被膜をセメント質硬化体表面
に賦与することができ、建築、装飾関連を含む分野に広
く使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  セメント質硬化体の表面に下記成分(
    A)、(B)及び(C)からなる組成物を塗布し、40
    〜90℃に加熱して、又は高エネルギー放射線を照射し
    て硬化させることを特徴とするセメント質硬化体のコー
    ティング方法。(A)下記一般式(I)で示される(メ
    タ)アクリル官能性ポリオルガノシルセスキオキサン 【化1】 (式中R1 、R2 は炭素数が1〜3のアルキル基、
    フェニル基及び下記一般式(II)で示されるアクリル
    及び/又はメタクリル官能性基を含み、又、m個の各構
    造単位は互いに同一又は異なる。又R3 、R4 、R
    5 、R6 は水素原子、メチル基、及びエチル基から
    なる群から選ばれる2種以上からなり、水素原子は常に
    含まれる。mは重合度を示す。一般式(II)は、 式中R7 は水素原子又はメチル基を示し、R8 は炭
    素数1〜12の非置換又は置換二価炭化水素を示し、R
    7 、R8 はそれぞれm個の構造単位間において異な
    っていてもよい。)(B)下記一般式(III) で示
    されるポリ(メタ)アクリレート 【化2】 (式中、R9 は水素原子又はメチル基であり、l個の
    R9 はすべて同じでなくてもよい。R10は異なる炭
    素原子に(メタ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水
    素残基、主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又は、多
    価アルコールと多塩基酸とで構成されるエステルの残基
    を示し、lは2以上の整数である。) (C)重合開始剤
  2. 【請求項2】  セメント質硬化体の表面に請求項第1
    項記載の成分(A)、(B)からなる組成物を塗布し、
    電子線を照射して硬化させることを特徴とするセメント
    質硬化体のコーティング方法。
  3. 【請求項3】  無機顔料を含有してなるセメント質硬
    化体の表面を研磨後その表面にコーティングすることを
    特徴とする請求項第1項もしくは第2項記載のセメント
    質硬化体のコーティング方法。
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