JPH044308B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH044308B2 JPH044308B2 JP62072589A JP7258987A JPH044308B2 JP H044308 B2 JPH044308 B2 JP H044308B2 JP 62072589 A JP62072589 A JP 62072589A JP 7258987 A JP7258987 A JP 7258987A JP H044308 B2 JPH044308 B2 JP H044308B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lysine
- phenylpropyl
- formula
- carboxy
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、N2−(1−カルボキシ−3−フエニ
ルプロピル)−L−リジン誘導体、とりわけ下記
の光学活性なN2−(1−(S)−カルボキシ−3−
フエニルプロピル)−L−リジン誘導体()の
効率的な製造法に関するものであり、 〔式中、R1はアルキル基を表わし、R2はアシ
ル型保護基を表わす。星印(*)は不斉炭素につ
いて(S)配置を表わす。〕 優れたアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻
害活性のため、抗高血圧剤としての利用が期待さ
れているN2−(1−(S)−エトキシカルボニル−
3−フエニルプロピル)−L−リジル−L−プロ
リン() 〔式中、星印(*)は不斉炭素について(S)
配置を示す〕の製造中間体として極めて有用な
N2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエニルプロ
ピル)−L−リジン誘導体を工業的に有利に製造
することを目的とする。 (従来の技術) N2−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピ
ル)−L−リジン誘導体の製造法としては、既に
次式に示す如く、β−ベンゾイルアクリル酸エチ
ル()とL−リジンエステル誘導体(N6−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−リジンベンジルエ
ステル())とを触媒量のトリエチルアミン存
在下、いわゆるマイケル(Michael)付加反応せ
しめ、ジアステレオマー混合物であるN2−(1−
エトキシカルボニル−3−オキソ−3−フエニル
プロピル)−N6−ベンジルオキシカルボニル−L
−リジンベンジルエステル()とした後、結晶
化操作によつて目的とする立体配置を有するN2
−(1−(S)−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−N6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジンベンジルエステル(−
a)を得、更にこれをパラジウム炭素を触媒とし
た接触還元に付してN2−(1−(S)−エトキシカ
ルボニル−3−フエニルプロピル)−L−リジン
()とした後、リジン側鎖のアミノ基を保護す
るためにクロロ蟻酸ベンジルエステルと反応せし
め、生成物をシリカゲルクロマトグラフイーによ
り精製してN2−(1−(S)−エトキシカルボニル
−3−フエニルプロピル)−N6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジン()を得る方法(特開
昭58−103364)が知られている。 (発明が解決しようとする題題点) しかしながら、このL−リジンエステル誘導体
を用いる方法では、L−リジン誘導体のエステル
化操作に加え、エステル化時に使用した酸と塩を
形成したN6−ベンジルオキシカルボニル−L−
リジンベンジルエステルのα−アミノ基部分を遊
離化させる操作が必要であり、更にこのエステル
部分は最終的にβ−ベンゾイルアクリル酸エチル
に由来するエチルエステル部分を安定に保ちつつ
選択的に除去可能な基でなければならないため、
自ずからベンジルエステルもしくはtert−ブチル
エステルなど比較的調製に手間どるエステルに限
定される。また、リジンは側鎖にアミノ基を有す
る塩基性アミノ酸であるため、α位のアミノ基の
み反応せしめるためには、ε位のアミノ基は通常
ペプチド合成に利用される保護基により保護して
おくことが好ましいが、保護基としてベンジルオ
キシカルボニル基を用いると、(−a)から
()への還元反応の際に水素化分解されて脱離
する。()を更なる反応に供するためには、リ
ジン残基のεアミノ基部分を保護することが好ま
しいため、再びクロロ蟻酸ベンジルエステルを用
いてベンジルオキシカルボニル基の導入を実施し
ているが、()はリジン残基のε−アミノ基の
他、α−アミノ基も反応性を有するため副生成物
の生成は避け難い。そのためシリカゲルカラムで
精製して得られる()の()に対するモル収
率は42%と低調であり、N6−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−リジンベンジルエステルからの総
合収率も15.8%と、加工度の高い原料を使用する
にもかかわらず低収率であり、N2−(1−カルボ
キシ−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導
体の工業的製造法としては操作性および経済性に
おいて種々の難点を有している。 (問題を解決するための手段及び作用効果) 本発明者らは先に、多くのアンジオテンシン変
換酵素阻害剤(ACEI)に共通の製造中間体とし
て極めて有用なN−(1−(S)−エトキシカルボ
ニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−L
−アラニン及びN−(1−(S)−エトキシカルボ
ニル−3−フエニルプロピル)−L−アラニンを
経済的かつ効率的に製造する方法を(特開昭61−
178954号)、各種ACEIの合成に効率的に利用す
るための反応性誘導体として、N−(1−(S)−
エトキシカルボニル−3−フエニルプロピル)−
L−アラニルクロリド・無機酸塩と、その効率的
な製造法(特開昭62−48655号)、またN−(1−
(S)−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−L−アラニンを利用して、ACEIの1つで
優れた効果が期待されているN−(1−(S)−エ
トキシカルボニル−3−フエニルプロピル)−L
−アラニル−L−プロリン(エナラプリル)を経
済的かつ効率的に製造する方法(特開昭62−
48696号)を特許出願した。本発明者らは、これ
ら技術を背景にアンジオテンシン変換酵素阻害剤
として極めて優れた薬効が期待されているN2−
(1−(S)−カルボキシ−3−フエニルプロピル)
−L−リジル−L−プロリン(リジノプリル)の
合成中間体として極めて有用なN2−(1−(S)−
カルボキシ−3−オキソ−3−フエニルプロピ
ル)−L−リジン誘導体()及びこれを還元し
てなるN2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエニ
ルプロピル)−L−リジン誘導体()の簡便か
つ経済性にすぐれ、効率的な工業的製造法を確立
すべく検討を重ねた結果、一般式() 〔式中、R1はアルキル基を表わす〕で示され
るβ−ベンゾイルアクリル酸誘導体と、一般式
() 〔式中、R2はアシル型保護基を表わす〕で示
されるL−リジン誘導体とを、L−リジン誘導体
と当量の塩基を加えて反応させることにより、極
めて高収率にN2−(1−カルボキシ−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
()が得られること、さらに特定の制御された
反応条件下で反応を行なうことにより新たに生成
する不斉炭素の立体配置は、目的とする(S)配
置を不用の(R)配置に比較して極めて優先的に
生成させうることを見い出すと共に、生成物であ
るN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体を接触水素化
分解することにより容易にN2−(1−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
()を製造できることを明らかにし、本発明を
完成するに至つた。本発明を式で示すと下記のよ
うになる。 〔R1およびR2は前記と同じ基を表わす〕 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明の出発物質の1つであるβ−ベンゾイル
アクリル酸誘導体にはトランス体とシス体が存在
するが、トランス体はベンゼンと無水マレイン酸
のフリーデルクラフツアシル化反応、或いはグリ
オキシル酸とアセトフエノンの脱水縮合といた公
知の方法により得られるtrans−β−ベンゾイル
アクリル酸をエステル化するなどして容易に得ら
れる。またシス体はトランス体を光照射により異
性化して調製することができる。トランス体及び
シス体いずれの異性体も本発明の付加反応に利用
されるが、工業的利用の面からは加工度の低いト
ランス体が好ましい。 R1は、接触水素化分解に安定なアルキル基が、
3−オキソ基の接触水素化分解の際にも脱離しな
いので化合物()を更に反応に供する際にはと
くに有利である。これらの基としてはメチル基,
エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,
n−ブチル基,tert−ブチル基などのC1〜C4程度
のアルキル基が使用できる。ベンジル基,ニトロ
ベンジル基,メトキシベンジル基は接触水素化分
解で脱離するので、この目的にはそぐわない。 もう一つの原料であるL−リジン誘導体はL−
リジンのα位とε位に2個のアミノ基を有するた
め、アミノ基を保護しないで付加反応に使用する
と反応は進行するが、α位のアミノ基が付加反応
した目的物の他にε位のアミノ基が反応した副生
成物が多量生成し、目的化合物の割合は50%程に
なる。従つてα位のアミノ基のみ反応せしめるに
は、ε位のアミノ基は通常ペプチド合成に利用さ
れる保護基により保護しておくことが好ましい。 N−保護基としては、トリフルオロアセチル
基、フオルミル基、フタロイル基といつたアシル
型保護基が接触水素化分解に対して安定で、接触
水素化分解の際にも脱離しないので、化合物
()を更に反応に供する場合、有利である。 εアミノ基を保護したリジンは、他の中性アミ
ノ酸と同様に両性イオンとして存在し、α−アミ
ノ基はプロトン化されているため求核性を有さ
ず、そのままではβ−ベンゾイルアクリル酸に対
して反応性を示さない。一般に両性イオンとして
存在する中性アミノ酸は溶液のPHによつて下記の
ようにイオン化の状態が変化することが知られて
いる。 H3N+−CH(R)−COOH−H+(pK′a1) ―――――――――→ ←――――――――― +H+ H3N+−CH(R)−COO- −H+(pK′a2) ―――――――――→ H2N−CH(R)−COO- 〔Rはアミノ酸の側鎖を表わす〕 ε−アミノ基を保護したリジンは、塩基を添加
することによりアニオン化し、アミン成分として
働くようになる。すなわち、この場合実質的に反
応しうるのは、ε−アミノ基を保護したリジンと
塩基との塩であると考えられる。塩基の使用量と
しては、ε−アミノ基を保護したリジンに対し化
学量論的に当量用いることが好ましい。 反応に供する塩基としてはアルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭
酸塩、四級アンモニウム水酸化物、アミンまたは
アンモニアが挙げられる。四級アンモニウム水酸
化物としてはテトラメチルアンモニウム、テトラ
エチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、テトラアミルア
ンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テト
ラオクチルアンモニウム、ベンジルトリメチルア
ンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、
セチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチ
ルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウ
ム、オクチルトリメチルアンモニウム、フエニル
トリメチルアンモニウム、トリメチルステアリル
アンモニウム、β−ヒドロキシエチルトリメチル
アンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウ
ム、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム
などが、アミンとしてはメチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルア
ミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、
ヘプチルアミン、オクチルアミン、アリルアミ
ン、α−フエニルエチルアミン、β−フエニルエ
チルアミンなどの一級アミン;ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルア
ミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、ジアリルアミン、モルホリ
ン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミンなどの二
級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ト
リアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリアリ
ルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモ
ルホリン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレン
ジアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどの三
級アミンが挙げられる。 リジンのε−アミノ基の保護基がこれら塩基に
対して安定である場合は、予めこれら塩基とε−
アミノ基を保護したリジンとを、水またはアルコ
ール類を溶媒として室温或いは加温下撹拌すると
いつた簡便な操作で塩とした後、ベンゾイルアク
リル酸誘導体と反応させることが可能である。ま
た、ベンゾイルアクリル酸誘導体とε−アミノ基
を保護したリジンの混合物中に、これら塩基を化
学量論的必要量添加して、反応系において、
insituに塩を形成させながらマイルドに反応させ
ることも可能である。 β−ベンゾイルアクリル酸誘導体とε−アミノ
基を保護したリジンとを、塩基を使用して反応さ
せるマイケル付加反応の反応溶媒としては水ある
いはメタノール,エタノール,プロパノール,ブ
タノールなどのアルコール類、ジオキサン,テト
ラヒドロフランなどのエーテル類の他、n−ヘキ
サン,アセトニトリルなど、またはこれらの混合
溶媒を使用することができるが、通常はアルコー
ル−水系溶媒を用いるのが適当である。反応はア
ルコール−水系溶媒を用いた場合極めてすみやか
に進行し、通常室温下数分ないし1時間内に完結
する。 β−ベンゾイルアクリル酸誘導体とL−リジン
誘導体とのマイケル付加反応において、目的とす
る(S,S)配置のN2−(1−(S)−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体の
生成率を選択的に高める好ましい条件は、反応試
剤の組み合せにより異なるが、大きく影響を及ぼ
す要因としては、反応温度、PH、L−リジン誘導
体のε−アミノ基の保護基の種類及び使用する塩
基の種類が挙げられる。反応温度は特に限定され
ず広範囲で行なえるが、生成するN2−(1−カル
ボキシ−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−
L−リジン誘導体を反応系のようなアルカリ条件
下に放置すると、経時的な生成物の減少あるいは
ジアステレオマー間の組成比の変化が認められる
場合がある。ジアステレオマー間の組成比の変化
は反応中にも充分起こり得るため、(S,S)配
置の()の生成率を維持するためには通常反応
温度を25℃以下、とりわけ15℃以下にするのが好
ましい。しかし反応終了後、使用したアルカリ、
四級アンモニウムあるいは弱塩基に対し当量以上
の酸、特に塩酸、硫酸のような鉱酸を加えて系を
酸性化すると生成物の変化は認められなくなり安
定し、その後の操作が容易となる。 N2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体の単離は、常
法どおり、アルカリを酸で中和後、溶媒を減圧溜
去することによつて容易になし得るが、必要とあ
らば中和後、溶媒を減圧溜去して溶剤により抽出
して単離することも可能である。また、その塩酸
塩や硫酸塩として単離することも可能である。さ
らに単離しないでそのまま還元作用に移り、N2
−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L
−リジン誘導体として単離することも可能であ
る。 具体的な例として、trans−β−ベンゾイルア
クリル酸エチルとε−トリフルオロアセチル−L
−リジンをエタノール−水系で反応させる場合、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが適しており、とりわけ水酸化リ
チウムを使用すると(S,S)体/(R,S)体
=82/18という極めて高い選択性で目的とする
(S,S)体のN−(1−(S)−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジンを得ることが
できる。また反応温度は10℃以下にするとジアス
テレオマー間の組成比の変化はほとんど認められ
ない。 付加反応後は、反応系に速やかに塩酸、硫酸な
どの酸を加え、生成したN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−フエニルプロピル)−N6−トリフル
オロアセチル−L−リジンのアルカリ塩をN2−
(1−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジンあ
るいはその塩酸塩、硫酸塩に変換し、常法により
安定的に単離できる。また、反応液に使用したア
ルカリに対して当量以上の塩酸または硫酸を加
え、N2−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−N6−トリフルオロア
セチル−L−リジンとして単離することなく、次
の還元操作を連続的に実施することもできる。 N2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体のN2−(1−
カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L−リジ
ン誘導体への接触水素化分解は、適当量の酸(硫
酸,塩酸,ギ酸など)の存在下、例えば水,アル
コール類、酢酸のような極性のプロトン性溶媒
中、穏やかに収率よく進行する。適当な触媒とし
てはパラジウム、ラネーニツケル等が挙げられ
る。N2−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニル)−N6−トリフルオロアセチル−
L−リジンの場合、エタノール等のアルコールを
溶媒とし、酸の存在下、触媒としてパラジウムカ
ーボンを適当量加え、0℃〜60℃、好ましくは5
℃〜40℃で水素添加し、数時間〜24時間反応させ
ることによりほぼ定量的にN2−(1−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−N6−トリフルオロア
セチル−L−リジンに変換することができる。還
元反応終了後は、触媒を分離後、アルカリで酸を
中和し、溶媒を除去後、抽出等の操作により容易
に単離することが可能であり、必要であれば再結
晶操作により目的とする(S,S)配置の化合物
を得ることも可能である。 以上のようにして得られるN2−(1−カルボキ
シ−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
とりわけN2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体は、酸クロリ
ド法、NCA法、活性エステル法、混合酸無水物
法など通常ペプチド合成に用いられる公知の方法
により容易にリジノプリル誘導体へと導くことが
可能である。 (発明の効果) 以上の説明で明らかな如く、本発明は抗高血圧
剤としてその将来性が注目されているN2−(1−
(S)−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L
−リジル−L−プロリン(リジノプリル)の合成
中間体として極めて有用なN2−(1−カルボキシ
−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−L−リ
ジン誘導体、とりわけその光学活性体であるN2
−(1−(S)−カルボキシ−3−オキソ−3−フ
エニルプロピル)−L−リジン誘導体及びこれら
を還元してなる化合物を安価にかつ高収率に与え
るものであり、リジノプリルの経済的かつ効率的
な工業的製造に極めて有利な方法を提供するもの
である。 (実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。 定量分析は、高速液体クロマトグラフイー
(HPLC)によつて実施した。前記した如く、N2
−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエニル
プロピル)−L−リジン誘導体はアルカリ性で若
干不安定で、(S,S)体は(R,S)体に熱力
学的に変換しやすいことから、被検液は充分酸性
化して組成変化を停止した後、分析に供した。ま
た分析には原則として下記条件を使用し、(S,
S)体、(R,S)体を完全に分離定量した。但
しN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体の極性に応じ、
移動相の溶媒比は適宜調整して使用した。 カラム:Finepak SIL C18-5(日本分光(株)製) 4.6mmID×250mm 移動相:60mMリン酸緩衝液(PH2.5)/アセニ
トリル=75/25(v/v) 両 速:1.2ml/min 検 出:210nm 内部標準:5−ベンジルヒダントイン 実施例 1 trans−β−ベンゾイルアクリル酸エチル(以
下t−EBAとする)40.8mgをエタノール/水=
3/1の溶液2.0mlに溶解し、これにN6−トリフ
ルオロアセチル−L−リジン(以下L−Lys
(Tfa)とする)48.4mgを加えた懸濁液に表1に
示すアルカリ金属水酸化物(0.2mmole)または
アルカリ土類金属水酸化物(0.1mmole)を含む
水溶液あるいは懸濁液0.2ml、氷冷下、迅速に加
えて、そのまま30分間撹拌後、酸を添加して反応
を停止させて、HPLCにて生成物の分析を実施
し、以下に示すようなN2−(1−エトキシカルボ
ニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6
−トリフルオロアセチル)−L−ジンの生成を認
めた。
ルプロピル)−L−リジン誘導体、とりわけ下記
の光学活性なN2−(1−(S)−カルボキシ−3−
フエニルプロピル)−L−リジン誘導体()の
効率的な製造法に関するものであり、 〔式中、R1はアルキル基を表わし、R2はアシ
ル型保護基を表わす。星印(*)は不斉炭素につ
いて(S)配置を表わす。〕 優れたアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻
害活性のため、抗高血圧剤としての利用が期待さ
れているN2−(1−(S)−エトキシカルボニル−
3−フエニルプロピル)−L−リジル−L−プロ
リン() 〔式中、星印(*)は不斉炭素について(S)
配置を示す〕の製造中間体として極めて有用な
N2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエニルプロ
ピル)−L−リジン誘導体を工業的に有利に製造
することを目的とする。 (従来の技術) N2−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピ
ル)−L−リジン誘導体の製造法としては、既に
次式に示す如く、β−ベンゾイルアクリル酸エチ
ル()とL−リジンエステル誘導体(N6−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−リジンベンジルエ
ステル())とを触媒量のトリエチルアミン存
在下、いわゆるマイケル(Michael)付加反応せ
しめ、ジアステレオマー混合物であるN2−(1−
エトキシカルボニル−3−オキソ−3−フエニル
プロピル)−N6−ベンジルオキシカルボニル−L
−リジンベンジルエステル()とした後、結晶
化操作によつて目的とする立体配置を有するN2
−(1−(S)−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−N6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジンベンジルエステル(−
a)を得、更にこれをパラジウム炭素を触媒とし
た接触還元に付してN2−(1−(S)−エトキシカ
ルボニル−3−フエニルプロピル)−L−リジン
()とした後、リジン側鎖のアミノ基を保護す
るためにクロロ蟻酸ベンジルエステルと反応せし
め、生成物をシリカゲルクロマトグラフイーによ
り精製してN2−(1−(S)−エトキシカルボニル
−3−フエニルプロピル)−N6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジン()を得る方法(特開
昭58−103364)が知られている。 (発明が解決しようとする題題点) しかしながら、このL−リジンエステル誘導体
を用いる方法では、L−リジン誘導体のエステル
化操作に加え、エステル化時に使用した酸と塩を
形成したN6−ベンジルオキシカルボニル−L−
リジンベンジルエステルのα−アミノ基部分を遊
離化させる操作が必要であり、更にこのエステル
部分は最終的にβ−ベンゾイルアクリル酸エチル
に由来するエチルエステル部分を安定に保ちつつ
選択的に除去可能な基でなければならないため、
自ずからベンジルエステルもしくはtert−ブチル
エステルなど比較的調製に手間どるエステルに限
定される。また、リジンは側鎖にアミノ基を有す
る塩基性アミノ酸であるため、α位のアミノ基の
み反応せしめるためには、ε位のアミノ基は通常
ペプチド合成に利用される保護基により保護して
おくことが好ましいが、保護基としてベンジルオ
キシカルボニル基を用いると、(−a)から
()への還元反応の際に水素化分解されて脱離
する。()を更なる反応に供するためには、リ
ジン残基のεアミノ基部分を保護することが好ま
しいため、再びクロロ蟻酸ベンジルエステルを用
いてベンジルオキシカルボニル基の導入を実施し
ているが、()はリジン残基のε−アミノ基の
他、α−アミノ基も反応性を有するため副生成物
の生成は避け難い。そのためシリカゲルカラムで
精製して得られる()の()に対するモル収
率は42%と低調であり、N6−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−リジンベンジルエステルからの総
合収率も15.8%と、加工度の高い原料を使用する
にもかかわらず低収率であり、N2−(1−カルボ
キシ−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導
体の工業的製造法としては操作性および経済性に
おいて種々の難点を有している。 (問題を解決するための手段及び作用効果) 本発明者らは先に、多くのアンジオテンシン変
換酵素阻害剤(ACEI)に共通の製造中間体とし
て極めて有用なN−(1−(S)−エトキシカルボ
ニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−L
−アラニン及びN−(1−(S)−エトキシカルボ
ニル−3−フエニルプロピル)−L−アラニンを
経済的かつ効率的に製造する方法を(特開昭61−
178954号)、各種ACEIの合成に効率的に利用す
るための反応性誘導体として、N−(1−(S)−
エトキシカルボニル−3−フエニルプロピル)−
L−アラニルクロリド・無機酸塩と、その効率的
な製造法(特開昭62−48655号)、またN−(1−
(S)−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−L−アラニンを利用して、ACEIの1つで
優れた効果が期待されているN−(1−(S)−エ
トキシカルボニル−3−フエニルプロピル)−L
−アラニル−L−プロリン(エナラプリル)を経
済的かつ効率的に製造する方法(特開昭62−
48696号)を特許出願した。本発明者らは、これ
ら技術を背景にアンジオテンシン変換酵素阻害剤
として極めて優れた薬効が期待されているN2−
(1−(S)−カルボキシ−3−フエニルプロピル)
−L−リジル−L−プロリン(リジノプリル)の
合成中間体として極めて有用なN2−(1−(S)−
カルボキシ−3−オキソ−3−フエニルプロピ
ル)−L−リジン誘導体()及びこれを還元し
てなるN2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエニ
ルプロピル)−L−リジン誘導体()の簡便か
つ経済性にすぐれ、効率的な工業的製造法を確立
すべく検討を重ねた結果、一般式() 〔式中、R1はアルキル基を表わす〕で示され
るβ−ベンゾイルアクリル酸誘導体と、一般式
() 〔式中、R2はアシル型保護基を表わす〕で示
されるL−リジン誘導体とを、L−リジン誘導体
と当量の塩基を加えて反応させることにより、極
めて高収率にN2−(1−カルボキシ−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
()が得られること、さらに特定の制御された
反応条件下で反応を行なうことにより新たに生成
する不斉炭素の立体配置は、目的とする(S)配
置を不用の(R)配置に比較して極めて優先的に
生成させうることを見い出すと共に、生成物であ
るN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体を接触水素化
分解することにより容易にN2−(1−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
()を製造できることを明らかにし、本発明を
完成するに至つた。本発明を式で示すと下記のよ
うになる。 〔R1およびR2は前記と同じ基を表わす〕 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明の出発物質の1つであるβ−ベンゾイル
アクリル酸誘導体にはトランス体とシス体が存在
するが、トランス体はベンゼンと無水マレイン酸
のフリーデルクラフツアシル化反応、或いはグリ
オキシル酸とアセトフエノンの脱水縮合といた公
知の方法により得られるtrans−β−ベンゾイル
アクリル酸をエステル化するなどして容易に得ら
れる。またシス体はトランス体を光照射により異
性化して調製することができる。トランス体及び
シス体いずれの異性体も本発明の付加反応に利用
されるが、工業的利用の面からは加工度の低いト
ランス体が好ましい。 R1は、接触水素化分解に安定なアルキル基が、
3−オキソ基の接触水素化分解の際にも脱離しな
いので化合物()を更に反応に供する際にはと
くに有利である。これらの基としてはメチル基,
エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,
n−ブチル基,tert−ブチル基などのC1〜C4程度
のアルキル基が使用できる。ベンジル基,ニトロ
ベンジル基,メトキシベンジル基は接触水素化分
解で脱離するので、この目的にはそぐわない。 もう一つの原料であるL−リジン誘導体はL−
リジンのα位とε位に2個のアミノ基を有するた
め、アミノ基を保護しないで付加反応に使用する
と反応は進行するが、α位のアミノ基が付加反応
した目的物の他にε位のアミノ基が反応した副生
成物が多量生成し、目的化合物の割合は50%程に
なる。従つてα位のアミノ基のみ反応せしめるに
は、ε位のアミノ基は通常ペプチド合成に利用さ
れる保護基により保護しておくことが好ましい。 N−保護基としては、トリフルオロアセチル
基、フオルミル基、フタロイル基といつたアシル
型保護基が接触水素化分解に対して安定で、接触
水素化分解の際にも脱離しないので、化合物
()を更に反応に供する場合、有利である。 εアミノ基を保護したリジンは、他の中性アミ
ノ酸と同様に両性イオンとして存在し、α−アミ
ノ基はプロトン化されているため求核性を有さ
ず、そのままではβ−ベンゾイルアクリル酸に対
して反応性を示さない。一般に両性イオンとして
存在する中性アミノ酸は溶液のPHによつて下記の
ようにイオン化の状態が変化することが知られて
いる。 H3N+−CH(R)−COOH−H+(pK′a1) ―――――――――→ ←――――――――― +H+ H3N+−CH(R)−COO- −H+(pK′a2) ―――――――――→ H2N−CH(R)−COO- 〔Rはアミノ酸の側鎖を表わす〕 ε−アミノ基を保護したリジンは、塩基を添加
することによりアニオン化し、アミン成分として
働くようになる。すなわち、この場合実質的に反
応しうるのは、ε−アミノ基を保護したリジンと
塩基との塩であると考えられる。塩基の使用量と
しては、ε−アミノ基を保護したリジンに対し化
学量論的に当量用いることが好ましい。 反応に供する塩基としてはアルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭
酸塩、四級アンモニウム水酸化物、アミンまたは
アンモニアが挙げられる。四級アンモニウム水酸
化物としてはテトラメチルアンモニウム、テトラ
エチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、テトラアミルア
ンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テト
ラオクチルアンモニウム、ベンジルトリメチルア
ンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、
セチルトリメチルアンモニウム、デシルトリメチ
ルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウ
ム、オクチルトリメチルアンモニウム、フエニル
トリメチルアンモニウム、トリメチルステアリル
アンモニウム、β−ヒドロキシエチルトリメチル
アンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウ
ム、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム
などが、アミンとしてはメチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アミルア
ミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、
ヘプチルアミン、オクチルアミン、アリルアミ
ン、α−フエニルエチルアミン、β−フエニルエ
チルアミンなどの一級アミン;ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルア
ミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、ジアリルアミン、モルホリ
ン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミンなどの二
級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ト
リアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリアリ
ルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモ
ルホリン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレン
ジアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどの三
級アミンが挙げられる。 リジンのε−アミノ基の保護基がこれら塩基に
対して安定である場合は、予めこれら塩基とε−
アミノ基を保護したリジンとを、水またはアルコ
ール類を溶媒として室温或いは加温下撹拌すると
いつた簡便な操作で塩とした後、ベンゾイルアク
リル酸誘導体と反応させることが可能である。ま
た、ベンゾイルアクリル酸誘導体とε−アミノ基
を保護したリジンの混合物中に、これら塩基を化
学量論的必要量添加して、反応系において、
insituに塩を形成させながらマイルドに反応させ
ることも可能である。 β−ベンゾイルアクリル酸誘導体とε−アミノ
基を保護したリジンとを、塩基を使用して反応さ
せるマイケル付加反応の反応溶媒としては水ある
いはメタノール,エタノール,プロパノール,ブ
タノールなどのアルコール類、ジオキサン,テト
ラヒドロフランなどのエーテル類の他、n−ヘキ
サン,アセトニトリルなど、またはこれらの混合
溶媒を使用することができるが、通常はアルコー
ル−水系溶媒を用いるのが適当である。反応はア
ルコール−水系溶媒を用いた場合極めてすみやか
に進行し、通常室温下数分ないし1時間内に完結
する。 β−ベンゾイルアクリル酸誘導体とL−リジン
誘導体とのマイケル付加反応において、目的とす
る(S,S)配置のN2−(1−(S)−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体の
生成率を選択的に高める好ましい条件は、反応試
剤の組み合せにより異なるが、大きく影響を及ぼ
す要因としては、反応温度、PH、L−リジン誘導
体のε−アミノ基の保護基の種類及び使用する塩
基の種類が挙げられる。反応温度は特に限定され
ず広範囲で行なえるが、生成するN2−(1−カル
ボキシ−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−
L−リジン誘導体を反応系のようなアルカリ条件
下に放置すると、経時的な生成物の減少あるいは
ジアステレオマー間の組成比の変化が認められる
場合がある。ジアステレオマー間の組成比の変化
は反応中にも充分起こり得るため、(S,S)配
置の()の生成率を維持するためには通常反応
温度を25℃以下、とりわけ15℃以下にするのが好
ましい。しかし反応終了後、使用したアルカリ、
四級アンモニウムあるいは弱塩基に対し当量以上
の酸、特に塩酸、硫酸のような鉱酸を加えて系を
酸性化すると生成物の変化は認められなくなり安
定し、その後の操作が容易となる。 N2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体の単離は、常
法どおり、アルカリを酸で中和後、溶媒を減圧溜
去することによつて容易になし得るが、必要とあ
らば中和後、溶媒を減圧溜去して溶剤により抽出
して単離することも可能である。また、その塩酸
塩や硫酸塩として単離することも可能である。さ
らに単離しないでそのまま還元作用に移り、N2
−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L
−リジン誘導体として単離することも可能であ
る。 具体的な例として、trans−β−ベンゾイルア
クリル酸エチルとε−トリフルオロアセチル−L
−リジンをエタノール−水系で反応させる場合、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが適しており、とりわけ水酸化リ
チウムを使用すると(S,S)体/(R,S)体
=82/18という極めて高い選択性で目的とする
(S,S)体のN−(1−(S)−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジンを得ることが
できる。また反応温度は10℃以下にするとジアス
テレオマー間の組成比の変化はほとんど認められ
ない。 付加反応後は、反応系に速やかに塩酸、硫酸な
どの酸を加え、生成したN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−フエニルプロピル)−N6−トリフル
オロアセチル−L−リジンのアルカリ塩をN2−
(1−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジンあ
るいはその塩酸塩、硫酸塩に変換し、常法により
安定的に単離できる。また、反応液に使用したア
ルカリに対して当量以上の塩酸または硫酸を加
え、N2−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−N6−トリフルオロア
セチル−L−リジンとして単離することなく、次
の還元操作を連続的に実施することもできる。 N2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体のN2−(1−
カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L−リジ
ン誘導体への接触水素化分解は、適当量の酸(硫
酸,塩酸,ギ酸など)の存在下、例えば水,アル
コール類、酢酸のような極性のプロトン性溶媒
中、穏やかに収率よく進行する。適当な触媒とし
てはパラジウム、ラネーニツケル等が挙げられ
る。N2−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニル)−N6−トリフルオロアセチル−
L−リジンの場合、エタノール等のアルコールを
溶媒とし、酸の存在下、触媒としてパラジウムカ
ーボンを適当量加え、0℃〜60℃、好ましくは5
℃〜40℃で水素添加し、数時間〜24時間反応させ
ることによりほぼ定量的にN2−(1−カルボキシ
−3−フエニルプロピル)−N6−トリフルオロア
セチル−L−リジンに変換することができる。還
元反応終了後は、触媒を分離後、アルカリで酸を
中和し、溶媒を除去後、抽出等の操作により容易
に単離することが可能であり、必要であれば再結
晶操作により目的とする(S,S)配置の化合物
を得ることも可能である。 以上のようにして得られるN2−(1−カルボキ
シ−3−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体
とりわけN2−(1−(S)−カルボキシ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体は、酸クロリ
ド法、NCA法、活性エステル法、混合酸無水物
法など通常ペプチド合成に用いられる公知の方法
により容易にリジノプリル誘導体へと導くことが
可能である。 (発明の効果) 以上の説明で明らかな如く、本発明は抗高血圧
剤としてその将来性が注目されているN2−(1−
(S)−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−L
−リジル−L−プロリン(リジノプリル)の合成
中間体として極めて有用なN2−(1−カルボキシ
−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−L−リ
ジン誘導体、とりわけその光学活性体であるN2
−(1−(S)−カルボキシ−3−オキソ−3−フ
エニルプロピル)−L−リジン誘導体及びこれら
を還元してなる化合物を安価にかつ高収率に与え
るものであり、リジノプリルの経済的かつ効率的
な工業的製造に極めて有利な方法を提供するもの
である。 (実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。 定量分析は、高速液体クロマトグラフイー
(HPLC)によつて実施した。前記した如く、N2
−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエニル
プロピル)−L−リジン誘導体はアルカリ性で若
干不安定で、(S,S)体は(R,S)体に熱力
学的に変換しやすいことから、被検液は充分酸性
化して組成変化を停止した後、分析に供した。ま
た分析には原則として下記条件を使用し、(S,
S)体、(R,S)体を完全に分離定量した。但
しN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−3−フエ
ニルプロピル)−L−リジン誘導体の極性に応じ、
移動相の溶媒比は適宜調整して使用した。 カラム:Finepak SIL C18-5(日本分光(株)製) 4.6mmID×250mm 移動相:60mMリン酸緩衝液(PH2.5)/アセニ
トリル=75/25(v/v) 両 速:1.2ml/min 検 出:210nm 内部標準:5−ベンジルヒダントイン 実施例 1 trans−β−ベンゾイルアクリル酸エチル(以
下t−EBAとする)40.8mgをエタノール/水=
3/1の溶液2.0mlに溶解し、これにN6−トリフ
ルオロアセチル−L−リジン(以下L−Lys
(Tfa)とする)48.4mgを加えた懸濁液に表1に
示すアルカリ金属水酸化物(0.2mmole)または
アルカリ土類金属水酸化物(0.1mmole)を含む
水溶液あるいは懸濁液0.2ml、氷冷下、迅速に加
えて、そのまま30分間撹拌後、酸を添加して反応
を停止させて、HPLCにて生成物の分析を実施
し、以下に示すようなN2−(1−エトキシカルボ
ニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6
−トリフルオロアセチル)−L−ジンの生成を認
めた。
【表】
実施例 2
trans−β−ベンゾイルアクリル酸エチル(以
下、t−EBAとする)204.0mgとN6−トリフルオ
ロアセチル−L−リジン254.0mgと水−EtOH5.0
mlとからなる懸濁液に、表2に示す各種アミン
1.0mmoleを0℃においてマグネチツクスターラ
ーで撹拌しながら瞬時に添加し、そのまま60分間
撹拌後、酸を添加して反応を停止させて、HPLC
にて生成物の分析を実施し以下に示すようなN2
−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−
フエニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル
−L−リジンの生成を認めた。
下、t−EBAとする)204.0mgとN6−トリフルオ
ロアセチル−L−リジン254.0mgと水−EtOH5.0
mlとからなる懸濁液に、表2に示す各種アミン
1.0mmoleを0℃においてマグネチツクスターラ
ーで撹拌しながら瞬時に添加し、そのまま60分間
撹拌後、酸を添加して反応を停止させて、HPLC
にて生成物の分析を実施し以下に示すようなN2
−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−
フエニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル
−L−リジンの生成を認めた。
【表】
【表】
実施例 3
t−EBA40.8mgをエタノール/水=3/1の
溶液2.0mlに溶解し、これにL−Lys(Tfa)48.4mg
を加えた懸濁液に表3に示すアルカリ金属水酸化
物(0.2mmole)を含む水溶液0.2mlを氷冷下また
は20℃において迅速に加え、そのまま30分間撹拌
後、実施例1と同様に操作して生成物の分析を実
施し、以下に示すようなN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−
N6−トリフルオロアセチル−L−リジンの生成
を認めた。
溶液2.0mlに溶解し、これにL−Lys(Tfa)48.4mg
を加えた懸濁液に表3に示すアルカリ金属水酸化
物(0.2mmole)を含む水溶液0.2mlを氷冷下また
は20℃において迅速に加え、そのまま30分間撹拌
後、実施例1と同様に操作して生成物の分析を実
施し、以下に示すようなN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−
N6−トリフルオロアセチル−L−リジンの生成
を認めた。
【表】
【表】
実施例 4
t−EBA2.45gをエタノール/水=3/1の
溶液50.0mlに溶解し、これにL−Lys(Tfa)2.42
gを加えて懸濁し、30℃に加温した。これに炭酸
カリウム2.45gを迅速に加え、そのまま撹拌を続
けた。20分後、反応液はほぼ均一となり、60分
後、濃塩酸1.67mlを加えて反応を停止しHPLCに
よる分析を実施してN2−(1−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン3.48gの生成
を認めた。また生成したジアステレオマーの比は
(S,S)体/(R,S)体=61.0/39.0であつ
た。次に、この反応液の溶媒を減圧溜去し、得ら
れた残渣にエタノール50mlを加え、氷冷下、撹拌
しながら2.5N−NaOH4.0mlを徐々に加えた後、
室温下、溶媒を減圧溜去した。残渣に酢エチを加
えて抽出し、過後、酢エチ抽出液を水洗し、硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、これにエ
ーテル−n−ヘキサンを加えて結晶化させ、N2
−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−
フエニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル
−L−リジン3.08gを得た。〔(S,S)体/
(R,S)体=60.5/39.5〕。 実施例 5 t−EBA81.6gをエタノール/水=3/1の
溶液1.0に溶解し、これにL−Lys(Tfa)48.4g
を加えて懸濁し、氷冷して内温3℃迄冷却した。
これにN−LiOH水溶液200.0mlを撹拌下20分間で
滴下し、滴下終了後、さらに40分間撹拌を続け
た。濃塩酸33.3mlを添加して反応を停止し、
HPLCによる分析を実施し、N2−(1−エトキシ
カルボニル−3−オキソ−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジン
84.9gの生成を認めた。〔(S,S)体/(R,
S)体=78.0/22.0〕。この反応液を実施例4と
同様に処理し、N2−(1−エトキシカルボニル−
3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−トリ
フルオロアセチル−L−リジン75.8gを結晶とし
て得た。〔(S,S)体/(R,S)体=79.0/
21.0〕。 1H−NMR(90MHz,CDCl3+DMSO−d6):δ
(ppm); 1.15〜1.4(t,3H)、0.9〜1.9(m,6H)、3.0
〜3.55(m,5H)、3.6〜3.85(m,1H)、3.95
〜4.3(q,2H)、7.3〜8.1(m,5H)、8.13〜
8.53(m,1H) IR(cm-1,KBr disk):3375,2950,1710, 1630,1600,1550,1210,1185,690 〔α〕25 D=+23.7゜(c=1.0、N−HC1) 実施例 6 t−EBA40.8gをエタノール500mlに溶解し、
これにL−Lys(Tfa)48.4gを加えて懸濁し、内
温を−5℃迄冷却した。これにN−LiOH水溶液
200.0mlを撹拌下150分間で連続添加し、添加終了
後、さらに30分間撹拌を続けた。内温は反応中−
5℃に保つた。これに濃塩酸33.3mlを添加して反
応を停止し、HPLCによる分析を実施し、N2−
(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−フ
エニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル−
L−リジン81.4gの生成認めた。〔(S,S)体/
(R,S)体=82.1/17.9〕。この反応液を実施例
4と同様に処理し、N2−(1−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン65.0gを結晶
として得た。〔(S,S)体/(R,S)体=
81.9/18.1〕。 実施例 7 エタノール500mlに濃塩酸13.1mlを加え、これ
に実施例6で得たN2−(1−エトキシカルボニル
−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−ト
リフルオロアセチル−L−リジン35.0gを加えて
溶解し、これに10%パラジウムカーボン10.5gを
加えて40℃、常圧下で水素添加を実施した。反応
後、触媒を吸引過し、このエタノール溶液を水
酸化ナトリウムでPH4.5に調整した後、水を加え、
減圧濃縮してエタノールを溜去し、水に置換し
た。析出した白色結晶を過してN2−(1−エト
キシカルボニル−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン32.0gを得
た。〔(S,S)体/(R,S)体=81.9/18.1〕。
これを水−エタノールから再結晶してN2−(1−
(S)−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジンを
得た。 1H−NMR(90MHz,CDCl3):δ(ppm);1.2〜
1.43 (t,3H)、1.42〜2.25(m,8H)、2.5〜2.85
(m, 2H)、3.0〜3.55(m,4H)、4.05〜4.35(q,
2H)、 6.9〜7.4(m,5H) IR(cm-1,KBr disk)3320,1740,1700, 1615,1205,1170,750,700 mp 135.5〜137.0℃ 〔α〕25 D=+7.8゜(c=2.0、EtOH) 実施例 8 t−EBA8.16gをエタノール100mlに溶解し、
これにL−Lys(Tfa)9.69gを加えて懸濁し、−
5℃に保ちながらN−LiOH水溶液20.0mlを撹拌
下150分間で連続添加した。添加終了後、さらに
30分間撹拌を続けた後、濃塩酸10.0mlを加えて反
応を停止した。これにエタノール130ml、10%パ
ラジウムカーボン5.0gを加えて40℃、常圧下で
水素添加を実施した。反応後、触媒を除去し、実
施例7と同様に処理してN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−フエニルプロピル)−N6−トリフル
オロアセチル−L−リジン14.1gを得た。〔(S,
S)体/(R,S)体=82.0/18.0〕。 参考例 t−EBA4.08gをエタノール/水=10/1の
溶液50mlに溶解し、これにN6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジン(L−Lys(z))5.0gを
加えて懸濁し、室温下、水酸化リチウム・1水塩
0.75gを瞬時に添加し、そのまま1時間撹拌を続
けた。反応終了後、濃塩酸5.94mlを加え、10%パ
ラジウムカーボン2.0gを加えて40℃、常圧下で
水素添加を実施した。反応後、触媒を除去し、水
酸化ナトリウムでPH8.9に調整後、溶媒を減圧溜
去し、残留物にエタノールを加えて抽出を行な
い、不溶物を過により除去した。液のPHを塩
酸で4.6に調整し、減圧濃縮して得られた残留物
をエーテルで結晶化させ、N2−(1−エトキシカ
ルボニル−3−フエニルプロピル)−L−リジ
ン・塩酸塩4.0gを得た。
溶液50.0mlに溶解し、これにL−Lys(Tfa)2.42
gを加えて懸濁し、30℃に加温した。これに炭酸
カリウム2.45gを迅速に加え、そのまま撹拌を続
けた。20分後、反応液はほぼ均一となり、60分
後、濃塩酸1.67mlを加えて反応を停止しHPLCに
よる分析を実施してN2−(1−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン3.48gの生成
を認めた。また生成したジアステレオマーの比は
(S,S)体/(R,S)体=61.0/39.0であつ
た。次に、この反応液の溶媒を減圧溜去し、得ら
れた残渣にエタノール50mlを加え、氷冷下、撹拌
しながら2.5N−NaOH4.0mlを徐々に加えた後、
室温下、溶媒を減圧溜去した。残渣に酢エチを加
えて抽出し、過後、酢エチ抽出液を水洗し、硫
酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、これにエ
ーテル−n−ヘキサンを加えて結晶化させ、N2
−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−
フエニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル
−L−リジン3.08gを得た。〔(S,S)体/
(R,S)体=60.5/39.5〕。 実施例 5 t−EBA81.6gをエタノール/水=3/1の
溶液1.0に溶解し、これにL−Lys(Tfa)48.4g
を加えて懸濁し、氷冷して内温3℃迄冷却した。
これにN−LiOH水溶液200.0mlを撹拌下20分間で
滴下し、滴下終了後、さらに40分間撹拌を続け
た。濃塩酸33.3mlを添加して反応を停止し、
HPLCによる分析を実施し、N2−(1−エトキシ
カルボニル−3−オキソ−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジン
84.9gの生成を認めた。〔(S,S)体/(R,
S)体=78.0/22.0〕。この反応液を実施例4と
同様に処理し、N2−(1−エトキシカルボニル−
3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−トリ
フルオロアセチル−L−リジン75.8gを結晶とし
て得た。〔(S,S)体/(R,S)体=79.0/
21.0〕。 1H−NMR(90MHz,CDCl3+DMSO−d6):δ
(ppm); 1.15〜1.4(t,3H)、0.9〜1.9(m,6H)、3.0
〜3.55(m,5H)、3.6〜3.85(m,1H)、3.95
〜4.3(q,2H)、7.3〜8.1(m,5H)、8.13〜
8.53(m,1H) IR(cm-1,KBr disk):3375,2950,1710, 1630,1600,1550,1210,1185,690 〔α〕25 D=+23.7゜(c=1.0、N−HC1) 実施例 6 t−EBA40.8gをエタノール500mlに溶解し、
これにL−Lys(Tfa)48.4gを加えて懸濁し、内
温を−5℃迄冷却した。これにN−LiOH水溶液
200.0mlを撹拌下150分間で連続添加し、添加終了
後、さらに30分間撹拌を続けた。内温は反応中−
5℃に保つた。これに濃塩酸33.3mlを添加して反
応を停止し、HPLCによる分析を実施し、N2−
(1−エトキシカルボニル−3−オキソ−3−フ
エニルプロピル)−N6−トリフルオロアセチル−
L−リジン81.4gの生成認めた。〔(S,S)体/
(R,S)体=82.1/17.9〕。この反応液を実施例
4と同様に処理し、N2−(1−エトキシカルボニ
ル−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン65.0gを結晶
として得た。〔(S,S)体/(R,S)体=
81.9/18.1〕。 実施例 7 エタノール500mlに濃塩酸13.1mlを加え、これ
に実施例6で得たN2−(1−エトキシカルボニル
−3−オキソ−3−フエニルプロピル)−N6−ト
リフルオロアセチル−L−リジン35.0gを加えて
溶解し、これに10%パラジウムカーボン10.5gを
加えて40℃、常圧下で水素添加を実施した。反応
後、触媒を吸引過し、このエタノール溶液を水
酸化ナトリウムでPH4.5に調整した後、水を加え、
減圧濃縮してエタノールを溜去し、水に置換し
た。析出した白色結晶を過してN2−(1−エト
キシカルボニル−3−フエニルプロピル)−N6−
トリフルオロアセチル−L−リジン32.0gを得
た。〔(S,S)体/(R,S)体=81.9/18.1〕。
これを水−エタノールから再結晶してN2−(1−
(S)−エトキシカルボニル−3−フエニルプロピ
ル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジンを
得た。 1H−NMR(90MHz,CDCl3):δ(ppm);1.2〜
1.43 (t,3H)、1.42〜2.25(m,8H)、2.5〜2.85
(m, 2H)、3.0〜3.55(m,4H)、4.05〜4.35(q,
2H)、 6.9〜7.4(m,5H) IR(cm-1,KBr disk)3320,1740,1700, 1615,1205,1170,750,700 mp 135.5〜137.0℃ 〔α〕25 D=+7.8゜(c=2.0、EtOH) 実施例 8 t−EBA8.16gをエタノール100mlに溶解し、
これにL−Lys(Tfa)9.69gを加えて懸濁し、−
5℃に保ちながらN−LiOH水溶液20.0mlを撹拌
下150分間で連続添加した。添加終了後、さらに
30分間撹拌を続けた後、濃塩酸10.0mlを加えて反
応を停止した。これにエタノール130ml、10%パ
ラジウムカーボン5.0gを加えて40℃、常圧下で
水素添加を実施した。反応後、触媒を除去し、実
施例7と同様に処理してN2−(1−エトキシカル
ボニル−3−フエニルプロピル)−N6−トリフル
オロアセチル−L−リジン14.1gを得た。〔(S,
S)体/(R,S)体=82.0/18.0〕。 参考例 t−EBA4.08gをエタノール/水=10/1の
溶液50mlに溶解し、これにN6−ベンジルオキシ
カルボニル−L−リジン(L−Lys(z))5.0gを
加えて懸濁し、室温下、水酸化リチウム・1水塩
0.75gを瞬時に添加し、そのまま1時間撹拌を続
けた。反応終了後、濃塩酸5.94mlを加え、10%パ
ラジウムカーボン2.0gを加えて40℃、常圧下で
水素添加を実施した。反応後、触媒を除去し、水
酸化ナトリウムでPH8.9に調整後、溶媒を減圧溜
去し、残留物にエタノールを加えて抽出を行な
い、不溶物を過により除去した。液のPHを塩
酸で4.6に調整し、減圧濃縮して得られた残留物
をエーテルで結晶化させ、N2−(1−エトキシカ
ルボニル−3−フエニルプロピル)−L−リジ
ン・塩酸塩4.0gを得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() 〔式中、R1はアルキル基を表わす〕 で示されるβ−ベンゾイルアクリル酸誘導体と、
一般式() 〔式中、R2はアシル型保護基を表わす〕 で示されるL−リジンの誘導体とを、()と当
量の塩基を使用して反応させることを特徴とす
る、一般式() 〔式中、R1およびR2は前記と同じ〕 で示されるN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−
3−フエニル)−L−リジン誘導体の製造法。 2 塩基として、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、四級
アンモニウム水酸化物、アミンまたはアンモニア
を用いる特許請求の範囲第1項記載の製造法。 3 L−リジン誘導体としてN6−トリフルオロ
アセチル−L−リジンを、β−ベンゾイルアクリ
ル酸誘導体としてtrans−β−ベンゾイルアクリ
ル酸エチルを用いる特許請求の範囲第1項または
第2項記載の製造法。 4 水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウムを使用してN6−トリフルオロアセ
チル−L−リジンとtrans−β−ベンゾイルアク
リル酸エチルとを反応せしめ、N2−(1−(S)−
エトキシカルボニル−3−オキソ−3−フエニル
プロピル)−L−リジンを優先的に合成する特許
請求の範囲第1項乃至第3項の何れかの項記載の
製造法。 5 付加反応後、当量以上の鉱酸を添加し生成物
を安定化させる特許請求の範囲第1項乃至第4項
の何れかの項記載の製造法。 6 一般式() 〔式中、R1はアルキル基を表わす〕 で示されるβ−ベンゾイルアクリル酸誘導体と、
一般式() 〔式中、R2はアシル型保護基を表わす〕 で示されるL−リジンの誘導体とを、()と当
量の塩基を使用して反応させ、生じる一般式
() 〔式中、R1およびR2は前記と同じ〕 で示されるN2−(1−カルボキシ−3−オキソ−
3−フエニル)−L−リジン誘導体を接触水素化
分解した後、一般式() 〔式中、R1,R2は前記と同じ〕 で示されるN2−(1−カルボキシ−3−フエニル
プロピル)−L−リジン誘導体を製造する方法。 7 N2−(1−エトキシカルボニル−3−オキソ
−3−フエニルプロピル)−N6−トリフルオロア
セチル−L−リジンを接触水素化分解して、N2
−(1−エトキシカルボニル−3−フエニルプロ
ピル)−N6−トリフルオロアセチル−L−リジン
に変換する特許請求の範囲第6項記載の製造法。 8 一般式 〔式中、R1はアルキル基、R2はアシル型保護
基、X,Yは各々水素原子か、一緒に酸素原子を
表す〕 で表わされるN2−(1−カルボキシ−3−フエニ
ルプロピル)−L−リジン誘導体。 9 R2がトリフルオロアセチル基である特許請
求の範囲第8項記載のN2−(1−カルボキシ−3
−フエニルプロピル)−L−リジン誘導体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62072589A JPH01104034A (ja) | 1986-03-27 | 1987-03-26 | N↑2−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−l−リジン誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6897086 | 1986-03-27 | ||
| JP61-68970 | 1986-03-27 | ||
| JP62072589A JPH01104034A (ja) | 1986-03-27 | 1987-03-26 | N↑2−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−l−リジン誘導体の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01104034A JPH01104034A (ja) | 1989-04-21 |
| JPH044308B2 true JPH044308B2 (ja) | 1992-01-27 |
Family
ID=26410157
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62072589A Granted JPH01104034A (ja) | 1986-03-27 | 1987-03-26 | N↑2−(1−カルボキシ−3−フエニルプロピル)−l−リジン誘導体の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01104034A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3792777B2 (ja) * | 1996-05-10 | 2006-07-05 | 株式会社カネカ | 1−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル誘導体の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3246503A1 (de) * | 1982-12-16 | 1984-06-20 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Derivate der cis, endo-2-azabicyclo-(5.3.0)-decan-3-carbonsaeure, verfahren zu ihrer herstellung, diese enthaltende mittel und deren verwendung |
-
1987
- 1987-03-26 JP JP62072589A patent/JPH01104034A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01104034A (ja) | 1989-04-21 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4716235A (en) | Process for preparing N-[1(S)-ethoxycarbonyl-3-phenylpropyl]-L-alanyl-L-proline | |
| SK164597A3 (en) | Method of making (s)-3-(aminomethyl)-5-methylhexanoic acid | |
| JPH07304770A (ja) | 新規ベンゾアゼピノン誘導体 | |
| AU2003224420B2 (en) | Process for preparation of perindopril and salts thereof | |
| US4925969A (en) | Process for preparing ethyl-alpha-amino-gamma-oxo-gamma-phenybutyrate derivatives | |
| EP1140795B1 (en) | N-3, 3-dimethylbutyl-l-aspartic acid and esters thereof, the process of preparing the same, and the process for preparing n-[n-(3,3-dimethylbutyl)-l-alpha-aspartyl)-l-phenylalanine-1-methylester therefrom | |
| EP0239062B1 (en) | N2-(1-carboxy-3-oxo-3-phenylpropyl)-l-lysine compounds and their derivatives | |
| JPH044308B2 (ja) | ||
| JPH11349567A (ja) | 3―アミノ―2―オキソ―ピロリジンの製造方法、新規中間体およびその使用 | |
| EP0823416B1 (en) | Process for producing cyclohexylamino acids | |
| EP1513868B1 (en) | Process for the production of lisinopril | |
| JPH08157437A (ja) | D−アミノ酸−N−(S)−α−アルキルベンジルアミドの製造法 | |
| CA2236117C (en) | Process for producing optically active cyanohydrins | |
| IE872136L (en) | N(2)-(1-carboxy-3-oxo-3-phenylpropyl)-l-lysines | |
| JPH08253497A (ja) | ペプチド型化合物 | |
| WO1998035934A1 (fr) | DERIVES DE η-OXO-HOMOPHENYLALANINE ET PROCEDE DE PRODUCTION DE DERIVES D'HOMOPHENYLALANINE PAR REDUCTION DE CES DERNIERS | |
| US5017690A (en) | Deblocking N-formyl aspartame compounds | |
| JPH08259519A (ja) | α−アミノグリコールの製造法及びその中間体 | |
| JP2598470B2 (ja) | N−ベンジルオキシカルボニル―αーL―アスパルチル―L―フェニルアラニンメチルエステルの製造方法 | |
| JPH0971569A (ja) | 光学活性アミド類の製法 | |
| JPH07121916B2 (ja) | 光学活性3−アシル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸誘導体及びその製法 | |
| JPH06107628A (ja) | N−(アミノスクシニル)フェニルアラニンアルキルエステルの製造方法 | |
| JPH07639B2 (ja) | α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルまたはその塩酸塩の製法 | |
| HU204540B (en) | Process for producing n-/n-(1(s)-ethoxycarbonyl-3-phenyl-propyl)-1-alanyl/-n-(indan-2-yl)- -glycine | |
| JPH11100364A (ja) | 高純度n−保護基−s−フェニルシステインの製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080127 Year of fee payment: 16 |