JPH0463825B2 - - Google Patents
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- JPH0463825B2 JPH0463825B2 JP60112641A JP11264185A JPH0463825B2 JP H0463825 B2 JPH0463825 B2 JP H0463825B2 JP 60112641 A JP60112641 A JP 60112641A JP 11264185 A JP11264185 A JP 11264185A JP H0463825 B2 JPH0463825 B2 JP H0463825B2
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- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、ガラス繊維用集束剤及びその製造
方法に関するものである。 ガラス繊維は溶融紡糸によつて作られる。すな
わち、溶融したガラスを細い孔から引出し、高速
度で引き取つて延ばし、モノフイラメントにする
ことによつて作られる。工業的には多数のモノフ
イラメントを同時に紡糸し、同時に紡糸したフイ
ラメントを束ねて巻回し、あとの工程に移してい
る。この場合、同時に紡糸したフイラメントを束
ねるために接着剤が用いられる。この接着剤がガ
ラス繊維用集束剤である。 集束剤は、接着剤であるとは云うものの、普通
の接着剤とは違つて、集束剤としての特殊な性質
が要求される。特殊な性質とは、ガラス製モノフ
イラメントに対して充分な接着力を有し、これを
付着させたのちはガラス繊維を屈曲させても剥落
せず、また、繊維の毛羽立ちを抑え、使用後はガ
ラス繊維から容易に取り除くことができ、しかも
ガラス繊維上でマイグレーシヨンを起こさないと
いう性質である。このうち、マイグレーシヨンを
起こさないという性質は同時に紡糸されたガラス
繊維に付着されたとき、束とされたガラス繊維か
ら浸み出さない性質である。この性質は、ガラス
繊維の束が次々と重ねて巻回されるとき、束同志
までも接着させるに至らないとう点で必要とされ
る。これらの性質の中には一見矛盾するものも含
まれ、従つてこれらの性質をすべて満足するよう
な集束剤を作ることは困難であつた。 ガラス繊維用集束剤としてはこれまでは澱粉が
多く用いられて来た。とくに、澱粉を糊化して溶
液、とくに水溶液として用いることが多かつた。
しかし、澱粉を糊化した水溶液は、接着力が弱い
上に粘度が大きくて取り扱いに不便であり、さら
に乾燥時にマイグレーシヨンを起こしやすく、従
つて集束したフイラメント束の表面へ滲出して、
束同志を接着させるに至るという欠点をもたらし
た。また、デキストリンは吸湿性が大きいため
に、湿度が高くなると急激に接着力が低下すると
いう欠点があつた。従つて、澱粉をそのまま糊化
したという形で用いたのでは、集束剤として満足
なものになり得なかつた。 そこで、澱粉を誘導体として用いる試みが現れ
た。例えば、澱粉を酸化して酸化澱粉の形で用い
たり、澱粉をエーテル化してヒドロキシアルキル
化澱粉として用いたり澱粉をエステル化してエス
テル化澱粉として用いたりする試みが現れた。酸
化澱粉として用いることは、特公昭53−28556号
公報に記載されている。酸化澱粉は水溶液とした
ときの粘度が低いという長所を持つが、澱粉より
も接着力が乏しいために満足なものではなかつ
た。また、ヒドロキシアルキル化澱粉、例えばヒ
ドロキシプロピル澱粉は接着力がすぐれ、マイグ
レーシヨンを起こしにくいという長所を持つが、
ガラス繊維の処理過程でガラス繊維から剥がれや
すいという欠点を持つとともに、反面ガラス繊維
から除きにくいという欠点をも持ち、従つて、こ
れも集束剤として満足なものになり得なかつた。 また、澱粉をエーテル化又はエステル化して用
いる試みは、特公昭47−44479号公報に記載され
ている。しかし、この公報の教えるエーテル化又
はエステル化澱粉は、これをガラス繊維の集束剤
として使用し、現実にガラス繊維に適用できるサ
イズとするのに、なお澱粉の添加を必要とした。
澱粉の添加を必要としたことは、矢張り澱粉の持
つ欠点を随伴させることとなり、従つてこれまで
のサイズの持つ欠点を払拭したものとはなり得な
かつた。 この発明者は、これまで使用されて来たサイズ
の持つ上述のような欠点を改良しようと企てた。
そこで、特公昭47−44479号公報を具に検討した。
その結果、この発明者は、この公報では普通の澱
粉を原料に選び、これを高度にエステル化してい
るために、澱粉との併用が必要であることに気付
いた。すなわち、この公報では、低アミロースの
澱粉を原料に選び、澱粉中の水酸基の2%以上を
エステル化することとしており、従つてエステル
置換度としては、0.06以上としているために、澱
粉との併用が必要であることに気付いた。そこ
で、これとは逆に高アミロース澱粉を原料とし、
これを一価の脂肪酸でエステル化して、エステル
置換度を0.02〜0.05の範囲内にすると、得られた
エステル化澱粉は、これをサイズとして使用する
のに澱粉との併用が必要でなくなり、従つて集束
剤として使用するのに澱粉の併用に伴う従来の欠
点をすべて解消できることを見出した。 さらにこの知見を具体的に云えば、高アミロー
ス澱粉を一価の脂肪酸でエステル化して、エステ
ル置換度を0.02〜0.05の範囲内にとどめると、こ
こに吸湿性が少なくなつて適度の接着力が現れ、
従つてガラス繊維からの剥離も少なく、また、粘
度も適度な値に調整することが出来て、マイグレ
ーシヨンも少なく、且つ後からの除去も容易とな
るなど、集束剤としてすぐれたものになることを
見出した。また、高アミロース澱粉だけに限ら
ず、さらに高アミロース澱粉のヒドロキシアルキ
ル化物を用いて、これを上述のように一価の脂肪
酸でエステル化すると、得られたものは高アミロ
ース澱粉のエステル化物よりも糊化が容易とな
り、しかも高アミロース澱粉と同様に集束剤とし
てすぐれたものになることを確認した。さらに、
エステル置換度は一価の低級脂肪酸の代わりに一
価の芳香族脂肪酸を用いても、同様に集束剤とし
てすぐれたものとなることを確認した。この発明
は、このような知見と確認とに基づいてなされた
ものである。 この発明は、高アミロース澱粉又はそのヒドロ
キシアルキル化物を一価の低級脂肪酸又は一価の
芳香族酸でエステル化し、エステル置換度を0.02
〜0.05としてなる、ガラス繊維用集束剤に関する
ものである。 上記の発明に関連するもう一つの発明は、上記
ガラス繊維用集束剤の製造方法に関するものであ
る。製造方法の発明は、100重量部の高アミロー
ス澱粉又はそのヒドロキシアルキル化物に、2−
20重量部の低級脂肪族アルコールと、0.2−1.0重
量部の濃硫酸とを加えて僅かに湿つた状態で撹拌
してのち、これに2−10重量部の一価の低級脂肪
族酸無水物、又は一価の芳香族酸無水物を加え、
僅かに湿つた状態で澱粉の分解とエステル化とを
行い、エステル置換度を0.02−0.05にすることを
特徴とする、ガラス繊維用集束剤の製造方法に関
するものである。 この発明は、高アミロース澱粉又はそのヒドロ
キシアルキル化物を原料とする。澱粉は、植物に
よつて生産されるものであるが、これを生産する
植物の種類によつて多少性質を異にする。すなわ
ち、澱粉には、普通澱粉のようにアミロース含有
量が少なくて20−25%程度のものと、アミロース
含有量が多くて50%以上に達するものとがある。 低アミロース澱粉は、糊化しやすい長所を持つ
が、反面、接着力が弱いという欠点を持つてい
る。これに対し、高アミロース澱粉は、これと全
く反対の短所と長所とを持つている。糊化しがた
いという短所は、これをアルキレンオキサイドに
より、ヒドロキシアルキル化物にすることによつ
て解決され、しかもヒドロキシアルキル化によつ
ては集束剤としての特性が劣化しないことが判明
している。従つて、この発明で用いる澱粉は、高
アミロース澱粉、とくに高アミロース澱粉のヒド
ロキシアルキル誘導体を用いることとする。アル
キレン基としては炭素数1〜4個のものを用いる
ことが好ましい。 この発明で用いられる集束剤は、高アミロース
澱粉又はヒドロキシアルキル化澱粉をエステル化
し、エステル置換度を0.02〜0.05としたものであ
る。エステル化するときの酸としては、一価の有
機酸を用いる。有機酸は脂肪族のものでも芳香族
のものでもよい。脂肪酸の酸としては、炭素数1
〜4のアルキル基を有する一価の飽和脂肪酸が適
している。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸の
エステルである。また、芳香族酸としては、置換
基を有し、又は有しない一価の芳香族酸が用いら
れるが、安息香酸を用いるのが適している。 澱粉又はヒドロキシアルキル化澱粉をエステル
化すること自体は知られている。エステル化する
には、これを水に懸濁又は溶解して行う方法が一
般に採用されて来た。しかし、澱粉は水に溶解し
ないまでも、水を吸収して膨潤する性質を有する
ので、水に懸濁又は溶解してエステル化すると、
あとで水を除いて生成物を乾燥するのに手間を要
する。また、澱粉を水に溶解して溶液としてエス
テル化するときは、溶液粘度が大きくなつて撹拌
することが困難となり、均一に反応を行い難くな
る。そこで、この困難を解決する必要があつた。 この発明方法は、水を溶媒としないで、水の代
わりに少量の低級脂肪族アルコールを溶媒として
用いることを骨子とし、アルコールに少量の濃硫
酸を溶解させて僅かに湿つただけの状態の下に、
澱粉を加水分解することを一つの特徴としてい
る。次いで、これに一価の低級脂肪酸又は一価の
芳香族酸の反応性誘導体を加えて、僅かに湿つた
状態で澱粉をエステル化すると同時に分解を続け
ることを特徴としている。 この発明方法は、溶媒として低級脂肪族アルコ
ールを用いる。このアルコールは、澱粉に対して
は膨潤防止剤として働き、またエステル化用の酸
に対しては希釈剤として働く。低級アルコールと
は、炭素数が1ないし3のものを意味している。
従つて、低級脂肪酸アルコールは、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、とくにイソ
プロピルアルコールである。これらのアルコール
は単独で又は混合して用いられる。用いられるア
ルコールの量は、乾燥した澱粉100重量部に対し
て2−20重量部とされる。このような範囲に限定
される理由は、2重量部以下ではアルコール添加
による希釈の効果がなくて、濃硫酸が局部に偏在
することとなり、従つて均一に反応を行い難くな
るからであり、逆に20重量部以上では、エステル
化用の酸が希釈され過ぎて、反応が円滑に進まな
くなるからである。 この発明方法は、アルコールとともに濃硫酸を
用いる。濃硫酸はエステル化の触媒であるととも
に、澱粉又はその誘導体の加水分解用触媒であ
る。加水分解は、澱粉が常に若干の水を含んでい
るから、あえて水を加えなくても起こることとな
る。濃硫酸は、乾燥した澱粉100重量部に対し0.2
−1.0重量部とされる。このような範囲に限定さ
れる理由は、0.2重量部以下ではエステル化の反
応も、澱粉の分解も充分に行い得ないからであ
り、逆に1.0重量部以上では、澱粉が過度の加水
分解を起こして好ましくないものとなるからであ
る。 この発明方法は、エステル化のための酸とし
て、一価の低級脂肪酸又は一価の芳香族酸を用い
る。一価の低級脂肪酸は炭素数が1ないし4の脂
肪族基を含む酸である。脂肪族基は飽和したもの
であることが望ましい。従つて、低級脂肪酸の好
適な例は、前述のように酢酸、プロピオン酸、酪
酸である。また芳香族酸は、前述のように置換基
を有し又は有しない安息香酸である。 上述の脂肪酸又は芳香族酸は、澱粉をエステル
化するために、反応性誘導体として用いられる。
反応性誘導体は上記酸のハロゲン化物であり、ま
た上記酸の無水物であるが、この発明方法では酸
無水物を用いる。好適な酸無水物は、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水酪酸及び無水安息香酸で
ある。 この発明方法では、澱粉に低級脂肪族アルコー
ルと濃硫酸とを先ず加える。濃硫酸は脂肪族アル
コールに溶解してのち、澱粉に添加してもよい。
澱粉にアルコールと硫酸とを添加したのちは、全
体が均一になるようによく撹拌する。この撹拌を
暫く続ける。撹拌時間は4〜5時間とし、温度は
50〜60℃とする。この間、澱粉は僅かに湿つた状
態に維持され、従つて撹拌は容易である。撹拌中
に澱粉は加水分解される。 この発明方法では、上記の混合物に酸無水物を
加える。酸無水物は、これが液状を呈していても
その量は僅かであり、また溶媒たるアルコールと
合わせても、澱粉100重量部に対してたかだか30
重量部であるから、液体の全量は少ない。だか
ら、澱粉は酸無水物添加後も僅かに湿つた状態に
とどまる。従つて、澱粉の撹拌は容易であり、澱
粉は均一の状態のまま、一様に反応を進行する。
この間、温度を50〜60℃に保ち、反応時間を4〜
5時間とする。反応は、澱粉の分解とエステル化
とであつて、その結果、澱粉分解物のエステル化
されたものが生成する。 エステル化が終了したのちは、触媒、溶媒及び
未反応物を切り除く。そのために、まず反応物全
体を加熱しつつ減圧吸引して、溶媒及び未反応物
を除く。加熱温度は60〜80℃とするのがよく、減
圧は100mmHg以下とするのがよい。次いで、残る
反応物に脂肪族第3級アミンを加えて硫酸を中和
し、PHを6.0〜6.6とする。こうして水分率10−12
重量%、エステル置換度0.005−0.10のエステル
化澱粉を得ることができる。 集束剤としては、エステル置換度が0.02−0.05
の範囲内とする。このためには、エステル化反応
の途中でエステル化物を取り出してエステル置換
度を測定したり、既知のエステル化速度を基準と
して温度と時間の関係からエステル化反応の進行
速度を推定して、反応の終点を定める。エステル
置換度を0.05よりも高くすると、疏水性が強過ぎ
て澱粉の併用が必要となり、逆にエステル置換度
を0.02よりも低くすると、澱粉を変性したことの
効果がなくなる。 また、集束剤としては、5%水溶液としたとき
50℃における粘度が8〜25センチポイズであるこ
とが望ましく、とくに10〜20センチポイズである
ことが望ましい。粘度が8センチポイズ以下では
接着力が乏しく、マイグレーシヨンが強く現れる
こととなり、逆に25センチポイズ以上では粘度が
高過ぎて、取り扱いに不便だからである。 この発明方法によれば、まず澱粉100重量部に、
2ないし20重量部の低級脂肪族アルコールと、
0.2−1.0重量部の濃硫酸とを加えることとしたか
ら、澱粉は僅かに湿つた状態にとどまり、従つて
撹拌が容易であり、澱粉は膨潤することなく硫酸
を均一に吸収し、一様に加水分解されることとな
る。その後、これに2−10重量部の一価の低級脂
肪酸無水物又は一価の芳香族酸無水物を加えるこ
ととしたから、澱粉は僅かに湿つた状態にとどま
り、従つて撹拌が容易であり、澱粉は膨潤するこ
となく酸無水物と一様に接触して、加水分解とエ
ステル化とを受け、ここに澱粉のエステル化物を
生成する。このエステル化物は、集束剤として好
適な性質を有する。しかも、この方法では水を添
加していないから、澱粉の膨潤がなく、従つて生
成物の精製が容易である。従つて、この発明方法
によれば、ガラス繊維用集束剤を容易に得ること
ができる。 以下に実施例及び比較例を挙げて、この発明に
係る集束剤及びその製造方法のすぐれている所以
を説明する。 実施例 1 濃硫酸8gをメチルアルコール140gで希釈し、
これを水分率13.5%のハイアミロースコーンスタ
ーチ(アミロース含有量70%)2000gに加え、V
型ブレンダーで室温にて30分間均一に混合し湿潤
した。この湿潤ハイアミロースコーンスターチを
撹拌機の付いた密閉容器に仕込み、減圧200mmHg
以下とし、撹拌しつつ、噴霧状で無水酢酸107g
を添加し、30分間撹拌後昇温し、50℃で4時間反
応を行つた。5%水溶液の50℃における粘度が
15cpsになつた時点で、減圧乾燥し、溶媒及び加
水分解物等を取り除いた。その後、トリエチルア
ミン50gを噴霧状で添加し、30分間撹拌した。次
に、内温70℃として、2時間減圧乾燥を行い、水
分率11.5%の反応生成物を得た。撹拌は容易であ
つた。 得られた反応生成物はPH6.5であり、5%水溶
液としたときの粘度は50℃において15センチポイ
ズであり、アセチル置換度は0.042であつた。 実施例 2 あらかじめエチルアルコール130gに希釈した
濃硫酸6gを、水分率14%、置換度0.07のヒドロ
キシプロピル化ハイアミロースコーンスターチ
(アミロース含有量70%)2000gに加え、実施例
1と同様に、V型ブレンダーに入れて室温で30分
間均一に混合し、湿潤させた。この湿潤ヒドロキ
シプロピル化ハイアミロースコーンスターチを密
閉容器に仕込み、減圧200mmHg以下とし、撹拌し
つつ噴霧状で無水プロピオン酸170gを添加し、
30分撹拌後に昇温し、55℃で5%水溶液の粘度が
18センチポイズとなるまで4時間反応を行い、次
いで減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物等を取り除
いた。その後、トリメチルアミンをガス状で40g
添加し、30分撹拌した。その後、内温を70℃とし
て2時間減圧乾燥を行い、水分率11.2%の反応生
成物を得た。 得られた反応生成物のPHは6.5であつた。これ
を5%の水溶液とし、90℃で30分間加熱したとこ
ろ、得られた糊化溶液はコロイド状不透明で、50
℃において17.5cpsであつた。エステル置換度は
0.033であつた。 実施例 3 イソプロピルアルコール140gに希釈した濃硫
酸7gを水分率14%、置換度0.06のヒドロキシエ
チル化ハイアミロース(アミロース含量55%)コ
ーンスターチ2000gに加え、V型ブレンダーにて
室温で30分間均一に混合し、湿潤させた。この湿
潤ヒドロキシエチル化ハイアミロース(アミロー
ス含量55%)コーンスターチを密閉容器に仕込
み、減圧200mmHg以下とし、撹拌しながら噴霧状
で無水イソ酪酸157gを添加し、その後加温し、
70℃で4時間反応させた。その後、200mmHg以下
で減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物を取り除き、
トリエチルアミン50gを噴霧状で添加し、30分間
撹拌しPH6.5とした。次いで、70℃で2時間乾燥
脱気を行い、水分率11.5%の反応生成物を得た。 得られた反応生成物に水を加え、PH6.5で5%
濃度とし、これを90℃で30分加熱したところ、糊
化してコロイド状不透明溶液を生じた。その粘度
は50℃で18cpsであつた。エステル置換度は0.033
であつた。 実施例 4 メチルアルコール140gに希釈した濃硫酸7g
を、水分率14%で置換度0.06のヒドロキシプロピ
ル化ハイアミロース(50%アミロース)2000gに
加え、V型ブレンダーで室温にて30分間均一混合
し、湿潤させた。この湿潤ヒドロキシプロピル化
ハイアミロースコーンスターチを密閉容器に仕込
み、これを無水安息香酸200gを添加し、減圧下
で撹拌しながら昇温し、60℃で4時間反応させ
た。その後減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物を取
除いた後、トリエチルアミン50gを噴霧状で添加
し、30分間撹拌しPH6.5とした。次いで、70℃200
mmHg以下で2時間乾燥脱気し、水分率11.5%の
反応生成物を得た。 得られた反応生成物のPHは6.5であり、90℃で
30分加熱後の糊化粘度は、50℃で18cpsであつた。
エステル置換度は0.027であつた。 比較例 1 アミロース含有50%のハイアミロースコーンス
ターチを1のビーカーに300gとり、これに430
mlの蒸留水を加え、撹拌懸濁後40℃に加温し、3
%NaOH水溶液を徐々に加え、PH11に調整後、
次亜塩素酸ソーダを添加し、4時間反応させた。
反応終了後、塩酸で中和し、ろ過後洗浄して乾燥
した。こうして、酸化ハイアミロースコーンスタ
ーチを得た。 この酸化ハイアミロースコーンスターチは、こ
れを90℃で30分間糊化したところ、5%水溶液の
粘度が50℃で20cpsであつた。 比較例 2 アミロース含有70%のハイアミロースコーンス
ターチ2000gを密閉容器に入れ、これに減圧下で
トリエチルアミン20g加え、30分間撹拌して後、
これにプロピレンオキサイド100gを加え、内温
65℃として3時間反応させ、減圧乾燥後、これに
酢酸15gを撹拌しながら加え、中和した。 エーテル化度0.06のヒドロキシプロピルハイア
ミロースコーンスターチが得られた。90℃に30分
間加熱したところ、5%水溶液の粘度が50℃で
18.5cpsであつた。 上記実施例及び比較例で得られた集束剤を水性
媒体に溶解し、サイズとして実際にガラス繊維に
適用した。その際、水性溶液サイズは次のような
組成として調整された。 本発明の澱粉または比較資料 5.0% パラフインワツクス(融点54℃) 1.4% ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸
エステル(乳化剤) 0.15% ソルビタンモノステアリン酸エステル(乳化剤)
0.15% カチオン性潤滑剤 0.4% (テトラエチレンペンタミン+ステアリン酸の反
応物)水素添加綿実油 0.2% ホルマリン 0.1% 水性溶液サイズの調整順序は次のようにされ
た。まず、パラフインワツクスを溶融して82ない
し88℃にした後、これに水素添加綿実油及び乳化
剤を添加し、これらの物質を充分に混合する。つ
いで、激しく撹拌しながら沸騰水を添加して、エ
マルジヨンを生成させる。次に、転化が起きるま
で、ゆつくり水を添加する。 本発明集束剤を7%濃度として別のかまに入
れ、90℃で30分間加温して糊化し、糊化液を65℃
まで冷却し、次いでこれに上記高温のワツクスエ
マルジヨンを添加し、カチオン性潤滑剤を添加す
る。60℃で残りの水を添加し、各成分を十分に混
合して、これを水性溶液サイズとした。 上記のように調整されたサイズをロール型のア
プリケーターに供給し、成型ブツシングから402
本の紡糸されたガラス製フイラメントを、このア
プリケーターに通して引張ることによつて、フイ
ラメントに塗布した。フイラメントは8ミクロン
径で、Eガラスからなるものである。サイズを塗
布し、集束して巻取つた後、巻返して得たヤーン
の諸特性を第一表に示す。 第一表中の移行指数は、あるヤーンの最高付着
率を最低付着率で除した値であつて、この値が小
さい程マイグレーシヨンの少ないことを表してい
る。 ケバの数値は、パツケージ表層部または布表面
のケバを数えて、5等級に分けたもので、Aが最
も少なく、Eが最も多いことを示している。C以
下であれば、通常の使用に耐えるものである。色
むらは織り上つた布の縞の程度を5等級に分けた
もので、脱油性は加熱脱油した後の白度や色むら
を総合判定して、5等級に分けたもので、いずれ
もABCDEの順にあとほど悪くなつている。ま
た、製織時の糊落ち性は、織機下における糊の落
下程度を5等級に分けたものであり、これは値の
小さいほうが優れている。 本発明による集束剤を塗布したヤーン製品は、
いずれも従来のものと同等またはそれ以上の特性
を示している。とくに、ハイアミロースコーンス
ターチの欠点であつた糊落ち性が、大幅に改善さ
れていることが明らかである。 【表】
方法に関するものである。 ガラス繊維は溶融紡糸によつて作られる。すな
わち、溶融したガラスを細い孔から引出し、高速
度で引き取つて延ばし、モノフイラメントにする
ことによつて作られる。工業的には多数のモノフ
イラメントを同時に紡糸し、同時に紡糸したフイ
ラメントを束ねて巻回し、あとの工程に移してい
る。この場合、同時に紡糸したフイラメントを束
ねるために接着剤が用いられる。この接着剤がガ
ラス繊維用集束剤である。 集束剤は、接着剤であるとは云うものの、普通
の接着剤とは違つて、集束剤としての特殊な性質
が要求される。特殊な性質とは、ガラス製モノフ
イラメントに対して充分な接着力を有し、これを
付着させたのちはガラス繊維を屈曲させても剥落
せず、また、繊維の毛羽立ちを抑え、使用後はガ
ラス繊維から容易に取り除くことができ、しかも
ガラス繊維上でマイグレーシヨンを起こさないと
いう性質である。このうち、マイグレーシヨンを
起こさないという性質は同時に紡糸されたガラス
繊維に付着されたとき、束とされたガラス繊維か
ら浸み出さない性質である。この性質は、ガラス
繊維の束が次々と重ねて巻回されるとき、束同志
までも接着させるに至らないとう点で必要とされ
る。これらの性質の中には一見矛盾するものも含
まれ、従つてこれらの性質をすべて満足するよう
な集束剤を作ることは困難であつた。 ガラス繊維用集束剤としてはこれまでは澱粉が
多く用いられて来た。とくに、澱粉を糊化して溶
液、とくに水溶液として用いることが多かつた。
しかし、澱粉を糊化した水溶液は、接着力が弱い
上に粘度が大きくて取り扱いに不便であり、さら
に乾燥時にマイグレーシヨンを起こしやすく、従
つて集束したフイラメント束の表面へ滲出して、
束同志を接着させるに至るという欠点をもたらし
た。また、デキストリンは吸湿性が大きいため
に、湿度が高くなると急激に接着力が低下すると
いう欠点があつた。従つて、澱粉をそのまま糊化
したという形で用いたのでは、集束剤として満足
なものになり得なかつた。 そこで、澱粉を誘導体として用いる試みが現れ
た。例えば、澱粉を酸化して酸化澱粉の形で用い
たり、澱粉をエーテル化してヒドロキシアルキル
化澱粉として用いたり澱粉をエステル化してエス
テル化澱粉として用いたりする試みが現れた。酸
化澱粉として用いることは、特公昭53−28556号
公報に記載されている。酸化澱粉は水溶液とした
ときの粘度が低いという長所を持つが、澱粉より
も接着力が乏しいために満足なものではなかつ
た。また、ヒドロキシアルキル化澱粉、例えばヒ
ドロキシプロピル澱粉は接着力がすぐれ、マイグ
レーシヨンを起こしにくいという長所を持つが、
ガラス繊維の処理過程でガラス繊維から剥がれや
すいという欠点を持つとともに、反面ガラス繊維
から除きにくいという欠点をも持ち、従つて、こ
れも集束剤として満足なものになり得なかつた。 また、澱粉をエーテル化又はエステル化して用
いる試みは、特公昭47−44479号公報に記載され
ている。しかし、この公報の教えるエーテル化又
はエステル化澱粉は、これをガラス繊維の集束剤
として使用し、現実にガラス繊維に適用できるサ
イズとするのに、なお澱粉の添加を必要とした。
澱粉の添加を必要としたことは、矢張り澱粉の持
つ欠点を随伴させることとなり、従つてこれまで
のサイズの持つ欠点を払拭したものとはなり得な
かつた。 この発明者は、これまで使用されて来たサイズ
の持つ上述のような欠点を改良しようと企てた。
そこで、特公昭47−44479号公報を具に検討した。
その結果、この発明者は、この公報では普通の澱
粉を原料に選び、これを高度にエステル化してい
るために、澱粉との併用が必要であることに気付
いた。すなわち、この公報では、低アミロースの
澱粉を原料に選び、澱粉中の水酸基の2%以上を
エステル化することとしており、従つてエステル
置換度としては、0.06以上としているために、澱
粉との併用が必要であることに気付いた。そこ
で、これとは逆に高アミロース澱粉を原料とし、
これを一価の脂肪酸でエステル化して、エステル
置換度を0.02〜0.05の範囲内にすると、得られた
エステル化澱粉は、これをサイズとして使用する
のに澱粉との併用が必要でなくなり、従つて集束
剤として使用するのに澱粉の併用に伴う従来の欠
点をすべて解消できることを見出した。 さらにこの知見を具体的に云えば、高アミロー
ス澱粉を一価の脂肪酸でエステル化して、エステ
ル置換度を0.02〜0.05の範囲内にとどめると、こ
こに吸湿性が少なくなつて適度の接着力が現れ、
従つてガラス繊維からの剥離も少なく、また、粘
度も適度な値に調整することが出来て、マイグレ
ーシヨンも少なく、且つ後からの除去も容易とな
るなど、集束剤としてすぐれたものになることを
見出した。また、高アミロース澱粉だけに限ら
ず、さらに高アミロース澱粉のヒドロキシアルキ
ル化物を用いて、これを上述のように一価の脂肪
酸でエステル化すると、得られたものは高アミロ
ース澱粉のエステル化物よりも糊化が容易とな
り、しかも高アミロース澱粉と同様に集束剤とし
てすぐれたものになることを確認した。さらに、
エステル置換度は一価の低級脂肪酸の代わりに一
価の芳香族脂肪酸を用いても、同様に集束剤とし
てすぐれたものとなることを確認した。この発明
は、このような知見と確認とに基づいてなされた
ものである。 この発明は、高アミロース澱粉又はそのヒドロ
キシアルキル化物を一価の低級脂肪酸又は一価の
芳香族酸でエステル化し、エステル置換度を0.02
〜0.05としてなる、ガラス繊維用集束剤に関する
ものである。 上記の発明に関連するもう一つの発明は、上記
ガラス繊維用集束剤の製造方法に関するものであ
る。製造方法の発明は、100重量部の高アミロー
ス澱粉又はそのヒドロキシアルキル化物に、2−
20重量部の低級脂肪族アルコールと、0.2−1.0重
量部の濃硫酸とを加えて僅かに湿つた状態で撹拌
してのち、これに2−10重量部の一価の低級脂肪
族酸無水物、又は一価の芳香族酸無水物を加え、
僅かに湿つた状態で澱粉の分解とエステル化とを
行い、エステル置換度を0.02−0.05にすることを
特徴とする、ガラス繊維用集束剤の製造方法に関
するものである。 この発明は、高アミロース澱粉又はそのヒドロ
キシアルキル化物を原料とする。澱粉は、植物に
よつて生産されるものであるが、これを生産する
植物の種類によつて多少性質を異にする。すなわ
ち、澱粉には、普通澱粉のようにアミロース含有
量が少なくて20−25%程度のものと、アミロース
含有量が多くて50%以上に達するものとがある。 低アミロース澱粉は、糊化しやすい長所を持つ
が、反面、接着力が弱いという欠点を持つてい
る。これに対し、高アミロース澱粉は、これと全
く反対の短所と長所とを持つている。糊化しがた
いという短所は、これをアルキレンオキサイドに
より、ヒドロキシアルキル化物にすることによつ
て解決され、しかもヒドロキシアルキル化によつ
ては集束剤としての特性が劣化しないことが判明
している。従つて、この発明で用いる澱粉は、高
アミロース澱粉、とくに高アミロース澱粉のヒド
ロキシアルキル誘導体を用いることとする。アル
キレン基としては炭素数1〜4個のものを用いる
ことが好ましい。 この発明で用いられる集束剤は、高アミロース
澱粉又はヒドロキシアルキル化澱粉をエステル化
し、エステル置換度を0.02〜0.05としたものであ
る。エステル化するときの酸としては、一価の有
機酸を用いる。有機酸は脂肪族のものでも芳香族
のものでもよい。脂肪酸の酸としては、炭素数1
〜4のアルキル基を有する一価の飽和脂肪酸が適
している。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸の
エステルである。また、芳香族酸としては、置換
基を有し、又は有しない一価の芳香族酸が用いら
れるが、安息香酸を用いるのが適している。 澱粉又はヒドロキシアルキル化澱粉をエステル
化すること自体は知られている。エステル化する
には、これを水に懸濁又は溶解して行う方法が一
般に採用されて来た。しかし、澱粉は水に溶解し
ないまでも、水を吸収して膨潤する性質を有する
ので、水に懸濁又は溶解してエステル化すると、
あとで水を除いて生成物を乾燥するのに手間を要
する。また、澱粉を水に溶解して溶液としてエス
テル化するときは、溶液粘度が大きくなつて撹拌
することが困難となり、均一に反応を行い難くな
る。そこで、この困難を解決する必要があつた。 この発明方法は、水を溶媒としないで、水の代
わりに少量の低級脂肪族アルコールを溶媒として
用いることを骨子とし、アルコールに少量の濃硫
酸を溶解させて僅かに湿つただけの状態の下に、
澱粉を加水分解することを一つの特徴としてい
る。次いで、これに一価の低級脂肪酸又は一価の
芳香族酸の反応性誘導体を加えて、僅かに湿つた
状態で澱粉をエステル化すると同時に分解を続け
ることを特徴としている。 この発明方法は、溶媒として低級脂肪族アルコ
ールを用いる。このアルコールは、澱粉に対して
は膨潤防止剤として働き、またエステル化用の酸
に対しては希釈剤として働く。低級アルコールと
は、炭素数が1ないし3のものを意味している。
従つて、低級脂肪酸アルコールは、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、とくにイソ
プロピルアルコールである。これらのアルコール
は単独で又は混合して用いられる。用いられるア
ルコールの量は、乾燥した澱粉100重量部に対し
て2−20重量部とされる。このような範囲に限定
される理由は、2重量部以下ではアルコール添加
による希釈の効果がなくて、濃硫酸が局部に偏在
することとなり、従つて均一に反応を行い難くな
るからであり、逆に20重量部以上では、エステル
化用の酸が希釈され過ぎて、反応が円滑に進まな
くなるからである。 この発明方法は、アルコールとともに濃硫酸を
用いる。濃硫酸はエステル化の触媒であるととも
に、澱粉又はその誘導体の加水分解用触媒であ
る。加水分解は、澱粉が常に若干の水を含んでい
るから、あえて水を加えなくても起こることとな
る。濃硫酸は、乾燥した澱粉100重量部に対し0.2
−1.0重量部とされる。このような範囲に限定さ
れる理由は、0.2重量部以下ではエステル化の反
応も、澱粉の分解も充分に行い得ないからであ
り、逆に1.0重量部以上では、澱粉が過度の加水
分解を起こして好ましくないものとなるからであ
る。 この発明方法は、エステル化のための酸とし
て、一価の低級脂肪酸又は一価の芳香族酸を用い
る。一価の低級脂肪酸は炭素数が1ないし4の脂
肪族基を含む酸である。脂肪族基は飽和したもの
であることが望ましい。従つて、低級脂肪酸の好
適な例は、前述のように酢酸、プロピオン酸、酪
酸である。また芳香族酸は、前述のように置換基
を有し又は有しない安息香酸である。 上述の脂肪酸又は芳香族酸は、澱粉をエステル
化するために、反応性誘導体として用いられる。
反応性誘導体は上記酸のハロゲン化物であり、ま
た上記酸の無水物であるが、この発明方法では酸
無水物を用いる。好適な酸無水物は、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水酪酸及び無水安息香酸で
ある。 この発明方法では、澱粉に低級脂肪族アルコー
ルと濃硫酸とを先ず加える。濃硫酸は脂肪族アル
コールに溶解してのち、澱粉に添加してもよい。
澱粉にアルコールと硫酸とを添加したのちは、全
体が均一になるようによく撹拌する。この撹拌を
暫く続ける。撹拌時間は4〜5時間とし、温度は
50〜60℃とする。この間、澱粉は僅かに湿つた状
態に維持され、従つて撹拌は容易である。撹拌中
に澱粉は加水分解される。 この発明方法では、上記の混合物に酸無水物を
加える。酸無水物は、これが液状を呈していても
その量は僅かであり、また溶媒たるアルコールと
合わせても、澱粉100重量部に対してたかだか30
重量部であるから、液体の全量は少ない。だか
ら、澱粉は酸無水物添加後も僅かに湿つた状態に
とどまる。従つて、澱粉の撹拌は容易であり、澱
粉は均一の状態のまま、一様に反応を進行する。
この間、温度を50〜60℃に保ち、反応時間を4〜
5時間とする。反応は、澱粉の分解とエステル化
とであつて、その結果、澱粉分解物のエステル化
されたものが生成する。 エステル化が終了したのちは、触媒、溶媒及び
未反応物を切り除く。そのために、まず反応物全
体を加熱しつつ減圧吸引して、溶媒及び未反応物
を除く。加熱温度は60〜80℃とするのがよく、減
圧は100mmHg以下とするのがよい。次いで、残る
反応物に脂肪族第3級アミンを加えて硫酸を中和
し、PHを6.0〜6.6とする。こうして水分率10−12
重量%、エステル置換度0.005−0.10のエステル
化澱粉を得ることができる。 集束剤としては、エステル置換度が0.02−0.05
の範囲内とする。このためには、エステル化反応
の途中でエステル化物を取り出してエステル置換
度を測定したり、既知のエステル化速度を基準と
して温度と時間の関係からエステル化反応の進行
速度を推定して、反応の終点を定める。エステル
置換度を0.05よりも高くすると、疏水性が強過ぎ
て澱粉の併用が必要となり、逆にエステル置換度
を0.02よりも低くすると、澱粉を変性したことの
効果がなくなる。 また、集束剤としては、5%水溶液としたとき
50℃における粘度が8〜25センチポイズであるこ
とが望ましく、とくに10〜20センチポイズである
ことが望ましい。粘度が8センチポイズ以下では
接着力が乏しく、マイグレーシヨンが強く現れる
こととなり、逆に25センチポイズ以上では粘度が
高過ぎて、取り扱いに不便だからである。 この発明方法によれば、まず澱粉100重量部に、
2ないし20重量部の低級脂肪族アルコールと、
0.2−1.0重量部の濃硫酸とを加えることとしたか
ら、澱粉は僅かに湿つた状態にとどまり、従つて
撹拌が容易であり、澱粉は膨潤することなく硫酸
を均一に吸収し、一様に加水分解されることとな
る。その後、これに2−10重量部の一価の低級脂
肪酸無水物又は一価の芳香族酸無水物を加えるこ
ととしたから、澱粉は僅かに湿つた状態にとどま
り、従つて撹拌が容易であり、澱粉は膨潤するこ
となく酸無水物と一様に接触して、加水分解とエ
ステル化とを受け、ここに澱粉のエステル化物を
生成する。このエステル化物は、集束剤として好
適な性質を有する。しかも、この方法では水を添
加していないから、澱粉の膨潤がなく、従つて生
成物の精製が容易である。従つて、この発明方法
によれば、ガラス繊維用集束剤を容易に得ること
ができる。 以下に実施例及び比較例を挙げて、この発明に
係る集束剤及びその製造方法のすぐれている所以
を説明する。 実施例 1 濃硫酸8gをメチルアルコール140gで希釈し、
これを水分率13.5%のハイアミロースコーンスタ
ーチ(アミロース含有量70%)2000gに加え、V
型ブレンダーで室温にて30分間均一に混合し湿潤
した。この湿潤ハイアミロースコーンスターチを
撹拌機の付いた密閉容器に仕込み、減圧200mmHg
以下とし、撹拌しつつ、噴霧状で無水酢酸107g
を添加し、30分間撹拌後昇温し、50℃で4時間反
応を行つた。5%水溶液の50℃における粘度が
15cpsになつた時点で、減圧乾燥し、溶媒及び加
水分解物等を取り除いた。その後、トリエチルア
ミン50gを噴霧状で添加し、30分間撹拌した。次
に、内温70℃として、2時間減圧乾燥を行い、水
分率11.5%の反応生成物を得た。撹拌は容易であ
つた。 得られた反応生成物はPH6.5であり、5%水溶
液としたときの粘度は50℃において15センチポイ
ズであり、アセチル置換度は0.042であつた。 実施例 2 あらかじめエチルアルコール130gに希釈した
濃硫酸6gを、水分率14%、置換度0.07のヒドロ
キシプロピル化ハイアミロースコーンスターチ
(アミロース含有量70%)2000gに加え、実施例
1と同様に、V型ブレンダーに入れて室温で30分
間均一に混合し、湿潤させた。この湿潤ヒドロキ
シプロピル化ハイアミロースコーンスターチを密
閉容器に仕込み、減圧200mmHg以下とし、撹拌し
つつ噴霧状で無水プロピオン酸170gを添加し、
30分撹拌後に昇温し、55℃で5%水溶液の粘度が
18センチポイズとなるまで4時間反応を行い、次
いで減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物等を取り除
いた。その後、トリメチルアミンをガス状で40g
添加し、30分撹拌した。その後、内温を70℃とし
て2時間減圧乾燥を行い、水分率11.2%の反応生
成物を得た。 得られた反応生成物のPHは6.5であつた。これ
を5%の水溶液とし、90℃で30分間加熱したとこ
ろ、得られた糊化溶液はコロイド状不透明で、50
℃において17.5cpsであつた。エステル置換度は
0.033であつた。 実施例 3 イソプロピルアルコール140gに希釈した濃硫
酸7gを水分率14%、置換度0.06のヒドロキシエ
チル化ハイアミロース(アミロース含量55%)コ
ーンスターチ2000gに加え、V型ブレンダーにて
室温で30分間均一に混合し、湿潤させた。この湿
潤ヒドロキシエチル化ハイアミロース(アミロー
ス含量55%)コーンスターチを密閉容器に仕込
み、減圧200mmHg以下とし、撹拌しながら噴霧状
で無水イソ酪酸157gを添加し、その後加温し、
70℃で4時間反応させた。その後、200mmHg以下
で減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物を取り除き、
トリエチルアミン50gを噴霧状で添加し、30分間
撹拌しPH6.5とした。次いで、70℃で2時間乾燥
脱気を行い、水分率11.5%の反応生成物を得た。 得られた反応生成物に水を加え、PH6.5で5%
濃度とし、これを90℃で30分加熱したところ、糊
化してコロイド状不透明溶液を生じた。その粘度
は50℃で18cpsであつた。エステル置換度は0.033
であつた。 実施例 4 メチルアルコール140gに希釈した濃硫酸7g
を、水分率14%で置換度0.06のヒドロキシプロピ
ル化ハイアミロース(50%アミロース)2000gに
加え、V型ブレンダーで室温にて30分間均一混合
し、湿潤させた。この湿潤ヒドロキシプロピル化
ハイアミロースコーンスターチを密閉容器に仕込
み、これを無水安息香酸200gを添加し、減圧下
で撹拌しながら昇温し、60℃で4時間反応させ
た。その後減圧乾燥し、溶媒及び加水分解物を取
除いた後、トリエチルアミン50gを噴霧状で添加
し、30分間撹拌しPH6.5とした。次いで、70℃200
mmHg以下で2時間乾燥脱気し、水分率11.5%の
反応生成物を得た。 得られた反応生成物のPHは6.5であり、90℃で
30分加熱後の糊化粘度は、50℃で18cpsであつた。
エステル置換度は0.027であつた。 比較例 1 アミロース含有50%のハイアミロースコーンス
ターチを1のビーカーに300gとり、これに430
mlの蒸留水を加え、撹拌懸濁後40℃に加温し、3
%NaOH水溶液を徐々に加え、PH11に調整後、
次亜塩素酸ソーダを添加し、4時間反応させた。
反応終了後、塩酸で中和し、ろ過後洗浄して乾燥
した。こうして、酸化ハイアミロースコーンスタ
ーチを得た。 この酸化ハイアミロースコーンスターチは、こ
れを90℃で30分間糊化したところ、5%水溶液の
粘度が50℃で20cpsであつた。 比較例 2 アミロース含有70%のハイアミロースコーンス
ターチ2000gを密閉容器に入れ、これに減圧下で
トリエチルアミン20g加え、30分間撹拌して後、
これにプロピレンオキサイド100gを加え、内温
65℃として3時間反応させ、減圧乾燥後、これに
酢酸15gを撹拌しながら加え、中和した。 エーテル化度0.06のヒドロキシプロピルハイア
ミロースコーンスターチが得られた。90℃に30分
間加熱したところ、5%水溶液の粘度が50℃で
18.5cpsであつた。 上記実施例及び比較例で得られた集束剤を水性
媒体に溶解し、サイズとして実際にガラス繊維に
適用した。その際、水性溶液サイズは次のような
組成として調整された。 本発明の澱粉または比較資料 5.0% パラフインワツクス(融点54℃) 1.4% ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸
エステル(乳化剤) 0.15% ソルビタンモノステアリン酸エステル(乳化剤)
0.15% カチオン性潤滑剤 0.4% (テトラエチレンペンタミン+ステアリン酸の反
応物)水素添加綿実油 0.2% ホルマリン 0.1% 水性溶液サイズの調整順序は次のようにされ
た。まず、パラフインワツクスを溶融して82ない
し88℃にした後、これに水素添加綿実油及び乳化
剤を添加し、これらの物質を充分に混合する。つ
いで、激しく撹拌しながら沸騰水を添加して、エ
マルジヨンを生成させる。次に、転化が起きるま
で、ゆつくり水を添加する。 本発明集束剤を7%濃度として別のかまに入
れ、90℃で30分間加温して糊化し、糊化液を65℃
まで冷却し、次いでこれに上記高温のワツクスエ
マルジヨンを添加し、カチオン性潤滑剤を添加す
る。60℃で残りの水を添加し、各成分を十分に混
合して、これを水性溶液サイズとした。 上記のように調整されたサイズをロール型のア
プリケーターに供給し、成型ブツシングから402
本の紡糸されたガラス製フイラメントを、このア
プリケーターに通して引張ることによつて、フイ
ラメントに塗布した。フイラメントは8ミクロン
径で、Eガラスからなるものである。サイズを塗
布し、集束して巻取つた後、巻返して得たヤーン
の諸特性を第一表に示す。 第一表中の移行指数は、あるヤーンの最高付着
率を最低付着率で除した値であつて、この値が小
さい程マイグレーシヨンの少ないことを表してい
る。 ケバの数値は、パツケージ表層部または布表面
のケバを数えて、5等級に分けたもので、Aが最
も少なく、Eが最も多いことを示している。C以
下であれば、通常の使用に耐えるものである。色
むらは織り上つた布の縞の程度を5等級に分けた
もので、脱油性は加熱脱油した後の白度や色むら
を総合判定して、5等級に分けたもので、いずれ
もABCDEの順にあとほど悪くなつている。ま
た、製織時の糊落ち性は、織機下における糊の落
下程度を5等級に分けたものであり、これは値の
小さいほうが優れている。 本発明による集束剤を塗布したヤーン製品は、
いずれも従来のものと同等またはそれ以上の特性
を示している。とくに、ハイアミロースコーンス
ターチの欠点であつた糊落ち性が、大幅に改善さ
れていることが明らかである。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 高アミロース澱粉又はそのヒドロキシアルキ
ル化物を一価の低級脂肪酸又は一価の芳香族酸で
エステル化し、エステル置換度を0.02〜0.05とし
てなる、ガラス繊維用集束剤。 2 100重量部の高アミロース澱粉又はそのヒド
ロキシアルキル化物に、2−20重量部の低級脂肪
族アルコールと、0.2−1.0重量部の濃硫酸とを加
えて、僅かに湿つた状態で撹拌してのち、これに
2−10重量部の一価の低級脂肪族酸無水物又は一
価の芳香族酸無水物加えて、僅かに湿つた状態で
澱粉の分解とエステル化とを行い、エステル置換
度を0.02〜0.05にすることを特徴とする、ガラス
繊維用集束剤の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60112641A JPS61270236A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | ガラス繊維用集束剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60112641A JPS61270236A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | ガラス繊維用集束剤及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61270236A JPS61270236A (ja) | 1986-11-29 |
| JPH0463825B2 true JPH0463825B2 (ja) | 1992-10-13 |
Family
ID=14591813
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60112641A Granted JPS61270236A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | ガラス繊維用集束剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61270236A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004029355A1 (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-08 | Asahi Fiber Glass Company, Limited | ガラス繊維ヤーン用集束剤及びそれを用いたガラス繊維ヤーン |
| JP2015117452A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 松本油脂製薬株式会社 | 繊維用経糸糊剤及びその応用 |
-
1985
- 1985-05-24 JP JP60112641A patent/JPS61270236A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61270236A (ja) | 1986-11-29 |
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