JPH0460690B2 - - Google Patents

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JPH0460690B2
JPH0460690B2 JP18821082A JP18821082A JPH0460690B2 JP H0460690 B2 JPH0460690 B2 JP H0460690B2 JP 18821082 A JP18821082 A JP 18821082A JP 18821082 A JP18821082 A JP 18821082A JP H0460690 B2 JPH0460690 B2 JP H0460690B2
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dehydration
membrane
concentration
natural polymer
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JP18821082A
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Tadashi Inoe
Tetsuo Tanaka
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、陰イオン性の天然高分子水溶液の脱
水濃縮方法に関し、詳しくは、電気的な作用によ
り、陰イオン性の天然高分子水溶液から、該天然
高分子を含水ゲル及び/又は含水ペースト状で取
り出す新規な脱水濃縮方法である。 天然高分子化合物中には、水に溶けて高粘性を
示す物質が多数存在する。また、これらの物質
は、高粘性以外にも種々の特異な性質を有するた
め古くから工業的に巾広い分野で利用されてい
る。特に最近では、毒性のない点が再認識され食
品工業、薬品工業で多く利用されている。水溶性
の天然高分子化合物は、植物及び動物中に存在
し、工業的に利用するために、植物及び動物組織
を温水あるいは温アルカリ水等で抽出分離し、最
終的に脱水乾燥する方法で製造される。脱水方法
として種々の方法が採用されているが、代表的な
方法は常温でゲル化するものでは、ゲルプレス
法、また、常温で水溶液のものではアルコール沈
澱法がある。 ゲルプレス法とは、天然高分子化合物よりなる
高含水率の含水ゲルに圧力をかけて、ゆつくりと
水を絞り出す方法であるが、装置が大きく、生産
性が悪い欠点がある。 また、アルコール沈澱法とは天然高分子希薄水
溶液中にプロパノール等のアルコールを大量に添
加して、天然高分子化合物を沈澱させ、水と天然
高分子化合物を分離する方法であるが、アルコー
ルの再生を要するため、生産コストが著しく高価
な欠点がある。一方、電解質水溶液中に電位勾配
を与えると、陰、陽イオンがそれぞれ反対符号の
方向に移動することは良く知られている。 このような移動は、速度はおそいが、コロイド
荷電粒子についても起こることが知られておりこ
の現象を電気泳動といい、高分子荷電溶質特にタ
ンパク質の精密な分離精製に利用されている。 電気泳動を利用する連続膜処理の代表例は、半
透膜と濾過板の間に、入口側から原料液を送り、
出口側から入口側の速度より遅い速度で濃縮液を
取り出す方法で、高分子荷電粒子は、電気泳動に
より半透膜側に動き、濾過板側の希薄液が、濾過
板を通つて除去される。 上記の様に電気泳動法では、濃縮液と希薄液が
濾過板を介して接触しているため、希薄液が濃縮
側に逆流するため、濃縮倍率が小さくまた効率も
悪いという欠点がある。 本発明者らは、従来公知の電気泳動法の原理を
応用して特に陰イオン性の天然高分子水溶液か
ら、高濃縮倍率でかつ高い電力効率で脱水濃縮す
ることを目的として鋭意検討を行なつた結果、特
定の電極隔膜を使用し、かつ高分子として特定の
粘度特性を有する陰イオン性の天然高分子を溶解
した高分子水溶液から、効率良く含水ゲル及び/
又は含水ペースト状化する濃度以上にまで脱水濃
縮できることを新たに見出し、本発明を完成する
に至つた。 本発明について説明すると、本発明は、電位勾
配を与えて、陰イオン性の天然高分子水溶液か
ら、該天然高分子を含水ゲル及び/又は含水ペー
スト状で取り出す脱水濃縮方法であつて、該天然
高分子の粘度特性が2重量%水溶液において少く
とも10センチポイズであり、かつ、陽極側隔膜を
電気浸透係数が、多くとも2×10-4cc/cm・V・
minの半透性膜とすることを特徴とする脱水濃縮
方法である。 本発明の方法により、陰イオン性の天然高分子
希薄水溶液から、効率良く、含水ゲル及び/又は
含水ペースト化する濃度以上にまで脱水濃縮でき
る特徴がある。本発明は、陰イオン性の天然高分
子が電位勾配により、陽極側に移動し、陽極側隔
膜上で含水ゲル及び/又は含水ペースト化して希
薄水と分離され、続いて、含水ゲル及び/又は含
水ペーストの電気浸透力により、含水ゲル及び/
又は含水ペースト中の水分が陽極側に移動し、さ
らに高濃度に脱水濃縮されるものである。従つ
て、陰イオン性の天然高分子が、電気泳動によ
り、陽極側隔膜に移動し、該膜上で濃縮ペースト
化することが必要である。従つて該天然高分子の
粘度特性と陽極側隔膜の電気浸透係数が特に重要
となる。 そして、本発明の方法において、該天然高分子
は、2重量%水溶液において粘度が少くとも10セ
ンチポイズのものから選ばれかつ陽極側隔膜を電
気浸透係数が2×10-4cc/cm・V・minの半透性
膜とすることが必要となる。さらに詳しく説明す
ると、該天然高分子の上記条件での粘度が10セン
チポイズ未満のものでは、電気泳動により移動し
た該天然高分子が、陽極側隔膜上でペースト化す
ることが著しく困難なため陽極側隔膜近辺でも溶
液状態を保つため、ある程度まで濃縮されても容
易に希薄液側に濃度拡散し、好ましい脱水濃縮が
できない。また、陽極側隔膜の電気浸透係数が2
×10-4cc/cm・V・minを越えると陽極側隔膜を
通して、水溶液が該水溶液中に流入するため陽極
側隔膜上で濃縮液を希釈しペースト化を著しく妨
げるため目的とする脱水濃縮が著しく困難とな
る。また、陽極側隔膜は、半透性膜とすることが
必要で、例え電気浸透係数が、2×10-4cc/cm・
V・min以下であつても、多孔膜、織布、あるい
は不織布では水の拡散あるいは該天然高分子の透
過が大きく、目的とする脱水濃縮ができず、半透
性膜が必要となる。 本発明について、さらに詳細に説明すると、本
発明で言う陰イオン性の天然高分子とは、動物及
び/又は植物から抽出される陰イオン性の水又は
温水溶解性の高分子である。このような高分子と
しては、希薄濃度で高粘性の多糖類よりなり前記
特性を有する天然高分子であつて、カラギーナ
ン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、寒天、
等々に代表される植物性の陰イオン性の天然高分
子はもちろんのこと、コンドロイチン硫酸に代表
される動物性の天然高分子の他にメチルカルボキ
シルセルロースに代表される天然高分子を変性し
た陰イオン性の高分子が挙げられる。そして、陰
イオン性の天然高分子の対イオンは、特に限定せ
ず、水素、アルカリ金属あるいはその他のカチオ
ンであつて、特に低濃度水溶液で、高粘性を付与
する対イオンが好ましい。 そして、本発明で言う、陰イオン性の天然高分
子水溶液とは、常温あるいは高温において少くと
も該天然高分子が水中に溶解した流動性を有する
液体であつて、少くとも1種の該天然高分子を含
有するものであり、該天然高分子以外の各種の化
合物が含有されても良い。 本発明において脱水濃縮は溶液状において行な
われる。ゲルを生成し難い高分子の場合は高温に
しないでも溶液状を保持しているので比較的低温
で脱水濃縮を行なうことができる。ゲルを生成し
やすい高分子の場合には、ゲルが破壊される温度
にまで昇温された条件で脱水濃縮が行なわれる。
従つて、脱水濃縮の際の温度は高分子の種類、温
度により変化する。 また、脱水濃縮の対象としての陰イオン性の天
然高分子水溶液は、通常はこれらの天然高分子を
得るために植物や動物の組織から抽出し、不純物
を除いた後の水溶液の濃度で脱水濃縮に付される
が、溶液状を呈している限りこの濃度をより高く
ても差支えないし、また、もちろんこの濃度より
低くても問題はない。 そして、本発明において、前記したように該天
然高分子は、2重量%水溶液において粘度が、少
なくとも10センチポイズのものから選ばれ、好ま
しくは少なくとも100センチポイズが好適である。
10センチポイズ未満では、前記した様に該水溶液
から含水ゲル及び/又は含水ペースト化すること
が著しく困難となり、エネルギー効率、濃縮倍率
及び回収率が悪く、目的とする脱水濃縮ができ
ず、上記した少なくとも10センチポイズ好ましく
は、少なくとも100センチポイズとなる。また、
陽極側隔膜は、電気浸透係数が多くとも 2×
10-4cc/cm・V・minの半透性膜から選ばれるこ
とが必要で、好ましくは、0.5×10-4cc/cm・
V・min以下となる。 本発明において陽極側隔膜とは、第1図に示さ
れた如き脱水濃縮装置の脱水濃縮室を仕切る隔膜
のうち陽極側に配置される隔膜を意味する。 本発明で使用できる半透性膜として、親水性の
中性膜やイオン交換膜があり、代表的な親水性中
性膜の例として、セロハン、ポリビニルアルコー
ル、酢酸セルロース等があるが、特にイオン交換
膜が電気浸透係数を小さくできることに加え、
1)材料が緻密で拡散による水の移動が小さい、
2)電気抵抗が小さい、3)電極液室の汚染物質
を透過しがたい、4)膜自体が被脱水対象物を汚
染しない、5)被脱水対象物を透過させない等の
特性を有するため好適となる。 例えばイオン交換基がスルホン基、カルボキシ
ル基、リン酸基、亜リン酸基、フエノール性水酸
基、スルホン酸アミド基やパーフルオロ第3級ア
ルコール等である陽イオン交換膜であり、またイ
オン交換基が第4級アンモニウム塩基、1,2,
3級アミン、第3級スルホニウム塩基や第4級ホ
スホニウム塩基等である陰イオン交換膜である。 また、これらの陽イオン交換基や陰イオン交換
基を膜内に不均一に分布させた陽イオン交換膜や
陰イオン交換膜、均一に分布させた両性イオン交
換膜、陽、陰イオン交換基が層状に存在する複合
イオン交換膜や陽、陰イオン交換基の領域が膜の
厚さ方向と並列に存在するモザイクイオン交換膜
である。 また、上記のようなイオン交換基の他に、他の
官能基、例えばエステル基、アミド基、ハロゲン
基、ニトリル基、アシル基、リン酸エステル基や
水酸基等が含まれているイオン交換膜である。 また、それらの単独、あるいは2種類以上の組
合わせた膜も、本発明の陽極側隔膜として使用す
ることが可能である。 そして、本発明において、陽極側隔膜は、特に
陽イオン交換膜が好適となる。 本発明の方法では、脱水濃縮室に、主として陰
イオン性の天然高分子が存在し、該天然高分子の
対イオンが主として電気(イオン)を陰極に運搬
する。そして、該天然高分子の対イオンは新たに
陽極側から陽極側隔膜を通過して該天然高分子に
補充されるため、陽極側隔膜として陽イオンを通
しやすい陽イオン交換膜が結局電気抵抗が小さく
なり好適となる。 陽イオン交換膜として前記の特性を有するもの
の中から選べば良く特に限定するものではない
が、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂に
スルホン基を導入した膜、スルホン基やカルボキ
シル基を有するフツ素系の膜、ポリエチレンにア
クリル酸又はメタクリル酸をグラフトした膜、エ
チレン系共重合体にスルホン基を導入した膜ある
いは、ポリ塩化ビニル系樹脂にスルホン基を導入
した膜及びその他各種の陽イオン交換膜から選べ
ば良い。 特に、陽イオン交換膜として、エチレン系共重
合体又はエチレン系共重合体を含有する樹脂組成
物より得られ、−OH基および−COOR基[式中
RはH、炭素原子数1〜5の炭化水素基、アルカ
リ金属あるいはその他のカルボキシル基と塩を形
成し得るイオン類]より選ばれた少なくとも1種
の親水性基と0.2ミリ当量/グラムのスルホン基
とを含有する膜が前記の特性に加え、経済性、耐
久性、柔軟性、大気中でも取扱える等々の理由に
より好適である。そして、上記の膜が織布、不織
布、編物、微多孔膜等により補強された複合膜が
寸法安定性及び耐久性からさらに好適である。 上記エチレン系共重合体としては、例えば、97
〜82モル%のエチレンと3〜18モル%の [式中R1=H、−CH3、R2=−OCOR3、−COOR4
(但しR3=C1〜C5の炭化水素基、R4=H、C1
C6の炭化水素基、アルカリ金属及びアルカリ土
類金属、希土類金属、NH4等の第4級アンモ
ニウム塩、上記以外の金属イオン等のカルボン酸
基と塩を形成しうるイオン類)]の構造を有する
単量体とを共重合して得られる共重合体またはそ
のケン化合物が好適に用いられる。 また、上記エチレン系共重合体を含有する樹脂
組成物としては、樹脂組成物の全重量を基準とし
て、上記エチレン系共重合体を15重量%以上と、
85重量%以下のスルホン化剤に比較的不活性な熱
可塑性樹脂とからなる樹脂組成物が好適である。 簡単にその製造方法を述べると、例えば全重量
を基準として、15重量%以上例えば95〜30重量%
の上記エチレン系共重合体と、85重量%以下例え
ば5〜70重量%のスルホン化剤に比較的不活性な
熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物の100重量部
に対し、上記樹脂組成物に対し相溶性であり、か
つ、スルホン化前、スルホン化中又はスルホン化
後の少なくともいずれかにおいて抽出可能な可塑
剤を5〜200重量部含有する混合物を、5〜200μ
m厚みのフイルムに溶融成形し冷却固化後、スル
ホン化剤にて可塑剤を抽出しながらスルホン化反
応をさせるか、又は、スルホン化する前に溶剤に
て可塑剤を少なくとも一部抽出し、次いでスルホ
ン化反応をさせることにより容易に上記陽イオン
交換膜を得ることができる。 このような陽イオン交換膜は、スルホン基の交
換容量が0.2〜4ミリ当量/グラムで、希硫酸中
の電気抵抗が0.01〜20Ω・cm2、好ましくは0.05〜
5Ω・cm2、さらに好ましくは0.1〜1Ω・cm2となり、
この範囲内の膜から電気浸透係数が多くとも2×
10-4cc/cm・V・minの膜を選択すれば良い。 かかるエチレン系共重合体において、エチレン
含量が97モル%を越えると、スルホン化剤に対す
る活性が落ち、反応時間が長くなり、生産性が低
下し、膜表面が主体的にスルホン化処理され、耐
劣化性が低下する傾向がある。逆にエチレン含量
が82モル%未満では、溶融成形法によるフイルム
の成形性が低下し、またエチレン系共重合体のス
ルホン化物の耐酸化性が低下する傾向がある。従
つて、エチレン含量97〜82モル%のエチレン系共
重合体が特に好適である。 また、スルホン化剤に比較的不活性な熱可塑性
樹脂としては、上記のエチレン系共重合体に比較
してスルホン化反応の著しく遅いもので、通常の
プラスチツクの加工法で容易に均一混合でき、均
一な品質の膜を得やすい。例えば、低密度、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のポリオレフイン樹脂が好適である。またその配
合比は樹脂組成物の全重量を基準にして85重量%
以下が適当である。85重量%を越えるとスルホン
化反応が遅くなり、スルホン基の交換容量0.2ミ
リ当量/グラム以上のカチオン交換膜の連続生産
が難しくなる傾向がある。 上記樹脂組成物に対し相溶性があり、抽出可能
な可塑剤とは、上記樹脂の溶融状態で樹脂組成物
100重量部に対して少なくとも5重量部が均一に
分散し、溶融成形法にて薄肉フイルムが成膜で
き、しかも上記樹脂組成物をほとんど溶解しな
い、溶剤、スルホン化剤によりフイルム又は膜か
ら抽出できるものであればよい。例えば、フタル
酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等ポリ塩化ビニ
ル樹脂に通常使用される可塑剤、流動パラフイン
があり、その添加量は樹脂組成物100重量部に対
し、5〜200重量部が適当である。これらの混合、
フイルム化は通常公知の方法で実施される。フイ
ルムの厚みは5〜200μmが適当である。 また、ここでいう、その他のカルボキシル基と
塩を形成しうるイオン類とは、例えばMg2+
Ca2+,Zn2+等の2価の金属イオン、Al3+等の3
価の金属イオンの他にNH4 +等のカルボキシル基
と塩を形成し得るカチオンを意味し、前記した理
由により目的とする被脱水対象物より適宜選択す
れば良い。 また、本発明において、別の特に好適な陽イオ
ン交換膜としては、特願昭56−116152号、特願昭
56−211496号、特願昭56−211497号で提案した塩
化ビニル系樹脂、又は塩化ビニル系樹脂を含有す
る樹脂組成物より得られ、少なくとも0.1ミリ当
量/グラムのスルホン基を含有する陽イオン交換
膜が前記の陽イオン交換膜同様好適である。 本発明において、陽極側に上記の隔膜を用い、
陰極側に隔膜を用いない場合も含まれるが、陰極
側で発生する化学物質による汚染を極力さけるた
めには、陽極側と同様、半透性の隔膜を配するの
が好ましく、また、電極溶液中で発生する酸やア
ルカリが脱水濃縮室に流入することを防ぐ方法、
例えば、緩衝液、イオン交換樹脂、複数枚のイオ
ン交換膜を使用することが好ましい。中間隔膜
(濾過板)は特になくても、目的とする脱水濃縮
を達成することができるが、該天然高分子が通過
できる中間隔膜を配置して、中間隔膜と陰極側隔
膜の間に該天然高分子水溶液を供給することによ
り、脱水濃縮された含水ゲル及び/又は含水ペー
ストと供給液及び希釈液が中間隔膜により分割さ
れるため(電気泳動により該天然高分子は中間隔
膜を通過して陽極側隔膜上で含水ゲル及び/又は
含水ペースト化する)得られる含水ゲル及び/又
は含水ペーストの濃度は高く、また、供給液の流
速を上げやすくするため好適となる。 また、本発明においては第1図に示すされるよ
うに脱水室を複数個に分割し各分割面に前記の半
透性膜を挿入することにより、脱水速度、脱水エ
ネルギー効率を著しく大きくすることができるた
め特に好適となる。 なお、上記のように脱水室を複数個に分割し、
各分割面に半透性膜を挿入する場合は、陰極側隔
膜、陽極側隔膜はそれぞれ以下のように定義され
る。 陰極側隔膜:陰極室溶液と脱水室とを区画す る隔膜 陽極側隔膜:上記陰極側隔膜に対し陽極側に 配置される膜であり、脱水室と 脱水室あるいは脱水室と陽極溶 液とを区画する隔膜 また、本発明において、脱水濃縮時の温度は特
に限定するものではなく、該天然高分子が化学的
変性を受けず、かつ、陽極側隔膜の電気浸透係数
を満たす範囲内で適宜選択することができる。 本発明の脱水濃縮方法は、陰イオン性の天然高
分子の高粘性、電気泳動法、電気浸透性に着目し
かつ、電気浸透係数の小さい半透性膜を選定する
ことにより、従来、達成困難と考えられていた陰
イオン性の天然高分子の希薄水溶液(天然物から
抽出される際の濃度)から高濃縮倍率でしかも高
周エネルギー効率で、含水ゲル状及び/又は含水
ペースト状化する濃度以上に脱水濃縮できる画期
的な方法である。さらに付記すると、該天然高分
子の中にはカツパタイプのカラギーナンや寒天に
代表されるものは、常温付近では極めて低温度
(1〜2wt%)でもゲル化する。本発明者らは、
これらの含水ゲルが膜を使用した電気浸透法によ
り高効率で脱水することを確かめている。しかし
ながらこの方法では、含水ゲルから脱水が進むに
従つて、含水ゲルが極端に体積減少するために、
装置が極めて複雑になる欠点があつた。 本発明の方法では、これらの天然高分子に対し
て、ゲル化しない温度以上の温度で、脱水濃縮す
ることにより、ゲルの体積減少に追随させるため
の複雑な装置が不必要になるばかりか、天然物か
ら得られる抽出液をゲル化させるための冷却時
間、冷却装置が不必要ともなる。 従つて、本発明の方法は、従来公知の電気浸透
法では成し得なかつた陰イオン性の天然高分子水
溶液の脱水濃縮を可能としたことに加え、従来公
知の電気浸透法で成し得た陰イオン性の天然高分
子含水ゲルや含水ペーストに対しても、溶液の状
態で、より効率的に脱水濃縮できる特徴を有する
ものである。 粘度(センチポイズ) 25℃の温度条件でB型粘度計で測定した値 電気浸透係数(cc/cm・V・min) 通常の電気浸透係数測定方法に従い、測定液と
して0.355%の硫酸ナトリウム水溶液を用い、電
場を6V/cm、膜面積25cm2の条件下で測定した。
単位時間当りの移動量(液の移動量)を測定し、
下記の式より算出した。 電気浸透係数=単位時間当りの移動量(cc/min)/
膜面積(cm2)・膜電場(V/cm) ここで、膜電場は、0.355%の硫酸ナトリウム
水溶液中で測定した膜の電気抵抗、膜面積、膜厚
み及び電流値より、下記の式で求めた。 膜電場(V/cm)電気抵抗(Ω・cm2)×電流(A)
/面積(cm2)×厚み(cm) 単に電場と記載したものは、セル全体に印加さ
れた電圧(電極表面での電圧降下を除く)とセル
の幾何学的形状から、計算により求めた値であ
る。 なお、電気浸透係数が1×10-5cc/min・V・
cm以下の膜では移動量の測定限界以下のため1×
10-5cc/min・V・cm以下と表示する。 エネルギー効率(Kg/KWH) 固形分濃度がx重量%の陰イオン性の天然高分
子水溶液から外部電圧V(v)でt分間印加して
脱水濃縮し、陽極側隔膜上に生成した含水ゲル及
び/又は含水ペーストをデカンテーシヨン法で分
離して、該ゲル及び/又はペーストの重量W(g)
及び固形分濃度y(重量%)を測定し、下記の式
より算出した値。 尚、は通電中の平均電流(アンペア)である。 エネルギー効率=60/t・W(y/x−1)/V・
(Kg/ KWH) 回収率(%) 脱水濃縮前の陰イオン性の天然高分子水溶液中
の該天然高分子重量に対する脱水濃縮後の含水ゲ
ル及び/又はペースト中の該天然高分子の重量割
合。 濃縮倍率 脱水濃縮後の含水ゲル及び/又は含水ペースト
中の陰イオン性の天然高分子の重量割合を脱水濃
縮前の該天然高分子の重量割合で除した値。 交換容量(ミリ当量/グラム) 親水化処理したスルホン酸(−SO3H)型の膜
を一定量の塩化カルシユウム(1N)水溶液中に
入れて平衡とし、その溶液中に塩化水素を0.1N
のカセイソーダ水溶液(力価=f)で、指示薬と
してフエノールフタレインを用いて滴定し、その
値X(cc)を、カリウム塩状態での乾燥時重量W
(g)で割つた値。 交換容量(ミリ当量/グラム)=1/10・f・X/W 希硫酸中の電気抵抗(Ω・cm2) 希硫酸(比重=1.2)を満たした測定装置(JIS
C 2313に準ずる)に試料をセツトし、電極間に
23℃で電極密度25mA/cm2の直流定電流を通電し
たときの試料による電圧降下を測定し、下記の式
より算出した値を希硫酸中の電気抵抗とする。 R=(V2−V1)/0.025=40×(V2−V1) R=試料の希硫酸中の電気抵抗(Ω・cm2) V1=試料をセツトしないときの電圧降下(V) V2=試料をセツトしたときの電圧降下(V) 本発明についてさらに実施例により詳細に説明
する。 実験例 1 塩化ビニル系樹脂(チツソ株式会社製ニポリツ
トMH)100重量部、ジオクチルフタレート43重
量部、有機スズマレート系安定剤(日東化成株式
会社製TVSN2000E4)5重量部をニーダーにて
160℃−30分の条件で溶融混練し、次いで上記組
成物を押出機にて溶融押出成形し、40μ厚みのフ
イルムを得た。 上記フイルムの遊離の三酸化イオウを10%含有
する発煙硫酸と42℃、20分の条件で反応させ、濃
硫酸、希硫酸、水の順に洗浄し、次いで、カセイ
ソーダ水溶液にて中和し、さらに水洗乾燥し陽イ
オン交換膜を得た。 この陽イオン交換膜のスルホン基の交換容量は
0.9ミリ当量/グラムで希硫酸中の電気抵抗は
0.3Ω・cm2でかつ、電気浸透係数は、測定時間45
分では、ほとんど測定できない程小さいものであ
つた。 実験例 2 94.2モル%のエチレンと5.8モル%のメタクリ
ル酸メチルの共重合体を、ケン化(ケン化度=60
モル%)及び中和(中和度=30モル%)して得た
−COOCH3、−COOH及び−COONa基を有する
エチレン系共重合体(M.I=1.0)75重量%に対
し、25重量%の高密度ポリエチレン(密度=
0.955g/cm3 MI=7)を、ニーダーにて、190
℃で30分混練し、次いで上記樹脂組成物100重量
部に対して、43重量部の流動パラフイン(国産化
学株式会社製)を添加し、190℃で30分さらに混
練した。次いで、上記樹脂組成物を180℃の温度
で抽出機で熱可塑し、サーキユラーダイスより押
出して、周囲より20℃の水で急冷する方法で原反
厚み35μmのフイルムを得た。 そして上記フイルムを常温の1,1,1−トリ
クロロエタンに約10分間浸漬し、流動パラフイン
を抽出した。 以下、実験例1と類似の方法でスルホン化処理
し、水酸化カリウムで中和して、交換容量が2.1
ミリ当量/グラム、希硫酸中の電気抵抗が
0.12Ω・cm2の陽イオン交換膜を作成した。 実験例 3 従来公知の方法で実験例2で使用したエチレン
系共重合体よりなる40μ厚みのフイルムを実験例
2と類似の方法で処理し、スルホン基の交換容量
が2.3ミリ当量/グラムで、希硫酸中の電気抵抗
が0.05Ω・cm2の陽イオン交換膜を作成した。 実施例 1 第1図の装置において電極板(陽極板1及び陰
極板2)は、いずれも、炭素板、陽極室7及び陰
極室8内の両電極溶液には5重量%硫酸ソーダ水
溶液を用い、陽極側隔膜4,5,6及び陰極側隔
膜3に実験例1で作成した電気浸透係数が、10-5
cc/cm・V・min以下の陽イオン交換膜を使用
し、市販のアルギン酸ソーダ(岸田化学社製“ア
ルギン酸ナトリウム”)を2重量%溶解した粘度
が約2800センチポイズの水溶液を膜間隔1.1cmの
脱水濃縮室9,10,11に入れ、25℃の条件で
外部電圧30Vの定電圧条件で70分間通電し、該天
然高分子水溶液の脱水濃縮を行なつたところ各脱
水濃縮室の陽極側隔膜に含水ゲル及び含水ペース
トが付着していた。脱水濃縮室10の陽極側隔膜
上の含水ゲル及び含水ペーストのみをデカンテー
シヨン法で分離し脱水濃縮室10についてエネル
ギー効率、濃縮倍率、及び回収率を測定したとこ
ろ結果は表1に示すように極めて良好であつた。 実施例 2〜4 2重量%のアルギン酸ソーダ水溶液をペクチン
の2重量%水溶液[(粘度=40センチポイズ)…
…実施例2]1.2重量%のラムダ型カラギーナン
と1.2重量%のグルコースを含有するラムダ型カ
ラギーナン水溶液[(粘度=1200センチポイズ)
……実施例3]、カルボキシルメチルセルロース
ナトリウム塩(東京化成社製“カルボキシメチル
セルロースナトリウム”)の2重量%水溶液[(粘
度=270センチポイズ)……実施例4]に、また
両電極溶液の硫酸ソーダ水溶液を5重量%の硫酸
カリウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同
様の条件で脱水濃縮した。結果は表1に示すよう
に、極めて効率良く、脱水濃縮できた。 実施例 5〜7 実施例3の隔膜5を電気浸透係数が各々0.37×
10-4、0.39×10-4、1.4×10-4cc/cm・V・minの
実験例2(実施例5)、実験例3(実施例6)30μ
厚みのセロハン(実施例7)に各々変更して同様
の条件で脱水濃縮し、脱水濃縮室10の陽極側隔
膜5上に付着した含水ゲル/又は含水ペーストを
デカンテーシヨン法で分離した。結果は表1に示
すように良好であつた。 比較例 1 実施例3の隔膜5を電気浸透係数が4.4×10-4
cc/cm・V・minのポリプロピレン製微多孔膜
[日本ポリプラスチツク社製“ジユラガード3501”
最大孔径=0.04×0.4μ、気孔率=45%]に変更し
た以外は、同様の条件で脱水濃縮実験を試みた
が、陽極隔膜上には、含水ゲルあるいは含水ペー
ストは形成しなかつた。 比較例 2 2重量%のアルギン酸ソーダを2重量%のポリ
アクリル酸ソーダ(粘度<10、分子量=8000)に
変えた以外は実施例1と同様の方法で脱水濃縮実
験を試みたところ、陽極隔膜上に含水ゲルあるい
は含水ペーストは付着せず陰イオン性の高分子で
ありながら脱水濃縮できなかつた。 比較例 3 比較例2のアクリル酸ソーダを使用して、粘度
が40センチポイズの水溶液で比較例2と同様の実
験を試みたが、比較例2同様、脱水濃縮できなか
つた。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の脱水濃縮方法を行なうための
装置の一例を示す断面要図である。 1……陽極板、2……陰極板、3……陰極側隔
膜、4,5,6……陽極側隔膜、7……陽極溶
液、8……陰極溶液、9,10,11……脱水濃
縮室。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 電位勾配を与えて陰イオン性の天然高分子水
    溶液から該天然高分子を含水ゲル及び/又は含水
    ペースト状で取り出す脱水濃縮方法であつて、該
    天然高分子の粘度特性が2重量%水溶液において
    少なくとも10センチポイズでありかつ陽極側隔膜
    を電気浸透係数が多くとも2×10-4cc/cm・V・
    minの半透性膜とすることを特徴とする脱水濃縮
    方法。 2 半透性膜がイオン交換膜である特許請求の範
    囲第1項記載の脱水濃縮方法。 3 イオン交換膜が陽イオン交換膜である特許請
    求の範囲第2項記載の脱水濃縮方法。 4 陽イオン交換膜がエチレン系共重合体あるい
    は、エチレン系共重合体を含有する樹脂組成物よ
    り得られ−OH基及び−COOR基[式中RはH、
    炭素原子数1〜5の炭化水素基、アルカリ金属あ
    るいはその他のカルボキシル基と塩を形成し得る
    イオン類]より選ばれた少くとも1種類の親水性
    基と少なくとも0.2ミリ当量/グラムのスルホン
    基とを含有する膜である特許請求の範囲第3項記
    載の脱水濃縮方法。 5 陽イオン交換膜が塩化ビニル系樹脂あるいは
    塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂組成物より得ら
    れ、少なくとも0.1ミリ当量/グラムのスルホン
    基を含有する膜である特許請求の範囲第3項記載
    の脱水濃縮方法。 6 陰イオン性の天然高分子がアルギン酸ソーダ
    あるいはラムダ型カラギーナンである特許請求の
    範囲第1〜5項のいずれか1項に記載の脱水濃縮
    方法。
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