JPH0450373B2 - - Google Patents
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- JPH0450373B2 JPH0450373B2 JP61252763A JP25276386A JPH0450373B2 JP H0450373 B2 JPH0450373 B2 JP H0450373B2 JP 61252763 A JP61252763 A JP 61252763A JP 25276386 A JP25276386 A JP 25276386A JP H0450373 B2 JPH0450373 B2 JP H0450373B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、従来の炭化チタ焼結合金から炭化タ
ングステン系焼結合金までの使用領域で用いるこ
とが可能な耐熱衝撃性、耐摩耗性、耐熱塑性変形
性及び高温における耐欠損性にすぐれた切削工具
部品用炭化チタン系焼結合金に関するものであ
る。 (従来の技術) 炭化チタン系焼結合金は、TiC−Mo2C−Ni系
焼結合金に代表される炭化物系の合金が最初に開
初されたが、炭化タングステン系焼結合金に比較
して、耐熱塑性変形性及び耐欠損性が著しく劣る
ために切削工具部品の領域の中でも高速仕上切削
用に1部実用化されてきたものである。この炭化
物系合金にTiN又はTi(C、N)を添加し、硬質
相の粒成長を抑制させて微細化することにより、
耐熱塑性変形性及び耐欠損性の向上を達成させた
ものに窒素を含有させた炭化チタン系焼結合金が
ある。 窒素を含有させた炭化チタン系焼結合金は、多
数提案されており、その内、例えば熱間圧延装置
部材用として開示されている特開昭53−119205号
公報及び耐摩耗用として開示されている特開昭57
−2860号公報の他は、一般にはTiN又はTi(C、
N)の粒成長抑制効果を利用して硬質相を微細に
し、強度を高めているものであり、特に切削工具
部品用としての窒素を含有させた炭化チタン系焼
結合金は、平均粒径が1〜2μmの出発原料粉末を
用いて混合粉砕し、そして窒素源として添加した
TiN又はTi(C、Z)の粒成長抑制効果により、
焼結後は硬質相の平均粒径が1μm以下になつてい
るものである。 実際に、切削工具部品用としての窒素含有の炭
化チタン系焼結合金の内で、焼結合金の硬質相の
粒径を規定しているものの、代表的なものとして
特開昭50−102508号公報がある。 (発明が解決しようとする問題点) 特開昭50−102508号公報は、炭化チタンと窒化
チタンとの合計量の5〜40%の窒化チタンを含有
し、W、Mo、Ta及びNbから成る群から選んだ
少なくとも1種を炭化物量として15〜40%含有
し、鉄族金属3〜30%で結合され、しかも合金の
炭化物ないし窒化物結晶の大部分が1μm以下の粒
径を有することを特徴とする結合合金が開示され
ている。この特開昭50−102508号公報の焼結合金
は、窒素を含有していない炭化チタン系焼結合金
に比較して、耐熱衝撃性、性摩耗性及び耐熱塑性
変形性にすぐれているものであるが、切削工具部
品として多最も多く、かつ広範に利用されている
炭化タングステン系焼結合金、所謂超硬合金に比
較すると上述の合金特性が充分とはいい難く、特
に激しい断続切削で大きな熱衝撃の加わる条件に
おいては、熱亀裂に基因する欠損により短寿命に
なり実用化できないという問題がある。 本発明は、切削工具部品用としての炭化チタン
系焼結合金の特性改善が、従来は合金の窒素含有
量を多くし、それにより硬質相を微細化すること
に基づいて行なわれ、結果として超硬合金に匹摘
する性能を得ることが出来なかつたのに対し、窒
素含有量を多くし、しかも硬質相粒径を比較的粗
粒側で制御し、さらに結合相を強化することによ
り、上述の問題点を解決したものであり、具体的
には、窒素源としての窒化チタンを18〜40重量%
含む硬質相の平均粒径が1.0μm〜2.0μmにあり、
かつ0.5μm以下の粒径の硬質相を全硬質相中の1
〜10体積%にして、耐衝撃性、耐摩耗性及び耐熱
塑性変形性を著しく高め、超硬合金の使用領域ま
でカバーすることができた焼結合金の提供を目的
とするものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、窒素を含む炭化チタン系焼結合
金の耐熱衝撃性及び耐熱塑性変形性を向上させる
には、硬質相の粒径をある程度粗くし、しかも結
合相量を増加させることにより結合相の平均自由
行程を大きくする必要があるという観点から出発
し、調査を行なつた所、確かに上述の方法で結合
相の平均自由行程を大きくすると耐熱衝撃性は向
上するが、今度は耐熱塑性変形性が低下し、熱塑
性変形による欠損を惹起するという問題が生じ
た。そこで、窒素を含む炭化チタン系焼結合金を
硬質相と結合相の両方に分けて、それぞれを検討
した所、次の(1)〜(4)の知見を得るに至つたもので
ある。 (1) 耐熱衝撃性を向上させるためには、結合相量
を増加させることが必要であり、結合相量を増
加させても焼結合金の耐熱塑性変形性を損わな
いためには、結合相の高温強度を強化させるこ
とが肝要である。そのために、焼結合金中の含
有窒素量をTiNで換算して18%以上、かつ周
期律表の6a族金属の炭化物を15%以上含有さ
せ、しかも結合相の格子定数を3.56Å〜3.61Å
にさせた場合、炭化チタン系焼結合金の結合相
は、著しく高温強度がすぐれるようになるこ
と。 (2) 出発原料粉末の粒径の制御と混合粉砕から焼
結条件までの製造条件の制御とにより、焼結合
金の硬質相の平均粒径を1.0μm〜2.0μmにし、
かつ0.5μm以下の粒径の硬質相を全硬質相中の
1〜10体積%にすると窒素を含む炭化チタン系
焼結合金は、熱亀裂の進展速度が遅くなり、耐
熱衝撃性が著しくすぐれること。 (3) 炭化チタンの1部を、Tiを除く周期律表の
4a族金属の炭化物又は窒化物で置換すると窒
素を含む炭化チタン系焼結合金は、耐熱塑性変
形性が一層向上するようになること。 (4) 炭化チタンの1部を、周期律表の5a族金属
の炭化物又は窒化物で置換すると窒素を含む炭
化チタン系焼結合金は、耐熱衝撃性が一層向上
するようになること。 以上、(1)〜(4)の知見に基づいて本発明を完成す
るに至つたものである。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残り炭化チタン20〜65重量%、窒化
チタン18〜40重量%、炭化タングステンと炭化モ
リブデンの合計15〜40重量%及び/又はこれらの
2種以上の相互固溶体でなる硬質相と不可避不純
物とからなる焼結合金であつて、該硬質相は、平
均粒径が1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下の粒径の
硬質相が全硬質相中の1〜10体積%であり、かつ
硬質相中のWとMoの原子比がW:Mo=48.4〜
70.0:51.6〜30.0にあり、該結合相の格子定数が
3.56Å〜3.61Åであることを特徴とするものであ
る。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における結合相は、Ni及び/又はCoを主成分と
し、その他硬質相を形成している周期律表の4a、
5a、6a族金属及び窒素、炭素の中の少なくとも
1種がNi及び/又はCo中へ固溶して、結合相を
強化する役割を果たしているものであり、特に周
期律表の6a族金属のNi及び/又はCo中への固溶
が多くなり、耐熱塑性変形性を著しく向上させて
いるものである。 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相中に固
溶される上述の溶質原子の総量を現わす目安とし
ての結合相の格子定数が、特に3.56Å〜3.61Åで
あると、耐欠損性及び耐熱塑性変形性がすぐれる
のである。この結合相の格子定数は、特に合金中
の炭素量の多少により制御され、具体的には、出
発原料粉末の総炭素量及び焼結時の雰囲気によつ
て制御されるものである。 Ni及び/又はCoは、5重量%未満では著しく
靭性に不足し、逆に25重量%を越えると著しく耐
摩耗性が低下して好ましくない。従つて、Ni及
び/又はCoは、5〜25重量%と定めたものであ
る。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における硬質相は、炭化チタンの芯部を周期律表
の4a、5a、6a族金属の中の2種以上(出発原料
で用いた化合物中の金属元素からなる)の炭窒化
物固溶体の外周部で包囲してなる第1有芯硬質
相、又はチタンと6a族金属の少なくとも1種と
の炭化物の芯部を周期律表の4a、5a、6a族金属
の中の2種以上(出発原料で用いた化合物中の金
属元素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部で包
囲してなる第2有芯硬質相、もしくは周期律表の
4a、5a、6a族金属の中の2種以上(出発原料で
用いた化合物中の金属元素からなる)の炭窒化物
固溶体からなり、Ti及びNに富む炭窒化物固溶
体の芯部をWやMoの6a族金属に富みNに乏しい
外周部で包囲してなる第3有芯硬質相、あるいは
炭窒化チタンの芯部を周期律表の4a、5a、6a族
金属の中の2種以上(出発原料で用いた化合物中
の金属元素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部
で包囲してなる第4有芯硬質相、さらには窒化チ
タンの芯部を周期律表の4a、5a、6a族金属の中
の2種以上(出発原料で用いた化合物との金属元
素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部で包囲し
てなる第5有芯硬質相、その他芯部と外周部とが
均質構造である硬質相などである。ここで述べて
きた周期律表の4a、5a、6a族金属の2種以上の
炭窒化物固溶体は、合金組織中に非平衡状態で残
留し、その具体的な成分構造としては、例えば (Ti、W)(C、N)、 (Ti、Mo)(C、N)、 (Ti、Cr)(C、N) (Ti、W、Mo)(C、N)、 (Ti、W、Cr)(C、N)、 (Ti、W、Ta)(C、N)、 (Ti、W、Mo、Ta)(C、N)、 (Ti、W、Ta、Zr)(C、N)、 (Ti、W、Mo、Ta、Zr)(C、N) (Ti、W、Mo、Ta、Nb、Zr)(C、N) などを挙げることができる。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における主として硬質相を構成している炭化チタ
ンは、耐摩耗性を向上させるものであり、炭化チ
タンが20重量%未満では、切削工具部品として実
用化できるだけの耐摩耗性が得られず、逆に65重
量%を越えて含有させると、耐熱衝撃性が低下し
て好ましくない。従つて、焼結合金中に含有させ
る炭化チタンは、20〜65重量%と定めたものであ
る。 主として硬質相を構成している窒化チタンは、
18重量%未満では、結合相の強化が達成できず、
逆に40状態を越えて含有させると、難焼結性で巣
孔が生じやすくなり、耐摩耗性の低下となる。従
つて、焼結合金中に含有させる窒化チタンは、18
〜40重量%と定めたものである。 主として硬質相を構成している炭化タングステ
ンと炭化モリブデンの合計の炭化物は、15重量%
未満では結合相の強化が達成できず、耐欠損性が
劣り、逆に40重量%を越えて含有させると、高温
における耐摩耗性、耐溶着性及び耐酸化性が低下
して好ましくない。従つて、焼結合金中に含有さ
せる炭化タングステンと炭化モリブデンの合計の
炭化物は、15〜40重量%と定めたものである。 硬質相中に含有し、硬質相を構成しているMo
が原子比でMo/W+Mo>51.6%の場合は、硬質
相が著しく粗粒化し、低硬度となり、逆にMo/
W+Mo<30.0%の場合は、低級炭化物(η相状)
又は遊離炭素が発生しやすく、焼結時の調整が困
難となる。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、硬質相と結合相とを構成している、それぞれ
の成分組成の他に、硬質相の粒径が非常に大きな
役割を果たしており、この硬質相の平均粒径が
1μm未満では結合相の平均自由行程が小さくなり
すぎ、熱亀裂の伝播抵抗が小さくなつて耐熱衝撃
性が低下し、逆に2μmを越えて大きくなると、熱
亀裂が硬質相粒内を進展し易くなり、耐欠損性が
低下する。従つて、硬質相の平均粒径は、1.0μm
〜2.0μmと定めたものである。また、硬質相全体
に対して、0.5μm以下の粒径の硬質相が10体積%
を越えて存在すると、結合相の平均自由行程を小
ならしめ、熱亀裂の進展を助長させ、耐熱衝撃性
を低下させる。逆に、硬質相全体に対して、
0.5μm以下の粒径の硬質相を1体積%未満に抑え
るためには、焼結時の粒成長(オストワルド成
長)を活発に行なわせる以外に方法がなく、そう
すると硬質相の粒成長が著しくなり、そうすると
硬質相の粒成長が著しくなり、靭性の低下を招く
とになる。従つて、0.5μm以下の粒径の硬質相
は、硬質相全体に対して1〜10体積%に定めたも
のである。 上述の硬質相に含まれている炭化チタンの5〜
31重量%を周期律表の5a族金属の炭化物又は窒
化物の少なくとも1種で置換すると、硬質相粒内
のクラツク伝播を阻止し、耐熱衝撃性を向上させ
るので、必要に応じて置換することは好ましいこ
とである。また、硬質相に含まれている炭化チタ
ンの0.5〜8重量%をZr又はHfの炭化物もしくは
窒化物の少なくとも1種で置すると、耐熱塑性変
形性を向上させるので、必要に応じて置換するこ
とは好ましいことである。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
を製造する場合、その製造工程の多くは、従来の
粉末冶金法に準ずるが、硬質相の粒径を制御する
必要があるため、出発原料粉末の粒径の選択、混
合粉砕工程及び焼結条件に特別な配慮をする必要
がある。 まず、出発原料粉末の内、上述の有芯硬質相の
芯部及び均質な硬質相を形成するための出発原料
粉末は、出来るだけ粒度分布の狭いものを選択
し、その平均粒径は、後工程である混合粉砕工程
を考慮すると好ましくは、目的とする硬質相の平
均粒径の約2倍の大きさ、例えば平均粒径2〜
3μmのものを選定するのがよい。また、炭化チタ
ン及び窒化チタンの1部又は全部を炭窒化チタン
の固溶体粉末、又は炭化チタン及び炭化タングス
テンの1部又は全部を炭化チタン・タングステン
の固溶体粉末などを出発原料として用いることも
よい。さらに、周期律表の6a族金属の炭化物は、
例えば炭化タングステン粉末を出発原料とする場
合にはその1部を必要に応じてタングステン粉末
とカーボン粉末として加えることにより、結合相
の格子定数の値をコントロールすることが可能で
ある。結合相の主成分となるNi及び/又はCoの
粉末は、可能な限り微細な、例えば平均粒径1μm
以下のものを用いるか、あるいは容易に粉砕が可
能な酸化ニツケル及び/又は酸化コバルトを出発
原料粉末として用いることもできる。 混合粉砕は、出来るだけ短時間で行ない、微細
粉末の量が増加しないようにすることが好まし
く、混合粉砕後の硬質相を形成するための粉末の
平均粒径により、焼結合金の硬質相の粒径が決定
されるといつてよいぐらいに混合粉砕方法及び時
間を重要視する必要がある。実際には、出発原料
粉末の平均粒径と混合粉砕方法を組合わせて、前
もつて処理時間の検討を行なつて後、実用化条件
を決定するのが好ましいことである。 焼結条件は、0.5μm以下の微細硬質相粒子を減
少させるために、通常よりも高温又は長時間の条
件で焼結を行なうことが好ましいことである。高
温焼結を行なう場合は、通常の真空焼結を行なう
と脱窒が生じるため、最初は、真空又は還元性ガ
ス雰囲気中で液相出現温度まで昇温し、その後、
液相出現後は、上述の脱窒を抑制するために1〜
20torrの窒素雰囲気中で焼結することが好まし
い。 以上のような方法で得た焼結合金を窒素ガス又
は不活性ガス雰囲気中、1300℃以上の温度、1000
気圧以上の圧力で熱間静水圧(HIP)処理を施す
と、一層常温における強度が向上し、好ましいこ
とである。 (作 用) 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、硬質相の粒界に結合相が存在し、硬質相を形
成している炭化チタンが耐摩耗性を向上させる作
用をし、窒化チタンが周期律表の6a族金属の結
合相中への固溶を促進させて、結合相を強化させ
る作用をしているものである。また、硬質相の粒
径を制御することにより、結合相の平均自由行程
が小さくならないようにし、これにより耐熱衝撃
性を向上させる作用をしているものである。さら
に、必要に応じて、硬質相に含有させる周期律表
の5a族金属の炭化物又は窒化物は、硬質相の強
度を向上させ、硬質相粒内のクラツク伝播を阻止
し、硬質相の粒径と共に耐熱衝撃性を向上させる
作用をし、Zr又はHfの炭化物又は窒化物は耐熱
塑性変形性を向上させる作用をしているものであ
る。 (実施例) 実施例 1 平均粒径2〜3μm内にある各種の炭化物粉末、
窒化物粉末、炭窒化物固溶体粉末及び炭化物粉末
と金属W、金属Mo、カーボン粉末と平均粒径
1.0μmのNi及びCoの各種出発原料粉末を用いて、
第1表に示すような組成に配合し、アセトンと超
硬合金製ボールの入つた混合容器中で混合粉砕し
た。混合粉砕条件は、炭化チタン粉末及び固溶体
粉末を除く他の粉末を最初に45時間混合した後、
炭化チタン粉末及び/又は各固溶体粉末を追加配
合し、さらに5時間混合した。こうして得た混合
粉末を所定の形状にプレスし、粉末成形体を得
た。次いで、5×10-2torrの真空中で1400℃まで
昇温し、1400℃後は5torrの窒素雰囲気中にし、
この雰囲気中で焼結温度まで昇温及び保持して焼
結し、本発明の焼結合金と比較の焼結合金を得
た。ただし、いずれの試料もWC又かMo2Cの一
部を金属W又は金属Moに置換、あるいは微量の
カーボン粉末添加により、結合相の格子定数を制
御させた。第1表に、本発明品と比較品の配合組
成及び焼結条件を示した。この第1表の各試料
は、主としてカーボン量のコントロールにより、
焼結体の結合相の格子定数を制御したもので、具
体的には、カーボン量の減少が起こらないような
従来の製造方法により、第1表の比較品No.10及び
No.11を作製し、第1表の本発明品に比べて一層カ
ーボン量を減少させることにより、第1表の比較
品No.3を作製したものである。こうして得た本発
明品(1)〜(10)と比較品(1)〜(11)の各焼結合金の組成成
分及び焼結合金の硬質相に含有しているWとMo
の原子比を求めて第2−1表に示した。次いで、
各焼結合金のそれぞれについて走査型電子顕微鏡
で5000倍に拡大した写真を撮り、硬質相の平均粒
径及び硬質相中に存在する0.5μm以下の粒径の硬
質相の体積率を求めた。また、各合金の表面の硬
質相を溶解除去後、X線回析により結合相の格子
定数を求めた。さらに、各合金の抗析強度及びカ
タサを測定した。これらの結果を第2−2表に併
記した。
ングステン系焼結合金までの使用領域で用いるこ
とが可能な耐熱衝撃性、耐摩耗性、耐熱塑性変形
性及び高温における耐欠損性にすぐれた切削工具
部品用炭化チタン系焼結合金に関するものであ
る。 (従来の技術) 炭化チタン系焼結合金は、TiC−Mo2C−Ni系
焼結合金に代表される炭化物系の合金が最初に開
初されたが、炭化タングステン系焼結合金に比較
して、耐熱塑性変形性及び耐欠損性が著しく劣る
ために切削工具部品の領域の中でも高速仕上切削
用に1部実用化されてきたものである。この炭化
物系合金にTiN又はTi(C、N)を添加し、硬質
相の粒成長を抑制させて微細化することにより、
耐熱塑性変形性及び耐欠損性の向上を達成させた
ものに窒素を含有させた炭化チタン系焼結合金が
ある。 窒素を含有させた炭化チタン系焼結合金は、多
数提案されており、その内、例えば熱間圧延装置
部材用として開示されている特開昭53−119205号
公報及び耐摩耗用として開示されている特開昭57
−2860号公報の他は、一般にはTiN又はTi(C、
N)の粒成長抑制効果を利用して硬質相を微細に
し、強度を高めているものであり、特に切削工具
部品用としての窒素を含有させた炭化チタン系焼
結合金は、平均粒径が1〜2μmの出発原料粉末を
用いて混合粉砕し、そして窒素源として添加した
TiN又はTi(C、Z)の粒成長抑制効果により、
焼結後は硬質相の平均粒径が1μm以下になつてい
るものである。 実際に、切削工具部品用としての窒素含有の炭
化チタン系焼結合金の内で、焼結合金の硬質相の
粒径を規定しているものの、代表的なものとして
特開昭50−102508号公報がある。 (発明が解決しようとする問題点) 特開昭50−102508号公報は、炭化チタンと窒化
チタンとの合計量の5〜40%の窒化チタンを含有
し、W、Mo、Ta及びNbから成る群から選んだ
少なくとも1種を炭化物量として15〜40%含有
し、鉄族金属3〜30%で結合され、しかも合金の
炭化物ないし窒化物結晶の大部分が1μm以下の粒
径を有することを特徴とする結合合金が開示され
ている。この特開昭50−102508号公報の焼結合金
は、窒素を含有していない炭化チタン系焼結合金
に比較して、耐熱衝撃性、性摩耗性及び耐熱塑性
変形性にすぐれているものであるが、切削工具部
品として多最も多く、かつ広範に利用されている
炭化タングステン系焼結合金、所謂超硬合金に比
較すると上述の合金特性が充分とはいい難く、特
に激しい断続切削で大きな熱衝撃の加わる条件に
おいては、熱亀裂に基因する欠損により短寿命に
なり実用化できないという問題がある。 本発明は、切削工具部品用としての炭化チタン
系焼結合金の特性改善が、従来は合金の窒素含有
量を多くし、それにより硬質相を微細化すること
に基づいて行なわれ、結果として超硬合金に匹摘
する性能を得ることが出来なかつたのに対し、窒
素含有量を多くし、しかも硬質相粒径を比較的粗
粒側で制御し、さらに結合相を強化することによ
り、上述の問題点を解決したものであり、具体的
には、窒素源としての窒化チタンを18〜40重量%
含む硬質相の平均粒径が1.0μm〜2.0μmにあり、
かつ0.5μm以下の粒径の硬質相を全硬質相中の1
〜10体積%にして、耐衝撃性、耐摩耗性及び耐熱
塑性変形性を著しく高め、超硬合金の使用領域ま
でカバーすることができた焼結合金の提供を目的
とするものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、窒素を含む炭化チタン系焼結合
金の耐熱衝撃性及び耐熱塑性変形性を向上させる
には、硬質相の粒径をある程度粗くし、しかも結
合相量を増加させることにより結合相の平均自由
行程を大きくする必要があるという観点から出発
し、調査を行なつた所、確かに上述の方法で結合
相の平均自由行程を大きくすると耐熱衝撃性は向
上するが、今度は耐熱塑性変形性が低下し、熱塑
性変形による欠損を惹起するという問題が生じ
た。そこで、窒素を含む炭化チタン系焼結合金を
硬質相と結合相の両方に分けて、それぞれを検討
した所、次の(1)〜(4)の知見を得るに至つたもので
ある。 (1) 耐熱衝撃性を向上させるためには、結合相量
を増加させることが必要であり、結合相量を増
加させても焼結合金の耐熱塑性変形性を損わな
いためには、結合相の高温強度を強化させるこ
とが肝要である。そのために、焼結合金中の含
有窒素量をTiNで換算して18%以上、かつ周
期律表の6a族金属の炭化物を15%以上含有さ
せ、しかも結合相の格子定数を3.56Å〜3.61Å
にさせた場合、炭化チタン系焼結合金の結合相
は、著しく高温強度がすぐれるようになるこ
と。 (2) 出発原料粉末の粒径の制御と混合粉砕から焼
結条件までの製造条件の制御とにより、焼結合
金の硬質相の平均粒径を1.0μm〜2.0μmにし、
かつ0.5μm以下の粒径の硬質相を全硬質相中の
1〜10体積%にすると窒素を含む炭化チタン系
焼結合金は、熱亀裂の進展速度が遅くなり、耐
熱衝撃性が著しくすぐれること。 (3) 炭化チタンの1部を、Tiを除く周期律表の
4a族金属の炭化物又は窒化物で置換すると窒
素を含む炭化チタン系焼結合金は、耐熱塑性変
形性が一層向上するようになること。 (4) 炭化チタンの1部を、周期律表の5a族金属
の炭化物又は窒化物で置換すると窒素を含む炭
化チタン系焼結合金は、耐熱衝撃性が一層向上
するようになること。 以上、(1)〜(4)の知見に基づいて本発明を完成す
るに至つたものである。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残り炭化チタン20〜65重量%、窒化
チタン18〜40重量%、炭化タングステンと炭化モ
リブデンの合計15〜40重量%及び/又はこれらの
2種以上の相互固溶体でなる硬質相と不可避不純
物とからなる焼結合金であつて、該硬質相は、平
均粒径が1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下の粒径の
硬質相が全硬質相中の1〜10体積%であり、かつ
硬質相中のWとMoの原子比がW:Mo=48.4〜
70.0:51.6〜30.0にあり、該結合相の格子定数が
3.56Å〜3.61Åであることを特徴とするものであ
る。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における結合相は、Ni及び/又はCoを主成分と
し、その他硬質相を形成している周期律表の4a、
5a、6a族金属及び窒素、炭素の中の少なくとも
1種がNi及び/又はCo中へ固溶して、結合相を
強化する役割を果たしているものであり、特に周
期律表の6a族金属のNi及び/又はCo中への固溶
が多くなり、耐熱塑性変形性を著しく向上させて
いるものである。 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相中に固
溶される上述の溶質原子の総量を現わす目安とし
ての結合相の格子定数が、特に3.56Å〜3.61Åで
あると、耐欠損性及び耐熱塑性変形性がすぐれる
のである。この結合相の格子定数は、特に合金中
の炭素量の多少により制御され、具体的には、出
発原料粉末の総炭素量及び焼結時の雰囲気によつ
て制御されるものである。 Ni及び/又はCoは、5重量%未満では著しく
靭性に不足し、逆に25重量%を越えると著しく耐
摩耗性が低下して好ましくない。従つて、Ni及
び/又はCoは、5〜25重量%と定めたものであ
る。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における硬質相は、炭化チタンの芯部を周期律表
の4a、5a、6a族金属の中の2種以上(出発原料
で用いた化合物中の金属元素からなる)の炭窒化
物固溶体の外周部で包囲してなる第1有芯硬質
相、又はチタンと6a族金属の少なくとも1種と
の炭化物の芯部を周期律表の4a、5a、6a族金属
の中の2種以上(出発原料で用いた化合物中の金
属元素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部で包
囲してなる第2有芯硬質相、もしくは周期律表の
4a、5a、6a族金属の中の2種以上(出発原料で
用いた化合物中の金属元素からなる)の炭窒化物
固溶体からなり、Ti及びNに富む炭窒化物固溶
体の芯部をWやMoの6a族金属に富みNに乏しい
外周部で包囲してなる第3有芯硬質相、あるいは
炭窒化チタンの芯部を周期律表の4a、5a、6a族
金属の中の2種以上(出発原料で用いた化合物中
の金属元素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部
で包囲してなる第4有芯硬質相、さらには窒化チ
タンの芯部を周期律表の4a、5a、6a族金属の中
の2種以上(出発原料で用いた化合物との金属元
素からなる)の炭窒化物固溶体の外周部で包囲し
てなる第5有芯硬質相、その他芯部と外周部とが
均質構造である硬質相などである。ここで述べて
きた周期律表の4a、5a、6a族金属の2種以上の
炭窒化物固溶体は、合金組織中に非平衡状態で残
留し、その具体的な成分構造としては、例えば (Ti、W)(C、N)、 (Ti、Mo)(C、N)、 (Ti、Cr)(C、N) (Ti、W、Mo)(C、N)、 (Ti、W、Cr)(C、N)、 (Ti、W、Ta)(C、N)、 (Ti、W、Mo、Ta)(C、N)、 (Ti、W、Ta、Zr)(C、N)、 (Ti、W、Mo、Ta、Zr)(C、N) (Ti、W、Mo、Ta、Nb、Zr)(C、N) などを挙げることができる。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
における主として硬質相を構成している炭化チタ
ンは、耐摩耗性を向上させるものであり、炭化チ
タンが20重量%未満では、切削工具部品として実
用化できるだけの耐摩耗性が得られず、逆に65重
量%を越えて含有させると、耐熱衝撃性が低下し
て好ましくない。従つて、焼結合金中に含有させ
る炭化チタンは、20〜65重量%と定めたものであ
る。 主として硬質相を構成している窒化チタンは、
18重量%未満では、結合相の強化が達成できず、
逆に40状態を越えて含有させると、難焼結性で巣
孔が生じやすくなり、耐摩耗性の低下となる。従
つて、焼結合金中に含有させる窒化チタンは、18
〜40重量%と定めたものである。 主として硬質相を構成している炭化タングステ
ンと炭化モリブデンの合計の炭化物は、15重量%
未満では結合相の強化が達成できず、耐欠損性が
劣り、逆に40重量%を越えて含有させると、高温
における耐摩耗性、耐溶着性及び耐酸化性が低下
して好ましくない。従つて、焼結合金中に含有さ
せる炭化タングステンと炭化モリブデンの合計の
炭化物は、15〜40重量%と定めたものである。 硬質相中に含有し、硬質相を構成しているMo
が原子比でMo/W+Mo>51.6%の場合は、硬質
相が著しく粗粒化し、低硬度となり、逆にMo/
W+Mo<30.0%の場合は、低級炭化物(η相状)
又は遊離炭素が発生しやすく、焼結時の調整が困
難となる。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、硬質相と結合相とを構成している、それぞれ
の成分組成の他に、硬質相の粒径が非常に大きな
役割を果たしており、この硬質相の平均粒径が
1μm未満では結合相の平均自由行程が小さくなり
すぎ、熱亀裂の伝播抵抗が小さくなつて耐熱衝撃
性が低下し、逆に2μmを越えて大きくなると、熱
亀裂が硬質相粒内を進展し易くなり、耐欠損性が
低下する。従つて、硬質相の平均粒径は、1.0μm
〜2.0μmと定めたものである。また、硬質相全体
に対して、0.5μm以下の粒径の硬質相が10体積%
を越えて存在すると、結合相の平均自由行程を小
ならしめ、熱亀裂の進展を助長させ、耐熱衝撃性
を低下させる。逆に、硬質相全体に対して、
0.5μm以下の粒径の硬質相を1体積%未満に抑え
るためには、焼結時の粒成長(オストワルド成
長)を活発に行なわせる以外に方法がなく、そう
すると硬質相の粒成長が著しくなり、そうすると
硬質相の粒成長が著しくなり、靭性の低下を招く
とになる。従つて、0.5μm以下の粒径の硬質相
は、硬質相全体に対して1〜10体積%に定めたも
のである。 上述の硬質相に含まれている炭化チタンの5〜
31重量%を周期律表の5a族金属の炭化物又は窒
化物の少なくとも1種で置換すると、硬質相粒内
のクラツク伝播を阻止し、耐熱衝撃性を向上させ
るので、必要に応じて置換することは好ましいこ
とである。また、硬質相に含まれている炭化チタ
ンの0.5〜8重量%をZr又はHfの炭化物もしくは
窒化物の少なくとも1種で置すると、耐熱塑性変
形性を向上させるので、必要に応じて置換するこ
とは好ましいことである。 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
を製造する場合、その製造工程の多くは、従来の
粉末冶金法に準ずるが、硬質相の粒径を制御する
必要があるため、出発原料粉末の粒径の選択、混
合粉砕工程及び焼結条件に特別な配慮をする必要
がある。 まず、出発原料粉末の内、上述の有芯硬質相の
芯部及び均質な硬質相を形成するための出発原料
粉末は、出来るだけ粒度分布の狭いものを選択
し、その平均粒径は、後工程である混合粉砕工程
を考慮すると好ましくは、目的とする硬質相の平
均粒径の約2倍の大きさ、例えば平均粒径2〜
3μmのものを選定するのがよい。また、炭化チタ
ン及び窒化チタンの1部又は全部を炭窒化チタン
の固溶体粉末、又は炭化チタン及び炭化タングス
テンの1部又は全部を炭化チタン・タングステン
の固溶体粉末などを出発原料として用いることも
よい。さらに、周期律表の6a族金属の炭化物は、
例えば炭化タングステン粉末を出発原料とする場
合にはその1部を必要に応じてタングステン粉末
とカーボン粉末として加えることにより、結合相
の格子定数の値をコントロールすることが可能で
ある。結合相の主成分となるNi及び/又はCoの
粉末は、可能な限り微細な、例えば平均粒径1μm
以下のものを用いるか、あるいは容易に粉砕が可
能な酸化ニツケル及び/又は酸化コバルトを出発
原料粉末として用いることもできる。 混合粉砕は、出来るだけ短時間で行ない、微細
粉末の量が増加しないようにすることが好まし
く、混合粉砕後の硬質相を形成するための粉末の
平均粒径により、焼結合金の硬質相の粒径が決定
されるといつてよいぐらいに混合粉砕方法及び時
間を重要視する必要がある。実際には、出発原料
粉末の平均粒径と混合粉砕方法を組合わせて、前
もつて処理時間の検討を行なつて後、実用化条件
を決定するのが好ましいことである。 焼結条件は、0.5μm以下の微細硬質相粒子を減
少させるために、通常よりも高温又は長時間の条
件で焼結を行なうことが好ましいことである。高
温焼結を行なう場合は、通常の真空焼結を行なう
と脱窒が生じるため、最初は、真空又は還元性ガ
ス雰囲気中で液相出現温度まで昇温し、その後、
液相出現後は、上述の脱窒を抑制するために1〜
20torrの窒素雰囲気中で焼結することが好まし
い。 以上のような方法で得た焼結合金を窒素ガス又
は不活性ガス雰囲気中、1300℃以上の温度、1000
気圧以上の圧力で熱間静水圧(HIP)処理を施す
と、一層常温における強度が向上し、好ましいこ
とである。 (作 用) 本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼結合金
は、硬質相の粒界に結合相が存在し、硬質相を形
成している炭化チタンが耐摩耗性を向上させる作
用をし、窒化チタンが周期律表の6a族金属の結
合相中への固溶を促進させて、結合相を強化させ
る作用をしているものである。また、硬質相の粒
径を制御することにより、結合相の平均自由行程
が小さくならないようにし、これにより耐熱衝撃
性を向上させる作用をしているものである。さら
に、必要に応じて、硬質相に含有させる周期律表
の5a族金属の炭化物又は窒化物は、硬質相の強
度を向上させ、硬質相粒内のクラツク伝播を阻止
し、硬質相の粒径と共に耐熱衝撃性を向上させる
作用をし、Zr又はHfの炭化物又は窒化物は耐熱
塑性変形性を向上させる作用をしているものであ
る。 (実施例) 実施例 1 平均粒径2〜3μm内にある各種の炭化物粉末、
窒化物粉末、炭窒化物固溶体粉末及び炭化物粉末
と金属W、金属Mo、カーボン粉末と平均粒径
1.0μmのNi及びCoの各種出発原料粉末を用いて、
第1表に示すような組成に配合し、アセトンと超
硬合金製ボールの入つた混合容器中で混合粉砕し
た。混合粉砕条件は、炭化チタン粉末及び固溶体
粉末を除く他の粉末を最初に45時間混合した後、
炭化チタン粉末及び/又は各固溶体粉末を追加配
合し、さらに5時間混合した。こうして得た混合
粉末を所定の形状にプレスし、粉末成形体を得
た。次いで、5×10-2torrの真空中で1400℃まで
昇温し、1400℃後は5torrの窒素雰囲気中にし、
この雰囲気中で焼結温度まで昇温及び保持して焼
結し、本発明の焼結合金と比較の焼結合金を得
た。ただし、いずれの試料もWC又かMo2Cの一
部を金属W又は金属Moに置換、あるいは微量の
カーボン粉末添加により、結合相の格子定数を制
御させた。第1表に、本発明品と比較品の配合組
成及び焼結条件を示した。この第1表の各試料
は、主としてカーボン量のコントロールにより、
焼結体の結合相の格子定数を制御したもので、具
体的には、カーボン量の減少が起こらないような
従来の製造方法により、第1表の比較品No.10及び
No.11を作製し、第1表の本発明品に比べて一層カ
ーボン量を減少させることにより、第1表の比較
品No.3を作製したものである。こうして得た本発
明品(1)〜(10)と比較品(1)〜(11)の各焼結合金の組成成
分及び焼結合金の硬質相に含有しているWとMo
の原子比を求めて第2−1表に示した。次いで、
各焼結合金のそれぞれについて走査型電子顕微鏡
で5000倍に拡大した写真を撮り、硬質相の平均粒
径及び硬質相中に存在する0.5μm以下の粒径の硬
質相の体積率を求めた。また、各合金の表面の硬
質相を溶解除去後、X線回析により結合相の格子
定数を求めた。さらに、各合金の抗析強度及びカ
タサを測定した。これらの結果を第2−2表に併
記した。
【表】
【表】
【表】
【表】
実施例 2
実施例1で得た本発明品及び比較品と市販の
JIS規格P30相当の超硬合金を加えて、下記の(a)
条件の連続旋削による切削試験を行ない、平均逃
げ面摩耗量、クレータ摩耗量及び熱塑性変形量を
測定比較した。また、同じく各試料を用いて、下
記の(b)条件の断続転削による切削試験を行ない、
欠損するまでの時間を比較した。これらの(a)条件
及び(b)条件における切削試験結果を第3表に示し
た。 (a) 条件(耐摩耗性及び耐熱塑性変形性) 被削材 SNCM439(HB230) 250mmφ チツプ形状 SPGN422(0.1×30°直線ホーニン
グ) 切削速度 160m/min 切込み量 1,5mm 送り速度 0.3mm/rev 切削時間 3min(乾式) (b) 条件(耐欠損性) 被削材 SCM440(HB280) 50×150角材 チツプ形状 SPGN422 (0.1×−30°直線ホーニング) 切削速度 160m/min 切込み量 1.5mm 送り速度
0.14mm/刃(1枚刃、乾式、中心削り)
JIS規格P30相当の超硬合金を加えて、下記の(a)
条件の連続旋削による切削試験を行ない、平均逃
げ面摩耗量、クレータ摩耗量及び熱塑性変形量を
測定比較した。また、同じく各試料を用いて、下
記の(b)条件の断続転削による切削試験を行ない、
欠損するまでの時間を比較した。これらの(a)条件
及び(b)条件における切削試験結果を第3表に示し
た。 (a) 条件(耐摩耗性及び耐熱塑性変形性) 被削材 SNCM439(HB230) 250mmφ チツプ形状 SPGN422(0.1×30°直線ホーニン
グ) 切削速度 160m/min 切込み量 1,5mm 送り速度 0.3mm/rev 切削時間 3min(乾式) (b) 条件(耐欠損性) 被削材 SCM440(HB280) 50×150角材 チツプ形状 SPGN422 (0.1×−30°直線ホーニング) 切削速度 160m/min 切込み量 1.5mm 送り速度
0.14mm/刃(1枚刃、乾式、中心削り)
【表】
* 熱亀裂が原因で生じた欠損であ
る。
(発明の効果) 以上の結果、本発明の切削工具部品用炭化チタ
ン系焼結合金は、従来の炭化チタン系焼結合金と
比較すると、特に結合相が同量のもので比較する
と、耐摩耗性及び耐熱塑性変形性が略同等である
が、耐欠損性が2.3倍から5.8倍もすぐれるという
効果がある。また、従来の炭化チタン系焼結合金
は、超硬合金の使用領域で用いたとしてもせいぜ
いJIS規格のP05からP10の1部で使える程度であ
つたが、本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼
結合金は、JIS規格のP30超硬合金と比較すると、
耐クレータ摩耗性及び耐熱塑性変形性が同等で、
耐欠損性が同等、もしくは約16%すぐれており、
耐逃げ面摩耗性が約2倍すぐれるという効果があ
る。これらのことから、本発明の切削工具部品用
炭化チタン系焼結合金は、産業上非常に有用な材
料である。
る。
(発明の効果) 以上の結果、本発明の切削工具部品用炭化チタ
ン系焼結合金は、従来の炭化チタン系焼結合金と
比較すると、特に結合相が同量のもので比較する
と、耐摩耗性及び耐熱塑性変形性が略同等である
が、耐欠損性が2.3倍から5.8倍もすぐれるという
効果がある。また、従来の炭化チタン系焼結合金
は、超硬合金の使用領域で用いたとしてもせいぜ
いJIS規格のP05からP10の1部で使える程度であ
つたが、本発明の切削工具部品用炭化チタン系焼
結合金は、JIS規格のP30超硬合金と比較すると、
耐クレータ摩耗性及び耐熱塑性変形性が同等で、
耐欠損性が同等、もしくは約16%すぐれており、
耐逃げ面摩耗性が約2倍すぐれるという効果があ
る。これらのことから、本発明の切削工具部品用
炭化チタン系焼結合金は、産業上非常に有用な材
料である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残り炭化チタン20〜65重量%、窒化
チタン18〜40重量%、炭化タングステンと炭化モ
リブデンの合計15〜40重量%及び/又はこれらの
2種以上の相互固溶体でなる硬質相と不可避不純
物とからなる焼結合金であつて、該硬質相は、平
均粒径が1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下の粒径の
硬質相が全硬質相中の1〜10体積%であり、かつ
硬質相中のWとMoの原子比がW:Mo=48.4〜
70.0:51.6〜30.0にあり、該結合相の格子定数が
3.56Å〜5.61Åであることを特徴とする切削工具
部品用炭化チタン系焼結合金。 2 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残り周期律表5a族金属の炭化物又
は窒化物の少なくとも1種5〜31重量%と残部炭
化チタンとの合計を20〜65重量%、窒化チタン18
〜40重量%、炭化タングステンと炭化モリブデン
の合計15〜40重量%及び/又はこれらの2種以上
の相互固溶体である硬質相と不可避不純物とから
なる焼結合金であつて、該硬質相は、平均粒径が
1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下の粒径の硬質相が
全硬質相中の1〜10体積%であり、かつ硬質相中
のWとMoの原子比がW:Mo=48.4〜70.0:51.6
〜30.0にあり、該結合相の格子定数が3.65Å〜
3.61Åであることを特徴とする切削工具部品用炭
化チタン系焼結合金。 3 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残りZr又はHfの炭化物もしくは窒
化物の少なくとも1種0.5〜8重量%と残部炭化
チタンとの合計を20〜65重量%、窒化チタン18〜
40重量%、炭化タングステンと炭化モリブデンの
合計15〜40重量%及び/又はこれらの2種以上の
相互溶体でなる硬質相と不可避不純物とからなる
焼結合金であつて、該硬質相は、平均粒径が
1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下の粒径の硬質相が
全硬質相中の1〜10体積%であり、かつ硬質相中
のWとMoの原子比がW:Mo=48.4〜70.0:51.6
〜30.0にあり、該結合相は格子定数が3.56Å〜
3.61Åであることを特徴とする切削工具部品用炭
化チタン系焼結合金。 4 Ni及び/又はCoを主成分とする結合相5〜
25重量%と、残り周期律表5a金属の炭化物又は
窒化物の少なくとも1種5〜31重量%とZr又は
Hfの炭化物もしくは窒化物の少なくとも1種0.5
〜8重量%と残部炭化チタンとの合計を20〜65重
量%、窒化チタン18〜40重量、炭化タングステン
と炭化モリブデンの合計15〜40重量%及び/又は
これらの2種以上の相互固溶体でなる硬質相と不
可避不純物とからなる焼結合金であつて、該硬質
相は、平均粒径が1.0μm〜2.0μmで、0.5μm以下
の粒径の硬質相が全硬質相中の1〜10体積%であ
り、かつ硬質相中のWとMoの原子比がW:Mo
=48.4〜70.0:51.6〜30.0にあり、該結合相の格
子定数が3.56Å〜3.61Åであることを特徴とする
切削工具部品用炭化チタン系焼結合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25276386A JPS63109139A (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 切削工具部品用炭化チタン系焼結合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25276386A JPS63109139A (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 切削工具部品用炭化チタン系焼結合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63109139A JPS63109139A (ja) | 1988-05-13 |
| JPH0450373B2 true JPH0450373B2 (ja) | 1992-08-14 |
Family
ID=17241953
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25276386A Granted JPS63109139A (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 切削工具部品用炭化チタン系焼結合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63109139A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5186739A (en) * | 1989-02-22 | 1993-02-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Cermet alloy containing nitrogen |
| GB0915971D0 (en) * | 2009-09-11 | 2009-10-28 | Element Six Ltd | Polycrysalline diamond composite compact elements, tools incorporating same, method for making same and method for using same |
| WO2019159781A1 (ja) | 2018-02-13 | 2019-08-22 | 三菱マテリアル株式会社 | TiN基焼結体およびTiN基焼結体製切削工具 |
| JP7185844B2 (ja) | 2018-02-13 | 2022-12-08 | 三菱マテリアル株式会社 | TiN基焼結体およびTiN基焼結体製切削工具 |
| JP7008906B2 (ja) * | 2018-09-06 | 2022-02-10 | 三菱マテリアル株式会社 | TiN基焼結体およびTiN基焼結体製切削工具 |
| US12109625B2 (en) | 2018-09-28 | 2024-10-08 | Mitsubishi Materials Corporation | Surface-coated TiN-based cermet cutting tool in which hard coating layer exhibits excellent chipping resistance |
| JP6922110B1 (ja) | 2020-10-09 | 2021-08-18 | 日本タングステン株式会社 | 粉砕・撹拌・混合・混練機部材 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5321016A (en) * | 1976-08-11 | 1978-02-27 | Hitachi Metals Ltd | Superhard alloy showing superior resistance to oxidation and highhtemperature hardness |
| JPS5391007A (en) * | 1977-01-24 | 1978-08-10 | Nippon Shinkinzoku Kk | High strength sintered alloy belonging to titanium nitride |
| JPS59229431A (ja) * | 1983-05-20 | 1984-12-22 | Mitsubishi Metal Corp | 切削工具用高靭性サ−メツトの製造法 |
| JPS602647A (ja) * | 1983-06-20 | 1985-01-08 | Mitsubishi Metal Corp | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 |
| JPS6173857A (ja) * | 1984-09-19 | 1986-04-16 | Mitsubishi Metal Corp | 切削工具用サ−メツト |
-
1986
- 1986-10-23 JP JP25276386A patent/JPS63109139A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63109139A (ja) | 1988-05-13 |
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