JPH0463148B2 - - Google Patents
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- JPH0463148B2 JPH0463148B2 JP11307189A JP11307189A JPH0463148B2 JP H0463148 B2 JPH0463148 B2 JP H0463148B2 JP 11307189 A JP11307189 A JP 11307189A JP 11307189 A JP11307189 A JP 11307189A JP H0463148 B2 JPH0463148 B2 JP H0463148B2
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Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明はTiALの金属間化合物の表面にTiを酸
化させず、Alだけを選択的に酸化させてAl2O3の
耐酸化皮膜を形成し、安価、軽量で、Ni基超合
金インコネル713Cと同等またはそれ以上の高温
耐熱耐酸化性材料を提供するにあり、本発明の目
的とする所は、航空機、船舶などに使用される内
熱機関、宇宙船材料、あるいは発電用の蒸気ター
ビンまたはガスタービンなどの構造用材料、ジエ
ツトエンジン材料、あるいは自動車用ターボチヤ
ージヤー用材料等のうち、主として900℃以上の
温度になる装置部材として金属間化合物TiALあ
るいはTiAL基合金が使用される際に、それらの
耐酸化性を改善するための表面処理により耐酸化
皮膜を形成するにある。 (従来の技術) 従来このような高温耐熱耐酸化装置部材として
はインコネル713Cに代表されるようなNi基超合
金が多く使用されていたが、熱効率や出力を高め
るため上記諸機関の運転温度が上昇してきたのに
伴つて、より高温に耐えうる材料が求められてい
る。また、ジエツトエンジンあるいはガスタービ
ンなどのように高速で回転する機関においては、
クリープ現象をもたらす外力として働く力、すな
わち回転による遠心力を小さいものにするため
に、より比重の小さい材料が望まれている。この
ような状況の下で、金属間化合物TiALまたはそ
の合金について考察するとその融点がおよそ1460
℃で通常のNi基超合金より100℃以上高温である
こと、比重がおよそ3.8で通常の超合金のそれに
比べ1/2以下であることなどの性質を有すること
により、従来のNi基超合金の代替材料として、
また従来より厳しい環境で使用される次世代材料
の最も有力な候補の一つとして現在多くの期待と
注目を集めているものである。 しかしながら、この金属間化合物TiALにも問
題点がいくつか指摘されており、中でも室温にお
ける延性の欠如と、800℃以上の高温における耐
酸化性の不足という2点がその実用化を阻む最も
大きな障害となつている。すでに内外での多くの
研究発表などにみられるように、室温での延性の
欠如という問題は解消されつつあるが、高温にお
ける耐酸化性の改善についてはこれまでのところ
特に有力な改善手段の報告はなされていない。 (発明が解決しようとする課題) 一般に金属の耐酸化性を改善する方法として
は、Crなど耐酸化性改善に有効な金属元素を合
金化する方法や、めつき処理あるいは拡散浸透処
理などの表面処理により酸化特性の良好な表面層
の形成を図る方法などが知られているが、金属間
化合物TiALに第3元素を合金化することはその
最大の長所である低密度を損なうものであるか
ら、ここでは密度増加の比較的少ない表面処理に
よる方法が有望であると考えられる。 しかし、金属間化合物TiALに対する表面処理
については、Cr,SiまたはAlの拡散浸透処理ま
たは真空蒸着処理が考えられているがCr,Siま
たはAlの真空蒸着処理は格別効果がなく、また
拡散浸透処理もAlを除いては格別高温耐酸化性
の向上がみられていない。また、Alの拡散浸透
処理についても、拡散皮膜の性状等に若干の問題
点の指摘があり、より効果の高い表面処理方法の
開発が望まれている。 (課題を解決するための手段) 本発明はTiALの金属間化合物を酸素分圧1×
10-2〜1×10-5Paの酸素雰囲気下で温度900℃〜
1050℃において、30分ないし100時間保持してTi
を酸化させず、Alだけを選択的に酸化させ、前
記金属間化合物の表面に予め耐酸化性のAl2O3皮
膜を生成せしめることを特徴とするTiAlの金属
間化合物表面に耐酸化皮膜を形成させる方法であ
る。 (作用) 未処理の金属間化合物TiALを大気中において
900℃以上の温度で酸化すると、3層構造の酸化
皮膜、すなわち最外層よりTiO2層、Al2O3層及び
両者の混在する層から成る構造の酸化皮膜が形成
されることが知られている。これらの中で特に
TiO2層が酸化時間の経過に従つて優先的に成長
することがTiALの耐酸化性の劣化する原因であ
ると考えられており、900℃静止大気中、150時間
程度での酸化により、この酸化皮膜は厚さ約
200μmに及ぶまで成長する。 しかし、低酸素分圧下熱処理を施した金属間化
合物TiALには、それらの表面にごく薄いAl2O3
の皮膜だけが生成していることがX線回折および
X線マイクロアナライザにより確認されTiO2層
の形成は認められなかつた。また、この処理を行
つた試験片を900℃静止大気中において繰り返し
酸化試験に供したところ、Al2O3皮膜が、未処理
の試験片に観察されるようなTiO2層の成長を伴
う酸化の進行を抑制する働きを有することが見い
だされた。この熱処理においてAl2O3皮膜だけが
TiO2に優先して生成することについては、Alの
酸化生成熱の値がTiのそれより負に大きいこと
や、Alに固溶できる酸素量がTiの場合より小さ
いことなどの理由により、低酸素分圧の雰囲気で
欠乏している酸素原子に対してAlが優先的に結
合し、Al2O3だけが生成したものであると説明す
ることができる。 Al2O3は金属酸化物のなかでも、化学的にきわ
めて安定で、かつ金属元素の自己拡散の最も遅い
ものの一つとして知られており、金属間化合物
TiALの表面に緻密で欠陥の少ない皮膜として生
成することによつてそれらの耐酸化性を著しく改
善することができるものと考えられる。 また、Al2O3皮膜を成長させる各元素の拡散は
主としてAl2O3結晶粒界を経由して行われること
はすでによく知られている。従つてAl2O3皮膜の
成長速度は拡散経路となる結晶粒界の面積、言い
換えれば結晶粒径に依存すると言うことができ
る。ところで低酸素分圧下での酸化によりAl2O3
皮膜が生成、成長するときには大気圧中での酸化
の場合に比べて酸化物結晶粒が粗大なものとなる
ことは、Pt−Al合金上のAl2O3皮膜の成長を研究
したFelten氏らによつて明らかにされている。こ
れについては低酸素分圧の下で酸化が始まる際、
酸化物の核生成の位置が大気圧中の場合より少な
いため、その結果として比較的粗大な結晶粒の酸
化皮膜が形成されたものであると考えられてい
る。本発明の低酸素分圧下熱処理によつて基材表
面に生成したAl2O3皮膜も粗大結晶粒化している
ものと考えられ、この処理が耐酸化性改善に及ぼ
す効果については、その影響も作用しているもの
と考えられるが、加熱温度が低ければ、加熱時間
は長く選定し、加熱温度が高ければ加熱時間は短
く選定しなければならない。また、酸素分圧が小
さければ加熱時間を長くしなければならない。ま
た酸素分圧が大きければ加熱時間は短くてよい。
以上の観点より酸素分圧の範囲を1×10-2〜1×
10-5Pa、温度を900℃〜1050℃および加熱時間を
30分ないし100時間とした。 (実施例) 以下本発明の低酸素分圧下熱処理の実施例につ
いて説明する。 実施例 1 本実施例に用いた試料は純度が99.99%のAlと
99.6%のスポンジTiを金属間化合物TiALの化学
量論組成に配合し、アルゴンアーム溶解により約
280gの棒状インゴツトに溶製されたものである。
これらに100℃、168時間均質化焼なまし処理を施
した後、放電ワイヤカツトおよびフアインカツタ
で10×5×2mmの寸法の試験片を切り出し、試験
片表面を#1000までのエメリー紙で研磨した。
化させず、Alだけを選択的に酸化させてAl2O3の
耐酸化皮膜を形成し、安価、軽量で、Ni基超合
金インコネル713Cと同等またはそれ以上の高温
耐熱耐酸化性材料を提供するにあり、本発明の目
的とする所は、航空機、船舶などに使用される内
熱機関、宇宙船材料、あるいは発電用の蒸気ター
ビンまたはガスタービンなどの構造用材料、ジエ
ツトエンジン材料、あるいは自動車用ターボチヤ
ージヤー用材料等のうち、主として900℃以上の
温度になる装置部材として金属間化合物TiALあ
るいはTiAL基合金が使用される際に、それらの
耐酸化性を改善するための表面処理により耐酸化
皮膜を形成するにある。 (従来の技術) 従来このような高温耐熱耐酸化装置部材として
はインコネル713Cに代表されるようなNi基超合
金が多く使用されていたが、熱効率や出力を高め
るため上記諸機関の運転温度が上昇してきたのに
伴つて、より高温に耐えうる材料が求められてい
る。また、ジエツトエンジンあるいはガスタービ
ンなどのように高速で回転する機関においては、
クリープ現象をもたらす外力として働く力、すな
わち回転による遠心力を小さいものにするため
に、より比重の小さい材料が望まれている。この
ような状況の下で、金属間化合物TiALまたはそ
の合金について考察するとその融点がおよそ1460
℃で通常のNi基超合金より100℃以上高温である
こと、比重がおよそ3.8で通常の超合金のそれに
比べ1/2以下であることなどの性質を有すること
により、従来のNi基超合金の代替材料として、
また従来より厳しい環境で使用される次世代材料
の最も有力な候補の一つとして現在多くの期待と
注目を集めているものである。 しかしながら、この金属間化合物TiALにも問
題点がいくつか指摘されており、中でも室温にお
ける延性の欠如と、800℃以上の高温における耐
酸化性の不足という2点がその実用化を阻む最も
大きな障害となつている。すでに内外での多くの
研究発表などにみられるように、室温での延性の
欠如という問題は解消されつつあるが、高温にお
ける耐酸化性の改善についてはこれまでのところ
特に有力な改善手段の報告はなされていない。 (発明が解決しようとする課題) 一般に金属の耐酸化性を改善する方法として
は、Crなど耐酸化性改善に有効な金属元素を合
金化する方法や、めつき処理あるいは拡散浸透処
理などの表面処理により酸化特性の良好な表面層
の形成を図る方法などが知られているが、金属間
化合物TiALに第3元素を合金化することはその
最大の長所である低密度を損なうものであるか
ら、ここでは密度増加の比較的少ない表面処理に
よる方法が有望であると考えられる。 しかし、金属間化合物TiALに対する表面処理
については、Cr,SiまたはAlの拡散浸透処理ま
たは真空蒸着処理が考えられているがCr,Siま
たはAlの真空蒸着処理は格別効果がなく、また
拡散浸透処理もAlを除いては格別高温耐酸化性
の向上がみられていない。また、Alの拡散浸透
処理についても、拡散皮膜の性状等に若干の問題
点の指摘があり、より効果の高い表面処理方法の
開発が望まれている。 (課題を解決するための手段) 本発明はTiALの金属間化合物を酸素分圧1×
10-2〜1×10-5Paの酸素雰囲気下で温度900℃〜
1050℃において、30分ないし100時間保持してTi
を酸化させず、Alだけを選択的に酸化させ、前
記金属間化合物の表面に予め耐酸化性のAl2O3皮
膜を生成せしめることを特徴とするTiAlの金属
間化合物表面に耐酸化皮膜を形成させる方法であ
る。 (作用) 未処理の金属間化合物TiALを大気中において
900℃以上の温度で酸化すると、3層構造の酸化
皮膜、すなわち最外層よりTiO2層、Al2O3層及び
両者の混在する層から成る構造の酸化皮膜が形成
されることが知られている。これらの中で特に
TiO2層が酸化時間の経過に従つて優先的に成長
することがTiALの耐酸化性の劣化する原因であ
ると考えられており、900℃静止大気中、150時間
程度での酸化により、この酸化皮膜は厚さ約
200μmに及ぶまで成長する。 しかし、低酸素分圧下熱処理を施した金属間化
合物TiALには、それらの表面にごく薄いAl2O3
の皮膜だけが生成していることがX線回折および
X線マイクロアナライザにより確認されTiO2層
の形成は認められなかつた。また、この処理を行
つた試験片を900℃静止大気中において繰り返し
酸化試験に供したところ、Al2O3皮膜が、未処理
の試験片に観察されるようなTiO2層の成長を伴
う酸化の進行を抑制する働きを有することが見い
だされた。この熱処理においてAl2O3皮膜だけが
TiO2に優先して生成することについては、Alの
酸化生成熱の値がTiのそれより負に大きいこと
や、Alに固溶できる酸素量がTiの場合より小さ
いことなどの理由により、低酸素分圧の雰囲気で
欠乏している酸素原子に対してAlが優先的に結
合し、Al2O3だけが生成したものであると説明す
ることができる。 Al2O3は金属酸化物のなかでも、化学的にきわ
めて安定で、かつ金属元素の自己拡散の最も遅い
ものの一つとして知られており、金属間化合物
TiALの表面に緻密で欠陥の少ない皮膜として生
成することによつてそれらの耐酸化性を著しく改
善することができるものと考えられる。 また、Al2O3皮膜を成長させる各元素の拡散は
主としてAl2O3結晶粒界を経由して行われること
はすでによく知られている。従つてAl2O3皮膜の
成長速度は拡散経路となる結晶粒界の面積、言い
換えれば結晶粒径に依存すると言うことができ
る。ところで低酸素分圧下での酸化によりAl2O3
皮膜が生成、成長するときには大気圧中での酸化
の場合に比べて酸化物結晶粒が粗大なものとなる
ことは、Pt−Al合金上のAl2O3皮膜の成長を研究
したFelten氏らによつて明らかにされている。こ
れについては低酸素分圧の下で酸化が始まる際、
酸化物の核生成の位置が大気圧中の場合より少な
いため、その結果として比較的粗大な結晶粒の酸
化皮膜が形成されたものであると考えられてい
る。本発明の低酸素分圧下熱処理によつて基材表
面に生成したAl2O3皮膜も粗大結晶粒化している
ものと考えられ、この処理が耐酸化性改善に及ぼ
す効果については、その影響も作用しているもの
と考えられるが、加熱温度が低ければ、加熱時間
は長く選定し、加熱温度が高ければ加熱時間は短
く選定しなければならない。また、酸素分圧が小
さければ加熱時間を長くしなければならない。ま
た酸素分圧が大きければ加熱時間は短くてよい。
以上の観点より酸素分圧の範囲を1×10-2〜1×
10-5Pa、温度を900℃〜1050℃および加熱時間を
30分ないし100時間とした。 (実施例) 以下本発明の低酸素分圧下熱処理の実施例につ
いて説明する。 実施例 1 本実施例に用いた試料は純度が99.99%のAlと
99.6%のスポンジTiを金属間化合物TiALの化学
量論組成に配合し、アルゴンアーム溶解により約
280gの棒状インゴツトに溶製されたものである。
これらに100℃、168時間均質化焼なまし処理を施
した後、放電ワイヤカツトおよびフアインカツタ
で10×5×2mmの寸法の試験片を切り出し、試験
片表面を#1000までのエメリー紙で研磨した。
【表】
第1表は低酸素分圧下熱処理を実施した金属間
化合物TiALおよびTiAL基合金の組成を示した
ものである。 この試験片に第2表に示すような種々の条件で
低酸素分圧下熱処理を施した後、酸化試験を行つ
て最もよい耐酸化性を示す熱処理条件を検討し
た。表中の圧力は空気圧を示すものである。
化合物TiALおよびTiAL基合金の組成を示した
ものである。 この試験片に第2表に示すような種々の条件で
低酸素分圧下熱処理を施した後、酸化試験を行つ
て最もよい耐酸化性を示す熱処理条件を検討し
た。表中の圧力は空気圧を示すものである。
【表】
第2より明らかなよう試料No.1は雰囲気の低い
酸素分圧の度合が小さいので、処理時間が短くて
も、雰囲気中の酸素が多く、Al2O3の外にTiO2も
できる条件であるので、その効果が比較的少な
い。また試料No.3は処理雰囲気の酸素分圧が6.7
×10-4で、真空度が大きいので、処理雰囲気中の
酸素が少く、Al2O3のできる時間が長くかかると
思われる所、処理時間を4時間の如く短くしたの
で効果が少なかつた。この場合処理時間を10〜20
時間の如く、十分長くすれば効果があることが確
かめられた。 酸化試験は、各試験片をあらかじめ900℃に保
持した横型管状電気炉中に挿入して静止大気中で
酸化し、所定時間経過後これを炉から取り出し質
量変化の測定と表面の観察を行い、再び炉内に戻
して酸化を続けるという断続的方法で行つた。ま
た必要に応じて走査型顕微鏡(SEM)、X線マイ
クロアナライザー(XMA)ならびにX線デイフ
ラクトメータも使用して酸化層の解析を行つた。
比較材としてNi基超合金インコネル713Cを同時
に酸化試験に供した。この比較材の組成は第3表
の通りである。
酸素分圧の度合が小さいので、処理時間が短くて
も、雰囲気中の酸素が多く、Al2O3の外にTiO2も
できる条件であるので、その効果が比較的少な
い。また試料No.3は処理雰囲気の酸素分圧が6.7
×10-4で、真空度が大きいので、処理雰囲気中の
酸素が少く、Al2O3のできる時間が長くかかると
思われる所、処理時間を4時間の如く短くしたの
で効果が少なかつた。この場合処理時間を10〜20
時間の如く、十分長くすれば効果があることが確
かめられた。 酸化試験は、各試験片をあらかじめ900℃に保
持した横型管状電気炉中に挿入して静止大気中で
酸化し、所定時間経過後これを炉から取り出し質
量変化の測定と表面の観察を行い、再び炉内に戻
して酸化を続けるという断続的方法で行つた。ま
た必要に応じて走査型顕微鏡(SEM)、X線マイ
クロアナライザー(XMA)ならびにX線デイフ
ラクトメータも使用して酸化層の解析を行つた。
比較材としてNi基超合金インコネル713Cを同時
に酸化試験に供した。この比較材の組成は第3表
の通りである。
【表】
第1図は、未処理の金属間化合物TiALおよび
比較材として使用したNi基超合金インコネル
713C並びに純Ti板の酸化試験による質量変化を
示したものである。この図から未処理の金属間化
合物TiALは純Tiよりも優れた耐酸化性を有して
いるが、インコネル713Cに比較すると数段劣る
ものであることがわかる。 次に金属間化合物TiALに対して第2表に示し
た低酸素分圧下熱処理を施した試料の酸化試験の
結果を第2図に示した。No.1およびNo.3の両試験
片は熱処理を施さないTiAL試験片(TA)に比
べてかなり耐酸化性は改善されているが、No.2A
およびNo.2Bはそれらに比べてもはるかに酸化に
よる質量増加が少なく、未処理TiAL試験片
(TA)に比べれば2桁も小さい。これらの耐酸
化性はインコネル713Cを凌いでいる。なお、試
料No.1および試料No.3は50〜100時間までの累積
酸化処理では酸化増量が殆んど零に近くインコネ
ル(Ni基合金)に比しても優れていることが認
められた。 未処理TiAL試験片(TA)の150時間酸化後の
皮膜は外見上白色で、その厚さは約100μm程度で
あつた。XMAおよびX線デイフラクトメータ分
析から、この酸化皮膜は外側よりTiO2層、Al2O3
層および両者が混在する第3層から成り、酸化皮
膜と母材のTiALの間に厚さ数μmのTi3AL層の
生成しているのが認められた。一般にTiALが耐
酸化性に劣るのはTiO2層の成長によるもので、
これは第2層のAl2O3層が不均一かつ不連続であ
るため、Tiの外方拡散を阻止することができず、
酸化の進行とともに外側のTiO2が成長していつ
たものと考える。本発明の熱処理を施した試験片
のうち酸化増量の比較的大きいNo.1とNo.3は、未
処理TiAL試験片(TA)と同様の白色の酸化皮
膜(TiO2)を部分的に生成したが、No.2Bは250
時間まで続けて試験を行つても、灰黒色の緻密な
酸化皮膜(Al2O3)のままで全く変化が認められ
なかつた。 低酸素分圧下熱処理を施したままのNo.2Aの断
面の光学顕微鏡写真およびXMA分析の結果を第
3図に示した。母材の表面に数μm程度のごく薄
いものではあるが、均一な皮膜が生成されてい
る。それはX線解析によりAl2O3と同定された。 低酸素分圧下熱処理による劇的な耐酸化性の改
善はこのAl2O3皮膜によるものと考えられる。す
なわちこのAl2O3皮膜がTiALの通常の酸化で生
成される酸化皮膜より緻密であつたため、酸化試
験時のTiの外方拡散を防ぎ、酸化皮膜の成長を
抑制したものと推測される。No.1などの処理条件
ではこのAl2O3皮膜の連続性がなお不十分であつ
たため、皮膜の不完全な部分からTiO2層の成長
が進んだものと思われる。特に酸化増量が中程度
に大きいNo.3では表面全体に直径1mm程度の半球
状の白色酸化物がまばらに分散しているものが見
い出された。これはAl2O3皮膜の不完全な部分か
ら酸化皮膜が成長し始めたところであると考える
ことができる。 以上のように、TiALに1000℃で低酸素分圧下
の熱処理を施すと外見上灰黒色に見える薄い
Al2O3皮膜を生成し、通常の酸化での酸化皮膜
(TiO2)の生成、成長を劇的に抑制する働きのあ
ることが見い出された。この現象は900℃、250時
間までの断続的酸化に対してもその効果が維持さ
れた。 (比較例) 前の第1表に示した2種類の試料を10-3Paの
真空中で1000℃、168時間均質化焼なました後、
寸法10×5×2mmの板材を切り出して試験片と
し、表面を#1000のエメリー紙で研磨した後、各
種の表面処理を施した。 本実験で試験した表面処理は従来法の拡散浸透
処理および真空蒸着処理を行つて、本発明の低酸
素分圧下熱処理と比較した。それらの中から試験
片表面状態の比較的良好なものあるいは耐酸化性
の改善が期待されそうなものについて、900℃静
止大気中で25〜150時間の酸化試験を行つた。ま
た比較材としてNi基超合金インコネル713Cと
SUS430ステンレス鋼も同時に酸化試験に供し
た。使用したインコネル713Cの組成は第3表に
示したものと同じである。またSUS430ステンレ
ス鋼の組成は第4表の通りである。
比較材として使用したNi基超合金インコネル
713C並びに純Ti板の酸化試験による質量変化を
示したものである。この図から未処理の金属間化
合物TiALは純Tiよりも優れた耐酸化性を有して
いるが、インコネル713Cに比較すると数段劣る
ものであることがわかる。 次に金属間化合物TiALに対して第2表に示し
た低酸素分圧下熱処理を施した試料の酸化試験の
結果を第2図に示した。No.1およびNo.3の両試験
片は熱処理を施さないTiAL試験片(TA)に比
べてかなり耐酸化性は改善されているが、No.2A
およびNo.2Bはそれらに比べてもはるかに酸化に
よる質量増加が少なく、未処理TiAL試験片
(TA)に比べれば2桁も小さい。これらの耐酸
化性はインコネル713Cを凌いでいる。なお、試
料No.1および試料No.3は50〜100時間までの累積
酸化処理では酸化増量が殆んど零に近くインコネ
ル(Ni基合金)に比しても優れていることが認
められた。 未処理TiAL試験片(TA)の150時間酸化後の
皮膜は外見上白色で、その厚さは約100μm程度で
あつた。XMAおよびX線デイフラクトメータ分
析から、この酸化皮膜は外側よりTiO2層、Al2O3
層および両者が混在する第3層から成り、酸化皮
膜と母材のTiALの間に厚さ数μmのTi3AL層の
生成しているのが認められた。一般にTiALが耐
酸化性に劣るのはTiO2層の成長によるもので、
これは第2層のAl2O3層が不均一かつ不連続であ
るため、Tiの外方拡散を阻止することができず、
酸化の進行とともに外側のTiO2が成長していつ
たものと考える。本発明の熱処理を施した試験片
のうち酸化増量の比較的大きいNo.1とNo.3は、未
処理TiAL試験片(TA)と同様の白色の酸化皮
膜(TiO2)を部分的に生成したが、No.2Bは250
時間まで続けて試験を行つても、灰黒色の緻密な
酸化皮膜(Al2O3)のままで全く変化が認められ
なかつた。 低酸素分圧下熱処理を施したままのNo.2Aの断
面の光学顕微鏡写真およびXMA分析の結果を第
3図に示した。母材の表面に数μm程度のごく薄
いものではあるが、均一な皮膜が生成されてい
る。それはX線解析によりAl2O3と同定された。 低酸素分圧下熱処理による劇的な耐酸化性の改
善はこのAl2O3皮膜によるものと考えられる。す
なわちこのAl2O3皮膜がTiALの通常の酸化で生
成される酸化皮膜より緻密であつたため、酸化試
験時のTiの外方拡散を防ぎ、酸化皮膜の成長を
抑制したものと推測される。No.1などの処理条件
ではこのAl2O3皮膜の連続性がなお不十分であつ
たため、皮膜の不完全な部分からTiO2層の成長
が進んだものと思われる。特に酸化増量が中程度
に大きいNo.3では表面全体に直径1mm程度の半球
状の白色酸化物がまばらに分散しているものが見
い出された。これはAl2O3皮膜の不完全な部分か
ら酸化皮膜が成長し始めたところであると考える
ことができる。 以上のように、TiALに1000℃で低酸素分圧下
の熱処理を施すと外見上灰黒色に見える薄い
Al2O3皮膜を生成し、通常の酸化での酸化皮膜
(TiO2)の生成、成長を劇的に抑制する働きのあ
ることが見い出された。この現象は900℃、250時
間までの断続的酸化に対してもその効果が維持さ
れた。 (比較例) 前の第1表に示した2種類の試料を10-3Paの
真空中で1000℃、168時間均質化焼なました後、
寸法10×5×2mmの板材を切り出して試験片と
し、表面を#1000のエメリー紙で研磨した後、各
種の表面処理を施した。 本実験で試験した表面処理は従来法の拡散浸透
処理および真空蒸着処理を行つて、本発明の低酸
素分圧下熱処理と比較した。それらの中から試験
片表面状態の比較的良好なものあるいは耐酸化性
の改善が期待されそうなものについて、900℃静
止大気中で25〜150時間の酸化試験を行つた。ま
た比較材としてNi基超合金インコネル713Cと
SUS430ステンレス鋼も同時に酸化試験に供し
た。使用したインコネル713Cの組成は第3表に
示したものと同じである。またSUS430ステンレ
ス鋼の組成は第4表の通りである。
【表】
この酸化試験の結果は連続酸化による酸化増量
を示したものではなく、所定時間経過後一旦炉か
ら出して質量変化を測定したのち、また炉内に戻
し酸化をつづけるという方法の断続的酸化による
ものである。またはく離した皮膜も一緒に質量測
定した。 各処理が耐酸化性に及ぼす影響については酸化
試験後、試験片の観察、単位表面積当たりの酸化
増量の測定などによつて行い、またX線デイフラ
クトメータ、XMA等も使用して評価をした。 まず最初に未処理のTiAL(TA)、1.5%Mn−
TiAl(TAM)、ニツケル基超合金(インコネル
713C)およびステンレス鋼(SUS430)について
行つた酸化試験の結果は第4図に示す通りであ
る。すでに知られているように、Mn添加の
TiALは無添加の場合に比べ酸化の度合が大き
い。TiAL(TA)の酸化皮膜は白色、Mn添加
TiAL(TAM)は黒色であつた。またこの温度で
はTA,TAMとも皮膜のはく離が認められ、安
定な皮膜を維持するインコネル713Cに比べかな
り大きな酸化増量を示した。 次に各表面処理について酸化試験の結果を併せ
て説明する。 まず、拡散浸透処理については粉末パツク法を
採用することにした。これはステンレス鋼管中に
粒度200メツシユ以下の粉末パツク材とともに試
験片を充填し、カンタル線炉で第5表に示したよ
うな条件の処理を施す。
を示したものではなく、所定時間経過後一旦炉か
ら出して質量変化を測定したのち、また炉内に戻
し酸化をつづけるという方法の断続的酸化による
ものである。またはく離した皮膜も一緒に質量測
定した。 各処理が耐酸化性に及ぼす影響については酸化
試験後、試験片の観察、単位表面積当たりの酸化
増量の測定などによつて行い、またX線デイフラ
クトメータ、XMA等も使用して評価をした。 まず最初に未処理のTiAL(TA)、1.5%Mn−
TiAl(TAM)、ニツケル基超合金(インコネル
713C)およびステンレス鋼(SUS430)について
行つた酸化試験の結果は第4図に示す通りであ
る。すでに知られているように、Mn添加の
TiALは無添加の場合に比べ酸化の度合が大き
い。TiAL(TA)の酸化皮膜は白色、Mn添加
TiAL(TAM)は黒色であつた。またこの温度で
はTA,TAMとも皮膜のはく離が認められ、安
定な皮膜を維持するインコネル713Cに比べかな
り大きな酸化増量を示した。 次に各表面処理について酸化試験の結果を併せ
て説明する。 まず、拡散浸透処理については粉末パツク法を
採用することにした。これはステンレス鋼管中に
粒度200メツシユ以下の粉末パツク材とともに試
験片を充填し、カンタル線炉で第5表に示したよ
うな条件の処理を施す。
【表】
これらの方法はすでに超合金などに対して確立
されている技法であり、TiAlに対してもその効
果が期待されるものである。拡散材としてはCr,
SiおよびAlの3種について試みたが、発明者の
行つた範囲ではCr,Siについては十分な拡散皮
膜を得るのが困難であつた。 Alの拡散浸透処理については処理温度と処理
時間を第5表に示した範囲で変化させて、またパ
ツク材の配合も2種類を試み最適条件を捜したと
ころ、750℃、10時間でもつとも良好な拡散皮膜
が得られることがわかつた。このとき拡散浸透皮
膜の厚さはおよそ100μmで緻密で外観も良好であ
つた。この皮膜の組成はX線デイフラクトメータ
の結果よりTiAL3であると同定した。処理条件
を変化すると、一般に高温短時間側では皮膜の組
織にクラツクが多く見られ、低温長時間側では密
着性の良い緻密な皮膜が得られた。
されている技法であり、TiAlに対してもその効
果が期待されるものである。拡散材としてはCr,
SiおよびAlの3種について試みたが、発明者の
行つた範囲ではCr,Siについては十分な拡散皮
膜を得るのが困難であつた。 Alの拡散浸透処理については処理温度と処理
時間を第5表に示した範囲で変化させて、またパ
ツク材の配合も2種類を試み最適条件を捜したと
ころ、750℃、10時間でもつとも良好な拡散皮膜
が得られることがわかつた。このとき拡散浸透皮
膜の厚さはおよそ100μmで緻密で外観も良好であ
つた。この皮膜の組成はX線デイフラクトメータ
の結果よりTiAL3であると同定した。処理条件
を変化すると、一般に高温短時間側では皮膜の組
織にクラツクが多く見られ、低温長時間側では密
着性の良い緻密な皮膜が得られた。
【表】
またAl拡散浸透後、第6表に示したような真
空熱処理を施したものも用意し、併せて酸化試験
を行つた。酸化試験の結果が第5図である。未処
理のTiAlに比べAlの拡散浸透処理を施したもの
は耐酸化性に優れ、インコネル713Cに匹敵する
ものになるということがわかつた。また真空熱処
理を施したものは、さらに耐酸化性に優れ、イン
コネル713Cを凌ぐことがわかつた。 ところで、ここでいかなる処理条件においても
発生する問題があつた。第6図aに示したように
試験片エツジ付近で拡散皮膜に大きな割れが発生
する。本試験の試験片はエツジのシヤープな直方
体形状をしたので、試みに試験片のエツジにアー
ルを取つたものを用意して拡散浸透処理を施した
ところ第6図bのようにその割れが明らかに小さ
くなつた。そこでこの問題についてはさらに最適
形状を見つけることにより解決されることと推測
され、工業的にもこの方向で対処できるものと考
えられる。 さて本発明者は真空蒸着処理について、Cr,
Si,NiおよびAlの4種を試みた。Cr,Siについ
ては蒸着自体が困難であるが、一方Ni,Alにつ
いては蒸着が可能だつたため、蒸着後、拡散のた
め10-3Paの真空中で1000〜1050℃4時間の熱処
理を施してから酸化試験を行つた。この結果は第
7図に示す通りである。第7図に示したように
Ni蒸着については耐酸化性の著しい改善は認め
られなかつた。またAlについては若干の効果は
認められたものの、その効果は比較的短時間で失
われ、光学顕微鏡での観察によつても次の第8図
のように十分な拡散が起こつていないのが明らか
で、今後さらに適切なAlの蒸着条件、拡散条件
を適切に行えば十分効果が期待できると考える。 実施例 2 第1表に示したと同じ金属間化合物TiALおよ
びMn添加TiALについて、広範囲の条件で低酸
素分圧下で熱処理を施して900℃静止大気中での
繰り返し酸化試験を行つた。 第7表は金属間化合物TiALに対して施した低
酸素分圧下熱処理の処理条件を示したものであ
る。この熱処理における処理条件として変化させ
たパラメータは、処理空気圧(真空度)、処理温
度および処理時間の三者であり、実際の熱処理は
それぞれ第7表に示したような条件の雰囲気中で
試料を所定時間保持するというものである。
空熱処理を施したものも用意し、併せて酸化試験
を行つた。酸化試験の結果が第5図である。未処
理のTiAlに比べAlの拡散浸透処理を施したもの
は耐酸化性に優れ、インコネル713Cに匹敵する
ものになるということがわかつた。また真空熱処
理を施したものは、さらに耐酸化性に優れ、イン
コネル713Cを凌ぐことがわかつた。 ところで、ここでいかなる処理条件においても
発生する問題があつた。第6図aに示したように
試験片エツジ付近で拡散皮膜に大きな割れが発生
する。本試験の試験片はエツジのシヤープな直方
体形状をしたので、試みに試験片のエツジにアー
ルを取つたものを用意して拡散浸透処理を施した
ところ第6図bのようにその割れが明らかに小さ
くなつた。そこでこの問題についてはさらに最適
形状を見つけることにより解決されることと推測
され、工業的にもこの方向で対処できるものと考
えられる。 さて本発明者は真空蒸着処理について、Cr,
Si,NiおよびAlの4種を試みた。Cr,Siについ
ては蒸着自体が困難であるが、一方Ni,Alにつ
いては蒸着が可能だつたため、蒸着後、拡散のた
め10-3Paの真空中で1000〜1050℃4時間の熱処
理を施してから酸化試験を行つた。この結果は第
7図に示す通りである。第7図に示したように
Ni蒸着については耐酸化性の著しい改善は認め
られなかつた。またAlについては若干の効果は
認められたものの、その効果は比較的短時間で失
われ、光学顕微鏡での観察によつても次の第8図
のように十分な拡散が起こつていないのが明らか
で、今後さらに適切なAlの蒸着条件、拡散条件
を適切に行えば十分効果が期待できると考える。 実施例 2 第1表に示したと同じ金属間化合物TiALおよ
びMn添加TiALについて、広範囲の条件で低酸
素分圧下で熱処理を施して900℃静止大気中での
繰り返し酸化試験を行つた。 第7表は金属間化合物TiALに対して施した低
酸素分圧下熱処理の処理条件を示したものであ
る。この熱処理における処理条件として変化させ
たパラメータは、処理空気圧(真空度)、処理温
度および処理時間の三者であり、実際の熱処理は
それぞれ第7表に示したような条件の雰囲気中で
試料を所定時間保持するというものである。
【表】
第7表に示した条件の熱処理を施した金属間化
合物TiALあるいはTiAL基合金試験片について
900℃静止大気中における繰り返し酸化試験を行
つて各処理条件と耐酸化性との関係について検討
した。第9図から第11図までのグラフは酸化試
験を行つた際の各試験片の質量増加を表したもの
である。これらのグラフの横軸は累積酸化時間を
示し、縦軸は試験片の質量変化を単位表面積当た
りの値にして示したものである。 本発明により金属間化合物TiALに低酸素分圧
下熱処理を施す際の処理空気圧と処理時間をそれ
ぞれ6.7×10-3Paと10時間に一定とし、処理温度
を変化させたときの各試験片の酸化増量を第9図
に示す。先に示した第1図の未処理の場合と比較
して、低酸素分圧下熱処理による耐酸化性の改善
は明らかである。この効果については処理温度
900℃から1000℃までの範囲で酸化増量が900℃よ
り1000℃に近づくにつれて減少することが認めら
れ、特に1000℃付近で耐酸化性改善の効果が最も
大きい。 なお、本発明の試料中第9図D曲線に示すもの
は酸化増量が多いようであるが、100時間までは
酸化増量が4g・m2以下でインコネル713C以上の
十分な耐酸化効果があることが確かめられた。 第10図は処理空気圧6.7×10-3Pa、処理温度
1000℃、処理時間10時間の低酸素分圧下熱処理を
施した金属間化合物TiAL試験片の耐酸化性を長
時間にわたる繰り返し酸化試験によつてインコネ
ル713Cのそれと比較したものである。累積酸化
時間500時間までの範囲ではインコネル713Cを凌
ぐ耐酸化性を有するものになつていることが見い
だされる。 第11図は1.5%のMnを添加したTiAL基合金
に対して本発明の低酸素分圧下熱処理を施した試
料の酸化曲線Jを示したものである。同処理を行
わない同じ試料の酸化曲線Kも併記してある。本
発明による低酸素分圧下で熱処理は、このMnを
含む試料TiAL合金についても耐酸化性改善の効
果のあることが認められる。 以上のように繰り返し酸化試験による耐酸化性
改善の評価を処理条件別にまとめたものが表8で
ある。表中の記号○はインコネル713Cと同程度
あるいはそれ以上の耐酸化性が得られたことを表
し、記号△はインコネル713Cよりよい効果があ
つたことを示し、また記号×はそれ以上の酸化増
量を示したことを表すものである。
合物TiALあるいはTiAL基合金試験片について
900℃静止大気中における繰り返し酸化試験を行
つて各処理条件と耐酸化性との関係について検討
した。第9図から第11図までのグラフは酸化試
験を行つた際の各試験片の質量増加を表したもの
である。これらのグラフの横軸は累積酸化時間を
示し、縦軸は試験片の質量変化を単位表面積当た
りの値にして示したものである。 本発明により金属間化合物TiALに低酸素分圧
下熱処理を施す際の処理空気圧と処理時間をそれ
ぞれ6.7×10-3Paと10時間に一定とし、処理温度
を変化させたときの各試験片の酸化増量を第9図
に示す。先に示した第1図の未処理の場合と比較
して、低酸素分圧下熱処理による耐酸化性の改善
は明らかである。この効果については処理温度
900℃から1000℃までの範囲で酸化増量が900℃よ
り1000℃に近づくにつれて減少することが認めら
れ、特に1000℃付近で耐酸化性改善の効果が最も
大きい。 なお、本発明の試料中第9図D曲線に示すもの
は酸化増量が多いようであるが、100時間までは
酸化増量が4g・m2以下でインコネル713C以上の
十分な耐酸化効果があることが確かめられた。 第10図は処理空気圧6.7×10-3Pa、処理温度
1000℃、処理時間10時間の低酸素分圧下熱処理を
施した金属間化合物TiAL試験片の耐酸化性を長
時間にわたる繰り返し酸化試験によつてインコネ
ル713Cのそれと比較したものである。累積酸化
時間500時間までの範囲ではインコネル713Cを凌
ぐ耐酸化性を有するものになつていることが見い
だされる。 第11図は1.5%のMnを添加したTiAL基合金
に対して本発明の低酸素分圧下熱処理を施した試
料の酸化曲線Jを示したものである。同処理を行
わない同じ試料の酸化曲線Kも併記してある。本
発明による低酸素分圧下で熱処理は、このMnを
含む試料TiAL合金についても耐酸化性改善の効
果のあることが認められる。 以上のように繰り返し酸化試験による耐酸化性
改善の評価を処理条件別にまとめたものが表8で
ある。表中の記号○はインコネル713Cと同程度
あるいはそれ以上の耐酸化性が得られたことを表
し、記号△はインコネル713Cよりよい効果があ
つたことを示し、また記号×はそれ以上の酸化増
量を示したことを表すものである。
【表】
第12図は実施例1に示すTiALを1000℃の高
真空度(6.7×10-4Pa)で処理した場合で、時間
が長ければ効果が得られることを示す特性図であ
る。これより明らかなように第2表に示すNo.3資
料を、同じ真空度でもさらに4時間より10時間へ
と長時間処理すれば十分な効果が得られることを
示す。 第13図は実施例1に示すTiAL6.7×10-3Pa
の低温(900℃)で処理した場合で、時間が長け
れば効果が得られることを示す特性図である。な
お、第9図および第11図において、100時間以
上の酸化で重量増加が大きいものでも、1000℃で
6.7×10-4Paの酸素分圧の雰囲気下で2時間より
10時間処理時間を長くすれば十分な効果が得られ
る。これは処理時間の延長により十分なAl2O3の
耐酸化性皮膜のできことを示している。 第14図は金属間化合物TiALを1000℃、6.7×
10-3Paで処理した場合、処理時間の長い方が効
果が大きいことを示す特性図で、適当な酸素分圧
の下で1000℃と比較的温度の高いときは、処理時
間が2時間、4時間、10時間、16時間と長くなる
程、Al2O3の皮膜の生成が完全となり十分な効果
のあることを示している。 第15図は同じ試料で、処理時間、真空度を同
じにした場合、1000℃付近で最も効果が得られる
ことを示す特性図である。このことは処理温度、
処理時間、真空度に相関性があることを示してい
る。すなわち、真空度が大きければ、処理温度を
高くして長時間処理するのがよく、真空度に対し
て処理時間と処理温度を適当にすると、Al2O3の
生成が完全となり十分な耐酸化効果が得られるの
である。 第16図は第15図の場合と同じ試料でも処理
温度が高い場合(1050℃)、処理時間が長いとか
えつて効果はないことを示す特性図である。これ
は6.7×10-3Paの真空度に対して、1050℃の高温
処理の場合は処理時間が短い程、よい効果を示
す。 以上のように、本発明では金属間化合物TiAL
の耐酸化性を改善するための表面処理法として、
低酸素分圧下熱処理に顕著な効果を現わすことが
確かめられた。本発明の処理を施すことにより金
属間化合物TiAL(TA)の耐酸化性は改善され、
それらの内で最も優れたものはNi基超合金イン
コネル713Cの耐酸化性を凌ぐものであることが
確認された。 (発明の効果) 本発明の処理を施すことにより金属間化合物
TiAL(TA)の耐酸化性は改善され、それらの内
で最も優れたものはNi基超合金インコネル713C
の耐酸化性を凌ぐものがあり、900℃以上の高温
において耐熱性があり、軽量で、安価な耐酸化性
材料を提供し得る点で工業上大なる効果があり、
航空機、船舶などに使用される内燃機関、宇宙船
材料、あるいは発電用の蒸気タービンまたはガス
タービンなどの構造用材料、ジエツトエンジン材
料、あるいは自動車用ターボチヤージヤー用材料
として極めて有用である。
真空度(6.7×10-4Pa)で処理した場合で、時間
が長ければ効果が得られることを示す特性図であ
る。これより明らかなように第2表に示すNo.3資
料を、同じ真空度でもさらに4時間より10時間へ
と長時間処理すれば十分な効果が得られることを
示す。 第13図は実施例1に示すTiAL6.7×10-3Pa
の低温(900℃)で処理した場合で、時間が長け
れば効果が得られることを示す特性図である。な
お、第9図および第11図において、100時間以
上の酸化で重量増加が大きいものでも、1000℃で
6.7×10-4Paの酸素分圧の雰囲気下で2時間より
10時間処理時間を長くすれば十分な効果が得られ
る。これは処理時間の延長により十分なAl2O3の
耐酸化性皮膜のできことを示している。 第14図は金属間化合物TiALを1000℃、6.7×
10-3Paで処理した場合、処理時間の長い方が効
果が大きいことを示す特性図で、適当な酸素分圧
の下で1000℃と比較的温度の高いときは、処理時
間が2時間、4時間、10時間、16時間と長くなる
程、Al2O3の皮膜の生成が完全となり十分な効果
のあることを示している。 第15図は同じ試料で、処理時間、真空度を同
じにした場合、1000℃付近で最も効果が得られる
ことを示す特性図である。このことは処理温度、
処理時間、真空度に相関性があることを示してい
る。すなわち、真空度が大きければ、処理温度を
高くして長時間処理するのがよく、真空度に対し
て処理時間と処理温度を適当にすると、Al2O3の
生成が完全となり十分な耐酸化効果が得られるの
である。 第16図は第15図の場合と同じ試料でも処理
温度が高い場合(1050℃)、処理時間が長いとか
えつて効果はないことを示す特性図である。これ
は6.7×10-3Paの真空度に対して、1050℃の高温
処理の場合は処理時間が短い程、よい効果を示
す。 以上のように、本発明では金属間化合物TiAL
の耐酸化性を改善するための表面処理法として、
低酸素分圧下熱処理に顕著な効果を現わすことが
確かめられた。本発明の処理を施すことにより金
属間化合物TiAL(TA)の耐酸化性は改善され、
それらの内で最も優れたものはNi基超合金イン
コネル713Cの耐酸化性を凌ぐものであることが
確認された。 (発明の効果) 本発明の処理を施すことにより金属間化合物
TiAL(TA)の耐酸化性は改善され、それらの内
で最も優れたものはNi基超合金インコネル713C
の耐酸化性を凌ぐものがあり、900℃以上の高温
において耐熱性があり、軽量で、安価な耐酸化性
材料を提供し得る点で工業上大なる効果があり、
航空機、船舶などに使用される内燃機関、宇宙船
材料、あるいは発電用の蒸気タービンまたはガス
タービンなどの構造用材料、ジエツトエンジン材
料、あるいは自動車用ターボチヤージヤー用材料
として極めて有用である。
第1図は処理を施さない金属間化合物TiALお
よび比較材(純Ti材およびインコネル713C)に
ついて比較酸化試験を行つた結果を示す特性図、
第2図は本発明の処理を施した試験片No.1,No.
2A,No.2B,No.3および未処理材(TA)とイン
コネル713Cとを比較して酸化試験に供した結果
を示した比較試験特性図、第3図A,Bは本発明
の低酸素分圧雰囲気下で熱処理したTiAL試験片
断面の顕微鏡による金属組織図およびXMA図、
第4図はTiAL(TA)とTiAL(TAM)とをイン
コネル713C及びステンレス鋼SUS430と比較した
酸化試験結果を示す耐酸化特性図、第5図はAl
拡散浸透処理被膜をもつたTiALの熱処理をした
ものと熱処理をしないものとをインコネル713C
と比較した酸化試験結果を示す耐酸化特性図、第
6図a,bはAl拡散浸透処理被膜をもつた試験
片(TiAL)の急な隅角部と緩い隅角部における
被膜亀裂状態を示す顕微鏡による金属組織図、第
7図は試験片TAとTAM表面にNiを蒸着したも
のと、試験片TAにAlを蒸着したものとの酸化試
験結果を示す耐酸化特性図、第8図はTiALにAl
を蒸着した被膜の顕微鏡による金属組織図、第9
図および第10図は本発明の低酸素分圧下熱処理
を施した金属間化合物TiAL(D,E,F曲線)
をインコネル713C(G,H曲線)と比較して酸化
試験に供した結果を示す比較試験特性図、第11
図は1.5%Mnを添加したTiAL基合金に低酸素分
圧下熱処理を施したものを未処理材と比較して酸
化試験に供した結果を示す比較試験特性図、第1
2図は本発明の金属間化合物TiAL合金を1000
℃、高真空度(6.7×10-4Pa)で処理した場合の
処理時間と酸化増量との関係を示す特性図、第1
3図は本発明の金属間化合物TiAL合金を低温
(900℃)で、低真空度(6.7×10-3Pa)で処理し
た場合、処理時間と酸化増量との関係を示す特性
図、第14図は本発明の金属間化合物TiAL合金
を1000℃で、真空度(6.7×10-3Pa)で処理した
場合の酸化時間と酸化増量との関係を示す特性
図、第15図は本発明の金属間化合物TiAL合金
を真空度(6.7×10-3Pa)で、4時間処理した時
の、処理温度と酸化時間および酸化増量との関係
を示す特性図、第16図は本発明の金属間化合物
TiAL合金を真空度(6.7×10-3Pa)、1050℃で処
理温度と処理時間の酸化増量に及ぼす影響を示す
特性図である。
よび比較材(純Ti材およびインコネル713C)に
ついて比較酸化試験を行つた結果を示す特性図、
第2図は本発明の処理を施した試験片No.1,No.
2A,No.2B,No.3および未処理材(TA)とイン
コネル713Cとを比較して酸化試験に供した結果
を示した比較試験特性図、第3図A,Bは本発明
の低酸素分圧雰囲気下で熱処理したTiAL試験片
断面の顕微鏡による金属組織図およびXMA図、
第4図はTiAL(TA)とTiAL(TAM)とをイン
コネル713C及びステンレス鋼SUS430と比較した
酸化試験結果を示す耐酸化特性図、第5図はAl
拡散浸透処理被膜をもつたTiALの熱処理をした
ものと熱処理をしないものとをインコネル713C
と比較した酸化試験結果を示す耐酸化特性図、第
6図a,bはAl拡散浸透処理被膜をもつた試験
片(TiAL)の急な隅角部と緩い隅角部における
被膜亀裂状態を示す顕微鏡による金属組織図、第
7図は試験片TAとTAM表面にNiを蒸着したも
のと、試験片TAにAlを蒸着したものとの酸化試
験結果を示す耐酸化特性図、第8図はTiALにAl
を蒸着した被膜の顕微鏡による金属組織図、第9
図および第10図は本発明の低酸素分圧下熱処理
を施した金属間化合物TiAL(D,E,F曲線)
をインコネル713C(G,H曲線)と比較して酸化
試験に供した結果を示す比較試験特性図、第11
図は1.5%Mnを添加したTiAL基合金に低酸素分
圧下熱処理を施したものを未処理材と比較して酸
化試験に供した結果を示す比較試験特性図、第1
2図は本発明の金属間化合物TiAL合金を1000
℃、高真空度(6.7×10-4Pa)で処理した場合の
処理時間と酸化増量との関係を示す特性図、第1
3図は本発明の金属間化合物TiAL合金を低温
(900℃)で、低真空度(6.7×10-3Pa)で処理し
た場合、処理時間と酸化増量との関係を示す特性
図、第14図は本発明の金属間化合物TiAL合金
を1000℃で、真空度(6.7×10-3Pa)で処理した
場合の酸化時間と酸化増量との関係を示す特性
図、第15図は本発明の金属間化合物TiAL合金
を真空度(6.7×10-3Pa)で、4時間処理した時
の、処理温度と酸化時間および酸化増量との関係
を示す特性図、第16図は本発明の金属間化合物
TiAL合金を真空度(6.7×10-3Pa)、1050℃で処
理温度と処理時間の酸化増量に及ぼす影響を示す
特性図である。
Claims (1)
- 1 TiALの金属間化合物を酸素分圧1×10-2〜
1×10-5Paの酸素雰囲気下で温度900℃〜1050℃
において、30分ないし100時間保持してTiを酸化
させず、Alだけを選択的に酸化させ、前記金属
間化合物TiAlの表面に予め耐酸化性のAl2O3皮膜
を生成せしめることを特徴とするTiAlの金属間
化合物の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11307189A JPH02294458A (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | TiALの金属間化合物の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11307189A JPH02294458A (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | TiALの金属間化合物の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12406192A Division JPH05239614A (ja) | 1992-04-18 | 1992-04-18 | TiALの金属間化合物の合金の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02294458A JPH02294458A (ja) | 1990-12-05 |
| JPH0463148B2 true JPH0463148B2 (ja) | 1992-10-08 |
Family
ID=14602758
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11307189A Granted JPH02294458A (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | TiALの金属間化合物の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02294458A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05239614A (ja) * | 1992-04-18 | 1993-09-17 | Yokohama Kokuritsu Univ | TiALの金属間化合物の合金の表面に耐酸化皮膜を形成させる方法 |
| WO1997037050A1 (fr) | 1996-03-29 | 1997-10-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | ALLIAGE A BASE DE Ti-Al POSSEDANT UNE EXCELLENTE RESISTANCE A L'OXYDATION ET SON PROCEDE DE PREPARATION |
| JP5251025B2 (ja) * | 2007-07-27 | 2013-07-31 | 株式会社Ihi | アルミ合金の耐高温酸化処理方法 |
-
1989
- 1989-05-02 JP JP11307189A patent/JPH02294458A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02294458A (ja) | 1990-12-05 |
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