JPH0459063B2 - - Google Patents

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JPH0459063B2
JPH0459063B2 JP4391688A JP4391688A JPH0459063B2 JP H0459063 B2 JPH0459063 B2 JP H0459063B2 JP 4391688 A JP4391688 A JP 4391688A JP 4391688 A JP4391688 A JP 4391688A JP H0459063 B2 JPH0459063 B2 JP H0459063B2
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Hideo Kaneko
Hatsuyoshi Kamishiro
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、鋼などの金属を連続鋳造するため
に、供給される溶融金属を冷却・凝固させて鋳片
となすモールドに関するもので、とくに、鋳片を
均一に冷却するとともに、万一モールド内で鋳片
が破段しても溶融金属を流出させない連続鋳造用
モールドに関するものである。
(従来の技術) 連続鋳造に用いるモールドは、鋳型を筒状体に
形成し、その中空部に供給される溶融金属を冷却
し凝固させて鋳片となす装置である。モールドに
おいて、鋳型は、所望する鋳型断面の形状・寸法
に応じた中空部をもつように熱伝導性にすぐれた
材料から形成されるとともに、鋳型の外側には冷
却水ジヤケツトが装備され、鋳型の外周壁に沿つ
て冷却水を流通するように構成されている。した
がつて、溶融金属はその熱を、鋳型を介した冷却
水に奪われて冷却・凝固させられ鋳片となる。
連続鋳造用モールドにおける鋳型は、元来、筒
状体を一体的に形成した構造からなる。一体的な
筒状体というのは、一体のチユーブ状のもの(チ
ユーブラ鋳型またはブロツク鋳型)のほか、周方
向に分割された複数個の鋳型要素を固定して組み
合わせ筒状体にしたもの(組立鋳型)などをさ
し、中空部の断面寸法が鋳造中に変動しない、い
わゆる固定鋳型として使用されるものである。こ
のような鋳型は成型が容易なことなどから、現在
も広く使用されている。鋳片は冷却にともなつて
収縮するので、鋳型と鋳片との接触を保つため
に、固定鋳型の内周壁には適当なテーパー(内周
壁の断面寸法は下流側が小さい)が設けられる。
しかし、鋳片の収縮は鋳造する金属の種類や温
度、鋳造速度など多くの要因によつて異なるた
め、鋳型内周壁と鋳片表面との均一な接触を保つ
とは難しく、不均一な接触による鋳片の偏冷却が
進行して、鋳片の変形、割れまたは内部組織の乱
れなどを生じることがある。
こうした欠点を解消するために、近年、上記の
固定鋳型を短くし、この下流側に、筒状体を複数
の要素に分割して形成し、一部または全部の要素
を半径方向に移動自在にして鋳片表面に押し付け
る、いわゆる可動鋳型を同軸上に連設することが
多くなつた。可動鋳型の各要素は鋳型の外方のフ
レーム内に配設されるが、移動可能な要素(移動
要素)は、スプリングや流体圧シリンダなどの付
勢手段を介してフレームに支持され、鋳片表面に
押し付けられる。可動鋳型は、上記のように固定
鋳型の下流側、つまり溶融金属の表面に凝固層が
形成されたのちの部分に連設されるが、鋳片の表
面に移動要素を押し付けるので、常に鋳片表面と
の接触を確保でき、鋳片を均一に冷却することが
できる。しかも移動要素は、鋳片を膨出させるよ
うに作用する溶融金属の圧力に抗するので、スプ
レー水による冷却に比べてバルジングを防止する
効果も有する。このような可動鋳型をもつモール
ドを称して、セルフ・テーパード・モールド、あ
るいはアジヤスタブル・モールドなどともいう。
第7図に、従来の可動鋳型の軸直角面における
断面図を示す。図は、一例として円形断面図の鋳
片を得るための可動鋳型に関するもので、鋳型の
外周壁の冷却水ジヤケツトなどは省略して示して
いる。筒状体を形成する4個の要素a′はいずれも
移動要素であるが、各要素a′の移動方向が図の上
下または左右であるのに対し、各要素と隣合う要
素との境界面、すなわち各要素の分割端面は図で
斜めに向いており、上記移動方向とは平行でな
い。円形に限らず、矩形断面鋳片用の可動鋳型に
おいても、従来は上記のように移動要素の移動方
向と各要素の分割端面とは平行でなかつた。した
がつて移動要素は、分割端面が接触した位置から
内側(縮径方向)へは移動することができないた
め、縮径方向への移動しろとして、あらかじめ同
図のようなすき間dを設けて各要素を配列してお
く必要があつた。なお、このような可動鋳型をも
つモールドについては“World Steel&
Metelworking”Vol,4・1982h,p.160、およ
び特開昭56−47246号公報などに記載がある。
(発明が解決しようとする問題点) 前記した可動鋳型をもつ従来の連続鋳造用モー
ルドは、鋳片表面の全周に凝固層が十分に生成さ
れていなければ鋳片内部の溶融金属が流出すると
いう、操業上の不都合をかかえている。すなわ
ち、鋳造が円滑に行われている間には、上流側の
固定鋳型において生成された凝固層が外殻となつ
て溶融金属を保持するので、前記のように各要素
の分割端面間にすき間があつても問題にはならな
いが、凝固層の生成が不十分であつたり、何らか
の原因がこれが破断したりすると、前記のすき間
から溶融金属が流出してしまう。凝固層の欠落し
た部分から内部の溶融金属が流出(ブレークアウ
ト)すると、連続鋳造を続行することができなく
なるばかりか、溶融金属が高温であるためにモー
ルドやその周辺の設備を損傷することもある。
しかも、連続鋳造を行う際には、凝固層の生成
が不安定になる時期が操業の度に必ず存在する。
たとえば鋳造の開始当初や終了直前には、溶融金
属および鋳造用設備の温度が不安定であつたり、
スラグや介在物の巻き込みが多かつたりするの
で、均一な凝固層を生成しないことが多い。また
鋳造中にも、溶融金属の温度が高すぎたり引き抜
き速度を高めすぎたりすると、内圧(溶融金属の
圧力)に耐えられる十分な凝固層を生成できない
ことや、凝固層を破断してしまうこともある。
凝固層の破断個所が固定鋳型内にある場合に
は、一時的に引き抜きを停止するなどにより鋳片
の破断を修復でき、溶融金属が流出することはな
いが、このために固定鋳型を長くすれば、前記し
た不均一冷却による鋳片の変形や割れ問題を解消
できなくなる。
(発明の目的) この発明は上記の問題点を解消するためになさ
れたもので、鋳片を均一に冷却することができる
とともに、鋳片表面の凝固層が生成不十分であつ
たり破断したりした場合にも、溶融金属を流出さ
せずに連続鋳造を続行することができる連続鋳造
用モールドを提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明では、固
定鋳型と可動鋳型とを同軸上に連設した連続鋳造
用モールドにおいて、前記可動鋳型を、つぎに示
す(a)移動可能な要素、(b)固定要素および(c)圧接要
素のうち、(a)と(b)、(a)と(c)または(a)と(b)と(c)に

つて構成し、各要素を、それと隣接する要素およ
び前記固定鋳型に対してそれぞれ〓間なく配列し
た。
(a) 移動可能な要素:筒状体の縮径または拡径方
向に移動自在にフレームに配設され、その分割
端面が前記移動方向に平行に形成された要素。
(b) 固定要素:前記フレームに固定された要素。
(c) 圧接要素:前記フレームまたは前記移動可能
な要素に偏移自在に支持され、隣接する要素寄
りに付勢される要素。
さらに本発明においては、前記可動鋳型の各要
素と、これに対して軸方向に隣接する要素または
前記固定鋳型とは、前記移動方向へは摺動可能
で、軸方向へは離間不能に連結することが好まし
い。
(作用) 上記のように構成したこの発明の連続鋳造用モ
ールドによれば、各要素と、隣接する要素および
固定鋳型との間に〓間がなく、しかもその状態で
移動可能な要素が移動して鋳片表面に密着するこ
とができる。したがつて、鋳片を均一に冷却する
とともに、モールド内で鋳片表面の凝固層が生成
不十分であつたり破断したりした場合にも、溶融
金属を流出させることがない。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。第1図は第1実施例に関する鋼の水平連続
鋳造用モールドの軸方向断面図であり、第2図は
第1図の−線断面図、第3図および第4図は
それぞれ第1図の部および部に関する詳細図
である。
第1図のように、水平連続鋳造においては、溶
鋼Mを貯留するタンデイツシユKにモールドAが
接続され、この下流に引き抜き用ロールLが配設
されている。したがつて、溶鋼Mはタンデイツシ
ユKに供給されて一旦ここに貯留されたのち、モ
ールドAに流入して冷却され、鋳片Nとなつてロ
ールLで連続的に引き抜かれる。溶鋼Mは、タン
デイツシユKのノズルKaと接続耐火物Kbを経て
モールドA内に流入するが、モールドAの内周壁
に接触したときから、その接触面すなわち外周か
ら順に凝固層Naを生じて鋳片Nを形成する。
モールドAは、上流側から順に、固定鋳型A
0、可動鋳型A1および可動鋳型A2を同軸上に
連設したものである。固定鋳型A0は、一体の銅
合金からなるチユーブラ鋳型であつて、その中空
部の断面は、冷却による鋳片の収縮を見込んだ直
径をもつ円形に形成されている。鋳型A0の外側
には、要部にOリングP0を介して冷却水ジヤケ
ツトF0が装着され、供給される冷却水が鋳型A
0の外周壁に沿つて流通するようになつている。
また、鋳型A0の入り口付近には熱電対G0が配
備され、鋳造中の鋳型A0の温度を測定して鋳片
破断など異常を検知する。
可動鋳片A1は、第2図に示すように円形中空
部を囲む、合計8個の銅合金製の分割要素から筒
状体を形成したものである。これらの要素は、内
周壁の面積の大部分を占める、上下左右4個の要
素1aと、それに隣合う他の4個の要素1bとの
2種類からなるが、それぞれの要素の外側には、
OリングP1を介して冷却水ジヤケツトB1a、
B1bが配備され、供給される冷却水が各要素1
a、1bの外周壁に沿つて流通するようになつて
いる。このうち冷却水ジヤケツトB1aの外側に
は、係合部材B1xによつてエアシリンダC1の
ロツド端が係着されている。このシリンダC1の
基端は、前記冷却水ジヤケツトF0から延設され
た固定フレームF1に固着されるので、要素1a
および冷却水ジヤケツトB1aはシリンダC1を
介してフレームF1に支持されることになる。シ
リンダC1は伸長する向きにエア圧力を作用させ
るので、要素1aおよび冷却水ジヤケツトB1a
はこのシリンダC1により付勢されて内側(縮径
方向)へ移動し、逆に鋳片Nからの反力により外
側(拡径方向)へ移動する。他の冷却ジヤケツト
B1bの外側に、固定フレームF1にボルト(図
示せず)で締結されている。すなわち、合計8個
の要素1aおよび1bのうち、4個の要素1aは
移動可能な要素(移動要素)であり、他の4個の
要素1bは固定要素としてフレームF1に支持さ
れている。ただし、シリンダC1のロツドが嵌挿
される係合部材B1xの嵌挿穴、およびフレーム
F1と冷却ジヤケツトB1bとを締結するボルト
の嵌挿穴(図示せず)は、いずれもモールドAの
軸方向(鋳造方向)にわずかに長い長穴として穿
設されており、ジヤケツトB1a(移動要素1a)
およびジヤケツトB1b(固定要素1b)は軸方
向にわずかにスライドすることができる。
そして、第2図に示す軸直角断面において、4
個の移動要素1aの分割端面、すなわちそれぞれ
の要素1aの隣合う固定要素1bとの境界面は、
要素1aの前記した移動方向と平行になるように
形成し、そのうえで各要素を、隣接する要素との
間に〓間がないように配列している。前記境界面
が移動方向と平行なため、要素間に移動しろとし
ての〓間を設けなくとも要素1aの移動は制限さ
れない。
固定鋳型A0および可動鋳型A1のと同軸上の
下流側に、第1図のようにさらに可動鋳型A2を
連設している。この可動鋳型A2は軸直角断面
(図示せず)が第2図と近似しており、可動鋳型
41と同様に、エアシリンダC2によつて縮径・
拡径方向に移動自在な4個の移動要素2aと、フ
レームF1に固着した4個の固定要素2b(2b
および後述する2b1、2b2、2b3は図示せず)か
らなる鋳型である。可動鋳型A1と異なる点は、
合計8個の要素2a,2bが、銅合金板2a2,2
b2の内面に黒鉛ライナ2a1,2b1を装着している
ことである。銅合金板2a2,2b2と黒鉛ライナ2
a1,2b1とは、その厚み方向にボルト(図示せ
ず)で締結されているが、キー2a3,2b3が嵌合
して軸方向(鋳造方向)にずれないよう係合され
ている。黒鉛ライナ2a1,2b1は自己潤滑性と、
銅合金よりも低い熱伝導率とを有しているので、
鋳片Nの引き抜きを円滑に行わせるとともに、冷
却強さを暖める作用をなす。可動鋳型A2におい
ても、4個の移動要素2aの端面を移動方向と平
行になるように形成したうえ、各要素をそれに隣
接する要素に対して〓間なく配列している。
モールドAを第1図のように軸方向に見る場合
にも、固定鋳型A0、可動鋳型A1および可動鋳
型A2の各接続部において、移動要素1aおよび
2aの分割端面(隣合う要素または鋳型との境界
面)をその移動方向と平行になるよう形成したう
え、すべての要素を、隣接する要素および固定鋳
型A0に対して〓間なく配列している。
モールドAは軸方向に長いため、鋳造中には鋳
型A0,A1,A2が熱膨張して軸方向にわずか
に変位するので、鋳造後にモールドAが冷えて収
縮すれば、鋳型A0と鋳型A1、鋳型A1と鋳型
A2間にそれぞれ〓間が生じることになるが、こ
れに対してはつぎの策を講じている。すなわち、
固定鋳型A0と可動鋳型A1の各要素1a(1b
も同様)とは、第3図のように、要素1a,1b
の端部付近に螺着され、軸部が固定鋳型A0の突
出部A0wの嵌挿孔A0xに嵌挿されたボルトHに
よつて連結し、可動鋳型A1の各要素1a,1b
と可動鋳型A2の各要素2a,2bとは、第4図
のように、要素1a,1b端部のコの字状嵌合部
1yと銅合金板2a2,2b2の同様の嵌合部2yと
を噛み合わせることにより連結している。ボルト
Hは微小な〓間を介して摺動可能に嵌挿孔A0x
に乾燥し、要素1a,1bと突出部A0wとの間
および突出部A0wとボルトHの頭部との間には
あらかじめ距離を設けているので、要素1a,1
bは固定鋳型A0に対してモールドAの軸方向に
離間不能であるとともに、移動要素1aは縮径・
拡径方向への移動を防げられない。また、嵌合部
1yと嵌合部2yとは互いに軸方向の微小な〓間
を介して摺動可能に噛み合わせ、軸に直角な向き
にはあらかじめスペース1z,2zを設けている
ので、要素2a,2bは要素1a,1bに対して
軸方向に離間不能であるとともに、移動要素1
a,2aは互いに縮径・拡径方向への移動を防げ
られない。
上記のように構成した本実施例のモールドAに
よれば、つぎのように連続鋳造が行われる。タン
デイツシユKからモールドAに流入した有鋼M
は、まず固定鋳型A0の内周壁に接触して冷却さ
れ、外周に凝固層Naを生成する。ロールLによ
る鋳片Nの引き抜きに応じて凝固層Naは下流側
へ移動し、やがて可動鋳型A1内に至る。凝固層
Naは冷却されるに連れて収縮し、鋳片Nの外径
は小さくなるが、可動鋳型A1においては、エア
シリンダC1によつて縮径方向に付勢される4個
の移動要素1aが広い範囲で常に鋳片Nの表面に
接触するので、鋳片Nと鋳型A1とが片当たりす
ることはない。つまり鋳片Nが均一に冷却されて
変形や割れの発生が防止される。可動鋳片A2に
おいても、エアシリンダC2によつて4個の移動
要素2aが常に鋳片Nに接触するので、同様に均
一な冷却が進行する。移動要素2aは内面に黒鉛
ライナ2a1を装着されており、鋳片Nとの摩擦を
低減するとともに、鋳片Nを緩やかに冷却するの
で、より確実に割れを防止し、割れ感受性の高い
鋼種の鋳造をも可能にする。
しかも、上記のように構成したモールドAには
その全長にわたつて内周壁に〓間がないので、万
一、鋳片N表面の凝固層Naの一部が欠落するト
ラブルが生じても、内部の溶鋼Mが流出(ブレー
クアウト)することはない。つまり、鋳片Nを囲
む鋳型A0,A1,A2には、それぞれの軸方向
の継ぎ目の部分に〓間がないばかりか、鋳型A1
の8個の分割要素1a,1b間にも、鋳型A2の
8個の分割要素2a,2b間にもそれぞれ〓間が
ないので、凝固層Naが欠落して溶鋼Mが鋳片N
の表面に達し、モールドAのいずれかの鋳型(ま
たは要素)の内周壁面に接触しても、これより外
側に溢れることはない。移動要素1aおよび2a
の付勢用シリンダC1およびC2に十分なエア圧
力を与えておけば、溶鋼Mの圧力が作用しても要
素1a,2aは外側に移動しないので、前記内周
壁面に接した溶鋼Mは膨出部分を形成することな
く冷却・凝固させられる。
なお、以上で述べた〓間とは溶綱Mが流出する
だけの〓間をいうものであつて、たとえば0.1mm
程度以下の微視的な〓間は問題としていない。
つまり各要素は水冷されているため、この程度
の〓間には溶鋼Mが入り込んでも即座に凝固し、
それ以上の溶鋼Mの通過を止めるからである。し
たがつて、各要素端面の表面粗さに起因する接触
面間の〓間や、周方向の熱膨張・収縮にともなう
わずかな〓間などは無視できる。
上記した凝固層Naの欠落は、凝固層Naが鋳片
Nの表面全周に生成されなかつたり、あるいは生
成された凝固層Naの一部が破断したりすること
により発生するが、こうしたトラブルのほとんど
は、溶綱MやタンデイツシユKおよびモールドA
などの温度が不安定である鋳造の開始当初、スラ
グや介在物の巻き込みが多くなる鋳造の終了直
前、あるいは溶融金属の温度が高くなつたときや
引き抜き速度を上げたときなどに、モールドA内
で発生する。したがつて、このような時期には、
熱電対G0が検出する固定鋳型A0の温度に注目
し、異常があるときは引き抜き速度をやや低下し
てやれば、欠落部から溢れようとする溶鋼Mが前
記のように凝固して鋳片Nが修復され、ブレーク
アウトが回避される。その後は引き抜き速度を
徐々に上げ、鋳造を続行することができる。
つぎに、この発明の第2実施例を第5図に基づ
いて説明する。第5図は、矩形断面の鋳片N′を
得るための水平連続鋳造用モールドにおける可動
鋳型A3の軸直角方向の断面を示すものである。
このモールドの可動鋳型A3の上流側には、矩形
筒状体を一体的に形成した固定鋳型(図示ぜす)
が、第1図(第1実施例)と同様に連設され、そ
の入り口部分がタンデイツシユ(図示せず)に接
続されている。
可動鋳型A3は、鋳片N′の断面形状・寸法に
応じた矩形中空部を有する筒状体を、合計8個の
要素に分割して形成した鋳型である。8個の要素
には、上下左右4辺の隅各部を除くほぼ全長に相
当する4個の要素3aと、内周壁に鋳型N′の断
面に一致する円みをもつた隅角部の4個の要素3
cとがある。要素3aおよび3cは、それぞえ銅
合金板3a2,3c2の内側に黒鉛ライナ3a1,3c1
を装着して成つている。また、要素3a,3cは
外側にそれぞれ冷却水ジヤケツトB3a,B3c
を配備され、ここに供給される水によつて冷却さ
れる。以上の構成は、中空部の形状を除いて前記
した可動鋳型A1またはA2の場合と同様であ
る。
4個の要素3aのうち上下2個の要素3aは、
冷却水ジヤケツトB3aの上端(または下端)に
付設した係合部材B3xと固定フレームF3との
間に配備するエアシリンダC3によつて支持され
る移動要素である。つまりシリンダC3は伸長す
る向きにエア圧力を作用させるので、要素3aお
よび冷却水ジヤケツトB3aはこのシリンダC3
により付勢されて鋳型N′に当接するまで内側
(縮径方向)へ移動し、逆に鋳型N′からの反力に
より外側(拡径方向)へ移動する。
また左右2個の要素3aは、冷却水ジヤケツト
B3aとフレームF3の間にコイルスプリングD
3aを介装した移動要素である。スプリングB3
aはあらかじめ圧縮された状態で介装されるの
で、左右の要素3aおよび冷却水ジヤケツトB3
aを内側(縮径方向)へ付勢する。したがつて、
左右2個の要素3aは、上記した上下2個の要素
3aと同様に、内周壁が鋳片表面との接触を保ち
ながら縮径・拡径方向に移動する。
可動鋳型A3の他の4個の要素3cは、隣合う
移動要素3a寄りに押し付けられる圧接要素とし
てフレームF3内に配設している。すなわち、冷
却水ジヤケツトB3cの左側(または右側)とそ
の外方のフレームF3との間にはコイルスプリン
グD3c1を介装し、冷却水ジヤケツトB3cの上
側(または下側)と、移動要素3aの冷却水ジヤ
ケツトB3aに添設されて冷却水ジヤケツトB3
cの上方(または下方)に伸びる部材B3yとの
間には、コイルスプリングB3c2を介装して、要
素3cをそれぞれ左右または上下に隣接する要素
3a寄りに付勢して押し付けている。なお圧接要
素3cの移動要素3aとの摺接面は、外側の一部
を欠切して無接触部となすことにより、要素3a
との摩擦面積を低減している。また、フレームF
3の隅角付近にはバツクアツプ部材F3cを、冷
却水ジヤケツトB3cの角部からわずかに離れた
位置に付設しており、これにより冷却水ジヤケツ
トB3cの支持を確実にしている。
そして図のように、4個の移動要素3aの分割
端面、すなわち周方向に隣合う圧接要素3cとの
境界面は、移動方向と平行に形成し、そのうえで
8個の要素3a,3cを、隣接する要素との間に
〓間がないように配列している。さらに、軸方向
に隣接する固定鋳型(図示せず)に対しても、8
個の要素3a,3cを〓間なく配列し、前記第3
図(第1実施例)と同じ係合手段によつて連結し
ている。
上記のように構成した可動鋳型A3について
も、各要素3a,3cと、隣接する要素および固
定鋳型との間に〓間がなく、しかもその状態で移
動要素3aが移動して鋳片表面に密着することが
できる。とくにこの鋳型A3では、圧接要素3c
が隣接する要素3a寄りに付勢されて押し付けら
れるので、熱膨張・収縮による微小な〓間の発生
をも積極的に防止する、したがつて、このような
可動鋳型A3を有する連続鋳造用モールドによれ
ば、鋳片を均一に冷却することができるととも
に、モールド内で鋳片表面の凝固層が生成不十分
であつたり破断したりした場合にも、溶融金属を
流出させず、鋳片を修復して鋳造を続行すること
ができる。
つぎに、この発明の第3実施例を第6図に基づ
いて説明する。第6図は、矩形断面、しかも幅が
広い断面の鋳片N″を得るための水平連続鋳造用
モールドに関するもので、その可動鋳型A4の軸
に直角方向の断面を示すものである。このモール
ドにおいても、可動鋳型A4の上流側には、矩形
筒状体を一体的に形成した固定鋳型(図示ぜす)
が連設されている。
可動鋳型A4は、筒状体を合計12個の要素に分
割して形成した鋳型である。12個の要素には、上
下2辺の左右長尺部および左右2辺の中央部に相
当する合計6個の要素4a、上下2辺の中央部の
2個の要素4b、および隅角部の4個の要素4c
とがある。すべての要素4a,4bおよび4c
は、それぞれ銅合金板の内側に黒鉛ライナが装着
されており、外側にはそれぞれ冷却水ジヤケツト
B4a,B4b,B4cを配備して供給水により
冷却している。
前記6個の要素4aのうち、上下2辺の左右長
尺部に配した4個の要素4aは、エアシリンダC
4を介して固定フレームF4に支持される移動要
素であり、左右2辺に配した2個の要素4aは、
フレームF4との間にコイルスプリングB4aを
介装した移動要素である。いずれも、内周壁が鋳
片N″表面との接触を保ちながら、縮径・拡径方
向に移動する機能をもつ。また、上下2辺の各中
央部に配した2個の要素4bは、固定フレームF
4に固設された支持部材F4bにボルトで締結し
た固定要素である。さらに、隅角部の4個の要素
4cは、前記第2実施例の圧接要素3cと同じ
く、隣合う要素4a寄りに押し付けられる圧接要
素であるが、付勢手段としてのコイルスプリング
D4cの一端は、どれも要素4cの外方のフレー
ムF4に固着している。
そして図のように、6個の移動要素4aの分割
端面、すなわち周方向に隣合う要素との境界面
は、移動方向と平行に形成し、そのうえで12個の
要素4a,4b,4cを、隣接する要素との間に
〓間がないように配列している。さらに、軸方向
に隣接する固定鋳型(図示せず)に対しても、12
個の要素4a,4b,4cを〓間なく配列し、前
記第3図(第1実施例)と同様に連結している。
以上のようにこの可動鋳型A4は、前記第1実
施例および第2実施例で説明した3種類の要素
(移動要素、固定要素および圧接要素)を組み合
わせ、各要素を、隣接する要素および固定鋳型に
対して〓間なく配列したものである。したがつ
て、細部の構成は前記した2つの実施例と同様で
あり、使用態様もそれらと相違するものではな
い。ただ、本実施例のモールドによつて鋳造する
鋳片N″は断面積が広くバルジングを起こしやす
いが、この可動鋳型A4には長尺な上下2辺の各
中央に固定要素4bが配設されているので、内圧
による鋳片N″の膨出を確実に防止することがで
きる。また、上下2辺の移動要素4aは、使用前
に固定要素4bを基準にして取り付け位置を調整
できるので、鋳造準備作業が正確に行える。
なお、各要素の配置については上記に限ること
はなく、たとえば、より幅の広いモールドの場合
には、上下の各辺に複数個の移動要素4aが隣接
するように配列することもできる。また、軸方向
への接続についても、上記のように連結しなくと
も、可動鋳型A4の下流側に隣接して可動鋳型を
連設し、その可動鋳型には、フレームF4に支持
されて上流向き(可動鋳型A4寄り)に付勢され
る圧接要素を配するようにしても、すべての要素
および鋳型が軸方向に離間することが防止され
る。
以上の三つの実施例は、水平連属鋳造用モール
ドについて示したが、本発明の連続鋳造用モール
ドは、縦型(鉛直向き)または傾斜型の連続鋳造
にも用いることができる。また鋳造する金属につ
いても鋼に限定されるものではない。さらに、円
形および矩形に限らず、特殊な断面形状をもつ鋳
片を得るモールドとして構成することも可能であ
る。
(発明の効果) 以上に説明した、本発明の連続鋳造用モールド
によれば、下記の効果がもたらされる。
(1) 可動鋳型の移動可能な各要素が鋳型表面に押
し付けられて鋳片を均一に冷却するので、鋳片
の変形や割れ、あるいはバルジングの発生がな
く、凝固組織が対照的に形成された良質の鋳片
を得ることができる。
(2) モールドの内周壁に溶融金属が流出する〓間
がないので、鋳片表面の凝固層が生成不十分で
あつた破断したりした場合にも、ブレークアウ
トを起こさずに連続鋳造を続行することができ
る。またこのために、鋳片表面との接触が失わ
れがちな固定鋳型を大幅に短縮できるので、一
層、上記(1)の効果が増すことになる。
(3) 上記(2)のようにブレークアウトを起こしにい
くので、鋳造速度を高めて生産性を向上させる
ことができる。
(4) 上記(2)のように〓間がないことから、高温の
鋳片がモールドを出るまで外気にほとんど接し
ないため、鋳片表面の酸化が抑制される。また
このため、酸化スケールを介さずに鋳片と鋳型
内周壁とが接触するので、モールドの冷却効果
も向上する。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも水平連続鋳造用モールドを示す
ものであり、第1図は第1実施例に関するモール
ドの軸方向断面図、第2図は第1図の−線断
面図、第3図は同部詳細図、第4図は同部詳
細図、第5図は第2実施例のモールドに関する可
動鋳型の軸に直角方向の断面図、第6図は第3実
施例のモールドに関する可動鋳型の軸に直角方向
の断面図である。また、第7図は従来のモールド
に関する可動鋳型の軸に直角方向の断面図であ
る。 A……モールド、A0……固定鋳型、A1,A
2,A3,A4……可動鋳型、1a,2a,3
a,4a……移動要素、1b,2b,4b……固
定要素、3c,4c……圧接要素、1y,2y…
…嵌合部、F0,B1a,B1b,B2a,B3
a,B3c,B4a,B4b,B4c……冷却水
ジヤケツト、C1,C2,C3,C4……エアシ
リンダ、D3a,D3c1,D3c2,D4a,D4
c……コイルスプリング、F1,F3,F4……
固定フレーム、H……ボルト、K……タンデイツ
シユ、L……引き抜き用ロール、M……溶鋼、
N,N′,N″……鋳片、Na……凝固層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 断面が円形または多角形などの中空部を有す
    る筒状体を一体的に形成した固定鋳型と、前記と
    同様の筒状体を複数の要素に分割してフレーム内
    に配設し、それらの一部を筒状体の縮径または拡
    径方向に移動自在に前記フレームに支持させた可
    動鋳型とを、同軸上に連設した連続鋳造用モール
    ドであつて、 前記可動鋳型は、移動可能な要素と前記フレー
    ムに固定した固定要素とから構成し、移動可能な
    要素の分割端面をそれらの移動方向に平行に形成
    するとともに、前記各要素を、それと隣接する要
    素および前記固定鋳型に対してそれぞれ〓間なく
    配列した連続鋳造用モールド。 2 断面が円形または多角形などの中空部を有す
    る筒状体を一体的に形成した固定鋳型と、前記と
    同様の筒状体を複数の要素に分割してフレーム内
    に配設し、それらの一部を筒状体の縮径または拡
    径方向に移動自在に前記フレームに支持させた可
    動鋳型とを、同軸上に連設した連続鋳造用モール
    ドであつて、 前記可動鋳型は、移動可能な要素と、前記フレ
    ームまたは前記移動可能な要素に偏移自在に支持
    され、隣接する要素寄りに付勢される圧接要素と
    から構成し、移動可能な要素の分割端面をそれら
    の移動方向に平行に形成するとともに、前記各要
    素を、それと隣接する要素および前記固定鋳型に
    対してそれぞれ〓間なく配列した連続鋳造用モー
    ルド。 3 断面が円形または多角形などの中空部を有す
    る筒状体を一体的に形成した固定鋳型と、前記と
    同様の筒状体を複数の要素に分割してフレーム内
    に配設し、それらの一部を筒状体の縮径または拡
    径方向に移動自在に前記フレームに支持させた可
    動鋳型とを、同軸上に連設した連続鋳造用モール
    ドであつて、 前記可動鋳型は、移動可能な要素と、前記フレ
    ームに固定した固定要素と、前記フレームまたは
    前記移動可能な要素に偏移自在に支持され、隣接
    する要素寄りに付勢される圧接要素とから構成
    し、移動可能な要素の分割端面をそれらの移動方
    向に平行に形成するとともに、前記各要素を、そ
    れと隣接する要素および前記固定鋳型に対してそ
    れぞれ〓間なく配列した連続鋳造用モールド。 4 前記可動鋳型の各要素と、これに対して軸方
    向に隣接する要素または前記固定鋳型とを、前記
    移動方向へは摺動可能で、軸方向へは離間不能に
    連結した請求項1〜3のいずれかに記載の連続鋳
    造用モールド。
JP4391688A 1988-02-25 1988-02-25 連続鋳造用モールド Granted JPH01218741A (ja)

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