JPH0471937B2 - - Google Patents
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- JPH0471937B2 JPH0471937B2 JP57114735A JP11473582A JPH0471937B2 JP H0471937 B2 JPH0471937 B2 JP H0471937B2 JP 57114735 A JP57114735 A JP 57114735A JP 11473582 A JP11473582 A JP 11473582A JP H0471937 B2 JPH0471937 B2 JP H0471937B2
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- polymer
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- weight
- polymers
- butadiene
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
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- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
本発明は、タイヤトレツド用分岐重合体組成物
(以下、単に「分岐重合体組成物」と記す。)に関
するものである。更に詳しくは耐ウエツトスキツ
ド性能が高く、転動抵抗が低く、加工性に優れ、
更に実用加工上、問題となる引裂強度や粘着性の
高い分岐重合体混合物を含有する組成物に関する
ものである。 近年自動車に対する省燃費要請は益々高まつて
きているが、中でもタイヤの特性が省燃費化に対
して重要な影響を及ばし、その改善が強く望まれ
ている。 タイヤに要求される特性としては主に耐摩耗
性、耐ウエツトスキツド性、低発熱性、耐屈曲
性、耐チツピング性、耐グループクラツキング性
等があるが各種物性がバランス良く具備される必
要がある。特に省資源、省エネルギーという観点
からはエネルギーロスが小さく、転動抵抗の小さ
いことが重要である。 これらの諸物性の中、操縦安定性の為の高い耐
ウエツトスキツド性と省燃費の為の低い転動抵抗
性が特に重要な特性であるが、従来の知見からは
この両特性は相反する特性と認識されていた。 従来、タイヤ用ゴム特にトレツド用ゴムとし
て、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、高シス1,
4ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム
等が主として用いられているが、天然ゴム、ポリ
イソプレンゴム、高シスポリブタジエンゴムはエ
ネルギーロスが少く、低い転動抵抗性をもつ反
面、湿潤路面に対するスキツド抵抗性が低い。一
方スチレンブタジエンゴムは高い耐ウエツトスキ
ツド性を持つているが、発熱性が高く、エネルギ
ーロスが大であり転動抵抗性が高い為省燃費タイ
ヤ材料としては不充分である。 従来、これらのポリマーの欠点を補う為に、各
種ポリマーのブレンド技術が発達してきており、
例えば比較的小型の乗用車タイヤにはスチレンブ
タジエンゴムと高シスポリブタジエンのブレンド
系が主に使用されている。しかしながら、高い耐
ウエツト・スキツド性の維持と、低い転動抵抗の
保持という特性に関しては、近年要望されれてい
る水準からは、はなはだ不充分であつた。 本願発明者等は、従来、二律背反すると考えら
れていた耐ウエツト・スキツド性と転動抵抗性に
ついての基礎的な検討を進める一方、実用上、タ
イヤ製造に際して要求される混練加工性、ロール
加工性、押出加工性等の加工性に秀れた重合体の
構造及びかかる重合体の製造方法について検討を
行ない、特定の構造を有する分岐重合体が高い耐
ウエツト・スキツド性能と優れた転動抵抗性能を
兼ね備えた上に更に優れた加工性を示すことを見
出して先に特許出願を行なつた(願昭57−53387
号(特開昭58−168611号広報参照))。 本願発明者らは、このような分岐重合体をタイ
ヤ用部材の形に成型する際に問題となる引裂強度
や粘着性を改良する方法について鋭意検討を進め
た結果、分岐重合体を特定の方法で複合化した重
合体組成物とすれば、耐ウエツト・スキツド性
能、転動抵抗性能、加工性に優れるという特徴を
損なうことなく、更に引裂強度や粘着性という実
用加工上重要視される物性上も優れた特徴を有す
る組成物となることを見出して本発明に到達し
た。 次に本発明の背景について更に詳しく述べる。 本願発明者らによる先の出願(願昭57−53387
号)明細書(特開昭58−168611号広報参照)にも
記載したとおりタイヤの転動抵抗性能と耐ウエツ
トスキツド抵抗性能とは粘弾性論的に以下の如く
認識し得る。 先ずタイヤの転動抵抗は、車輌走行時のタイヤ
の繰返し変形に伴なうエネルギー損失に起因す
る。即ち、タイヤが走行している間は接地時の変
形と接地から離れた時の回復が繰り返され、その
際応力と歪みとの関係は位相差を生じ、その結果
ヒステリシスロス即ちエネルギー損失を生じる
が、転動抵抗を改善することはかかるエネルギー
損失を少なくすることにほかならない。かかるエ
ネルギー損失はタイヤのカーカス及びブレーカー
の構造、サイドウオールゴム配合によるほか、特
にトレツドゴム配合による影響が大きいことが知
られている。そこでトレツドゴム配合の観点から
タイヤの転動抵抗を低減せしめるにはトレツドゴ
ムの圧縮変形、曲げ変形、剪断変形によるエネル
ギー損失を低減させる必要があるが、これはゴム
の動的粘弾性特性から考えれば損失コンプライア
ンス(E″/E2)及び損失モジユラス(E″)を低
減することを意味する。 他方耐ウエツド・スキツド性能はタイヤが凹凸
のある路面を滑走する際、路面より受ける応力に
対して発生する摩擦抵抗と考えられる。即ちタイ
ヤの如き粘弾性体は受けた応力に対して時間的遅
れをもつた変形回復を示すことから進行方向とは
逆方向のトルクが発生するが、このトルクによる
抵抗が摩擦抵抗であり、動的粘弾性特性の損失正
接(tanδ=E″/E′)に依存する(日本ゴム協会
誌43No.11 1970年)。 従つて耐ウエツト・スキツド性能も転動抵抗性
能も共にゴムの動的損失特性(E″・E″/E※ )2,
E″/E′)に依存する性能であるが、これらの値
の増加により逆に耐ウエツト・スキツド性能は向
上する。要するに動的損失特性値は耐ウエツト・
スキツド性能に関しては大きい方が、一方転動抵
抗性能に関しては小さい方が望ましい。したがつ
て、従来これらの両性能は二律背反するものと認
識され同一の原材料では満足するものが得られな
いと考えられていた。しかしながら発明者らは
種々検討の結果、耐ウエツト・スキツド性能と転
動抵抗性能では材料の受ける変形速度の領域が相
違することに着目した。即ち転動抵抗性能はタイ
ヤの回転速度に対応する変形速度であり通常の走
行速度で周波数が十数ヘルツの領域であるのに対
し、耐ウエツト・スキツド性能は路面の凹凸を滑
走する際に受ける刺激であり周波数が非常に高い
領域であり、動的損失特性の寄与する変形周波領
域が両者相互に相違する。したがつて転動抵抗性
能に寄与する低周波領域では損失特性をできるだ
け低くし、耐ウエツト・スキツド性能に寄与する
高周波領域では損失特性をできるだけ高くするこ
とにより相反する両性能を共に改善することがで
きる。かかる観点から発明者はポリマーの分子構
造分子量分布等に関し検討して先の出願(特開昭
57−53387)の明細書に示した如き転動抵抗性が
低く、耐ウエツト・スキツド性能が高い上に、更
に加工性の優れた分岐重合体を発明するに至つ
た。 本発明の目的は、このような優れた特徴を損な
うことなく、更に重合体をタイヤ用部材の形に成
型する際に重要視される引裂強度や粘着性を改良
した分岐重合体組成物を提供することである。 本発明の組成物は、ビニル芳香族化合物とブタ
ジエンとの共重合体の混合物を含有する組成物で
あつて、該重合体混合物のガラス転移温度が−60
℃以上であり、且つ該重合体混合物が重合体
(A),(B)から成り、重合体(A),(B)は、
それぞれ結合剤である四塩化ケイ素で変性された
ケイ素−スチリル結合を有する高分子鎖を70重量
%以上含むビニル芳香族化合物とブタジエンとの
共重合体であつて、重合体(A)の固有粘度は
1.7〔dl/g〕以上6.0〔dl/g〕未満であり、重合
体(B)の固有粘度は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/
g〕未満であり、重合体(A)と重合体(B)と
の重合体混合物中における重量比が30/70乃至
95/5であることを特徴とするタイヤトレツト用
分岐重合体組成物である。 更に好ましくは前述の重合体(A)及び重合体
(B)の混合物のガラス転移温度が−50℃以上で
あり、この混合物の平均的固有粘度が1.3〔dl/
g〕乃至4.0〔dl/g〕である如き重合体組成物で
ある。 重合体混合物のガラス転移温度が低くなると重
合体混合物を含有する組成物を使用したタイヤの
耐ウエツト・スキツド抵抗性能が低下してブレー
キ特性が悪化する故に、本発明の分岐重合体組成
物においては、重合体(A),(B)の混合物のガ
ラス転移温度は−60℃以上、好ましくは−50℃以
上に限定される。 本発明の重合体組成物において重合体(A),
(B)は、それぞれがビニル芳香族化合物とブタ
ジエンとの共重合体であるが、前述の混合物のガ
ラス転移温度の範囲が満たされる限りにおいて、
重合体(A),(B)のそれぞれのガラス転移温度
は、相互に同一であつても良いし又、相互に異な
つても良い。 重合体(A),(B)のガラス転移温度は、それ
ぞれの重合体に結合されるビニル芳香族化合物の
含量及び結合ブタジエン中の1.2結合量を所定の
値とすることにより決定される。一般にビニル芳
香族化合物の含量及び1.2結合含量が高い程、ガ
ラス転移温度が高くなる傾向にあり、耐ウエツ
ト・スキツド抵抗性能の点から見るとこれらの含
量は高い程好ましいと考えられるが、一方、ビニ
ル芳香族化合物含量が35重量%を超えるとゴムの
引裂強度や耐摩耗性が低下する傾向にあり、又ブ
タジエン部分の1.2結合含量が60モル%を超える
場合にも引裂強度が低下する傾向にある。これら
諸特性のバランス上本発明の組成物において重合
体(A),(B)中に結合されるビニル芳香族化合
物の結合量は15乃至35重量%であり、又、結合ブ
タジエン中の1.2結合含量は30モル%以上60モル
%未満であることが好ましい。 又、本発明においては加工性の優れた重合体組
成物を得るために、重合体(A)及び重合体
(B)のそれぞれにおいて、結合剤である四塩化
ケイ素で変性された高分子鎖は、該重合体の高分
子鎖の内、少なくとも70重量%となるように制御
される。この場合3官能性あるいは4官能性の結
合剤で変性された高分子鎖とは、その高分子鎖中
の原子又は原子団から4方向に化学結合により結
合された高分子鎖が存在する如き形状を有する高
分子鎖を意味する。 このような変性された分岐高分子鎖を含有する
重合体を製造する方法としては、アルカリ金属化
合物を重合開始剤として用いる公知のリビングア
ニオン重合法が有効であり、リビング活性重合体
溶液に末端結合剤を作用させて活性重合体末端同
士を結合する方法が採用し得る。すなわち、重合
開始剤を用いてスチレンとブタジエンとを共重合
して得られる活性重合体溶液に、結合剤である四
塩化ケイ素を作用させるのであるが、一般に、ス
チレンとブタジエンを共重合させた場合には、ス
チレンとブタジエンの反応性の相違から、重合初
期にはブタジエンが優先的に重合し、反応後期の
高分子末端はスチレンとなつていることは公知の
事実である。かかる高分子末端を有する高分子鎖
に結合剤である四塩化ケイ素を作用せしめた場
合、得られる高分子鎖は、スチリル−ケイ素末端
を有するものとなる。 本発明の重合体組成物に含有される重合体
(A)及び(B)のそれぞれにおいては、少なく
とも70重量%の高分子鎖が上に説明したように結
合された分岐を有する高分子鎖であり、残りの高
分子鎖は分岐を有しない高分子鎖である。 この場合に結合された分岐を有する高分子鎖の
重合体中に占める重量比率はゲル・パーミエーシ
ヨン・クロマトグラフ(GPC)によつて測定さ
れた分子量分布から、読みとることができる。即
ち結合された分岐を有する高分子鎖の平均分子量
に相当するピークの高さと分岐を有しない高分子
鎖の平均分子量に相当するピークの高さとの相対
比をもつて、それぞれの高分子鎖の重量比率と定
義する。 重合体(A),(B)において、結合された高分
子鎖は、結合剤である四塩化ケイ素によつて変性
された形状を有するものである。 この変性された高分子鎖の割合は高い程ロール
加工性が良好であり、少なくとも70重量%、好ま
しくは80重量%以上となるように制御される。 変性された高分子鎖の割合が70重量%以上であ
れば、ロール加工時のゴムシートの巻付安定性が
良好で加工操作が容易であり、更にこの割合が80
重量%以上であれば、表面肌の平滑な、良好なシ
ートが得られる。 このような好ましい変性高分子鎖の割合を得る
ためには重合体の製造時において、使用する結合
剤の活性重合体末端に対するモル比を制御すべき
であり、結合剤である四塩化ケイ素の量は活性重
合体末端1モルに対して0.175乃至0.250モルとす
べきである。 本発明の重合体組成物において、重合体(A)
の分子量は、30℃のトルエン中で測定した重合体
Aの固有粘度が1.7〔dl/g〕以上6.0〔dl/g〕未
満である如き範囲内に限定され、又重合体(B)
の固有粘度は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/g〕未満
に限定される。重合体(A),(B)の分子量が上
述の範囲より低いと動的損失が大となり、転動抵
抗性能が悪化するが一方、重合体(A)の固有粘
度が6.0〔dl/g〕を超える場合には押出加工時の
定量押出性が悪化するなど通常の加工機械におけ
る加工操作が困難になる。 又、重合体(B)の固有粘度が1.7〔dl/g〕を
超える場合には重合体組成物をタイヤ部材として
成型加工する際に重要視される引裂強度や粘着性
の改良効果が乏しくなる。 このような転動抵抗性能と加工性及び引裂強
度・粘着性のバランスのよい組成物を与える重合
体(A)と重合体(B)との混合比は重量比にし
て30/70乃至95/5の範囲である。この比率より
も重量体(B)が多くなると転動抵抗性能が悪化
して好ましくなく、一方、重合体(A)が多くな
ると引裂強度や粘着性が低くなる。 又、重合体(A)及び(B)の混合物の固有粘
度は、重合体(A),(B)それぞれの固有粘度と
組成比によつて決定されるが、前述の転動抵抗性
と加工性及び引裂強度・粘着性のバランスが良い
という点からは、重合体(A),(B)の混合物に
ついて測定した固有粘度が1.3〔dl/g〕乃至4.0
〔dl/g〕の範囲にあることが好ましく、更に1.5
〔dl/g〕乃至2.5〔dl/g〕の範囲にあることが
特に好ましい。 本発明の重合体組成物においては、更に引裂強
度や粘着性を改良するために重合体(A)及び重
合体(B)の混合物100部に対して固有粘度が0.1
〔dl/g〕以上0.8〔dl/g〕未満であり、綿状又
は、分岐構造を有するブタジエン重合体若しくは
ビニル芳香族化合物とブタジエンとの共重合体
(C)を1部乃至10部含有することができる。 重合体(C)の固有粘度が0.8以上であるか、
或いは重合体(C)の含有量が1部未満の場合に
は引裂強度や粘着性の改良効果が小さくなる一方
重合体(C)の固有粘度が0.1未満であるか、或
いは重合体(C)の含有量が10部を超える場合に
は転動抵抗性能が悪化する故に、重合体(C)を
使用する場合には前述の如き固有粘度並びに含有
量範囲で使用することが好ましい。 本発明の重合体組成物において重合体(A),
(B)あるいは(C)の原料単量体であるビニル
芳香族化合物としては、スチレン、スチレンのベ
ンゼン核置換誘導体、例えば、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−第三級ブチルスチ
レンあるいはスチレンのビニル基置換誘導体、例
えばα−メチルスチレンなどが選択されるが、工
業的規模における実施の際の入手容易性の点から
スチレン、P−メチルスチレン、α−メチルスチ
レンのいずれか一種又は二種以上の混合物が好ま
しく選択される。 本発明の組成物は上述の如き重合体混合物の外
に通常のタイヤ部材の加工・成型に使用される配
合剤、例えばカーボンブラツク、伸展油、老化防
止剤、硫黄及び加硫促進剤などと混合して使用す
ることができる。 また、本発明の組成物には上述の如き重合体混
合物100乃至70重量部に対して天然ゴム及び/又
は、合成イソプレンゴムを0乃至30重量部を混合
することが好ましい。ここで、天然ゴム及び/又
は合成イソプレンゴムの配合量が30重量部を越す
と、ウエツト・ブレーキ性能が低下する為に好ま
しくなく、より優れた加工性、転動抵抗性能、ウ
エツト・ブレーキ性能をバランスよく維持する為
には、5乃至25重量部含有する事がより好まし
い。 次に本発明をより明確にする為、実施例をあげ
て説明するが、本発明はこれにより何ら限定され
るものではない。 なお実施例、比較例における各種物性の測定は
以下の条件で実施した。 固有粘度〔η〕 オストワルド型溶液粘度測定器を用い、トルエ
ン溶媒で30℃において測定した。 ガラス転移点 デユポン社示差熱走査熱量計(D.S.C)を用い
て20℃/分の昇温速度で測定し、転移吸熱ピーク
の位置から転移温度を決定した。 ロール加工性 6″ロールを50℃の温度に調節し、ロール間隙を
0.7mm,1.0mm,1.5mm,2.0mmと変化させて、重合
体又は重合体の混合物を巻付けて、その状態を観
察して以下のように評点をつけた。
(以下、単に「分岐重合体組成物」と記す。)に関
するものである。更に詳しくは耐ウエツトスキツ
ド性能が高く、転動抵抗が低く、加工性に優れ、
更に実用加工上、問題となる引裂強度や粘着性の
高い分岐重合体混合物を含有する組成物に関する
ものである。 近年自動車に対する省燃費要請は益々高まつて
きているが、中でもタイヤの特性が省燃費化に対
して重要な影響を及ばし、その改善が強く望まれ
ている。 タイヤに要求される特性としては主に耐摩耗
性、耐ウエツトスキツド性、低発熱性、耐屈曲
性、耐チツピング性、耐グループクラツキング性
等があるが各種物性がバランス良く具備される必
要がある。特に省資源、省エネルギーという観点
からはエネルギーロスが小さく、転動抵抗の小さ
いことが重要である。 これらの諸物性の中、操縦安定性の為の高い耐
ウエツトスキツド性と省燃費の為の低い転動抵抗
性が特に重要な特性であるが、従来の知見からは
この両特性は相反する特性と認識されていた。 従来、タイヤ用ゴム特にトレツド用ゴムとし
て、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、高シス1,
4ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム
等が主として用いられているが、天然ゴム、ポリ
イソプレンゴム、高シスポリブタジエンゴムはエ
ネルギーロスが少く、低い転動抵抗性をもつ反
面、湿潤路面に対するスキツド抵抗性が低い。一
方スチレンブタジエンゴムは高い耐ウエツトスキ
ツド性を持つているが、発熱性が高く、エネルギ
ーロスが大であり転動抵抗性が高い為省燃費タイ
ヤ材料としては不充分である。 従来、これらのポリマーの欠点を補う為に、各
種ポリマーのブレンド技術が発達してきており、
例えば比較的小型の乗用車タイヤにはスチレンブ
タジエンゴムと高シスポリブタジエンのブレンド
系が主に使用されている。しかしながら、高い耐
ウエツト・スキツド性の維持と、低い転動抵抗の
保持という特性に関しては、近年要望されれてい
る水準からは、はなはだ不充分であつた。 本願発明者等は、従来、二律背反すると考えら
れていた耐ウエツト・スキツド性と転動抵抗性に
ついての基礎的な検討を進める一方、実用上、タ
イヤ製造に際して要求される混練加工性、ロール
加工性、押出加工性等の加工性に秀れた重合体の
構造及びかかる重合体の製造方法について検討を
行ない、特定の構造を有する分岐重合体が高い耐
ウエツト・スキツド性能と優れた転動抵抗性能を
兼ね備えた上に更に優れた加工性を示すことを見
出して先に特許出願を行なつた(願昭57−53387
号(特開昭58−168611号広報参照))。 本願発明者らは、このような分岐重合体をタイ
ヤ用部材の形に成型する際に問題となる引裂強度
や粘着性を改良する方法について鋭意検討を進め
た結果、分岐重合体を特定の方法で複合化した重
合体組成物とすれば、耐ウエツト・スキツド性
能、転動抵抗性能、加工性に優れるという特徴を
損なうことなく、更に引裂強度や粘着性という実
用加工上重要視される物性上も優れた特徴を有す
る組成物となることを見出して本発明に到達し
た。 次に本発明の背景について更に詳しく述べる。 本願発明者らによる先の出願(願昭57−53387
号)明細書(特開昭58−168611号広報参照)にも
記載したとおりタイヤの転動抵抗性能と耐ウエツ
トスキツド抵抗性能とは粘弾性論的に以下の如く
認識し得る。 先ずタイヤの転動抵抗は、車輌走行時のタイヤ
の繰返し変形に伴なうエネルギー損失に起因す
る。即ち、タイヤが走行している間は接地時の変
形と接地から離れた時の回復が繰り返され、その
際応力と歪みとの関係は位相差を生じ、その結果
ヒステリシスロス即ちエネルギー損失を生じる
が、転動抵抗を改善することはかかるエネルギー
損失を少なくすることにほかならない。かかるエ
ネルギー損失はタイヤのカーカス及びブレーカー
の構造、サイドウオールゴム配合によるほか、特
にトレツドゴム配合による影響が大きいことが知
られている。そこでトレツドゴム配合の観点から
タイヤの転動抵抗を低減せしめるにはトレツドゴ
ムの圧縮変形、曲げ変形、剪断変形によるエネル
ギー損失を低減させる必要があるが、これはゴム
の動的粘弾性特性から考えれば損失コンプライア
ンス(E″/E2)及び損失モジユラス(E″)を低
減することを意味する。 他方耐ウエツド・スキツド性能はタイヤが凹凸
のある路面を滑走する際、路面より受ける応力に
対して発生する摩擦抵抗と考えられる。即ちタイ
ヤの如き粘弾性体は受けた応力に対して時間的遅
れをもつた変形回復を示すことから進行方向とは
逆方向のトルクが発生するが、このトルクによる
抵抗が摩擦抵抗であり、動的粘弾性特性の損失正
接(tanδ=E″/E′)に依存する(日本ゴム協会
誌43No.11 1970年)。 従つて耐ウエツト・スキツド性能も転動抵抗性
能も共にゴムの動的損失特性(E″・E″/E※ )2,
E″/E′)に依存する性能であるが、これらの値
の増加により逆に耐ウエツト・スキツド性能は向
上する。要するに動的損失特性値は耐ウエツト・
スキツド性能に関しては大きい方が、一方転動抵
抗性能に関しては小さい方が望ましい。したがつ
て、従来これらの両性能は二律背反するものと認
識され同一の原材料では満足するものが得られな
いと考えられていた。しかしながら発明者らは
種々検討の結果、耐ウエツト・スキツド性能と転
動抵抗性能では材料の受ける変形速度の領域が相
違することに着目した。即ち転動抵抗性能はタイ
ヤの回転速度に対応する変形速度であり通常の走
行速度で周波数が十数ヘルツの領域であるのに対
し、耐ウエツト・スキツド性能は路面の凹凸を滑
走する際に受ける刺激であり周波数が非常に高い
領域であり、動的損失特性の寄与する変形周波領
域が両者相互に相違する。したがつて転動抵抗性
能に寄与する低周波領域では損失特性をできるだ
け低くし、耐ウエツト・スキツド性能に寄与する
高周波領域では損失特性をできるだけ高くするこ
とにより相反する両性能を共に改善することがで
きる。かかる観点から発明者はポリマーの分子構
造分子量分布等に関し検討して先の出願(特開昭
57−53387)の明細書に示した如き転動抵抗性が
低く、耐ウエツト・スキツド性能が高い上に、更
に加工性の優れた分岐重合体を発明するに至つ
た。 本発明の目的は、このような優れた特徴を損な
うことなく、更に重合体をタイヤ用部材の形に成
型する際に重要視される引裂強度や粘着性を改良
した分岐重合体組成物を提供することである。 本発明の組成物は、ビニル芳香族化合物とブタ
ジエンとの共重合体の混合物を含有する組成物で
あつて、該重合体混合物のガラス転移温度が−60
℃以上であり、且つ該重合体混合物が重合体
(A),(B)から成り、重合体(A),(B)は、
それぞれ結合剤である四塩化ケイ素で変性された
ケイ素−スチリル結合を有する高分子鎖を70重量
%以上含むビニル芳香族化合物とブタジエンとの
共重合体であつて、重合体(A)の固有粘度は
1.7〔dl/g〕以上6.0〔dl/g〕未満であり、重合
体(B)の固有粘度は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/
g〕未満であり、重合体(A)と重合体(B)と
の重合体混合物中における重量比が30/70乃至
95/5であることを特徴とするタイヤトレツト用
分岐重合体組成物である。 更に好ましくは前述の重合体(A)及び重合体
(B)の混合物のガラス転移温度が−50℃以上で
あり、この混合物の平均的固有粘度が1.3〔dl/
g〕乃至4.0〔dl/g〕である如き重合体組成物で
ある。 重合体混合物のガラス転移温度が低くなると重
合体混合物を含有する組成物を使用したタイヤの
耐ウエツト・スキツド抵抗性能が低下してブレー
キ特性が悪化する故に、本発明の分岐重合体組成
物においては、重合体(A),(B)の混合物のガ
ラス転移温度は−60℃以上、好ましくは−50℃以
上に限定される。 本発明の重合体組成物において重合体(A),
(B)は、それぞれがビニル芳香族化合物とブタ
ジエンとの共重合体であるが、前述の混合物のガ
ラス転移温度の範囲が満たされる限りにおいて、
重合体(A),(B)のそれぞれのガラス転移温度
は、相互に同一であつても良いし又、相互に異な
つても良い。 重合体(A),(B)のガラス転移温度は、それ
ぞれの重合体に結合されるビニル芳香族化合物の
含量及び結合ブタジエン中の1.2結合量を所定の
値とすることにより決定される。一般にビニル芳
香族化合物の含量及び1.2結合含量が高い程、ガ
ラス転移温度が高くなる傾向にあり、耐ウエツ
ト・スキツド抵抗性能の点から見るとこれらの含
量は高い程好ましいと考えられるが、一方、ビニ
ル芳香族化合物含量が35重量%を超えるとゴムの
引裂強度や耐摩耗性が低下する傾向にあり、又ブ
タジエン部分の1.2結合含量が60モル%を超える
場合にも引裂強度が低下する傾向にある。これら
諸特性のバランス上本発明の組成物において重合
体(A),(B)中に結合されるビニル芳香族化合
物の結合量は15乃至35重量%であり、又、結合ブ
タジエン中の1.2結合含量は30モル%以上60モル
%未満であることが好ましい。 又、本発明においては加工性の優れた重合体組
成物を得るために、重合体(A)及び重合体
(B)のそれぞれにおいて、結合剤である四塩化
ケイ素で変性された高分子鎖は、該重合体の高分
子鎖の内、少なくとも70重量%となるように制御
される。この場合3官能性あるいは4官能性の結
合剤で変性された高分子鎖とは、その高分子鎖中
の原子又は原子団から4方向に化学結合により結
合された高分子鎖が存在する如き形状を有する高
分子鎖を意味する。 このような変性された分岐高分子鎖を含有する
重合体を製造する方法としては、アルカリ金属化
合物を重合開始剤として用いる公知のリビングア
ニオン重合法が有効であり、リビング活性重合体
溶液に末端結合剤を作用させて活性重合体末端同
士を結合する方法が採用し得る。すなわち、重合
開始剤を用いてスチレンとブタジエンとを共重合
して得られる活性重合体溶液に、結合剤である四
塩化ケイ素を作用させるのであるが、一般に、ス
チレンとブタジエンを共重合させた場合には、ス
チレンとブタジエンの反応性の相違から、重合初
期にはブタジエンが優先的に重合し、反応後期の
高分子末端はスチレンとなつていることは公知の
事実である。かかる高分子末端を有する高分子鎖
に結合剤である四塩化ケイ素を作用せしめた場
合、得られる高分子鎖は、スチリル−ケイ素末端
を有するものとなる。 本発明の重合体組成物に含有される重合体
(A)及び(B)のそれぞれにおいては、少なく
とも70重量%の高分子鎖が上に説明したように結
合された分岐を有する高分子鎖であり、残りの高
分子鎖は分岐を有しない高分子鎖である。 この場合に結合された分岐を有する高分子鎖の
重合体中に占める重量比率はゲル・パーミエーシ
ヨン・クロマトグラフ(GPC)によつて測定さ
れた分子量分布から、読みとることができる。即
ち結合された分岐を有する高分子鎖の平均分子量
に相当するピークの高さと分岐を有しない高分子
鎖の平均分子量に相当するピークの高さとの相対
比をもつて、それぞれの高分子鎖の重量比率と定
義する。 重合体(A),(B)において、結合された高分
子鎖は、結合剤である四塩化ケイ素によつて変性
された形状を有するものである。 この変性された高分子鎖の割合は高い程ロール
加工性が良好であり、少なくとも70重量%、好ま
しくは80重量%以上となるように制御される。 変性された高分子鎖の割合が70重量%以上であ
れば、ロール加工時のゴムシートの巻付安定性が
良好で加工操作が容易であり、更にこの割合が80
重量%以上であれば、表面肌の平滑な、良好なシ
ートが得られる。 このような好ましい変性高分子鎖の割合を得る
ためには重合体の製造時において、使用する結合
剤の活性重合体末端に対するモル比を制御すべき
であり、結合剤である四塩化ケイ素の量は活性重
合体末端1モルに対して0.175乃至0.250モルとす
べきである。 本発明の重合体組成物において、重合体(A)
の分子量は、30℃のトルエン中で測定した重合体
Aの固有粘度が1.7〔dl/g〕以上6.0〔dl/g〕未
満である如き範囲内に限定され、又重合体(B)
の固有粘度は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/g〕未満
に限定される。重合体(A),(B)の分子量が上
述の範囲より低いと動的損失が大となり、転動抵
抗性能が悪化するが一方、重合体(A)の固有粘
度が6.0〔dl/g〕を超える場合には押出加工時の
定量押出性が悪化するなど通常の加工機械におけ
る加工操作が困難になる。 又、重合体(B)の固有粘度が1.7〔dl/g〕を
超える場合には重合体組成物をタイヤ部材として
成型加工する際に重要視される引裂強度や粘着性
の改良効果が乏しくなる。 このような転動抵抗性能と加工性及び引裂強
度・粘着性のバランスのよい組成物を与える重合
体(A)と重合体(B)との混合比は重量比にし
て30/70乃至95/5の範囲である。この比率より
も重量体(B)が多くなると転動抵抗性能が悪化
して好ましくなく、一方、重合体(A)が多くな
ると引裂強度や粘着性が低くなる。 又、重合体(A)及び(B)の混合物の固有粘
度は、重合体(A),(B)それぞれの固有粘度と
組成比によつて決定されるが、前述の転動抵抗性
と加工性及び引裂強度・粘着性のバランスが良い
という点からは、重合体(A),(B)の混合物に
ついて測定した固有粘度が1.3〔dl/g〕乃至4.0
〔dl/g〕の範囲にあることが好ましく、更に1.5
〔dl/g〕乃至2.5〔dl/g〕の範囲にあることが
特に好ましい。 本発明の重合体組成物においては、更に引裂強
度や粘着性を改良するために重合体(A)及び重
合体(B)の混合物100部に対して固有粘度が0.1
〔dl/g〕以上0.8〔dl/g〕未満であり、綿状又
は、分岐構造を有するブタジエン重合体若しくは
ビニル芳香族化合物とブタジエンとの共重合体
(C)を1部乃至10部含有することができる。 重合体(C)の固有粘度が0.8以上であるか、
或いは重合体(C)の含有量が1部未満の場合に
は引裂強度や粘着性の改良効果が小さくなる一方
重合体(C)の固有粘度が0.1未満であるか、或
いは重合体(C)の含有量が10部を超える場合に
は転動抵抗性能が悪化する故に、重合体(C)を
使用する場合には前述の如き固有粘度並びに含有
量範囲で使用することが好ましい。 本発明の重合体組成物において重合体(A),
(B)あるいは(C)の原料単量体であるビニル
芳香族化合物としては、スチレン、スチレンのベ
ンゼン核置換誘導体、例えば、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−第三級ブチルスチ
レンあるいはスチレンのビニル基置換誘導体、例
えばα−メチルスチレンなどが選択されるが、工
業的規模における実施の際の入手容易性の点から
スチレン、P−メチルスチレン、α−メチルスチ
レンのいずれか一種又は二種以上の混合物が好ま
しく選択される。 本発明の組成物は上述の如き重合体混合物の外
に通常のタイヤ部材の加工・成型に使用される配
合剤、例えばカーボンブラツク、伸展油、老化防
止剤、硫黄及び加硫促進剤などと混合して使用す
ることができる。 また、本発明の組成物には上述の如き重合体混
合物100乃至70重量部に対して天然ゴム及び/又
は、合成イソプレンゴムを0乃至30重量部を混合
することが好ましい。ここで、天然ゴム及び/又
は合成イソプレンゴムの配合量が30重量部を越す
と、ウエツト・ブレーキ性能が低下する為に好ま
しくなく、より優れた加工性、転動抵抗性能、ウ
エツト・ブレーキ性能をバランスよく維持する為
には、5乃至25重量部含有する事がより好まし
い。 次に本発明をより明確にする為、実施例をあげ
て説明するが、本発明はこれにより何ら限定され
るものではない。 なお実施例、比較例における各種物性の測定は
以下の条件で実施した。 固有粘度〔η〕 オストワルド型溶液粘度測定器を用い、トルエ
ン溶媒で30℃において測定した。 ガラス転移点 デユポン社示差熱走査熱量計(D.S.C)を用い
て20℃/分の昇温速度で測定し、転移吸熱ピーク
の位置から転移温度を決定した。 ロール加工性 6″ロールを50℃の温度に調節し、ロール間隙を
0.7mm,1.0mm,1.5mm,2.0mmと変化させて、重合
体又は重合体の混合物を巻付けて、その状態を観
察して以下のように評点をつけた。
【表】
重合体(A),(B)における変性された高分子鎖の割合
の測定 東洋曹達製HLC−802URを使用、分配カラム
として103,104,106,107のカラムを撰択し、屈
折計を検出器として用いた。展開溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を用いて40℃で重合体
の分子量分布を測定した。変性された高分子鎖と
変性されていない高分子鎖のそれぞれの平均分子
量に相当するピークの高さの相対比を以つて、そ
れぞれの高分子鎖の重量比率とした。 ウエツド・スキツド抵抗性能 厚さ6.5mmの加硫ゴムシートについて、スタン
レイ社製ポータブルスキツドレジスタンステスタ
ーを用りて測定した。接触路面として温度20℃の
水を噴霧したアスフアルト面を選定した。 動的損失値 東洋ボールドウイン社製動的固体粘弾性測定器
を用い加硫シートを初期伸長0.6%、両振巾0.1
%、周波数11Hzにおいて、温度を変化させて測定
した。 引裂強度 JIS K−6301に従つてB型試験片について測定
した。 粘着性 東洋精機製ピツクアツプ式タツクメーターを用
して温度23℃において圧着荷重500g、圧着時間
10秒間、引離し速度毎分10mmなる条件にて測定し
た。 なお、加硫物を得るための配合処方は、以下の
とおりであつた。 重合体 100部 アロマ油 20部 ステアリン酸 2部 イオウ 1.6部 カーボンブラツク 60部 亜鉛華 5部 加硫促進剤 2部 実施例 1〜3 n−ブチルリチウムを重合開始剤として、テト
ラヒドロフラン及びヘキサンの共存下にスチレン
とブタジエンとを共重合して得られる活性重合体
溶液に四塩化ケイ素を作用せしめて結合された分
岐を有する重合体(A),(B)をそれぞれ合成した。得
られた重合体溶液を重合体(A),重合体(B)の混合比
率が所定の重量比になるよちうに混合し、重合体
混合物をメタノール再沈澱法により回収した。 重合体(A),(B)及び(A)/(B)混合物の物性を第1表
に示す。 本発明の組成物である実施例1〜3の組成物は
ウエツト・スキツド抵抗性能が60乃至62と高く動
的損失値E″,(E″/1E※ 12)の値が低く、ロール
加工製に優れ、更に150℃における引裂強度も20
〜23〔Kg/cm〕と高く、粘着性も570(g/15min)
以上と高い。 比較例 1 比較例1は、本発明に拠らない例であり、結合
剤で変性された高分子鎖が重合体中の51%と低
く、しかもガラス転移温度も−57℃と低い重合体
の例である。 この場合には、動的損失もE″=22.7〔Kg/cm2〕
と大きく、又、ウエツト・スキツド抵抗性能も不
十分であり、更にロール加工時のゴムシートに粘
りが無く、加工し難い。本発明の目的には適さな
い重合体であることが判明した。 比較例 2 比較例2は結合剤で変性された高分子鎖の割合
は85%と高いが、本発明にいう重合体(B)を含まな
い例である。比較例2の重合体は、ウエツト・ス
キツド抵抗性能、動的損失値、ロール加工性にす
ぐれるものの、引裂強度や粘着性が不充分であり
本発明の目的には到達していない。
の測定 東洋曹達製HLC−802URを使用、分配カラム
として103,104,106,107のカラムを撰択し、屈
折計を検出器として用いた。展開溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を用いて40℃で重合体
の分子量分布を測定した。変性された高分子鎖と
変性されていない高分子鎖のそれぞれの平均分子
量に相当するピークの高さの相対比を以つて、そ
れぞれの高分子鎖の重量比率とした。 ウエツド・スキツド抵抗性能 厚さ6.5mmの加硫ゴムシートについて、スタン
レイ社製ポータブルスキツドレジスタンステスタ
ーを用りて測定した。接触路面として温度20℃の
水を噴霧したアスフアルト面を選定した。 動的損失値 東洋ボールドウイン社製動的固体粘弾性測定器
を用い加硫シートを初期伸長0.6%、両振巾0.1
%、周波数11Hzにおいて、温度を変化させて測定
した。 引裂強度 JIS K−6301に従つてB型試験片について測定
した。 粘着性 東洋精機製ピツクアツプ式タツクメーターを用
して温度23℃において圧着荷重500g、圧着時間
10秒間、引離し速度毎分10mmなる条件にて測定し
た。 なお、加硫物を得るための配合処方は、以下の
とおりであつた。 重合体 100部 アロマ油 20部 ステアリン酸 2部 イオウ 1.6部 カーボンブラツク 60部 亜鉛華 5部 加硫促進剤 2部 実施例 1〜3 n−ブチルリチウムを重合開始剤として、テト
ラヒドロフラン及びヘキサンの共存下にスチレン
とブタジエンとを共重合して得られる活性重合体
溶液に四塩化ケイ素を作用せしめて結合された分
岐を有する重合体(A),(B)をそれぞれ合成した。得
られた重合体溶液を重合体(A),重合体(B)の混合比
率が所定の重量比になるよちうに混合し、重合体
混合物をメタノール再沈澱法により回収した。 重合体(A),(B)及び(A)/(B)混合物の物性を第1表
に示す。 本発明の組成物である実施例1〜3の組成物は
ウエツト・スキツド抵抗性能が60乃至62と高く動
的損失値E″,(E″/1E※ 12)の値が低く、ロール
加工製に優れ、更に150℃における引裂強度も20
〜23〔Kg/cm〕と高く、粘着性も570(g/15min)
以上と高い。 比較例 1 比較例1は、本発明に拠らない例であり、結合
剤で変性された高分子鎖が重合体中の51%と低
く、しかもガラス転移温度も−57℃と低い重合体
の例である。 この場合には、動的損失もE″=22.7〔Kg/cm2〕
と大きく、又、ウエツト・スキツド抵抗性能も不
十分であり、更にロール加工時のゴムシートに粘
りが無く、加工し難い。本発明の目的には適さな
い重合体であることが判明した。 比較例 2 比較例2は結合剤で変性された高分子鎖の割合
は85%と高いが、本発明にいう重合体(B)を含まな
い例である。比較例2の重合体は、ウエツト・ス
キツド抵抗性能、動的損失値、ロール加工性にす
ぐれるものの、引裂強度や粘着性が不充分であり
本発明の目的には到達していない。
【表】
実施例 4
実施例1〜3と同様にして合成した分岐鎖を有
する重合体(A),(B)の混合物100部に対して
固有粘度が0.46〔dl/g〕であり、スチレン含量
25wt%ブタジエン部のビニル含量が40wt%であ
る如き線状のスチレン・ブタジエン共重合体
(C)を5.0重量部混合して、諸物性値を測定し
た。結果を第2表に示す。 第2表に示されるとおり、本発明の組成物であ
る実施例4の組成物はウエツト・スキツド抵抗性
能に優れ動的損失値が低く、ロール加工性も極め
て良好である上に引裂強度や粘着性も高く、実用
加工上も好適な化合物であることが判明した。
する重合体(A),(B)の混合物100部に対して
固有粘度が0.46〔dl/g〕であり、スチレン含量
25wt%ブタジエン部のビニル含量が40wt%であ
る如き線状のスチレン・ブタジエン共重合体
(C)を5.0重量部混合して、諸物性値を測定し
た。結果を第2表に示す。 第2表に示されるとおり、本発明の組成物であ
る実施例4の組成物はウエツト・スキツド抵抗性
能に優れ動的損失値が低く、ロール加工性も極め
て良好である上に引裂強度や粘着性も高く、実用
加工上も好適な化合物であることが判明した。
【表】
【表】
次に、実施例1〜4、及び比較例1〜2の処方
によつて得られたゴム組成物を、トレツドに用い
て、165SR13スチール・ラジアルタイヤを製造
し、転動抵抗、ウエツト・ブレーキ性能、操縦安
定性能を計測した。結果を第3表に示す。 転動抵抗性能 上記タイヤを60インチドラム上にて速度80Km/
h、内圧2.0Kgf/cm2、荷重300Kgの条件下で走行
させ、転動抵抗性能を測定した。表には、市販の
SBR1500を基準として相対値で示す。数値の小
さい程転動抵抗性能はすぐれている。 本発明の実施例はいずれもSBR1500より大巾
な転動抵抗性能の向上が認められる。 ウエツト・ブレーキ性能 上記タイヤを排気量1500c.c.の乗用車に装着し、
コンクリート製の滑りやすい路面に散水した状態
において1名乗車時の速度60Km/hからの停止距
離から摩擦係数μを算出し、市販のSBR1500を
基準として相対値で示す。数値の大きい程ウエツ
ト・ブレーキ性能はすぐれている。 本発明の実施例は、いずれもSBR1500より大
巾なウエツト・ブレーキ性能の向上が認められ
る。 操縦安定性能 上記タイヤを排気量1500c.c.の乗用車に装着し、
JARI総合試験路において空気圧1.8Kgf/cm2、1名
乗車時の走行時における操縦安定性能を、市販の
SBR1500を基準値3.0として相対値で示す。操縦
安定性能は、直進安定性、ハンドル応答性、接地
性、収斂性から評価し、各評価の総合評価を示
し、数値の大きい程すぐれている。 本発明の実施例は、いずれもSBR1500より操
縦安定性能の向上が認められる。
によつて得られたゴム組成物を、トレツドに用い
て、165SR13スチール・ラジアルタイヤを製造
し、転動抵抗、ウエツト・ブレーキ性能、操縦安
定性能を計測した。結果を第3表に示す。 転動抵抗性能 上記タイヤを60インチドラム上にて速度80Km/
h、内圧2.0Kgf/cm2、荷重300Kgの条件下で走行
させ、転動抵抗性能を測定した。表には、市販の
SBR1500を基準として相対値で示す。数値の小
さい程転動抵抗性能はすぐれている。 本発明の実施例はいずれもSBR1500より大巾
な転動抵抗性能の向上が認められる。 ウエツト・ブレーキ性能 上記タイヤを排気量1500c.c.の乗用車に装着し、
コンクリート製の滑りやすい路面に散水した状態
において1名乗車時の速度60Km/hからの停止距
離から摩擦係数μを算出し、市販のSBR1500を
基準として相対値で示す。数値の大きい程ウエツ
ト・ブレーキ性能はすぐれている。 本発明の実施例は、いずれもSBR1500より大
巾なウエツト・ブレーキ性能の向上が認められ
る。 操縦安定性能 上記タイヤを排気量1500c.c.の乗用車に装着し、
JARI総合試験路において空気圧1.8Kgf/cm2、1名
乗車時の走行時における操縦安定性能を、市販の
SBR1500を基準値3.0として相対値で示す。操縦
安定性能は、直進安定性、ハンドル応答性、接地
性、収斂性から評価し、各評価の総合評価を示
し、数値の大きい程すぐれている。 本発明の実施例は、いずれもSBR1500より操
縦安定性能の向上が認められる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ビニル芳香族化合物とブタジエンとの共重合
体の混合物を含有する組成物であつて、該重合体
混合物のガラス転移温度が−60℃以上であり、且
つ該重合体混合物が重合体(A),(B)から成
り、重合体(A),(B)は、それぞれ結合剤であ
る四塩化ケイ素で変性されたケイ素−スチリル結
合を有する高分子鎖を70重量%以上含むビニル芳
香族化合物とブタジエンとの共重合体であつて、
重合体(A)の固有粘度は1.7〔dl/g〕以上6.0
〔dl/g〕未満であり、重合体(B)の固有粘度
は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/g〕未満であり、重
合体(A)と重合体(B)との重合体混合物中に
おける重量比が30/70乃至95/5であることを特
徴とするタイヤトレツド用分岐重合体組成物。 2 重合体(A),(B)におけるビニル芳香族化
合物の結合量が15乃至35重量%であり、重合体
(A),(B)の結合ブタジエン中の1,2結合含
量が30モル%以上60モル%未満である特許請求範
囲第1項記載の組成物。 3 重合体(A)及び重合体(B)の混合物100
部に対して固有粘度が0.1〔dl/g〕以上0.8〔dl/
g〕未満であり、線状又は分岐構造を有するブタ
ジエン重合体若しくはビニル芳香族化合物とブタ
ジエンとの共重合体(C)を1部乃至10部含有す
る特許請求範囲1項又は2項記載の組成物。 4 重合体(A)及び重合体(B)の混合物のガ
ラス転移温度が−50℃以上である請求範囲1項乃
至3項記載の組成物。 5 重合体(A)及び重合体(B)の混合物の平
均的固有粘度が1.3〔dl/g〕乃至4.0〔dl/g〕で
ある請求範囲1項乃至4項のいずれかに記載の組
成物。 6 重合体(A)及び重合体(B)の混合物の平
均的固有粘度が1.5〔dl/g〕乃至2.5〔dl/g〕で
ある請求範囲1項乃至4項のいずれかに記載の組
成物。 7 重合体(A),(B)の少なくとも一方が結合
剤である四塩化ケイ素で変性された高分子鎖を80
重量%以上含む重合体である請求範囲1項乃至6
項のいずれかに記載の組成物。 8 ビニル芳香族化合物が、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレンの内の一種又は
二種以上の混合物である請求範囲1項乃至7項記
載の組成物。 9 重合体(A),(B)の混合物100〜70重量%
に対して、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴ
ム0〜30重量%を含有する特許請求の範囲第1項
乃至第2項記載の組成物。 10 重合体(A),(B),(C)の混合物100〜
70重量%に対して、天然ゴム及び/又は、合成イ
ソプレンゴム0〜30重量%を含有する特許請求の
範囲第3項乃至第7項のいずれかに記載の組成
物。 11 ビニル芳香族化合物とブタジエンとの共重
合体の混合物を含有する組成物であつて、該重合
体混合物のガラス転移温度が−60℃以上であり、
且つ該重合体混合物が重合体(A),(B)から成
り、重合体(A),(B)は、それぞれ結合剤であ
る四塩化ケイ素で変性されたケイ素−スチリル結
合を有する高分子鎖を70重量%以上含むビニル芳
香族化合物とブタジエンとの共重合体であつて、
重合体(A)の固有粘度は1.7〔dl/g〕以上6.0
〔dl/g〕未満であり、重合体(B)の固有粘度
は0.8〔dl/g〕以上1.7〔dl/g〕未満であり、重
合体(A)と重合体(B)との重合体混合物中に
おける重量比が30/70乃至95/5であることを特
徴とするタイヤトレツド用分岐重合体組成物をト
レツドに用いたタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57114735A JPS594634A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 分岐重合体組成物及び該組成物をトレツドに用いたタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57114735A JPS594634A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 分岐重合体組成物及び該組成物をトレツドに用いたタイヤ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS594634A JPS594634A (ja) | 1984-01-11 |
| JPH0471937B2 true JPH0471937B2 (ja) | 1992-11-17 |
Family
ID=14645323
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57114735A Granted JPS594634A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 分岐重合体組成物及び該組成物をトレツドに用いたタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS594634A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5636532A (en) * | 1979-09-04 | 1981-04-09 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | Rubber composition |
| JPS5755912A (en) * | 1980-09-20 | 1982-04-03 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | High-level bond content styrene/butadiene copolymer |
-
1982
- 1982-06-30 JP JP57114735A patent/JPS594634A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS594634A (ja) | 1984-01-11 |
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