JPH0440318B2 - - Google Patents

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JPH0440318B2
JPH0440318B2 JP25249585A JP25249585A JPH0440318B2 JP H0440318 B2 JPH0440318 B2 JP H0440318B2 JP 25249585 A JP25249585 A JP 25249585A JP 25249585 A JP25249585 A JP 25249585A JP H0440318 B2 JPH0440318 B2 JP H0440318B2
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ferrite
temperature
firing
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polycrystalline
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JP25249585A
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Minoru Imaeda
Ryuichi Oochi
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は単結晶フエライト体の製造法に係り、
特にVTR,FDD,RDD等におけるメタルテー
プ、蒸着テープ等の高保持力磁気記録媒体への記
録・再生ヘツドに好適に使用され得る高磁束密度
のMn−Zn系単結晶フエライト体の製造法に関す
るものである。 (従来技術とその問題点) 従来から、VTR等の磁気記録・再生ヘツド用
の材料として、Mn−Znフエライトにて代表され
るフエライト材料が用いられているが、このよう
なフエライト材料としては、耐摩耗性や磁気ギヤ
ツプの加工性等の観点から、単結晶フエライト体
の使用が推奨されている。ところで、かかる磁気
ヘツド用材料としてのフエライト材料は、一般
に、酸化第二鉄をモル比で50〜54%含む組成のも
のが用いられているが、そのような酸化鉄組成を
有するフエライト材料は、その飽和磁束密度B10
が5600G(ガウス)以下であるために、メタルテ
ープ等の高保持力磁気記録媒体の記録・再生ヘツ
ド用フエライトとして用いることが出来るもので
はなかつたのである。 一方、特開昭59−64599号公報には、モル比で、
酸化第二鉄を61.5〜65%、酸化亜鉛を10〜20%、
酸化マンガンを28.5〜15%含む組成の融液(液
相)より、単結晶フエライトを育成する、所謂ブ
リツヂマン製法による単結晶フエライト体の製造
手法が提案され、このようなフエライト組成によ
つて、飽和磁束密度B10が5500G以上であるフエ
ライトを得ることができることが明らかにされて
いる。 しかしながら、かかるブリツヂマン法を実施す
るに際しては、高価な設備と原料溶融用に白金製
ルツボを用いる必要があり、このために得られる
単結晶フエライト体が高価となる問題が内在して
いるのである。しかも、結晶方位の制御が難しい
ために、単結晶フエライト体を加工する際に、そ
の利用出来る部分が少なくなり、歩留りが低下す
る問題もある。また、このブリツヂマン法で作ら
れる単結晶フエライト体には、その製造工程中に
おける原料の飛散等によつて組成変動が惹起され
易く、そしてそれに基づく単結晶体長さ方向にお
ける熱膨張率の違いによつて冷却途中で単結晶の
割れ等が惹起され易く、更には原料の溶融に用い
られる容器(白金製ルツボ)等から白金粒の如き
不純物が混入して、得られる単結晶の結晶性が一
様でない欠点も内在している。 また、上記のような酸化第二鉄の含有量が60モ
ル%を超えるような単結晶フエライト体を公知の
固相反応による単結晶化手法にて製造するに際し
て、その母材となる単結晶フエライト部材(焼結
体)を得るべく、酸化第二鉄の配合割合の高いフ
エライト原料粉末混合物を空気中において仮焼す
ると、そのフエライト化率は40〜60%程度とな
り、そしてこのようなフエライト化率の仮焼物を
粉砕し、更に所定の成形を施して得られた成形体
を、通常の真空下における焼成手法にて焼成する
と、そのフエライト化率が1000℃前後の温度で略
100%となり、即ち焼成体中のヘマタイト相が消
滅し、そのために、その後1250℃以上の温度下で
の焼結操作によつても充分に緻密化せず、得られ
た焼結体の気孔率を0.01%以下とすることは、著
しく困難であつたのである。 しかも、得られる多結晶フエライト体中に気孔
が多いために、それを固相反応による単結晶化手
法にて単結晶化しよとしても、その温度がかなり
高温になつてしまい、単結晶化の制御が難しくな
る他、結晶粒子が粗大化したり、或いは異種方位
結晶が発生する等の問題を内在し、また得られた
フエライト単結晶体内に多量の気孔が残存する問
題もある。 (発明の構成) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その目的とするとこ
ろは、飽和磁束密度B10が著しく高く、高保持力
磁気記録媒体用ヘツドに好適に使用することので
きる単結晶フエライト体を提供することにあり、
また他の目的は、気孔率が著しく低く、磁気ヘツ
ドの摺動特性を損なわない高密度な単結晶フエラ
イト体を提供することにあり、更に他の目的とす
るところは、固相反応による単結晶化手法におけ
る単結晶化温度が低く、また異種の発生が少な
い、且つ白金粒等の析出物が存在せず、組成が均
一な単結晶フエライト体を低コストで製造する手
法を提供することにある。 そして、かかる目的を達成するために、本発明
は、多結晶フエライト部材と少なくとも一部が単
結晶である単結晶フエライト部材とを接触させて
加熱せしめることにより、該単結晶系フエライト
部材のフエライト単結晶を前記多結晶フエライト
部材側に結晶成長させてフエライト単結晶を育成
し、単結晶フエライト体を形成せしめるに際し
て、前記多結晶フエライト部材として、(a)酸
化第二鉄が60〜68モル%の割合で含まれ且つフエ
ライト相と共にヘマタイト相を有するフエライト
素材を、0.01〜50%の酸素濃度の雰囲気中におい
て前記ヘマタイト相を漸次減少せしめつつ焼成
し、そして1100〜1250℃の温度領域において該ヘ
マタイト相を消滅させる第一の焼成工程と、(b)
かかるヘマタイト相の消滅させられたフエライト
素材を、0.1〜100%の酸素濃度の雰囲気中におい
て、1250℃よりも高い温度下で焼成して、その緻
密化を行なう第二の焼成工程とを経て得られた多
結晶フエライト体を用いることを特徴とするもの
である。 特に、このような単結晶フエライト体の製造手
法に従つて得られた、モル比で、60〜68%の酸化
第二鉄と10〜20%の酸化亜鉛と30〜12%の酸化マ
ンガンとからなる組成を有する単結晶フエライト
体は、その飽和磁束密度B10が5800G(ガウス)以
上の、組成のバラツキの少ない且つ気孔率が著し
く低い特徴を有するものであつて、高保持力磁気
記録媒体用ヘツドとして好適に使用され得ると共
に、また磁気ヘツドの摺動特性を損なわないフエ
ライト材料として、好適に使用され得るものであ
る。 なお、上記した本発明に従う単結晶フエライト
体の製造手法における第一の焼成工程は、一般
に、複数段の昇温工程を含み、そしてその最後の
昇温工程によつて、前記フエライト素材が1100〜
1250℃の温度に加熱されて、該フエライト素材中
のヘマタイト相が実質的に消滅せしめられ得るよ
うにされることとなる。また、かかる第一の焼成
工程において、フエライト素材は通常少なくとも
800℃の温度に加熱せしめられ、該フエライト素
材中のヘマタイト相が減少させられる。 また、本発明の好ましい実施態様によれば、フ
エライト素材は、モル比で、63〜65%の酸化第二
鉄と10〜15%の酸化亜鉛と27〜20%の酸化マンガ
ンとからなる組成を有するものであり、そして前
記第一の焼成工程における焼成雰囲気中の酸素濃
度が0.1〜10%とされ、且つ前記第二の焼成工程
における焼成雰囲気中の酸素濃度が1〜20%とさ
れることとなる。 (構成の具体的な説明・効果) ところで、かかる本発明において多結晶フエラ
イト体の形成に用いられるフエライト素材は、酸
化第二鉄(Fe2O3)が60〜68モル%の割合で含ま
れる組成を有するものであつて、そのような組成
を与えるフエライト原料粉末混合物が、常法に従
つて仮焼せしめられた後、粉砕され、そしてブロ
ツクの如き適当な形状に成形された成形体が、該
フエライト素材として、用いられることとなるの
である。なお、そのような成形体は、一般に、40
〜60重量%程度がフエライト相にて構成され、残
りの60〜40重量%がヘマタイト相を主体とした未
反応物相にて構成されているものである。 また、かかるフエライト素材の組成は、そのま
ま、それを焼成して得られる多結晶フエライト
体、更には最終目的物たる単結晶フエライト体の
組成となるものであるが、本発明に従つて得られ
る高飽和磁束密度B10の単結晶フエライト体は、
一般に、モル比にて、60〜68%の酸化第二鉄
(Fe2O3)、10〜20%の酸化亜鉛(ZnO)及び30〜
12%の酸化マンガン(MnO)からなる組成を有
するフエライト素材を用いて得られ、中でも特に
酸化第二鉄が63〜65モル%、酸化亜鉛が10〜15モ
ル%、酸化マンガンが27〜20モル%の組成のフエ
ライト素材が好適に用いられ、これによつて飽和
磁束密度が5800G以上、好ましくは6000G以上の
高密度フエライトが有利に得られることとなる。 そして、かかるフエライト相と共にヘマタイト
相を有するフエライト素材(仮焼物成形体)は、
先ず、0.01〜50%の酸素濃度の、He,ArやN2
の雰囲気中において焼成せしめられて、該フエラ
イト素材中のヘマタイト相が漸次減少せしめら
れ、そして1100〜1250℃の温度領域において該ヘ
マタイト相が実質的に消滅せしめられるようにさ
れる(第一の焼成工程)。換言すれば、この第一
の焼成工程では、1100〜1250℃の温度範囲でヘマ
タイト相が実質的に消滅するように、フエライト
素材の酸化第二鉄組成に応じて、温度と酸素分圧
(濃度)が調整されることとなるのである。 なお、この焼成雰囲気中の酸素濃度が0.01%よ
りも低くなると、フエライト素材のフエライト化
の進行が早く、低い温度領域でヘマタイト相が実
質的に消滅してしまうため、フエライト素材の気
孔率を十分に減少せしめ得ない問題があり、また
酸素濃度が50%を超えるようになるとフエライト
化の進行が遅く、ヘマタイト相の消滅が第二の焼
成工程にずれ込むため、焼結体内部に粗大気孔が
残つてしまう問題がある。特に、前記好ましい
Mn−Zn系フエライト素材の組成範囲では、0.1〜
10%の酸素濃度の焼成雰囲気が用いられる。 また、ヘマタイト相が1100℃未満の温度で実質
的に消滅してしまうと、第二の焼成工程における
フエライト素材の緻密化が充分に為され得ず、最
終焼成体における気孔率を充分に低下せしめるこ
とが困難となる。更に、ヘマタイト相の消滅が
1250℃以上の温度で行なわれると、後の第二の焼
成工程において粗大気孔が生成する問題がある。 さらに、この第一の焼成工程におけるフエライ
ト素材の焼成温度としては、一般に800℃以上の
温度が用いられることとなる。けだし、800℃よ
りも温度が低くなると、フエライト化の進行が遅
く、またヘマタイト相の有効な減少反応を惹起し
得ないからである。そして、このような第一の焼
成工程では、段階的に若しくは連続的に昇温する
昇温操作を用いて、フエライト素材を焼成する手
法が採用されることとなるが、一般的には、複数
段の昇温工程に従つて、段階的に焼成温度が高め
られ、そしてその最後の昇温工程によつて、フエ
ライト素材が1100〜1250℃の温度に加熱されて、
フエライト素材中のヘマタイト相が消滅せしめら
れるようにされるのである。 より具体的には、本発明の第一の焼成工程にお
ける好ましい段階的昇温操作は、約800℃から漸
次昇温せしめて、1200℃よりも低い温度に到達せ
しめる第一の昇温工程と、それに続く到達温度で
の所定時間の保持からなる第一の保持工程と、そ
の後の1100〜1250℃の領域内の所定温度に上昇せ
しめる第二の昇温工程と、そしてその到達温度で
所定時間保持してヘマタイト相を実質的に消滅さ
せる第二の保持工程とを含んでいる。そして、そ
の際の昇温スピードは、通常、800℃までは150〜
200℃/hr程度とされ、また第一及び第二の昇温
工程では、何れも30〜40℃/hr程度とされること
となる。 次いで、このような第一の焼成工程においてヘ
マタイト相の消滅させられたフエライト素材は、
更に第二の焼成工程において焼成され、その一層
の緻密化が行なわれることとなる。この第二の焼
成工程における焼成雰囲気としては、0.1〜100%
の酸素濃度、特に、前記好ましいMn−Zn系フエ
ライト素材の組成範囲では、1〜20%の酸素濃度
を有する雰囲気が用いられるものであつて、この
ような酸素濃度は、最終的に、気孔率を0.01%以
下に減少せしめ、フエライトの結晶粒子径、磁気
特性を制御するために必要なものである。なお、
この焼成雰囲気中の酸素以外の成分は、He,Ar
やN2等の不活性ガス成分である。また、焼成温
度としては1250℃を超える温度を用いる必要があ
り、これによつて有効な焼結を進行せしめ、以て
気孔率が効果的に低下せしめられた、緻密なフエ
ライト焼結体を得ることが出来るのである。 そして、かくの如き本発明に従う第一の焼成工
程並びに第二の焼成工程を経て得られたフエライ
ト素材の焼結体、換言すれば多結晶フエライト体
は、一般に、結晶粒子径が最大40μm程度、通常
約10μmと微細で、気孔率が0.01%程度或いはそ
れ以下の高密度な多結晶組織の材料であり、この
ような多結晶フエライト体を用いて、公知の固相
反応法に従つて、それに接する単結晶系フエライ
ト部材のフエライト単結晶の存在により該フエラ
イト単結晶を多結晶フエライト体側に成長せしめ
て、そのフエライト単結晶を大きく育成し、以て
目的とする単結晶フエライト体を製造するのであ
る。 なお、このように単結晶化せしめられる多結晶
フエライト体は、よく知られているように、一般
に、高温において不連続な結晶粒子成長を起こす
フエライトの多結晶体とされている。より具体的
には、この不連続な結晶粒子成長を示す多結晶体
とは、加熱温度がある特定の温度に到達すると、
突発的に一部の結晶粒子が周りの微細な結晶粒子
を合体し、周りの微細粒子の成長速度より、極め
て大きな粒子成長速度で巨大な結晶粒子に成長す
るものであつて、通常、フエライトの主成分の一
つである酸化鉄の原料に、スピネル構造を有する
酸化鉄若しくはスピネルの履歴を有する酸化鉄、
或いはそれらの混合物を、Fe2O3に換算して、少
なくとも60重量%以上含有する酸化鉄を用いて、
有利に形成されるものである。 一方、かかる多結晶フエライト体(多結晶フエ
ライト部材)を単結晶化するための種単結晶であ
る単結晶系フエライト部材は、少なくとも一部が
単結晶である。換言すれば単結晶フエライトを少
なくとも一部に有するフエライト材料であつて、
しかも前記多結晶フエライト部材と同一若しくは
類似の組成を有する多結晶系フエライト部材を用
いることが重要であり、このような単結晶系フエ
ライト部材の使用によつて、そこに存在するフエ
ライト単結晶部分から多結晶フエライト部材側に
向かつて、単結晶が成長するようになるのであ
る。尤も、単結晶系フエライト部材はその全体が
一つの単結晶にて形成されたものであつても何等
差支えないが、経済的な観点からすれば、部分的
に単結晶フエライト部分を有する多結晶・単結晶
複合フエライトであることが望ましい。 そして、このような単結晶系フエライト部材を
用いて、これを種結晶として多結晶フエライト部
材に接触せしめ、それを接合させるに際しては、
かかる単結晶フエライト部材のフエライト単結晶
部分が多結晶フエライト部材に接触せしめられる
ことが望ましい。換言すれば、単結晶系フエライ
ト部材のフエライト単結晶の結晶面が、接触面
(接合面)として、露呈せしめられて、多結晶フ
エライト部材の所定の接触面(接合面)に対して
接触せしめられるのである。なお、単結晶系フエ
ライト部材と多結晶フエライト部材の接触面は相
互の密着のために何れもその接触に先立つて充分
な鏡面研磨が施されることとなる。 また、かかる二つのフエライト部材の突き合わ
せによる接触に対しては、それらの当接部分にフ
エライトを溶解する酸、例えば塩酸、硝酸、硫酸
等を介在せしめて突き合わせ、それらフエライト
部材を仮接着させることが望ましい。その理由
は、単結晶系フエライト部材と多結晶フエライト
部材の相互の位置を、そのような酸によつて形成
されるフエライト成分の塩、例えば硝酸鉄、硝酸
マンガン、硝酸亜鉛等により固定せしめると共
に、後の加熱時において、そのような塩が分解し
て生成する酸化物が目的とする固相反応を促進す
るのに効果を発揮するからである。なお、かかる
二つのフエライト部材の突き合わせ時における接
着は上述の如き酸の他、フエライト成分を含んだ
無機酸塩の水溶液も有効に用いることができ、同
様な効果を得ることが可能である。 次いで、このように単結晶系フエライト部材と
多結晶フエライト部材とを接触せしめた状態にお
いて加熱することにより、それらフエライト部材
は固相反応にて直接に一体的に接合せしめられ、
その後多結晶フエライト部材の単結晶化が行なわ
れることとなるが、そのような一体的の接合と多
結晶フエライト部材の単結晶化は同時に連続的に
行なわれることとなる。すなわち、先ず固相反応
によるフエライトの焼結は約1100℃の温度で進行
するものであるところから、前述の如き単結晶系
フエライト部材と多結晶フエライト部材の当接部
(面)の直接的な一体接合は、1100℃以上の温度
に加熱せしめることが必要である。 また、この固相反応による接合に続いて行なわ
れる単結晶化操作において、フエライト単結晶が
多結晶フエライト部材側に成長する温度は、多結
晶フエライト部材において不連続粒子成長の起こ
る温度未満である。従つて、上記の接合体を、不
連続粒成長温度よりも或る程度低い温度下で加熱
することによつて、単結晶系フエライト部材のフ
エライト単結晶を多結晶フエライト部材側に結晶
成長させてフエライト単結晶を育成せしめること
により、かかる多結晶フエライト部材の大きな部
分を或いはその全体を単結晶化せしめることが可
能である。 なお、かかる単結晶系フエライト部材と多結晶
フエライト部材の組合わせ物(仮接着物)に対す
る上記固相反応及び単結晶化を行なうための加熱
は、一般に、加熱炉内において行なわれることと
なるが、この加熱炉内の雰囲気はフエライトの特
性を維持する上において重要であり、注意を払う
必要がある。けだし、酸化あるいは還元によつて
フエライトの特性が著しく劣化するからであり、
それ故酸素分圧がフエライトと平衡させた、所謂
平衡酸素分圧の雰囲気とすることが重要である。
しかしながら、この酸素分圧の制御は極めて難し
く、それ故一般には、かかるフエライト部材の組
合わせ物をアルミナ等のセラミツクス製匣鉢内に
入れて、加熱せしめることが、簡便で採用の容易
な手段である。また、このアルミナ等のセラミツ
クスからなる匣鉢内に、かかるフエライト部材の
組合わせ物を入れると共に、雰囲気調整用のダミ
ー材として、接合しようとするフエライト部材と
同一のフエライト部材粉末或いはフエライト板等
を入れておくことが好ましい。そのようなダミー
材としてのフエライト材料が、加熱中、酸素を放
出したり、吸収したりして、匣鉢内の酸素過不足
を調整する作用があるからである。 そして、このようにして得られた単結晶フエラ
イト体、即ち単結晶系フエライト部材−多結晶フ
エライト部材接合体の単結晶化物は、組成が均質
で、従つて磁気特性が安定しており、またブリツ
ヂマン法で得た単結晶体に見られる如き白金粒等
の析出物が存在しない特徴を備えており、また母
材としての多結晶フエライト部材が常圧焼結法に
て作製されるものであるために、コスト的に、他
の手法に比べて安価であり、大型装置を必要とせ
ず、また工程としても簡単である等の特徴を有し
ている。 また、本発明に従つて得られる単結晶フエライ
ト体の組成を、60〜68モル%の酸化第二鉄と10〜
20モル%の酸の酸化亜鉛と30〜12モル%の酸化マ
ンガンとからなる組成のMn−Zn系フエライト組
成とすることにより、飽和磁束密度B10を5800G
以上、好ましくは6000G以上の単結晶フエライト
体を得ることができ、これは高保持力の磁気記録
媒体であるメタルテープや蒸着テープ等の記録・
再生用ヘツド材料として、有利に用いられ得るも
のである。 なお、本発明における気孔率とは、試料の任意
の切断面における気孔の占める面積を百分率にし
て示したものであり、具体的には次のようにして
求められることとなる。即ち、所定の試料の任意
の切断面に対して研磨を施し、そしてその研磨面
を金属顕微鏡を用いて1000倍の倍率にて検査し
て、視野中の気孔径:dと、その個数:nを測定
し、全視野面積に対する気孔面積より気孔率を測
定し、下式に従つて、気孔率:P%を求めるもの
である。 P(%)= 〓i π(di/22ni/測定面積×100 但し、di:気孔径(長径) ni:気孔径diの気孔数 また、本発明におけるフエライト化率とは、フ
エライト相の重量%を示したものであり、調合時
のヘマタイト相の重量と、仮焼後のヘマタイト相
の重量を測定し、消滅したヘマタイトが全てフエ
ライト相になつたとして算出したものである。 さらに、飽和磁束密度B10とは、10Oeの磁場中
における飽和磁束密度を示す。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の幾つかの実施例を示すが、本発明が
そのような実施例の記載によつて何等制限的に解
釈されるものでないことは、言うまでもないとこ
ろである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも各種の態様におい
て実施され得るものであり、本発明の趣旨を逸脱
しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて実
施され得る種々なる態様のものが何れも本発明の
範疇に属するものと理解されるべきである。 実施例 1 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:61.0%、炭酸マンガン:27.0%、
酸化亜鉛:12.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1000℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が0.1%の窒素雰囲気とした。次いで、40℃/hr
の昇温速度で昇温し、1200℃で2時間保持するこ
とにより、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘ
マタイト相を消滅させた。なお、1100℃に昇温直
後の焼成体及び1200℃で2時間保持後の焼成体を
途中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折
法により調べたところ、前者ではヘマタイト相が
残つているのに対し、後者では100%フエライト
相となつており、この間にヘマタイト相が消滅し
ていることを確認した。また、この焼成の間、焼
成雰囲気は酸素濃度が1%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温温度で1300℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は、酸素濃度5%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:9.8μm、気孔率:0.01%、不連続粒成長温
度:1340℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1340℃よ
り低い1320℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.01%で
あつた。 実施例 2 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:62.5%、炭酸マンガン:26.5%、
酸化亜鉛:11.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1000℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が0.5%の窒素雰囲気とした。次いで、40℃/hr
の昇温速度で昇温し、1220℃で2時間保持するこ
とにより、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘ
マタイト相を消滅させた。なお、1100℃の昇温直
後の焼成体及び1220℃で2時間保持後の焼成体を
途中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折
法により調べたところ、前者ではヘマタイト相が
残つているのに対し、後者では100%フエライト
相となつており、この間にヘマタイト相が消滅し
ていることを確認した。また、この焼成の間、焼
成雰囲気は酸素濃度が1%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温速度で1300℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は、酸素濃度3%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:8.9μm、気孔率:0.008%、不連続粒成長温
度:1350℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組成の不連続粒成長温度である1350℃よ
り低い1330℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.08%で
あつた。 実施例 3 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:63.5%、炭酸マンガン:22.5%、
酸化亜鉛:14.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1000℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が1%の窒素雰囲気とした。次いで、40℃/hrの
昇温速度で昇温し、1200℃で2時間保持すること
により、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘマ
タイト相を消滅させた。なお、1100℃の昇温直後
の焼成体及び1220℃で2時間保持後の焼成体を途
中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折法
により調べたところ、前者ではヘマタイト相が残
つているのに対し、後者では100%フエライト相
となつており、この間にヘマタイト相が消滅して
いることを確認した。また、この焼成の間、焼成
雰囲気は酸素濃度が1%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温速度で1350℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は、酸素濃度1%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:10.2μm、気孔率:0.008%、不連続粒成長
温度:1420℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組成の不連続粒成長温度である1420℃よ
り低い1400℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.008%
であつた。 実施例 4 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:65.0%、炭酸マンガン:25.0%、
酸化亜鉛:10.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1050℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1050℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が3%の窒素雰囲気とした。次いで、40℃/hrの
昇温速度で昇温し、1220℃で2時間保持すること
により、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘマ
タイト相を消滅させた。なお、1100℃の昇温直後
の焼成体及び1220℃で2時間保持後の焼成体を途
中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折法
により調べたところ、前者ではヘマタイト相が残
つているのに対し、後者では100%フエライト相
となつており、この間にヘマタイト相が消滅して
いることを確認した。また、この焼成の間、焼成
雰囲気は酸素濃度が1%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温速度で1350℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は、酸素濃度1%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:9.2μm、気孔率:0.009%、不連続粒成長温
度:1380℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1380℃よ
り1360℃において3時間加熱せしめることによ
り、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト部
材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降温
は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反応
雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃以
上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.01%で
あつた。 実施例 5 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:66.5%、炭酸マンガン:17.0%、
酸化亜鉛:16.5%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1000℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が10%の窒素雰囲気とした。次いで、40℃/hrの
昇温速度で昇温し、1200℃で2時間保持すること
により、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘマ
タイト相を消滅させた。なお、1100℃に昇温直後
の焼成体及び1200℃で2時間保持後の焼成体を途
中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折法
により調べたところ、前者ではヘマタイト相が残
つているのに対し、後者では100%フエライト相
となつており、この間にヘマタイト相が消滅して
いることを確認した。また、この焼成の間、焼成
雰囲気は酸素濃度が3%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温速度で1350℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は酸素濃度0.5%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:10.5μm、気孔率:0.008%、不連続粒成長
温度:1410℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1410℃よ
り低い1390℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.008%
であつた。 実施例 6 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:67.5%、炭酸マンガン:20.5%、
酸化亜鉛:12.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは35℃/hrの昇温速度で昇
温し、更にその後1100℃の温度で4時間保持し
た。なお、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度
が20%の窒素雰囲気とした。次いで、35℃/hrの
昇温速度で昇温し、1250℃で2時間保持すること
により、第一の焼成操作を続け、成形体中のヘマ
タイト相を消滅させた。なお、1100℃に昇温直後
の焼成体及び1250℃で2時間保持後の焼成体を途
中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折法
により調べたところ、前者ではヘマタイト相が残
つているのに対し、後者では100%フエライト相
となつており、この間にヘマタイト相が消滅して
いることを確認した。また、この焼成の間、焼成
雰囲気は酸素濃度が5%の窒素雰囲気とした。 更にその後、150℃/hrの昇温速度で1370℃ま
で昇温し、その温度に8時間保持することによ
り、第二の焼成操作を実施した。また、この焼成
の間、焼成雰囲気は酸素濃度0.3%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:10.3μm、気孔率:0.01%、不連続粒成長温
度:1430℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1430℃よ
り低い1400℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.01%で
あつた。 比較例 1 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:58.0%、炭酸マンガン:24.0%、
酸化亜鉛:18.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、その後1000℃の温度で4時間保持した。な
お、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度が0.05
%の窒素雰囲気とした。更にその後、40℃/hrの
昇温速度で昇温し、そして1200℃の温度で2時間
保持した。なお、1100℃に昇温直後の焼成体を途
中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折法
により調べたところ、100%フエライト相となつ
ており、すでにヘマタイト相が消滅していること
を確認した。この間、焼成雰囲気は酸素濃度が
0.5%の窒素雰囲気とした。 次いで、150℃/hrの昇温速度で1300℃まで昇
温し、その温度に8時間保持することにより、最
終的な焼成操作を実施した。また、この焼成の
間、焼成雰囲気は酸素濃度10%の窒素雰囲気とし
た。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の冷却
工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフエラ
イト焼成体(多結晶フエライト部材)を得た。こ
の得られた多結晶フエライト部材は、平均粒径:
10.5μm、気孔率:0.03%、不連続粒成長温度:
1470℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1470℃よ
り低い1450℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.03%で
あつた。 比較例 2 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:70.0%、炭酸マンガン:15.0%、
酸化亜鉛:15.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、その後1000℃の温度で4時間保持した。な
お、この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度が30%
の窒素雰囲気とした。更にその後、40℃/hrの昇
温速度で昇温し、そして1200℃の温度で2時間保
持した。なお、1200℃に2時間保持した焼成体を
途中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回折
法により調べたところ、ヘマタイト相が残つてお
り、この間にフエライト化が完了しないことを確
認した。この焼成の間、焼成雰囲気は酸素濃度が
5%の窒素雰囲気とした。 次いで、150℃/hrの昇温速度で1300℃まで昇
温し、その温度に8時間保持することにより、最
終的な焼成操作を実施した。また、この焼成の
間、焼成雰囲気は、酸素濃度0.1%の窒素雰囲気
とした。そして、かかる焼成の後、1100℃以下の
冷却工程を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフ
エライト焼成体(多結晶フエライト部材)を得
た。この得られた多結晶フエライト部材は、平均
粒径:10.3μm、気孔率:0.05%、不連続粒成長温
度:1460℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組成の不連続粒成長温度である1460℃よ
り1430℃において3時間加熱せしめることによ
り、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト部
材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降温
は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反応
雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃以
上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.05%で
あつた。 比較例 3 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:52.5%、炭酸マンガン:31.0%、
酸化亜鉛:16.5%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、その後1000℃の温度で4時間保持し、この
間10-3torr以下の真空雰囲気とした。なお、この
1000℃で4時間焼成した焼成体を途中で取り出
し、焼成体内部の切断面をX線回折法により調べ
たところ、100%フエライト相となつており、す
でにヘマタイト相が消滅していることを確認し
た。その後、更に40℃/hrで昇温し、1200℃で2
時間保持し、この間10-3torr以下の真空雰囲気と
した。 次に、150℃/hrの昇温速度で1300℃まで昇温
し、その温度に8時間保持することにより、最終
的な焼成操作を実施した。また、この焼成の間、
焼成雰囲気は酸素濃度1%の窒素雰囲気とした。
そして、かかる焼成の後、1100℃以下の冷却工程
を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフエライト
焼成体(多結晶フエライト部材)を得た。この得
られた多結晶フエライト部材は、平均粒径:
8.5μm、気孔率:0.008%、不連続粒成長温度:
1420℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1370℃よ
り低い1350℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.008%
であつた。 比較例 4 モル比で、水熱合成マグネタイトを焙焼して得
た酸化第二鉄:63.5%、炭酸マンガン:22.5%、
酸化亜鉛:14.0%からなる組成のフエライト原料
粉末混合物を、空気中において約1000℃の温度で
2時間仮焼した後、粉砕し、所定の形状に成形を
行なつた。 そして、この得られた成形体(フエライト素
材)を、次のように焼成した。即ち、先ず室温か
ら800℃までは150℃/hrの昇温速度で、そして
800℃から1000℃までは40℃/hrの昇温速度で昇
温し、その後1000℃の温度で4時間保持し、この
間10-3torr以下の真空雰囲気とした。その後更
に、40℃/hrで昇温し、そして1200℃の温度で2
時間保持し、この間10-3torr以下の真空雰囲気と
した。なお、この1000℃で4時間保持した焼成体
を途中で取り出し、焼成体内部の切断面をX線回
折法により調べたところ、100%フエライト相と
なつており、すでにヘマタイト相が消滅している
ことを確認した。 次に、150℃/hrの昇温速度で1300℃まで昇温
し、その温度に8時間保持することにより、最終
的な焼成操作を実施した。また、この焼成の間、
焼成雰囲気は酸素濃度1%の窒素雰囲気とした。
そして、かかる焼成の後、1100℃以下の冷却工程
を窒素雰囲気中で行ない、目的とするフエライト
焼成体(多結晶フエライト部材)を得た。この得
られた多結晶フエライト部材は、平均粒径:
9.8μm、気孔率:0.06%、不連続粒成長温度:
1500℃であつた。 また、この得られた多結晶フエライト部材を、
5mm×10mm×20mmの大きさに切断加工し、その一
面を平滑度Rnax:0.05μmに研磨する一方、同組
成の単結晶フエライト部材の111面を5mm×10mm
×2mmの寸法で同様に研磨して、それらの研磨面
(5mm×10mmの寸法の面)同士を1Nの硝酸水溶液
にて接合せしめた。 次いで、この接合体を、多結晶フエライト部材
の多結晶組織の不連続粒成長温度である1500℃よ
り低い1480℃において3時間加熱せしめることに
より、固相反応を惹起させて、多結晶フエライト
部材の単結晶化を進行させた。この時の昇温・降
温は300℃/hrの速度で行ない、またその際の反
応雰囲気は、1100℃以下では窒素雰囲気、1100℃
以上では酸素濃度5%の窒素雰囲気とした。そし
て、この固相反応により、接合体全体が一つのフ
エライト単結晶体となり、その気孔率は0.06%で
あつた。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多結晶フエライト部材と少なくとも一部が単
    結晶である単結晶系フエライト部材とを接触させ
    て加熱せしめることにより、該単結晶系フエライ
    ト部材のフエライト単結晶を前記多結晶フエライ
    ト部材側に結晶成長させてフエライト単結晶を育
    成し、単結晶フエライト体を形成せしめるに際し
    て、 前記多結晶フエライト部材として、(a)酸化
    第二鉄が60〜68モル%の割合で含まれ且つフエラ
    イト相と共にヘマタイト相を有するフエライト素
    材を、0.01〜50%の酸素濃度の雰囲気中において
    前記ヘマタイト相を漸次減少せしめつつ焼成し、
    そして1100〜1250℃の温度領域において該ヘマタ
    イト相を削滅させる第一の焼成工程と、(b)か
    かるヘマタイト相の削滅させられたフエライト素
    材を、0.1〜100%の酸素濃度の雰囲気中におい
    て、1250℃よりも高い温度下で焼成して、その緻
    密化を行なう第二の焼成工程とを経て得られた多
    結晶フエライト体を用いることを特徴とする単結
    晶フエライト体の製造法。 2 前記第一の焼成工程が複数段の昇温工程を含
    み、その最後の昇温工程によつて前記フエライト
    素材が1100〜1250℃の温度に加熱されて、該フエ
    ライト素材中のヘマタイト相が消滅せしめられる
    特許請求の範囲第1項記載の単結晶フエライト体
    の製造法。 3 前記第一の焼成工程において、前記フエライ
    ト素材が少なくとも800℃の温度に加熱せしめら
    れて、該フエライト素材中のヘマタイト相が減少
    させられる特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の単結晶フエライト体の製造法。 4 前記フエライト素材が、モル比で、60〜68%
    の酸化第二鉄と10〜20%の酸化亜鉛と30〜12%の
    酸化マンガンとからなる組成を有するものである
    特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れかに記載
    の単結晶フエライト体の製造法。 5 前記フエライト素材が、モル比で、63〜65%
    の酸化第二鉄と10〜15%の酸化亜鉛と27〜20%の
    酸化マンガンとからなる組成を有するものであ
    り、そして前記第一の焼成工程における焼成雰囲
    気中の酸素濃度が0.1〜10%とされ、且つ前記第
    二の焼成工程における焼成雰囲気中の酸素濃度が
    1〜20%とされる特許請求の範囲第1項乃至第3
    項の何れかに記載の単結晶フエライト体の製造
    法。
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