JPH0445972Y2 - - Google Patents
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- JPH0445972Y2 JPH0445972Y2 JP1989100606U JP10060689U JPH0445972Y2 JP H0445972 Y2 JPH0445972 Y2 JP H0445972Y2 JP 1989100606 U JP1989100606 U JP 1989100606U JP 10060689 U JP10060689 U JP 10060689U JP H0445972 Y2 JPH0445972 Y2 JP H0445972Y2
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- piston
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Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は、車両等のブレーキ装置で使用される
マスタシリンダに関するものである。 〔従来の技術及びその問題点〕 マスタシリンダには、シリンダ孔内に挿入され
るピストンに、いわゆるセンターバルブと称され
る弁装置を配設し、リザーバ内に充填された作動
液の圧力室側への供給を、この弁装置によつて制
御するものがある。 第8図は、特開昭56−142743号公報に開示され
たこの種のブレーキマスタシリンダを示したもの
である。 このブレーキマスタシリンダ1では、シリンダ
孔16に摺動自在に挿入されたピストン4にセン
ターバルブ型の弁装置が格納されている。この弁
装置は、バルブ部材8、弁ロツド9、ばね10等
からなり、バルブ部材8、ばね10はピストン4
の凹所7に配置され、弁ロツド9はピストンに形
成された中央貫通孔11内に配置されている。弁
ロツド9の一端部は、ピストン4を貫通し、孔1
1と交差する方向に延出したピストンの孔12内
に挿入されている。孔12内にはピン13が設け
られ、該ピン13は、第9図に示すようにピスト
ン4の周面を周方向に移動自在なサークリツプ1
4によつて挟持されている。 上記弁ロツド9の一端部は、ばね10の付勢力
でピン13に当接することにより移動域が規制さ
れている。 このような弁装置を備えたブレーキマスタシリ
ンダ1では、プツシユロツド3が動作した時、ピ
ストン4はプツシユロツド3と同じ方向に移動
し、この動作によつてばね10がバルブ部材8を
閉成する。その際に、サークリツプ14は、ピス
トン4の周面を移動するが、シリンダハウジング
2に固定された止め座金15に当接することによ
つてそれ以上の移動が防止されている。 ところで、ブレーキマスタシリンダ1では、図
示していないリザーバから供給される作動液は、
調整孔5、孔12、孔11、凹所7、を介して圧
力室6内に供給されるが、このような液路を有す
るマスタシリンダ1を車両の使用位置にセツトす
るには、作動液を予め充填した状態にする必要が
ある。 その場合、通常シリンダハウジング2内の空気
をバキユームポンプによつて調整孔5、液接続口
18を介して吸引し、その状態からシリンダ内に
作動液を吸入させることによつて行なわれる。 しかしながら、この種のマスタシリンダ1で
は、エアー抜きすなわちバキユームブリーデイン
グ処理を行なつている途中で、ピストン4の摺動
を案内する案内部材17が吸引側の圧力と大気圧
との差圧によつて、止め座金15側に形成された
間隙へと前進する作用力を受ける。このため、図
示の従来のものでは、止め座金15をハウジング
2のシリンダ孔の奥の方に形成した環状溝に固定
し、案内部材17がその止め座金15により前記
間隙側への移動を阻止されるようにしているが、
止め座金15を上記環状溝に固定する作業は非常
に困難なものとなる。そこで、その固定作業を不
要にしようとした場合、次のような問題を生ず
る。 すなわち、上記環状溝を形成せずに止め座金1
5を案内部材17と同様に単にシリンダ孔内に挿
入するようにした場合、あるいは、止め座金15
を省略した場合には、バキユームブリーデイング
時、案内部材17が前記差圧を受けて、移動を阻
止されることなく大きく前進し、サークリツプ1
4を押圧してその前端をピストン4に当接させる
に至り、これによりサークリツプ14を介してピ
ストン4を前進させる。このとき、バルブ部材8
は開弁状態を保たれるが、図示せずともピストン
4の前方には従ピストンが配設されており、これ
にもセンターバルブとしての構成を有する弁装置
が設けられているので、ピストン4とこの前方の
図示しない従ピストンとの間に張設されているば
ね6を圧縮することにより、従ピストンを前進さ
せる。これにより、従ピストン内に設けられてい
る弁装置のバルブ部材は、ピストンの内壁に形成
される弁座に着座する。すなわち従ピストンの弁
装置は閉弁する。よつて、その状態でのエアー抜
きが困難となる。したがつて、その場合には、手
操作等によつて再度弁装置を開弁し、圧力室6側
の残余の空気を抜かなければならず、その作業に
手間がかかる問題があつた。 〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案は上記実情に鑑みてなされ、組立時の作
業性を悪化させることなく、またバキユームブリ
ーデイング時に余分な手間をかけずに確実にエア
ー抜きを行なうことのできるマスタシリンダの提
供を目的としている。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、シリンダ孔を形成したシリンダ本
体と、前記シリンダ孔に摺動自在に挿入され、前
記シリンダ本体の外部まで延びる軸部及び該軸部
よりも大径で前記シリンダ孔を摺動する頭部を有
する主ピストンと、前記シリンダ孔内に摺動自在
に挿入される従ピストンと、前記主ピストンと前
記従ピストンとの間に形成される主圧力室と、前
記シリンダ孔の底部と前記従ピストンとの間に形
成される従圧力室と、前記主圧力室及び前記従圧
力室を各々、作動液リザーバ側に連通するように
前記各ピストンに形成された液路と、これら各液
路に設けられ前記主圧力室及び前記従圧力室と前
記作動液リザーバとの連通を制限し、前記各ピス
トンの圧力室側端部に設けられて、圧力室側から
弁ばねにより該ピストンに設けた弁座に向かつて
付勢される弁部材を有しており、該ピストンの圧
力室側への移動に応じて、閉弁するようにした弁
装置と、前記シリンダ孔の開口部で前記主ピスト
ンの軸部の摺動を案内する案内部材と、前記シリ
ンダ孔の開口部において前記シリンダ孔、主ピス
トンの軸部及び案内部材の三者間を密封する密封
部材と、前記案内部材の前記シリンダ孔外部への
移動を阻止するために前記シリンダ孔の開口部に
設けられた抜止め部材と、前記主ピストンに所定
の範囲で相対的移動可能に取付けられ、該主ピス
トンの軸部外周に嵌合され前記案内部材に当接可
能な環状部材及び前記主ピストンに形成した通路
内に延びて、前記環状部材の前記案内部材に対す
る当接により、前記弁部材に、これを前記弁座か
ら離座させるように係合可能な軸状部材を有する
前記主ピストンの弁装置を開弁させるための主開
弁手段と、前記シリンダ本体に取付けられ、前記
従ピストンが前記従圧力室側に所定量移動するま
で、前記弁部材に対して前記弁座側から係合し、
前記弁部材を前記弁座から前記ばねの付勢力に抗
して離座させて、前記従ピストンの弁装置を開弁
させるための従開弁手段とを備えたマスタシリン
ダにおいて、前記案内部材の前記シリンダ孔内側
に作用する圧力がその外側に作用する圧力よりも
低くなるときの差圧に打ち勝つ付勢力により、前
記案内部材を前記抜け止め部材に向けて付勢する
ばね部材を設けたマスタシリンダによつて達成さ
れる。 〔作用〕 以上の構成によれば、バキユームブリーデイン
グ時に案内部材が内方に前進しようとしても、案
内部材はばね部材からのばね力によつて抜け止め
部材から離れることなく押圧されて当接状態を維
持する。したがつて従ピストンの弁装置は閉成す
ることなく当初の状態に維持される。 〔実施例〕 以下、本考案の一実施例によるマスタシリンダ
について第1図乃至第6図を参照して説明する。 図において、本実施例のマスタシリンダは全体
として21で示される。マスタシリンダ21のシ
リンダ本体22内には段付形状のシリンダ孔23
が設けられ、前端(図の左方)は閉塞端となつて
おり、後端(図の右方)開口は後述する案内部材
24によつて閉塞されている。(なお、本明細書
において前方とは図の左方を、後方とは図の右方
を意味するものとする。)案内部材24は、抜け
止め部材としてのストツプリング25によりシー
ルリング26を介在させてシリンダ本体22に固
定されている。 案内部材24の中心貫通孔24aには、カツプ
シール27を装着した主ピストン28の軸部28
aが摺動自在に嵌合している。また、主ピストン
28の軸部28aに形成される凹所28b内には
図示しない負圧式ブースタの出力軸の先端部が受
容される。 シリンダ本体22のシリンダ孔23は案内部材
24を嵌着する大径孔部23aと大部分を占める
小径孔部23bとから成り、大径孔部23aと小
径孔部23bにわたつて主ピストン28が摺動自
在に嵌合しており、小径孔部23bの左方部には
従ピストン29が摺動自在に嵌合している。主ピ
ストン28は前端部に大径部28cを有し、カツ
プシール30を装着している。また、主ピストン
28の左方部は筒部28dとして形成されてい
る。筒部28dの周壁部には孔45が形成され、
これにより、筒部28dの内孔と、両ピストン2
8,29間に形成される主圧力室46との液連通
を行なつている。筒部28dの開口端部には、ば
ね受け41、ストツプリング42が配設されてい
る。ばね受け41と、弁ロツド32の先端部に取
り付けられた弁ゴム33との間にはばね34を張
設しており、弁ロツド32を図において右方へと
付勢している。弁ロツド32は主ピストン28に
形成した軸方向通孔35に摺動自在に嵌合してい
る。弁ロツド32の後端部は、主ピストン28を
貫通し、軸方向通孔35と交差する方向に延出し
たピストン28の孔36内に挿入されている。孔
36内にはピン37が設けられ、該ピン37は主
ピストン28を径方向に貫通し、第2図に示した
ように、一端部にばねを受けるための段部38a
を備えた環状部材38によつてその両端部が固持
されている。 環状部材38は、ピン37を孔36内において
軸方向に移動可能に案内するが、前記案内部材2
4の前方に配置された支持部材39によつて後方
側の移動が制限されている。すなわち、本実施例
では、環状部材38は支持部材39を介して案内
部材24に当接している。また、環状部材38
は、該部材38の段部38aと主ピストン28の
フランジ部との間に張設されたばね40の付勢力
によつて支持部材39に当接している。また、上
記弁ロツド32の後端部は、ばね34の付勢力で
ピン37に当接することにより後方側の移動が制
限され、該ピン37に当接している。 また、このブレーキマスタシリンダ1では、第
4図に拡大して示したように、支持部材39とシ
リンダ孔23の段部との間の間隙部に、第5図お
よび第6図に示す波ワツシヤ88が介在され波ワ
ツシヤ88はばね部材として機能している。案内
部材24は、波ワツシヤ88のねじれ姿勢からな
る押圧力によつてシリンダ孔23の開口端側に付
勢されるが、ストツプリング25に係止されて、
ガタつきのないおよび移動しない状態に受収され
ている。 一方、ピストン28の筒部28dの底壁部は弁
座43として機能し、弁ゴム33の端面と通常は
図示するように所定の間隙をおいて対向してい
る。 このような弁ゴム33、弁座43、弁ロツド3
2、ばね34は、主ピストン28の弁装置Aを構
成しており、ピン37及び環状部材38は弁装置
Aの主開弁手段として機能する。 該弁装置Aは、主ピストン28の周側に形成さ
れた無圧室44から主圧力室46への方向を順方
向とする遮断弁作用を有し、主ピストン28が左
方へ移動することにより弁ゴム33の端面が弁座
43に着座する。また、この弁装置Aは、主圧力
室46が無圧室44に対して負圧となつた際、す
なわちブレーキの弛め時に、作動液リザーバ47
から補給孔48を介して無圧室44内に供給され
た作動液が、孔36、軸方向通孔35、孔45か
らなるピストン28の液路Bを介して主圧力室4
6に供給される。 このような弁装置Aが備えられた主ピストン2
8の前端部には、前記ばね受け41を一体的に設
けたボルト49が、従ピストン29側に延出して
いる。このボルト49の頭部にはほゞハツト形状
のばね受け50が係合している。ばね受け50と
主ピストン28に形成されたばね受け部51との
間に戻しばね52が圧縮状態で張設され、ばね受
け50を従ピストン29の後端に圧接させてい
る。 ボルト49の頭部は、従ピストン29の後端部
に形成された軸方向孔29a内に摺動自在に嵌合
している。軸方向孔29aは、該孔29aと交差
する方向に延出した従ピストン29の貫通孔53
に連絡しており、軸方向孔29a内でボルト49
により押圧された液を従ピストン29の外方に逃
がすようにしている。 一方、従ピストン29の後端大径部54、前端
大径部55には、カツプシール56,57が装着
され、これにより前端大径部54と後端大径部5
5との間に無圧室58が形成され、またこのピス
トン29とシリンダ本体22の底壁部との間に従
圧力室59が形成される。従ピストン29はその
前端部に形成されたばね受け部60とシリンダ本
体22の底壁部との間に張設された戻しばね61
によつて右方に付勢されている。 従ピストン29の左方部は筒部62として形成
されている。この筒部62の周壁部には孔72が
形成され、これにより筒部62の内孔と従圧力室
59との液連通を行なつている。筒部62の開口
端部には、第3図に示すように、放射状の突起6
3aを周面に備えた皿形状の菊座金64が嵌着固
定され、菊座金64を嵌着した筒部62の内方に
は、該座金64の中心孔64aとほゞ同径の中心
孔65aを有するコツプ状のばね受け65が配置
されている。このように、筒部62の内孔は、ば
ね受け65の中心孔65a、菊座金64の中心孔
64aを介しても従圧力室59に連通している。 ばね受け65と弁ロツド66の先端部に取り付
けられた弁ゴム67との間には、ばね68を張設
しており、弁ロツド66を図において右方へと付
勢している。弁ロツド66は従ピストン29に形
成した軸方向通孔69に摺動自在に嵌合してい
る。軸方向通孔69の後端部には作動液収容室6
9aが形成され、該室69aは図示しない通路を
介して無圧室58に連通している。作動液収容室
69a内にはシリンダ本体22の側壁から貫挿さ
れたボルト70の端部が臨むように配置されてい
る。ボルト70は、後述するように操作者がブレ
ーキ力を解除し、従ピストン29が右方向に摺動
した際に、図示したように弁ロツド66の一端部
を受止め、それ以上の移動を規制するストツパと
して機能し、かつ、従ピストン29が左方向に摺
動した際に、弁ロツド66との当接を解除して開
弁部材70として機能する。また、弁ロツド66
はばね68の付勢力によつて非作動状態において
ボルト70に当接している。 一方、筒部62の底壁部は弁座71として機能
し、弁ゴム67の端面と通常は図示するように所
定の間隔をおいて対向している。 このような弁ゴム67、弁座71、弁ロツド6
6、ばね68は従ピストン29の弁装置Cを構成
し、上記したようにボルト70は弁装置Cの従開
弁手段70として機能する。弁装置Cは、従ピス
トン29の周側に形成された無圧室58から従圧
力室59への方向を順方向とする遮断弁作用を有
し、従ピストン29が左方へ移動することにより
弁ゴム67の端面が弁座72に着座する。また、
この弁装置Cは従圧力室59が無圧室58に対し
て負圧となつた際、すなわちブレーキの弛め時
に、作動液リザーバ47から補給孔73、無圧室
58、無圧室58から作動液収容室69aに連通
した図示しない通路、作動液収容室69a、軸方
向通孔69、および筒部材62の孔72あるいは
ばね受け65、菊座金64の中心孔65a,64
aからなる液路Dを介して従圧力室59に供給さ
れる。 このように、ブレーキマスタシリンダ1では、各
液路B,Dに設けた2つの弁装置A,Cによつ
て、主ピストン28、従ピストン29の動きに応
じて主圧力室46、従圧力室59の作動液リザー
バ47への連通が制限可能となつている。 シリンダ本体22の前端部には従圧力室59と
連通して出力口74が形成され、これは図示しな
い管路を介して一方の車輪ブレーキ装置に接続さ
れる。また、図示せずとも、シリンダ本体22の
中間部には主圧力室46と連通して出力口が形成
され、これは他方の車輪ブレーキ装置に接続され
る。 シリンダ本体22の前端部分の上壁部には、ボ
ス82が形成されその液接続孔75は補給孔73
を介して無圧室58と常時連通している。また、
接続孔75にはグロメツトシール76を介して作
動液リザーバ47の接続筒部77が圧入されてい
る。 作動液リザーバ47は公知の構造を有し、筒状
の本体78の上方開口はキヤツプ79によつて覆
われており、内部は第1、第2リザーバ室80,
81に画成されている。 シリンダ本体22の中間部分の上壁部には上述
のボス部82より高いボス部83が形成され、そ
の液接続口84は補給孔48を介して無圧室44
と常時連通している。また、液接続孔84の上部
にはグロメツトシール85を介してリザーバ47
の他方の接続筒部86が圧入されている。 本考案の実施例は以上のように構成されるが、
次にこの作用、効果などについて説明する。 ブレーキ非作動時には、各部分は図示する状態
にある。この状態で運転手が図示しないブレーキ
ペダルを踏み込むと、図示しない負圧式ブースタ
の出力軸を介して主ピストン28が押圧され、戻
しばね52を介して従ピストン29に伝達され
る。それにより、主ピストン28と従ピストン2
9は共に移動する。 主ピストン28および従ピストン29が所定長
左方に前進すると、弁ロツド32,66の先端部
は各々ピン37、ボルト70から離反し、ばね3
4,68の付勢力により、弁ゴム33,67の端
面が弁座43,71に当接する。すなわち、弁装
置A,Cが閉弁する。したがつて、液路B,Dが
遮断されて作動液リザーバ47と主圧力室46
間、および作動液リザーバ47と、従圧力室59
間が共に非連通の状態におかれ、主圧力室46お
よび従圧力室59内の圧力が向上する。 以後、主従ピストン28,29の前進と共に主
圧力室46,従圧力室59の液圧はさらに上昇し
ていく。かくして車両に所望のブレーキがかけら
れる。 ブレーキ力を弛めるべく運転手がブレーキペダ
ルを元に戻すと、主ピストン28および従ピスト
ン29は、両圧力室46,59の液圧および一対
の戻しばね52,61のばね力を受けて右方へと
復動する。すると、弁ロツド32,66の先端部
がピン37、ボルト70に当接し、弁装置A,C
が開弁する。それにより、無圧室44内の圧液は
液路Bを介して主圧力室46内に流入し、一方無
圧室58内の圧液は、液路Dを介して従圧力室5
9内へと流入し、両圧力室46,59に液が補給
される。 以後、ブレーキペダルの踏込および解除により
上記動作を繰り返す。 ところで、上記の作動を行なうマスタシリンダ
1のバキユームブリーデイングは、作動液リザー
バ47のキヤツプ79を外してその開口からバキ
ユームポンプによつて吸引して行なわれる。主圧
力室46内の空気は、後に液路B,Dを構成する
通路を介して吸引される。吸引が進むにしたがつ
て、主圧力室46および従圧力室59内の圧力は
大気圧と比べて小さくなるが、大気圧との差圧が
増大すると受圧面積の大きい案内部材24に、左
方向への力が作用する。もし、波ワツシヤ88が
介在されていないならば、案内部材24は前進
し、該案内部材24を介して支持部材39を前進
される。支持部材39が前進すると、その力は環
状部材38に作用し、該環状部材38を前進さ
せ、同時に該環状部材38に嵌合されたピン37
が前進する。ピン37が前進すると、そのピン3
7は孔36の側壁に当接し、主ピストン28を左
方に押圧する。それにより主ピストン28が前進
する。なお、この状態で、弁ロツド32の先端は
ピン37との当接状態が維持されるので、弁装置
Aは開弁している。 一方、主ピストン28が前進すると、戻しばね
52を介して従ピストン29が押圧され、その力
によつて従ピストン29が前進する。従ピストン
29が所定長前進すると、弁ロツド66の先端は
ボルト70から離反し、弁ゴム67の端面が弁座
71に着座する。すなわち、弁装置Cが閉弁す
る。 このように弁装置Cが閉弁すると、液路Dが遮
断されるので、以後従圧力室59内のエアー抜き
が不可能になる。 しかしながら、本実施例では波ワツシヤ88が
案内部材24前方の間隙部に介在されているた
め、案内部材24が差圧により前方に移動する力
は、波ワツシヤ88の弾性力によつて吸収され、
案内部材24は移動しない。 このように、本実施例では、バキユームブリー
デイング時に案内部材24が移動しないことか
ら、支持部材39、環状部材38も元位置に留ま
り、主ピストン28および従ピストン29も移動
しない。 したがつて、弁装置Cも弁装置Aと同様に開弁
状態が維持され、エアー抜きは従圧力室59側に
おいても中断されることなく、速やかに行なわれ
る。 以上、本考案の実施例につき説明したが、本考
案は勿論、これに限定されることなく本考案の技
術的思想に基づいて種々の変形が可能である。 例えば、上記実施例では弾性部材として波ワツ
シヤ88を採用し、該ワツシヤ88のばね力で案
内部材24の移動を防止しているが、波ワツシヤ
88に代え、第7図に示したように、シールリン
グ89を軸方向に圧縮させて介在させても良い。 その場合には、シールリング89を案内部材2
4の環状段部周面に装着し、該シールリング89
をシリンダ孔23の大径孔部23aの垂直壁部と
案内部材24の垂直壁部との間に挟圧させて配置
する。また、支持部材39はカツプシール27を
装着した案内部材24の凹所端面に圧入する。 このようにしてシールリング89および支持部
材39を装着するマスタシリンダ90の場合、図
示したように非動作時において、主ピストン28
の孔36内に挿通したピン37を、孔36の一側
壁に当接するように配置し、かつ該ピン37に弁
ロツド32の先端部を当接するようにして設置す
る。 このような弾性部材89であつても波ワツシヤ
88と同様のばね部材としての作用効果を有する
もので、その説明は省略する。 〔考案の効果〕 以上述べたように、本考案のマスタシリンダに
よれば、ばね部材のばね力が案内部材を所定位置
に付勢するので案内部材が移動することはない。
したがつて、バキユームブリーデイング時に弁ゴ
ムの端面と弁座とは着座せず、このため余分な手
間をかけずに確実にエアー抜きを行なうことがで
きる。
マスタシリンダに関するものである。 〔従来の技術及びその問題点〕 マスタシリンダには、シリンダ孔内に挿入され
るピストンに、いわゆるセンターバルブと称され
る弁装置を配設し、リザーバ内に充填された作動
液の圧力室側への供給を、この弁装置によつて制
御するものがある。 第8図は、特開昭56−142743号公報に開示され
たこの種のブレーキマスタシリンダを示したもの
である。 このブレーキマスタシリンダ1では、シリンダ
孔16に摺動自在に挿入されたピストン4にセン
ターバルブ型の弁装置が格納されている。この弁
装置は、バルブ部材8、弁ロツド9、ばね10等
からなり、バルブ部材8、ばね10はピストン4
の凹所7に配置され、弁ロツド9はピストンに形
成された中央貫通孔11内に配置されている。弁
ロツド9の一端部は、ピストン4を貫通し、孔1
1と交差する方向に延出したピストンの孔12内
に挿入されている。孔12内にはピン13が設け
られ、該ピン13は、第9図に示すようにピスト
ン4の周面を周方向に移動自在なサークリツプ1
4によつて挟持されている。 上記弁ロツド9の一端部は、ばね10の付勢力
でピン13に当接することにより移動域が規制さ
れている。 このような弁装置を備えたブレーキマスタシリ
ンダ1では、プツシユロツド3が動作した時、ピ
ストン4はプツシユロツド3と同じ方向に移動
し、この動作によつてばね10がバルブ部材8を
閉成する。その際に、サークリツプ14は、ピス
トン4の周面を移動するが、シリンダハウジング
2に固定された止め座金15に当接することによ
つてそれ以上の移動が防止されている。 ところで、ブレーキマスタシリンダ1では、図
示していないリザーバから供給される作動液は、
調整孔5、孔12、孔11、凹所7、を介して圧
力室6内に供給されるが、このような液路を有す
るマスタシリンダ1を車両の使用位置にセツトす
るには、作動液を予め充填した状態にする必要が
ある。 その場合、通常シリンダハウジング2内の空気
をバキユームポンプによつて調整孔5、液接続口
18を介して吸引し、その状態からシリンダ内に
作動液を吸入させることによつて行なわれる。 しかしながら、この種のマスタシリンダ1で
は、エアー抜きすなわちバキユームブリーデイン
グ処理を行なつている途中で、ピストン4の摺動
を案内する案内部材17が吸引側の圧力と大気圧
との差圧によつて、止め座金15側に形成された
間隙へと前進する作用力を受ける。このため、図
示の従来のものでは、止め座金15をハウジング
2のシリンダ孔の奥の方に形成した環状溝に固定
し、案内部材17がその止め座金15により前記
間隙側への移動を阻止されるようにしているが、
止め座金15を上記環状溝に固定する作業は非常
に困難なものとなる。そこで、その固定作業を不
要にしようとした場合、次のような問題を生ず
る。 すなわち、上記環状溝を形成せずに止め座金1
5を案内部材17と同様に単にシリンダ孔内に挿
入するようにした場合、あるいは、止め座金15
を省略した場合には、バキユームブリーデイング
時、案内部材17が前記差圧を受けて、移動を阻
止されることなく大きく前進し、サークリツプ1
4を押圧してその前端をピストン4に当接させる
に至り、これによりサークリツプ14を介してピ
ストン4を前進させる。このとき、バルブ部材8
は開弁状態を保たれるが、図示せずともピストン
4の前方には従ピストンが配設されており、これ
にもセンターバルブとしての構成を有する弁装置
が設けられているので、ピストン4とこの前方の
図示しない従ピストンとの間に張設されているば
ね6を圧縮することにより、従ピストンを前進さ
せる。これにより、従ピストン内に設けられてい
る弁装置のバルブ部材は、ピストンの内壁に形成
される弁座に着座する。すなわち従ピストンの弁
装置は閉弁する。よつて、その状態でのエアー抜
きが困難となる。したがつて、その場合には、手
操作等によつて再度弁装置を開弁し、圧力室6側
の残余の空気を抜かなければならず、その作業に
手間がかかる問題があつた。 〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案は上記実情に鑑みてなされ、組立時の作
業性を悪化させることなく、またバキユームブリ
ーデイング時に余分な手間をかけずに確実にエア
ー抜きを行なうことのできるマスタシリンダの提
供を目的としている。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、シリンダ孔を形成したシリンダ本
体と、前記シリンダ孔に摺動自在に挿入され、前
記シリンダ本体の外部まで延びる軸部及び該軸部
よりも大径で前記シリンダ孔を摺動する頭部を有
する主ピストンと、前記シリンダ孔内に摺動自在
に挿入される従ピストンと、前記主ピストンと前
記従ピストンとの間に形成される主圧力室と、前
記シリンダ孔の底部と前記従ピストンとの間に形
成される従圧力室と、前記主圧力室及び前記従圧
力室を各々、作動液リザーバ側に連通するように
前記各ピストンに形成された液路と、これら各液
路に設けられ前記主圧力室及び前記従圧力室と前
記作動液リザーバとの連通を制限し、前記各ピス
トンの圧力室側端部に設けられて、圧力室側から
弁ばねにより該ピストンに設けた弁座に向かつて
付勢される弁部材を有しており、該ピストンの圧
力室側への移動に応じて、閉弁するようにした弁
装置と、前記シリンダ孔の開口部で前記主ピスト
ンの軸部の摺動を案内する案内部材と、前記シリ
ンダ孔の開口部において前記シリンダ孔、主ピス
トンの軸部及び案内部材の三者間を密封する密封
部材と、前記案内部材の前記シリンダ孔外部への
移動を阻止するために前記シリンダ孔の開口部に
設けられた抜止め部材と、前記主ピストンに所定
の範囲で相対的移動可能に取付けられ、該主ピス
トンの軸部外周に嵌合され前記案内部材に当接可
能な環状部材及び前記主ピストンに形成した通路
内に延びて、前記環状部材の前記案内部材に対す
る当接により、前記弁部材に、これを前記弁座か
ら離座させるように係合可能な軸状部材を有する
前記主ピストンの弁装置を開弁させるための主開
弁手段と、前記シリンダ本体に取付けられ、前記
従ピストンが前記従圧力室側に所定量移動するま
で、前記弁部材に対して前記弁座側から係合し、
前記弁部材を前記弁座から前記ばねの付勢力に抗
して離座させて、前記従ピストンの弁装置を開弁
させるための従開弁手段とを備えたマスタシリン
ダにおいて、前記案内部材の前記シリンダ孔内側
に作用する圧力がその外側に作用する圧力よりも
低くなるときの差圧に打ち勝つ付勢力により、前
記案内部材を前記抜け止め部材に向けて付勢する
ばね部材を設けたマスタシリンダによつて達成さ
れる。 〔作用〕 以上の構成によれば、バキユームブリーデイン
グ時に案内部材が内方に前進しようとしても、案
内部材はばね部材からのばね力によつて抜け止め
部材から離れることなく押圧されて当接状態を維
持する。したがつて従ピストンの弁装置は閉成す
ることなく当初の状態に維持される。 〔実施例〕 以下、本考案の一実施例によるマスタシリンダ
について第1図乃至第6図を参照して説明する。 図において、本実施例のマスタシリンダは全体
として21で示される。マスタシリンダ21のシ
リンダ本体22内には段付形状のシリンダ孔23
が設けられ、前端(図の左方)は閉塞端となつて
おり、後端(図の右方)開口は後述する案内部材
24によつて閉塞されている。(なお、本明細書
において前方とは図の左方を、後方とは図の右方
を意味するものとする。)案内部材24は、抜け
止め部材としてのストツプリング25によりシー
ルリング26を介在させてシリンダ本体22に固
定されている。 案内部材24の中心貫通孔24aには、カツプ
シール27を装着した主ピストン28の軸部28
aが摺動自在に嵌合している。また、主ピストン
28の軸部28aに形成される凹所28b内には
図示しない負圧式ブースタの出力軸の先端部が受
容される。 シリンダ本体22のシリンダ孔23は案内部材
24を嵌着する大径孔部23aと大部分を占める
小径孔部23bとから成り、大径孔部23aと小
径孔部23bにわたつて主ピストン28が摺動自
在に嵌合しており、小径孔部23bの左方部には
従ピストン29が摺動自在に嵌合している。主ピ
ストン28は前端部に大径部28cを有し、カツ
プシール30を装着している。また、主ピストン
28の左方部は筒部28dとして形成されてい
る。筒部28dの周壁部には孔45が形成され、
これにより、筒部28dの内孔と、両ピストン2
8,29間に形成される主圧力室46との液連通
を行なつている。筒部28dの開口端部には、ば
ね受け41、ストツプリング42が配設されてい
る。ばね受け41と、弁ロツド32の先端部に取
り付けられた弁ゴム33との間にはばね34を張
設しており、弁ロツド32を図において右方へと
付勢している。弁ロツド32は主ピストン28に
形成した軸方向通孔35に摺動自在に嵌合してい
る。弁ロツド32の後端部は、主ピストン28を
貫通し、軸方向通孔35と交差する方向に延出し
たピストン28の孔36内に挿入されている。孔
36内にはピン37が設けられ、該ピン37は主
ピストン28を径方向に貫通し、第2図に示した
ように、一端部にばねを受けるための段部38a
を備えた環状部材38によつてその両端部が固持
されている。 環状部材38は、ピン37を孔36内において
軸方向に移動可能に案内するが、前記案内部材2
4の前方に配置された支持部材39によつて後方
側の移動が制限されている。すなわち、本実施例
では、環状部材38は支持部材39を介して案内
部材24に当接している。また、環状部材38
は、該部材38の段部38aと主ピストン28の
フランジ部との間に張設されたばね40の付勢力
によつて支持部材39に当接している。また、上
記弁ロツド32の後端部は、ばね34の付勢力で
ピン37に当接することにより後方側の移動が制
限され、該ピン37に当接している。 また、このブレーキマスタシリンダ1では、第
4図に拡大して示したように、支持部材39とシ
リンダ孔23の段部との間の間隙部に、第5図お
よび第6図に示す波ワツシヤ88が介在され波ワ
ツシヤ88はばね部材として機能している。案内
部材24は、波ワツシヤ88のねじれ姿勢からな
る押圧力によつてシリンダ孔23の開口端側に付
勢されるが、ストツプリング25に係止されて、
ガタつきのないおよび移動しない状態に受収され
ている。 一方、ピストン28の筒部28dの底壁部は弁
座43として機能し、弁ゴム33の端面と通常は
図示するように所定の間隙をおいて対向してい
る。 このような弁ゴム33、弁座43、弁ロツド3
2、ばね34は、主ピストン28の弁装置Aを構
成しており、ピン37及び環状部材38は弁装置
Aの主開弁手段として機能する。 該弁装置Aは、主ピストン28の周側に形成さ
れた無圧室44から主圧力室46への方向を順方
向とする遮断弁作用を有し、主ピストン28が左
方へ移動することにより弁ゴム33の端面が弁座
43に着座する。また、この弁装置Aは、主圧力
室46が無圧室44に対して負圧となつた際、す
なわちブレーキの弛め時に、作動液リザーバ47
から補給孔48を介して無圧室44内に供給され
た作動液が、孔36、軸方向通孔35、孔45か
らなるピストン28の液路Bを介して主圧力室4
6に供給される。 このような弁装置Aが備えられた主ピストン2
8の前端部には、前記ばね受け41を一体的に設
けたボルト49が、従ピストン29側に延出して
いる。このボルト49の頭部にはほゞハツト形状
のばね受け50が係合している。ばね受け50と
主ピストン28に形成されたばね受け部51との
間に戻しばね52が圧縮状態で張設され、ばね受
け50を従ピストン29の後端に圧接させてい
る。 ボルト49の頭部は、従ピストン29の後端部
に形成された軸方向孔29a内に摺動自在に嵌合
している。軸方向孔29aは、該孔29aと交差
する方向に延出した従ピストン29の貫通孔53
に連絡しており、軸方向孔29a内でボルト49
により押圧された液を従ピストン29の外方に逃
がすようにしている。 一方、従ピストン29の後端大径部54、前端
大径部55には、カツプシール56,57が装着
され、これにより前端大径部54と後端大径部5
5との間に無圧室58が形成され、またこのピス
トン29とシリンダ本体22の底壁部との間に従
圧力室59が形成される。従ピストン29はその
前端部に形成されたばね受け部60とシリンダ本
体22の底壁部との間に張設された戻しばね61
によつて右方に付勢されている。 従ピストン29の左方部は筒部62として形成
されている。この筒部62の周壁部には孔72が
形成され、これにより筒部62の内孔と従圧力室
59との液連通を行なつている。筒部62の開口
端部には、第3図に示すように、放射状の突起6
3aを周面に備えた皿形状の菊座金64が嵌着固
定され、菊座金64を嵌着した筒部62の内方に
は、該座金64の中心孔64aとほゞ同径の中心
孔65aを有するコツプ状のばね受け65が配置
されている。このように、筒部62の内孔は、ば
ね受け65の中心孔65a、菊座金64の中心孔
64aを介しても従圧力室59に連通している。 ばね受け65と弁ロツド66の先端部に取り付
けられた弁ゴム67との間には、ばね68を張設
しており、弁ロツド66を図において右方へと付
勢している。弁ロツド66は従ピストン29に形
成した軸方向通孔69に摺動自在に嵌合してい
る。軸方向通孔69の後端部には作動液収容室6
9aが形成され、該室69aは図示しない通路を
介して無圧室58に連通している。作動液収容室
69a内にはシリンダ本体22の側壁から貫挿さ
れたボルト70の端部が臨むように配置されてい
る。ボルト70は、後述するように操作者がブレ
ーキ力を解除し、従ピストン29が右方向に摺動
した際に、図示したように弁ロツド66の一端部
を受止め、それ以上の移動を規制するストツパと
して機能し、かつ、従ピストン29が左方向に摺
動した際に、弁ロツド66との当接を解除して開
弁部材70として機能する。また、弁ロツド66
はばね68の付勢力によつて非作動状態において
ボルト70に当接している。 一方、筒部62の底壁部は弁座71として機能
し、弁ゴム67の端面と通常は図示するように所
定の間隔をおいて対向している。 このような弁ゴム67、弁座71、弁ロツド6
6、ばね68は従ピストン29の弁装置Cを構成
し、上記したようにボルト70は弁装置Cの従開
弁手段70として機能する。弁装置Cは、従ピス
トン29の周側に形成された無圧室58から従圧
力室59への方向を順方向とする遮断弁作用を有
し、従ピストン29が左方へ移動することにより
弁ゴム67の端面が弁座72に着座する。また、
この弁装置Cは従圧力室59が無圧室58に対し
て負圧となつた際、すなわちブレーキの弛め時
に、作動液リザーバ47から補給孔73、無圧室
58、無圧室58から作動液収容室69aに連通
した図示しない通路、作動液収容室69a、軸方
向通孔69、および筒部材62の孔72あるいは
ばね受け65、菊座金64の中心孔65a,64
aからなる液路Dを介して従圧力室59に供給さ
れる。 このように、ブレーキマスタシリンダ1では、各
液路B,Dに設けた2つの弁装置A,Cによつ
て、主ピストン28、従ピストン29の動きに応
じて主圧力室46、従圧力室59の作動液リザー
バ47への連通が制限可能となつている。 シリンダ本体22の前端部には従圧力室59と
連通して出力口74が形成され、これは図示しな
い管路を介して一方の車輪ブレーキ装置に接続さ
れる。また、図示せずとも、シリンダ本体22の
中間部には主圧力室46と連通して出力口が形成
され、これは他方の車輪ブレーキ装置に接続され
る。 シリンダ本体22の前端部分の上壁部には、ボ
ス82が形成されその液接続孔75は補給孔73
を介して無圧室58と常時連通している。また、
接続孔75にはグロメツトシール76を介して作
動液リザーバ47の接続筒部77が圧入されてい
る。 作動液リザーバ47は公知の構造を有し、筒状
の本体78の上方開口はキヤツプ79によつて覆
われており、内部は第1、第2リザーバ室80,
81に画成されている。 シリンダ本体22の中間部分の上壁部には上述
のボス部82より高いボス部83が形成され、そ
の液接続口84は補給孔48を介して無圧室44
と常時連通している。また、液接続孔84の上部
にはグロメツトシール85を介してリザーバ47
の他方の接続筒部86が圧入されている。 本考案の実施例は以上のように構成されるが、
次にこの作用、効果などについて説明する。 ブレーキ非作動時には、各部分は図示する状態
にある。この状態で運転手が図示しないブレーキ
ペダルを踏み込むと、図示しない負圧式ブースタ
の出力軸を介して主ピストン28が押圧され、戻
しばね52を介して従ピストン29に伝達され
る。それにより、主ピストン28と従ピストン2
9は共に移動する。 主ピストン28および従ピストン29が所定長
左方に前進すると、弁ロツド32,66の先端部
は各々ピン37、ボルト70から離反し、ばね3
4,68の付勢力により、弁ゴム33,67の端
面が弁座43,71に当接する。すなわち、弁装
置A,Cが閉弁する。したがつて、液路B,Dが
遮断されて作動液リザーバ47と主圧力室46
間、および作動液リザーバ47と、従圧力室59
間が共に非連通の状態におかれ、主圧力室46お
よび従圧力室59内の圧力が向上する。 以後、主従ピストン28,29の前進と共に主
圧力室46,従圧力室59の液圧はさらに上昇し
ていく。かくして車両に所望のブレーキがかけら
れる。 ブレーキ力を弛めるべく運転手がブレーキペダ
ルを元に戻すと、主ピストン28および従ピスト
ン29は、両圧力室46,59の液圧および一対
の戻しばね52,61のばね力を受けて右方へと
復動する。すると、弁ロツド32,66の先端部
がピン37、ボルト70に当接し、弁装置A,C
が開弁する。それにより、無圧室44内の圧液は
液路Bを介して主圧力室46内に流入し、一方無
圧室58内の圧液は、液路Dを介して従圧力室5
9内へと流入し、両圧力室46,59に液が補給
される。 以後、ブレーキペダルの踏込および解除により
上記動作を繰り返す。 ところで、上記の作動を行なうマスタシリンダ
1のバキユームブリーデイングは、作動液リザー
バ47のキヤツプ79を外してその開口からバキ
ユームポンプによつて吸引して行なわれる。主圧
力室46内の空気は、後に液路B,Dを構成する
通路を介して吸引される。吸引が進むにしたがつ
て、主圧力室46および従圧力室59内の圧力は
大気圧と比べて小さくなるが、大気圧との差圧が
増大すると受圧面積の大きい案内部材24に、左
方向への力が作用する。もし、波ワツシヤ88が
介在されていないならば、案内部材24は前進
し、該案内部材24を介して支持部材39を前進
される。支持部材39が前進すると、その力は環
状部材38に作用し、該環状部材38を前進さ
せ、同時に該環状部材38に嵌合されたピン37
が前進する。ピン37が前進すると、そのピン3
7は孔36の側壁に当接し、主ピストン28を左
方に押圧する。それにより主ピストン28が前進
する。なお、この状態で、弁ロツド32の先端は
ピン37との当接状態が維持されるので、弁装置
Aは開弁している。 一方、主ピストン28が前進すると、戻しばね
52を介して従ピストン29が押圧され、その力
によつて従ピストン29が前進する。従ピストン
29が所定長前進すると、弁ロツド66の先端は
ボルト70から離反し、弁ゴム67の端面が弁座
71に着座する。すなわち、弁装置Cが閉弁す
る。 このように弁装置Cが閉弁すると、液路Dが遮
断されるので、以後従圧力室59内のエアー抜き
が不可能になる。 しかしながら、本実施例では波ワツシヤ88が
案内部材24前方の間隙部に介在されているた
め、案内部材24が差圧により前方に移動する力
は、波ワツシヤ88の弾性力によつて吸収され、
案内部材24は移動しない。 このように、本実施例では、バキユームブリー
デイング時に案内部材24が移動しないことか
ら、支持部材39、環状部材38も元位置に留ま
り、主ピストン28および従ピストン29も移動
しない。 したがつて、弁装置Cも弁装置Aと同様に開弁
状態が維持され、エアー抜きは従圧力室59側に
おいても中断されることなく、速やかに行なわれ
る。 以上、本考案の実施例につき説明したが、本考
案は勿論、これに限定されることなく本考案の技
術的思想に基づいて種々の変形が可能である。 例えば、上記実施例では弾性部材として波ワツ
シヤ88を採用し、該ワツシヤ88のばね力で案
内部材24の移動を防止しているが、波ワツシヤ
88に代え、第7図に示したように、シールリン
グ89を軸方向に圧縮させて介在させても良い。 その場合には、シールリング89を案内部材2
4の環状段部周面に装着し、該シールリング89
をシリンダ孔23の大径孔部23aの垂直壁部と
案内部材24の垂直壁部との間に挟圧させて配置
する。また、支持部材39はカツプシール27を
装着した案内部材24の凹所端面に圧入する。 このようにしてシールリング89および支持部
材39を装着するマスタシリンダ90の場合、図
示したように非動作時において、主ピストン28
の孔36内に挿通したピン37を、孔36の一側
壁に当接するように配置し、かつ該ピン37に弁
ロツド32の先端部を当接するようにして設置す
る。 このような弾性部材89であつても波ワツシヤ
88と同様のばね部材としての作用効果を有する
もので、その説明は省略する。 〔考案の効果〕 以上述べたように、本考案のマスタシリンダに
よれば、ばね部材のばね力が案内部材を所定位置
に付勢するので案内部材が移動することはない。
したがつて、バキユームブリーデイング時に弁ゴ
ムの端面と弁座とは着座せず、このため余分な手
間をかけずに確実にエアー抜きを行なうことがで
きる。
第1図は本考案の一実施例によるマスタシリン
ダの側断面図、第2図は第1図の環状部材および
ピンのみの斜視図、第3図はそのマスタシリンダ
の一部に採用された菊座金の平面図、第4図は第
1図の拡大断面図、第5図および第6図は本考案
の要部であるばね部材の平面図およびその側断面
図、第7図は本考案の他の実施例によるマスタシ
リンダの側断面図、第8図は従来のマスタシリン
ダの要部を示す断面図、第9図は第8図のサーク
リツプおよび伝達部材のみを示す斜視図である。 なお図において、22……シリンダ本体、23
……シリンダ孔、24……案内部材、28……主
ピストン、28a……軸部、29……従ピスト
ン、38……環状部材、46……主圧力室、47
……作動液リザーバ、52,61……戻しばね、
59……従圧力室、70……開弁部材、88……
波ワツシヤ、89……弾性部材、A,C……弁装
置、B,D……液路。
ダの側断面図、第2図は第1図の環状部材および
ピンのみの斜視図、第3図はそのマスタシリンダ
の一部に採用された菊座金の平面図、第4図は第
1図の拡大断面図、第5図および第6図は本考案
の要部であるばね部材の平面図およびその側断面
図、第7図は本考案の他の実施例によるマスタシ
リンダの側断面図、第8図は従来のマスタシリン
ダの要部を示す断面図、第9図は第8図のサーク
リツプおよび伝達部材のみを示す斜視図である。 なお図において、22……シリンダ本体、23
……シリンダ孔、24……案内部材、28……主
ピストン、28a……軸部、29……従ピスト
ン、38……環状部材、46……主圧力室、47
……作動液リザーバ、52,61……戻しばね、
59……従圧力室、70……開弁部材、88……
波ワツシヤ、89……弾性部材、A,C……弁装
置、B,D……液路。
Claims (1)
- シリンダ孔を形成したシリンダ本体と、前記シ
リンダ孔に摺動自在に挿入され、前記シリンダ本
体の外部まで延びる軸部及び該軸部よりも大径で
前記シリンダ孔を摺動する頭部を有する主ピスト
ンと、前記シリンダ孔内に摺動自在に挿入される
従ピストンと、前記主ピストンと前記従ピストン
との間に形成される主圧力室と、前記シリンダ孔
の底部と前記従ピストンとの間に形成される従圧
力室と、前記主圧力室及び前記従圧力室を各々、
作動液リザーバ側に連通するように前記各ピスト
ンに形成された液路と、これら各液路に設けられ
前記主圧力室及び前記従圧力室と前記作動液リザ
ーバとの連通を制限し、前記各ピストンの圧力室
側端部に設けられて、圧力室側から弁ばねにより
該ピストンに設けた弁座に向かつて付勢される弁
部材を有しており、該ピストンの圧力室側への移
動に応じて、閉弁するようにした弁装置と、前記
シリンダ孔の開口部で前記主ピストンの軸部の摺
動を案内する案内部材と、前記シリンダ孔の開口
部において前記シリンダ孔、主ピストンの軸部及
び案内部材の三者間を密封する密封部材と、前記
案内部材の前記シリンダ孔外部への移動を阻止す
るために前記シリンダ孔の開口部に設けられた抜
止め部材と、前記主ピストンに所定の範囲で相対
的移動可能に取付けられ、該主ピストンの軸部外
周に嵌合され前記案内部材に当接可能な環状部材
及び前記主ピストンに形成した通路内に延びて、
前記環状部材の前記案内部材に対する当接によ
り、前記弁部材に、これを前記弁座から離座させ
るように係合可能な軸状部材を有する前記主ピス
トンの弁装置を開弁させるための主開弁手段と、
前記シリンダ本体に取付けられ、前記従ピストン
が前記従圧力室側に所定量移動するまで、前記弁
部材に対して前記弁座側から係合し、前記弁部材
を前記弁座から前記弁ばねの付勢力に抗して離座
させて、前記従ピストンの弁装置を開弁させるた
めの従開弁手段とを備えたマスタシリンダにおい
て、前記案内部材の前記シリンダ孔内側に作用す
る圧力がその外側に作用する圧力よりも低くなる
ときの差圧に打ち勝つ付勢力により、前記案内部
材を前記抜け止め部材に向けて付勢するばね部材
を設けたマスタシリンダ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989100606U JPH0445972Y2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989100606U JPH0445972Y2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0342771U JPH0342771U (ja) | 1991-04-23 |
| JPH0445972Y2 true JPH0445972Y2 (ja) | 1992-10-28 |
Family
ID=31649601
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1989100606U Expired JPH0445972Y2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0445972Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62178266U (ja) * | 1986-05-06 | 1987-11-12 |
-
1989
- 1989-08-29 JP JP1989100606U patent/JPH0445972Y2/ja not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0342771U (ja) | 1991-04-23 |
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