JPH0467960B2 - - Google Patents
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- JPH0467960B2 JPH0467960B2 JP61068858A JP6885886A JPH0467960B2 JP H0467960 B2 JPH0467960 B2 JP H0467960B2 JP 61068858 A JP61068858 A JP 61068858A JP 6885886 A JP6885886 A JP 6885886A JP H0467960 B2 JPH0467960 B2 JP H0467960B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、もしテスト試料中に存在するならば
その存在する核酸配列を増幅し、プローブを用い
てそれを検出するための方法に関する。より詳細
には本発明は、与えられたDNA又はRNA配列か
ら初期に存在する量に比較してより大量の任意の
特定の核酸配列を生成せしめ、該配列の検出を容
易にする方法に関する。該DNA又はRNAは単鎖
又は二重鎖であつてもよく、比較的純粋であつて
も核酸の混合物の一成分であつてもよい。本発明
の方法では、所望の核酸配列の増幅を達成するた
めに反応を繰り返し行うようにする。 〔従来の技術〕 特に診断上の用途のためには、標的核酸配列は
問題のDNA又はRNAのほんの僅かな部分である
ことがあり、非同位体標識又は末端標識オリゴヌ
クレオチドプローブを使用するのではその存在を
検出することは困難である。プローブ検出システ
ムの感度を向上させるために多くの労力が費やさ
れているが、現在利用できる方法を用いて容易に
検出できるに充分な量を得るために、標的配列を
増幅するような研究は殆ど行われていない。 核酸を初めから、あるいは既存の配列から合成
する方法がいくつかの文献に記載されている。こ
れらの方法は、完全に特定された配列の与えられ
た核酸を大量に生産することを可能にするもので
ある。 核酸を初めから合成する1つの既知方法は、ヌ
クレオシド誘導体からの核酸の有機合成を含むも
のである。この合成は溶液中又は固体担体上で行
われる。有機合成の1つのタイプはリン酸トリエ
ステル法であり、これは遺伝子断片又は短い遺伝
子を調製するために利用される。リン酸トリエス
テル法では、オリゴヌクレオチドが調製され、次
にこれは結合されてより長鎖の核酸を形成する。
この方法は、S.A.ナーランクらにより、Meth.
Enzymol.68巻90頁(1979年)及び米国特許第
4356270号に開示されている。該特許は、ソマト
スタチン遺伝子の合成とクローニングを開示しい
る。 有機合成の第2のタイプはリン酸ジエステル法
であり、これはトランスフアーRNA遺伝子の調
製に利用されている。この方法はE.L.ブラウンら
によりBeth.Enzymol.68巻109頁(1979年)に開
示されている。リン酸トリエステル法と同じよう
に、リン酸ジエステル法もオリゴヌクレオチドの
合成を含み、これらが実質的に結合されて所望の
核酸が形成される。 上記した初めからの合成法は核酸の長鎖を合成
するために利用されるが、核酸を大量合成するた
めの実用的方法ではない。両法とも労力と時間を
消費し高価な装置と試薬を必要としかつ全体収率
が低い。全体収率が低いのは、オリゴヌクレオチ
ドの合成とそれらを結合する反応が非効率的であ
ることに起因する。長鎖の核酸を合成する際ある
いは短鎖の核酸を大量に合成する場合でさえも、
多くのオリゴヌクレオチドを合成し多くの結合反
応を行うことが要求される。従つてこれらの方法
は任意で所望の核酸を大量に合成するには実用的
ではない。 初めに存在する少量の核酸から大量の核酸を生
産する方法も存在する。これらの方法は好適な宿
主系内での核酸のクローニングを含み、ここでは
所望の核酸は宿主の形質変換に使用される好適な
ベクター中に挿入される。宿主が培養されるとベ
クターが複製され、所望の核酸のコピーが生産さ
れる。核酸断片のサブクローニングについては、
T.マニアチスらにより、コールド・スプリン
グ・ラボラトリーのMolecular Cloning390−401
頁(1982年)に簡単に記述されている。この技術
については米国特許第4416988号及び4403036号に
も述されている。 米国特許第4293652号に記載されている核酸の
第3の合成法は、上述の有機合成と分子クローニ
ング法を合わせたものである。該法では、所望の
核酸配列を作り上げるのに必要な好適な数のオリ
ゴヌクレオチドを初めに合成し、次にこれらを次
の挿入の前に増殖により増幅されるベクターに挿
入する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、この分子クローニング法に幾らかの
類似性を有している。しかし本発明はいかなる生
物の繁殖をも含まず、従つて繁殖に伴つて起こり
得る危険や不都合を回避することができる。本発
明は所望の核酸と関連しない核酸の合成を必要と
せず、従つて本発明によれば複雑な生物学的混合
物からコストをかけて生成物を精製することも回
避できる。 本発明はプライマーと重合試薬を用いて1種の
核酸又は複数の核酸の混合物中に存在する1又は
2以上の特定の核酸配列を増幅し、かつ増幅した
配列を検出する方法である。プライマーは増幅さ
れるべき核酸配列の両端を規定し、そして1つの
プライマーの伸長生成物は、他のプライマーとハ
イブリダイズしたときに所望の特定の核酸配列の
生成のための鋳型となり、又その逆も起こる。そ
してこのプロセスは所定量の配列が生成するまで
必要なだけ繰り返される。標的配列から大量の核
酸を比較的短時間で生産するためには、本方法は
上の従来法より効率的であると期待される。本方
法は核酸混合物に僅かしか含まれていない核酸種
を増幅し、該種を効率的に検出するために特に有
用である。 〔問題点を解決するための手段〕 更に特定すると、本発明は、核酸又はその混合
物を含むと予想される試料中に少なくとも1種類
の特定の核酸配列が存在するか否かを検出し、あ
るいは核試料中の2種類の異なる核酸配列を区別
する方法であつて、まず、前記1種類の核酸配列
又は複数種類の核酸配列を、 (a) オリゴヌクレオチドプライマーにより、増幅
されるべき核酸配列の鎖について該核酸鎖に相
補的なプライマーの伸長生成物が合成されるよ
うに前記試料を処理し、ここで、前記プライマ
ーは、特定の核酸配列の鎖に実質的に相補的で
あり、且つ増幅されるべき核酸配列の両端を規
定し、各プライマーから合成された伸長生成物
がその相補体から分離された場合に更なる合成
の鋳型として機能するように選択され; (b) 前記プライマー伸長生成物をそれらが合成さ
れた鋳型から分離して単鎖分子を生成せしめ;
そして (c) 段階(b)において生成した各単鎖を鋳型として
用いてプライマー伸長生成物が合成されるよう
に段階(b)から生じた単鎖分子を段階(a)のプライ
マーにより処理する; ことを含む段階により増幅し;そして次に (d) 前記増幅が生じたか否かを決定する; ことを含んで成る方法、を提供する。 本発明はさらに、1種類又は2種類以上の核酸
を含むと予想される試料中の少なくとも1つの特
定の核酸配列をプローブにより検出するための、 検出されるべき核酸配列についてのオリゴヌク
レオチドプライマーであつて、特定の核酸配列の
鎖に実質的に相補的であり、且つ検出されるべき
特定の核酸配列の両端を規定し、1つのプライマ
ーから合成された伸長生成物がその相補体から分
離されたときに更なる合成用の鋳型として機能す
ることができるプライマー を有するキツト、を提供する。 このキツトはさらに、重合用誘導試薬、4種類
の異るヌクレオシドトリホスフエート及び/又は
ハイブリダイゼーシヨンを検出するための手段を
含むことができる。 〔具体的な説明〕 プライマー、プローブ、検出すべきオリゴマー
断片、オリゴマー対照体、及び標識されていない
ブロツキングオリゴマーに関して使用される「オ
リゴヌクレオチド」という用語は、2又はそれ以
上の好ましくは3より多くのデオキシリボヌクレ
オチド又はリボヌクレオチドから成る分子として
定義される。その正確な大きさは多くの因子に依
存し、その因子はオリゴヌクレオチドの究極的な
機能と用途に依存する。 ここで使用される「プライマー」という用語
は、精製された制限消化物として自然に存在しあ
るいは合成的に調製されたオリゴヌクレオチドを
意味し、このプライマーは、例えば好適な温度及
びPHでヌクレオチとDNAポリメラーゼのような
重合試薬が存在するような、核酸鎖に相補的なプ
ライマーの伸長生成物の合成が誘発される条件下
に置かれたときに合成開始点として機能すること
ができる。該プライマーは増幅効率を最大にする
ため単鎖であることが好ましいが、その代わりに
二重鎖であつてもよい。二重鎖であると、プライ
マーは伸長生成物を調製するために使用される前
にまずその鎖を分離するために処理される。プラ
イマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである
ことが好ましい。プライマーは、重合試薬の存在
下で伸長生成物の合成を開始するために十分な長
さでなければならない。プライマーの正確な長さ
は、温度やプライマー源を含む多くの因子に依存
する。例えば、目的とする配列の複雑さに依存し
てオリゴヌクレオチドプライマーは典型的には15
から25又はそれより多くのヌクレオチドを含む
が、より少ないヌクレオチドを含むものであつて
もよい。短いプライマー分子は、鋳型とともに十
分安定なハイブリドの複合体を形成するために、
より低い温度を要求する。 プライマーは増幅されるべき各特定配列の異な
る鎖と「実質的」に相補的であるように選択され
る。このことはプライマーはそれぞれの鎖とハイ
ブリダイズするに十分に相補的でなければならな
いことを意味する。従つてプライマーの配列は鋳
型の配列を正確に反映する必要はない。例えば相
補的でないヌクレオチド断片を、プライマーの配
列の残部が鎖に相補的であるようにプライマーの
5′末端に結合させてもよい。代わりに、プライマ
ーの配列が増幅されるべき鎖の配列と十分な相補
性を有していてそれらとハイブリダイズし、それ
によつて他方のプライマーの伸長生成物合成用鋳
型を形成するならば、相補的でない塩基又はより
長い配列がプライマー内に散在してもよい。 本発明で使用される「制限エンドヌクレアー
ゼ」及び「制限酵素」という用語は、二重鎖
DNAを特定の核酸配列又はその近傍で切断する
ような細菌性酵素を意味する。 本発明で使用される「DNAの多形現象」とい
う用語は、DNA中の特定部位に2又はそれより
多くの異なつたヌクレオチド配列が存在できる状
態を意味する。 「制限断片長さの多形現象(RALP)」という
用語は、特定の制限エンドヌクレアーゼによる消
化により形成される制限断片の長さに個体間の相
違があることを意味する。 本発明は、核酸中に存在すると思われる1又は
それ以上の所望の特定の核酸配列を増幅する方法
に関する。本法によれば大量の特定の配列を調製
できるので、本発明はDNA又はメツセンジヤー
RNAのクローニング効率を改良し、かつ標的配
列を増幅してその検出を容易にするために使用す
ることができる。 一般に、本発明の方法は、用いられる反応ステ
ツプの数に関連して指数的な収量で少なくとも1
つの特定の核酸配列を生産する連鎖反応を含み、
該配列は(a)必要とされる末端が、それとハイブリ
ダイズするオリゴヌクレオチドを合成できるに十
分な程度に詳細に知られており、(b)連鎖反応を開
始するための配列が入手可能であることが条件と
なる。連鎖反応で得られる生成物は、使用した特
定のプライマーの末端に対応する末端を有するよ
うな個別的な核酸のデユプレツクスである。 精製された状態でも精製されていない状態でも
よい任意の核酸源を、所望の特定の核酸配列を含
むと思われるのであれば、出発核酸として使用で
きる。従つて本法では、例えば単鎖であつても二
重鎖であつてもよいDNA又はRNA例えばメツセ
ンジヤーRNAを使用することができる。更にそ
れぞれ1つの鎖を含むDNA−RNAのハイブリド
を使用してもよい。これらの核酸の混合物を使用
してもよく、又先行する増幅反応において同じか
又は異なつたプライマーを用いて生産された核酸
を使用してもよい。増幅すべき特定の核酸配列は
大きな分の一部であつてもよく、特定の配列が核
酸全体を構成するようにはじめから個別的な分子
として存在していてもよい。増幅すべき配列は初
めから純粋な状態で存在する必要はなく、該配列
は、複雑な混合物の小部分、例えば全ヒトDNA
中のβ−グロビン遺伝子、又は特定の生物的試料
の極く僅かの部分のみを構成する特定の微生物に
起因する核酸配列の部分であつてもよい。出発物
質としての核酸は、同じか又は異なつた2以上の
所望の特定の核酸配列を含んでいてもよい。従つ
て本発明の方法は、1つの特定の核酸配列を大量
に生産するだけでなく、同じか又は異なつた核酸
分子上に位置する2以上の異なつた特定の核酸配
列の同時増幅にも有用である。 核酸は、例えばpBR322のようなプラスミド、
クローン化されたDNA又はRNA、又は細菌、酵
母、ビールス及び植物や動物などの高級生物等の
自然にあるDNA又はRNA等の任意源から得るこ
とができる。DNA又はRNAは、例えばマニアチ
スらによりMolecular Cloningの280から281頁
(1982年)に記載されているような種々の技術に
より、血や絨毛又は羊膜細胞等の組織物質から抽
出することができる。 本発明方法により、任意の特定の核酸配列を生
産することができる。配列の両末端の十分な数の
塩基が十分詳細に分かつており、これにより所望
の配列の異なつた複数の鎖に対し、かつ該配列に
沿つた次のような相対位置にハイブリダイズする
2つのオリゴヌクレオチドプライマーを調製する
ことができればよく、すなわち、1つのプライマ
ーから合成伸長した生成物が、鋳型(相補体)か
ら分離されたときに、限定された長さの核酸に他
のプライマーを伸長させるための鋳型としての役
割を果せばよい。配列の両末端の塩基に関する知
識が増加するほど目的とする核酸配列のためのプ
ライマーの特異性も大きくなり、従つて本法の有
効性も大きくなる。以後使用するプライマーとい
う用語は、特に増幅すべき断片の末端配列に関す
る情報にいくらかの瞹眛さがある場合には、1よ
り大きい数のプライマーを意味するものと理解さ
れるべきである。例えば、核酸配列が蛋白質配列
の情報から推測できる場合、遺伝子コードの縮重
に起因する全ての可能なコドン変化を示す配列を
含むプライマーを集めて各鎖用として使用する。
このような集合のうちの1つのプライマーは、増
幅すべき所望配列の末端と一致する。 オリゴヌクレオチドプライマーは任意の好適な
方法、例えば上記したリン酸トリエステル法及び
リン酸ジエステル法又はそれらのオートメーシヨ
ン化された方法を使用して調製することができ
る。このようなオートメーシヨン化された方法の
うちの1つによれば、ビユーケージらにより
Tetrahed−ron Letters22巻1859−1862頁に記載
されている通り、ジエチルフオスフオロアミダイ
トを出発物質として使用して合成することができ
る。修飾された固体担体上でのオリゴヌクレオチ
ド合成の1つの方法が米国特許第4458066号に記
載されている。生物源(例えば制限エンドヌクレ
アーゼ消化物)から分離したプライマーを使用す
ることも可能である。 特定の核酸配列は、該配列を鋳型として含む核
酸を使用して生産される。核酸が2つの鎖を含ん
でいるときは、別のステツプとしてでもプライマ
ーの伸長生成物の合成と同時でもよいが、該核酸
は鋳型として使用される前に鎖を分離する必要が
ある。この鎖分離は、物理的、化学的及び酵素的
方法を含む任意の好適な変性法により行うことが
できる。核酸の鎖を分離する1つの物理的方法
は、完全に(99%以上)変性されるまで核酸を加
熱することを含む。典型的な加熱変性は80から
150℃で1から10分間加熱することを含む。鎖の
分離は、ヘリカーゼ、又はヘリカーゼ活性を有し
リボATPの存在下でDNAを変性させるものとし
て知られる酵素RecAとして知られる酵素類から
の1酵素により誘発させることもできる。ヘリカ
ーゼで核酸の鎖を分離するのに好適な反応条件は
クーン ホフマン ベーリングによりCSH−
Quantitative Biologyの43から63頁(1978年)に
記記載され、RecAを使用する技術は、C.ラデイ
ングによりAnn.Fev.Geneticsの16巻405から437
頁に記載されている。 増幅すべき配列を含む当初の核酸が単鎖である
と、その相補体をそれに1つ又は2つのオリゴヌ
クレオチドプライマーを加えて合成する。好適な
単一プライマーが加えられると、プライマー、重
合試薬及び後述する4つのヌクレオチドの存在下
でプライマーの伸長生成物が合成される。生成物
は部分的に単鎖の核酸と相補的で、核酸鎖とハイ
ブリダイズして長さの異なるデユプレツクスを形
成し、これは上記した通り単鎖に分離され、相補
的な2つの分離された鎖となる。代わりに2つの
好適なプライマーを単鎖に加えて反応を行うこと
もできる。 当初の核酸が増幅すべき配列を構成するなら
ば、プライマーの伸長生成物は当初の核酸の鎖と
完全に相補的となり、ハイブリダイズして同じ長
さの鎖から成るデユプレツクスを形成し、これは
分離されて単鎖の分子となる。 核酸の相補的な鎖が分離すると、当初の核酸が
二重鎖であつても単鎖であつても、その鎖は他の
核酸鎖の合成用鋳型として容易に使用することが
できる。この合成は任意の好適な方法を用いて行
うことができる。通常それは好ましくはPHが7か
ら9、最も好ましくは8である緩衝水溶液中で起
こる。好ましくは過剰のモル比(クローン化され
た核酸については、通常プライマー対鋳型が
1000:1、そしてゲノムの核酸については通常プ
ライマー対鋳型が106:1)の2つのオリゴヌク
レオチドプライマーを分離された鋳型鎖を含む緩
衝水溶液中に加える。しかし本法を診断的用途に
使用する場合には相補的な鎖の量は既知ではない
ことを理解すべきであり、従つて相補的な鎖の量
に関連するプライマーの量を確信をもつて決定す
ることはできない。しかし実際には、増幅すべき
配列が複雑な長鎖の核酸鎖の混合物中に含まれる
場合には、加えられるプライマーの量は相補的な
鎖(鋳型)の量よりも通常モル過剰とする。本法
の効率を改良するためには、大きな過剰モル比と
することが好ましい。 デオキシリボヌクレオシド三リン酸であるデオ
キシATP、デオキシCTP、デオキシGTP及び
TTPの十分な量も合成混合物に加え、生成する
溶液を約90−100℃で約1から10分、好ましくは
1から4分間加熱する。この加熱時間の後、溶液
の温度をプライマーのハイブリダイゼーシヨンに
好適な20−40℃まで下げる。この冷却した混合物
に重合試薬を加え、従来知られている条件下で反
応を行わせる。この合成反応は、室温からそれを
越えると重合試薬が効率的に機能しない温度まで
の間で行わせることができる。従つて例えば
DNAポリメラーゼを重合試薬として使用すると
きは、温度を通常45℃以上に上昇させない。シグ
ナルを検出するのに有効な量のジメチルスルフオ
キシド(DMSO)を存在させ、又は温度を35〜
40℃とすることが好ましい。最も好ましいのは、
5−10容量%のDMSOを存在させ、温度を35−
40℃とすることである。増幅すべき配列がHLA
DQ−α又は−β遺伝子のような110を越える塩
基対断片であるような用途の場合には、有効量
(例えば10容量%)のDMSOを増幅用混合物に加
えかつ反応を35−40℃で行つて、検出できる結果
を得るか又はクローニングを可能にする。 重合試薬は、プライマーの伸長生成物の合成を
達成できるものならば、酵素を含むどのような化
合物でも系でもよい。この目的のための好適な酵
素は、例えばE.コーリーDNAポリメラーゼI、
E.コーリーDNAポリメラーゼIのクレノー断片、
T4DNAポリメラーゼ、他の入手できるDNAポ
リメラーゼ、逆転写酵素及び耐熱性酵素を含む他
の酵素を含み、これらは好適な態様でヌクレオチ
ドの結合を促進し、各核酸鎖と相補的であるプラ
イマーの伸長生成物を形成する。一般に合成は各
プライマーの3′末端から始まり、合成が終了する
まで鋳型鎖に沿つて5′末端方向に向かつて進行
し、異なつた長さの分子を生成する。しかし上述
の方法と同じ方法を用いて5′末端で合成を始め、
他の方向に向かつて反応を進行させる試薬があ
る。 新たに合成された鎖とそれと相補性を有する核
酸鎖は、本法のその後のステツプにおいて使用さ
れる二重鎖分子を形成する。次のステツプでは、
二重鎖分子の鎖は上述の任意の手順を用いて分離
され、単鎖分子を提供する。 新たな核酸が該単鎖分子上で合成される。追加
の誘導試薬、ヌクレオチド及びプライマーを、上
記に規定した条件下で反応を進行させるために必
要ならば加えてもよい。オリゴヌクレオチドプラ
イマーの一末端から再度合成が始まり、そして鋳
型の単鎖に沿つて進行して他の核酸を生成する。
このステツプの後における伸長生成物の半分は2
つのプライマーが結合した特定の核酸配列から成
つている。 鎖分離と伸長生成物合成のステツプは、特定の
核酸配列を所定量生産するまで必要なだけの回数
繰り返すことができる。後により詳細に記載する
ように、特定の核酸配列は指数的に蓄積する。 最初の核酸又は核酸の混合物から2以上の特定
の核酸配列を生産することが望ましい場合は、好
適な数の異なつたオリゴヌクレオチドプライマー
を使用する。例えば2つの異なつた特定の核酸配
列を生成する場合には、4つのプライマーを使用
する。プライマーのうちの2つは特定の核酸配列
のうちの1つに関するもので、他の2つのプライ
マーは第2の特定の核酸配列に関するものであ
る。これにより、2つの異なつた特定の配列が本
法を用いて指数的に生産され得る。本発明は、各
ステツプ後に新しい試薬を加える段階的方法、又
は全ての試薬を初期のステツプで加える同時的方
法、又はある与えられた数のステツプの後に新し
い試薬を加える一部段階的で一部同時的である方
法のいずれによつても行うことができる。熱処理
のように重合試薬を不活性化する鎖分離方法を採
用した場合には、熱に対して不安定である酵素の
場合がそうであるように、各鎖分離ステツプ後に
重合試薬を補充することが必要である。ヘリカー
ゼのような酵素的手段を含む多数の精製された成
分を鎖分離ステツプで使用する場合は、同時的方
法を使用することができる。同時的方法では、反
応混合物は、所望の配列を含む核酸鎖の他に、鎖
分離酵素(例えばヘリカーゼ)、rATPのような
鎖分離酵素への適切なエネルギー供給源、4つの
ヌクレオチド、モル過剰のオリゴヌクレオチドプ
ライマー及びE.コーリーDNAポリメラーゼIの
クレノー断片のような誘導試薬を含むことができ
る。同時的方法で変性のために熱を使用するとき
は、誘導試薬に依存するが好ましくは65−90℃の
高温で機能する熱安定性ポリメラーゼ等の熱安定
性誘導試薬を使用し、この温度で核酸は平衡状態
にある単鎖と二重鎖から成つている。長さの短い
核酸には、約50℃程度の低温が採用される。どの
程度の高温が使用できるかは、その温度で酵素が
失活するかあるいはプライマーのハイブリダイゼ
ーシヨンが不十分な程度しか起こらないかどうか
に依存する。このような熱安定性酵素は、例えば
A.S.カレデインらによりBiokhimiya45巻644−
651頁(1980年) に記載されている。本法の各ステツプは、全ての
試薬が始めから存在するにもかかわらず、続いて
起こる。必要ならば追加の試薬を加えてもよい。
適切な長さの時間が経過して所望量の特定の核酸
配列が生成した後、任意の公知方法で酵素を失活
させるか反応成分を分離するかして反応を停止さ
せる。 本発明方法は連続的に行つてもよい。オートメ
ーシヨン化された方法の一態様として、反応を、
変性区域、試薬添加区域及び反応区域を通つてサ
イクルさせるような方法がある。他の態様では、
プライマーの伸長生成物の合成に使用する酵素を
カラム中で固定化することができる。他の反応成
分は連続するカラムと加熱用コイルを通るように
ポンプを使つて連続的に循環され、これにより、
生成した核酸が酵素を失活させることなく繰り返
し変性される。 本発明の概略が下記に示され、ここでは相補的
な鎖〔S+〕と〔S-〕から成る所望配列〔S〕を
含む二重鎖DNAが核酸として使用されている。
第1の及び引き続いて起こる反応サイクルでは、
当初の鋳型上の各オリゴヌクレオチドプライマー
の伸長は、プライマーの1つとともにのみ終了す
る制限のない長さの、1つの新しいssDNA分子
生成物を生成する。以後「長鎖生成物」と呼ぶこ
れらの生成物は直線的に蓄積し、つまり任意数の
サイクルの後に存在する量はサイクル数に比例す
る。 このように生産される長鎖生成物は、引き続い
て起こるサイクルの間一方又は他方のオリゴヌク
レオチドプライマーの鋳型として機能し、所望配
列〔S+〕又は〔S-〕の分子を生成する。これら
の分子も一方又は他方のオリゴヌクレオチドプラ
イマーの鋳型として機能し、更に他の〔S+〕及
び〔S-〕を生成し、従つてサイクル数に関連し
て指数的に〔S〕の蓄積を生じさせる連鎖反応が
維持される。 オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーシヨン
により形成される意図されない副生成物は、それ
自身触媒活性がなく(稀な例を除く)、従つて直
線的に蓄積する。 【表】 【表】 新しく合成された長い生成物
2
【表】 第1サイクルで合成された長い
生成物2
一方のプライマーのオリゴヌクレオチド配列と
共に終る鎖及び他方の相補的配列の各鎖は、生産
することが望まれている特定の核酸配列〔S〕で
あることが分かる。 本法のステツプは、プライマー1及び2、重合
試薬及び存在するヌクレオチドの量によつてのみ
限定される以外、無限に繰り返すことができる。
検出のためには、例えば試料の特性に依存する量
である検出できるシグナルを発生させるために要
求される回数のサイクルを実施する。例えば試料
が純粋か希釈されたものならば、複雑な混合物で
あるものよりも、少ない回数しか要求されない。
試料がヒトのゲノムDNAであると、サイクルの
回数は、約10−15回が好ましい。 最初の核酸は複製されないので、その量は全工
程中一定である。長鎖生成物は最初の核酸からの
み生産されるので、その量は直線的に増加する。
特定の配列の量は指数的に増加する。従つて特定
の配列はその量が増加して優勢な成分となる。こ
のことは次表に示され、該表は各サイクルの効率
が100%であるとした場合のnサイクル後の理論
的に存在する成分量を比較したものである。 【表】 単鎖の核酸を鋳型として使用すると、サイクル
あたり1つの長鎖生成物が生成する。 本法は好適な発現ベクターに特定の核酸配列を
挿入するためにクローン化するのに使用できる。
該ベクターは適切な宿主生物を形質転換して標準
的な組み換え体DNA技術により遺伝子生成物を
生産する際に使用できる。 通常このようなクローニングはベクターへの直
接の連結反応又はオリゴヌクレオチドリンカーの
付加とそれに引き続く制限酵素による開裂を含ん
でいる。しかし両法とも反応性が不十分である平
滑末端の連結反応を含んでいる。更に両法ともク
ローニングベクターへの増幅された生成物を挿入
する際の位置とその数を制御することができな
い。 本増幅工程では、最初の鋳型核酸、期待される
標的増幅生成物及び種々のバツクラウンド非標的
生成物に由来する核酸の混合物が得られる。最初
の鋳型DNAが、例えばヘテロ接合二量体遺伝子
中におけるような多数の標的配列を含むか、又は
一連の関連した遺伝子群がある場合にも、増幅さ
れた生成物は混合物となる。 本法のプライマーを、増幅反応で生産される
DNA混合物の迅速かつ特異的なクローニングを
補助するために修飾してもよい。このような修飾
では、同じか又は異なつた制限部位がプライマー
の5′末端に導入されて増幅された生成物の2つの
末端に制限部位が生じる。好適な酵素で切断する
と、増幅された生成物は容易にプラスミド又はベ
クター中に挿入されクローニングされる。このク
ローニングは、混合物ではなく、個々の増幅され
た生成物の分析又は発現を可能にする。 同じ制限部位を両プライマーに使用することが
できるが、異なつた制限部位を使用すると生成物
を特定の方向にベクターに挿入することができ、
かつ2つのプライマーのうちの1つのみに起因す
る増幅から生ずる挿入だけでなく多数の挿入も抑
制することができる。単鎖配列決定用ベクターへ
クローニングする場合、単鎖ハイブリダイゼーシ
ヨンプローブが使用される場合、及びクローン化
された生成物が発現されるべき場合には、特定方
向へ挿入することが有用である。 プライマーを調製する1つの方法は、標的配列
と僅かしか異ならないプライマー配列を選択する
ことである。各プライマーが位置すべき領域は、
所望のベクターに好適な制限部位に相同であるよ
うにスクリーニングされる。例えば
“CAGTATCCGA……”という標的配列は、
BamHI部位を含む配列 と僅かに一塩基が異な
るにすぎない。プライマー配列はその3′末端にお
いて目的物に正確にマツチしかつその5′末端の近
傍に変形した配列と制限部位を有するように選択
される(例えば“CAGgATCCGA…”の小文字
は標的配列とマツチしていないことを意味する)。
この僅かに変化した配列は最初の標的配列とハイ
ブリダイズし重合を開始するプライマーの能力を
妨げるものではない。第1の増幅サイクルの後、
プライマーはコピーされ、標的となり、かつ新し
いプライマーと正確にマツチする。増幅工程後、
生成物は適切な制限酵素で開裂され、そして必要
ならば脱塩カラム又は分子量クロマトグラフイー
カラムを通してヌクレオチド三リン酸や塩等の連
結阻害剤を分離され、そして連結反応によりバク
テリオフアージM13のようなクローニングベクタ
ーに挿入される。遺伝子は、周知の技術を用いて
配列決定され、そして/又は発現される。 プライマーを調製する第2の方法は、プライマ
ーの3′末端を標的配列から採用し、そしてプライ
マーの5′末端に所望の制限部位を付加することを
含む。この例としてHind部位が配列
“cgaagctt CAGTATCCGA……”を形成するこ
とにより付加され、ここで小文字の意味は上記の
通りである。加えられた塩基は増幅の第1サイク
ルのハイブリダイゼーシヨンには寄与しないが、
その後のサイクルにおいてマツチする。増幅され
た最終生成物は制限酵素で切断され、上記の通り
クローニングされ、そして発現される。増幅され
る遺伝子は、例えばヒトのβ−グロビン、又はヒ
トのHLA DQ、DRもしくはDP−α及び−β遺
伝子である。 更に本法はインビトロの突然変異用として使用
することができる。オリゴデオキシリボヌクレオ
チドは増幅されるべきDNA配列と正確に相補的
である必要はない。これらは、ポリメラーゼ酵素
や他に使用されるいずれかの誘導試薬によつて伸
長されるために十分な程度に、鎖とハイブリダイ
ズすることができればよい。使用するプライマー
が最初の鋳型と正確に相補的でない場合のポリメ
ラーゼ連鎖反応の生成物は鋳型よりむしろプライ
マー配列を有し、これによりインビトロの突然変
異を可能にする。引き続くサイクルでは、より以
上のミスペアープライミングが必要とされないの
で、この突然変異が減ることのない効率下で増幅
される。このように生産された突然変異体は標準
的な分子生物学的技術により適切なベクター中へ
挿入され、変化した蛋白質を生産する能力等の変
化した特質をこのベクターに与える。 上述した変化したDNA配列を形成する方法は、
より以上の配列変化を誘発させるために異なつた
プライマーを使用して該変化したDNAに対して
繰り返すことができる。この方法では、一連の突
然変異配列が徐々に生成され、ここでこの一連の
ものに新しく加えられるものは、最後のものと僅
かに異なることがができるが、最初のDNA源配
列とは非常に大きく異なることができる。この方
法では、非常に大きなミスマツチの場合にプライ
マーが機能しないために単一ステツプでは行うこ
とのできない変化を、最終的には作り出すことが
できる。 更に、十分な量のプライマーが増幅される鎖に
相補的である配列を含むのであれば、プライマー
はその配列の一部として相補的でない配列を含む
ことができる。例えば鋳型配列に相補的でない核
酸配列(例えばプロモーター、リンカー、コード
配列等)を、1つ又は両方のプライマーの5′末端
に結合させることができ、これにより増幅工程の
生成物にこれを付加することができる。伸長プラ
イマーを添加した後、相補的でない核酸挿入部を
含む新しい鋳型の所望量を得るために十分な数の
サイクルを実施する。これにより簡単な技術を用
いて比較的短時間(例えば2時間又はそれ以下)
内に組合わされた断片を大量に生産することが可
能になる。 更に本法においては、最初の短い核酸断片の鎖
を分離することにより生成する単鎖の3′末端に相
補的かあるいは実質的に相補的である3′末端を有
し、かつ5′末端が中央切片に付加されるべき配列
の情報を含むものであるプライマーを使用して、
生成物より短鎖である既存の核酸断片(これを中
央セグメントという)から核酸断片を合成するこ
とができる。この方法は、 (a) 各核酸鎖に相補的である、各プライマーの伸
長生成物が合成される条件下で、該既存の断片
の鎖を2つのオリゴヌクレオチドプライマーで
処理し、ここで該2つのプライマーは、一方の
プライマーから合成される伸長生成物がその相
補体から分離されたときに他方のプライマーの
伸長生成物の合成のための鋳型としての役割を
果たすことができるように、前記既存断片の各
鎖の3′末端と実質的に相補的であるように選択
され、そして各プライマーはその5′末端におい
て前記既存断片と相補的でなくかつ合成される
核酸断片の2つの末端に対応するヌクレオチド
配列を含むものであり; (b) その上でプライマーの伸長生成物が合成され
た鋳型からプライマーの伸長生成物を分離して
単鎖分子を生成せしめ; (c) ステツプ(b)から生じた単鎖分子をステツプ(a)
のプライマーにより、ステツプ(b)において生成
した各単鎖をプライマーとして用いてプライマ
ー伸長生成物が合成される条件下で処理し、こ
うして2つの中間二重鎖核酸分子(このそれぞ
れには、オリゴヌクレオチド鋳型の一方の5′末
端に存在する核酸配列が導入されている)と2
つの十分に長い二重鎖核酸分子(このそれぞれ
に、オリゴヌクレオチドプライマーの両者の
5′末端に存在するヌクレオチド配列が導入され
ている)を生成せしめ; (d) 前記十分な長さの二重鎖分子の有効量を生産
するのに十分な回数ステツプ(b)とステツプ(c)を
繰り返し; (e) ステツプ(d)の生成物の鎖を2つのプライマー
で処理して、ステツプ(d)の生成物が両末端にお
いて伸びるようにし;そして (f) 中央セグメントとしてのステツプ(d)の生成物
及びステツプ(d)の生成物の鎖を分離することに
より生成する単鎖の3′末端と相補的か実質的に
相補的である2つのオリゴヌクレオチドプライ
マーをして使用しながらステツプ(a)からステツ
プ(d)までを繰り返す; ことから成る方法である。 ステツプ(b)とステツプ(c)は必要なだけ通常少な
くとも5回繰り返して、最終生成物を合成するた
めに必要な量(すなわち、有効量)の十分に長い
二重鎖生成物を生産する。更に中央のセグメント
を、先行する増幅サイクルの生成物として得るこ
とができる。ステツプ(d)の生成物は伸長又は増幅
の新たなサイクルの前に精製され、又は生成物を
含む反応混合物とし直接使用する。 プライマーの3′末端が最初の一層短い鎖の核酸
の単鎖の3′末端と正確に相補的でないときは、生
成物の中央のセグメントは該最初の一層短い鎖の
核酸にある配列情報と正確に同じではない。従つ
て最初の核酸の変異体を、その3′末端が最初の一
層短い鎖の核酸の単鎖の3′末端と実質的に相補的
であるプライマーを用いて作り出すことができ
る。 制限部位リンカーがプライマーに導入される
と、増幅された二重鎖生成物が適切な制限酵素で
消化され、迅速なクローニング及び配列決定のた
めにM13ベクター中に直接連結される。特定の増
幅された標的配列を有するM13溶菌斑は、標的配
列に特異的なプローブと溶菌斑のリフトフイルタ
ーをハイブリダイズせしめることにより同定する
ことができる。 本法は、伝染性疾患、遺伝子性疾患又は細胞性
疾患、例えば癌、と関連する特定の核酸配列、例
えば発癌遺伝子、の検出及び/又は特徴付けを可
能にするために使用される。増幅は、例えば胎児
細胞から得られるDNAを用いる鎌状赤血球貧血
の胎児診断等、分析に利用できる核酸の量が非常
に小さい場合に有用である。増幅は、本来的に感
度の良くない非放射性検出技術を用いて少量の試
料を分析する場合、又は放射性技術を用いるが迅
速な検出が望ましい場合に特に有用である。 本発明の目的のためには、遺伝子性疾患は、例
えば鎌状赤血球貧血、嚢胞性繊維症、α−サラセ
ミア、β−サラセミア等の、任意の生物体からの
ゲノムDNA中の特定の欠損及び/又は変異を含
む。鎌状赤血球貧血は本法による好適なDNA配
列の増幅の後のオリゴマー制限分析又はRFLP状
分析を経て容易に検出することができる。α−サ
ラセミアは配列が存在しないことにより検出する
ことができ、β−サラセミアは疾患を起こさせる
変異に近接してリンクする多形性
(polymorplic)制限部位の存在により検出する
ことができる。 これら全ての遺伝子性疾患は適切な配列を増幅
し、それを放射性プローブを使用せずにサザンプ
ロツト法により分析して検出することができる。
このような方法では、例えば非常に少量の所望配
列を含む羊水からのDNAの少量の試料を増幅し、
制限酵素で切断し、そしてサザンプロツト法で分
析する。増幅シグナルをハイレベルとすることに
より、非放射性標体を使用することが容易にな
る。 他の態様では、少量のDNAを便利なレベルま
で増幅し、次に更に伸長反応を行うが、この場合
容易に検出できるヌクレオチド誘導体(例えば
32P又はビオチンでラベルしたヌクレオチド三リ
ン酸)を直接最終のDNA生成物に導入し、これ
を制限分析及び電気泳動分析あるいは任意の他の
好適な方法を用いて分析する。この技術のモデル
系の例を第5図に示してある。 第3図のモデル系に示した更に他の態様では、
核酸は増幅の前に特定の制限エンドヌクレアーゼ
に暴露する。切断された配列は増幅できないの
で、予め制限酵素で処理したDNA試料の存在に
もかかわらず増幅された断片が現れることは増幅
された配列中にエンドヌクレアーゼの部位がない
ことを意味する。増幅された配列が存在するか否
かは適当な方法で検出することができる。 この技術の実際的な適用方法は、本明細書とサ
イキらによるBiotechnology3巻1008−1012頁に
記載されているオリゴマー制限技術を用いて鎌状
赤血球貧血の検出を容易にする使用により例示す
ることができる。鎌状赤血球貧血はβ−グロビン
遺伝子の第6コドンの1つの塩基対の変化により
生ずるヘモグロビンの疾患である。第6図は多血
現象(polymorphish)領域中の正常及び鎌状赤
血球貧血のβ−グロビン遺伝子の配列を示すもの
で、一本線は正常遺伝子にのみ存在するDde部
位の位置を示し、二本線は正常及び鎌状赤血球貧
血対立遺伝子の両方に存在する非多形性のHinf
部位の位置を示す。第7図は両制限部位部位間
にわたり星印で示された部分がラベルされている
プローブを用いて正常のβ−クロビンDNAをオ
リゴマー制限開裂する方法を示すものである(プ
ローブは、制限部位からの塩基対の数が、制限部
位から他の末端までの塩基対の数より少なくなる
方の末端にラベルすることが好ましい)。前に記
載したようにして増幅されたDNAが変性され、
ラベルされたプローブとアニールされる。増幅
は、2次構造の形成を最小に抑えるためにジメチ
ルスルフオキシドの存在下温度を上げて435−40
℃)実施する。酵素DdeはDNAを再構成され
たDde部位で開裂させ、ラベルされたオクタマ
ーを生じさせる。テストに使用した条件下では、
オクタマーはデユプレツクスから離れるのに十分
な短さである。引き続く酵素Hinfの添加は今
や単鎖であるオクタマーに何の影響も与えない。
第8図はβ−グロビンDNAの鎌状赤血球対立遺
伝子に適用した前記と同じ方法を示す。酵素Dde
は、A−Aの塩基対がミスマツチしたものであ
るため、増幅されたDNAとラベルされたプロー
ブとで形成されたデユプレツクスを開裂させるこ
とはできない。しかし酵素Hinfはハイブリツ
ド制限開裂せしめ、ラベルされたトリマーが生成
される。実際にはこの方法は、特定のシグナルが
いずれかの対立遺伝子の存在と関連するので、個
体のDNAが野性型のホモ接合体か、鎌状赤血球
貧血型のホモ接合体か又は鎌状赤血球貧血形質を
有するヘテロ接合体であるかを検診することがで
きる。上述の方法を使用して適切な配列を増幅さ
せることにより1つの32Pラベルのみを有するプ
ローブを用いて単コピー遺伝子性を迅速に分析す
ることができる。 種々の伝染性疾患は、原因となる微生物に特異
的でである特定のDNA配合の臨床試料中での存
在により診断することができる。これらはサルモ
ネラ、クラミジア、ネイセリア等の細菌、肝炎ビ
ールス等のビールス、マラリアの原因となるプラ
スモジウム(Plasmodium)等の奇生体を含む。
フアルコーに与えられた米国特許第4358535号は、
伝染性疾患の診断用の特別なDNAハイブリダイ
ゼーシヨンプローブの使用につき記述している。
フアルコー法に固有の問題は、感染した患者から
の臨床試料中には比較的少ない数の病原生物しか
存在せず、これらから抽出されたDNAは試料中
の全DNAの非常に小さな部分を構成するのみで
あるということである。DNA試料を固定化しハ
イブリダイゼーシヨン検出する前に問題となつて
いる配列を特異的に増幅することは、これらの方
法の感度と特異性を大きく改良する。 伝染性疾患の診断用にDNAプローブを臨床的
にルーチン化して使用することは、ワードのヨー
ロツパ特許第63879号に載されているように非放
射的にラベルされたプローブを使用するのなら
ば、大いに簡略化される。この方法では、ビオチ
ンを含むDNAプローブがアビジン又はビオチン
に特異的な抗体に結合した色素体
(chromogenic)酵素により検出される。この型
の検出は便利であるが、比較的低感度である。本
法による特異的なDNA増幅と安定にラベルされ
たプローブを組み合わせることにより、フアルコ
ー及びワードの方法をルーチン化した臨床におけ
る有用な方法に実施するのに要求される便利さと
感度を提供することができる。 更にプローブは、ビオチンが次式のスペーサー
アーム に結合したビオチン化したプローブとしてもよ
く、ここでYは、O、NH又はN−CHO、xは
1から4までの数、そしてyは2から4までの数
である。そして次にスペーサーアームは次式のプ
ソラレン成分に結合している。 プソラレン成分は、クラージ・テツベによる
Biocm.Biophys.Acta.697巻1−5頁(1982年)
に記載されているように“ギヤツプのある環状”
のプローブに挿入しかつ架橋し、ここでギヤツプ
のある環の単鎖ハイブリダイゼーシヨン領域はプ
ライマーに含まれる領域にわたる。 この増幅工程は単一コピーのヒト遺伝子から十
分な量のDNAを調製するのに利用することもで
き、これにより臭化エチジウムのような簡単な非
特異的なDNA染色によりそれを検出でき、直接
DNA診断を行うことができる。 伝染性疾患及び生物体のゲノム中の病原的異常
性を検出するほか、本法は任意の病原状態と関連
しないDNA多形現象(ボルモルフイズム)を検
出するために使用することもできる。 次の実施例は例示のために提示するもので、ど
のようにも本発明を限定することを意図するもの
ではない。これらの実施例で全てのパーセントは
固体の場合は重量で、液体の場合は容量であり、
他に指定がない限り温度は摂氏温度である。 実施例 1 次のヌクレオチド配列を有する25塩基対配列 5′CCTCGGCACCGTCACCCTGGATGCT3′ 3′GGAGCCGTGGCAGTGGGACCTACGA5′ (ATCCから得られるpBR322の47塩基対Fok
制限断片上に含まれる)を次のように調製し
た。47塩基対断片を含むpBR322のFok消化物
を供給者であるニユーイングランド社の指示によ
る条件に従つてpBR322をFokで消化すること
により調製した。使用したプライマーは、5′d
(CCTCGGCACCG)3′と5′d
(AGCATCCAGGGTG)3′であり、通常の技術
により調製した。25mMのリン酸カリウムと
10mMの塩化マグネシウム、及び100mMの塩化
ナトリウムから成る緩衝液(PH7.5)33μに2433
ピコモルの上述の各プライマー、2.4ピコモルの
pBR322のFok消化物、22ナノモルのデオキシ
ATP、22ナノモルのデオキシCTP:19ナノモル
のデオキシGTP及び10ナノモルのTTPを加え
た。 混合物を85℃で5分間加熱し、室温まで冷却し
た。E.コーリーDNAポリメラーゼのクレノー
断片の5単位を加え、温度を15分間維持した。そ
の後再度85℃で5分間加熱し、冷却した。クレノ
ー断片の5単位を再度加え、15分間反応を行つ
た。加熱、冷却及び反応の各ステツプを更に11回
繰り返した。 最後の繰り返しの後、5μを反応混合物から
取り出した。これを85℃で3分間加熱し、室温に
冷却した。12.5ピコモルのα−P32−デオキシシ
チジン三リン酸と5単位のクレノー断片を加え反
応を15分間進行させた。ラベルされた生成物をポ
リアクリルアミドゲルの電気泳動で確認した。13
サイクル後に見える強くラベルされたバンドのみ
が、意図する25塩基対配列であつた。 実施例 2 増幅されるべき所望の配列は、ヒトのβ−グロ
ビン遺伝子に含まれかつ鎌状赤血球貧血に関する
Mst部位を含む94塩基対の配列であつた。該配
列は第1図に示すヌクレオチド配列を有してい
る。 プライマーの合成 次の2つのオリゴデオキシヌクレオチドプライ
マーを下記する方法を用いて調製した。 5′CACAGGGCAGTAACG3′プライマーA、及
び 5′TTTGCTTCTGACACA3′プライマーB オートメーシヨン化された合成法 ビユーケージとカルサース法(Tetrahedron
Letters22巻1859−1862頁(11981年)に従つて合
成したジエチルフオスフオロアミダイトを、バイ
オサーチSAM−1を使用して制御した多孔ガラ
ス担体から誘導したヌクレオシドへ次々と濃縮し
た。この方法は、ジクロルメタン中でのトリクロ
ル酢酸による脱トリチル化と活性のある水素供与
体としてベンゾトリアゾールを使用する縮合、及
びテトラハイドロフラン及びピリジン中での無水
酢酸とジメチルアミノピリジンによるキヤツピン
グを含んでいた。1サイクルの時間は約30分であ
つた。各ステツプの収率は実質的に当量的であ
り、脱トリチル化の間に解離するジメトキシトリ
チルアルコールを集めた分光器による検査で決定
した。 オリゴデオキシリボヌクレオシドを脱保護化し、
精製する方法 固体担体をカラムから取り出し、1mlの濃水酸
化アンモニウムに閉鎖管中室温で4時間曝した。
担体を濾過で取り除き、一部が保護されたオリゴ
デオキシリボヌクレオチドを含む溶液の温度を55
℃に上昇させ、5時間維持した。アンモニアを取
り除き、残渣を調製用ポリアクリルアミドゲルに
適用した。30ボルト/cmで90分間電気泳動を行
い、生成物を含むバンドを螢光プレート上のUV
シヤドウイングで同定した。該バンドを切り取
り、1mlの蒸留水で一晩かけて4℃で溶出した。
この溶液をアルテツクPR18カラムにかけ、PH6.0
の1%酢酸アンモニウム緩衝液中7−13%のアセ
トニトリルで溶出した。この溶出液は260nmの紫
外吸収でモニターし、適切なフラクシヨンを集
め、固定した量での紫外吸収で定量分析し、かつ
室温下で減圧遠心機中で蒸発させ乾燥した。 オリゴデオキシリボヌクレオチドの特徴付け 精製したオリゴヌクレオチドのテスト溶液をポ
リヌクレオチドキナーゼ及びγ32P−ATPで32Pラ
ベルした。このラベルした化合物を50ボルト/cm
で45分間電気泳動にかけた後、14−20%のポリア
クリルアミドゲルのオートラジオグラフイーで確
認した。この方法では分子量を確認することがで
きる。ヘビ毒ジエステラーゼと細菌性アルカリフ
オスターゼを使用してオリゴデオキシリボヌクレ
オチドをヌクレオシドに消化し、そして次に、逆
相HPLCカラム、並びに10%アクリロニトル及び
1%酢酸アンモニウム移動相を使用して、誘導さ
れたヌクレオシドを分離し定量することにより塩
基組成を決定した。 DNA源 A 全ヒト野性型DNAの抽出 正常のβ−グロビンのヒトゲノムDNAホモ接
合体を、ステツトラーらによりProc.Nat.Acad.
Sci.の72巻5966−5970頁に記載された技術を用い
てセルラインMolt4(ヒユーマン・ジエネテイツ
ク・ミユータント・セル・レポジトリーから入手
し、CM2219cと同定した)から抽出した。 B クローン化したグロビン遺伝子の造成 正常のβ−グロビン遺伝子の1.9kbのBamHI断
片をコスミドpFC11から分離し、pBA322のBam
HI部位に挿入した(ソベロンらのGene9巻287
−305頁(1980年))。合成40塩基対プローブとハ
イブリダイズする領域を含むこの断片は、第1及
び第2のエクソン、第2のイントロン、並びに遺
伝子の5′のフランキング(flanking)配列を含む
(ローンらのCell15巻1157−1174頁)。このクロー
ンはpBR328:HbAと名付けられ、ATCC第
39698号として1984年5月25日に寄託された。 β−グロビンの鎌状赤血球貧血対立遺伝子の対
応する1.9kbのBamHI断片はコスミドpF12から
分離され、上述の通りクローン化された。このク
ローンはpBR328:Hbsと名付けられ、ATCC第
39699号として1984年5月25日に寄託された。 各組み換えプラスミドをE.コーリーMM294
(ATCC第39607号)へ形質変換し、そして増殖せ
しめた。 C クローン化されたグロピン遺伝子のMstに
よる消化 それぞれの全量が100μgであるpBR328:HbA
とPbr328:Hbsを単独で20単位のMst(ニユー
イングランドバイオラブ社)とともに16時間37
℃、150mMNaCl、12mMのTris HC1(PH7.5)、
12mMのMgCl2、1mMのジチオスレイトール
(DTT)及び100μg/mlのウシ血清アルブミン
(BSA)中で消化した。生成物はそれぞれ
pBR328:HbA/Mst及びpBR328:HbS/
Mstと名付ける。 ポリメラーゼの連鎖反応 60mM酢酸ナトリウム、30mMトリス−アセテ
ート及び10mM酢酸マグネシウムを含むPH8.0の
緩衝液100μへ100ピコモルのプライマーA(d
(CACAGGGCACTAACG)の配列)、100ピコモ
ルのプライマーB(d
(TTTGCTTCTGACACA)の配列)及び1000
ピコモルのデオキシATP、デオキシCTP、デオ
キシGTP及びTTPを含む2μの溶液を加えた。
更に上述した、下記のDNA源の1つを加えた。 10μgの全ヒト野性型DNA(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbA(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbS(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbA/Mst((反応
) 0.1ピコモルのpBR328:HbB/Mst(反応
) 非標的DNA(反応) 得られる各溶液を100℃で4分間加熱し2分間
で室温まで冷却し、その後E.コーリーDNAポリ
メラーゼのクレノー断片の4単位を含む1μを
加えた。各反応は10分間行い、その後プライマ
ー、ヌクレオチド及びDNAを加え、加熱し、冷
却し、ポリメラーゼを加え、そして反応させるサ
イクルを反応については19回、反応−につ
いては4回繰り返した。 第1サイクルの前及び各反応の最後のサイクル
の後で取り出された反応及びのアリコート4
マイクロリツトルを、PH8.3の0.089Mトリス硼酸
塩緩衝液中で、2.5mMEDTA中で、12%ポリア
クリルアミドゲルに加えた。このゲルを25ボル
ト/cm、4時間電気泳動させ、固相担体として機
能するナイロン膜へ移し、そして、PH7.4で30%
のフオルムアミド、3xSSPE、5xデンハルツ及び
5%のドデシル硫酸ナトリウム中で、標準的技術
を用いて調製した次式: 5′d(TCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTACTGCCCTGTGGGGCA
AG)3′ の32Pでラベルされた40塩基対の合成断片で検知
した。第2図は、反応及び用の検知されたナ
イロン膜のオートラジオグラフである。レーン1
は0.1ピコモルの58塩基対の対照合成断片で、そ
のうちの1つの鎖は上記プローブと相補的であ
る。レーン2は第1の増幅サイクルの前の4μ
の反応1の液である。レーン3は20回の増幅サイ
クル後の4μの反応1の液である。レーン4は
5回の増幅サイクル後の4μの反応の液であ
る。レーン5はα−32P−デオキシNTP及びポリ
メラーゼでラベルされたpBR322(ニユーイング
ランドバイオラブ社)のFok((ニユーイング
ランドバイオラブ社)から成る分子量標準であ
る。レーン3は、20サイクル後反応混合物は適
切な分子量を有する特定の配列を大量に含み、他
の検出できる生成物がないことを示している。5
サイクル後の反応混合物もレーン4に示す通り
出発物質である核酸と他の生成物の他にこの生成
物も含んでいる。 5サイクル後の反応からの液5.0μに上述
の各プライマー5ピコモルを加えた。溶液を4分
間100℃に加熱し室温へ戻した。それぞれ3ピコ
モルのα−32P−デオキシATP、α−32P−デオ
キシCTP、α−32PデオキシGTP及びα−32P−
TTP、並びに4単位のクレノー断片を加えた。
最終的な容積が10μであり塩濃度が上した通り
である反応を10分間行わせた。ポリメラーゼ活性
は60℃で20分間加熱すると失われた。反応−
の反応液4μを、0.089Mトリス硼酸塩緩衝液、
2.5mMEDTA中で12%ポリアクリルアミドゲル
に加えた。このゲルを25ボルト/cm、4時間電気
泳動させ、その後オートラジオグラフ処理した。 第3図は、電気泳動のオートラジオグラフであ
る。レーン1は分子量標準、レーン2は反応、
レーン3は反応、レーン4は反応及びレーン
5は反応である。対照としてのDNAを伴なわ
ない反応のレーンはレーンのどこにもイメージ
を有さない。図から、標的DNAから予想される
94塩基対断片は、無傷のβ−グロブリンDNA配
列が増幅用に使用できるときのみ存在できること
が分かる(つまりレーン2のpBR328:HbA、レ
ーン3のpBR328:HbS及びレーン5の
pBR328:HbS/Mst)。Mstによる消化は
pBR328:HbAを94塩基対配列中で切断し、それ
を増幅できないようにし、94塩基対のバンドはレ
ーン4に現れない。これに対し、pBR328:HbS
の94塩基対配列はプラスミドがMstで消化され
ても切断せず、従つて第5図に示すように増幅に
利用できる。 第4図は94塩基対配列を増幅する3サイクルの
連鎖反応を示すものである。PCO1とPCO2は
プライマーA及びBである。右の数はサイクルを
示し、左の数は特定の分子が生産されたサイクル
数を示す。 実施例 3 本実施例は、ヒトヘモグロビン遺伝子中の対立
遺伝子Mst部位を含む110塩基対配列の増幅を
示すものである。 プライマーは実施例2の技術で調製されたもの
である。1.0マイクログラムの全ヒトDNA、100
ピコモルのd
(ACACAACTGTGTTCACTAGC)及び100ピ
コモルのd(CAACTTCATCCACGTTCACC)
を以下のような100μの溶液に溶解させた。 1.5mM各4つのデオキシリボヌクレオシド三
リン酸 30mMPH7.9のトリスアセテート緩衝液 60mM酢酸ナトリウム 10mM酢酸マグネシウム 25mMジチオスレイトール この溶液を100℃で1分間加熱し、迅速に25℃
に下げて1分間加熱し、その後DNAポリメラー
ゼのクレノー断片2.5単位を加えた。ポリメラー
ゼの反応が25℃で2分間行い、その後加熱、冷
却、クレノー断片の添加及び反応を望むだけ繰り
返した。 各サイクルの効率が70℃で、15サイクル行つ
て、β−グロビン遺伝子の所望の110塩基対断片
1.4フエトモルを合成した。 実施例 4 本実施例は、ヒトヘモグロビン遺伝子の対立遺
伝子中のMst部位を含む240塩基対配列の増幅
を示すものである。この配列は、Nco、Hinf
及びMst制限部位を含んでいる。 PHが8.0で、60mM酢酸ナトリウム、30mMト
リスアセテート及び10mM酢酸マグネシウムの混
合物(0.1ピコモルのpBR328:HbAを含む)に、 100ピコモルのd
(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)プライ
マー、 100ピコモルのd
(TAACCTTGATACCAACCTGCCC)プライ
マー、 各1000ピコモルのデオキシATP、デオキシCTP、
デオキシGTP及びTTP を含む2μの溶液Aを加えた。 2つのプライマーは実施例2に記載した技術で
調製した。溶液を100℃で4分間加熱し、空気中
で2分間冷却し、その後E.コーリーDNAポリメ
ラーゼのクレノー断片4単位を含む液1μを加
えた。反応を10分間進行させ、その後溶液Aの添
加、加熱、冷却、ポリメラーゼの添加及び反応か
らなるサイクルを3回繰り返した。反応液5.0μ
に、上記の各オリゴヌクレオチドプライマー5ピ
コモルを加えた。溶液を100℃で4分間加熱し、
室温まで下げ、その後それぞれ3ピコモルのα−
32P−ラベルされたデオキシリボヌクレオシド三
リン酸及び4単位のクレノー断片を加えた。最終
的な容量が10μで塩濃度が上記の通りである反
応を10分間進行させる。ポリメラーゼ活性は60℃
で20分間加熱すると失活した。2μのアリコー
トをNco、Hinf及びMstで消化し、PH8.3
の0.089Mトリスアセテート緩衝液、
0.25mMEDTA中で12%ポリアクリルアミドゲル
に加えた。ゲルを25ボルト/cmで4時間電気泳動
させ、オートラジオグラフ処理した。第5図は電
気泳動のオートラジオグラフを示し、ここでレー
ン1は分子量標準、レーン2は酵素の消化を伴わ
ないもの(無傷の240塩基対)、レーン3はNco
による消化(131及び109塩基対)、レーン4は
Mstによる消化(149及び91塩基対)、そしてレ
ーン5はHinfによる消化(144及び96塩基対)
である。オートラジオグラフは240塩基対反応の
増幅したものと一致する。 実施例 5 本実施例は、逐次的消化による鎌状赤血球貧血
を検出するための本発明の方法の使用を示すもの
である。 オリゴデオキシリボヌクレオチドの合成及びリン
酸化 5′*
CTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTA
CTGCCCTGTGGG3′ の配列のラベルされたDNAプローブ(*がラベル
を意味する)RS06、及びRS06と3つの塩基対が
ミスマツチしている。
3′GACAGAGGTCACCTCTTCAGACGGCAA
TGACGGGACACCC5′ の配列のラベルされていないブロツクオリゴマー
RS10を、実施例2()の方法に従つて合成し
た。プローブRS06は、その5ピコモルを、
70mMトリス緩衝液(PH7.6)、10mM MgCl2、
1.5mMスペルミン及び2.5mMジチオスレイトー
ルを含む反応容量40μ中の4単位のT4ポリヌク
レオチドキナーゼ(ニユーイングランドバイオラ
ブ社)及び50ピコモルのγ−32P−ATP(ニユー
イングランドニユークレア社、約7200Ci/ミリモ
ル)と接触させることによりラベルした。全容量
を25mMEDTAで100μに調節し、トリス−
EDTA(TE)緩衝液(10mMトリス緩衝液、
0.1mMEDTA、PH8.0)により平衡化されたバイ
オラツド製の1mlのBio Gel P−4スピン透析
カラム上でマニアテイスらがMolecular Cloning
464−465頁(1982年)に記載している方法に従つ
て精製した。ラベルされたプローブは、トリス−
硼酸−EDTA(TBE)緩衝液(89mMトリス、
89mM硼酸、2.5mMEDTA、PH8.3)中18%のポ
リアクリルアミドゲル(19:1のアクリルアミ
ド:BISとバイオラツド)上で500vhrにて電気泳
動してさらに精製した。オートラジオグラフによ
る位置きめの後、ラベルされたプローブを含む部
分を切り取り、粉砕し、0.2mlのTE緩衝液中へ一
晩かけて4℃で溶出させた。反応生成物のTCA
沈澱は比活性が4.9Ci/ミリモルであり、最終的
濃度が20ピコモル/mlであることを示している。 ラベルされないRS10ブロツキングオリゴマー
は200ピコモル/mlの濃度で使用した。 細胞系からのヒトゲノムDNAの分離 実質的にステツトラーらのPNAS79巻5966−
5970頁(1982年、Molt4について)に記載の方法
及びマニアテイスらのMolecular Cloning280−
281頁(1982年)に記載の方法を使用して、
Molt4、SC−1及びGM2064のリンパ球系から高
分子のゲノムDNAを分離した。 Molt4(ヒユーマン・ミユータント・セル・デ
ポジトリー,GM2219C)は正常のβ−グロビン
についてホモ接合体のT細胞系であり、そして
ATCCに1985年3月19日に寄託されたSC−1は
鎌状赤血球貧血対立遺伝子についてホモ接合体の
EBVで形質変換されたB細胞系である。
GM2064(ヒユースマン・ミユータント・セル・
デポジトリ−,GM2064)は胎児ヘモグロビンの
遺伝的な永続性(HPFH)についてホモ接合体
である個体から最初単離され、β−又はδ−グロ
ピン遺伝子配列を含んでいない。全ての細胞系は
10%の牛胎児血清を含むRPMI−1640中に維持さ
れた。 臨床血液試料からのヒトゲノムDNAの単離 既知の鎌状細胞キヤリヤー(AS)からのCH12
と名付けられた臨床血液試料をカルフオルニア州
オークランドの小児病院のベルトラム・ルビン博
士から得た。ヌンベルグらのProc.Nat.Acad.Sci.
75巻5553−5556頁(1978年)に記載されている方
法の変法を使用して、主に末梢の血液リンパ球か
ら成るバフイーコート部分からゲノムDNAを調
製した。 細胞を、5mlのトリス−EDTA−NaCl(TEN)
緩衝液(PH8の10mMトリス、PH8、
1mMEDTA、10mMNaCl)中に再懸濁し、0.2
mg/mlのプロテイナーゼ、0.5%のSDSに調節し、
そして37℃で一晩インキユベートした。過塩素酸
ナトリウムを0.7Mに加え、そして細胞溶解物を
室温で1−2時間穏やかに振とうした。細胞溶解
物をフエノールとクロロフオルムの1:1混合物
30mlで抽出し、続いてクロロフオルム30mlで抽出
し、次にエタノールで核酸を沈澱させた。ペレツ
トを2mlのTE緩衝液に再懸濁させ、RNaseを
0.005mg/mlに加えた。37℃で1時間消化させた
後、DNAを同量のフエノノール、フエノール/
クロロフオルム、及びクロロフオルムでそれぞれ
一度ずつ抽出し、エタノールで沈澱させた。
DNAを0.5mlのTE緩衝液に再懸濁させ、260nm
の吸収により濃度を決定した。 β−グロビン配列を選択的に増幅するためのポリ
メラーゼ連鎖反応 2マイクログラムのゲノムDNAを、10mMト
リス緩衝剤(PH7.5)、50mMNaCl、
10mMMgCl2、150ピコモルの配列 d(CACAGGGCACTAACG)のプライマーA、
及び配列 d(CTTTGCTTCTGACACA)のプライマーB
を含む反応容量100μの当初溶液中で増幅し、
かつ蒸発を防ぐため約100μ厚の鉱油で被覆し
た。 各DNA試料につき、1サイクルが次の3ステ
ツプから成る増幅のための15サイクルを行つた。 (1) 2分間95℃で熱ブロツクセツト中で変性す
る。 (2) 熱ブロツクセツトを直ちに30℃に移し2分間
プライマーとゲノムDNAがアニーリングする
ようにする。 (3) E.コーリーDNAポリメラーゼIのクレノー
断片(ニユーイングランドバイオラブ)5単位
とデオキシATP、デオキシCTP、デオキシ
GTP及びTTPそれぞれ1ナノモルを含む2μ
の溶液(10mMトリス(PH7.5)、50mMNaCl、
10mMMgCll2、及び4mMジチオスレイトール
から成る緩衝液中)を加える。この伸長反応を
30℃にて10分間行つた。 最後のサイクルの後、95℃に2分間維持して反
応を停止させた。鉱油は0.2mlのクロロフオルム
で抽出して廃棄した。最後の反応液の容量は
130μであつた。 プローブ及びDde/Hinfによる増幅したゲノ
ムDNAのハイブリダイゼーシヨン/消化 25マイクロリツトルの増幅されたゲノムDNA
をエタノールで沈澱させ、同量のTE緩衝液中に
再懸濁した。10マイクロリツトル(154ngのゲノ
ムDNAと同等の前増幅体を含む)を1.5mlのマイ
クロフユージ管に入れ、そして20μのTE緩衝
液により最後の容量を30μとした。試料を鉱油
で被覆して95℃で10分間変性した。ラベルされた
RS06プローブ0.02ピコモルを含む0.6MNaCl10マ
イクロリツトルを管に加え、穏やかに混合し、直
ちに56℃の熱ブロツクに移して1時間おいた。ラ
ベルしていないRS10ブロツキングオリゴマー4
マイクロリツトル(0.8ピコモル)を加え、更に
10分間同じ温度でハイブリダイゼーシヨンを続け
た。5マイクロリツトルの60mMMgCl2/0.1%
BSA及び1μのDel(10単位、ニユーイングラ
ンドバイオラブ)を加え、再アニーリングされた
DNAを56℃で30分間消化した。1マイクロリツ
トルのHinf(10単位、ニユーイングランドバ
イオラブ)を加え、更に30分インキユベートし
た。4μの75mMEDTAと6μのトラツキング
染料を最終容積が61μになるように反応混合物
に加えて反応を終了した。 鉱油を0.2mlのクロロフオルムで抽出し、18μ
の反応混合物(45nmのゲノムDNA)をヘーフア
ーSE200装置中の30%ポリアクリルアミドのミニ
ゲル(19:1、バイオラド)に負荷した。このゲ
ルをブロモフエノールブルー染料の前端が当初の
位置から3.0cm動くまで約300ボルトで1時間電気
泳動させた。該ゲルの前端の1.5cmは取り除かれ、
残残りのゲルは4日間−70℃で強化スクリーンに
曝される。 写真の検討(第9図) 各レーンは45ngの増幅されたゲノムDNAを含
んでいる。レーンAはMolt4DNAを、レーンB
はCH12を、レーンCはSC−1を、又レーンDは
GM2064を含んでいる。Molt4は、細胞当たり2
コピーのβA遺伝子を有する正常の個体の遺伝子型
CAAであり、CH12は、細胞当たり1個のβAと1
個のβS遺伝子を有する鎌状細胞キヤリアからの臨
床用試料(AS)であり、そしてSC−1は細胞当
たり2コピーのβSを有する鎌状血球血貧血個体の
遺伝子型を意味する。CM2064はβ−又はδ−グ
ロビン配列を含有せず、ネガテイブ対照として存
在する。 写真から分かるようにDdeで開裂された、βA
特異的であるオクタマーはβA遺伝子を含むDNA
にのみ存在し(レーンA及びB)、Hinfで開裂
された、βS特異性を有するトリマーは、βS遺伝子
を含むDNAにのみ存在する(レーンB及びC)。
トリマー及びオクタマーの両者の存在(レーン
B)は鎌状赤血球貧血キヤリアを示すものであ
り、オクタマーのみを生ずる正常の個体(レーン
A)及びトリマーのみを示す鎌状赤血球貧血にか
かつている個体(レーンC)から区別される。 比較のため、上記実験を増幅されていないゲノ
ムDNAを用いて繰り返し行い、増幅を行うと検
出感度が少なくとも1000倍増加することが分かつ
た。 実施例 6 本実施例は、ラベルされたプローブを使用する
ことなく全ヒトDNA中の全く精製されていない
単一コピー遺伝子をゲル上で直接検出する方法を
示すものである。 実施例3に記載した技術を用い、β−グロブリ
ン遺伝子の第1エクソン中の配列からの110塩基
対断片を、全ヒトDNA10マイクログラムから20
サイクルで増幅した。この20サイクル後に生産さ
れる110塩基対断片は、臭化エチジウムにより容
易に染色されてゲル上で見ることができる。 配列は、最初に制限酵素Ddeにより切断され
ると、配列がβ−グロビンのS対立遺伝子中にお
ける場合のように酵素により認識される制限部位
を含まないものでない限り、増幅されなかつた。 実施例 7 A ヒトβ−グロビンA対立遺伝子からの1.9kb
挿入部を含有する合計100フエムトモルの
pBR328、500Ci/モルである各α−32P−デオ
キシNTPを50ナノモルずつ、及び実施例3で
使用した各プライマー1ナノモルを、100μ
の30mMトリス−アセテート(PH7.9)、60mM
酢酸ナトリウム、100mMジチオスレイトール
及び10mM酢酸マグネシウムを含む溶液中に溶
かした。この溶液を100℃にして2分加熱し、
25℃にて1分冷却した。4.5単位のE.コーリー
DNAポリメラーゼ及び0.09単位の無機ピロ
フオスフアターゼを加えて反応混合物中でピロ
リン酸が生ずるのを防止し、その後反応を25℃
で2分間進行させ、更に加熱、冷却、酵素の添
加及び反応のサイクルを9回繰り返した。各合
成サイクルの後、10μのアリコートを取り出
し1μの600mMEDTAに加えた。それぞれ
を、90mMのトリスボレート及び
2.5mMEDTA中、PH8.3で14%のポリアクリル
アミドゲル上で24ボルト/cm、2.5時間で分析
した。操作の終了したゲルは、0.5μg/mlの臭
化エチジウムを加えた同じ緩衝液に20分浸し、
当初の緩衝液で洗浄し、赤フイルターを用いて
紫外線中で写真を撮影した。 生産された110塩基対断片は紫外線でゲルか
ら切り出し、そしてクレンコフ放射により計数
した。Nがサイクル数を意味し、yがサイクル
毎の部分的収率である式 pmoles/10μ=0.01((1+y)N−yN−1)、 にデータを一致させようとする試みは、yが
0.619であときに楽観的なものとなる。これは、
十分な増幅が起こつていることを暗示してい
る。 B 各デオキシNTPを100ナノモルずつ100μの
反応溶液に加え、放射性ラベルを行わず、各サ
イクル毎に液を取り出さなかつた以外は、上記
実験を繰り返した。10サイクル後に反応物を2
分間沸騰させて反応を停止させ、57℃、1時間
で再ハイブリダイゼーシヨンを行つた。110塩
基対生成物の配列を、その8μのアリコート
を、1μの血清アルブミン(25mg/ml)と1μ
の好適な制限酵素((Hinf、Mnl、Mst
、Nco)を加えて制限分析し、37℃で15時
間反応させて確認した。DAGEは、上述の通
り行つた。 実施例 8 本実施例は、pBR328とpBR322の種々の断片
を増幅するために異なつたプライマーを使用する
例を示す。 A 次のプライマーを使いpBR328の130塩基対
断片を調製すること以外は実施例7Aと同じよ
うに実験を繰り返した。 (TTTGCTTCTGACACAACTGTGTTCACTAGC)及び d(GCCTCACCACCAACTTCATCCACGTTCACC) B 次のプライマーを用いたこと以外は実施例
7Aと同じように実験を繰り返しpBR328の262
塩基対断片を調製した。反応時間はサイクル当
たり20分であつた。 d(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)
及び d(TGGTCTCCTTAAACCTGTCTTG) C ヒトβ−グロビンS対立遺伝子からの1.9kb
の挿入部を含む100フエムトモルのpBR328の
Mst消化物を当初の鋳型として用いた以外
は、実施例8Bと同様に実験を行つた。該プラ
スミドはMstにより数回切断されたが、増幅
すべき配列の内側では切断が起こらなかつた。
更に、使用したプライマーは次の通りで、240
塩基対断片を生産した。 d(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)
及び d(TAACCTTGATACCAACCTGCCC) D 100フエムトモルのpBR322のNru消化物を
鋳型として用い、100μの反応液中で各デオ
キシNTPを200ナノモル使用し、次のプライマ
ーを使用してpBR322から500塩基対断片を生
産した以外は実施例7Bと同様に実験を行つた。 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(CTTCCCCATCGGTGATGTCG) 反応時間は37℃でサイクル当たり20分であつ
た。最後の再ハイブリダイゼーシヨンは57℃で15
時間行つた。電気泳動は4%アガロースゲル上で
行つた。 実施例 9 本実施例は、インビトロ変異が増幅されたセグ
メントに導入されるような本発明方法を例示する
ものである。 A Nruで直線化したpBR322合計100フエムト
モル、1ナノモルの75塩基対断片を生成するよ
うに設計されたそれぞれ次式 d(CGCATTAAAGCTTATCGATG)及び d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT) のプライマー、それぞれ100ナノモルの各デオキ
シNTPを、PH8の40mMトリス、20mM
MgCl2、5mMジチオスレイトール及び5mg/ml
のウシ血清アルブミンの溶液100μ中で混合し
た。この混合物を100℃にして1分間加熱し、水
浴中23℃、0.5分間冷却し、次に4.5単位のクレノ
ー断片と0.09単位の無機ピロフオスフアターゼを
加え、反応を3分間行つた。加熱、冷却、酵素添
加及び反応のサイクルを9回繰り返した。10回目
の反応サイクルは凍結により終了させ、反応混合
物のアリコート8μを4%アガロースゲルに適
用し、臭化エチジウムにより覚化した。 B オリゴヌクレオチドプライマーとして次式の
ものを使用した以外は実施例9Aと同様の実験
を繰り返した。 d(CGCATTAAAGCTTATCGATG)及び d(AATTAATACGACTCACTATAGGGAGATAGGCGTATCACGA
GGCCCT) これらのプライマーは101塩基対を生産するよ
うに設計され、その(2番目のプライマー中の)
26ヌクレオチドはpBR322には存在しない。これ
らのヌクレオチドはT7プロモーターの配列を表
すもので、これを、pBR322からの75塩基対配列
に、20の相補的塩基と26塩基の5′側伸長部とを有
するプライマーを使用して連結した。この方法は
2時間より少ない時間で実施することができ、
100フエムトモルのpBR322から比較的純粋な101
塩基対断片2ピコモルを生産することができた。 T7プロモーターはRNA転写を開始させるため
に使用できる。T7ポリメラーゼを101塩基対断片
に加えて単鎖RNAを生成せしめることができる。 C オリゴヌクレオチドプライマーとして下記の
ものを使用して、pBR322から1000塩基対断片
を調製した以外は実施例8Dと同様に実験を繰
り返した。 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(CCAGCAAGACGTAGCCCAGC) D 上記9cと同様の実験を繰り返した。但し、オ
リゴヌクレオチドプライマーとして下記のも
の、 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(AATTAATACGACTCACTATAGGGAGATAGGCGTATCACGA
GGCCCT) を使用して1026対断片を調製した。2番目のプラ
イマーの26ヌクレオチドはpBR322には存在せ
ず、上記のT7プロモーターを示すものである。
このプロモーターは、pBR322からの1000塩基対
断片に隣接して挿入された。 これらの結果は、鋳型鎖と完全にマツチしてい
ないがそれにもかかわらず十分にハイブリダイズ
して酵素的に伸長するプライマーは、当初の鋳型
に対応する鎖よりむしろプライマーの鎖を含む長
鎖生成物を生成せしめるということを暗示する。
長鎖生成物はインビトロ変異を生じさせる第2の
プライマー用の鋳型としての役割を果たす。その
後のサイクルでは、更に多くのミスペアしたプラ
イミングが要求されないので、効率が減少するこ
となくこの変異は増幅される。この場合、その
5′末端に相補的でない伸長部分があるプライマー
が、複製されるべき鋳型に隣接して生成物中に新
しい配列を挿入するために使用された。 実施例 10 本実施例は単コピー遺伝子を増幅させる際にバ
ツクグラウンドを減少させるためにネスト状に
(nested)セツトしたプライマーを使用すること
を例示するものである。 野性型β−グロビン対立遺伝子についてホモ接
合体である全ヒトDNAに対して、20サイクルの
増幅を次のように行つた。10μgのDNA、それぞ
れ200ピコモルの次式のプライマー、 d(ACACAACTGTGTTCACTAGC)及び d(CAACTTCATCCACGTTCACC) 並びに100ナノモルずつのdNTPを、100μの
30mMトリス−アセテート、60mM酢酸ナトリウ
ム、10mMジチオスレイトール、及び10mM酢酸
マグネシウム中で100℃にて1分間加熱し、25℃
に1分間下げて、そして2単位のクレノー断片と
ともに2分間処理した。加熱、冷却、クレノー試
薬の添加のサイクルを19回繰り返した。10μの
液体を反応混合物から取り出し、更に10回の増幅
のためのサイクルを次の各プライマーを用いて行
つた。 d(CAGACACCATGGTGCACCTGACTCCTG)及び d(CCCCACAGGGCAGTAACGGCAGACTTCTCC) これらは、上記で生産された110塩基対断片中
に含まれる58塩基対断片を増幅した。増幅すべき
最後の10回のサイクルは、10μのアリコート
を、上記した各デオキシNTP100ナノモルと各プ
ライマー200ピコモルを含む90μの新しいトリ
ス−アセテート緩衝液に希釈することにより達成
することができた。反応条件は上記の通りとし
た。10サイクルの後10μのアリコート(当初の
DNAの100ナノグラムに対応)を6%のNuシー
ブ(FMC社)アガロースゲルに加え、臭化エチ
ジウムを使つて視覚化した。 第10図は、紫外線で発光させた従来法の通り
赤いフイイルターを通して写真撮影した上記ゲル
を示すものである。レーン1は分子量のマーカー
である。レーン2は上記反応のアリコートであ
る。レーン3は当初の野性型DNAが増幅の前に
Ddeにより開裂されたこと以外は上記記したも
のと同じ反応のアリコートである。レーン4は鎌
状赤血球貧血β−グロビン対立遺伝子についてホ
モ接合体であるヒトDNAを増幅の前にDdeで
処理したこと以外は上記と同様な反応のアリコー
トである(鎌状赤血球貧血対立遺伝子は増幅され
る断片内にDde部位を含まない)。レーン5は
鮭の精子DNAでヒトDNAを置き換えた以外は上
記と同様の反応のアリコートである。レーン6は
増幅後反応液をDdeで処理したこと以外は上記
と同様な反応のアリコートである(Ddeは58塩
基対の野性型生成物を27塩基対及び34塩基対の断
片に変換する)。レーン7は増幅後Ddeで処理
したレーン4の材料のアリコートである(58塩基
対の鎌状赤血球貧血生成物はDdeを含まない)。 アガラーセゲルの臭化エテジウム染色のみを使
用してヒトDNAの1マイクログラムからの単コ
ピー遺伝子を代表する58塩基対断片を検出するた
めには、約500000倍に増幅することが必要であ
る。これは、ここで2つのオリゴヌクレオチドの
ネスト状セツトを使用して達成することができ
る。第1のセツトは110塩基対断片を増幅し、そ
して内部のネスト状セツトは、第10図に示すよ
うに便利に検出できるレベルになるまでこの生成
物のサブ−断片を増幅する。先行する増幅工程で
増幅された配列中に含まれ、又他のプライマーの
伸長生成物中にも含まれるより小さな配列をプラ
イマーを使つて増幅する本法は、例えばコナーら
のPNAS80巻278頁(1983年)及びレアリーらの
PNAS80巻4045頁(1983年)に記載されているよ
うに放射性同位体又は非放射性同位体プローブの
ハイブリダイゼーシヨンの方法論に頼ることな
く、β−グロビンの座における野性型を鎌状赤血
球貧血対立遺伝子から区別することを可能にす
る。 実施例 11 本法は、患者のDNA試料中の例えばクラミジ
アのような伝染性疾患と関連する特定の配列を、
所望の増幅された配列を含むビオチン化されたハ
イブリダイゼーシヨンプローブを使用しかつ前述
の米国特許第4358535号に記載された方法を使用
して検出する際に有用であることが期待される。
ビオチン化されたハイブリダイゼーシヨンプロー
ブは、一部が二重鎖となつたDNAに、次式のス
ペーサーアームを介してビオチンに結合した4′−
メチレン置換−4,5′−8−トリメチルプソラレ
ンを挿入しかつ光を照射することにより調製する
ことができる。 −(CH2)2−O〔(CH2)xO〕y−CH2CH2NH- 式中Yは、O,NH又はN−CHO、xは1か
ら4までの数、そしてyは2から4までの数であ
る。プローブ上のビオチニル基の検出には、エン
ゾバイオケム社により市販されているストレプタ
ビジン−酸性フオスフアターゼ複合体を用いて、
パンフレツトに製造者が示している検出方法によ
り達成することができる。ハイブリダイゼーシヨ
ンプローブは、検出用複合体との結合、及びそれ
に続く酸性ホスフアターゼにより触媒される反応
(この反応が沈澱性色素を生成する)に基く沈澱
した染色スポツトとして見ることができる。 実施例 12 本実施例では、実施例7の方法を基本的には使
用し、ヒトβ−グロビン遺伝子上の119塩基対断
片を次のプライマーを使用して増幅させた。 5′−
CTTCTGcagCAACTGTGTTCACTAGC
−3′(GH18) 5′−CACaAgCTTCATCCACGTTCACC
−3′(GH19) ここで小文字は野性型配列とミスマツチし、制
限酵素部位を生成する。全スキームは表1に示し
てある。表1はヒトβ−グロビン遺伝子の119塩
基対断片をクローン化しかつ配列決定するために
使用され、又内部制限部位を含むよう設計されて
いるプライマーGH18及びGH19を図解したもの
である。出発コドンATGにはアンダーラインが
引かれている。GH18は、負鎖と相補的な26塩基
対のオリゴヌクレオチドでかつ内部にPst部位
を有している。GH19は正鎖に相補的である23塩
基対のオリゴヌクレオチドであり、内部にHind
認識部位を含んでいる。矢印は、DNAポリメ
ラーゼによる伸長方向を示す。四角で囲つた配
列は各プライマーの制限酵素認識配列を示す。こ
れらのプライマーは、バクテリオフアージM113
のPstとHind制限部位に対して相同である遺
伝子領域を第1にスクリーニングして選択され
た。次に、プライマーは先行する実施例で記載し
た通りに調製された。 【表】 増幅及びクローニング 実施例2で述べたように細胞系Molt4から単離
した1マイクログラムのヒトゲノムDNAの増幅
を20サイクル行つた後、反応生成物の14分の1
を、ラベルしたβ−グロビンに特異的であり、そ
の配列が、5′−
CTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTAC
TGCCCTGTGGG−3′であるオリゴヌクレオチ
ドプローブRS06に上述のオリゴマー制限法を用
いてハイブリダイズさせた。溶液ハイブリダイゼ
ーシヨンの後、反応混合物を上述した制限消化条
件下でDdeにより処理して8塩基対オリゴヌク
レオチドを生成せしめた。この8塩基対の生成物
の量は、増幅され生成された生成物の量に比例す
る。この消化生成物は30%のポリアクリルアミド
ゲル上で分離し、オートラジオグラフイーで視覚
化した。 オートラジオグラムを分析した結果、該増幅は
野性型β−グロビン遺伝子の正鎖及び負鎖のそれ
ぞれと相補的であるプライマーPC03(5′−
ACACAACTGTGTTCACTAGC−3′)及び
PC04(5′−CCACTTGCACCTACTTCAAC−3′)
による増幅と増幅効率において匹敵するものであ
ることが分かつた。 増幅された生成物はエタノールで沈澱して脱塩
しそして濃縮し、そしてサンプルを10mMトリ
ス、10mM MgCl2、1mMDTT、100mM NaCl
から成る制限緩衝液(PH8)に再溶解し、Pst
及びHindで同時に消化した。その消化後、試
料をセントリコン10濃縮装置で脱塩し、ベーリン
ガー・マンハイム社から入手できるPst/Hind
で消化されたベクターM13mp10wの0.3マイク
ログラムと、12℃で一晩連結した。 全部の結合混合物がメリーランド州ベテスダの
BRLから入手できるE.コーリー株JM103へ形質
転換された。形質転換株を調製するための方法
は、A.ワルトンによりMessing,J.Third
Cleveland Symposium on Macromolecules:
Recombinant DNA143−153頁に記載されて
いる。 形質転換混合物を、ナイロンフイルターを用い
るプラークハイブリダイゼーシヨンによるスクリ
ーニングのため、x−ゲル培地上に移した。フイ
ルターを、β−グロビンに特異的な、配列が5′−
CCCACAGGGCAGTAACGGCAGACTTCTCC
TCAGGAGTCAG−3′であるオリゴヌクレオチ
ドプローブRS24により検知して、β−グロビン
挿入部の数を決定した。フイルターはプライマー
PC04で再度標識され、全挿入数を決定した。 プレーテイング及びスクリーニング 表は、プレーテイングとプラークハイブリダ
イゼーシヨンのデータを纏めたものである。フイ
ルターをプライマーPC04で検知し、増幅とクロ
ーニングに起因する挿入部のパーセントを決定し
た。1206個のクリアーなプラーク(クリアーなプ
ラークの全数の90%)がプライマーにハイブリダ
イズした。15のプラークがβ−グロビンに特異的
なプラークRS04にハイブリダイズした。増幅さ
れたプライマーに陽性なブラークのうちβ−グロ
ビンに陽性なプラークは約1%である。 【表】 増幅された配列を含有するプラークに対するβ
−グロビン挿入部を含有するプラークの%=15/
1206×100=1.24%。 全プラークに対するβ−グロビン挿入部を含有
するプラークの%=15/1496×100=約1%。 全プラークに対する増幅された配列を含有する
プラークの%=1206/1496×100=80%。 * プライマーPC04とハイブリダイズしないク
リアーなプラーク。 ** プライマーPC04とハイブリダイズするク
クリアーなプラーク。 制限酵素及びサザン分析法 3つのβ−グロビン陽性プラークと2つのβ−
グロビン陰性プラーク(しかしPC04プライマー
陽性)のフアージDNAから少し調製したDNAを
制限酵素分析法で分析した。増幅したβ−グロビ
ン断片を含むM13クローンからのDNAのMst
消化は特徴的な283塩基対断片を生ずる。Mst
消化の後、3つのβ−グロビン陽性クローンは全
て予想のとおり283塩基対断片を生成し、一方プ
ライマーとのみ陽性であつた2つのクローンは大
きい断片を生成した。 この分析からのゲルをMSIナイロンフイルター
に移し、リグビーらによりJ.Mol.Biol113巻237−
51頁(1977年)に記載された標準的なニツクトラ
ンスレーシヨン法により調製した放射性ラベルを
行つたニツクトランスレーシヨンしたβ−グロビ
ンプローブとハイブリダイズさせた。β−グロビ
ンプローブとハイブリダイズできるバンドは、3
つのβ−グロビン陽性クローンのみであつた。2
つの他のクローンはβ−グロビンプローブにハイ
ブリダイズしない挿入部を有していた。 配列の分析 β−グロビン挿入部を含むことが制限酵素分析
により示された10個のβ−グロビン陽性クローン
を、M13ジデオキシ配列決定法を用いて配列決定
した。10の内9つはβ−グロビンの野性型配列と
同一であつた。他のクローンは、β−グロビンプ
ライマーでは非常に僅かしか増幅しないことが示
されているδ−グロビン遺伝子と同じであつた。 結論として、β−グロビン配列の増幅におい
て、変形されたリンカープライマーは変形されて
いないプライマーとほぼ等しい効率を有してい
た。プライマーは、増幅されたDNAのクローニ
ングベクターへの挿入を容易にすることができ
た。ゲノムの他のセグメントの増幅のため、1%
のクローンのみがヘモグロビン配列を有してい
た。 10の内9つが公にされているβ−グロビン配列
と同じであることが分かり、該技術はゲノム
DNAを高い忠実度で増幅することを示した。1
つのクローンは公表されているδ−グロビンと同
一であつたことが分かり、このことはプライマー
がδ−グロビンに対する有意な配列相同性を持つ
ているにもかかわらず、β−グロビン遺伝子に特
異的であることを証明した。 クローニングをβ−グロビンの267塩基対断片
を用いて行う場合、このクローニングはジメチル
スルフオキシドが増幅工程に存在(37℃で10容量
%)するときのみ効果的であることが分かつた。 制限部位−修飾プライマーを使用して、ヒトN
−ras腫瘍遺伝子を増幅し、クローン化し、一部
を配列決定することができ、更にHLA−DQ−α
及びDQ−β遺伝子の240塩基対断片をクローン
化することもできた。これら全ての増幅は10容量
%のジメチルスルフオキシドの存在下37℃で行つ
た。HLA DQ−α及びDQ−β遺伝子を増幅する
ためのプライマーは、臭化エチジウムで染色した
アガロースゲル上に具体的なバンドを与えるとい
うよりも汚れを生ずるにすぎないβ−グロビンや
D.R−βプライマーに比べて、それらの意図する
標的物に対して遥かに特異的であつた。更に
HLA DQ−αプライマーは、所望のHLA標的断
片を含む増幅される挿入部を有する20%までのク
ローンを生成し、ところがβ−グロビンクローン
の1%が標的配列を含んでいた。HLA DQ−α
及びDQ−β遺伝子クローニングはDMSOが存在
し高温のときにのみ効果的であつた。 実施例 13 本実施例は、それぞれ74塩基対の2つのオリゴ
ヌクレオチドから出発して494塩基対のTNF遺伝
子を調製するために本法を使用することを例示す
るものである。 プライマー 使用したプライマーは実施例2に記載した方法
で調製し、それぞれ74塩基対を有し、下記に示す
ものである。 【表】 全体的手順 下記に示す10サイクルのプロトコールを、プ
ライマーとして下記ステツプ(a)に概略を示すよ
うに相互作用をするプライマーTN10及び
TN11を用いて行つた。 上記パートからの反応混合物全2μをプ
ライマーLL09及びLL12に加えた。下記のプロ
トコールを15サイクル行い、これにより下記ス
テツプ(b)で概略を示すように、プライマーがパ
ートの生成物と相互作用する。 パートからの反応混合物全2μをプライ
マーTN08及びTN13に加えた。下記のプロト
コールを15サイクル行い、これにより、下記ス
テツプ(c)で概略を示すように、プライマーがパ
ートの生成物と相互作用する。 上記パートからの反応混合物全2μをプ
ライマーLL07及びLL14に加えた。下記のプロ
トコールを15サイクル行い、これにより、下記
ステツプ(d)で概略を示すように、プライマーが
パートの生成物と相互作用をする。 プロトコール 各反応は100μの、 各2mMのデオキシATP、デオキシCTP、デオ
キシGTP及びTTP; 3μMの各ステツプで使用する各プライマー; 1×ポリメラーゼ緩衝液(30mMのトリスアセ
テート、60mMの酢酸ナトリウム、10mMの酢酸
マグネシウム、2.5mMのジチオスレイトール); を含んでいる。 各ステツプは、 1 沸騰水中で1分、 2 室温冷却1分、 3 DNAポリメラーゼのクレノー断片1μ(5
単位)添加、 4 重合反応の2分間の進行、 から成る。 次のサイクルは再度ステツプ1)から始める。 【表】 ↓
5′ TN08
その存在する核酸配列を増幅し、プローブを用い
てそれを検出するための方法に関する。より詳細
には本発明は、与えられたDNA又はRNA配列か
ら初期に存在する量に比較してより大量の任意の
特定の核酸配列を生成せしめ、該配列の検出を容
易にする方法に関する。該DNA又はRNAは単鎖
又は二重鎖であつてもよく、比較的純粋であつて
も核酸の混合物の一成分であつてもよい。本発明
の方法では、所望の核酸配列の増幅を達成するた
めに反応を繰り返し行うようにする。 〔従来の技術〕 特に診断上の用途のためには、標的核酸配列は
問題のDNA又はRNAのほんの僅かな部分である
ことがあり、非同位体標識又は末端標識オリゴヌ
クレオチドプローブを使用するのではその存在を
検出することは困難である。プローブ検出システ
ムの感度を向上させるために多くの労力が費やさ
れているが、現在利用できる方法を用いて容易に
検出できるに充分な量を得るために、標的配列を
増幅するような研究は殆ど行われていない。 核酸を初めから、あるいは既存の配列から合成
する方法がいくつかの文献に記載されている。こ
れらの方法は、完全に特定された配列の与えられ
た核酸を大量に生産することを可能にするもので
ある。 核酸を初めから合成する1つの既知方法は、ヌ
クレオシド誘導体からの核酸の有機合成を含むも
のである。この合成は溶液中又は固体担体上で行
われる。有機合成の1つのタイプはリン酸トリエ
ステル法であり、これは遺伝子断片又は短い遺伝
子を調製するために利用される。リン酸トリエス
テル法では、オリゴヌクレオチドが調製され、次
にこれは結合されてより長鎖の核酸を形成する。
この方法は、S.A.ナーランクらにより、Meth.
Enzymol.68巻90頁(1979年)及び米国特許第
4356270号に開示されている。該特許は、ソマト
スタチン遺伝子の合成とクローニングを開示しい
る。 有機合成の第2のタイプはリン酸ジエステル法
であり、これはトランスフアーRNA遺伝子の調
製に利用されている。この方法はE.L.ブラウンら
によりBeth.Enzymol.68巻109頁(1979年)に開
示されている。リン酸トリエステル法と同じよう
に、リン酸ジエステル法もオリゴヌクレオチドの
合成を含み、これらが実質的に結合されて所望の
核酸が形成される。 上記した初めからの合成法は核酸の長鎖を合成
するために利用されるが、核酸を大量合成するた
めの実用的方法ではない。両法とも労力と時間を
消費し高価な装置と試薬を必要としかつ全体収率
が低い。全体収率が低いのは、オリゴヌクレオチ
ドの合成とそれらを結合する反応が非効率的であ
ることに起因する。長鎖の核酸を合成する際ある
いは短鎖の核酸を大量に合成する場合でさえも、
多くのオリゴヌクレオチドを合成し多くの結合反
応を行うことが要求される。従つてこれらの方法
は任意で所望の核酸を大量に合成するには実用的
ではない。 初めに存在する少量の核酸から大量の核酸を生
産する方法も存在する。これらの方法は好適な宿
主系内での核酸のクローニングを含み、ここでは
所望の核酸は宿主の形質変換に使用される好適な
ベクター中に挿入される。宿主が培養されるとベ
クターが複製され、所望の核酸のコピーが生産さ
れる。核酸断片のサブクローニングについては、
T.マニアチスらにより、コールド・スプリン
グ・ラボラトリーのMolecular Cloning390−401
頁(1982年)に簡単に記述されている。この技術
については米国特許第4416988号及び4403036号に
も述されている。 米国特許第4293652号に記載されている核酸の
第3の合成法は、上述の有機合成と分子クローニ
ング法を合わせたものである。該法では、所望の
核酸配列を作り上げるのに必要な好適な数のオリ
ゴヌクレオチドを初めに合成し、次にこれらを次
の挿入の前に増殖により増幅されるベクターに挿
入する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、この分子クローニング法に幾らかの
類似性を有している。しかし本発明はいかなる生
物の繁殖をも含まず、従つて繁殖に伴つて起こり
得る危険や不都合を回避することができる。本発
明は所望の核酸と関連しない核酸の合成を必要と
せず、従つて本発明によれば複雑な生物学的混合
物からコストをかけて生成物を精製することも回
避できる。 本発明はプライマーと重合試薬を用いて1種の
核酸又は複数の核酸の混合物中に存在する1又は
2以上の特定の核酸配列を増幅し、かつ増幅した
配列を検出する方法である。プライマーは増幅さ
れるべき核酸配列の両端を規定し、そして1つの
プライマーの伸長生成物は、他のプライマーとハ
イブリダイズしたときに所望の特定の核酸配列の
生成のための鋳型となり、又その逆も起こる。そ
してこのプロセスは所定量の配列が生成するまで
必要なだけ繰り返される。標的配列から大量の核
酸を比較的短時間で生産するためには、本方法は
上の従来法より効率的であると期待される。本方
法は核酸混合物に僅かしか含まれていない核酸種
を増幅し、該種を効率的に検出するために特に有
用である。 〔問題点を解決するための手段〕 更に特定すると、本発明は、核酸又はその混合
物を含むと予想される試料中に少なくとも1種類
の特定の核酸配列が存在するか否かを検出し、あ
るいは核試料中の2種類の異なる核酸配列を区別
する方法であつて、まず、前記1種類の核酸配列
又は複数種類の核酸配列を、 (a) オリゴヌクレオチドプライマーにより、増幅
されるべき核酸配列の鎖について該核酸鎖に相
補的なプライマーの伸長生成物が合成されるよ
うに前記試料を処理し、ここで、前記プライマ
ーは、特定の核酸配列の鎖に実質的に相補的で
あり、且つ増幅されるべき核酸配列の両端を規
定し、各プライマーから合成された伸長生成物
がその相補体から分離された場合に更なる合成
の鋳型として機能するように選択され; (b) 前記プライマー伸長生成物をそれらが合成さ
れた鋳型から分離して単鎖分子を生成せしめ;
そして (c) 段階(b)において生成した各単鎖を鋳型として
用いてプライマー伸長生成物が合成されるよう
に段階(b)から生じた単鎖分子を段階(a)のプライ
マーにより処理する; ことを含む段階により増幅し;そして次に (d) 前記増幅が生じたか否かを決定する; ことを含んで成る方法、を提供する。 本発明はさらに、1種類又は2種類以上の核酸
を含むと予想される試料中の少なくとも1つの特
定の核酸配列をプローブにより検出するための、 検出されるべき核酸配列についてのオリゴヌク
レオチドプライマーであつて、特定の核酸配列の
鎖に実質的に相補的であり、且つ検出されるべき
特定の核酸配列の両端を規定し、1つのプライマ
ーから合成された伸長生成物がその相補体から分
離されたときに更なる合成用の鋳型として機能す
ることができるプライマー を有するキツト、を提供する。 このキツトはさらに、重合用誘導試薬、4種類
の異るヌクレオシドトリホスフエート及び/又は
ハイブリダイゼーシヨンを検出するための手段を
含むことができる。 〔具体的な説明〕 プライマー、プローブ、検出すべきオリゴマー
断片、オリゴマー対照体、及び標識されていない
ブロツキングオリゴマーに関して使用される「オ
リゴヌクレオチド」という用語は、2又はそれ以
上の好ましくは3より多くのデオキシリボヌクレ
オチド又はリボヌクレオチドから成る分子として
定義される。その正確な大きさは多くの因子に依
存し、その因子はオリゴヌクレオチドの究極的な
機能と用途に依存する。 ここで使用される「プライマー」という用語
は、精製された制限消化物として自然に存在しあ
るいは合成的に調製されたオリゴヌクレオチドを
意味し、このプライマーは、例えば好適な温度及
びPHでヌクレオチとDNAポリメラーゼのような
重合試薬が存在するような、核酸鎖に相補的なプ
ライマーの伸長生成物の合成が誘発される条件下
に置かれたときに合成開始点として機能すること
ができる。該プライマーは増幅効率を最大にする
ため単鎖であることが好ましいが、その代わりに
二重鎖であつてもよい。二重鎖であると、プライ
マーは伸長生成物を調製するために使用される前
にまずその鎖を分離するために処理される。プラ
イマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである
ことが好ましい。プライマーは、重合試薬の存在
下で伸長生成物の合成を開始するために十分な長
さでなければならない。プライマーの正確な長さ
は、温度やプライマー源を含む多くの因子に依存
する。例えば、目的とする配列の複雑さに依存し
てオリゴヌクレオチドプライマーは典型的には15
から25又はそれより多くのヌクレオチドを含む
が、より少ないヌクレオチドを含むものであつて
もよい。短いプライマー分子は、鋳型とともに十
分安定なハイブリドの複合体を形成するために、
より低い温度を要求する。 プライマーは増幅されるべき各特定配列の異な
る鎖と「実質的」に相補的であるように選択され
る。このことはプライマーはそれぞれの鎖とハイ
ブリダイズするに十分に相補的でなければならな
いことを意味する。従つてプライマーの配列は鋳
型の配列を正確に反映する必要はない。例えば相
補的でないヌクレオチド断片を、プライマーの配
列の残部が鎖に相補的であるようにプライマーの
5′末端に結合させてもよい。代わりに、プライマ
ーの配列が増幅されるべき鎖の配列と十分な相補
性を有していてそれらとハイブリダイズし、それ
によつて他方のプライマーの伸長生成物合成用鋳
型を形成するならば、相補的でない塩基又はより
長い配列がプライマー内に散在してもよい。 本発明で使用される「制限エンドヌクレアー
ゼ」及び「制限酵素」という用語は、二重鎖
DNAを特定の核酸配列又はその近傍で切断する
ような細菌性酵素を意味する。 本発明で使用される「DNAの多形現象」とい
う用語は、DNA中の特定部位に2又はそれより
多くの異なつたヌクレオチド配列が存在できる状
態を意味する。 「制限断片長さの多形現象(RALP)」という
用語は、特定の制限エンドヌクレアーゼによる消
化により形成される制限断片の長さに個体間の相
違があることを意味する。 本発明は、核酸中に存在すると思われる1又は
それ以上の所望の特定の核酸配列を増幅する方法
に関する。本法によれば大量の特定の配列を調製
できるので、本発明はDNA又はメツセンジヤー
RNAのクローニング効率を改良し、かつ標的配
列を増幅してその検出を容易にするために使用す
ることができる。 一般に、本発明の方法は、用いられる反応ステ
ツプの数に関連して指数的な収量で少なくとも1
つの特定の核酸配列を生産する連鎖反応を含み、
該配列は(a)必要とされる末端が、それとハイブリ
ダイズするオリゴヌクレオチドを合成できるに十
分な程度に詳細に知られており、(b)連鎖反応を開
始するための配列が入手可能であることが条件と
なる。連鎖反応で得られる生成物は、使用した特
定のプライマーの末端に対応する末端を有するよ
うな個別的な核酸のデユプレツクスである。 精製された状態でも精製されていない状態でも
よい任意の核酸源を、所望の特定の核酸配列を含
むと思われるのであれば、出発核酸として使用で
きる。従つて本法では、例えば単鎖であつても二
重鎖であつてもよいDNA又はRNA例えばメツセ
ンジヤーRNAを使用することができる。更にそ
れぞれ1つの鎖を含むDNA−RNAのハイブリド
を使用してもよい。これらの核酸の混合物を使用
してもよく、又先行する増幅反応において同じか
又は異なつたプライマーを用いて生産された核酸
を使用してもよい。増幅すべき特定の核酸配列は
大きな分の一部であつてもよく、特定の配列が核
酸全体を構成するようにはじめから個別的な分子
として存在していてもよい。増幅すべき配列は初
めから純粋な状態で存在する必要はなく、該配列
は、複雑な混合物の小部分、例えば全ヒトDNA
中のβ−グロビン遺伝子、又は特定の生物的試料
の極く僅かの部分のみを構成する特定の微生物に
起因する核酸配列の部分であつてもよい。出発物
質としての核酸は、同じか又は異なつた2以上の
所望の特定の核酸配列を含んでいてもよい。従つ
て本発明の方法は、1つの特定の核酸配列を大量
に生産するだけでなく、同じか又は異なつた核酸
分子上に位置する2以上の異なつた特定の核酸配
列の同時増幅にも有用である。 核酸は、例えばpBR322のようなプラスミド、
クローン化されたDNA又はRNA、又は細菌、酵
母、ビールス及び植物や動物などの高級生物等の
自然にあるDNA又はRNA等の任意源から得るこ
とができる。DNA又はRNAは、例えばマニアチ
スらによりMolecular Cloningの280から281頁
(1982年)に記載されているような種々の技術に
より、血や絨毛又は羊膜細胞等の組織物質から抽
出することができる。 本発明方法により、任意の特定の核酸配列を生
産することができる。配列の両末端の十分な数の
塩基が十分詳細に分かつており、これにより所望
の配列の異なつた複数の鎖に対し、かつ該配列に
沿つた次のような相対位置にハイブリダイズする
2つのオリゴヌクレオチドプライマーを調製する
ことができればよく、すなわち、1つのプライマ
ーから合成伸長した生成物が、鋳型(相補体)か
ら分離されたときに、限定された長さの核酸に他
のプライマーを伸長させるための鋳型としての役
割を果せばよい。配列の両末端の塩基に関する知
識が増加するほど目的とする核酸配列のためのプ
ライマーの特異性も大きくなり、従つて本法の有
効性も大きくなる。以後使用するプライマーとい
う用語は、特に増幅すべき断片の末端配列に関す
る情報にいくらかの瞹眛さがある場合には、1よ
り大きい数のプライマーを意味するものと理解さ
れるべきである。例えば、核酸配列が蛋白質配列
の情報から推測できる場合、遺伝子コードの縮重
に起因する全ての可能なコドン変化を示す配列を
含むプライマーを集めて各鎖用として使用する。
このような集合のうちの1つのプライマーは、増
幅すべき所望配列の末端と一致する。 オリゴヌクレオチドプライマーは任意の好適な
方法、例えば上記したリン酸トリエステル法及び
リン酸ジエステル法又はそれらのオートメーシヨ
ン化された方法を使用して調製することができ
る。このようなオートメーシヨン化された方法の
うちの1つによれば、ビユーケージらにより
Tetrahed−ron Letters22巻1859−1862頁に記載
されている通り、ジエチルフオスフオロアミダイ
トを出発物質として使用して合成することができ
る。修飾された固体担体上でのオリゴヌクレオチ
ド合成の1つの方法が米国特許第4458066号に記
載されている。生物源(例えば制限エンドヌクレ
アーゼ消化物)から分離したプライマーを使用す
ることも可能である。 特定の核酸配列は、該配列を鋳型として含む核
酸を使用して生産される。核酸が2つの鎖を含ん
でいるときは、別のステツプとしてでもプライマ
ーの伸長生成物の合成と同時でもよいが、該核酸
は鋳型として使用される前に鎖を分離する必要が
ある。この鎖分離は、物理的、化学的及び酵素的
方法を含む任意の好適な変性法により行うことが
できる。核酸の鎖を分離する1つの物理的方法
は、完全に(99%以上)変性されるまで核酸を加
熱することを含む。典型的な加熱変性は80から
150℃で1から10分間加熱することを含む。鎖の
分離は、ヘリカーゼ、又はヘリカーゼ活性を有し
リボATPの存在下でDNAを変性させるものとし
て知られる酵素RecAとして知られる酵素類から
の1酵素により誘発させることもできる。ヘリカ
ーゼで核酸の鎖を分離するのに好適な反応条件は
クーン ホフマン ベーリングによりCSH−
Quantitative Biologyの43から63頁(1978年)に
記記載され、RecAを使用する技術は、C.ラデイ
ングによりAnn.Fev.Geneticsの16巻405から437
頁に記載されている。 増幅すべき配列を含む当初の核酸が単鎖である
と、その相補体をそれに1つ又は2つのオリゴヌ
クレオチドプライマーを加えて合成する。好適な
単一プライマーが加えられると、プライマー、重
合試薬及び後述する4つのヌクレオチドの存在下
でプライマーの伸長生成物が合成される。生成物
は部分的に単鎖の核酸と相補的で、核酸鎖とハイ
ブリダイズして長さの異なるデユプレツクスを形
成し、これは上記した通り単鎖に分離され、相補
的な2つの分離された鎖となる。代わりに2つの
好適なプライマーを単鎖に加えて反応を行うこと
もできる。 当初の核酸が増幅すべき配列を構成するなら
ば、プライマーの伸長生成物は当初の核酸の鎖と
完全に相補的となり、ハイブリダイズして同じ長
さの鎖から成るデユプレツクスを形成し、これは
分離されて単鎖の分子となる。 核酸の相補的な鎖が分離すると、当初の核酸が
二重鎖であつても単鎖であつても、その鎖は他の
核酸鎖の合成用鋳型として容易に使用することが
できる。この合成は任意の好適な方法を用いて行
うことができる。通常それは好ましくはPHが7か
ら9、最も好ましくは8である緩衝水溶液中で起
こる。好ましくは過剰のモル比(クローン化され
た核酸については、通常プライマー対鋳型が
1000:1、そしてゲノムの核酸については通常プ
ライマー対鋳型が106:1)の2つのオリゴヌク
レオチドプライマーを分離された鋳型鎖を含む緩
衝水溶液中に加える。しかし本法を診断的用途に
使用する場合には相補的な鎖の量は既知ではない
ことを理解すべきであり、従つて相補的な鎖の量
に関連するプライマーの量を確信をもつて決定す
ることはできない。しかし実際には、増幅すべき
配列が複雑な長鎖の核酸鎖の混合物中に含まれる
場合には、加えられるプライマーの量は相補的な
鎖(鋳型)の量よりも通常モル過剰とする。本法
の効率を改良するためには、大きな過剰モル比と
することが好ましい。 デオキシリボヌクレオシド三リン酸であるデオ
キシATP、デオキシCTP、デオキシGTP及び
TTPの十分な量も合成混合物に加え、生成する
溶液を約90−100℃で約1から10分、好ましくは
1から4分間加熱する。この加熱時間の後、溶液
の温度をプライマーのハイブリダイゼーシヨンに
好適な20−40℃まで下げる。この冷却した混合物
に重合試薬を加え、従来知られている条件下で反
応を行わせる。この合成反応は、室温からそれを
越えると重合試薬が効率的に機能しない温度まで
の間で行わせることができる。従つて例えば
DNAポリメラーゼを重合試薬として使用すると
きは、温度を通常45℃以上に上昇させない。シグ
ナルを検出するのに有効な量のジメチルスルフオ
キシド(DMSO)を存在させ、又は温度を35〜
40℃とすることが好ましい。最も好ましいのは、
5−10容量%のDMSOを存在させ、温度を35−
40℃とすることである。増幅すべき配列がHLA
DQ−α又は−β遺伝子のような110を越える塩
基対断片であるような用途の場合には、有効量
(例えば10容量%)のDMSOを増幅用混合物に加
えかつ反応を35−40℃で行つて、検出できる結果
を得るか又はクローニングを可能にする。 重合試薬は、プライマーの伸長生成物の合成を
達成できるものならば、酵素を含むどのような化
合物でも系でもよい。この目的のための好適な酵
素は、例えばE.コーリーDNAポリメラーゼI、
E.コーリーDNAポリメラーゼIのクレノー断片、
T4DNAポリメラーゼ、他の入手できるDNAポ
リメラーゼ、逆転写酵素及び耐熱性酵素を含む他
の酵素を含み、これらは好適な態様でヌクレオチ
ドの結合を促進し、各核酸鎖と相補的であるプラ
イマーの伸長生成物を形成する。一般に合成は各
プライマーの3′末端から始まり、合成が終了する
まで鋳型鎖に沿つて5′末端方向に向かつて進行
し、異なつた長さの分子を生成する。しかし上述
の方法と同じ方法を用いて5′末端で合成を始め、
他の方向に向かつて反応を進行させる試薬があ
る。 新たに合成された鎖とそれと相補性を有する核
酸鎖は、本法のその後のステツプにおいて使用さ
れる二重鎖分子を形成する。次のステツプでは、
二重鎖分子の鎖は上述の任意の手順を用いて分離
され、単鎖分子を提供する。 新たな核酸が該単鎖分子上で合成される。追加
の誘導試薬、ヌクレオチド及びプライマーを、上
記に規定した条件下で反応を進行させるために必
要ならば加えてもよい。オリゴヌクレオチドプラ
イマーの一末端から再度合成が始まり、そして鋳
型の単鎖に沿つて進行して他の核酸を生成する。
このステツプの後における伸長生成物の半分は2
つのプライマーが結合した特定の核酸配列から成
つている。 鎖分離と伸長生成物合成のステツプは、特定の
核酸配列を所定量生産するまで必要なだけの回数
繰り返すことができる。後により詳細に記載する
ように、特定の核酸配列は指数的に蓄積する。 最初の核酸又は核酸の混合物から2以上の特定
の核酸配列を生産することが望ましい場合は、好
適な数の異なつたオリゴヌクレオチドプライマー
を使用する。例えば2つの異なつた特定の核酸配
列を生成する場合には、4つのプライマーを使用
する。プライマーのうちの2つは特定の核酸配列
のうちの1つに関するもので、他の2つのプライ
マーは第2の特定の核酸配列に関するものであ
る。これにより、2つの異なつた特定の配列が本
法を用いて指数的に生産され得る。本発明は、各
ステツプ後に新しい試薬を加える段階的方法、又
は全ての試薬を初期のステツプで加える同時的方
法、又はある与えられた数のステツプの後に新し
い試薬を加える一部段階的で一部同時的である方
法のいずれによつても行うことができる。熱処理
のように重合試薬を不活性化する鎖分離方法を採
用した場合には、熱に対して不安定である酵素の
場合がそうであるように、各鎖分離ステツプ後に
重合試薬を補充することが必要である。ヘリカー
ゼのような酵素的手段を含む多数の精製された成
分を鎖分離ステツプで使用する場合は、同時的方
法を使用することができる。同時的方法では、反
応混合物は、所望の配列を含む核酸鎖の他に、鎖
分離酵素(例えばヘリカーゼ)、rATPのような
鎖分離酵素への適切なエネルギー供給源、4つの
ヌクレオチド、モル過剰のオリゴヌクレオチドプ
ライマー及びE.コーリーDNAポリメラーゼIの
クレノー断片のような誘導試薬を含むことができ
る。同時的方法で変性のために熱を使用するとき
は、誘導試薬に依存するが好ましくは65−90℃の
高温で機能する熱安定性ポリメラーゼ等の熱安定
性誘導試薬を使用し、この温度で核酸は平衡状態
にある単鎖と二重鎖から成つている。長さの短い
核酸には、約50℃程度の低温が採用される。どの
程度の高温が使用できるかは、その温度で酵素が
失活するかあるいはプライマーのハイブリダイゼ
ーシヨンが不十分な程度しか起こらないかどうか
に依存する。このような熱安定性酵素は、例えば
A.S.カレデインらによりBiokhimiya45巻644−
651頁(1980年) に記載されている。本法の各ステツプは、全ての
試薬が始めから存在するにもかかわらず、続いて
起こる。必要ならば追加の試薬を加えてもよい。
適切な長さの時間が経過して所望量の特定の核酸
配列が生成した後、任意の公知方法で酵素を失活
させるか反応成分を分離するかして反応を停止さ
せる。 本発明方法は連続的に行つてもよい。オートメ
ーシヨン化された方法の一態様として、反応を、
変性区域、試薬添加区域及び反応区域を通つてサ
イクルさせるような方法がある。他の態様では、
プライマーの伸長生成物の合成に使用する酵素を
カラム中で固定化することができる。他の反応成
分は連続するカラムと加熱用コイルを通るように
ポンプを使つて連続的に循環され、これにより、
生成した核酸が酵素を失活させることなく繰り返
し変性される。 本発明の概略が下記に示され、ここでは相補的
な鎖〔S+〕と〔S-〕から成る所望配列〔S〕を
含む二重鎖DNAが核酸として使用されている。
第1の及び引き続いて起こる反応サイクルでは、
当初の鋳型上の各オリゴヌクレオチドプライマー
の伸長は、プライマーの1つとともにのみ終了す
る制限のない長さの、1つの新しいssDNA分子
生成物を生成する。以後「長鎖生成物」と呼ぶこ
れらの生成物は直線的に蓄積し、つまり任意数の
サイクルの後に存在する量はサイクル数に比例す
る。 このように生産される長鎖生成物は、引き続い
て起こるサイクルの間一方又は他方のオリゴヌク
レオチドプライマーの鋳型として機能し、所望配
列〔S+〕又は〔S-〕の分子を生成する。これら
の分子も一方又は他方のオリゴヌクレオチドプラ
イマーの鋳型として機能し、更に他の〔S+〕及
び〔S-〕を生成し、従つてサイクル数に関連し
て指数的に〔S〕の蓄積を生じさせる連鎖反応が
維持される。 オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーシヨン
により形成される意図されない副生成物は、それ
自身触媒活性がなく(稀な例を除く)、従つて直
線的に蓄積する。 【表】 【表】 新しく合成された長い生成物
2
【表】 第1サイクルで合成された長い
生成物2
一方のプライマーのオリゴヌクレオチド配列と
共に終る鎖及び他方の相補的配列の各鎖は、生産
することが望まれている特定の核酸配列〔S〕で
あることが分かる。 本法のステツプは、プライマー1及び2、重合
試薬及び存在するヌクレオチドの量によつてのみ
限定される以外、無限に繰り返すことができる。
検出のためには、例えば試料の特性に依存する量
である検出できるシグナルを発生させるために要
求される回数のサイクルを実施する。例えば試料
が純粋か希釈されたものならば、複雑な混合物で
あるものよりも、少ない回数しか要求されない。
試料がヒトのゲノムDNAであると、サイクルの
回数は、約10−15回が好ましい。 最初の核酸は複製されないので、その量は全工
程中一定である。長鎖生成物は最初の核酸からの
み生産されるので、その量は直線的に増加する。
特定の配列の量は指数的に増加する。従つて特定
の配列はその量が増加して優勢な成分となる。こ
のことは次表に示され、該表は各サイクルの効率
が100%であるとした場合のnサイクル後の理論
的に存在する成分量を比較したものである。 【表】 単鎖の核酸を鋳型として使用すると、サイクル
あたり1つの長鎖生成物が生成する。 本法は好適な発現ベクターに特定の核酸配列を
挿入するためにクローン化するのに使用できる。
該ベクターは適切な宿主生物を形質転換して標準
的な組み換え体DNA技術により遺伝子生成物を
生産する際に使用できる。 通常このようなクローニングはベクターへの直
接の連結反応又はオリゴヌクレオチドリンカーの
付加とそれに引き続く制限酵素による開裂を含ん
でいる。しかし両法とも反応性が不十分である平
滑末端の連結反応を含んでいる。更に両法ともク
ローニングベクターへの増幅された生成物を挿入
する際の位置とその数を制御することができな
い。 本増幅工程では、最初の鋳型核酸、期待される
標的増幅生成物及び種々のバツクラウンド非標的
生成物に由来する核酸の混合物が得られる。最初
の鋳型DNAが、例えばヘテロ接合二量体遺伝子
中におけるような多数の標的配列を含むか、又は
一連の関連した遺伝子群がある場合にも、増幅さ
れた生成物は混合物となる。 本法のプライマーを、増幅反応で生産される
DNA混合物の迅速かつ特異的なクローニングを
補助するために修飾してもよい。このような修飾
では、同じか又は異なつた制限部位がプライマー
の5′末端に導入されて増幅された生成物の2つの
末端に制限部位が生じる。好適な酵素で切断する
と、増幅された生成物は容易にプラスミド又はベ
クター中に挿入されクローニングされる。このク
ローニングは、混合物ではなく、個々の増幅され
た生成物の分析又は発現を可能にする。 同じ制限部位を両プライマーに使用することが
できるが、異なつた制限部位を使用すると生成物
を特定の方向にベクターに挿入することができ、
かつ2つのプライマーのうちの1つのみに起因す
る増幅から生ずる挿入だけでなく多数の挿入も抑
制することができる。単鎖配列決定用ベクターへ
クローニングする場合、単鎖ハイブリダイゼーシ
ヨンプローブが使用される場合、及びクローン化
された生成物が発現されるべき場合には、特定方
向へ挿入することが有用である。 プライマーを調製する1つの方法は、標的配列
と僅かしか異ならないプライマー配列を選択する
ことである。各プライマーが位置すべき領域は、
所望のベクターに好適な制限部位に相同であるよ
うにスクリーニングされる。例えば
“CAGTATCCGA……”という標的配列は、
BamHI部位を含む配列 と僅かに一塩基が異な
るにすぎない。プライマー配列はその3′末端にお
いて目的物に正確にマツチしかつその5′末端の近
傍に変形した配列と制限部位を有するように選択
される(例えば“CAGgATCCGA…”の小文字
は標的配列とマツチしていないことを意味する)。
この僅かに変化した配列は最初の標的配列とハイ
ブリダイズし重合を開始するプライマーの能力を
妨げるものではない。第1の増幅サイクルの後、
プライマーはコピーされ、標的となり、かつ新し
いプライマーと正確にマツチする。増幅工程後、
生成物は適切な制限酵素で開裂され、そして必要
ならば脱塩カラム又は分子量クロマトグラフイー
カラムを通してヌクレオチド三リン酸や塩等の連
結阻害剤を分離され、そして連結反応によりバク
テリオフアージM13のようなクローニングベクタ
ーに挿入される。遺伝子は、周知の技術を用いて
配列決定され、そして/又は発現される。 プライマーを調製する第2の方法は、プライマ
ーの3′末端を標的配列から採用し、そしてプライ
マーの5′末端に所望の制限部位を付加することを
含む。この例としてHind部位が配列
“cgaagctt CAGTATCCGA……”を形成するこ
とにより付加され、ここで小文字の意味は上記の
通りである。加えられた塩基は増幅の第1サイク
ルのハイブリダイゼーシヨンには寄与しないが、
その後のサイクルにおいてマツチする。増幅され
た最終生成物は制限酵素で切断され、上記の通り
クローニングされ、そして発現される。増幅され
る遺伝子は、例えばヒトのβ−グロビン、又はヒ
トのHLA DQ、DRもしくはDP−α及び−β遺
伝子である。 更に本法はインビトロの突然変異用として使用
することができる。オリゴデオキシリボヌクレオ
チドは増幅されるべきDNA配列と正確に相補的
である必要はない。これらは、ポリメラーゼ酵素
や他に使用されるいずれかの誘導試薬によつて伸
長されるために十分な程度に、鎖とハイブリダイ
ズすることができればよい。使用するプライマー
が最初の鋳型と正確に相補的でない場合のポリメ
ラーゼ連鎖反応の生成物は鋳型よりむしろプライ
マー配列を有し、これによりインビトロの突然変
異を可能にする。引き続くサイクルでは、より以
上のミスペアープライミングが必要とされないの
で、この突然変異が減ることのない効率下で増幅
される。このように生産された突然変異体は標準
的な分子生物学的技術により適切なベクター中へ
挿入され、変化した蛋白質を生産する能力等の変
化した特質をこのベクターに与える。 上述した変化したDNA配列を形成する方法は、
より以上の配列変化を誘発させるために異なつた
プライマーを使用して該変化したDNAに対して
繰り返すことができる。この方法では、一連の突
然変異配列が徐々に生成され、ここでこの一連の
ものに新しく加えられるものは、最後のものと僅
かに異なることがができるが、最初のDNA源配
列とは非常に大きく異なることができる。この方
法では、非常に大きなミスマツチの場合にプライ
マーが機能しないために単一ステツプでは行うこ
とのできない変化を、最終的には作り出すことが
できる。 更に、十分な量のプライマーが増幅される鎖に
相補的である配列を含むのであれば、プライマー
はその配列の一部として相補的でない配列を含む
ことができる。例えば鋳型配列に相補的でない核
酸配列(例えばプロモーター、リンカー、コード
配列等)を、1つ又は両方のプライマーの5′末端
に結合させることができ、これにより増幅工程の
生成物にこれを付加することができる。伸長プラ
イマーを添加した後、相補的でない核酸挿入部を
含む新しい鋳型の所望量を得るために十分な数の
サイクルを実施する。これにより簡単な技術を用
いて比較的短時間(例えば2時間又はそれ以下)
内に組合わされた断片を大量に生産することが可
能になる。 更に本法においては、最初の短い核酸断片の鎖
を分離することにより生成する単鎖の3′末端に相
補的かあるいは実質的に相補的である3′末端を有
し、かつ5′末端が中央切片に付加されるべき配列
の情報を含むものであるプライマーを使用して、
生成物より短鎖である既存の核酸断片(これを中
央セグメントという)から核酸断片を合成するこ
とができる。この方法は、 (a) 各核酸鎖に相補的である、各プライマーの伸
長生成物が合成される条件下で、該既存の断片
の鎖を2つのオリゴヌクレオチドプライマーで
処理し、ここで該2つのプライマーは、一方の
プライマーから合成される伸長生成物がその相
補体から分離されたときに他方のプライマーの
伸長生成物の合成のための鋳型としての役割を
果たすことができるように、前記既存断片の各
鎖の3′末端と実質的に相補的であるように選択
され、そして各プライマーはその5′末端におい
て前記既存断片と相補的でなくかつ合成される
核酸断片の2つの末端に対応するヌクレオチド
配列を含むものであり; (b) その上でプライマーの伸長生成物が合成され
た鋳型からプライマーの伸長生成物を分離して
単鎖分子を生成せしめ; (c) ステツプ(b)から生じた単鎖分子をステツプ(a)
のプライマーにより、ステツプ(b)において生成
した各単鎖をプライマーとして用いてプライマ
ー伸長生成物が合成される条件下で処理し、こ
うして2つの中間二重鎖核酸分子(このそれぞ
れには、オリゴヌクレオチド鋳型の一方の5′末
端に存在する核酸配列が導入されている)と2
つの十分に長い二重鎖核酸分子(このそれぞれ
に、オリゴヌクレオチドプライマーの両者の
5′末端に存在するヌクレオチド配列が導入され
ている)を生成せしめ; (d) 前記十分な長さの二重鎖分子の有効量を生産
するのに十分な回数ステツプ(b)とステツプ(c)を
繰り返し; (e) ステツプ(d)の生成物の鎖を2つのプライマー
で処理して、ステツプ(d)の生成物が両末端にお
いて伸びるようにし;そして (f) 中央セグメントとしてのステツプ(d)の生成物
及びステツプ(d)の生成物の鎖を分離することに
より生成する単鎖の3′末端と相補的か実質的に
相補的である2つのオリゴヌクレオチドプライ
マーをして使用しながらステツプ(a)からステツ
プ(d)までを繰り返す; ことから成る方法である。 ステツプ(b)とステツプ(c)は必要なだけ通常少な
くとも5回繰り返して、最終生成物を合成するた
めに必要な量(すなわち、有効量)の十分に長い
二重鎖生成物を生産する。更に中央のセグメント
を、先行する増幅サイクルの生成物として得るこ
とができる。ステツプ(d)の生成物は伸長又は増幅
の新たなサイクルの前に精製され、又は生成物を
含む反応混合物とし直接使用する。 プライマーの3′末端が最初の一層短い鎖の核酸
の単鎖の3′末端と正確に相補的でないときは、生
成物の中央のセグメントは該最初の一層短い鎖の
核酸にある配列情報と正確に同じではない。従つ
て最初の核酸の変異体を、その3′末端が最初の一
層短い鎖の核酸の単鎖の3′末端と実質的に相補的
であるプライマーを用いて作り出すことができ
る。 制限部位リンカーがプライマーに導入される
と、増幅された二重鎖生成物が適切な制限酵素で
消化され、迅速なクローニング及び配列決定のた
めにM13ベクター中に直接連結される。特定の増
幅された標的配列を有するM13溶菌斑は、標的配
列に特異的なプローブと溶菌斑のリフトフイルタ
ーをハイブリダイズせしめることにより同定する
ことができる。 本法は、伝染性疾患、遺伝子性疾患又は細胞性
疾患、例えば癌、と関連する特定の核酸配列、例
えば発癌遺伝子、の検出及び/又は特徴付けを可
能にするために使用される。増幅は、例えば胎児
細胞から得られるDNAを用いる鎌状赤血球貧血
の胎児診断等、分析に利用できる核酸の量が非常
に小さい場合に有用である。増幅は、本来的に感
度の良くない非放射性検出技術を用いて少量の試
料を分析する場合、又は放射性技術を用いるが迅
速な検出が望ましい場合に特に有用である。 本発明の目的のためには、遺伝子性疾患は、例
えば鎌状赤血球貧血、嚢胞性繊維症、α−サラセ
ミア、β−サラセミア等の、任意の生物体からの
ゲノムDNA中の特定の欠損及び/又は変異を含
む。鎌状赤血球貧血は本法による好適なDNA配
列の増幅の後のオリゴマー制限分析又はRFLP状
分析を経て容易に検出することができる。α−サ
ラセミアは配列が存在しないことにより検出する
ことができ、β−サラセミアは疾患を起こさせる
変異に近接してリンクする多形性
(polymorplic)制限部位の存在により検出する
ことができる。 これら全ての遺伝子性疾患は適切な配列を増幅
し、それを放射性プローブを使用せずにサザンプ
ロツト法により分析して検出することができる。
このような方法では、例えば非常に少量の所望配
列を含む羊水からのDNAの少量の試料を増幅し、
制限酵素で切断し、そしてサザンプロツト法で分
析する。増幅シグナルをハイレベルとすることに
より、非放射性標体を使用することが容易にな
る。 他の態様では、少量のDNAを便利なレベルま
で増幅し、次に更に伸長反応を行うが、この場合
容易に検出できるヌクレオチド誘導体(例えば
32P又はビオチンでラベルしたヌクレオチド三リ
ン酸)を直接最終のDNA生成物に導入し、これ
を制限分析及び電気泳動分析あるいは任意の他の
好適な方法を用いて分析する。この技術のモデル
系の例を第5図に示してある。 第3図のモデル系に示した更に他の態様では、
核酸は増幅の前に特定の制限エンドヌクレアーゼ
に暴露する。切断された配列は増幅できないの
で、予め制限酵素で処理したDNA試料の存在に
もかかわらず増幅された断片が現れることは増幅
された配列中にエンドヌクレアーゼの部位がない
ことを意味する。増幅された配列が存在するか否
かは適当な方法で検出することができる。 この技術の実際的な適用方法は、本明細書とサ
イキらによるBiotechnology3巻1008−1012頁に
記載されているオリゴマー制限技術を用いて鎌状
赤血球貧血の検出を容易にする使用により例示す
ることができる。鎌状赤血球貧血はβ−グロビン
遺伝子の第6コドンの1つの塩基対の変化により
生ずるヘモグロビンの疾患である。第6図は多血
現象(polymorphish)領域中の正常及び鎌状赤
血球貧血のβ−グロビン遺伝子の配列を示すもの
で、一本線は正常遺伝子にのみ存在するDde部
位の位置を示し、二本線は正常及び鎌状赤血球貧
血対立遺伝子の両方に存在する非多形性のHinf
部位の位置を示す。第7図は両制限部位部位間
にわたり星印で示された部分がラベルされている
プローブを用いて正常のβ−クロビンDNAをオ
リゴマー制限開裂する方法を示すものである(プ
ローブは、制限部位からの塩基対の数が、制限部
位から他の末端までの塩基対の数より少なくなる
方の末端にラベルすることが好ましい)。前に記
載したようにして増幅されたDNAが変性され、
ラベルされたプローブとアニールされる。増幅
は、2次構造の形成を最小に抑えるためにジメチ
ルスルフオキシドの存在下温度を上げて435−40
℃)実施する。酵素DdeはDNAを再構成され
たDde部位で開裂させ、ラベルされたオクタマ
ーを生じさせる。テストに使用した条件下では、
オクタマーはデユプレツクスから離れるのに十分
な短さである。引き続く酵素Hinfの添加は今
や単鎖であるオクタマーに何の影響も与えない。
第8図はβ−グロビンDNAの鎌状赤血球対立遺
伝子に適用した前記と同じ方法を示す。酵素Dde
は、A−Aの塩基対がミスマツチしたものであ
るため、増幅されたDNAとラベルされたプロー
ブとで形成されたデユプレツクスを開裂させるこ
とはできない。しかし酵素Hinfはハイブリツ
ド制限開裂せしめ、ラベルされたトリマーが生成
される。実際にはこの方法は、特定のシグナルが
いずれかの対立遺伝子の存在と関連するので、個
体のDNAが野性型のホモ接合体か、鎌状赤血球
貧血型のホモ接合体か又は鎌状赤血球貧血形質を
有するヘテロ接合体であるかを検診することがで
きる。上述の方法を使用して適切な配列を増幅さ
せることにより1つの32Pラベルのみを有するプ
ローブを用いて単コピー遺伝子性を迅速に分析す
ることができる。 種々の伝染性疾患は、原因となる微生物に特異
的でである特定のDNA配合の臨床試料中での存
在により診断することができる。これらはサルモ
ネラ、クラミジア、ネイセリア等の細菌、肝炎ビ
ールス等のビールス、マラリアの原因となるプラ
スモジウム(Plasmodium)等の奇生体を含む。
フアルコーに与えられた米国特許第4358535号は、
伝染性疾患の診断用の特別なDNAハイブリダイ
ゼーシヨンプローブの使用につき記述している。
フアルコー法に固有の問題は、感染した患者から
の臨床試料中には比較的少ない数の病原生物しか
存在せず、これらから抽出されたDNAは試料中
の全DNAの非常に小さな部分を構成するのみで
あるということである。DNA試料を固定化しハ
イブリダイゼーシヨン検出する前に問題となつて
いる配列を特異的に増幅することは、これらの方
法の感度と特異性を大きく改良する。 伝染性疾患の診断用にDNAプローブを臨床的
にルーチン化して使用することは、ワードのヨー
ロツパ特許第63879号に載されているように非放
射的にラベルされたプローブを使用するのなら
ば、大いに簡略化される。この方法では、ビオチ
ンを含むDNAプローブがアビジン又はビオチン
に特異的な抗体に結合した色素体
(chromogenic)酵素により検出される。この型
の検出は便利であるが、比較的低感度である。本
法による特異的なDNA増幅と安定にラベルされ
たプローブを組み合わせることにより、フアルコ
ー及びワードの方法をルーチン化した臨床におけ
る有用な方法に実施するのに要求される便利さと
感度を提供することができる。 更にプローブは、ビオチンが次式のスペーサー
アーム に結合したビオチン化したプローブとしてもよ
く、ここでYは、O、NH又はN−CHO、xは
1から4までの数、そしてyは2から4までの数
である。そして次にスペーサーアームは次式のプ
ソラレン成分に結合している。 プソラレン成分は、クラージ・テツベによる
Biocm.Biophys.Acta.697巻1−5頁(1982年)
に記載されているように“ギヤツプのある環状”
のプローブに挿入しかつ架橋し、ここでギヤツプ
のある環の単鎖ハイブリダイゼーシヨン領域はプ
ライマーに含まれる領域にわたる。 この増幅工程は単一コピーのヒト遺伝子から十
分な量のDNAを調製するのに利用することもで
き、これにより臭化エチジウムのような簡単な非
特異的なDNA染色によりそれを検出でき、直接
DNA診断を行うことができる。 伝染性疾患及び生物体のゲノム中の病原的異常
性を検出するほか、本法は任意の病原状態と関連
しないDNA多形現象(ボルモルフイズム)を検
出するために使用することもできる。 次の実施例は例示のために提示するもので、ど
のようにも本発明を限定することを意図するもの
ではない。これらの実施例で全てのパーセントは
固体の場合は重量で、液体の場合は容量であり、
他に指定がない限り温度は摂氏温度である。 実施例 1 次のヌクレオチド配列を有する25塩基対配列 5′CCTCGGCACCGTCACCCTGGATGCT3′ 3′GGAGCCGTGGCAGTGGGACCTACGA5′ (ATCCから得られるpBR322の47塩基対Fok
制限断片上に含まれる)を次のように調製し
た。47塩基対断片を含むpBR322のFok消化物
を供給者であるニユーイングランド社の指示によ
る条件に従つてpBR322をFokで消化すること
により調製した。使用したプライマーは、5′d
(CCTCGGCACCG)3′と5′d
(AGCATCCAGGGTG)3′であり、通常の技術
により調製した。25mMのリン酸カリウムと
10mMの塩化マグネシウム、及び100mMの塩化
ナトリウムから成る緩衝液(PH7.5)33μに2433
ピコモルの上述の各プライマー、2.4ピコモルの
pBR322のFok消化物、22ナノモルのデオキシ
ATP、22ナノモルのデオキシCTP:19ナノモル
のデオキシGTP及び10ナノモルのTTPを加え
た。 混合物を85℃で5分間加熱し、室温まで冷却し
た。E.コーリーDNAポリメラーゼのクレノー
断片の5単位を加え、温度を15分間維持した。そ
の後再度85℃で5分間加熱し、冷却した。クレノ
ー断片の5単位を再度加え、15分間反応を行つ
た。加熱、冷却及び反応の各ステツプを更に11回
繰り返した。 最後の繰り返しの後、5μを反応混合物から
取り出した。これを85℃で3分間加熱し、室温に
冷却した。12.5ピコモルのα−P32−デオキシシ
チジン三リン酸と5単位のクレノー断片を加え反
応を15分間進行させた。ラベルされた生成物をポ
リアクリルアミドゲルの電気泳動で確認した。13
サイクル後に見える強くラベルされたバンドのみ
が、意図する25塩基対配列であつた。 実施例 2 増幅されるべき所望の配列は、ヒトのβ−グロ
ビン遺伝子に含まれかつ鎌状赤血球貧血に関する
Mst部位を含む94塩基対の配列であつた。該配
列は第1図に示すヌクレオチド配列を有してい
る。 プライマーの合成 次の2つのオリゴデオキシヌクレオチドプライ
マーを下記する方法を用いて調製した。 5′CACAGGGCAGTAACG3′プライマーA、及
び 5′TTTGCTTCTGACACA3′プライマーB オートメーシヨン化された合成法 ビユーケージとカルサース法(Tetrahedron
Letters22巻1859−1862頁(11981年)に従つて合
成したジエチルフオスフオロアミダイトを、バイ
オサーチSAM−1を使用して制御した多孔ガラ
ス担体から誘導したヌクレオシドへ次々と濃縮し
た。この方法は、ジクロルメタン中でのトリクロ
ル酢酸による脱トリチル化と活性のある水素供与
体としてベンゾトリアゾールを使用する縮合、及
びテトラハイドロフラン及びピリジン中での無水
酢酸とジメチルアミノピリジンによるキヤツピン
グを含んでいた。1サイクルの時間は約30分であ
つた。各ステツプの収率は実質的に当量的であ
り、脱トリチル化の間に解離するジメトキシトリ
チルアルコールを集めた分光器による検査で決定
した。 オリゴデオキシリボヌクレオシドを脱保護化し、
精製する方法 固体担体をカラムから取り出し、1mlの濃水酸
化アンモニウムに閉鎖管中室温で4時間曝した。
担体を濾過で取り除き、一部が保護されたオリゴ
デオキシリボヌクレオチドを含む溶液の温度を55
℃に上昇させ、5時間維持した。アンモニアを取
り除き、残渣を調製用ポリアクリルアミドゲルに
適用した。30ボルト/cmで90分間電気泳動を行
い、生成物を含むバンドを螢光プレート上のUV
シヤドウイングで同定した。該バンドを切り取
り、1mlの蒸留水で一晩かけて4℃で溶出した。
この溶液をアルテツクPR18カラムにかけ、PH6.0
の1%酢酸アンモニウム緩衝液中7−13%のアセ
トニトリルで溶出した。この溶出液は260nmの紫
外吸収でモニターし、適切なフラクシヨンを集
め、固定した量での紫外吸収で定量分析し、かつ
室温下で減圧遠心機中で蒸発させ乾燥した。 オリゴデオキシリボヌクレオチドの特徴付け 精製したオリゴヌクレオチドのテスト溶液をポ
リヌクレオチドキナーゼ及びγ32P−ATPで32Pラ
ベルした。このラベルした化合物を50ボルト/cm
で45分間電気泳動にかけた後、14−20%のポリア
クリルアミドゲルのオートラジオグラフイーで確
認した。この方法では分子量を確認することがで
きる。ヘビ毒ジエステラーゼと細菌性アルカリフ
オスターゼを使用してオリゴデオキシリボヌクレ
オチドをヌクレオシドに消化し、そして次に、逆
相HPLCカラム、並びに10%アクリロニトル及び
1%酢酸アンモニウム移動相を使用して、誘導さ
れたヌクレオシドを分離し定量することにより塩
基組成を決定した。 DNA源 A 全ヒト野性型DNAの抽出 正常のβ−グロビンのヒトゲノムDNAホモ接
合体を、ステツトラーらによりProc.Nat.Acad.
Sci.の72巻5966−5970頁に記載された技術を用い
てセルラインMolt4(ヒユーマン・ジエネテイツ
ク・ミユータント・セル・レポジトリーから入手
し、CM2219cと同定した)から抽出した。 B クローン化したグロビン遺伝子の造成 正常のβ−グロビン遺伝子の1.9kbのBamHI断
片をコスミドpFC11から分離し、pBA322のBam
HI部位に挿入した(ソベロンらのGene9巻287
−305頁(1980年))。合成40塩基対プローブとハ
イブリダイズする領域を含むこの断片は、第1及
び第2のエクソン、第2のイントロン、並びに遺
伝子の5′のフランキング(flanking)配列を含む
(ローンらのCell15巻1157−1174頁)。このクロー
ンはpBR328:HbAと名付けられ、ATCC第
39698号として1984年5月25日に寄託された。 β−グロビンの鎌状赤血球貧血対立遺伝子の対
応する1.9kbのBamHI断片はコスミドpF12から
分離され、上述の通りクローン化された。このク
ローンはpBR328:Hbsと名付けられ、ATCC第
39699号として1984年5月25日に寄託された。 各組み換えプラスミドをE.コーリーMM294
(ATCC第39607号)へ形質変換し、そして増殖せ
しめた。 C クローン化されたグロピン遺伝子のMstに
よる消化 それぞれの全量が100μgであるpBR328:HbA
とPbr328:Hbsを単独で20単位のMst(ニユー
イングランドバイオラブ社)とともに16時間37
℃、150mMNaCl、12mMのTris HC1(PH7.5)、
12mMのMgCl2、1mMのジチオスレイトール
(DTT)及び100μg/mlのウシ血清アルブミン
(BSA)中で消化した。生成物はそれぞれ
pBR328:HbA/Mst及びpBR328:HbS/
Mstと名付ける。 ポリメラーゼの連鎖反応 60mM酢酸ナトリウム、30mMトリス−アセテ
ート及び10mM酢酸マグネシウムを含むPH8.0の
緩衝液100μへ100ピコモルのプライマーA(d
(CACAGGGCACTAACG)の配列)、100ピコモ
ルのプライマーB(d
(TTTGCTTCTGACACA)の配列)及び1000
ピコモルのデオキシATP、デオキシCTP、デオ
キシGTP及びTTPを含む2μの溶液を加えた。
更に上述した、下記のDNA源の1つを加えた。 10μgの全ヒト野性型DNA(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbA(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbS(反応) 0.1ピコモルのpBR328:HbA/Mst((反応
) 0.1ピコモルのpBR328:HbB/Mst(反応
) 非標的DNA(反応) 得られる各溶液を100℃で4分間加熱し2分間
で室温まで冷却し、その後E.コーリーDNAポリ
メラーゼのクレノー断片の4単位を含む1μを
加えた。各反応は10分間行い、その後プライマ
ー、ヌクレオチド及びDNAを加え、加熱し、冷
却し、ポリメラーゼを加え、そして反応させるサ
イクルを反応については19回、反応−につ
いては4回繰り返した。 第1サイクルの前及び各反応の最後のサイクル
の後で取り出された反応及びのアリコート4
マイクロリツトルを、PH8.3の0.089Mトリス硼酸
塩緩衝液中で、2.5mMEDTA中で、12%ポリア
クリルアミドゲルに加えた。このゲルを25ボル
ト/cm、4時間電気泳動させ、固相担体として機
能するナイロン膜へ移し、そして、PH7.4で30%
のフオルムアミド、3xSSPE、5xデンハルツ及び
5%のドデシル硫酸ナトリウム中で、標準的技術
を用いて調製した次式: 5′d(TCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTACTGCCCTGTGGGGCA
AG)3′ の32Pでラベルされた40塩基対の合成断片で検知
した。第2図は、反応及び用の検知されたナ
イロン膜のオートラジオグラフである。レーン1
は0.1ピコモルの58塩基対の対照合成断片で、そ
のうちの1つの鎖は上記プローブと相補的であ
る。レーン2は第1の増幅サイクルの前の4μ
の反応1の液である。レーン3は20回の増幅サイ
クル後の4μの反応1の液である。レーン4は
5回の増幅サイクル後の4μの反応の液であ
る。レーン5はα−32P−デオキシNTP及びポリ
メラーゼでラベルされたpBR322(ニユーイング
ランドバイオラブ社)のFok((ニユーイング
ランドバイオラブ社)から成る分子量標準であ
る。レーン3は、20サイクル後反応混合物は適
切な分子量を有する特定の配列を大量に含み、他
の検出できる生成物がないことを示している。5
サイクル後の反応混合物もレーン4に示す通り
出発物質である核酸と他の生成物の他にこの生成
物も含んでいる。 5サイクル後の反応からの液5.0μに上述
の各プライマー5ピコモルを加えた。溶液を4分
間100℃に加熱し室温へ戻した。それぞれ3ピコ
モルのα−32P−デオキシATP、α−32P−デオ
キシCTP、α−32PデオキシGTP及びα−32P−
TTP、並びに4単位のクレノー断片を加えた。
最終的な容積が10μであり塩濃度が上した通り
である反応を10分間行わせた。ポリメラーゼ活性
は60℃で20分間加熱すると失われた。反応−
の反応液4μを、0.089Mトリス硼酸塩緩衝液、
2.5mMEDTA中で12%ポリアクリルアミドゲル
に加えた。このゲルを25ボルト/cm、4時間電気
泳動させ、その後オートラジオグラフ処理した。 第3図は、電気泳動のオートラジオグラフであ
る。レーン1は分子量標準、レーン2は反応、
レーン3は反応、レーン4は反応及びレーン
5は反応である。対照としてのDNAを伴なわ
ない反応のレーンはレーンのどこにもイメージ
を有さない。図から、標的DNAから予想される
94塩基対断片は、無傷のβ−グロブリンDNA配
列が増幅用に使用できるときのみ存在できること
が分かる(つまりレーン2のpBR328:HbA、レ
ーン3のpBR328:HbS及びレーン5の
pBR328:HbS/Mst)。Mstによる消化は
pBR328:HbAを94塩基対配列中で切断し、それ
を増幅できないようにし、94塩基対のバンドはレ
ーン4に現れない。これに対し、pBR328:HbS
の94塩基対配列はプラスミドがMstで消化され
ても切断せず、従つて第5図に示すように増幅に
利用できる。 第4図は94塩基対配列を増幅する3サイクルの
連鎖反応を示すものである。PCO1とPCO2は
プライマーA及びBである。右の数はサイクルを
示し、左の数は特定の分子が生産されたサイクル
数を示す。 実施例 3 本実施例は、ヒトヘモグロビン遺伝子中の対立
遺伝子Mst部位を含む110塩基対配列の増幅を
示すものである。 プライマーは実施例2の技術で調製されたもの
である。1.0マイクログラムの全ヒトDNA、100
ピコモルのd
(ACACAACTGTGTTCACTAGC)及び100ピ
コモルのd(CAACTTCATCCACGTTCACC)
を以下のような100μの溶液に溶解させた。 1.5mM各4つのデオキシリボヌクレオシド三
リン酸 30mMPH7.9のトリスアセテート緩衝液 60mM酢酸ナトリウム 10mM酢酸マグネシウム 25mMジチオスレイトール この溶液を100℃で1分間加熱し、迅速に25℃
に下げて1分間加熱し、その後DNAポリメラー
ゼのクレノー断片2.5単位を加えた。ポリメラー
ゼの反応が25℃で2分間行い、その後加熱、冷
却、クレノー断片の添加及び反応を望むだけ繰り
返した。 各サイクルの効率が70℃で、15サイクル行つ
て、β−グロビン遺伝子の所望の110塩基対断片
1.4フエトモルを合成した。 実施例 4 本実施例は、ヒトヘモグロビン遺伝子の対立遺
伝子中のMst部位を含む240塩基対配列の増幅
を示すものである。この配列は、Nco、Hinf
及びMst制限部位を含んでいる。 PHが8.0で、60mM酢酸ナトリウム、30mMト
リスアセテート及び10mM酢酸マグネシウムの混
合物(0.1ピコモルのpBR328:HbAを含む)に、 100ピコモルのd
(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)プライ
マー、 100ピコモルのd
(TAACCTTGATACCAACCTGCCC)プライ
マー、 各1000ピコモルのデオキシATP、デオキシCTP、
デオキシGTP及びTTP を含む2μの溶液Aを加えた。 2つのプライマーは実施例2に記載した技術で
調製した。溶液を100℃で4分間加熱し、空気中
で2分間冷却し、その後E.コーリーDNAポリメ
ラーゼのクレノー断片4単位を含む液1μを加
えた。反応を10分間進行させ、その後溶液Aの添
加、加熱、冷却、ポリメラーゼの添加及び反応か
らなるサイクルを3回繰り返した。反応液5.0μ
に、上記の各オリゴヌクレオチドプライマー5ピ
コモルを加えた。溶液を100℃で4分間加熱し、
室温まで下げ、その後それぞれ3ピコモルのα−
32P−ラベルされたデオキシリボヌクレオシド三
リン酸及び4単位のクレノー断片を加えた。最終
的な容量が10μで塩濃度が上記の通りである反
応を10分間進行させる。ポリメラーゼ活性は60℃
で20分間加熱すると失活した。2μのアリコー
トをNco、Hinf及びMstで消化し、PH8.3
の0.089Mトリスアセテート緩衝液、
0.25mMEDTA中で12%ポリアクリルアミドゲル
に加えた。ゲルを25ボルト/cmで4時間電気泳動
させ、オートラジオグラフ処理した。第5図は電
気泳動のオートラジオグラフを示し、ここでレー
ン1は分子量標準、レーン2は酵素の消化を伴わ
ないもの(無傷の240塩基対)、レーン3はNco
による消化(131及び109塩基対)、レーン4は
Mstによる消化(149及び91塩基対)、そしてレ
ーン5はHinfによる消化(144及び96塩基対)
である。オートラジオグラフは240塩基対反応の
増幅したものと一致する。 実施例 5 本実施例は、逐次的消化による鎌状赤血球貧血
を検出するための本発明の方法の使用を示すもの
である。 オリゴデオキシリボヌクレオチドの合成及びリン
酸化 5′*
CTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTA
CTGCCCTGTGGG3′ の配列のラベルされたDNAプローブ(*がラベル
を意味する)RS06、及びRS06と3つの塩基対が
ミスマツチしている。
3′GACAGAGGTCACCTCTTCAGACGGCAA
TGACGGGACACCC5′ の配列のラベルされていないブロツクオリゴマー
RS10を、実施例2()の方法に従つて合成し
た。プローブRS06は、その5ピコモルを、
70mMトリス緩衝液(PH7.6)、10mM MgCl2、
1.5mMスペルミン及び2.5mMジチオスレイトー
ルを含む反応容量40μ中の4単位のT4ポリヌク
レオチドキナーゼ(ニユーイングランドバイオラ
ブ社)及び50ピコモルのγ−32P−ATP(ニユー
イングランドニユークレア社、約7200Ci/ミリモ
ル)と接触させることによりラベルした。全容量
を25mMEDTAで100μに調節し、トリス−
EDTA(TE)緩衝液(10mMトリス緩衝液、
0.1mMEDTA、PH8.0)により平衡化されたバイ
オラツド製の1mlのBio Gel P−4スピン透析
カラム上でマニアテイスらがMolecular Cloning
464−465頁(1982年)に記載している方法に従つ
て精製した。ラベルされたプローブは、トリス−
硼酸−EDTA(TBE)緩衝液(89mMトリス、
89mM硼酸、2.5mMEDTA、PH8.3)中18%のポ
リアクリルアミドゲル(19:1のアクリルアミ
ド:BISとバイオラツド)上で500vhrにて電気泳
動してさらに精製した。オートラジオグラフによ
る位置きめの後、ラベルされたプローブを含む部
分を切り取り、粉砕し、0.2mlのTE緩衝液中へ一
晩かけて4℃で溶出させた。反応生成物のTCA
沈澱は比活性が4.9Ci/ミリモルであり、最終的
濃度が20ピコモル/mlであることを示している。 ラベルされないRS10ブロツキングオリゴマー
は200ピコモル/mlの濃度で使用した。 細胞系からのヒトゲノムDNAの分離 実質的にステツトラーらのPNAS79巻5966−
5970頁(1982年、Molt4について)に記載の方法
及びマニアテイスらのMolecular Cloning280−
281頁(1982年)に記載の方法を使用して、
Molt4、SC−1及びGM2064のリンパ球系から高
分子のゲノムDNAを分離した。 Molt4(ヒユーマン・ミユータント・セル・デ
ポジトリー,GM2219C)は正常のβ−グロビン
についてホモ接合体のT細胞系であり、そして
ATCCに1985年3月19日に寄託されたSC−1は
鎌状赤血球貧血対立遺伝子についてホモ接合体の
EBVで形質変換されたB細胞系である。
GM2064(ヒユースマン・ミユータント・セル・
デポジトリ−,GM2064)は胎児ヘモグロビンの
遺伝的な永続性(HPFH)についてホモ接合体
である個体から最初単離され、β−又はδ−グロ
ピン遺伝子配列を含んでいない。全ての細胞系は
10%の牛胎児血清を含むRPMI−1640中に維持さ
れた。 臨床血液試料からのヒトゲノムDNAの単離 既知の鎌状細胞キヤリヤー(AS)からのCH12
と名付けられた臨床血液試料をカルフオルニア州
オークランドの小児病院のベルトラム・ルビン博
士から得た。ヌンベルグらのProc.Nat.Acad.Sci.
75巻5553−5556頁(1978年)に記載されている方
法の変法を使用して、主に末梢の血液リンパ球か
ら成るバフイーコート部分からゲノムDNAを調
製した。 細胞を、5mlのトリス−EDTA−NaCl(TEN)
緩衝液(PH8の10mMトリス、PH8、
1mMEDTA、10mMNaCl)中に再懸濁し、0.2
mg/mlのプロテイナーゼ、0.5%のSDSに調節し、
そして37℃で一晩インキユベートした。過塩素酸
ナトリウムを0.7Mに加え、そして細胞溶解物を
室温で1−2時間穏やかに振とうした。細胞溶解
物をフエノールとクロロフオルムの1:1混合物
30mlで抽出し、続いてクロロフオルム30mlで抽出
し、次にエタノールで核酸を沈澱させた。ペレツ
トを2mlのTE緩衝液に再懸濁させ、RNaseを
0.005mg/mlに加えた。37℃で1時間消化させた
後、DNAを同量のフエノノール、フエノール/
クロロフオルム、及びクロロフオルムでそれぞれ
一度ずつ抽出し、エタノールで沈澱させた。
DNAを0.5mlのTE緩衝液に再懸濁させ、260nm
の吸収により濃度を決定した。 β−グロビン配列を選択的に増幅するためのポリ
メラーゼ連鎖反応 2マイクログラムのゲノムDNAを、10mMト
リス緩衝剤(PH7.5)、50mMNaCl、
10mMMgCl2、150ピコモルの配列 d(CACAGGGCACTAACG)のプライマーA、
及び配列 d(CTTTGCTTCTGACACA)のプライマーB
を含む反応容量100μの当初溶液中で増幅し、
かつ蒸発を防ぐため約100μ厚の鉱油で被覆し
た。 各DNA試料につき、1サイクルが次の3ステ
ツプから成る増幅のための15サイクルを行つた。 (1) 2分間95℃で熱ブロツクセツト中で変性す
る。 (2) 熱ブロツクセツトを直ちに30℃に移し2分間
プライマーとゲノムDNAがアニーリングする
ようにする。 (3) E.コーリーDNAポリメラーゼIのクレノー
断片(ニユーイングランドバイオラブ)5単位
とデオキシATP、デオキシCTP、デオキシ
GTP及びTTPそれぞれ1ナノモルを含む2μ
の溶液(10mMトリス(PH7.5)、50mMNaCl、
10mMMgCll2、及び4mMジチオスレイトール
から成る緩衝液中)を加える。この伸長反応を
30℃にて10分間行つた。 最後のサイクルの後、95℃に2分間維持して反
応を停止させた。鉱油は0.2mlのクロロフオルム
で抽出して廃棄した。最後の反応液の容量は
130μであつた。 プローブ及びDde/Hinfによる増幅したゲノ
ムDNAのハイブリダイゼーシヨン/消化 25マイクロリツトルの増幅されたゲノムDNA
をエタノールで沈澱させ、同量のTE緩衝液中に
再懸濁した。10マイクロリツトル(154ngのゲノ
ムDNAと同等の前増幅体を含む)を1.5mlのマイ
クロフユージ管に入れ、そして20μのTE緩衝
液により最後の容量を30μとした。試料を鉱油
で被覆して95℃で10分間変性した。ラベルされた
RS06プローブ0.02ピコモルを含む0.6MNaCl10マ
イクロリツトルを管に加え、穏やかに混合し、直
ちに56℃の熱ブロツクに移して1時間おいた。ラ
ベルしていないRS10ブロツキングオリゴマー4
マイクロリツトル(0.8ピコモル)を加え、更に
10分間同じ温度でハイブリダイゼーシヨンを続け
た。5マイクロリツトルの60mMMgCl2/0.1%
BSA及び1μのDel(10単位、ニユーイングラ
ンドバイオラブ)を加え、再アニーリングされた
DNAを56℃で30分間消化した。1マイクロリツ
トルのHinf(10単位、ニユーイングランドバ
イオラブ)を加え、更に30分インキユベートし
た。4μの75mMEDTAと6μのトラツキング
染料を最終容積が61μになるように反応混合物
に加えて反応を終了した。 鉱油を0.2mlのクロロフオルムで抽出し、18μ
の反応混合物(45nmのゲノムDNA)をヘーフア
ーSE200装置中の30%ポリアクリルアミドのミニ
ゲル(19:1、バイオラド)に負荷した。このゲ
ルをブロモフエノールブルー染料の前端が当初の
位置から3.0cm動くまで約300ボルトで1時間電気
泳動させた。該ゲルの前端の1.5cmは取り除かれ、
残残りのゲルは4日間−70℃で強化スクリーンに
曝される。 写真の検討(第9図) 各レーンは45ngの増幅されたゲノムDNAを含
んでいる。レーンAはMolt4DNAを、レーンB
はCH12を、レーンCはSC−1を、又レーンDは
GM2064を含んでいる。Molt4は、細胞当たり2
コピーのβA遺伝子を有する正常の個体の遺伝子型
CAAであり、CH12は、細胞当たり1個のβAと1
個のβS遺伝子を有する鎌状細胞キヤリアからの臨
床用試料(AS)であり、そしてSC−1は細胞当
たり2コピーのβSを有する鎌状血球血貧血個体の
遺伝子型を意味する。CM2064はβ−又はδ−グ
ロビン配列を含有せず、ネガテイブ対照として存
在する。 写真から分かるようにDdeで開裂された、βA
特異的であるオクタマーはβA遺伝子を含むDNA
にのみ存在し(レーンA及びB)、Hinfで開裂
された、βS特異性を有するトリマーは、βS遺伝子
を含むDNAにのみ存在する(レーンB及びC)。
トリマー及びオクタマーの両者の存在(レーン
B)は鎌状赤血球貧血キヤリアを示すものであ
り、オクタマーのみを生ずる正常の個体(レーン
A)及びトリマーのみを示す鎌状赤血球貧血にか
かつている個体(レーンC)から区別される。 比較のため、上記実験を増幅されていないゲノ
ムDNAを用いて繰り返し行い、増幅を行うと検
出感度が少なくとも1000倍増加することが分かつ
た。 実施例 6 本実施例は、ラベルされたプローブを使用する
ことなく全ヒトDNA中の全く精製されていない
単一コピー遺伝子をゲル上で直接検出する方法を
示すものである。 実施例3に記載した技術を用い、β−グロブリ
ン遺伝子の第1エクソン中の配列からの110塩基
対断片を、全ヒトDNA10マイクログラムから20
サイクルで増幅した。この20サイクル後に生産さ
れる110塩基対断片は、臭化エチジウムにより容
易に染色されてゲル上で見ることができる。 配列は、最初に制限酵素Ddeにより切断され
ると、配列がβ−グロビンのS対立遺伝子中にお
ける場合のように酵素により認識される制限部位
を含まないものでない限り、増幅されなかつた。 実施例 7 A ヒトβ−グロビンA対立遺伝子からの1.9kb
挿入部を含有する合計100フエムトモルの
pBR328、500Ci/モルである各α−32P−デオ
キシNTPを50ナノモルずつ、及び実施例3で
使用した各プライマー1ナノモルを、100μ
の30mMトリス−アセテート(PH7.9)、60mM
酢酸ナトリウム、100mMジチオスレイトール
及び10mM酢酸マグネシウムを含む溶液中に溶
かした。この溶液を100℃にして2分加熱し、
25℃にて1分冷却した。4.5単位のE.コーリー
DNAポリメラーゼ及び0.09単位の無機ピロ
フオスフアターゼを加えて反応混合物中でピロ
リン酸が生ずるのを防止し、その後反応を25℃
で2分間進行させ、更に加熱、冷却、酵素の添
加及び反応のサイクルを9回繰り返した。各合
成サイクルの後、10μのアリコートを取り出
し1μの600mMEDTAに加えた。それぞれ
を、90mMのトリスボレート及び
2.5mMEDTA中、PH8.3で14%のポリアクリル
アミドゲル上で24ボルト/cm、2.5時間で分析
した。操作の終了したゲルは、0.5μg/mlの臭
化エチジウムを加えた同じ緩衝液に20分浸し、
当初の緩衝液で洗浄し、赤フイルターを用いて
紫外線中で写真を撮影した。 生産された110塩基対断片は紫外線でゲルか
ら切り出し、そしてクレンコフ放射により計数
した。Nがサイクル数を意味し、yがサイクル
毎の部分的収率である式 pmoles/10μ=0.01((1+y)N−yN−1)、 にデータを一致させようとする試みは、yが
0.619であときに楽観的なものとなる。これは、
十分な増幅が起こつていることを暗示してい
る。 B 各デオキシNTPを100ナノモルずつ100μの
反応溶液に加え、放射性ラベルを行わず、各サ
イクル毎に液を取り出さなかつた以外は、上記
実験を繰り返した。10サイクル後に反応物を2
分間沸騰させて反応を停止させ、57℃、1時間
で再ハイブリダイゼーシヨンを行つた。110塩
基対生成物の配列を、その8μのアリコート
を、1μの血清アルブミン(25mg/ml)と1μ
の好適な制限酵素((Hinf、Mnl、Mst
、Nco)を加えて制限分析し、37℃で15時
間反応させて確認した。DAGEは、上述の通
り行つた。 実施例 8 本実施例は、pBR328とpBR322の種々の断片
を増幅するために異なつたプライマーを使用する
例を示す。 A 次のプライマーを使いpBR328の130塩基対
断片を調製すること以外は実施例7Aと同じよ
うに実験を繰り返した。 (TTTGCTTCTGACACAACTGTGTTCACTAGC)及び d(GCCTCACCACCAACTTCATCCACGTTCACC) B 次のプライマーを用いたこと以外は実施例
7Aと同じように実験を繰り返しpBR328の262
塩基対断片を調製した。反応時間はサイクル当
たり20分であつた。 d(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)
及び d(TGGTCTCCTTAAACCTGTCTTG) C ヒトβ−グロビンS対立遺伝子からの1.9kb
の挿入部を含む100フエムトモルのpBR328の
Mst消化物を当初の鋳型として用いた以外
は、実施例8Bと同様に実験を行つた。該プラ
スミドはMstにより数回切断されたが、増幅
すべき配列の内側では切断が起こらなかつた。
更に、使用したプライマーは次の通りで、240
塩基対断片を生産した。 d(GGTTGGCCAATCTACTCCCAGG)
及び d(TAACCTTGATACCAACCTGCCC) D 100フエムトモルのpBR322のNru消化物を
鋳型として用い、100μの反応液中で各デオ
キシNTPを200ナノモル使用し、次のプライマ
ーを使用してpBR322から500塩基対断片を生
産した以外は実施例7Bと同様に実験を行つた。 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(CTTCCCCATCGGTGATGTCG) 反応時間は37℃でサイクル当たり20分であつ
た。最後の再ハイブリダイゼーシヨンは57℃で15
時間行つた。電気泳動は4%アガロースゲル上で
行つた。 実施例 9 本実施例は、インビトロ変異が増幅されたセグ
メントに導入されるような本発明方法を例示する
ものである。 A Nruで直線化したpBR322合計100フエムト
モル、1ナノモルの75塩基対断片を生成するよ
うに設計されたそれぞれ次式 d(CGCATTAAAGCTTATCGATG)及び d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT) のプライマー、それぞれ100ナノモルの各デオキ
シNTPを、PH8の40mMトリス、20mM
MgCl2、5mMジチオスレイトール及び5mg/ml
のウシ血清アルブミンの溶液100μ中で混合し
た。この混合物を100℃にして1分間加熱し、水
浴中23℃、0.5分間冷却し、次に4.5単位のクレノ
ー断片と0.09単位の無機ピロフオスフアターゼを
加え、反応を3分間行つた。加熱、冷却、酵素添
加及び反応のサイクルを9回繰り返した。10回目
の反応サイクルは凍結により終了させ、反応混合
物のアリコート8μを4%アガロースゲルに適
用し、臭化エチジウムにより覚化した。 B オリゴヌクレオチドプライマーとして次式の
ものを使用した以外は実施例9Aと同様の実験
を繰り返した。 d(CGCATTAAAGCTTATCGATG)及び d(AATTAATACGACTCACTATAGGGAGATAGGCGTATCACGA
GGCCCT) これらのプライマーは101塩基対を生産するよ
うに設計され、その(2番目のプライマー中の)
26ヌクレオチドはpBR322には存在しない。これ
らのヌクレオチドはT7プロモーターの配列を表
すもので、これを、pBR322からの75塩基対配列
に、20の相補的塩基と26塩基の5′側伸長部とを有
するプライマーを使用して連結した。この方法は
2時間より少ない時間で実施することができ、
100フエムトモルのpBR322から比較的純粋な101
塩基対断片2ピコモルを生産することができた。 T7プロモーターはRNA転写を開始させるため
に使用できる。T7ポリメラーゼを101塩基対断片
に加えて単鎖RNAを生成せしめることができる。 C オリゴヌクレオチドプライマーとして下記の
ものを使用して、pBR322から1000塩基対断片
を調製した以外は実施例8Dと同様に実験を繰
り返した。 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(CCAGCAAGACGTAGCCCAGC) D 上記9cと同様の実験を繰り返した。但し、オ
リゴヌクレオチドプライマーとして下記のも
の、 d(TAGGCGTATCACGAGGCCCT)及び d(AATTAATACGACTCACTATAGGGAGATAGGCGTATCACGA
GGCCCT) を使用して1026対断片を調製した。2番目のプラ
イマーの26ヌクレオチドはpBR322には存在せ
ず、上記のT7プロモーターを示すものである。
このプロモーターは、pBR322からの1000塩基対
断片に隣接して挿入された。 これらの結果は、鋳型鎖と完全にマツチしてい
ないがそれにもかかわらず十分にハイブリダイズ
して酵素的に伸長するプライマーは、当初の鋳型
に対応する鎖よりむしろプライマーの鎖を含む長
鎖生成物を生成せしめるということを暗示する。
長鎖生成物はインビトロ変異を生じさせる第2の
プライマー用の鋳型としての役割を果たす。その
後のサイクルでは、更に多くのミスペアしたプラ
イミングが要求されないので、効率が減少するこ
となくこの変異は増幅される。この場合、その
5′末端に相補的でない伸長部分があるプライマー
が、複製されるべき鋳型に隣接して生成物中に新
しい配列を挿入するために使用された。 実施例 10 本実施例は単コピー遺伝子を増幅させる際にバ
ツクグラウンドを減少させるためにネスト状に
(nested)セツトしたプライマーを使用すること
を例示するものである。 野性型β−グロビン対立遺伝子についてホモ接
合体である全ヒトDNAに対して、20サイクルの
増幅を次のように行つた。10μgのDNA、それぞ
れ200ピコモルの次式のプライマー、 d(ACACAACTGTGTTCACTAGC)及び d(CAACTTCATCCACGTTCACC) 並びに100ナノモルずつのdNTPを、100μの
30mMトリス−アセテート、60mM酢酸ナトリウ
ム、10mMジチオスレイトール、及び10mM酢酸
マグネシウム中で100℃にて1分間加熱し、25℃
に1分間下げて、そして2単位のクレノー断片と
ともに2分間処理した。加熱、冷却、クレノー試
薬の添加のサイクルを19回繰り返した。10μの
液体を反応混合物から取り出し、更に10回の増幅
のためのサイクルを次の各プライマーを用いて行
つた。 d(CAGACACCATGGTGCACCTGACTCCTG)及び d(CCCCACAGGGCAGTAACGGCAGACTTCTCC) これらは、上記で生産された110塩基対断片中
に含まれる58塩基対断片を増幅した。増幅すべき
最後の10回のサイクルは、10μのアリコート
を、上記した各デオキシNTP100ナノモルと各プ
ライマー200ピコモルを含む90μの新しいトリ
ス−アセテート緩衝液に希釈することにより達成
することができた。反応条件は上記の通りとし
た。10サイクルの後10μのアリコート(当初の
DNAの100ナノグラムに対応)を6%のNuシー
ブ(FMC社)アガロースゲルに加え、臭化エチ
ジウムを使つて視覚化した。 第10図は、紫外線で発光させた従来法の通り
赤いフイイルターを通して写真撮影した上記ゲル
を示すものである。レーン1は分子量のマーカー
である。レーン2は上記反応のアリコートであ
る。レーン3は当初の野性型DNAが増幅の前に
Ddeにより開裂されたこと以外は上記記したも
のと同じ反応のアリコートである。レーン4は鎌
状赤血球貧血β−グロビン対立遺伝子についてホ
モ接合体であるヒトDNAを増幅の前にDdeで
処理したこと以外は上記と同様な反応のアリコー
トである(鎌状赤血球貧血対立遺伝子は増幅され
る断片内にDde部位を含まない)。レーン5は
鮭の精子DNAでヒトDNAを置き換えた以外は上
記と同様の反応のアリコートである。レーン6は
増幅後反応液をDdeで処理したこと以外は上記
と同様な反応のアリコートである(Ddeは58塩
基対の野性型生成物を27塩基対及び34塩基対の断
片に変換する)。レーン7は増幅後Ddeで処理
したレーン4の材料のアリコートである(58塩基
対の鎌状赤血球貧血生成物はDdeを含まない)。 アガラーセゲルの臭化エテジウム染色のみを使
用してヒトDNAの1マイクログラムからの単コ
ピー遺伝子を代表する58塩基対断片を検出するた
めには、約500000倍に増幅することが必要であ
る。これは、ここで2つのオリゴヌクレオチドの
ネスト状セツトを使用して達成することができ
る。第1のセツトは110塩基対断片を増幅し、そ
して内部のネスト状セツトは、第10図に示すよ
うに便利に検出できるレベルになるまでこの生成
物のサブ−断片を増幅する。先行する増幅工程で
増幅された配列中に含まれ、又他のプライマーの
伸長生成物中にも含まれるより小さな配列をプラ
イマーを使つて増幅する本法は、例えばコナーら
のPNAS80巻278頁(1983年)及びレアリーらの
PNAS80巻4045頁(1983年)に記載されているよ
うに放射性同位体又は非放射性同位体プローブの
ハイブリダイゼーシヨンの方法論に頼ることな
く、β−グロビンの座における野性型を鎌状赤血
球貧血対立遺伝子から区別することを可能にす
る。 実施例 11 本法は、患者のDNA試料中の例えばクラミジ
アのような伝染性疾患と関連する特定の配列を、
所望の増幅された配列を含むビオチン化されたハ
イブリダイゼーシヨンプローブを使用しかつ前述
の米国特許第4358535号に記載された方法を使用
して検出する際に有用であることが期待される。
ビオチン化されたハイブリダイゼーシヨンプロー
ブは、一部が二重鎖となつたDNAに、次式のス
ペーサーアームを介してビオチンに結合した4′−
メチレン置換−4,5′−8−トリメチルプソラレ
ンを挿入しかつ光を照射することにより調製する
ことができる。 −(CH2)2−O〔(CH2)xO〕y−CH2CH2NH- 式中Yは、O,NH又はN−CHO、xは1か
ら4までの数、そしてyは2から4までの数であ
る。プローブ上のビオチニル基の検出には、エン
ゾバイオケム社により市販されているストレプタ
ビジン−酸性フオスフアターゼ複合体を用いて、
パンフレツトに製造者が示している検出方法によ
り達成することができる。ハイブリダイゼーシヨ
ンプローブは、検出用複合体との結合、及びそれ
に続く酸性ホスフアターゼにより触媒される反応
(この反応が沈澱性色素を生成する)に基く沈澱
した染色スポツトとして見ることができる。 実施例 12 本実施例では、実施例7の方法を基本的には使
用し、ヒトβ−グロビン遺伝子上の119塩基対断
片を次のプライマーを使用して増幅させた。 5′−
CTTCTGcagCAACTGTGTTCACTAGC
−3′(GH18) 5′−CACaAgCTTCATCCACGTTCACC
−3′(GH19) ここで小文字は野性型配列とミスマツチし、制
限酵素部位を生成する。全スキームは表1に示し
てある。表1はヒトβ−グロビン遺伝子の119塩
基対断片をクローン化しかつ配列決定するために
使用され、又内部制限部位を含むよう設計されて
いるプライマーGH18及びGH19を図解したもの
である。出発コドンATGにはアンダーラインが
引かれている。GH18は、負鎖と相補的な26塩基
対のオリゴヌクレオチドでかつ内部にPst部位
を有している。GH19は正鎖に相補的である23塩
基対のオリゴヌクレオチドであり、内部にHind
認識部位を含んでいる。矢印は、DNAポリメ
ラーゼによる伸長方向を示す。四角で囲つた配
列は各プライマーの制限酵素認識配列を示す。こ
れらのプライマーは、バクテリオフアージM113
のPstとHind制限部位に対して相同である遺
伝子領域を第1にスクリーニングして選択され
た。次に、プライマーは先行する実施例で記載し
た通りに調製された。 【表】 増幅及びクローニング 実施例2で述べたように細胞系Molt4から単離
した1マイクログラムのヒトゲノムDNAの増幅
を20サイクル行つた後、反応生成物の14分の1
を、ラベルしたβ−グロビンに特異的であり、そ
の配列が、5′−
CTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTAC
TGCCCTGTGGG−3′であるオリゴヌクレオチ
ドプローブRS06に上述のオリゴマー制限法を用
いてハイブリダイズさせた。溶液ハイブリダイゼ
ーシヨンの後、反応混合物を上述した制限消化条
件下でDdeにより処理して8塩基対オリゴヌク
レオチドを生成せしめた。この8塩基対の生成物
の量は、増幅され生成された生成物の量に比例す
る。この消化生成物は30%のポリアクリルアミド
ゲル上で分離し、オートラジオグラフイーで視覚
化した。 オートラジオグラムを分析した結果、該増幅は
野性型β−グロビン遺伝子の正鎖及び負鎖のそれ
ぞれと相補的であるプライマーPC03(5′−
ACACAACTGTGTTCACTAGC−3′)及び
PC04(5′−CCACTTGCACCTACTTCAAC−3′)
による増幅と増幅効率において匹敵するものであ
ることが分かつた。 増幅された生成物はエタノールで沈澱して脱塩
しそして濃縮し、そしてサンプルを10mMトリ
ス、10mM MgCl2、1mMDTT、100mM NaCl
から成る制限緩衝液(PH8)に再溶解し、Pst
及びHindで同時に消化した。その消化後、試
料をセントリコン10濃縮装置で脱塩し、ベーリン
ガー・マンハイム社から入手できるPst/Hind
で消化されたベクターM13mp10wの0.3マイク
ログラムと、12℃で一晩連結した。 全部の結合混合物がメリーランド州ベテスダの
BRLから入手できるE.コーリー株JM103へ形質
転換された。形質転換株を調製するための方法
は、A.ワルトンによりMessing,J.Third
Cleveland Symposium on Macromolecules:
Recombinant DNA143−153頁に記載されて
いる。 形質転換混合物を、ナイロンフイルターを用い
るプラークハイブリダイゼーシヨンによるスクリ
ーニングのため、x−ゲル培地上に移した。フイ
ルターを、β−グロビンに特異的な、配列が5′−
CCCACAGGGCAGTAACGGCAGACTTCTCC
TCAGGAGTCAG−3′であるオリゴヌクレオチ
ドプローブRS24により検知して、β−グロビン
挿入部の数を決定した。フイルターはプライマー
PC04で再度標識され、全挿入数を決定した。 プレーテイング及びスクリーニング 表は、プレーテイングとプラークハイブリダ
イゼーシヨンのデータを纏めたものである。フイ
ルターをプライマーPC04で検知し、増幅とクロ
ーニングに起因する挿入部のパーセントを決定し
た。1206個のクリアーなプラーク(クリアーなプ
ラークの全数の90%)がプライマーにハイブリダ
イズした。15のプラークがβ−グロビンに特異的
なプラークRS04にハイブリダイズした。増幅さ
れたプライマーに陽性なブラークのうちβ−グロ
ビンに陽性なプラークは約1%である。 【表】 増幅された配列を含有するプラークに対するβ
−グロビン挿入部を含有するプラークの%=15/
1206×100=1.24%。 全プラークに対するβ−グロビン挿入部を含有
するプラークの%=15/1496×100=約1%。 全プラークに対する増幅された配列を含有する
プラークの%=1206/1496×100=80%。 * プライマーPC04とハイブリダイズしないク
リアーなプラーク。 ** プライマーPC04とハイブリダイズするク
クリアーなプラーク。 制限酵素及びサザン分析法 3つのβ−グロビン陽性プラークと2つのβ−
グロビン陰性プラーク(しかしPC04プライマー
陽性)のフアージDNAから少し調製したDNAを
制限酵素分析法で分析した。増幅したβ−グロビ
ン断片を含むM13クローンからのDNAのMst
消化は特徴的な283塩基対断片を生ずる。Mst
消化の後、3つのβ−グロビン陽性クローンは全
て予想のとおり283塩基対断片を生成し、一方プ
ライマーとのみ陽性であつた2つのクローンは大
きい断片を生成した。 この分析からのゲルをMSIナイロンフイルター
に移し、リグビーらによりJ.Mol.Biol113巻237−
51頁(1977年)に記載された標準的なニツクトラ
ンスレーシヨン法により調製した放射性ラベルを
行つたニツクトランスレーシヨンしたβ−グロビ
ンプローブとハイブリダイズさせた。β−グロビ
ンプローブとハイブリダイズできるバンドは、3
つのβ−グロビン陽性クローンのみであつた。2
つの他のクローンはβ−グロビンプローブにハイ
ブリダイズしない挿入部を有していた。 配列の分析 β−グロビン挿入部を含むことが制限酵素分析
により示された10個のβ−グロビン陽性クローン
を、M13ジデオキシ配列決定法を用いて配列決定
した。10の内9つはβ−グロビンの野性型配列と
同一であつた。他のクローンは、β−グロビンプ
ライマーでは非常に僅かしか増幅しないことが示
されているδ−グロビン遺伝子と同じであつた。 結論として、β−グロビン配列の増幅におい
て、変形されたリンカープライマーは変形されて
いないプライマーとほぼ等しい効率を有してい
た。プライマーは、増幅されたDNAのクローニ
ングベクターへの挿入を容易にすることができ
た。ゲノムの他のセグメントの増幅のため、1%
のクローンのみがヘモグロビン配列を有してい
た。 10の内9つが公にされているβ−グロビン配列
と同じであることが分かり、該技術はゲノム
DNAを高い忠実度で増幅することを示した。1
つのクローンは公表されているδ−グロビンと同
一であつたことが分かり、このことはプライマー
がδ−グロビンに対する有意な配列相同性を持つ
ているにもかかわらず、β−グロビン遺伝子に特
異的であることを証明した。 クローニングをβ−グロビンの267塩基対断片
を用いて行う場合、このクローニングはジメチル
スルフオキシドが増幅工程に存在(37℃で10容量
%)するときのみ効果的であることが分かつた。 制限部位−修飾プライマーを使用して、ヒトN
−ras腫瘍遺伝子を増幅し、クローン化し、一部
を配列決定することができ、更にHLA−DQ−α
及びDQ−β遺伝子の240塩基対断片をクローン
化することもできた。これら全ての増幅は10容量
%のジメチルスルフオキシドの存在下37℃で行つ
た。HLA DQ−α及びDQ−β遺伝子を増幅する
ためのプライマーは、臭化エチジウムで染色した
アガロースゲル上に具体的なバンドを与えるとい
うよりも汚れを生ずるにすぎないβ−グロビンや
D.R−βプライマーに比べて、それらの意図する
標的物に対して遥かに特異的であつた。更に
HLA DQ−αプライマーは、所望のHLA標的断
片を含む増幅される挿入部を有する20%までのク
ローンを生成し、ところがβ−グロビンクローン
の1%が標的配列を含んでいた。HLA DQ−α
及びDQ−β遺伝子クローニングはDMSOが存在
し高温のときにのみ効果的であつた。 実施例 13 本実施例は、それぞれ74塩基対の2つのオリゴ
ヌクレオチドから出発して494塩基対のTNF遺伝
子を調製するために本法を使用することを例示す
るものである。 プライマー 使用したプライマーは実施例2に記載した方法
で調製し、それぞれ74塩基対を有し、下記に示す
ものである。 【表】 全体的手順 下記に示す10サイクルのプロトコールを、プ
ライマーとして下記ステツプ(a)に概略を示すよ
うに相互作用をするプライマーTN10及び
TN11を用いて行つた。 上記パートからの反応混合物全2μをプ
ライマーLL09及びLL12に加えた。下記のプロ
トコールを15サイクル行い、これにより下記ス
テツプ(b)で概略を示すように、プライマーがパ
ートの生成物と相互作用する。 パートからの反応混合物全2μをプライ
マーTN08及びTN13に加えた。下記のプロト
コールを15サイクル行い、これにより、下記ス
テツプ(c)で概略を示すように、プライマーがパ
ートの生成物と相互作用する。 上記パートからの反応混合物全2μをプ
ライマーLL07及びLL14に加えた。下記のプロ
トコールを15サイクル行い、これにより、下記
ステツプ(d)で概略を示すように、プライマーが
パートの生成物と相互作用をする。 プロトコール 各反応は100μの、 各2mMのデオキシATP、デオキシCTP、デオ
キシGTP及びTTP; 3μMの各ステツプで使用する各プライマー; 1×ポリメラーゼ緩衝液(30mMのトリスアセ
テート、60mMの酢酸ナトリウム、10mMの酢酸
マグネシウム、2.5mMのジチオスレイトール); を含んでいる。 各ステツプは、 1 沸騰水中で1分、 2 室温冷却1分、 3 DNAポリメラーゼのクレノー断片1μ(5
単位)添加、 4 重合反応の2分間の進行、 から成る。 次のサイクルは再度ステツプ1)から始める。 【表】 ↓
5′ TN08
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 核酸又はその混合物を含むと予想される試料
中に少なくとも1種類の特定の核酸配列が存在す
るか否かを検出し、あるいは核試料中の2種類の
異なる核酸配列を区別する方法であつて、まず、
前記1種類の核酸配列又は複数種類の核酸配列
を、 (a) オリゴヌクレオチドプライマーにより、増幅
されるべき核酸配列の鎖について核酸鎖に相補
的なプライマーの伸長生成物が合成されるよう
に前記試料を処理し、ここで、前記プライマー
は、特定の核酸配列の鎖に実質的に相補的であ
り、且つ増幅されるべき核酸配列の両端を規定
し、各プライマーから合成された伸長生成物が
その相補体から分離された場合に更なる合成の
鋳型として機能するように選択され; (b) 前記プライマー伸長生成物をそれらが合成さ
れた鋳型から分離して単鎖分子を生成せしめ;
そして (c) 段階(b)において生成した各単鎖分子を鋳型と
して用いてプライマー伸長生成物が合成される
ように段階(b)から生じた単鎖分子を段階(a)のプ
ライマーにより処理する; ことを含む段階により増幅し;そして次に (d) 前記増幅が生じたか否かを決定する; ことを特徴とする方法。 2 前記増幅が生じたか否かの決定(d)を、 (e) 段階(c)の生成物に、検出されるべき核酸配列
について該核酸配列又はその変異体とハイブリ
ダイズすることができるオリゴヌクレオチドプ
ローブを加え;そして、 (f) 該ハイブリダイゼーシヨンが生じたか否かを
決定する; ことにより行う、特許請求の範囲第1項に記載の
方法。 3 前記オリゴヌクレオチドプローブが標識され
ている、特許請求の範囲第2項に記載の方法。 4 段階(b)及び(c)を少なくとも1回繰り返し、そ
してステツプ(a)及び(c)を、プライマーと一緒に又
は別に加えられる重合用誘導試薬により処理する
ことによつて行う、特許請求の範囲第1項〜第3
項のいずれか1項に記載の方法。 5 前記重合用誘導試薬がE.コリ(E.coli)
DNAポリメラーゼ、E.コリDNAポリメラーゼI
のKlenow断片、T4DNAポリメラーゼ、熱安定
性酵素又は逆転写酵素である、特許請求の範囲第
1項〜第4項のいずれか1項に記載の方法。 6 段階(a)及び(c)を4種類の異るヌクレオシドト
リホスフエートによる処理により行う、特許請求
の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の方
法。 7 前記核酸が二本鎖であり、そしてその鎖が段
階(a)の前又はその間に変性により分離される、特
許請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記
載の方法。 8 前記核酸がDNAであり、そしてプライマー
がデオキシリボヌクレオチドである特許請求の範
囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載の方法。 9 使用される各プライマーが、その5′末端に他
のプライマーの制限部位と同じか異なる制限部位
を含み、そして段階(c)の後であつて段階(d)の前に
該各制限部位に特異的な制限酵素により段階(c)の
生成物を開裂させ、該開裂した生成物を開裂して
いない生成物と分離し、そして段階(d)で使用す
る、特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1
項に記載の方法。 10 前記特定の核酸配列が遺伝子性疾患、癌性
疾患又は伝染性疾患と関連している、特許請求の
範囲第1項〜第9項のいずれか1項に記載の方
法。 11 前記段階(b)及び(c)を少なくとも10回反復す
る、特許請求の範囲第1項〜第10項のいずれか
1項に記載の方法。 12 前記熱安定性酵素が熱安定性DNAポリメ
ラーゼである、特許請求の範囲第1項〜第11項
のいずれか1項に記載の方法。 13 前記段階(a)及び(c)におけるプライマーがそ
れぞれ少なくとも1000:1のプライマー:相補的
鎖の比率で存在する、特許請求の範囲第1項〜第
12項のいずれか1項に記載の方法。 14 前記段階(a)及び(c)におけるプライマーがそ
れぞれ少なくとも106:1のプライマー:相補的
鎖の比率で存在する、特許請求の範囲第13項に
記載の方法。 15 前記核酸が、単鎖RNA又は単鎖DNAから
合成される特許請求の範囲第1項〜第14項のい
ずれか1項に記載の方法。 16 前記RNAがメツセンジヤーRNAである特
許請求の範囲第15項に記載の方法。 17 1種類又は2種類以上の核酸を含むと予想
される試料中の少なくとも1つの特定の核酸配列
をプローブにより検出するための、 検出されるべき核酸配列についてのオリゴヌク
レオチドプライマーであつて、特定の核酸配列の
鎖に実質的に相補的であり、且つ検出されるべき
特定の核酸配列の両端を規定し、1つのプライマ
ーから合成された伸長生成物がその相補体から分
離されたときに更なる合成用の鋳型として機能す
ることができるプライマー を有するキツト。 18 重合用誘導試薬をさらに含んで成る、特許
請求の範囲第17項に載のキツト。 19 前記誘導剤がDNAポリメラーゼである特
許請求の範囲第17項に記載のキツト。 20 4種類の異るヌクレオシドトリホスフエー
トをさらに含んで成る特許請求の範囲第18項又
は第19項に記載のキツト。 21 前記プローブと前記核酸配列とのハイブリ
ダイゼーシヨンを検出するための手段をさらに含
んで成る、特許請求の範囲第17項〜第20項の
いずれか1項に記載のキツト。
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