JPH0469224B2 - - Google Patents
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- JPH0469224B2 JPH0469224B2 JP26534087A JP26534087A JPH0469224B2 JP H0469224 B2 JPH0469224 B2 JP H0469224B2 JP 26534087 A JP26534087 A JP 26534087A JP 26534087 A JP26534087 A JP 26534087A JP H0469224 B2 JPH0469224 B2 JP H0469224B2
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- fiber
- fibers
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は釣竿やゴルフシヤフト、テニスラケツ
トのフレーム、軽量自転車のフレームなど管状体
の補強材として用いる非晶質合金繊維に関するも
のである。 (従来の技術) 非晶質合金は引張り強度が従来の金属材料に比
べて著るしく大きいことが特徴で、強度材として
の応用が種々検討されてきた。その中で、釣具、
ゴルフシヤフト、テニスラケツトのフレームの強
化材として既に実用化されているものがある。 これらの強化材として用いられる非晶質合金の
形状は細いリボン状の繊維(以下繊維と称する)
が、断面が丸い線材(以下ワイアと称する)であ
る。 前者は主として単ロール法と呼ばれる方法でつ
くられるので、簡便かつ生産性が高いが、断面形
状が拒形となる。後者は回転液中紡糸法と呼ばれ
る方法で作製される。回転液中紡糸法は特開昭57
−52550号公報に記載されているように回転する
ドラムの内側に水などの冷却用媒体を遠心力によ
り張り付け、液体の流れの中に合金溶湯を細いノ
ズルを介して噴出させ、急冷凝固させるものであ
る。回転液中紡糸法によつてつくられた材料は溶
湯の表面張力により断面が丸くなるのである。鋳
造されたワイアは線引が出来、その結果アモルフ
アス合金にもかかわらず伸びがでるという実用上
重要な性質を示す。しかし冷却速度が単ロール法
(冷却ロールの外周面で急冷する方法)に比べて
約1ケタ小さいため、適用できる合金の組成、鈍
度、製造条件、得られる材料の寸法等に大きな制
約があることが欠点である。例えば合金組成で云
えば、Fe−Si−B系合金は比較的つくりやすい
が、耐食性を高めるために、Cr、Mo、Pなどを
多量に添加すると安定製造が困難になると云われ
る。このため回転液中紡糸法でつくられる非晶質
ワイアは耐食性が不充分であつた。耐食性とくに
耐塩水性は釣具に用いられる材料としては不可欠
の特性である。 また他の用途に対しても、デザイン上非晶質合
金を露出ないしそれに近い状態で使用されること
がある。このような場合、錆の発生は美観上も強
度上も問題となる。 耐食性非晶質合金については特公昭58−41345
号および特公昭59−40900号公報に開示されてい
る。Fe−Cr−B−C系合金およびFe−Cr−(P、
C、B)−X系合金(ここでX成分はNi、Co、
Mo、Zr、Ti、Si、Al、Pt、Mn、Pd、V、Nb、
Ta、W、Ge、Be、Au、Cu、Zn、Cd、Sn、As、
Sb、Bi、Sの1種又は2種以上)が知られてい
る。しかし上記成分はきわめて範囲が広く、開示
されるすべての組成が特定の用途に適しているわ
けではない。 管状体の補強材に使用される非晶質合金には、
耐食性のほか、巻いた状態で使用されるため、曲
げ応力下での耐遅れ破壊性が要求される。またカ
ーボン繊維やガラス繊維、その他高分子材など他
の素材と複合化して用いることも多いため、複合
化(複合織りなど)の作業性が重要になる。非晶
質合金は硬いためエツジがノコギリの刃状にギザ
ギザしていると複合化のプロセスで相手の素材を
傷付け、破断させることがある。複合化プロセス
の歩留り向上には非晶質繊維がエツジが滑らかで
なければならない。エツジの性状は鋳造時の溶湯
の流れの安定性および空気との反応性が関係す
る。したがつて形状のよい細い非晶質繊維を長時
間安定に製造するためには合金組成の選定がきわ
めて重要となる。 これまでに開示されている高耐食性非晶質合金
の組成は製品形状や製造性に観点に成分開発され
たものではなかつた。 (発明が解決しようとする問題点) 釣竿など管状耐の補強材として用いられている
従来の非晶質合金繊維又はワイアは、すでに述べ
たように、耐食性、機械的性質、製品形状および
製造性など実用的に要求される特性のすべてを満
足するものではなかつた。これに対して本発明
は、塩水に対して高耐食性を有し、機会特性が優
れ、形状のよい製品が安定に製造できる非晶質合
金の化学組成および形状寸法を提示するものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 本発明の釣竿等管状体補強用材料は、その合金
組成(原子%で示す)が、Cr8〜20%、Ni5〜30
%、B8〜16%、C2〜6%、残部が実質的にFeよ
りなり、断面寸法が幅0.2〜1.5mm、厚さ10〜50μ
mである融体急冷法で作製された高耐食性非晶質
合金繊維(以下非晶質繊維と略称する)である。 上記合金組成および各成分の範囲および材料の
寸法は釣竿等管状体の補強材に要求される諸特
性、および製造容易性を勘案して定めた。 すなわち引張り強度が少なくとも150Kgf/mm2
で、弾性伸びが少なくとも2%であること、海水
等に対する耐食性がきわめて良好なこと、曲げひ
ずみによる遅れ破壊が長時間に亘り生じないこ
と、良好な製品形状が安定に製造できること、非
生質形成能が高いこと、以上の要求をすべて満足
するように成分選定した。 このうち耐食性、遅れ破壊、良好な形状の安定
製造性は合金組成の依存性が大きいため、特に念
入りに成分設計をした。 ここで、耐食性は、海水に対する錆の発生が長
期間に亘り全くないことを評価の基準とした。具
体的にはJIS Z2371に記載される塩水噴霧試験法
を採用し、少なくとも3週間全く錆の発生がない
成分を選定した。 曲げ歪による遅れ破壊の試験は直径3mmのガラ
ス棒にサンプルをスパイラル状に巻き、恒温槽に
入れ60℃の大気中に5000時間保持した後も破断が
ないことを選定の基準とした。 また製造性は、大気中鋳造においてノズル詰り
による繊維の幅の減少の程度を繊維の長さに対す
る比率で表わす。具体的には繊維の長さ2000mに
対する幅の減少率が10%以内であることが利用面
から要求される。 引張り強度、弾性伸びは通常のインストロン型
引張り試験で測定した。 以上の諸特性の試験評価の結果、本発明の管状
体補強用非晶質合金の組成が決定された。個々の
元素についてその成分範囲を限定した理由を述べ
ると次の通りである。 Crは耐食性を付与するための必須元素である
ことは周知の通りである。塩水噴霧試験の結果は
本発明の基準を超えるためには少なくとも8%の
Crが必要であることを示した。8%を超えるCr
は耐食性をさらに高めるが製造性が劣化させる。
特に12%を超えると溶湯の流れが不安定になる。
このため繊維エツジは粗くなり板厚の均一性も低
下する。またノズルが詰り易くなり、幅の狭い繊
維(≦0.5mm)では長尺物をつくることが困難に
なる。 Cr増加による製造性、形状の劣化を改善する
ために不可欠なのがNiの添加である。Niの添加
はCrが12%を超えるとき著るしい効果を示す。
Niの必要量はCrと含有量と相関があり、Crが8
〜12%の範囲ではNi5〜20%、Crが12〜16%では
Ni10〜25%、Crが16〜20%のとき、Niは15〜30
%の添加が必要である。 BおよびCは非晶質形成元素として不可欠であ
る。 Fe−B−C系合金において非晶質形成能の高
い組成はB〜12%、C〜4%付近にあることを本
発明者らは過去に見い出している。Feの一部が
CrとNiで置換される本発明の合金においてもB
とCの適性含有量はFe−B−C3元系の場合と大
略同じ程度であつた。そこで本発明において非晶
質形成能の観点からB8〜16%、C2〜6%の範囲
に限定した。耐食性の観点から必須と考えられて
きたPは本発明では用いない。Pは以下に述べる
機械的性質および製造性の点から考えて添加しな
い方が好ましいことが分かつたからである。 耐遅れ破壊性は管状体に巻いて補強効果を狙う
用途には不可欠の性質である。遅れ破壊に関係す
る元素は主としてB、C、P、Siなど半金属であ
る。Pは先に述べたように遅れ破壊を促進する元
素としてなるべく低く抑える方がよい。Pはまた
製造性を劣化させるのでP<1%とするのがよ
い。Cも遅れ破壊を促進する。この理由で本発明
ではCの上限を6%とした。 その他の機械的性質、引張り強度、弾性伸び等
は上記の成分範囲内であれば、いずれも、管状体
の補強材として必要な特性を満足している。 本発明の合金組成はFe−Cr−Ni−B−Cの5
元系が基本であるが、構成元素の一部(≦5%)
をCo、Mo、Nb、W、Ti、Zr、Hf等で置換して
もよい。 本発明において成分と同様に重要な構成要件は
繊維の断面形状である。本発明では繊維の寸法を
幅0.2〜1.5mm、厚さ10〜50μmと規定した。上記
範囲は釣竿など管状体の組加工時の巻き作業性、
カーボン繊維、ガラス繊維、高分子繊維など他素
材との複合化プロセスの作業性、複合体としての
特性、デザインの自由度の広さなどを勘案して定
めた。 すなわち幅が0.2mm未満、あるいは厚さが10μm
未満だと巻き加工や複合化プロセスの途中で非晶
質繊維の破断がしばしば起こる。一方幅が1.5mm
を超えると、重ね巻きの必要性が生じ重量増の割
に強度が向上しないこと、管状体の柔軟性が損わ
れること、複合体とする場合にも作業性が低下す
るなどの欠点が生じる。厚みが50μmを超えると
材料は胞くなりやすく、加工時の破断や耐遅れ破
壊性の劣化がみとめられる。 以上の理由で繊維の寸法の許容範囲を幅が0.2
〜1.5mm、厚さが10〜50μmとしている。 本発明の非晶質繊維の製造は公知の融体急冷方
(液体急冷法ともいう)によつて行なわれる。例
えば冷却体にCuなど金属製の単ロールを用い、
その外周面にノズルを介して合金の溶湯を噴出
し、急冷する方法(単ロール法)が採用できる。 この他、二つの互いに逆方向に回転するロール
の間に溶湯を噴出し急冷しながら圧延する方法
(双ロール法)もある。また回転する金属ドラム
の内周面に溶湯を噴出し急冷する方法(遠心急冷
法)も使用できる。本発明においては、上記いず
れの方法を採用してもよい。しかし量産性、製造
コストの観点からは単ロール法が最も優れてい
る。 次に本発明の非晶質繊維の製造において用いら
れるノズルを第1図a〜cに例示する。いずれも
多孔ノズルで複数本の連続繊維を同時に製造でき
る。ただし非晶質繊維の製造法は必ずしも上記の
方法に限定しない。前もつて幅広の薄帯を製造し
ておき、次にこれを所定の幅にスリツト加工する
こともできる。 (実施例) 次に実施例をあげて説明する。 実施例 第1表に示す組成の母合金0.5〜1.5Kgを、石英
るつぼで高周波加熱法により溶解し、Cu合金製
ロール(直径600mm、幅70mm)の外周面に噴出し
非晶質繊維を製造した。用いたノズルのタイプは
第1図aと同じ多孔ノズルで、2〜5個の開孔部
をもつものである。各チヤージ毎の繊維の寸法、
各種特性評価の結果は第1表に示される。 第1表において引張り試験はインストロン型試
験機を用いた。耐食性はJIS Z2371に記載されて
いる方法を採用し錆発生までの時間を記載した。 180゜曲げは指先で繊維を織り曲げ、密着させた
時、破断が生じるか否かを判定した。遅れ破壊は
直径3mmのガラス棒にサンプルをスパイラルに巻
き、恒温槽で60℃の大気中に保持し、5000時間後
に破壊が生じるか否かを判定した。 形状の評価はエツジのザラツキ(ギザギザ)は
指先で触れて判断した。幅の変化は鋳造開始後10
mの幅と約2000mの幅をマイクロメータで測定
し、変化率(一般に減少率)を表示した。また引
張強度、弾性伸びはインストロン型試験機で測定
した。作業性は単体でのスパイラル巻き加工、あ
るいは他素材との複合化加工工程の作業性をい
う。 第1表の評価結果から本発明の合金組成および
寸法を有する非晶質繊維は比較例に比べて管状体
の補強材料に適していることが明らかである。
トのフレーム、軽量自転車のフレームなど管状体
の補強材として用いる非晶質合金繊維に関するも
のである。 (従来の技術) 非晶質合金は引張り強度が従来の金属材料に比
べて著るしく大きいことが特徴で、強度材として
の応用が種々検討されてきた。その中で、釣具、
ゴルフシヤフト、テニスラケツトのフレームの強
化材として既に実用化されているものがある。 これらの強化材として用いられる非晶質合金の
形状は細いリボン状の繊維(以下繊維と称する)
が、断面が丸い線材(以下ワイアと称する)であ
る。 前者は主として単ロール法と呼ばれる方法でつ
くられるので、簡便かつ生産性が高いが、断面形
状が拒形となる。後者は回転液中紡糸法と呼ばれ
る方法で作製される。回転液中紡糸法は特開昭57
−52550号公報に記載されているように回転する
ドラムの内側に水などの冷却用媒体を遠心力によ
り張り付け、液体の流れの中に合金溶湯を細いノ
ズルを介して噴出させ、急冷凝固させるものであ
る。回転液中紡糸法によつてつくられた材料は溶
湯の表面張力により断面が丸くなるのである。鋳
造されたワイアは線引が出来、その結果アモルフ
アス合金にもかかわらず伸びがでるという実用上
重要な性質を示す。しかし冷却速度が単ロール法
(冷却ロールの外周面で急冷する方法)に比べて
約1ケタ小さいため、適用できる合金の組成、鈍
度、製造条件、得られる材料の寸法等に大きな制
約があることが欠点である。例えば合金組成で云
えば、Fe−Si−B系合金は比較的つくりやすい
が、耐食性を高めるために、Cr、Mo、Pなどを
多量に添加すると安定製造が困難になると云われ
る。このため回転液中紡糸法でつくられる非晶質
ワイアは耐食性が不充分であつた。耐食性とくに
耐塩水性は釣具に用いられる材料としては不可欠
の特性である。 また他の用途に対しても、デザイン上非晶質合
金を露出ないしそれに近い状態で使用されること
がある。このような場合、錆の発生は美観上も強
度上も問題となる。 耐食性非晶質合金については特公昭58−41345
号および特公昭59−40900号公報に開示されてい
る。Fe−Cr−B−C系合金およびFe−Cr−(P、
C、B)−X系合金(ここでX成分はNi、Co、
Mo、Zr、Ti、Si、Al、Pt、Mn、Pd、V、Nb、
Ta、W、Ge、Be、Au、Cu、Zn、Cd、Sn、As、
Sb、Bi、Sの1種又は2種以上)が知られてい
る。しかし上記成分はきわめて範囲が広く、開示
されるすべての組成が特定の用途に適しているわ
けではない。 管状体の補強材に使用される非晶質合金には、
耐食性のほか、巻いた状態で使用されるため、曲
げ応力下での耐遅れ破壊性が要求される。またカ
ーボン繊維やガラス繊維、その他高分子材など他
の素材と複合化して用いることも多いため、複合
化(複合織りなど)の作業性が重要になる。非晶
質合金は硬いためエツジがノコギリの刃状にギザ
ギザしていると複合化のプロセスで相手の素材を
傷付け、破断させることがある。複合化プロセス
の歩留り向上には非晶質繊維がエツジが滑らかで
なければならない。エツジの性状は鋳造時の溶湯
の流れの安定性および空気との反応性が関係す
る。したがつて形状のよい細い非晶質繊維を長時
間安定に製造するためには合金組成の選定がきわ
めて重要となる。 これまでに開示されている高耐食性非晶質合金
の組成は製品形状や製造性に観点に成分開発され
たものではなかつた。 (発明が解決しようとする問題点) 釣竿など管状耐の補強材として用いられている
従来の非晶質合金繊維又はワイアは、すでに述べ
たように、耐食性、機械的性質、製品形状および
製造性など実用的に要求される特性のすべてを満
足するものではなかつた。これに対して本発明
は、塩水に対して高耐食性を有し、機会特性が優
れ、形状のよい製品が安定に製造できる非晶質合
金の化学組成および形状寸法を提示するものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 本発明の釣竿等管状体補強用材料は、その合金
組成(原子%で示す)が、Cr8〜20%、Ni5〜30
%、B8〜16%、C2〜6%、残部が実質的にFeよ
りなり、断面寸法が幅0.2〜1.5mm、厚さ10〜50μ
mである融体急冷法で作製された高耐食性非晶質
合金繊維(以下非晶質繊維と略称する)である。 上記合金組成および各成分の範囲および材料の
寸法は釣竿等管状体の補強材に要求される諸特
性、および製造容易性を勘案して定めた。 すなわち引張り強度が少なくとも150Kgf/mm2
で、弾性伸びが少なくとも2%であること、海水
等に対する耐食性がきわめて良好なこと、曲げひ
ずみによる遅れ破壊が長時間に亘り生じないこ
と、良好な製品形状が安定に製造できること、非
生質形成能が高いこと、以上の要求をすべて満足
するように成分選定した。 このうち耐食性、遅れ破壊、良好な形状の安定
製造性は合金組成の依存性が大きいため、特に念
入りに成分設計をした。 ここで、耐食性は、海水に対する錆の発生が長
期間に亘り全くないことを評価の基準とした。具
体的にはJIS Z2371に記載される塩水噴霧試験法
を採用し、少なくとも3週間全く錆の発生がない
成分を選定した。 曲げ歪による遅れ破壊の試験は直径3mmのガラ
ス棒にサンプルをスパイラル状に巻き、恒温槽に
入れ60℃の大気中に5000時間保持した後も破断が
ないことを選定の基準とした。 また製造性は、大気中鋳造においてノズル詰り
による繊維の幅の減少の程度を繊維の長さに対す
る比率で表わす。具体的には繊維の長さ2000mに
対する幅の減少率が10%以内であることが利用面
から要求される。 引張り強度、弾性伸びは通常のインストロン型
引張り試験で測定した。 以上の諸特性の試験評価の結果、本発明の管状
体補強用非晶質合金の組成が決定された。個々の
元素についてその成分範囲を限定した理由を述べ
ると次の通りである。 Crは耐食性を付与するための必須元素である
ことは周知の通りである。塩水噴霧試験の結果は
本発明の基準を超えるためには少なくとも8%の
Crが必要であることを示した。8%を超えるCr
は耐食性をさらに高めるが製造性が劣化させる。
特に12%を超えると溶湯の流れが不安定になる。
このため繊維エツジは粗くなり板厚の均一性も低
下する。またノズルが詰り易くなり、幅の狭い繊
維(≦0.5mm)では長尺物をつくることが困難に
なる。 Cr増加による製造性、形状の劣化を改善する
ために不可欠なのがNiの添加である。Niの添加
はCrが12%を超えるとき著るしい効果を示す。
Niの必要量はCrと含有量と相関があり、Crが8
〜12%の範囲ではNi5〜20%、Crが12〜16%では
Ni10〜25%、Crが16〜20%のとき、Niは15〜30
%の添加が必要である。 BおよびCは非晶質形成元素として不可欠であ
る。 Fe−B−C系合金において非晶質形成能の高
い組成はB〜12%、C〜4%付近にあることを本
発明者らは過去に見い出している。Feの一部が
CrとNiで置換される本発明の合金においてもB
とCの適性含有量はFe−B−C3元系の場合と大
略同じ程度であつた。そこで本発明において非晶
質形成能の観点からB8〜16%、C2〜6%の範囲
に限定した。耐食性の観点から必須と考えられて
きたPは本発明では用いない。Pは以下に述べる
機械的性質および製造性の点から考えて添加しな
い方が好ましいことが分かつたからである。 耐遅れ破壊性は管状体に巻いて補強効果を狙う
用途には不可欠の性質である。遅れ破壊に関係す
る元素は主としてB、C、P、Siなど半金属であ
る。Pは先に述べたように遅れ破壊を促進する元
素としてなるべく低く抑える方がよい。Pはまた
製造性を劣化させるのでP<1%とするのがよ
い。Cも遅れ破壊を促進する。この理由で本発明
ではCの上限を6%とした。 その他の機械的性質、引張り強度、弾性伸び等
は上記の成分範囲内であれば、いずれも、管状体
の補強材として必要な特性を満足している。 本発明の合金組成はFe−Cr−Ni−B−Cの5
元系が基本であるが、構成元素の一部(≦5%)
をCo、Mo、Nb、W、Ti、Zr、Hf等で置換して
もよい。 本発明において成分と同様に重要な構成要件は
繊維の断面形状である。本発明では繊維の寸法を
幅0.2〜1.5mm、厚さ10〜50μmと規定した。上記
範囲は釣竿など管状体の組加工時の巻き作業性、
カーボン繊維、ガラス繊維、高分子繊維など他素
材との複合化プロセスの作業性、複合体としての
特性、デザインの自由度の広さなどを勘案して定
めた。 すなわち幅が0.2mm未満、あるいは厚さが10μm
未満だと巻き加工や複合化プロセスの途中で非晶
質繊維の破断がしばしば起こる。一方幅が1.5mm
を超えると、重ね巻きの必要性が生じ重量増の割
に強度が向上しないこと、管状体の柔軟性が損わ
れること、複合体とする場合にも作業性が低下す
るなどの欠点が生じる。厚みが50μmを超えると
材料は胞くなりやすく、加工時の破断や耐遅れ破
壊性の劣化がみとめられる。 以上の理由で繊維の寸法の許容範囲を幅が0.2
〜1.5mm、厚さが10〜50μmとしている。 本発明の非晶質繊維の製造は公知の融体急冷方
(液体急冷法ともいう)によつて行なわれる。例
えば冷却体にCuなど金属製の単ロールを用い、
その外周面にノズルを介して合金の溶湯を噴出
し、急冷する方法(単ロール法)が採用できる。 この他、二つの互いに逆方向に回転するロール
の間に溶湯を噴出し急冷しながら圧延する方法
(双ロール法)もある。また回転する金属ドラム
の内周面に溶湯を噴出し急冷する方法(遠心急冷
法)も使用できる。本発明においては、上記いず
れの方法を採用してもよい。しかし量産性、製造
コストの観点からは単ロール法が最も優れてい
る。 次に本発明の非晶質繊維の製造において用いら
れるノズルを第1図a〜cに例示する。いずれも
多孔ノズルで複数本の連続繊維を同時に製造でき
る。ただし非晶質繊維の製造法は必ずしも上記の
方法に限定しない。前もつて幅広の薄帯を製造し
ておき、次にこれを所定の幅にスリツト加工する
こともできる。 (実施例) 次に実施例をあげて説明する。 実施例 第1表に示す組成の母合金0.5〜1.5Kgを、石英
るつぼで高周波加熱法により溶解し、Cu合金製
ロール(直径600mm、幅70mm)の外周面に噴出し
非晶質繊維を製造した。用いたノズルのタイプは
第1図aと同じ多孔ノズルで、2〜5個の開孔部
をもつものである。各チヤージ毎の繊維の寸法、
各種特性評価の結果は第1表に示される。 第1表において引張り試験はインストロン型試
験機を用いた。耐食性はJIS Z2371に記載されて
いる方法を採用し錆発生までの時間を記載した。 180゜曲げは指先で繊維を織り曲げ、密着させた
時、破断が生じるか否かを判定した。遅れ破壊は
直径3mmのガラス棒にサンプルをスパイラルに巻
き、恒温槽で60℃の大気中に保持し、5000時間後
に破壊が生じるか否かを判定した。 形状の評価はエツジのザラツキ(ギザギザ)は
指先で触れて判断した。幅の変化は鋳造開始後10
mの幅と約2000mの幅をマイクロメータで測定
し、変化率(一般に減少率)を表示した。また引
張強度、弾性伸びはインストロン型試験機で測定
した。作業性は単体でのスパイラル巻き加工、あ
るいは他素材との複合化加工工程の作業性をい
う。 第1表の評価結果から本発明の合金組成および
寸法を有する非晶質繊維は比較例に比べて管状体
の補強材料に適していることが明らかである。
【表】
【表】
第表の本発明材No.1〜25に例示した非晶質繊維
を単体あるいはカーボン繊維やガラス繊維などと
組み合わせた第2図のような複合織りした帯状帯
は耐食性、機械的性質、複合織りの加工性、単体
での巻き作業性、複合帯状帯の性能等がきわめて
優れていた。このように本発明の非晶質繊維は管
状体の補強材としてきわめて優れていることが認
められる。 (発明の効果) 以上説明したように本発明の非晶質合金繊維は
きわめて耐食性が高く(とくに塩水に対して)、
断面寸法が適性かつ機械的性質、製造性が優れて
いるので釣竿、テニスラケツトおよび自転車のフ
レーム、ゴルフシヤフトなどの一般に管状構造を
もつ基本の補強材として用いるとき、長寿命でか
つ軽量化が図れ、かつ巻き加工工程の作業性およ
び生産性の向上に寄与する。
を単体あるいはカーボン繊維やガラス繊維などと
組み合わせた第2図のような複合織りした帯状帯
は耐食性、機械的性質、複合織りの加工性、単体
での巻き作業性、複合帯状帯の性能等がきわめて
優れていた。このように本発明の非晶質繊維は管
状体の補強材としてきわめて優れていることが認
められる。 (発明の効果) 以上説明したように本発明の非晶質合金繊維は
きわめて耐食性が高く(とくに塩水に対して)、
断面寸法が適性かつ機械的性質、製造性が優れて
いるので釣竿、テニスラケツトおよび自転車のフ
レーム、ゴルフシヤフトなどの一般に管状構造を
もつ基本の補強材として用いるとき、長寿命でか
つ軽量化が図れ、かつ巻き加工工程の作業性およ
び生産性の向上に寄与する。
第1図は本発明の非晶質合金繊維を作製するた
めに用いることができる各種ノズルの形状を示す
図で、aは円孔ノズル、bは楕円ノズル、cは矩
形ノズルを示す。第2図は本発明の非晶質合金繊
維と他の素材例えばカーボン繊維との複合体の例
を示す図である。 1……複合織物、2a,2b,2c……非晶質
繊維、3a,3b……非晶質金属繊維間に配置さ
れた他素材繊維、4a,4b,4c,4d……耳
糸用他素材繊維、5……緯糸用他素材繊維。
めに用いることができる各種ノズルの形状を示す
図で、aは円孔ノズル、bは楕円ノズル、cは矩
形ノズルを示す。第2図は本発明の非晶質合金繊
維と他の素材例えばカーボン繊維との複合体の例
を示す図である。 1……複合織物、2a,2b,2c……非晶質
繊維、3a,3b……非晶質金属繊維間に配置さ
れた他素材繊維、4a,4b,4c,4d……耳
糸用他素材繊維、5……緯糸用他素材繊維。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合金組成が原子%で、Cr8〜20%、Ni5〜30
%、B8〜16%、C2〜6%、残部が実質的にFeよ
りなり、断面寸法が幅0.2〜1.5mm、厚さ10〜50μ
mである、融体急冷法で作製された管状体補強用
高耐食性非晶質合金繊維。 2 合金組成が原子%で、Cr8〜12%のときNi5
〜20%、Cr12〜16%のときNi10〜25%、Cr16〜
20%のときNi15〜30%、かつB8〜16%、C2〜6
%、残部が実質的にFeよりなる特許請求の範囲
第1項記載の管状体補強用高耐食性非晶質合金繊
維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26534087A JPS63317645A (ja) | 1987-03-24 | 1987-10-22 | 管状体補強用高耐食性非昌質合金繊維 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62-69888 | 1987-03-24 | ||
| JP6988887 | 1987-03-24 | ||
| JP26534087A JPS63317645A (ja) | 1987-03-24 | 1987-10-22 | 管状体補強用高耐食性非昌質合金繊維 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63317645A JPS63317645A (ja) | 1988-12-26 |
| JPH0469224B2 true JPH0469224B2 (ja) | 1992-11-05 |
Family
ID=26411069
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26534087A Granted JPS63317645A (ja) | 1987-03-24 | 1987-10-22 | 管状体補強用高耐食性非昌質合金繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63317645A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5728382B2 (ja) * | 2008-08-25 | 2015-06-03 | ザ・ナノスティール・カンパニー・インコーポレーテッド | リボン形状の延性金属ガラス |
| US20110293463A1 (en) | 2010-05-27 | 2011-12-01 | Daniel James Branagan | Alloys exhibiting spinodal glass matrix microconstituents structure and deformation mechanisms |
| CN103484799B (zh) * | 2013-09-23 | 2015-10-28 | 安泰科技股份有限公司 | 一种用于混凝土的非晶合金纤维及其制备方法 |
| CN108101431A (zh) * | 2017-12-12 | 2018-06-01 | 北京科技大学 | 一种非晶纤维增强的中子屏蔽特种混凝土及其制备方法 |
-
1987
- 1987-10-22 JP JP26534087A patent/JPS63317645A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63317645A (ja) | 1988-12-26 |
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