JPH0451279B2 - - Google Patents
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- JPH0451279B2 JPH0451279B2 JP29508787A JP29508787A JPH0451279B2 JP H0451279 B2 JPH0451279 B2 JP H0451279B2 JP 29508787 A JP29508787 A JP 29508787A JP 29508787 A JP29508787 A JP 29508787A JP H0451279 B2 JPH0451279 B2 JP H0451279B2
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- welding
- flux
- slag
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- weld metal
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Description
(産業上の利用分野)
この発明は、比較的薄肉の鋼板の単層溶接から
厚鋼板の多層溶接まで適用できるサブマージアー
ク溶接用溶融型フラツクス、とくに多層溶接では
開先内でのスラグはく離性、ビード外観が良好
で、しかも機械的性能にも優れた溶接金属が得ら
れるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクスに
関するものである。 (従来の技術) 鋼板の自動溶接方法としては、サブマージアー
ク溶接方法、MIG溶接方法およびCO2溶接方法な
どがあるが、その中でもサブマージアーク溶接方
法は溶着量が多く、しかも深溶け込みが得られる
ため、能率面、得られる継手の信頼性の面で優れ
た溶接方法と考えられ、とくに厚鋼板の溶接に広
く用いられている。 ところでサブマージアーク溶接用フラツクスに
は焼成型と溶融型とがあり、前者は生の原材料を
水ガラスなどのバインダを用いて造粒、焼成した
もので、フラツクス中にガス発生源を添加して、
アーク中の水素分圧を低減することにより拡散性
水素量を減らしたり、フラツクスから合金元素の
添加ができるなどの利点がある反面、吸湿し易い
ことの他に、多電極高速溶接がむずかしいなどの
欠点がある。 一方、溶融型フラツクスは、原材料を溶融後、
ガラス状に凝固させたものを粉砕することにより
製造されるが、通常はガラス状になつているため
吸湿しにくく、しかも多電極高速溶接に適してい
るという利点がある。 これらはそれぞれの特長が活かされるように目
的に応じて使い分けされている。たとえばUOE
パイプの如く溶接速度が、工場全体の生産能力に
大きく影響する場合は、多電極高速溶接法を採用
する必要があり、一般的には溶融型フラツクスを
用いた多電極両面1層溶接方法が適用されてい
る。この場合、フラツクスに要求される特性は、
高速でも欠陥の無い良好なビードが得られるこ
と、および溶接金属の機械的性能に優れているこ
とである。 ところが厚肉の鋼板の如く多層溶接方法をとら
ざるを得ない場合には、実溶接時間よりもむしろ
スラグ除去などに要する時間の方が全体の能率に
大きく影響し、従つてスラグはく離性の悪いフラ
ツクスでは、その除去に多大の時間と労力を要
し、好ましくない。 前述の如く、UOEパイプのような長手シーム
溶接をシステム化された工場で行う場合には、溶
接速度が生産性に大きく影響するが、鉄骨、橋梁
など形状が様々でありまた単品に近いものでは確
実にスラグがはく離でき、しかもビード形状が良
好で欠陥発生の無い溶接が行えれば能率は良好と
なる。たとえば多層溶接において、はく離性の悪
いフラツクスを使用すると、スラグ除去に多大の
時間と労力を要するばかりではなく、除去不完全
の場合には取り残したスラグが原因となつて、溶
込み不良やスラグ巻き込みなどの溶接欠陥が発生
し易いという問題がある。 スラグのはく離性は、開先角度が狭い場合、と
くに劣化しやすく、通常のX開先では最もきつい
初層溶接のスラグはく離性が問題となることが多
い。 すなわち、従来、多層溶接用として一般に用い
られているSiO2−MnO系、SiO2−MnO−CaO系
フラツクスでは開先内でスラグはく離性を良くす
るために、開先角度を60゜以上まで広げ、しかも
ビード形状の劣化を防止するために低速、低入熱
溶接とすることが多く、とても能率がいいとはい
えなかつた。 スラグはく離を改善する方法としては、SiO2
−MnO系フラツクスにPbOを少量添加する方法
が特開昭53−133543号公報に提案されているが、
この方法ではPbの人体への影響が心配されると
いう問題がある。 一方スラグはく離性を改善し、狭開先溶接に適
用できるフラツクスとしてすでにいくつかの提案
がなされている。たとえば特開昭55−10356号、
同55−10357号および同55−10358号各公報などで
あり、これらはフラツクスの成分範囲を規定し、
狭開先溶接が可能となるようにしたものである
が、SiO2を低減し、Al2O3を多量に添加している
ため、フラツクス融点が高くビード幅が出にくい
という問題があり、通常の単層または多層の突合
せ溶接に適用した場合はSiO2の多いフラツクス
に比較して幅が狭く、結果的にビード高さの高い
ビードとなりやすく外観上好ましくない。 ここにスラグはく離性を改善する要件としては
以下に示す項目が考えられる。 (1) スラグの体積収縮量と溶接金属体積収縮量の
差が大きいこと。 (2) スラグと溶接金属との付着力が小さいこと。 (3) ビード断面形状が凹型で機械的にスラグを拘
束しないこと。 (1)に関しては、一般的にはスラグの熱膨張係数
が大きいほうが有利であり、そのためにはスラグ
の分離凝固温度は高いことが望ましいが、高すぎ
る場合にはビード幅が出にくくなることから、こ
の点を勘案して選定しなければならない。 (2)に関しては、スラグと溶接金属間の界面張力
と密接に関係し、界面エネルギーが増加するほど
付着力は小さくなる。 (3)に関しては、凸状ビードの場合エツジ部にア
ンダカツトが生じ、それが機械的にスラグを拘束
してはく離性をさまたげることからビード形状は
フラツトか凹型にする必要がある。このビード形
状には溶接条件も関係するため、適切な条件を選
定することはもちろん重要である。 さらにスラグのはく離性が良好であることの
他、溶接金属のじん性が良好であること、さらに
は低温割れが発生しないように溶接金属中拡散性
水素量が少ないことなどが具備条件として挙げら
れる。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、サブマージアーク溶接において単
層溶接時に幅広の良好なビード外観を得ることは
勿論のこと、多層溶接時でもスラグはく離性が良
好で、しかも外観ならびに溶接金属の機械的性能
も良好ならしめる溶融型フラツクスを提案するこ
とを目的とする。 (問題点を解決するための手段) まず、この発明の解明経緯について説明する。 さて発明者らは、種々の組成を有するフラツク
スを溶製し、単層溶接時のビード外観、形状、な
らびに比較的角度の小さい開先内多層溶接時にお
けるスラグはく離性、ビード形状および溶接金属
のじん性などを総合的に検討した。 その結果SiO2,TiO2,MgOを比較的多量に含
み、しかもSiO2が一定の関係を満足していると
きに、ビード幅が広く、またフラツクス融点をそ
れほど高くしなくても開先内でのスラグはく離性
が極めて良好で、しかもビード断面形状もフラツ
トまたは凹型になることを見い出した。そのとき
のスラグはほぼガラス質で顕微鏡観察、X線観察
により、ごく少量のTiO2系の結晶質が認められ
たが、このガラス質スラグの中にわずかに存在す
る結晶質がスラグ全体の体積収縮量を大きくして
いることが考えられる。この観点に立てば、スラ
グ全体を結晶質にすることにより安定したスラグ
はく離性が得られると考えられるが、そのために
はTiO2やAl2O3を増やす必要が生じるため、結果
的にスラグ融点が高くなり、ビード幅が出なくな
るとともにフラツクス中の水素量が増加すること
から、これらをむやみに増やさない方が良いこと
も判明した。 加えて、SiO2はビード幅を広くする上で一定
量以上添加しなければならないこと、また溶接金
属じん性の面からMgOを少し多めに、さらに
CaO,CaF2も一定量以上添加して溶接金属中酸
素量を低減する必要のあることも判つた。このよ
うにして、試作したフラツクスは、単層溶接時に
良好なビードが得られるとともに、多層溶接時の
開先内スラグはく離性も良好であつたが、フラツ
クス粒度との関係でさらに検討したところ、一定
の粒度条件を有しているフラツクスの方が形状の
より良好なビードが得られることも併せて見い出
した。 この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。 すなわち、この発明は、 SiO2:20〜30wt%(以下単に%で示す) TiO2:13〜20%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8% MnO:7〜15% MgO:12〜20% CaO:5〜17% CaF2:5〜15%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は二種の
合計:0.1〜2.0% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5%以下、74μm
より細粒のものが全体の5〜20%を占めることか
らなるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
である。 またこの発明は、 SiO2:20〜30% TiO2:13〜20%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8% MnO:7〜15% MgO:12〜20% CaO:5〜17% B2O3:1.0%以下 CaF2:5〜15%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は二種合
計:0.1〜2.0% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5%以下、74μm
より細粒のものが全体の5〜20%を占めることか
らなるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
である。 (作用) まずこの発明において、成分組成を上記の範囲
に限定した理由について説明する。 SiO2:20〜30% SiO2は、フラツクスを構成する重要な成分で
ビード外観、溶接金属のじん性などに大きな影響
を与える。配合量が20%未満ではビード幅が出に
くく、外観上好ましくないビードとなり、一方30
%を超えると溶接金属中酸素量が増加してじん性
を劣化させることから、20〜30%にする必要があ
る。 TiO2:13〜20% TiO2は、開先内でのスラグはく離性に大きく
影響し、13%未満ではスラグがビードにこびり付
き易く、一方20%を超えるとスラグが全面的に結
晶質となつてビード幅が出にくくなり、また溶接
金属中酸素量が増加してじん性も劣化するため、
12〜20%にする必要がある。 さらにSiO2,TiO2についての組成条件として、 SiO2/TiO2=1.0〜1.55 とした理由はつぎのとおりである。 SiO2/TiO2の値は開先内でのスラグはく離性
とビード外観に関係する値でこの値が1.0より小
さい場合には、ビード幅の狭い余盛の高い凸ビー
ドになつて結果的にビードエツジ部のスラグはく
離性が悪くなる。 一方、1.55より大きい場合には、ビード外観は
良好となるもののスラグが完全にガラス化して開
先内でのはく離性が劣化するので、SiO2/TiO2
の値は1.0〜1.55にする必要がある。 Al2:2〜8% Al2O3は、スラグの軟化温度に大きく影響する
と共にはく離性の向上にも有効に寄与する。 しかしながら2%未満では、スラグはく離性が
劣化し、一方8%を超えると融点が高くなりすぎ
て良好なビードが得られなくなることから、2〜
8%とした。 MnO:7〜15% MnOは、ビード形状、溶接金属のじん性に関
係する成分である。その含有量が少ない場合には
ビードが凸状になりやすく、結果的にスラグのは
く離性を劣化させ、また溶接金属中のMnの歩留
りが悪くなつて焼入性が不足しじん性が劣化する
ので、少なくとも7%の添加が必要である。しか
しながら多すぎるとMnOの還元により酸素が増
加し、逆にじん性が劣化することから、15%以下
にする必要がある。 MgO:12〜20% MgOは、塩基性成分であつて溶接金属の酸素
量を低減してじん性を向上させる作用があるが、
12%未満ではその効果が小さく、一方20%を超え
て添加するとスラグ軟化温度が高なりすぎ凸状ビ
ードになりやすいことから、12〜20%とした。 CaO:5〜17% CaOは、フラツクス塩基度を高め溶接金属の酸
素量を低減してじん性を改善するのに有効に寄与
するが、5%未満ではその効果が期待できず、一
方17%を超えるビード表面に通称あばたと呼ばれ
るポツクマークが発生しやすくなり、かつフラツ
クス中の水素量も増加するため、5〜17%の範囲
にしなければならない。 CaF2:5〜15% CaF2は、溶接金属の酸素量を低減する作用が
あり、少なすぎる場合にはその効果が期待できな
い。またCaF2はスラグ粘性を低下させる作用が
強く、添加しすぎるとスラグの流動性が大きくな
りすぎて開先内でのはく離性が劣化する。しかだ
つてこれらの理由から5〜15%の範囲に限定し
た。 NaOおよび/またはK2O:0.1〜2.0% 溶接においてアークを安定に保ことは良好なビ
ードを得るための基基本的条件であり、とくに狭
開先溶接のような通常の溶接よりも厳しい条件の
場合には必須の要件であるが、これらのアルカリ
酸化物は少量でサブマージアーク溶接時のアーク
安定性を大幅に向上させる作用がある。しかしな
がらこれらの配合量が0.1%に満たないとアーク
安定性を向上させる効果に乏しく、一方2.0%を
超えると、フラツクス中の水分量が増加し、結果
的に溶接金属拡散水素量の増加を招くため、これ
らの配合量は単独添加または複合添加いずれの場
合であつても0.1〜2.0%にする必要がある。 B2O3:1.0%以下 フラツクス中のB2O3は還元により溶接金属へ
のBの添加を可能とし、Ti−B系溶接金属とし
てじん性を向上させる点で有効である。しかしな
がら1.0%を超えて添加すると高温割れが発生し
易くなるため、1.0%以下で添加するものとした。 なお不可避的に混入するFeOやZrO2,BaOな
どについてはそれらの合計が5%以下であれば何
ら問題はない。 さらに発明者らの研究によれば、上記の成分範
囲を満足していてもフラツクス粒度を適正範囲に
調整しない場合にはアークを安定に保つて良好な
ビード形状を得ることができないことが判明し
た。 すなわち、粒度が粗い場合にはアーク中で発生
するガスの逸出と、アーク圧力のバランスが悪く
なつて不連続な吹き上げが起こり易く、良好なビ
ードが得られないため、全体の構成を細粒側に移
行させる必要があるが、逆に細粒が多すぎるとガ
スが抜けにくくなるため、この場合も良好なビー
ドが得られにくい。即ち単層溶接、多層溶接両者
において良好なビードを得るためには発生ガス逸
出がスムーズに行われ、アーク空洞圧力がほぼコ
ンスタントに保持される必要がある。 これを達成するためには、フラツクスの粒子径
が351μmより粗粒のものが全体の5%以下でか
つ、74μmより細粒のものが全体の5〜20%の範
囲にする必要がある。 (実施例) 実施例 1 第1表に示した組成に調整した種々のフラツク
スと、1.8Mn−0.5Mo系ワイヤとを組合せ、角
度:70゜、深さ:8mmのV溝加工を施した20mm厚
のJIS SM50B相当鋼板に、第2表に示す条件で
2電極サブマージアーク溶接を行い、ビード形
状、溶接欠陥などを調査した。 溶接作業性の評価結果および溶接金属の性能は
一括して、第3表に示した。 なお、2mmVノツチシヤルピー衝撃試験片は外
表面2mmの位置から採取した。 また溶接欠陥検査は目視によるアンダカツト検
査のほかX線透過検査による内部欠陥検査を実施
した。 さらに全フラツクスについて、JIS Z 3116に
基づく水素試験を実施し、その結果も第3表に併
記した。
厚鋼板の多層溶接まで適用できるサブマージアー
ク溶接用溶融型フラツクス、とくに多層溶接では
開先内でのスラグはく離性、ビード外観が良好
で、しかも機械的性能にも優れた溶接金属が得ら
れるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクスに
関するものである。 (従来の技術) 鋼板の自動溶接方法としては、サブマージアー
ク溶接方法、MIG溶接方法およびCO2溶接方法な
どがあるが、その中でもサブマージアーク溶接方
法は溶着量が多く、しかも深溶け込みが得られる
ため、能率面、得られる継手の信頼性の面で優れ
た溶接方法と考えられ、とくに厚鋼板の溶接に広
く用いられている。 ところでサブマージアーク溶接用フラツクスに
は焼成型と溶融型とがあり、前者は生の原材料を
水ガラスなどのバインダを用いて造粒、焼成した
もので、フラツクス中にガス発生源を添加して、
アーク中の水素分圧を低減することにより拡散性
水素量を減らしたり、フラツクスから合金元素の
添加ができるなどの利点がある反面、吸湿し易い
ことの他に、多電極高速溶接がむずかしいなどの
欠点がある。 一方、溶融型フラツクスは、原材料を溶融後、
ガラス状に凝固させたものを粉砕することにより
製造されるが、通常はガラス状になつているため
吸湿しにくく、しかも多電極高速溶接に適してい
るという利点がある。 これらはそれぞれの特長が活かされるように目
的に応じて使い分けされている。たとえばUOE
パイプの如く溶接速度が、工場全体の生産能力に
大きく影響する場合は、多電極高速溶接法を採用
する必要があり、一般的には溶融型フラツクスを
用いた多電極両面1層溶接方法が適用されてい
る。この場合、フラツクスに要求される特性は、
高速でも欠陥の無い良好なビードが得られるこ
と、および溶接金属の機械的性能に優れているこ
とである。 ところが厚肉の鋼板の如く多層溶接方法をとら
ざるを得ない場合には、実溶接時間よりもむしろ
スラグ除去などに要する時間の方が全体の能率に
大きく影響し、従つてスラグはく離性の悪いフラ
ツクスでは、その除去に多大の時間と労力を要
し、好ましくない。 前述の如く、UOEパイプのような長手シーム
溶接をシステム化された工場で行う場合には、溶
接速度が生産性に大きく影響するが、鉄骨、橋梁
など形状が様々でありまた単品に近いものでは確
実にスラグがはく離でき、しかもビード形状が良
好で欠陥発生の無い溶接が行えれば能率は良好と
なる。たとえば多層溶接において、はく離性の悪
いフラツクスを使用すると、スラグ除去に多大の
時間と労力を要するばかりではなく、除去不完全
の場合には取り残したスラグが原因となつて、溶
込み不良やスラグ巻き込みなどの溶接欠陥が発生
し易いという問題がある。 スラグのはく離性は、開先角度が狭い場合、と
くに劣化しやすく、通常のX開先では最もきつい
初層溶接のスラグはく離性が問題となることが多
い。 すなわち、従来、多層溶接用として一般に用い
られているSiO2−MnO系、SiO2−MnO−CaO系
フラツクスでは開先内でスラグはく離性を良くす
るために、開先角度を60゜以上まで広げ、しかも
ビード形状の劣化を防止するために低速、低入熱
溶接とすることが多く、とても能率がいいとはい
えなかつた。 スラグはく離を改善する方法としては、SiO2
−MnO系フラツクスにPbOを少量添加する方法
が特開昭53−133543号公報に提案されているが、
この方法ではPbの人体への影響が心配されると
いう問題がある。 一方スラグはく離性を改善し、狭開先溶接に適
用できるフラツクスとしてすでにいくつかの提案
がなされている。たとえば特開昭55−10356号、
同55−10357号および同55−10358号各公報などで
あり、これらはフラツクスの成分範囲を規定し、
狭開先溶接が可能となるようにしたものである
が、SiO2を低減し、Al2O3を多量に添加している
ため、フラツクス融点が高くビード幅が出にくい
という問題があり、通常の単層または多層の突合
せ溶接に適用した場合はSiO2の多いフラツクス
に比較して幅が狭く、結果的にビード高さの高い
ビードとなりやすく外観上好ましくない。 ここにスラグはく離性を改善する要件としては
以下に示す項目が考えられる。 (1) スラグの体積収縮量と溶接金属体積収縮量の
差が大きいこと。 (2) スラグと溶接金属との付着力が小さいこと。 (3) ビード断面形状が凹型で機械的にスラグを拘
束しないこと。 (1)に関しては、一般的にはスラグの熱膨張係数
が大きいほうが有利であり、そのためにはスラグ
の分離凝固温度は高いことが望ましいが、高すぎ
る場合にはビード幅が出にくくなることから、こ
の点を勘案して選定しなければならない。 (2)に関しては、スラグと溶接金属間の界面張力
と密接に関係し、界面エネルギーが増加するほど
付着力は小さくなる。 (3)に関しては、凸状ビードの場合エツジ部にア
ンダカツトが生じ、それが機械的にスラグを拘束
してはく離性をさまたげることからビード形状は
フラツトか凹型にする必要がある。このビード形
状には溶接条件も関係するため、適切な条件を選
定することはもちろん重要である。 さらにスラグのはく離性が良好であることの
他、溶接金属のじん性が良好であること、さらに
は低温割れが発生しないように溶接金属中拡散性
水素量が少ないことなどが具備条件として挙げら
れる。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、サブマージアーク溶接において単
層溶接時に幅広の良好なビード外観を得ることは
勿論のこと、多層溶接時でもスラグはく離性が良
好で、しかも外観ならびに溶接金属の機械的性能
も良好ならしめる溶融型フラツクスを提案するこ
とを目的とする。 (問題点を解決するための手段) まず、この発明の解明経緯について説明する。 さて発明者らは、種々の組成を有するフラツク
スを溶製し、単層溶接時のビード外観、形状、な
らびに比較的角度の小さい開先内多層溶接時にお
けるスラグはく離性、ビード形状および溶接金属
のじん性などを総合的に検討した。 その結果SiO2,TiO2,MgOを比較的多量に含
み、しかもSiO2が一定の関係を満足していると
きに、ビード幅が広く、またフラツクス融点をそ
れほど高くしなくても開先内でのスラグはく離性
が極めて良好で、しかもビード断面形状もフラツ
トまたは凹型になることを見い出した。そのとき
のスラグはほぼガラス質で顕微鏡観察、X線観察
により、ごく少量のTiO2系の結晶質が認められ
たが、このガラス質スラグの中にわずかに存在す
る結晶質がスラグ全体の体積収縮量を大きくして
いることが考えられる。この観点に立てば、スラ
グ全体を結晶質にすることにより安定したスラグ
はく離性が得られると考えられるが、そのために
はTiO2やAl2O3を増やす必要が生じるため、結果
的にスラグ融点が高くなり、ビード幅が出なくな
るとともにフラツクス中の水素量が増加すること
から、これらをむやみに増やさない方が良いこと
も判明した。 加えて、SiO2はビード幅を広くする上で一定
量以上添加しなければならないこと、また溶接金
属じん性の面からMgOを少し多めに、さらに
CaO,CaF2も一定量以上添加して溶接金属中酸
素量を低減する必要のあることも判つた。このよ
うにして、試作したフラツクスは、単層溶接時に
良好なビードが得られるとともに、多層溶接時の
開先内スラグはく離性も良好であつたが、フラツ
クス粒度との関係でさらに検討したところ、一定
の粒度条件を有しているフラツクスの方が形状の
より良好なビードが得られることも併せて見い出
した。 この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。 すなわち、この発明は、 SiO2:20〜30wt%(以下単に%で示す) TiO2:13〜20%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8% MnO:7〜15% MgO:12〜20% CaO:5〜17% CaF2:5〜15%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は二種の
合計:0.1〜2.0% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5%以下、74μm
より細粒のものが全体の5〜20%を占めることか
らなるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
である。 またこの発明は、 SiO2:20〜30% TiO2:13〜20%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8% MnO:7〜15% MgO:12〜20% CaO:5〜17% B2O3:1.0%以下 CaF2:5〜15%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は二種合
計:0.1〜2.0% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5%以下、74μm
より細粒のものが全体の5〜20%を占めることか
らなるサブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
である。 (作用) まずこの発明において、成分組成を上記の範囲
に限定した理由について説明する。 SiO2:20〜30% SiO2は、フラツクスを構成する重要な成分で
ビード外観、溶接金属のじん性などに大きな影響
を与える。配合量が20%未満ではビード幅が出に
くく、外観上好ましくないビードとなり、一方30
%を超えると溶接金属中酸素量が増加してじん性
を劣化させることから、20〜30%にする必要があ
る。 TiO2:13〜20% TiO2は、開先内でのスラグはく離性に大きく
影響し、13%未満ではスラグがビードにこびり付
き易く、一方20%を超えるとスラグが全面的に結
晶質となつてビード幅が出にくくなり、また溶接
金属中酸素量が増加してじん性も劣化するため、
12〜20%にする必要がある。 さらにSiO2,TiO2についての組成条件として、 SiO2/TiO2=1.0〜1.55 とした理由はつぎのとおりである。 SiO2/TiO2の値は開先内でのスラグはく離性
とビード外観に関係する値でこの値が1.0より小
さい場合には、ビード幅の狭い余盛の高い凸ビー
ドになつて結果的にビードエツジ部のスラグはく
離性が悪くなる。 一方、1.55より大きい場合には、ビード外観は
良好となるもののスラグが完全にガラス化して開
先内でのはく離性が劣化するので、SiO2/TiO2
の値は1.0〜1.55にする必要がある。 Al2:2〜8% Al2O3は、スラグの軟化温度に大きく影響する
と共にはく離性の向上にも有効に寄与する。 しかしながら2%未満では、スラグはく離性が
劣化し、一方8%を超えると融点が高くなりすぎ
て良好なビードが得られなくなることから、2〜
8%とした。 MnO:7〜15% MnOは、ビード形状、溶接金属のじん性に関
係する成分である。その含有量が少ない場合には
ビードが凸状になりやすく、結果的にスラグのは
く離性を劣化させ、また溶接金属中のMnの歩留
りが悪くなつて焼入性が不足しじん性が劣化する
ので、少なくとも7%の添加が必要である。しか
しながら多すぎるとMnOの還元により酸素が増
加し、逆にじん性が劣化することから、15%以下
にする必要がある。 MgO:12〜20% MgOは、塩基性成分であつて溶接金属の酸素
量を低減してじん性を向上させる作用があるが、
12%未満ではその効果が小さく、一方20%を超え
て添加するとスラグ軟化温度が高なりすぎ凸状ビ
ードになりやすいことから、12〜20%とした。 CaO:5〜17% CaOは、フラツクス塩基度を高め溶接金属の酸
素量を低減してじん性を改善するのに有効に寄与
するが、5%未満ではその効果が期待できず、一
方17%を超えるビード表面に通称あばたと呼ばれ
るポツクマークが発生しやすくなり、かつフラツ
クス中の水素量も増加するため、5〜17%の範囲
にしなければならない。 CaF2:5〜15% CaF2は、溶接金属の酸素量を低減する作用が
あり、少なすぎる場合にはその効果が期待できな
い。またCaF2はスラグ粘性を低下させる作用が
強く、添加しすぎるとスラグの流動性が大きくな
りすぎて開先内でのはく離性が劣化する。しかだ
つてこれらの理由から5〜15%の範囲に限定し
た。 NaOおよび/またはK2O:0.1〜2.0% 溶接においてアークを安定に保ことは良好なビ
ードを得るための基基本的条件であり、とくに狭
開先溶接のような通常の溶接よりも厳しい条件の
場合には必須の要件であるが、これらのアルカリ
酸化物は少量でサブマージアーク溶接時のアーク
安定性を大幅に向上させる作用がある。しかしな
がらこれらの配合量が0.1%に満たないとアーク
安定性を向上させる効果に乏しく、一方2.0%を
超えると、フラツクス中の水分量が増加し、結果
的に溶接金属拡散水素量の増加を招くため、これ
らの配合量は単独添加または複合添加いずれの場
合であつても0.1〜2.0%にする必要がある。 B2O3:1.0%以下 フラツクス中のB2O3は還元により溶接金属へ
のBの添加を可能とし、Ti−B系溶接金属とし
てじん性を向上させる点で有効である。しかしな
がら1.0%を超えて添加すると高温割れが発生し
易くなるため、1.0%以下で添加するものとした。 なお不可避的に混入するFeOやZrO2,BaOな
どについてはそれらの合計が5%以下であれば何
ら問題はない。 さらに発明者らの研究によれば、上記の成分範
囲を満足していてもフラツクス粒度を適正範囲に
調整しない場合にはアークを安定に保つて良好な
ビード形状を得ることができないことが判明し
た。 すなわち、粒度が粗い場合にはアーク中で発生
するガスの逸出と、アーク圧力のバランスが悪く
なつて不連続な吹き上げが起こり易く、良好なビ
ードが得られないため、全体の構成を細粒側に移
行させる必要があるが、逆に細粒が多すぎるとガ
スが抜けにくくなるため、この場合も良好なビー
ドが得られにくい。即ち単層溶接、多層溶接両者
において良好なビードを得るためには発生ガス逸
出がスムーズに行われ、アーク空洞圧力がほぼコ
ンスタントに保持される必要がある。 これを達成するためには、フラツクスの粒子径
が351μmより粗粒のものが全体の5%以下でか
つ、74μmより細粒のものが全体の5〜20%の範
囲にする必要がある。 (実施例) 実施例 1 第1表に示した組成に調整した種々のフラツク
スと、1.8Mn−0.5Mo系ワイヤとを組合せ、角
度:70゜、深さ:8mmのV溝加工を施した20mm厚
のJIS SM50B相当鋼板に、第2表に示す条件で
2電極サブマージアーク溶接を行い、ビード形
状、溶接欠陥などを調査した。 溶接作業性の評価結果および溶接金属の性能は
一括して、第3表に示した。 なお、2mmVノツチシヤルピー衝撃試験片は外
表面2mmの位置から採取した。 また溶接欠陥検査は目視によるアンダカツト検
査のほかX線透過検査による内部欠陥検査を実施
した。 さらに全フラツクスについて、JIS Z 3116に
基づく水素試験を実施し、その結果も第3表に併
記した。
【表】
【表】
* アンダラインはこの発明の適正範囲からはずれて
いることを示す。
いることを示す。
【表】
【表】
第3表に示したとおり、この発明に従うフラツ
クスは、スラグはく離性、ビード形状が良好で欠
陥が無く、溶接金属のじん性も優れており、さら
には拡散性水素量も2c.c./100gD.M以下と少な
く、水素割れの危険性も小さかつた。 一方、比較フラツクスにおいては、V溝1層溶
接であるため化学組成、粒度構成が発明範囲外で
あつてもスラグはく離性はとくに問題なかつた
が、化学組成や、粒度構成等の関係で多少の問題
があるものがあつた。 すなわちB1ではとくに大きな問題は無かつた
(後述するように多層溶接では問題がある)が、
B2ではSiO2量が多いため、SiO2の還元による溶
接金属中の酸素量増加が原因で溶接金属じん性が
低い。 B3は、粒度が粗目であるため、ビード形状が
凸ぎみでアンダカツトが発生した。 B4は、B1同様V溝1層溶接では作業性の上で
とくに大きな問題は無かつたが、MnOが多く、
MgOが少ないので溶接金属のじん性が低かつた。 B5は、粒度がやや粗く多少凸状ビードとなり
易く、またCaOが多いためアバタが発生した。 B6は、細粒が多すぎて溶接時に呼き上げが起
り、結果的にビードが蛇行する結果となつた。ま
たビード幅も狭い傾向が認められた。 実施例 2 第1表に示したフラツクスを用い、X開先を加
工した板厚38mmのSM50Bに1〜2電極サブマー
ジアーク多層溶接を実施した。ワイヤは実施例1
と同様1.80Mn−0.5Mo系のものを用いた。 第1図は、X開先の形状を示したもので、この
場合第2図の如く内面側は1パス仕上げとし、外
面側は1層1〜2パス積層法で5パス溶接とし
た。初層のみ高温割れ防止1電極溶接とした。第
4表は、このときの溶接条件を示したものであ
る。 検査項目として外面側多層溶接時のスラグはく
離性、ビード形状を調査し、さらに完全に積層し
た後にX線透過検査により欠陥を調査した結果を
第5表に示す。
クスは、スラグはく離性、ビード形状が良好で欠
陥が無く、溶接金属のじん性も優れており、さら
には拡散性水素量も2c.c./100gD.M以下と少な
く、水素割れの危険性も小さかつた。 一方、比較フラツクスにおいては、V溝1層溶
接であるため化学組成、粒度構成が発明範囲外で
あつてもスラグはく離性はとくに問題なかつた
が、化学組成や、粒度構成等の関係で多少の問題
があるものがあつた。 すなわちB1ではとくに大きな問題は無かつた
(後述するように多層溶接では問題がある)が、
B2ではSiO2量が多いため、SiO2の還元による溶
接金属中の酸素量増加が原因で溶接金属じん性が
低い。 B3は、粒度が粗目であるため、ビード形状が
凸ぎみでアンダカツトが発生した。 B4は、B1同様V溝1層溶接では作業性の上で
とくに大きな問題は無かつたが、MnOが多く、
MgOが少ないので溶接金属のじん性が低かつた。 B5は、粒度がやや粗く多少凸状ビードとなり
易く、またCaOが多いためアバタが発生した。 B6は、細粒が多すぎて溶接時に呼き上げが起
り、結果的にビードが蛇行する結果となつた。ま
たビード幅も狭い傾向が認められた。 実施例 2 第1表に示したフラツクスを用い、X開先を加
工した板厚38mmのSM50Bに1〜2電極サブマー
ジアーク多層溶接を実施した。ワイヤは実施例1
と同様1.80Mn−0.5Mo系のものを用いた。 第1図は、X開先の形状を示したもので、この
場合第2図の如く内面側は1パス仕上げとし、外
面側は1層1〜2パス積層法で5パス溶接とし
た。初層のみ高温割れ防止1電極溶接とした。第
4表は、このときの溶接条件を示したものであ
る。 検査項目として外面側多層溶接時のスラグはく
離性、ビード形状を調査し、さらに完全に積層し
た後にX線透過検査により欠陥を調査した結果を
第5表に示す。
【表】
【表】
【表】
第5表から明らかなように、この発明フラツク
スは内面の一層溶接はもちろんのこと、多層溶接
となる外面溶接においてもスラグはく離性、ビー
ド形状ともに良好であつて、X線透過検査によつ
てもスラグ巻込みは発生しておらず、内外面ビー
ドのラツプも十分であるため溶接能率は非常に良
かつた。 一方、比較フラツクスではV溝一層溶接となる
内面溶接ではあまり大きな問題は無く、実施例1
とほぼ同様の結果であつたが、多層溶接となる外
面側の溶接では開先内スラグはく離性が悪かつた
り、あるいはビード形状が悪かつたりなどの問題
点があつた。比較フラツクス全ての共通していた
のはスラグはく離性が悪いことであり、ビードに
こびり付いたスラグをピツチングハンマーやタガ
ネで除去するのに多大の時間を要した。 すなわちB1では、フラツクス粒度構成は狙い
通りのものであつたが、SiO2/TiO2値がこの発
明の適正範囲から逸脱しているため、ビード形状
は良好であつてもスラグがビード表面にこびり付
きはく離が悪かつた。 B2では、SiO2が多いだけでなくSiO2/TiO2も
大きいためB1同様開先内スラグはく離性が不良
であつた。ただしビード形状の劣化はとくに認め
られなかつた。 B3ではSiO2/TiO2値が適正範囲で大きいため
開先内でのスラグはく離性が不良であり、粒度構
成も351μmより粗粒の粒子が19.4%と多く、
74μmより細粒のものが4.4%と少ないためビード
形状も凸となり、次パスでの溶接狙い位置を決定
しにくかつた。 B4は、B1同様、ビード形状は良好であつても
スラグはく離性が悪かつた。 B5,B6も化学組成がこの発明の適正範囲外で
あるため開先内スラグはく離性が悪く、粉体特性
もはずれているため、凸ぎみやアンダカツトぎみ
のビードとなつている。 実施例 3 実施例1で使用したフラツクスA3およびA6に
B2O3を0.3%添加したフラツクス2種類を用い、
また実施例1と同様の溶接条件、鋼板ワイヤを用
いてV溝1層溶接を行つた。 その結果は第6表に示したとおりで、溶接金属
じん性はB2O3の存在しない場合いに比べてさら
に向上している。
スは内面の一層溶接はもちろんのこと、多層溶接
となる外面溶接においてもスラグはく離性、ビー
ド形状ともに良好であつて、X線透過検査によつ
てもスラグ巻込みは発生しておらず、内外面ビー
ドのラツプも十分であるため溶接能率は非常に良
かつた。 一方、比較フラツクスではV溝一層溶接となる
内面溶接ではあまり大きな問題は無く、実施例1
とほぼ同様の結果であつたが、多層溶接となる外
面側の溶接では開先内スラグはく離性が悪かつた
り、あるいはビード形状が悪かつたりなどの問題
点があつた。比較フラツクス全ての共通していた
のはスラグはく離性が悪いことであり、ビードに
こびり付いたスラグをピツチングハンマーやタガ
ネで除去するのに多大の時間を要した。 すなわちB1では、フラツクス粒度構成は狙い
通りのものであつたが、SiO2/TiO2値がこの発
明の適正範囲から逸脱しているため、ビード形状
は良好であつてもスラグがビード表面にこびり付
きはく離が悪かつた。 B2では、SiO2が多いだけでなくSiO2/TiO2も
大きいためB1同様開先内スラグはく離性が不良
であつた。ただしビード形状の劣化はとくに認め
られなかつた。 B3ではSiO2/TiO2値が適正範囲で大きいため
開先内でのスラグはく離性が不良であり、粒度構
成も351μmより粗粒の粒子が19.4%と多く、
74μmより細粒のものが4.4%と少ないためビード
形状も凸となり、次パスでの溶接狙い位置を決定
しにくかつた。 B4は、B1同様、ビード形状は良好であつても
スラグはく離性が悪かつた。 B5,B6も化学組成がこの発明の適正範囲外で
あるため開先内スラグはく離性が悪く、粉体特性
もはずれているため、凸ぎみやアンダカツトぎみ
のビードとなつている。 実施例 3 実施例1で使用したフラツクスA3およびA6に
B2O3を0.3%添加したフラツクス2種類を用い、
また実施例1と同様の溶接条件、鋼板ワイヤを用
いてV溝1層溶接を行つた。 その結果は第6表に示したとおりで、溶接金属
じん性はB2O3の存在しない場合いに比べてさら
に向上している。
【表】
(発明の効果)
かくしてこの発明フラツクスによれば、1層溶
接で良好なビードが得られるのはいうまでもな
く、比較的角度の小さい開先内での多層溶接にお
いても良好なスラグはく離性、ビード形状、外観
が得られ、しかも得られる溶接金属の性能にも優
れているため、従来法に比較して溶接工数の大幅
な短縮が可能となる。 なお、この発明フラツクスは、大入熱多層溶接
にももちろん適用できるものであり、その工業的
価値は極めて大きい。
接で良好なビードが得られるのはいうまでもな
く、比較的角度の小さい開先内での多層溶接にお
いても良好なスラグはく離性、ビード形状、外観
が得られ、しかも得られる溶接金属の性能にも優
れているため、従来法に比較して溶接工数の大幅
な短縮が可能となる。 なお、この発明フラツクスは、大入熱多層溶接
にももちろん適用できるものであり、その工業的
価値は極めて大きい。
第1図は、実施例2で用いたX開先形状を示し
た図、第2図は、実施例2における積層要領の説
明図である。
た図、第2図は、実施例2における積層要領の説
明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 SiO2:20〜30wt% TiO2:13〜20wt%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8wt% MnO:7〜15wt% MgO:12〜20wt% CaO:5〜17wt% CaF2:5〜15wt%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は 二種合計:0.1〜2.0wt% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5wt%以下、
74μmより細粒のものが全体の5〜20wt%を占め
ることを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融
型フラツクス。 2 SiO2:20〜30wt% TiO2:13〜20wt%でかつ SiO2/TiO2=1.0〜1.55、 Al2O3:2〜8wt% MnO:7〜15wt% MgO:12〜20wt% CaO:5〜17wt% B2O3:1.0wt%以下 CaF2:5〜15wt%および Na2O,K2Oのうちから選んだ一種又は 二種合計:0.1〜2.0wt% の組成になるフラツクスであつて、粒子径が
351μmより粗粒のものが全体の5wt%以下、
74μmより細粒のものが全体の5〜20wt%を占め
ることを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融
型フラツクス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29508787A JPH01138097A (ja) | 1987-11-25 | 1987-11-25 | サブマージアーク溶接用溶融型フラックス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29508787A JPH01138097A (ja) | 1987-11-25 | 1987-11-25 | サブマージアーク溶接用溶融型フラックス |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01138097A JPH01138097A (ja) | 1989-05-30 |
| JPH0451279B2 true JPH0451279B2 (ja) | 1992-08-18 |
Family
ID=17816137
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29508787A Granted JPH01138097A (ja) | 1987-11-25 | 1987-11-25 | サブマージアーク溶接用溶融型フラックス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01138097A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103358054A (zh) * | 2012-04-10 | 2013-10-23 | 机械科学研究院哈尔滨焊接研究所 | 一种用于消除厚钢板激光切割背面熔渣的涂层 |
-
1987
- 1987-11-25 JP JP29508787A patent/JPH01138097A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103358054A (zh) * | 2012-04-10 | 2013-10-23 | 机械科学研究院哈尔滨焊接研究所 | 一种用于消除厚钢板激光切割背面熔渣的涂层 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01138097A (ja) | 1989-05-30 |
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