JPH047255B2 - - Google Patents
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- JPH047255B2 JPH047255B2 JP61011089A JP1108986A JPH047255B2 JP H047255 B2 JPH047255 B2 JP H047255B2 JP 61011089 A JP61011089 A JP 61011089A JP 1108986 A JP1108986 A JP 1108986A JP H047255 B2 JPH047255 B2 JP H047255B2
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- membrane
- composite membrane
- producing
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- crosslinked composite
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/10—Supported membranes; Membrane supports
- B01D69/106—Membranes in the pores of a support, e.g. polymerized in the pores or voids
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D71/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D71/06—Organic material
- B01D71/08—Polysaccharides
- B01D71/12—Cellulose derivatives
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、有機物水溶液または有機物−水混合
蒸気から水を分離する膜の製造方法に関する。更
に詳しくは、有機物水溶液を浸透気化法によつ
て、または有機物−水混合蒸気を蒸気透過法によ
つて分離濃縮する膜の製造方法に関するものであ
る。 (従来技術) 膜を用いた、有機物水溶液の濃縮・分離に関し
て、一部の低濃度の有機物水溶液の濃縮に対して
は、逆浸透法が実用化されてきた。しかしなが
ら、逆浸透法は分離液の浸透圧以上の圧力を被分
離液に加える必要があるため、浸透圧が高くなる
高濃度水溶液に体しては適用不可能であり、従つ
て分離できる溶液の濃度に限界がある。 これに対して、浸透圧の影響を受けない分離法
として蒸気気化法および蒸気透過法が新しい分離
法として脚光を浴びつつある。浸透気化法とは、
膜の一次側に分離液を供給し、膜の二次側(透過
側)を減圧にするか、またはキヤリヤーガスを通
気することによつて、分離物質を気体状で膜透過
させる方法であり、蒸気透過法とは、膜の1次側
への供給が混合蒸気である点が浸透気化法と異な
るものである。膜透過物質は、透過蒸気を冷却、
凝縮する事によつて採取することができる。浸透
気化法についてはこれまでに多くの研究例が報告
されている。例えば、エタノール水溶液の分離に
関しては、米国特許2953502号にセルロースアセ
テート均一膜を、米国特許3035060号には、ポリ
ビニルアルコール膜の例がある。いずれも、分離
係数は低いものである。また特開昭59−109204号
には、セルロースアセテート膜やポリビニルアル
コール系膜をスキン層とする複合膜が、特開昭59
−55305号には、ポリエチレンイミン系架橋複合
膜があるが、いずれも透過速度または分離係数が
低いものであつた。特開昭60−129104にはアニオ
ン性多糖からの膜が記載されている。該特許の実
施例に記載されている膜素材は、水溶性ポリマー
のために低濃度の有機物水溶液に対しては、膜の
耐久性が低い。従つて、実施例には記載されてい
ないが、該特許には膜を水に不溶ならしめる十分
な量で架橋することも記載されている。しかしな
がら通常架橋処理をすると、分離係数は増大する
ものの、透過速度は低下する。 (発明が解決しようとする問題点) 前記したように、従来の浸透気化法または蒸気
透過法にもちいられるべき分離膜は、透過速度が
低いため、大面積の膜が必要となり、または、分
離係数が低いために、分離液を目的の濃度にまで
濃縮するためには、高濃度の透過液を循環処理す
る必要があつた。これらは、装置価格あるいは運
転費用が高くなる欠点となつていた。 本発明で言う透過速度とは、単位膜面積・単位
時間当たりの透過混合物量でKg/m2・hrの単位で
表わす。一方、分離係数(α)は、供給液あるい
は供給蒸気中の水と有機物との比に対する透過気
体中の水と有機物との比である。即ち、α=
(X/Y)p/(X/Y)fである。ここで、X、
Yは2成分系での水及び有機物のそれぞれの組成
を、またp及びfは透過及び供給をあらわす。 本発明の目的は、浸透気化法および蒸気透過法
によつて、有機物水溶液または有機物と水の混合
蒸気の分離にあたり、有機物の広範囲な濃度領域
に対して、十分な耐久性と高い透過速度および分
離係数を有する分離膜を得ることにある。 透過速度を増大させるためには、膜厚みは薄い
ほうが良いが、しかしながら、膜厚みが薄いと、
膜の機械的強度が低下する。透過速度を高く、か
つ膜の機械的強度を保持するために、多孔性支持
体の上に分離機能を持つち密な薄膜(スキン層)
を有する複合膜が用いられる。該スキン層の厚み
は薄いほど透過速度は高くなるが、該スキン層を
薄くしていくと、膜面に欠陥が生じやすくなり、
分離係数は低下するのが従来法であつた。 本発明になる架橋複合膜の製造方法では、透過
速度が高く、かつ膜の欠陥がない分離係数の高い
膜を形成しようとするものである。 (発明の構成) 以上の点について、鋭意検討した結果、上記問
題点を解決するためには、以下の方法によつて達
成されることがわかつた。 (1) 多孔性支持体上に共有結合による架橋構造を
有するスキン層を形成させる架橋複合膜の製造
方法において、水酸基又はアミノ基を含有する
化合物とその架橋剤とからなる、架橋反応を生
起させる化合物の組み合わせを溶質として含有
する溶液を多孔性支持体上に塗布した後に、乾
燥と同時に溶質の架橋処理を行うスキン層の形
成工程を、繰り返して行うことを特徴とする架
橋複合膜の製造方法。 (2) 塗布および架橋処理を少なくとも2回以上行
う第1項記載の架橋複合膜の製造方法。 (3) 水酸基を含有する水溶性高分子と、水酸基と
反応して架橋構造を形成させる架橋剤との混合
物の溶液を用いる第1項または第2項記載の架
橋複合膜の製造方法。 (4) 水酸基を含有する水溶性高分子が、ポリビニ
ルアルコールまたはポリビニルアルコール共重
合体またはこれらにアニオン性基が塩の形で導
入された化合物である第3項記載の架橋複合膜
の製造方法。 (5) 水酸基を含有する水溶性高分子が、多糖また
は多糖誘導体、またはこれらにアニオン性基が
塩の形で導入されたものである第3項記載の架
橋複合膜の製造方法。 (6) 架橋剤が、メラミン、変性メラミン、尿素系
化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、
酸無水物である第1項または第2項記載の架橋
複合膜の製造方法。 (7) 該架橋性混合溶液を浸漬により、あるいは、
バーコーター、ロール、ドクターブレードを用
いることにより塗布する第1項または第2項記
載の架橋複合膜の製造方法。 (8) 架橋処理が加熱、紫外線照射、電子線照射で
ある第1項または第2項記載の架橋複合膜の製
造方法。 有機物水溶液または有機物/水の蒸気混合物か
ら水を選択的に透過させるためには、水の配位能
力の大きい官能基を膜に導入するのが良い。しか
し、これらの官能基の膜素材への導入量が多い場
合は、該膜素材に水溶性となる。従つて、膜内へ
の官能基の導入量によつては、水組成比の高い供
給液又は供給混合蒸気に対して、膜は膨潤あるい
は溶解し、耐久性及び膜性能が著しく低下する。
これに対処するため、該親水性膜素材を架橋処理
することが一般的にとられる。 また、透過速度が高めるために、スキン層の薄
い複合膜を用いるが、これには塗布するポリマー
溶液の濃度を低くするか、塗布厚みを薄くするの
が一般的である。しかし、この様にして作成され
たスキン層は支持膜の表面状態(孔形態、表面構
造、異物の付着等)の影響を受け易く、形成した
複合膜のスキン層にも欠陥部が生じやすい。そこ
で、欠陥部を消滅又は補修するために、該支持膜
上に該膜形成溶液の塗布−乾燥のプロセスを複数
回行う方法がとられている。しかしながら、薄層
膜が架橋されていない場合には、該薄層上に重ね
塗布をすると、既に形成されていた薄層の一部が
塗布溶液に溶解するため、複数回塗布しても、微
少欠陥消滅の効果は現われない。 本発明になる架橋複合膜の製造法は、該多孔性
支持膜上に、共有結合による架橋反応を生起させ
る化合物を溶質として含有する溶液を塗布し、乾
燥と同時に溶質の架橋処理を行い、多孔性支持膜
上に架橋薄膜を形成させ、さらにこの塗布、架橋
処理を繰り返すことによるものである。従つて、
一回の塗布及び架橋処理において形成する架橋薄
膜に欠陥があつても、重ねて、該架橋性混合溶液
を塗布、架橋処理を施すことで欠陥をなくすこと
ができる。また、これは該架橋薄膜素材の化学構
造と該架橋性混合溶液中の化合物の化学構造と
は、架橋点を除いて同一であるから、該架橋薄膜
と、該架橋性混合溶液とは親和性が強く、重ね塗
布において均一な塗布が容易であるためでもあ
る。また形成された薄膜が架橋してあるため、こ
の上に重ね塗布を行つても一度形成した薄膜の再
溶解がなく効率よく膜の欠陥を消滅させることが
できる。 本発明で言う共有結合による架橋反応を生起さ
せる化合物とは、常温において反応性の低い化合
物の組み合わせからなるものであつて、例えば、
水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基等の活性水
素を有する高分子化合物とメラミン化合物、尿素
系化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物等
の架橋剤との組みあわせなどを挙げることができ
る。さらに具体的には、水酸基を含有する高分子
化合物として、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール共重合体、あるいはこれらの重合体
にアニオン性基を塩の形で導入した誘導体、セル
ロール、アルギン酸、キチンなどの多糖、あるい
は、これらの多糖にアニオン性基を塩の形で導入
した誘導体等を挙げることができる。また、水酸
基を含有する低分子化合物を使用してもよく、グ
リセリン、エチレングリコール、ソルビツト等の
多官能アルコールを挙げることができる。 またアミノ基を含有する化合物としては、ポリ
ビニルアミン、ポリエチレンイミン等の高分子化
合物、あるいは、フエニレンジアミン、ビスフエ
ニルジアミン等各種多官能アミンを挙げることが
できる。一方、これらのアミノ基を含有する化合
物と反応する架橋剤としては、具体的にはエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチ
ルメチロール化メラミン、無水トリメリツト酸等
を挙げることができる。これらの化合物を適当な
比率で混合することによつて、本発明の共有結合
による架橋複合膜を作成することができる。 次に、架橋性混合溶液を多孔性支持体上に塗布
する方法としては、浸漬法、ドクターブレード、
バーコーター、ロール転写法、スプレー法等の塗
布方法を用いても可能である。また、膜の形態も
平膜、中空糸、チユーブ膜等のいづれでも良く、
膜形態および架橋性混合溶液等によつて任意に決
めることができる。 (発明の効果) 同一膜素材からなる均一な膜において、膜厚み
は、透過速度に影響を及ぼすが、分離係数にはほ
とんど影響を示さないと考えるのが一般的であつ
た。しかしながら架橋薄膜においては、膜厚が薄
くなると、透過速度だけでなく、分離係数も上昇
する場合が認められる。この様な場合、同一膜厚
みの膜を作成するのに、一度の流延−架橋処理に
よつて製膜するよりも、より薄い厚みの膜を数回
にわたつて塗布した方が分離係数が上昇する。本
発明による塗布−架橋処理の繰り返し法による架
橋複合膜の製造法は、一度の塗布では、膜に欠陥
の生じる架橋複合膜の製造方法において、高い分
離係数と、高い透過速度を合わせ持つ超薄膜複合
膜の製造を可能にするものである。 (実施例) 以下に実施例を示して、さらに具体的に本発明
を説明するが、これによつて本発明が制限を受け
るものではない。 実施例 1 グルコース単位当たり0.91個のスルホエチル基
を有するスルホエチルセルロースを合成した。こ
のスルホエチルセルロースの2%水溶液90重量部
とヘキサメトキシメチルメラミン(昭和高分子(株)
製SM−607)10重量部とからなる混合溶液を調
整し、この溶液に希塩酸を加えてPH4にした。 この混合溶液を、ロツド径8mm、ワイヤー径
0.2mmのバーコーターを用いて、ポリエーテルサ
ルホン製限外過膜(ダイセル化学工業(株)製、
DUS−40)上に塗布した後、直ちに無塵乾燥器
内に入れ、100℃で8分間熱処理した。乾燥器内
より膜をとり出し、該混合溶液の塗布および加熱
処理をさらに2回繰り返した後、最後に30分間
100℃で加熱乾燥した。 得られた膜の1次側に、温度83℃、ゲージ圧力
0.3Kg/cm2で、エタノールが約95重量パーセント
のエタノール/水の混合蒸気を供給し、膜の2次
側(透過側)を数Torrに減圧した。透過気体を
ガスクロマトグラフイーにより分析し、膜透過速
度及び分離係数を算出したところ、分離係数
3011、透過速度0.585Kg/m2・hrであつた。 実施例 2 多孔性支持体上への塗布および加熱処理が、2
回である以外は、実施例1と同様に行い架橋複合
膜を得た。結果を表1に示す。 比較例 1 多孔性支持体上への塗布および加熱処理が1回
である以外は、実施例1と同様に行い架橋膜を作
成した。結果を表1に示す。実施例1で得られた
膜に比べ透過速度は高いものの分離係数は低く、
膜に微小な欠陥が生じていることがわかる。 比較例 2 多孔性支持体上へ塗布するのに、すき間厚み
150μmのドクターブレードを用い、塗布および
加熱処理が1回であり、加熱時間が60分である以
外は実施例1と同様に行い、架橋複合膜を得た。
膜性能を測定した結果を表1に示す。比較例1と
同様分離係数の低い膜であつた。 実施例 3 ポリビニルアルコール(日本合成(株)製、NH−
26)の3.5重量パーセント水溶液30gに、メチロ
ールメラミン(昭和高分子(株)製、SM−700)0.5
gを触媒として4級アンモニウム塩酸塩(昭和高
分子製、LC−10)0.11gを混合して撹拌した。
この溶液を孔径3.0μmのミクロフイルター(富士
フイルム製、FM−300)で過した後、ポリエ
ーテルサルホン限外過膜(ダイセル化学工業(株)
製、DUS−40)上に巻き線径0.15mmのバーコータ
ーを用いて塗布した。塗布後直ちに150℃の無塵
熱風乾燥機内に入れ、10分間加熱乾燥した。この
塗布および加熱処理の操作をさらにもう一度繰り
返し、架橋複合膜を得た。 膜の性能評価は実施例1と同様に行い、結果を
表2に示した。 実施例 4 限外過膜上へのバーコーターによる塗布およ
び乾燥を4回繰り返す以外は、実施例3と同様に
行つた。性能評価を実施例1と同様に行い、結果
を表2に示した。実施例3に比べ、分離係数がさ
らに向上し、膜の欠陥がなくなつたことがわか
る。 比較例 3 バーコーターによる塗布が1回であること以外
は、実施例3と同様にして架橋複合膜を作成し
た。膜性能を測定した結果を表2に示した。実施
例2、3で得られた膜に比べ分離係数の低い膜性
能を示し、膜にポリビニルアルコールの塗布が完
全ではない部分があることを示唆している。
蒸気から水を分離する膜の製造方法に関する。更
に詳しくは、有機物水溶液を浸透気化法によつ
て、または有機物−水混合蒸気を蒸気透過法によ
つて分離濃縮する膜の製造方法に関するものであ
る。 (従来技術) 膜を用いた、有機物水溶液の濃縮・分離に関し
て、一部の低濃度の有機物水溶液の濃縮に対して
は、逆浸透法が実用化されてきた。しかしなが
ら、逆浸透法は分離液の浸透圧以上の圧力を被分
離液に加える必要があるため、浸透圧が高くなる
高濃度水溶液に体しては適用不可能であり、従つ
て分離できる溶液の濃度に限界がある。 これに対して、浸透圧の影響を受けない分離法
として蒸気気化法および蒸気透過法が新しい分離
法として脚光を浴びつつある。浸透気化法とは、
膜の一次側に分離液を供給し、膜の二次側(透過
側)を減圧にするか、またはキヤリヤーガスを通
気することによつて、分離物質を気体状で膜透過
させる方法であり、蒸気透過法とは、膜の1次側
への供給が混合蒸気である点が浸透気化法と異な
るものである。膜透過物質は、透過蒸気を冷却、
凝縮する事によつて採取することができる。浸透
気化法についてはこれまでに多くの研究例が報告
されている。例えば、エタノール水溶液の分離に
関しては、米国特許2953502号にセルロースアセ
テート均一膜を、米国特許3035060号には、ポリ
ビニルアルコール膜の例がある。いずれも、分離
係数は低いものである。また特開昭59−109204号
には、セルロースアセテート膜やポリビニルアル
コール系膜をスキン層とする複合膜が、特開昭59
−55305号には、ポリエチレンイミン系架橋複合
膜があるが、いずれも透過速度または分離係数が
低いものであつた。特開昭60−129104にはアニオ
ン性多糖からの膜が記載されている。該特許の実
施例に記載されている膜素材は、水溶性ポリマー
のために低濃度の有機物水溶液に対しては、膜の
耐久性が低い。従つて、実施例には記載されてい
ないが、該特許には膜を水に不溶ならしめる十分
な量で架橋することも記載されている。しかしな
がら通常架橋処理をすると、分離係数は増大する
ものの、透過速度は低下する。 (発明が解決しようとする問題点) 前記したように、従来の浸透気化法または蒸気
透過法にもちいられるべき分離膜は、透過速度が
低いため、大面積の膜が必要となり、または、分
離係数が低いために、分離液を目的の濃度にまで
濃縮するためには、高濃度の透過液を循環処理す
る必要があつた。これらは、装置価格あるいは運
転費用が高くなる欠点となつていた。 本発明で言う透過速度とは、単位膜面積・単位
時間当たりの透過混合物量でKg/m2・hrの単位で
表わす。一方、分離係数(α)は、供給液あるい
は供給蒸気中の水と有機物との比に対する透過気
体中の水と有機物との比である。即ち、α=
(X/Y)p/(X/Y)fである。ここで、X、
Yは2成分系での水及び有機物のそれぞれの組成
を、またp及びfは透過及び供給をあらわす。 本発明の目的は、浸透気化法および蒸気透過法
によつて、有機物水溶液または有機物と水の混合
蒸気の分離にあたり、有機物の広範囲な濃度領域
に対して、十分な耐久性と高い透過速度および分
離係数を有する分離膜を得ることにある。 透過速度を増大させるためには、膜厚みは薄い
ほうが良いが、しかしながら、膜厚みが薄いと、
膜の機械的強度が低下する。透過速度を高く、か
つ膜の機械的強度を保持するために、多孔性支持
体の上に分離機能を持つち密な薄膜(スキン層)
を有する複合膜が用いられる。該スキン層の厚み
は薄いほど透過速度は高くなるが、該スキン層を
薄くしていくと、膜面に欠陥が生じやすくなり、
分離係数は低下するのが従来法であつた。 本発明になる架橋複合膜の製造方法では、透過
速度が高く、かつ膜の欠陥がない分離係数の高い
膜を形成しようとするものである。 (発明の構成) 以上の点について、鋭意検討した結果、上記問
題点を解決するためには、以下の方法によつて達
成されることがわかつた。 (1) 多孔性支持体上に共有結合による架橋構造を
有するスキン層を形成させる架橋複合膜の製造
方法において、水酸基又はアミノ基を含有する
化合物とその架橋剤とからなる、架橋反応を生
起させる化合物の組み合わせを溶質として含有
する溶液を多孔性支持体上に塗布した後に、乾
燥と同時に溶質の架橋処理を行うスキン層の形
成工程を、繰り返して行うことを特徴とする架
橋複合膜の製造方法。 (2) 塗布および架橋処理を少なくとも2回以上行
う第1項記載の架橋複合膜の製造方法。 (3) 水酸基を含有する水溶性高分子と、水酸基と
反応して架橋構造を形成させる架橋剤との混合
物の溶液を用いる第1項または第2項記載の架
橋複合膜の製造方法。 (4) 水酸基を含有する水溶性高分子が、ポリビニ
ルアルコールまたはポリビニルアルコール共重
合体またはこれらにアニオン性基が塩の形で導
入された化合物である第3項記載の架橋複合膜
の製造方法。 (5) 水酸基を含有する水溶性高分子が、多糖また
は多糖誘導体、またはこれらにアニオン性基が
塩の形で導入されたものである第3項記載の架
橋複合膜の製造方法。 (6) 架橋剤が、メラミン、変性メラミン、尿素系
化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、
酸無水物である第1項または第2項記載の架橋
複合膜の製造方法。 (7) 該架橋性混合溶液を浸漬により、あるいは、
バーコーター、ロール、ドクターブレードを用
いることにより塗布する第1項または第2項記
載の架橋複合膜の製造方法。 (8) 架橋処理が加熱、紫外線照射、電子線照射で
ある第1項または第2項記載の架橋複合膜の製
造方法。 有機物水溶液または有機物/水の蒸気混合物か
ら水を選択的に透過させるためには、水の配位能
力の大きい官能基を膜に導入するのが良い。しか
し、これらの官能基の膜素材への導入量が多い場
合は、該膜素材に水溶性となる。従つて、膜内へ
の官能基の導入量によつては、水組成比の高い供
給液又は供給混合蒸気に対して、膜は膨潤あるい
は溶解し、耐久性及び膜性能が著しく低下する。
これに対処するため、該親水性膜素材を架橋処理
することが一般的にとられる。 また、透過速度が高めるために、スキン層の薄
い複合膜を用いるが、これには塗布するポリマー
溶液の濃度を低くするか、塗布厚みを薄くするの
が一般的である。しかし、この様にして作成され
たスキン層は支持膜の表面状態(孔形態、表面構
造、異物の付着等)の影響を受け易く、形成した
複合膜のスキン層にも欠陥部が生じやすい。そこ
で、欠陥部を消滅又は補修するために、該支持膜
上に該膜形成溶液の塗布−乾燥のプロセスを複数
回行う方法がとられている。しかしながら、薄層
膜が架橋されていない場合には、該薄層上に重ね
塗布をすると、既に形成されていた薄層の一部が
塗布溶液に溶解するため、複数回塗布しても、微
少欠陥消滅の効果は現われない。 本発明になる架橋複合膜の製造法は、該多孔性
支持膜上に、共有結合による架橋反応を生起させ
る化合物を溶質として含有する溶液を塗布し、乾
燥と同時に溶質の架橋処理を行い、多孔性支持膜
上に架橋薄膜を形成させ、さらにこの塗布、架橋
処理を繰り返すことによるものである。従つて、
一回の塗布及び架橋処理において形成する架橋薄
膜に欠陥があつても、重ねて、該架橋性混合溶液
を塗布、架橋処理を施すことで欠陥をなくすこと
ができる。また、これは該架橋薄膜素材の化学構
造と該架橋性混合溶液中の化合物の化学構造と
は、架橋点を除いて同一であるから、該架橋薄膜
と、該架橋性混合溶液とは親和性が強く、重ね塗
布において均一な塗布が容易であるためでもあ
る。また形成された薄膜が架橋してあるため、こ
の上に重ね塗布を行つても一度形成した薄膜の再
溶解がなく効率よく膜の欠陥を消滅させることが
できる。 本発明で言う共有結合による架橋反応を生起さ
せる化合物とは、常温において反応性の低い化合
物の組み合わせからなるものであつて、例えば、
水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基等の活性水
素を有する高分子化合物とメラミン化合物、尿素
系化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物等
の架橋剤との組みあわせなどを挙げることができ
る。さらに具体的には、水酸基を含有する高分子
化合物として、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール共重合体、あるいはこれらの重合体
にアニオン性基を塩の形で導入した誘導体、セル
ロール、アルギン酸、キチンなどの多糖、あるい
は、これらの多糖にアニオン性基を塩の形で導入
した誘導体等を挙げることができる。また、水酸
基を含有する低分子化合物を使用してもよく、グ
リセリン、エチレングリコール、ソルビツト等の
多官能アルコールを挙げることができる。 またアミノ基を含有する化合物としては、ポリ
ビニルアミン、ポリエチレンイミン等の高分子化
合物、あるいは、フエニレンジアミン、ビスフエ
ニルジアミン等各種多官能アミンを挙げることが
できる。一方、これらのアミノ基を含有する化合
物と反応する架橋剤としては、具体的にはエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチ
ルメチロール化メラミン、無水トリメリツト酸等
を挙げることができる。これらの化合物を適当な
比率で混合することによつて、本発明の共有結合
による架橋複合膜を作成することができる。 次に、架橋性混合溶液を多孔性支持体上に塗布
する方法としては、浸漬法、ドクターブレード、
バーコーター、ロール転写法、スプレー法等の塗
布方法を用いても可能である。また、膜の形態も
平膜、中空糸、チユーブ膜等のいづれでも良く、
膜形態および架橋性混合溶液等によつて任意に決
めることができる。 (発明の効果) 同一膜素材からなる均一な膜において、膜厚み
は、透過速度に影響を及ぼすが、分離係数にはほ
とんど影響を示さないと考えるのが一般的であつ
た。しかしながら架橋薄膜においては、膜厚が薄
くなると、透過速度だけでなく、分離係数も上昇
する場合が認められる。この様な場合、同一膜厚
みの膜を作成するのに、一度の流延−架橋処理に
よつて製膜するよりも、より薄い厚みの膜を数回
にわたつて塗布した方が分離係数が上昇する。本
発明による塗布−架橋処理の繰り返し法による架
橋複合膜の製造法は、一度の塗布では、膜に欠陥
の生じる架橋複合膜の製造方法において、高い分
離係数と、高い透過速度を合わせ持つ超薄膜複合
膜の製造を可能にするものである。 (実施例) 以下に実施例を示して、さらに具体的に本発明
を説明するが、これによつて本発明が制限を受け
るものではない。 実施例 1 グルコース単位当たり0.91個のスルホエチル基
を有するスルホエチルセルロースを合成した。こ
のスルホエチルセルロースの2%水溶液90重量部
とヘキサメトキシメチルメラミン(昭和高分子(株)
製SM−607)10重量部とからなる混合溶液を調
整し、この溶液に希塩酸を加えてPH4にした。 この混合溶液を、ロツド径8mm、ワイヤー径
0.2mmのバーコーターを用いて、ポリエーテルサ
ルホン製限外過膜(ダイセル化学工業(株)製、
DUS−40)上に塗布した後、直ちに無塵乾燥器
内に入れ、100℃で8分間熱処理した。乾燥器内
より膜をとり出し、該混合溶液の塗布および加熱
処理をさらに2回繰り返した後、最後に30分間
100℃で加熱乾燥した。 得られた膜の1次側に、温度83℃、ゲージ圧力
0.3Kg/cm2で、エタノールが約95重量パーセント
のエタノール/水の混合蒸気を供給し、膜の2次
側(透過側)を数Torrに減圧した。透過気体を
ガスクロマトグラフイーにより分析し、膜透過速
度及び分離係数を算出したところ、分離係数
3011、透過速度0.585Kg/m2・hrであつた。 実施例 2 多孔性支持体上への塗布および加熱処理が、2
回である以外は、実施例1と同様に行い架橋複合
膜を得た。結果を表1に示す。 比較例 1 多孔性支持体上への塗布および加熱処理が1回
である以外は、実施例1と同様に行い架橋膜を作
成した。結果を表1に示す。実施例1で得られた
膜に比べ透過速度は高いものの分離係数は低く、
膜に微小な欠陥が生じていることがわかる。 比較例 2 多孔性支持体上へ塗布するのに、すき間厚み
150μmのドクターブレードを用い、塗布および
加熱処理が1回であり、加熱時間が60分である以
外は実施例1と同様に行い、架橋複合膜を得た。
膜性能を測定した結果を表1に示す。比較例1と
同様分離係数の低い膜であつた。 実施例 3 ポリビニルアルコール(日本合成(株)製、NH−
26)の3.5重量パーセント水溶液30gに、メチロ
ールメラミン(昭和高分子(株)製、SM−700)0.5
gを触媒として4級アンモニウム塩酸塩(昭和高
分子製、LC−10)0.11gを混合して撹拌した。
この溶液を孔径3.0μmのミクロフイルター(富士
フイルム製、FM−300)で過した後、ポリエ
ーテルサルホン限外過膜(ダイセル化学工業(株)
製、DUS−40)上に巻き線径0.15mmのバーコータ
ーを用いて塗布した。塗布後直ちに150℃の無塵
熱風乾燥機内に入れ、10分間加熱乾燥した。この
塗布および加熱処理の操作をさらにもう一度繰り
返し、架橋複合膜を得た。 膜の性能評価は実施例1と同様に行い、結果を
表2に示した。 実施例 4 限外過膜上へのバーコーターによる塗布およ
び乾燥を4回繰り返す以外は、実施例3と同様に
行つた。性能評価を実施例1と同様に行い、結果
を表2に示した。実施例3に比べ、分離係数がさ
らに向上し、膜の欠陥がなくなつたことがわか
る。 比較例 3 バーコーターによる塗布が1回であること以外
は、実施例3と同様にして架橋複合膜を作成し
た。膜性能を測定した結果を表2に示した。実施
例2、3で得られた膜に比べ分離係数の低い膜性
能を示し、膜にポリビニルアルコールの塗布が完
全ではない部分があることを示唆している。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 多孔性支持体上に共有結合による架橋構造を
有するスキン層を形成させる架橋複合膜の製造方
法において、水酸基又はアミノ基を含有する化合
物とその架橋剤とからなる、架橋反応を生起させ
る化合物の組み合わせを溶質として含有する溶液
を多孔性支持体上に塗布した後に、乾燥と同時に
溶質の架橋処理を行うスキン層の形成工程を、繰
り返して行うことを特徴とする架橋複合膜の製造
方法。 2 塗布および架橋処理を少なくとも2回以上行
う特許請求の範囲第1項記載の架橋複合膜の製造
方法。 3 水酸基を含有する水溶性高分子と、水酸基と
反応して架橋構造を形成させる架橋剤との混合溶
液を用いる特許請求の範囲第1項または第2項記
載の架橋複合膜の製造方法。 4 水酸基を含有する水溶性高分子が、ポリビニ
ルアルコールまたはポリビニルアルコール共重合
体またはこれらにアニオン性基が塩の形で導入さ
れた化合物である特許請求の範囲第3項記載の架
橋複合膜の製造方法。 5 水酸基を含有する水溶性高分子が、多糖また
は多糖誘導体、またはこれらにアニオン性基が塩
の形で導入されたものである特許請求の範囲第3
項記載の架橋複合膜の製造方法。 6 架橋剤が、メラミン、変性メラミン、尿素系
化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、酸
無水物である特許請求の範囲第1項または第2項
記載の架橋複合膜の製造方法。 7 該架橋性混合溶液を浸漬により、あるいは、
バーコーター、ロール、ドクターブレードを用い
ることにより塗布する特許請求の範囲第1項また
は第2項記載の架橋複合膜の製造方法。 8 架橋処理が加熱、紫外線照射、電子線照射で
ある特許請求の範囲第1項または第2項記載の架
橋複合膜の製造方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61011089A JPS62171712A (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 | 架橋複合膜の製造方法 |
| US07/006,151 US4824573A (en) | 1986-01-23 | 1987-01-23 | Crosslinked composite membrane and process for producing the same |
| US07/308,785 US4895685A (en) | 1986-01-23 | 1989-02-10 | Crosslinked composite membrane and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61011089A JPS62171712A (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 | 架橋複合膜の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62171712A JPS62171712A (ja) | 1987-07-28 |
| JPH047255B2 true JPH047255B2 (ja) | 1992-02-10 |
Family
ID=11768256
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61011089A Granted JPS62171712A (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 | 架橋複合膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62171712A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5962309A (ja) * | 1982-09-30 | 1984-04-09 | Teijin Ltd | 分離用複合膜の製造方法 |
-
1986
- 1986-01-23 JP JP61011089A patent/JPS62171712A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62171712A (ja) | 1987-07-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |