JPH0475164B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0475164B2 JPH0475164B2 JP59181661A JP18166184A JPH0475164B2 JP H0475164 B2 JPH0475164 B2 JP H0475164B2 JP 59181661 A JP59181661 A JP 59181661A JP 18166184 A JP18166184 A JP 18166184A JP H0475164 B2 JPH0475164 B2 JP H0475164B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crystalline aluminosilicate
- aluminosilicate
- zeolite
- pellets
- binderless
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
イ 発明の目的
〈産業上の利用分野〉
本発明は結晶性アルミノ珪酸塩に関する。更に
詳しくは、本発明は平均細孔半径及び細孔容積に
特徴を有するバインダーレス結晶性アルミノ珪酸
塩及びその製造方法に関する。 〈従来の技術〉 結晶性アルミノ珪酸塩は、一般に結晶性ゼオラ
イトとして知られ、天然産及び合成品共にその結
晶構造は、珪素(Si)を中心として形成される4
個の酸素原子が頂点に配位したSiO4四面体と、
珪素の代わりにアルミニウム(Al)が置換した
AlO4四面体の三次元骨格を基本とした構造を有
する、アルミノ珪酸塩水和物である。 SiO4四面体とAlO4四面体は、4、5、6、8、
10又は12個連結して形成される4員環、5員環、
6員環、8員環、10員環又は12員環と、これらの
4、5、6、8、10、及び12員環が各々重なつた
二重環が基本単位となり、これらが連結して結晶
性アルミノ珪酸塩の骨格構造が決定されることは
知られている。 これらの連結方式により決定される骨格構造の
内部には、特定の空洞が存在し、空洞構造の入口
は、6、8、10、及び12員環からなる開孔部を形
成している。形成された開孔部は、孔径が均一で
あり、特定の大きさ以下の分子のみを吸着し、大
きな分子は空洞内に入れないために吸着されな
い。このような結晶性アルミノ珪酸塩は、その作
用から「分子篩」として知られており、種々の化
学プロセスにおいて、吸着剤、化学反応用の触媒
或いは触媒担体として利用されている。 近年においては、上記分子篩的な作用と触媒作
用とを組み合わせた使用法が化学反応の各分野で
勢力的に研究されている。これは所謂分子形状選
択性反応触媒と呼ばれているもので、S.M.
Csicseryが機能面から分類しているように、(1)反
応物が特定のものしか活性点に近づくことが出来
ないもの、(2)活性点において反応した後、特定の
形をしたものしか反応の場から離脱出来ないも
の、(3)2分子反応において個々の分子は自由に反
応の場に出入りすることは出来るものの、遷移状
態が大きすぎるために反応することが出来ないも
のの3種類が存在する(“Zeolite Chemistry
and Catalysis”ACS Monograph171、ACS,
Washington D.C.1976年、680頁)。 このような分類は、結晶性アルミノ珪酸塩の空
洞内部での触媒反応についてのみ考慮してなされ
たものである。即ち結晶外表面或いは外表面近傍
の活性点上での触媒反応は、上記触媒作用と異な
り、活性化エネルギーの小さい反応からあらゆる
反応が自由に起こるために、反応の選択性を低下
させることになる。 そこでこのような結晶外表面或いはその近傍で
の非選択的反応を抑制するために、結晶外表面に
化合物を被覆させることにより活性点を埋没せし
める方法や、別の固体酸性度又はアルカリ性を示
すもので活性点の固体酸性度を制御する方法が考
えられ、シリコン化合物類、リン化合物類或いは
マグネシウム化合物類等の添加が提案されてい
る。 一方結晶の大きさを制御することにより、結晶
内の分子形状選択性を有する活性点の数と結晶外
表面又はその近傍の形状選択性を有しない活性点
の数の割合を制御する方法も知られている。例え
ば結晶を大きくすると、結晶内の活性点の割合は
相対的に増加し形状選択性は高くなる。しかしな
がらこの方法によれば、反応物の活性点への接近
及び又は接触が相対的に制限される結果全体とし
ての反応活性が低くなる。又、逆に結晶を小さく
すると、結晶外表面又はその近傍の活性点の割合
が相対的に増加する結果形状選択性は低下するも
のの、反応物の活性点への接近及び又は接触の機
会が相対的に増加するため、反応活性は高くな
る。 結晶性アルミノ珪酸塩のAlO4を含有する四面
体の電荷は、結晶内にナトリウム陽イオンを保持
することにより平衡が保たれている。そしてこれ
ら陽イオンは、種々の方法によりイオン交換され
て、水素型或いは金属イオン交換型となつて、固
体酸触媒として機能することはよく知られた理論
である。 天然の結晶性アルミノ珪酸塩では、その陽イオ
ンは元素周期律表第族又は同表第族の金属、
特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム及びストロンチウムである。合成結晶性ア
ルミノ珪酸塩においても上記の金属陽イオンが使
用されるが、金属陽イオンのほかに、近年、有機
室素陽イオン、例えばテトラアルキルアンモニウ
ムイオンの如き第4級アルキルアンモニウムイオ
ンが提案されている。そして、シリカ/アルミナ
比の高い、結晶性アルミノ珪酸塩の合成には、ア
ルカリ源として上記の如き含窒素有機化合物の使
用が不可欠であるとされていた。 しかしながら、含窒素有機化合物を使用する場
合には、原料価格が高いという不利益に加えて、
製造された合成アルミノ珪酸塩を触媒として使用
するためには、合成物中に存在する含窒素有機化
合物を、高温にて焼成することにより除去するこ
とが必要であり、製造工程を複雑化するという不
利益があつた。 更に、上記のような、テトラアルキルアンモニ
ウム化合物又は、C2〜C10の第1級アミン等の如
きアミン系有機化合物を使用した従来の製造法に
おいては、その合成工程及び乾燥並びに焼成工程
時に該有機化合物の有する潜在的毒性又は、該有
機化合物の分解等に伴う種々の危険性が生じ、作
業上の安全の点で問題があつた。 又、含酸素有機化合物や含硫黄有機化合物等の
使用も提案されているが、これらの場合も含窒素
有機化合物を使用する場合の問題を解決するもの
ではない。 これらの問題を解決する方法として、近年実質
的に無機反応材料のみからなる水性反応混合物か
ら製造された結晶性アルミノ珪酸塩が開示されて
おり(特開昭58−45111号)、ここで定義された
TSZ結晶粒子の改善された製造方法及びその粒
子径の制御については特願昭58−30797号及び同
58−46684号に記載されている。 一方、ゼオライト触媒を工業的に使用する場
合、例えば気体及び液体供給原料の固定床或いは
接触分解のような流動床操作に使用される場合に
は、ある種の粒径と形状を付与した粒子、例えば
ペレツト型粒子或いは小球形粒子で供給する。こ
の場合、気相反応は一般に大きな空間速度で行わ
れ、又、重質油の液相反応では触媒表面からの拡
散が限定されるために、殆んど触媒粒子の外表面
のみが利用される(米国特許第3966644号におい
てこの拡散限度は約1/120インチであることが
示されている)ことから、触媒活性を有するゼオ
ライト触媒表面の面積をできるだけ大きくするこ
とが望まれる。このことは、触媒粒子を球形とし
た場合、その直径を小さくすることにより改善さ
れるが、他方触媒粒子の強度が減少し触媒粒子の
破壊が生ずるために、この方法によつて触媒性能
を高めることには限度がある。又、ゼオライト結
晶粉体の粒子径を小さくすることによつても改善
されるが、他方、ゼオライト結晶粉体のみから成
る成型触媒粒子は工業的使用に耐え得る十分な強
度を保持し得ない欠点がある。従つて、従来、ゼ
オライト触媒を工業的に使用する場合には、粉体
ゼオライトを適当なバインダーを用いて、例えば
ペレツト型に成型していた。 しかしながらこの方法によれば、使用するゼオ
ライトの利用率が低下するために反応物質の空間
速度を低下させることが余儀なくされる等、生産
性の低下が避けられないだけでなく、バインダー
中に含まれるアルカリ又はアルカリ土類金属等が
ゼオライト中に移動する結果、ゼオライトが被毒
されやすいという欠点を有していた。又、このよ
うなペレツト型触媒の製造方法はゼオライトと非
晶質のバインダーを圧縮し成型するものであるの
で、ゼオライトの結晶間に存在する所謂二次細孔
の中に非晶質のバインダーが入り込むために、物
理的強度は増加するものの二次細孔の量も分布も
制御することはできなかつた。 〈発明が解決しようとする問題点〉 二次細孔は主に、非晶質粉末又は結晶粉末を成
型した場合等の粒子と粒子の間等に生ずるもので
あるから、ペレツトの強度を減ずることなくこの
細孔を生かすことができれば、反応物が容易に結
晶から結晶へ移動できるばかりでなく、触媒活性
を有する結晶表面の面積を実質的に増加せしめる
ためにペレツトの触媒活性を改善することができ
る。 本発明者らは、特願昭58−3972号(昭和58年3
月9日出願)においてこれらの問題点を解決し、
二次細孔を生かし(TSZゼオライトを有し)、触
媒活性に優れた特異の形状のバインダーレス結晶
性アルミノ珪酸塩及びその製造方法を提供した。 上記の二次細孔の大きさは、バインダーレス結
晶性アルミノ珪酸塩全体の強度の面で特に重要で
あるが、この二次細孔を制御する方法は知られて
いない。 従つて、本発明の第1の目的は、二次細孔の細
孔径と細孔容積が一定の範囲に制御された、実質
的に結晶性アルミノ珪酸塩からなる、バインダー
レス結晶性アルミノ珪酸塩を提供することであ
る。 本発明の第2の目的は、二次細孔として特異な
細孔構造を有する、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩のみからなるバインダーレス結晶性アルミノ珪
酸塩を製造する方法を提供することである。 ロ 発明の構成 〈問題を解決するための手段〉 上記の諸目的は、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩によつて成型されてなるバインダーレス結晶性
アルミノ珪酸塩であつて、その水銀圧入法により
求めた細孔半径が75〜75000Åであり、細孔容積
の25%以上が該半径の±20%の範囲に含まれ、平
均細孔半径が1000〜15000Åであり、且つ細孔容
積が0.2〜1.0c.c./gであることを特徴とするバイ
ンダーレス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方
法を明らかにすることにより達成された。 〈発明の開示〉 バインダーレスゼオライトの細孔構造は、ゼオ
ライトの結晶粒子そのものがもつ固有な細孔(ミ
クロ孔)と、結晶粒子間に生じるマクロ孔とによ
り構成される、いわゆる二元細孔構造である。 従来のバインダーを用いたペレツト型ゼオライ
ト触媒も二元細孔構造となるが、粉末ゼオライト
と非晶質のバインダーを圧縮し成型するものであ
るので、ゼオライトの結晶間に存在する、いわゆ
る二次細孔の中に非晶質のバインダーが入り込ん
だ状態になり、バインダーの比率が増加するにつ
れて、二次細孔の分布巾が広がる傾向にある。 一方、本発明にかかるバインダーレスゼオライ
トは、粉末ゼオライトと非晶質のバインダーを混
練・成型した後、さらに水熱処理し、非晶質のバ
インダーを結晶化させるために、結晶化後の二次
細孔はバインダーの多少にかかわらず、結晶粒子
間に生じる特有のシヤープな細孔分布を有するこ
とになる。 このことは、バインダーレスゼオライトの二次
細孔、つまりマクロ孔の大きさや分布が、バイン
ダーレスゼオライトを構成する結晶粒子、粒子の
大きさ、或いはバインダーの結晶成長程度に強く
影響を受けることを意味している。 即ち、原料粉末の粒子径とバインダーの組成比
を調整することにより、二次細孔の大きさや分布
を制御することができ、実用的な使用に耐え得る
性能、例えば、破壊強度を考慮に入れた場合、平
均細孔半径及び細孔容積は重要な要素である。 本発明にかかる実質的に結晶性アルミノ珪酸塩
からなるバインダーレス結晶性アルミノ珪酸塩
(本明細書においては、以下バインダーレスゼオ
ライトとする)には、前述のバインダーレスゼオ
ライトも含まれるが、本発明においては、水銀圧
入法により測定した全細孔容積が0.2ml/g〜1.0
ml/gの範囲、好ましくは0.25ml/g〜0.9ml/
g、更に好ましくは0.3ml〜0.8ml/gの範囲であ
ることが好ましい。又、平均細孔半径について
は、1000〜15000Åの範囲、好ましくは1100〜
10000Å、更に好ましくは1200〜8000Åであり、
細孔容積の25%以上が平均細孔半径の±20%の範
囲に含まれることが好ましい。 一般に、成型体の強度は、構成する粒子の大き
さ、充填構造、粒子の配位数、粒子の形状などに
よつて変化し、更に形成された細孔容積や細孔半
径により変化する。 特に、細孔半径と破壊強度の一般的な概念は、
細孔半径が大きくなるにつれて強度は低下傾向を
示し、更にある大きさ以上になると急激に弱くな
るということである。具体例としては、アルミナ
担体の細孔半径と強度の関係において、この時の
細孔半径が約700Åという報告〔(B.A.Abhcbxo,
Kinatika i Kataliz,Vol No.5859−864
(1966)〕がある。 しかるに、本発明における実質的に結晶性アル
ミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライト
は、マクロ孔が数千Åにシヤープな分布を有し、
かつ細孔容積が比較的多いにもかかわらず、実用
に耐え得る強度を持ち得ることは、驚くべき事実
である。 何故、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなる
バインダーレスゼオライトが実用に耐えうる強度
を持ち得るかについては、明らかにされていない
が、ペレツトの表面及び断面の顕微鏡写真の観察
からは、比較的小さな結晶粒子の集合体であつた
り、比較的結晶粒子の大きな集合体であつたりす
ることは判明している。 そして、比較的小さな結晶粒子で構成されてい
るペレツトの強度は強く、比較的大きな結晶粒子
で構成されているペレツトの強度は弱い傾向を示
す。 以上のことから、原料粉末の形状や大きさが、
強度に影響を与えており、なんらかの架橋作用が
働いていると推察される。 本発明においては、実質的に粒径分布がコント
ロールされた原料粉末20〜80重量%とアルミナ含
有量が2〜10重量%のアルミノシリケートゲル80
〜20重量%を混練して成型した固体を水熱処理す
ることにより、上記細孔構造を有する実質的に結
晶性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオ
ライトを製造することができる。 本発明におけるバインダーレスゼオライト触媒
の製造工程の概要を示すと次の如くである。 原料粉体を製造する工程 バインダー用のアルミノシリケートゲルを製
造する工程 原料粉体とバインダーを混練し成型する工程 成型物を乾燥又は焼成する工程 成型物を水熱処理する工程 以下この製造工程に従つて更に詳述する。 本発明において使用する原料粉体とは、予め準
備された結晶性アルミノ珪酸塩を意味する。この
ような原料粉体として用いる予め準備された結晶
性アルミノ珪酸塩としては、TSZアルミノ珪酸
塩、高シリカ含有モルデナイト、所謂ZSM−5
及びこれらの2種以上の混合物を使用することが
できる。ここで用いる予め準備された結晶性アル
ミノ珪酸塩は、未焼成の合成されたままのもので
も十分であり、更に完全な結晶の形でなくてもよ
く、単に予備結晶させただけであり、非晶質に近
いX線回折図形を示すアルミノ珪酸塩を用いるこ
ともできるが、特にTSZ結晶性アルミノ珪酸塩
を使用した場合にはTSZ結晶性アルミノ珪酸塩
に豊むバインダーレスゼオライトを製造すること
ができて好ましい。TSZ結晶性アルミノ珪酸塩
以外の他のゼオライトを使用する場合には、特に
鉱化剤又は陽イオン供給源を使用することが好ま
しく、このようなものとして特にNaClを使用す
ることが好ましい。 上記の原料粉体の組成については、SiO2/
Al2O3比とNa2O/SiO2比が、後記するTSZの生
成域にあることが好ましく、又その結晶は小粒子
径であることが、製造されるバインダーレスゼオ
ライト触媒の活性及び強度の点から好ましい。 次に、本発明で使用する原料粉末としての結晶
性アルミノ珪酸塩の製造方法について説明する。 本発明で使用することのできる結晶性アルミノ
珪酸塩は、一般に珪素源、アルミニウム源をある
範囲の比率で用い、適当なアルカリ源と水を各々
一定の範囲の比率になるように加えた、実質的に
無機反応材料からなる水性反応混合物を調製し、
この水性反応混合物を結晶が生成するまで結晶化
温度に加熱維持することにより製造することが出
来る。このような製造条件は、例えば、自己圧下
約120℃〜約230℃で約10時間〜10日間維持するこ
とにより実現される。 TSZ結晶性アルミノ珪酸塩はシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、水及び必要に応じアルカリ
金属の中性塩を含有する、実質的な無機反応材料
からなる水性反応混合物から製造されるが、その
組成は酸化物のモル比を表すと次の如くである。 SiO2/Al2O3 10〜130 Na2O/SiO2 0.01〜0.5 (Na2O+M2/nO)/SiO2 0.03〜0.3 H2O/(Na2O+M2/nO) 150〜800 X-/SiO2 0〜20 上式において、Mは元素周期律表の第族及び
第族、好ましくはリチウム、ナトリウム、バリ
ウム、カルシウム及びストロンチウムから選択さ
れる金属陽イオンであり、nはその金属陽イオン
の原子価であり、X-は沈澱助剤及び/又は鉱化
剤の塩のイオンである。M2/nO及びNa2Oはそ
れぞれ遊離のM2/nO及びNa2Oであり、一般に
水酸化物及びゼオライト合成において効果を示す
ような極弱酸塩、例えばアルミン酸塩、珪酸塩等
の形態である。又、上記の「遊離のNa2O」は、
硫酸アルミニウム、硫酸、塩酸又は硝酸等の添加
により調節することができる。 また、TSZ結晶性アルミノ珪酸塩は、上記水
性反応混合物の組成比のうち、SiO2/Al2O3モル
比とNa2O/SiO2モル比を変化させることによ
り、生成する結晶性アルミノ珪酸塩の結晶粒径が
変化する。 つまり、水性反応混合物のSiO2/Al2O3モル比
に応じてNa2O/SiO2モル比を変化させ、
Na2O/Al2O3モル比を同等にすることを条件と
してSiO2/Al2O3モル比を変化させた場合には、
ほぼ同等の結晶粒径を有する結晶性アルミノ珪酸
塩が生成する。 又、Na2O/Al2O3モル比を1〜15の範囲で変
えることにより、約0.1μ〜約10μの範囲で、所望
する結晶粒径を有する結晶性アルミノ珪酸塩を製
造することができる。これらの、TSZ結晶性ア
ルミノ珪酸塩の製造方法の詳細は、特開昭58−
15111号、特願昭58−30797号、同58−46684号等
に記載されている。 他の原料粉末については、市販又は公知の方法
で製造又は供給される。例えば、高シリカ含有モ
ルデナイトについては、特開昭56−160316号、高
シリカモルデナイトとTSZ結晶性アルミノ珪酸
塩の混合物については特開昭58−88119号、ZSM
−5については米国特許第3702886号に開示され
ている方法により製造することができる。 本発明において使用するアルミノシリケートゲ
ルは、上記TSZ結晶性アルミノ珪酸塩の前駆体
である水性反応混合物を、一定時間熟成後、濾別
し、アルミノシリケートゲルまたは成型体が結晶
化するのに可能であり、かつ過度の結晶化が起こ
らないような組成範囲になるまで洗浄した後、十
分水切りを行ない、含水率(乾燥基準)を約65重
量%から約95重量%にし、混練時に、特に水分の
添加を必要としないように調整するのが好まし
い。 上記アルミノシリケートゲルを製造するための
水性反応混合物の好ましい組成は、酸化物のモル
比で表すと Na2O/Al2O3 ≧1.2 SiO2/Al2O3 10〜100 Na2O/SiO2 0.01〜0.20 H2O/SiO2 5〜150 であり、好ましくは Na2O/Al2O3 ≧1.5 SiO2/Al2O3 15〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 H2O/SiO2 10〜130 である。ここで、NaO2は前述の場合と同様であ
る。 バインダー中のアルカリ量は、バインダーレス
ゼオライトを製造するための重要な要素である。 つまり、アルカリ量が少ない場合は、結晶化に
長時間を要したり、非晶質のままであつたりする
ことがあり、またアルカリ量が多い場合は、過度
の結晶成長により大結晶を生成したり、他の好ま
しくない結晶相が生成したり、或いは粉化などの
原因となることがあるので、特定の組成範囲にす
るのが好ましい。 バインダーとしてのもう一つの重要な要素は、
成型されたペレツトの強度付与であるが、これ
は、アルミノシリケートゲルの粉着性、成型性あ
るいは乾燥収縮力といつたものに強く影響される
ので、アルミノシリケートゲルの調製時には、分
散性の良いコロイド状粒子にすることが好まし
い。必要に応じてアルカリ金属の中性塩を沈澱助
剤として少量添加することができるが撹拌及び後
処理等ゲルの取り扱い上問題がなければ添加しな
い方が好ましいこともある。 本発明における比較的小さな結晶粒子で構成さ
れ、かつ高強度のバインダーレスゼオライトを製
造するためのバインダーとして使用するアルミノ
シリケートゲル(乾燥基準)の組成は酸化物のモ
ル比で表すと Na2O/Al2O3 1.2〜7.0 SiO2/Al2O3 10〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 が好ましく、更に好ましくは Na2O/Al2O3 1.5〜4.0 SiO2/Al2O3 15〜60 Na2O/SiO2 0.03〜0.12 本発明において、上記の如く製造された原料粉
末及びアルミノシリケートゲルを混練してペレツ
トに成型するに際し、あらかじめ準備された原料
粉末を20〜80重量%と、あらかじめ組成を調製し
たアルミノシリケートゲル80〜20重量%とを混練
して成型することにより、強度の強いペレツトが
得られ、これを水熱処理することにより、結晶粒
子間に生ずる独特な2次細孔を有し、かつ実用に
十分耐えうる強度を保持した、実質的に結晶質ア
ルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライト
触媒が得られる。 上記原料粉末の混合割合が約20重量%より少な
い場合、ペレツトの強度は強くなる傾向にある
が、乾燥または焼成によりペレツトの収縮、それ
に伴うクラツクの発生など、安定した物性のもの
が得られにくいことがあり、又、原料粉末の混合
割合が約80重量%より多い場合十分なペレツト強
度を得られないことがあり、再現性良く製造する
ためには、上記混合割合にすることが好ましい。 また、原料粉末の粒径が比較的小さい場合に
は、強度の強いペレツトが得られる傾向にあり、
しかも水熱処理後も、強度が維持されることが多
く好ましい。本発明においては、原料粉末の分布
は約0.1μm〜約10μmの範囲にあることが好まし
い。 原料粉末の粒径が比較的大きい場合には、ペレ
ツトの強度そのものは、上記のものとあまり変わ
らないが、水熱処理を行うことにより、強度が低
下する傾向にあり好ましくない。 なお、あらかじめ準備された原料粉末とバイン
ダーとして使用されるアルミノシリケートゲルの
組成は、それぞれ異なつたものを使用してもよい
が、略同一にするのが、特に触媒性能の良好なバ
インダーレスゼオライトを得ることができて好ま
しい。 上記、混練したものを成型するに際し、成型助
剤を使用することができる。成型助剤としては、
通常の押し出し成型に用いられる公知のもので、
後処理で焼失する有機系のものが好ましい。しか
しながら、ペレツトの最終的な強度を考えた場合
には、成型助剤の添加は必要最少限とするか、あ
るいは添加しない方が好ましい。 なお、アルミノシリケートゲルのアルカリ量に
過不足がある場合、混練前あるいは混練中に所定
の値に調整するのが好ましい。 成型されたペレツトは、できるだけ乾燥収縮等
で歪みがこないような条件、例えば風乾を充分行
つた後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃で加
熱する。もし、乾燥によりペレツトの強度が十分
であれば焼成の必要はないが、十分でない場合や
成型助剤を使用した場合には、400〜700℃、好ま
しくは450〜600℃で焼成するのが好ましい。乾燥
状態及び焼成後でも水熱処理することによりバイ
ンダーレスゼオライトを製造することができる。 成型体のアルカリ量は、本発明におけるバイン
ダーレスゼオライトを製造するための重要な要素
である。即ち、アルカリ量が少ない場合、結晶化
に長時間を要したり、非晶質のままであつたりす
る。又、結晶化させるためにアルカリ不足分を外
部から添加することができるが、この場合成型体
の表面からの結晶化が起こりやすく、成型体の結
晶化が均一に進行しないため粉化の原因になつた
り、更には成型体の強度低下に繋がるので好まし
くない。 一方、アルカリ量が過度に多い場合、結晶化に
要する時間は短縮されるが、大きな結晶粒子に成
長したりすることがあり、成型体の強度を弱めた
り、又、他の結晶相が生成したりして好ましくな
い。 本発明において、水熱反応に用いる固体の形状
は、特に限定されるものではないが、成型のしや
すさ、或いは触媒として使用する場合の使用効率
の点から、特にペレツト型、異形型
(Polylobal)、中空円筒型(hollow tube)であ
ることが好ましく、大きさとしては、取扱いの上
から、外径1.5mm程度のものが好ましい。 本発明の水熱反応は、特開昭58−45111号に開
示した方法によつて行うことが出来る。 結晶化のための条件は、結晶が生成するまで結
晶化温度に加熱維持することで、特に限定されな
いが、例えば、温度約120℃〜230℃であり、時間
は約10時間〜約10日間である。 好ましい結晶化の条件は、乾燥又は焼成したペ
レツトの組成比及び水溶液とペレツトの重量比な
どに依存するが、温度が高い程時間が短く、温度
が低い程長い時間を要するのが一般的である。 しかしながら、過度に低い温度或いは過度に高
い温度では、非晶質になつたり望まざる結晶を生
成したりするので好ましくない。ペレツトを水熱
処理する際、特に撹拌の必要はないが、少なくと
も系全体の均質な伝熱を図る上で撹拌するのが好
ましい。 又、使用する水溶液は、ペレツト自体があらか
じめ結晶化可能な組成比に調整されている場合に
は、水のみでもよいが、結晶化の速度を早めたり
時間を短縮するために鉱化剤を使用しても良い。
特に、この選択は結晶粒子の成長程度、更にはこ
れが及ぼす物性、あるいは触媒性能の面から決め
るのが好ましい。 ペレツトは、水又は水溶液と共に密閉容器、例
えば鉄製、ステンレス製あるいはテフロンで内張
りしたオートクレープに入れて自己圧のもとで結
晶化させる。 このようにして得られた実質的に結晶性アルミ
ノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライトは、
水洗し、乾燥したままで後処理を行うことができ
るが、必要に応じて焼成することがある。 乾燥は、50〜250℃好ましくは100〜200℃で、
10分以上好ましくは30分〜48時間行われる。焼成
は300〜700℃で10分以上好ましくは400〜600℃で
30分から24時間行われる。 本発明で行う水熱処理の結果、バインダーは結
晶化して、2次細孔の分布は極めてシヤープであ
る。本発明において制御する2次細孔の半径を測
定する方法は必ずしも確立しているものではない
が、その平均の半径は、所謂水銀圧入法によつて
推定することが出来る。本発明においては、この
水銀圧入法で得られる全細孔容積の1/2の細孔
容積累積値を示す半径を、平均細孔半径と定義す
るが、この細孔半径の大きさは実質的な触媒表面
積に関係するばかりでなく、反応する分子及び生
成した分子の拡散速度にも影響すること等、触媒
活性の観点から重要である。 本発明に使用される原料粉末粒子の形状や大き
さ、及び本発明によつて製造したバインダーレス
ゼオライトの構成粒子の形状や大きさは、顕微鏡
観察によつて測定する。 原料粉末あるいは結晶粒子の形状及び大きさ
は、製造条件により例えば、針状の小粒子からひ
つぎ型の大粒子へと変化する。 本発明においては、原料粉末あるいは結晶粒子
の大きさは、(短軸の長さ)×(長軸の長さ)をも
つて表示する。 原料粉末及び結晶粒子の短軸は、短軸にあたる
部分の断面が、円状または、楕円状の場合は、そ
の長軸にあたる部分を測定し、又、その断面が、
角状の場合は、長辺にあたる部分を測定した。 原料粉末及び結晶粒子の長軸は、長軸にあたる
部分の断面の最長径または最長辺を測定した。 以上、原料粉末及び結晶粒子の形態を判断でき
るように少なくとも100個の、通常は200〜300個
の顕微鏡観察を行うことができる。 本発明の方法によつて得られた実質的に結晶性
アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライ
トのペレツトは、その利用目的により、更にいく
つかの処理を受けるが粉末と異なりその後の洗
浄、水素型への変換、活性金属種のイオン交換操
作等において極めて取り扱いが容易になる。 触媒として利用する場合には、アンモニウムイ
オン、水素イオン、あるいは2価、3価金属陽イ
オン、例えば遷移金属イオン、希土類金属イオン
等を含む水溶性液でイオン交換し、ゼオライトに
固体酸性を付与せしめるのが一般的である。 固体酸素を有する多くの反応、例えば異性化、
不均化、アルキル化、脱アルキル化、分解、リフ
オーミング、重合、水添分解等の反応に対して著
しく高い触媒作用を示す。 イオン交換処理後、水洗、乾燥され、その後の
使用に先立つて焼成される。さらに、イオン交換
以外に、鉄、コバルト、ニツケル、クロム、マン
ガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、
レニウム、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジ
ウム、などの成分を含浸操作により担持すること
ができる。 〈発明の効果〉 本発明によつて得られたバインダーレスゼオラ
イトは、全体の結晶性が良好であり、例えば出発
ゼオライトとしてTSZ結晶性アルミノ珪酸塩を
使用した場合には、バインダーが結晶化して形成
されたTSZ結晶性アルミノ珪酸塩と出発原料の
TSZ結晶性アルミノ珪酸塩とは、顕微鏡写真で
は区別が出来ない程一体となつたゼオライト構造
体を得ることができる。又、2次細孔が一定の条
件を満たすように制御されているので、本発明で
得られたバインダーレスゼオライトは、実用的強
度を十分に有し、又活性に優れているのみなら
ず、活性を維持する能力にも優れており、とくに
n−パラフイン類炭化水素の選択的分解及び、ア
ルコール類、オレフイン類等のアルキル化剤によ
る芳香族アルキル化反応、或いは芳香族の異性化
反応の触媒として優れた性能を有する等、本発明
の意義は大きい。 以下、本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例 1 194.8gの純水中に29.6gの硫酸アルミニウム
(Al2O3;15.4重量%)を溶解しこれに22.5gの濃
硫酸(95重量%)を添加し、硫酸アルミニウム水
溶液を調製した(A液)。一方、280.8gの水ガラ
ス(Na2O;9.36重量%、SiO2;29.4重量%の3
号水ガラス;以下単に3号水ガラスと略す)に
142gの純水を添加し、撹拌し水ガラス溶液とし
た(B液)。次に、A液及びB液を塩化ナトリウ
ム水溶液(NaCl;86.2g、H2O;556.1g)に添
加し、水性反応混合物を得た後、これをオート・
クレーブに張り込み、昇温し、自己圧において、
180℃で40時間加熱維持した。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄した後、110℃で乾燥した。生成物の組成
及び粒子の大きさは表−1に示した通りである。
このようにして得た原料粉末50gとアルミノシリ
ケートゲル362.3gを、ニーダーで乾燥しながら
成形可能な水分量になるまで混練し、押出
詳しくは、本発明は平均細孔半径及び細孔容積に
特徴を有するバインダーレス結晶性アルミノ珪酸
塩及びその製造方法に関する。 〈従来の技術〉 結晶性アルミノ珪酸塩は、一般に結晶性ゼオラ
イトとして知られ、天然産及び合成品共にその結
晶構造は、珪素(Si)を中心として形成される4
個の酸素原子が頂点に配位したSiO4四面体と、
珪素の代わりにアルミニウム(Al)が置換した
AlO4四面体の三次元骨格を基本とした構造を有
する、アルミノ珪酸塩水和物である。 SiO4四面体とAlO4四面体は、4、5、6、8、
10又は12個連結して形成される4員環、5員環、
6員環、8員環、10員環又は12員環と、これらの
4、5、6、8、10、及び12員環が各々重なつた
二重環が基本単位となり、これらが連結して結晶
性アルミノ珪酸塩の骨格構造が決定されることは
知られている。 これらの連結方式により決定される骨格構造の
内部には、特定の空洞が存在し、空洞構造の入口
は、6、8、10、及び12員環からなる開孔部を形
成している。形成された開孔部は、孔径が均一で
あり、特定の大きさ以下の分子のみを吸着し、大
きな分子は空洞内に入れないために吸着されな
い。このような結晶性アルミノ珪酸塩は、その作
用から「分子篩」として知られており、種々の化
学プロセスにおいて、吸着剤、化学反応用の触媒
或いは触媒担体として利用されている。 近年においては、上記分子篩的な作用と触媒作
用とを組み合わせた使用法が化学反応の各分野で
勢力的に研究されている。これは所謂分子形状選
択性反応触媒と呼ばれているもので、S.M.
Csicseryが機能面から分類しているように、(1)反
応物が特定のものしか活性点に近づくことが出来
ないもの、(2)活性点において反応した後、特定の
形をしたものしか反応の場から離脱出来ないも
の、(3)2分子反応において個々の分子は自由に反
応の場に出入りすることは出来るものの、遷移状
態が大きすぎるために反応することが出来ないも
のの3種類が存在する(“Zeolite Chemistry
and Catalysis”ACS Monograph171、ACS,
Washington D.C.1976年、680頁)。 このような分類は、結晶性アルミノ珪酸塩の空
洞内部での触媒反応についてのみ考慮してなされ
たものである。即ち結晶外表面或いは外表面近傍
の活性点上での触媒反応は、上記触媒作用と異な
り、活性化エネルギーの小さい反応からあらゆる
反応が自由に起こるために、反応の選択性を低下
させることになる。 そこでこのような結晶外表面或いはその近傍で
の非選択的反応を抑制するために、結晶外表面に
化合物を被覆させることにより活性点を埋没せし
める方法や、別の固体酸性度又はアルカリ性を示
すもので活性点の固体酸性度を制御する方法が考
えられ、シリコン化合物類、リン化合物類或いは
マグネシウム化合物類等の添加が提案されてい
る。 一方結晶の大きさを制御することにより、結晶
内の分子形状選択性を有する活性点の数と結晶外
表面又はその近傍の形状選択性を有しない活性点
の数の割合を制御する方法も知られている。例え
ば結晶を大きくすると、結晶内の活性点の割合は
相対的に増加し形状選択性は高くなる。しかしな
がらこの方法によれば、反応物の活性点への接近
及び又は接触が相対的に制限される結果全体とし
ての反応活性が低くなる。又、逆に結晶を小さく
すると、結晶外表面又はその近傍の活性点の割合
が相対的に増加する結果形状選択性は低下するも
のの、反応物の活性点への接近及び又は接触の機
会が相対的に増加するため、反応活性は高くな
る。 結晶性アルミノ珪酸塩のAlO4を含有する四面
体の電荷は、結晶内にナトリウム陽イオンを保持
することにより平衡が保たれている。そしてこれ
ら陽イオンは、種々の方法によりイオン交換され
て、水素型或いは金属イオン交換型となつて、固
体酸触媒として機能することはよく知られた理論
である。 天然の結晶性アルミノ珪酸塩では、その陽イオ
ンは元素周期律表第族又は同表第族の金属、
特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム及びストロンチウムである。合成結晶性ア
ルミノ珪酸塩においても上記の金属陽イオンが使
用されるが、金属陽イオンのほかに、近年、有機
室素陽イオン、例えばテトラアルキルアンモニウ
ムイオンの如き第4級アルキルアンモニウムイオ
ンが提案されている。そして、シリカ/アルミナ
比の高い、結晶性アルミノ珪酸塩の合成には、ア
ルカリ源として上記の如き含窒素有機化合物の使
用が不可欠であるとされていた。 しかしながら、含窒素有機化合物を使用する場
合には、原料価格が高いという不利益に加えて、
製造された合成アルミノ珪酸塩を触媒として使用
するためには、合成物中に存在する含窒素有機化
合物を、高温にて焼成することにより除去するこ
とが必要であり、製造工程を複雑化するという不
利益があつた。 更に、上記のような、テトラアルキルアンモニ
ウム化合物又は、C2〜C10の第1級アミン等の如
きアミン系有機化合物を使用した従来の製造法に
おいては、その合成工程及び乾燥並びに焼成工程
時に該有機化合物の有する潜在的毒性又は、該有
機化合物の分解等に伴う種々の危険性が生じ、作
業上の安全の点で問題があつた。 又、含酸素有機化合物や含硫黄有機化合物等の
使用も提案されているが、これらの場合も含窒素
有機化合物を使用する場合の問題を解決するもの
ではない。 これらの問題を解決する方法として、近年実質
的に無機反応材料のみからなる水性反応混合物か
ら製造された結晶性アルミノ珪酸塩が開示されて
おり(特開昭58−45111号)、ここで定義された
TSZ結晶粒子の改善された製造方法及びその粒
子径の制御については特願昭58−30797号及び同
58−46684号に記載されている。 一方、ゼオライト触媒を工業的に使用する場
合、例えば気体及び液体供給原料の固定床或いは
接触分解のような流動床操作に使用される場合に
は、ある種の粒径と形状を付与した粒子、例えば
ペレツト型粒子或いは小球形粒子で供給する。こ
の場合、気相反応は一般に大きな空間速度で行わ
れ、又、重質油の液相反応では触媒表面からの拡
散が限定されるために、殆んど触媒粒子の外表面
のみが利用される(米国特許第3966644号におい
てこの拡散限度は約1/120インチであることが
示されている)ことから、触媒活性を有するゼオ
ライト触媒表面の面積をできるだけ大きくするこ
とが望まれる。このことは、触媒粒子を球形とし
た場合、その直径を小さくすることにより改善さ
れるが、他方触媒粒子の強度が減少し触媒粒子の
破壊が生ずるために、この方法によつて触媒性能
を高めることには限度がある。又、ゼオライト結
晶粉体の粒子径を小さくすることによつても改善
されるが、他方、ゼオライト結晶粉体のみから成
る成型触媒粒子は工業的使用に耐え得る十分な強
度を保持し得ない欠点がある。従つて、従来、ゼ
オライト触媒を工業的に使用する場合には、粉体
ゼオライトを適当なバインダーを用いて、例えば
ペレツト型に成型していた。 しかしながらこの方法によれば、使用するゼオ
ライトの利用率が低下するために反応物質の空間
速度を低下させることが余儀なくされる等、生産
性の低下が避けられないだけでなく、バインダー
中に含まれるアルカリ又はアルカリ土類金属等が
ゼオライト中に移動する結果、ゼオライトが被毒
されやすいという欠点を有していた。又、このよ
うなペレツト型触媒の製造方法はゼオライトと非
晶質のバインダーを圧縮し成型するものであるの
で、ゼオライトの結晶間に存在する所謂二次細孔
の中に非晶質のバインダーが入り込むために、物
理的強度は増加するものの二次細孔の量も分布も
制御することはできなかつた。 〈発明が解決しようとする問題点〉 二次細孔は主に、非晶質粉末又は結晶粉末を成
型した場合等の粒子と粒子の間等に生ずるもので
あるから、ペレツトの強度を減ずることなくこの
細孔を生かすことができれば、反応物が容易に結
晶から結晶へ移動できるばかりでなく、触媒活性
を有する結晶表面の面積を実質的に増加せしめる
ためにペレツトの触媒活性を改善することができ
る。 本発明者らは、特願昭58−3972号(昭和58年3
月9日出願)においてこれらの問題点を解決し、
二次細孔を生かし(TSZゼオライトを有し)、触
媒活性に優れた特異の形状のバインダーレス結晶
性アルミノ珪酸塩及びその製造方法を提供した。 上記の二次細孔の大きさは、バインダーレス結
晶性アルミノ珪酸塩全体の強度の面で特に重要で
あるが、この二次細孔を制御する方法は知られて
いない。 従つて、本発明の第1の目的は、二次細孔の細
孔径と細孔容積が一定の範囲に制御された、実質
的に結晶性アルミノ珪酸塩からなる、バインダー
レス結晶性アルミノ珪酸塩を提供することであ
る。 本発明の第2の目的は、二次細孔として特異な
細孔構造を有する、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩のみからなるバインダーレス結晶性アルミノ珪
酸塩を製造する方法を提供することである。 ロ 発明の構成 〈問題を解決するための手段〉 上記の諸目的は、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩によつて成型されてなるバインダーレス結晶性
アルミノ珪酸塩であつて、その水銀圧入法により
求めた細孔半径が75〜75000Åであり、細孔容積
の25%以上が該半径の±20%の範囲に含まれ、平
均細孔半径が1000〜15000Åであり、且つ細孔容
積が0.2〜1.0c.c./gであることを特徴とするバイ
ンダーレス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方
法を明らかにすることにより達成された。 〈発明の開示〉 バインダーレスゼオライトの細孔構造は、ゼオ
ライトの結晶粒子そのものがもつ固有な細孔(ミ
クロ孔)と、結晶粒子間に生じるマクロ孔とによ
り構成される、いわゆる二元細孔構造である。 従来のバインダーを用いたペレツト型ゼオライ
ト触媒も二元細孔構造となるが、粉末ゼオライト
と非晶質のバインダーを圧縮し成型するものであ
るので、ゼオライトの結晶間に存在する、いわゆ
る二次細孔の中に非晶質のバインダーが入り込ん
だ状態になり、バインダーの比率が増加するにつ
れて、二次細孔の分布巾が広がる傾向にある。 一方、本発明にかかるバインダーレスゼオライ
トは、粉末ゼオライトと非晶質のバインダーを混
練・成型した後、さらに水熱処理し、非晶質のバ
インダーを結晶化させるために、結晶化後の二次
細孔はバインダーの多少にかかわらず、結晶粒子
間に生じる特有のシヤープな細孔分布を有するこ
とになる。 このことは、バインダーレスゼオライトの二次
細孔、つまりマクロ孔の大きさや分布が、バイン
ダーレスゼオライトを構成する結晶粒子、粒子の
大きさ、或いはバインダーの結晶成長程度に強く
影響を受けることを意味している。 即ち、原料粉末の粒子径とバインダーの組成比
を調整することにより、二次細孔の大きさや分布
を制御することができ、実用的な使用に耐え得る
性能、例えば、破壊強度を考慮に入れた場合、平
均細孔半径及び細孔容積は重要な要素である。 本発明にかかる実質的に結晶性アルミノ珪酸塩
からなるバインダーレス結晶性アルミノ珪酸塩
(本明細書においては、以下バインダーレスゼオ
ライトとする)には、前述のバインダーレスゼオ
ライトも含まれるが、本発明においては、水銀圧
入法により測定した全細孔容積が0.2ml/g〜1.0
ml/gの範囲、好ましくは0.25ml/g〜0.9ml/
g、更に好ましくは0.3ml〜0.8ml/gの範囲であ
ることが好ましい。又、平均細孔半径について
は、1000〜15000Åの範囲、好ましくは1100〜
10000Å、更に好ましくは1200〜8000Åであり、
細孔容積の25%以上が平均細孔半径の±20%の範
囲に含まれることが好ましい。 一般に、成型体の強度は、構成する粒子の大き
さ、充填構造、粒子の配位数、粒子の形状などに
よつて変化し、更に形成された細孔容積や細孔半
径により変化する。 特に、細孔半径と破壊強度の一般的な概念は、
細孔半径が大きくなるにつれて強度は低下傾向を
示し、更にある大きさ以上になると急激に弱くな
るということである。具体例としては、アルミナ
担体の細孔半径と強度の関係において、この時の
細孔半径が約700Åという報告〔(B.A.Abhcbxo,
Kinatika i Kataliz,Vol No.5859−864
(1966)〕がある。 しかるに、本発明における実質的に結晶性アル
ミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライト
は、マクロ孔が数千Åにシヤープな分布を有し、
かつ細孔容積が比較的多いにもかかわらず、実用
に耐え得る強度を持ち得ることは、驚くべき事実
である。 何故、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなる
バインダーレスゼオライトが実用に耐えうる強度
を持ち得るかについては、明らかにされていない
が、ペレツトの表面及び断面の顕微鏡写真の観察
からは、比較的小さな結晶粒子の集合体であつた
り、比較的結晶粒子の大きな集合体であつたりす
ることは判明している。 そして、比較的小さな結晶粒子で構成されてい
るペレツトの強度は強く、比較的大きな結晶粒子
で構成されているペレツトの強度は弱い傾向を示
す。 以上のことから、原料粉末の形状や大きさが、
強度に影響を与えており、なんらかの架橋作用が
働いていると推察される。 本発明においては、実質的に粒径分布がコント
ロールされた原料粉末20〜80重量%とアルミナ含
有量が2〜10重量%のアルミノシリケートゲル80
〜20重量%を混練して成型した固体を水熱処理す
ることにより、上記細孔構造を有する実質的に結
晶性アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオ
ライトを製造することができる。 本発明におけるバインダーレスゼオライト触媒
の製造工程の概要を示すと次の如くである。 原料粉体を製造する工程 バインダー用のアルミノシリケートゲルを製
造する工程 原料粉体とバインダーを混練し成型する工程 成型物を乾燥又は焼成する工程 成型物を水熱処理する工程 以下この製造工程に従つて更に詳述する。 本発明において使用する原料粉体とは、予め準
備された結晶性アルミノ珪酸塩を意味する。この
ような原料粉体として用いる予め準備された結晶
性アルミノ珪酸塩としては、TSZアルミノ珪酸
塩、高シリカ含有モルデナイト、所謂ZSM−5
及びこれらの2種以上の混合物を使用することが
できる。ここで用いる予め準備された結晶性アル
ミノ珪酸塩は、未焼成の合成されたままのもので
も十分であり、更に完全な結晶の形でなくてもよ
く、単に予備結晶させただけであり、非晶質に近
いX線回折図形を示すアルミノ珪酸塩を用いるこ
ともできるが、特にTSZ結晶性アルミノ珪酸塩
を使用した場合にはTSZ結晶性アルミノ珪酸塩
に豊むバインダーレスゼオライトを製造すること
ができて好ましい。TSZ結晶性アルミノ珪酸塩
以外の他のゼオライトを使用する場合には、特に
鉱化剤又は陽イオン供給源を使用することが好ま
しく、このようなものとして特にNaClを使用す
ることが好ましい。 上記の原料粉体の組成については、SiO2/
Al2O3比とNa2O/SiO2比が、後記するTSZの生
成域にあることが好ましく、又その結晶は小粒子
径であることが、製造されるバインダーレスゼオ
ライト触媒の活性及び強度の点から好ましい。 次に、本発明で使用する原料粉末としての結晶
性アルミノ珪酸塩の製造方法について説明する。 本発明で使用することのできる結晶性アルミノ
珪酸塩は、一般に珪素源、アルミニウム源をある
範囲の比率で用い、適当なアルカリ源と水を各々
一定の範囲の比率になるように加えた、実質的に
無機反応材料からなる水性反応混合物を調製し、
この水性反応混合物を結晶が生成するまで結晶化
温度に加熱維持することにより製造することが出
来る。このような製造条件は、例えば、自己圧下
約120℃〜約230℃で約10時間〜10日間維持するこ
とにより実現される。 TSZ結晶性アルミノ珪酸塩はシリカ源、アル
ミナ源、アルカリ源、水及び必要に応じアルカリ
金属の中性塩を含有する、実質的な無機反応材料
からなる水性反応混合物から製造されるが、その
組成は酸化物のモル比を表すと次の如くである。 SiO2/Al2O3 10〜130 Na2O/SiO2 0.01〜0.5 (Na2O+M2/nO)/SiO2 0.03〜0.3 H2O/(Na2O+M2/nO) 150〜800 X-/SiO2 0〜20 上式において、Mは元素周期律表の第族及び
第族、好ましくはリチウム、ナトリウム、バリ
ウム、カルシウム及びストロンチウムから選択さ
れる金属陽イオンであり、nはその金属陽イオン
の原子価であり、X-は沈澱助剤及び/又は鉱化
剤の塩のイオンである。M2/nO及びNa2Oはそ
れぞれ遊離のM2/nO及びNa2Oであり、一般に
水酸化物及びゼオライト合成において効果を示す
ような極弱酸塩、例えばアルミン酸塩、珪酸塩等
の形態である。又、上記の「遊離のNa2O」は、
硫酸アルミニウム、硫酸、塩酸又は硝酸等の添加
により調節することができる。 また、TSZ結晶性アルミノ珪酸塩は、上記水
性反応混合物の組成比のうち、SiO2/Al2O3モル
比とNa2O/SiO2モル比を変化させることによ
り、生成する結晶性アルミノ珪酸塩の結晶粒径が
変化する。 つまり、水性反応混合物のSiO2/Al2O3モル比
に応じてNa2O/SiO2モル比を変化させ、
Na2O/Al2O3モル比を同等にすることを条件と
してSiO2/Al2O3モル比を変化させた場合には、
ほぼ同等の結晶粒径を有する結晶性アルミノ珪酸
塩が生成する。 又、Na2O/Al2O3モル比を1〜15の範囲で変
えることにより、約0.1μ〜約10μの範囲で、所望
する結晶粒径を有する結晶性アルミノ珪酸塩を製
造することができる。これらの、TSZ結晶性ア
ルミノ珪酸塩の製造方法の詳細は、特開昭58−
15111号、特願昭58−30797号、同58−46684号等
に記載されている。 他の原料粉末については、市販又は公知の方法
で製造又は供給される。例えば、高シリカ含有モ
ルデナイトについては、特開昭56−160316号、高
シリカモルデナイトとTSZ結晶性アルミノ珪酸
塩の混合物については特開昭58−88119号、ZSM
−5については米国特許第3702886号に開示され
ている方法により製造することができる。 本発明において使用するアルミノシリケートゲ
ルは、上記TSZ結晶性アルミノ珪酸塩の前駆体
である水性反応混合物を、一定時間熟成後、濾別
し、アルミノシリケートゲルまたは成型体が結晶
化するのに可能であり、かつ過度の結晶化が起こ
らないような組成範囲になるまで洗浄した後、十
分水切りを行ない、含水率(乾燥基準)を約65重
量%から約95重量%にし、混練時に、特に水分の
添加を必要としないように調整するのが好まし
い。 上記アルミノシリケートゲルを製造するための
水性反応混合物の好ましい組成は、酸化物のモル
比で表すと Na2O/Al2O3 ≧1.2 SiO2/Al2O3 10〜100 Na2O/SiO2 0.01〜0.20 H2O/SiO2 5〜150 であり、好ましくは Na2O/Al2O3 ≧1.5 SiO2/Al2O3 15〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 H2O/SiO2 10〜130 である。ここで、NaO2は前述の場合と同様であ
る。 バインダー中のアルカリ量は、バインダーレス
ゼオライトを製造するための重要な要素である。 つまり、アルカリ量が少ない場合は、結晶化に
長時間を要したり、非晶質のままであつたりする
ことがあり、またアルカリ量が多い場合は、過度
の結晶成長により大結晶を生成したり、他の好ま
しくない結晶相が生成したり、或いは粉化などの
原因となることがあるので、特定の組成範囲にす
るのが好ましい。 バインダーとしてのもう一つの重要な要素は、
成型されたペレツトの強度付与であるが、これ
は、アルミノシリケートゲルの粉着性、成型性あ
るいは乾燥収縮力といつたものに強く影響される
ので、アルミノシリケートゲルの調製時には、分
散性の良いコロイド状粒子にすることが好まし
い。必要に応じてアルカリ金属の中性塩を沈澱助
剤として少量添加することができるが撹拌及び後
処理等ゲルの取り扱い上問題がなければ添加しな
い方が好ましいこともある。 本発明における比較的小さな結晶粒子で構成さ
れ、かつ高強度のバインダーレスゼオライトを製
造するためのバインダーとして使用するアルミノ
シリケートゲル(乾燥基準)の組成は酸化物のモ
ル比で表すと Na2O/Al2O3 1.2〜7.0 SiO2/Al2O3 10〜80 Na2O/SiO2 0.02〜0.15 が好ましく、更に好ましくは Na2O/Al2O3 1.5〜4.0 SiO2/Al2O3 15〜60 Na2O/SiO2 0.03〜0.12 本発明において、上記の如く製造された原料粉
末及びアルミノシリケートゲルを混練してペレツ
トに成型するに際し、あらかじめ準備された原料
粉末を20〜80重量%と、あらかじめ組成を調製し
たアルミノシリケートゲル80〜20重量%とを混練
して成型することにより、強度の強いペレツトが
得られ、これを水熱処理することにより、結晶粒
子間に生ずる独特な2次細孔を有し、かつ実用に
十分耐えうる強度を保持した、実質的に結晶質ア
ルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライト
触媒が得られる。 上記原料粉末の混合割合が約20重量%より少な
い場合、ペレツトの強度は強くなる傾向にある
が、乾燥または焼成によりペレツトの収縮、それ
に伴うクラツクの発生など、安定した物性のもの
が得られにくいことがあり、又、原料粉末の混合
割合が約80重量%より多い場合十分なペレツト強
度を得られないことがあり、再現性良く製造する
ためには、上記混合割合にすることが好ましい。 また、原料粉末の粒径が比較的小さい場合に
は、強度の強いペレツトが得られる傾向にあり、
しかも水熱処理後も、強度が維持されることが多
く好ましい。本発明においては、原料粉末の分布
は約0.1μm〜約10μmの範囲にあることが好まし
い。 原料粉末の粒径が比較的大きい場合には、ペレ
ツトの強度そのものは、上記のものとあまり変わ
らないが、水熱処理を行うことにより、強度が低
下する傾向にあり好ましくない。 なお、あらかじめ準備された原料粉末とバイン
ダーとして使用されるアルミノシリケートゲルの
組成は、それぞれ異なつたものを使用してもよい
が、略同一にするのが、特に触媒性能の良好なバ
インダーレスゼオライトを得ることができて好ま
しい。 上記、混練したものを成型するに際し、成型助
剤を使用することができる。成型助剤としては、
通常の押し出し成型に用いられる公知のもので、
後処理で焼失する有機系のものが好ましい。しか
しながら、ペレツトの最終的な強度を考えた場合
には、成型助剤の添加は必要最少限とするか、あ
るいは添加しない方が好ましい。 なお、アルミノシリケートゲルのアルカリ量に
過不足がある場合、混練前あるいは混練中に所定
の値に調整するのが好ましい。 成型されたペレツトは、できるだけ乾燥収縮等
で歪みがこないような条件、例えば風乾を充分行
つた後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃で加
熱する。もし、乾燥によりペレツトの強度が十分
であれば焼成の必要はないが、十分でない場合や
成型助剤を使用した場合には、400〜700℃、好ま
しくは450〜600℃で焼成するのが好ましい。乾燥
状態及び焼成後でも水熱処理することによりバイ
ンダーレスゼオライトを製造することができる。 成型体のアルカリ量は、本発明におけるバイン
ダーレスゼオライトを製造するための重要な要素
である。即ち、アルカリ量が少ない場合、結晶化
に長時間を要したり、非晶質のままであつたりす
る。又、結晶化させるためにアルカリ不足分を外
部から添加することができるが、この場合成型体
の表面からの結晶化が起こりやすく、成型体の結
晶化が均一に進行しないため粉化の原因になつた
り、更には成型体の強度低下に繋がるので好まし
くない。 一方、アルカリ量が過度に多い場合、結晶化に
要する時間は短縮されるが、大きな結晶粒子に成
長したりすることがあり、成型体の強度を弱めた
り、又、他の結晶相が生成したりして好ましくな
い。 本発明において、水熱反応に用いる固体の形状
は、特に限定されるものではないが、成型のしや
すさ、或いは触媒として使用する場合の使用効率
の点から、特にペレツト型、異形型
(Polylobal)、中空円筒型(hollow tube)であ
ることが好ましく、大きさとしては、取扱いの上
から、外径1.5mm程度のものが好ましい。 本発明の水熱反応は、特開昭58−45111号に開
示した方法によつて行うことが出来る。 結晶化のための条件は、結晶が生成するまで結
晶化温度に加熱維持することで、特に限定されな
いが、例えば、温度約120℃〜230℃であり、時間
は約10時間〜約10日間である。 好ましい結晶化の条件は、乾燥又は焼成したペ
レツトの組成比及び水溶液とペレツトの重量比な
どに依存するが、温度が高い程時間が短く、温度
が低い程長い時間を要するのが一般的である。 しかしながら、過度に低い温度或いは過度に高
い温度では、非晶質になつたり望まざる結晶を生
成したりするので好ましくない。ペレツトを水熱
処理する際、特に撹拌の必要はないが、少なくと
も系全体の均質な伝熱を図る上で撹拌するのが好
ましい。 又、使用する水溶液は、ペレツト自体があらか
じめ結晶化可能な組成比に調整されている場合に
は、水のみでもよいが、結晶化の速度を早めたり
時間を短縮するために鉱化剤を使用しても良い。
特に、この選択は結晶粒子の成長程度、更にはこ
れが及ぼす物性、あるいは触媒性能の面から決め
るのが好ましい。 ペレツトは、水又は水溶液と共に密閉容器、例
えば鉄製、ステンレス製あるいはテフロンで内張
りしたオートクレープに入れて自己圧のもとで結
晶化させる。 このようにして得られた実質的に結晶性アルミ
ノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライトは、
水洗し、乾燥したままで後処理を行うことができ
るが、必要に応じて焼成することがある。 乾燥は、50〜250℃好ましくは100〜200℃で、
10分以上好ましくは30分〜48時間行われる。焼成
は300〜700℃で10分以上好ましくは400〜600℃で
30分から24時間行われる。 本発明で行う水熱処理の結果、バインダーは結
晶化して、2次細孔の分布は極めてシヤープであ
る。本発明において制御する2次細孔の半径を測
定する方法は必ずしも確立しているものではない
が、その平均の半径は、所謂水銀圧入法によつて
推定することが出来る。本発明においては、この
水銀圧入法で得られる全細孔容積の1/2の細孔
容積累積値を示す半径を、平均細孔半径と定義す
るが、この細孔半径の大きさは実質的な触媒表面
積に関係するばかりでなく、反応する分子及び生
成した分子の拡散速度にも影響すること等、触媒
活性の観点から重要である。 本発明に使用される原料粉末粒子の形状や大き
さ、及び本発明によつて製造したバインダーレス
ゼオライトの構成粒子の形状や大きさは、顕微鏡
観察によつて測定する。 原料粉末あるいは結晶粒子の形状及び大きさ
は、製造条件により例えば、針状の小粒子からひ
つぎ型の大粒子へと変化する。 本発明においては、原料粉末あるいは結晶粒子
の大きさは、(短軸の長さ)×(長軸の長さ)をも
つて表示する。 原料粉末及び結晶粒子の短軸は、短軸にあたる
部分の断面が、円状または、楕円状の場合は、そ
の長軸にあたる部分を測定し、又、その断面が、
角状の場合は、長辺にあたる部分を測定した。 原料粉末及び結晶粒子の長軸は、長軸にあたる
部分の断面の最長径または最長辺を測定した。 以上、原料粉末及び結晶粒子の形態を判断でき
るように少なくとも100個の、通常は200〜300個
の顕微鏡観察を行うことができる。 本発明の方法によつて得られた実質的に結晶性
アルミノ珪酸塩からなるバインダーレスゼオライ
トのペレツトは、その利用目的により、更にいく
つかの処理を受けるが粉末と異なりその後の洗
浄、水素型への変換、活性金属種のイオン交換操
作等において極めて取り扱いが容易になる。 触媒として利用する場合には、アンモニウムイ
オン、水素イオン、あるいは2価、3価金属陽イ
オン、例えば遷移金属イオン、希土類金属イオン
等を含む水溶性液でイオン交換し、ゼオライトに
固体酸性を付与せしめるのが一般的である。 固体酸素を有する多くの反応、例えば異性化、
不均化、アルキル化、脱アルキル化、分解、リフ
オーミング、重合、水添分解等の反応に対して著
しく高い触媒作用を示す。 イオン交換処理後、水洗、乾燥され、その後の
使用に先立つて焼成される。さらに、イオン交換
以外に、鉄、コバルト、ニツケル、クロム、マン
ガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、
レニウム、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジ
ウム、などの成分を含浸操作により担持すること
ができる。 〈発明の効果〉 本発明によつて得られたバインダーレスゼオラ
イトは、全体の結晶性が良好であり、例えば出発
ゼオライトとしてTSZ結晶性アルミノ珪酸塩を
使用した場合には、バインダーが結晶化して形成
されたTSZ結晶性アルミノ珪酸塩と出発原料の
TSZ結晶性アルミノ珪酸塩とは、顕微鏡写真で
は区別が出来ない程一体となつたゼオライト構造
体を得ることができる。又、2次細孔が一定の条
件を満たすように制御されているので、本発明で
得られたバインダーレスゼオライトは、実用的強
度を十分に有し、又活性に優れているのみなら
ず、活性を維持する能力にも優れており、とくに
n−パラフイン類炭化水素の選択的分解及び、ア
ルコール類、オレフイン類等のアルキル化剤によ
る芳香族アルキル化反応、或いは芳香族の異性化
反応の触媒として優れた性能を有する等、本発明
の意義は大きい。 以下、本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例 1 194.8gの純水中に29.6gの硫酸アルミニウム
(Al2O3;15.4重量%)を溶解しこれに22.5gの濃
硫酸(95重量%)を添加し、硫酸アルミニウム水
溶液を調製した(A液)。一方、280.8gの水ガラ
ス(Na2O;9.36重量%、SiO2;29.4重量%の3
号水ガラス;以下単に3号水ガラスと略す)に
142gの純水を添加し、撹拌し水ガラス溶液とし
た(B液)。次に、A液及びB液を塩化ナトリウ
ム水溶液(NaCl;86.2g、H2O;556.1g)に添
加し、水性反応混合物を得た後、これをオート・
クレーブに張り込み、昇温し、自己圧において、
180℃で40時間加熱維持した。 結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、純水
で洗浄した後、110℃で乾燥した。生成物の組成
及び粒子の大きさは表−1に示した通りである。
このようにして得た原料粉末50gとアルミノシリ
ケートゲル362.3gを、ニーダーで乾燥しながら
成形可能な水分量になるまで混練し、押出
【表】
成型機にて外径約1.5mmのペレツトに成型した。
ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム59.8g、95%硫酸36.8g及び純水
389.6gの硫酸アルミニウム水溶液と水ガラス
(3号水ガラス)561.6g、純水284.0gの水ガラ
ス水溶液を、塩化ナトリウム32.4gを純水1112g
中に溶解した液に添加し、約30分間、撹拌して調
製し、濾過し、約7の純水で洗浄した後、十分
水切りを行つたものである。 このアルミノシリケートゲルの組成比は、表−
1に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で16時間乾燥した
後、更に600℃で約3時間仮焼した。次に、仮焼
後のペレツト50gを分取し、純水690g、塩化ナ
トリウム25gと共にオート・クレーブに入れ、
180℃で40時間結晶化を行つた。結晶化操作の終
了後、ペレツトを濾別し、純水で洗浄後、110℃
で乾燥した。一部を分取し、粉末X線回折分析を
行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩か
らなるバインダーレスゼオライトであつた。 生成物の物性は表−2に示した通りであり、顕
微鏡写真の観察結果から比較的小さな結晶粒子に
よつて構成されていることが判明した。得られた
バインダーレスゼオライトは強度的にも工業的に
十分耐えうるものであつた。 比較例 194.8gの純水中に17.7gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに16.9gの95%硫酸を添加し硫酸
アルミニウム水溶液を調製し(A液)、280.8gの
水ガラスに142gの純水を添加し、撹拌して水ガ
ラス溶液とした(B液)。次にA液及びB液を塩
化ナトリウム水溶液(NaCl;86.2g、H2O;
556.1g)に添加し、水性反応混合物を得た。 これをオート・クレーブに張り込み、昇温し、
自己圧において180℃で16時間加熱維持した。 結晶化操作の終了後、固体生成物を濾過し純水
で洗浄した後110℃で乾燥した。生成物の組成
酸アルミニウム59.8g、95%硫酸36.8g及び純水
389.6gの硫酸アルミニウム水溶液と水ガラス
(3号水ガラス)561.6g、純水284.0gの水ガラ
ス水溶液を、塩化ナトリウム32.4gを純水1112g
中に溶解した液に添加し、約30分間、撹拌して調
製し、濾過し、約7の純水で洗浄した後、十分
水切りを行つたものである。 このアルミノシリケートゲルの組成比は、表−
1に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で16時間乾燥した
後、更に600℃で約3時間仮焼した。次に、仮焼
後のペレツト50gを分取し、純水690g、塩化ナ
トリウム25gと共にオート・クレーブに入れ、
180℃で40時間結晶化を行つた。結晶化操作の終
了後、ペレツトを濾別し、純水で洗浄後、110℃
で乾燥した。一部を分取し、粉末X線回折分析を
行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩か
らなるバインダーレスゼオライトであつた。 生成物の物性は表−2に示した通りであり、顕
微鏡写真の観察結果から比較的小さな結晶粒子に
よつて構成されていることが判明した。得られた
バインダーレスゼオライトは強度的にも工業的に
十分耐えうるものであつた。 比較例 194.8gの純水中に17.7gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに16.9gの95%硫酸を添加し硫酸
アルミニウム水溶液を調製し(A液)、280.8gの
水ガラスに142gの純水を添加し、撹拌して水ガ
ラス溶液とした(B液)。次にA液及びB液を塩
化ナトリウム水溶液(NaCl;86.2g、H2O;
556.1g)に添加し、水性反応混合物を得た。 これをオート・クレーブに張り込み、昇温し、
自己圧において180℃で16時間加熱維持した。 結晶化操作の終了後、固体生成物を濾過し純水
で洗浄した後110℃で乾燥した。生成物の組成
【表】
【表】
及び粒子の大きさは表−1に示した通りである。
このようにして得た原料粉末50gとアルミノシリ
ケートゲル373.1gをニーダーで乾燥しながら成
型可能な水分量になるまで混練し、押出成型機に
て、外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム38.6g、95%硫酸32.0g及び純水
330gの硫酸アルミニウム水溶液と水ガラス(3
号水ガラス)476.2g、純水240.8gの水ガラス水
溶液を、塩化ナトリウム27.2g、純水942.8gの
塩化ナトリウム水溶液に添加し、調製し、約30分
間混合した後、濾過し、約7の純水で洗浄した
後、十分水切りを行つた。このアルミノシリケー
トゲルの組成は表−1に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で乾燥した後、更
に600℃で約3時間仮焼して50g分取し、純水690
g、塩化ナトリウム24gと共にオート・クレーブ
に入れ、180℃で20時間結晶化を行つた。 結晶化操作の終了後ペレツトを濾別し、洗浄
後、110℃で乾燥した。 一部を分取し、粉末X線回折分析を行つたとこ
ろ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなるバイ
ンダーレスゼオライトであつた。 生成物の物性は表−2に示した通りであり、顕
微鏡写真の観察結果大きな結晶粒子で構成されて
おり、ペレツトの強度は非常に弱かつた。 実施例 2 194.8gの純水中に44.3gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに11.4gの95%硫酸を添加し、硫
酸アルミニウム水溶液を調製した。これを、水ガ
ラス280.8g、純水698.1g及び塩化ナトリウム54
gを溶解した水ガラス溶液に添加し、水性反応混
合物を得た。 得られた水性反応混合物をオート・クレーブに
張り込み、約0.7℃/min程度で昇温し、自己圧
において182℃で20時間加熱維持した。 生成物は濾過、洗浄した後110℃で乾燥した。
生成物の組成及び粒子の大きさは表−1に示した
通りである。こうして得た原料粉末50gとアルミ
ノシリケートゲル324.7gをニーダーで乾燥しな
がら成型可能な水分量になるまで混練し、押出成
型機にて外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウムを61.8g、95%硫酸を21.8gとし
た他は、比較例と同様な方法で調製した。このア
ルミノシリケートゲルの組成は表−1に示した通
りである。 成型したペレツトを、110℃で乾燥した後、更
に600℃で約3時間仮焼した後50gを分取し、純
水690g、塩化ナトリウム48gと共にオート・ク
レーブに入れ、180℃で40時間結晶化を行つた。 結晶化操作の終了後、ペレツトを濾過洗浄し、
110℃で乾燥した後、一部を分取し粉末X線回折
分析を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪
酸塩からなるバインダーレスゼオライトであり、
顕微鏡写真の観察結果から比較的小さな結晶粒子
で構成されていることが判明した。得られたペレ
ツトの物性は表−2に示した通りであり、その強
度は工業的に十分耐え得るものであつた。 実施例 3 原料粉末は、硫酸アルミニウムが38.5g、95%
硫酸が14.1gに変わる他は、実施例2と同様にし
て得られた。生成物の組成及び粒子の大きさは、
表−3に示した通りである。 こうして得た原料粉末50gとアルミノシリケー
トゲル324.7gをニーダーで乾燥しながら成型可
能な水分量になるまで混練し、押出成型機にて外
径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、実
施例2と同じものを使用し、ペレツトの結晶化に
ついては、実施例2と同様にして行つた。 一部を分取し、粉末X線回折分析を行つたとこ
ろ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなるバイ
ンダーレスゼオライトであつた。得られたペレツ
トの物性は表−4に示した通りである。
このようにして得た原料粉末50gとアルミノシリ
ケートゲル373.1gをニーダーで乾燥しながら成
型可能な水分量になるまで混練し、押出成型機に
て、外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウム38.6g、95%硫酸32.0g及び純水
330gの硫酸アルミニウム水溶液と水ガラス(3
号水ガラス)476.2g、純水240.8gの水ガラス水
溶液を、塩化ナトリウム27.2g、純水942.8gの
塩化ナトリウム水溶液に添加し、調製し、約30分
間混合した後、濾過し、約7の純水で洗浄した
後、十分水切りを行つた。このアルミノシリケー
トゲルの組成は表−1に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で乾燥した後、更
に600℃で約3時間仮焼して50g分取し、純水690
g、塩化ナトリウム24gと共にオート・クレーブ
に入れ、180℃で20時間結晶化を行つた。 結晶化操作の終了後ペレツトを濾別し、洗浄
後、110℃で乾燥した。 一部を分取し、粉末X線回折分析を行つたとこ
ろ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなるバイ
ンダーレスゼオライトであつた。 生成物の物性は表−2に示した通りであり、顕
微鏡写真の観察結果大きな結晶粒子で構成されて
おり、ペレツトの強度は非常に弱かつた。 実施例 2 194.8gの純水中に44.3gの硫酸アルミニウム
を溶解し、これに11.4gの95%硫酸を添加し、硫
酸アルミニウム水溶液を調製した。これを、水ガ
ラス280.8g、純水698.1g及び塩化ナトリウム54
gを溶解した水ガラス溶液に添加し、水性反応混
合物を得た。 得られた水性反応混合物をオート・クレーブに
張り込み、約0.7℃/min程度で昇温し、自己圧
において182℃で20時間加熱維持した。 生成物は濾過、洗浄した後110℃で乾燥した。
生成物の組成及び粒子の大きさは表−1に示した
通りである。こうして得た原料粉末50gとアルミ
ノシリケートゲル324.7gをニーダーで乾燥しな
がら成型可能な水分量になるまで混練し、押出成
型機にて外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、硫
酸アルミニウムを61.8g、95%硫酸を21.8gとし
た他は、比較例と同様な方法で調製した。このア
ルミノシリケートゲルの組成は表−1に示した通
りである。 成型したペレツトを、110℃で乾燥した後、更
に600℃で約3時間仮焼した後50gを分取し、純
水690g、塩化ナトリウム48gと共にオート・ク
レーブに入れ、180℃で40時間結晶化を行つた。 結晶化操作の終了後、ペレツトを濾過洗浄し、
110℃で乾燥した後、一部を分取し粉末X線回折
分析を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪
酸塩からなるバインダーレスゼオライトであり、
顕微鏡写真の観察結果から比較的小さな結晶粒子
で構成されていることが判明した。得られたペレ
ツトの物性は表−2に示した通りであり、その強
度は工業的に十分耐え得るものであつた。 実施例 3 原料粉末は、硫酸アルミニウムが38.5g、95%
硫酸が14.1gに変わる他は、実施例2と同様にし
て得られた。生成物の組成及び粒子の大きさは、
表−3に示した通りである。 こうして得た原料粉末50gとアルミノシリケー
トゲル324.7gをニーダーで乾燥しながら成型可
能な水分量になるまで混練し、押出成型機にて外
径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、実
施例2と同じものを使用し、ペレツトの結晶化に
ついては、実施例2と同様にして行つた。 一部を分取し、粉末X線回折分析を行つたとこ
ろ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩からなるバイ
ンダーレスゼオライトであつた。得られたペレツ
トの物性は表−4に示した通りである。
【表】
【表】
実施例 4
136.5gの純水中に、11.6gの硫酸アルミニウ
ムを溶解し、44.6gのテトラプロピルアンモニウ
ムブロマイド及び95%硫酸15.6gを添加し、水ガ
ラス溶液(水ガラス200g、純水99.5g)と共に、
塩化ナトリウム水溶液(NaCl49.1g、純水390
g)に添加して水性反応混合物を得た。これをオ
ート・クレーブに張り込み162℃で20時間自己圧
において加熱維持した。 生成物を濾過・洗浄し、110℃で乾燥した。生
成物の組成及び粒子の大きさは表−3に示した通
りである。こうして得た原料粉末を約550℃で3
時間仮焼した後、50g分取し、アルミノシリケー
トゲル373.1gとニーダーで乾燥しながら成型可
能な水分量になるまで混練し、更に水酸化ナトリ
ウムを添加し、押出成型機にて外径約1.5mmのペ
レツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、比
較例のそれと同様な方法で調製されたものであ
り、洗浄を約4の純水で行つた。このアルミノ
シリケートゲルの組成は表−3に示した通りであ
る。 成型したペレツトを約110℃で乾燥した後、更
に550℃で約3時間仮焼して50gを分取し、純水
690g、塩化ナトリウム24gと共にオート・クレ
ーブに入れ、180℃で20時間結晶化を行つた。 結晶化後、ペレツトを濾別し、洗浄後、110℃
で乾燥した後、一部を分取し、粉末X線回折分析
を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩
からなるバインダーレスゼオライトであつた。 生成物は表−4に示した通りであり、顕微鏡写
真の観察結果より、1〜3μmの球状粒子の表面層
にヒゲ状の微細な結晶の成長が確認された。強度
は工業的使用に十分耐え得るものであつた。 実施例 5 292.5gの純水に9.3gのアルミン酸ソーダ
(Al2O3;35.7重量%、Na2O;29.1重量%)を溶
解し、これを水ガラス溶液(水ガラス273.8g、
純水135.7g)に添加し均一な溶液とした。次に
得られた溶液を塩酸溶液(35%塩酸80.6g、純水
175.5g)と共に塩化ナトリウム溶液(塩化ナト
リウム48.6g、純水403.7g)に添加し、水性反
応混合物を得た。 これをオート・クレーブに入れ、昇温し、自己
圧において、180℃で28時間維持した。 固体生成物を濾過・洗浄し、110℃で乾燥した。
生成物の組成及び粒子の大きさは表−3に示した
通りである。 このようにして得た原料粉末50gとアルミノシ
リケートゲル312.5gをニーダーで乾燥しながら
成型可能な水分量になるまで混練し、押出成型機
にて、外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、比
較例と同じ方法で調製した。このアルミノシリケ
ートゲルの組成は表−3に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で乾燥し、更に600
℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、約300
gの純水と共にオート・クレーブに入れ、自己圧
において、180℃で40時間結晶化を行つた。 反応終了後ペレツトを濾別し、洗浄した後、
110℃で乾燥して一部を分取し、粉末X線回折分
析を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩からなるバインダーレスゼオライトであつた。
生成物は表−4に示した通りであり、顕微鏡写真
の観察結果より、比較的小さな結晶粒子で構成さ
れていることが確認された。得られたバインダー
レスゼオライトは工業的に十分使用に耐える強度
を持つていた。 以上の結果から、原料粉末の大きさ等を調整し
てバインダーレスゼオライトの結晶粒子の大きさ
や2次細孔の半径及びその容積率を一定の範囲と
する本発明により、得られるバインダーレスゼオ
ライトの強度を十分に大きくすることができるこ
とが実証された。
ムを溶解し、44.6gのテトラプロピルアンモニウ
ムブロマイド及び95%硫酸15.6gを添加し、水ガ
ラス溶液(水ガラス200g、純水99.5g)と共に、
塩化ナトリウム水溶液(NaCl49.1g、純水390
g)に添加して水性反応混合物を得た。これをオ
ート・クレーブに張り込み162℃で20時間自己圧
において加熱維持した。 生成物を濾過・洗浄し、110℃で乾燥した。生
成物の組成及び粒子の大きさは表−3に示した通
りである。こうして得た原料粉末を約550℃で3
時間仮焼した後、50g分取し、アルミノシリケー
トゲル373.1gとニーダーで乾燥しながら成型可
能な水分量になるまで混練し、更に水酸化ナトリ
ウムを添加し、押出成型機にて外径約1.5mmのペ
レツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、比
較例のそれと同様な方法で調製されたものであ
り、洗浄を約4の純水で行つた。このアルミノ
シリケートゲルの組成は表−3に示した通りであ
る。 成型したペレツトを約110℃で乾燥した後、更
に550℃で約3時間仮焼して50gを分取し、純水
690g、塩化ナトリウム24gと共にオート・クレ
ーブに入れ、180℃で20時間結晶化を行つた。 結晶化後、ペレツトを濾別し、洗浄後、110℃
で乾燥した後、一部を分取し、粉末X線回折分析
を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸塩
からなるバインダーレスゼオライトであつた。 生成物は表−4に示した通りであり、顕微鏡写
真の観察結果より、1〜3μmの球状粒子の表面層
にヒゲ状の微細な結晶の成長が確認された。強度
は工業的使用に十分耐え得るものであつた。 実施例 5 292.5gの純水に9.3gのアルミン酸ソーダ
(Al2O3;35.7重量%、Na2O;29.1重量%)を溶
解し、これを水ガラス溶液(水ガラス273.8g、
純水135.7g)に添加し均一な溶液とした。次に
得られた溶液を塩酸溶液(35%塩酸80.6g、純水
175.5g)と共に塩化ナトリウム溶液(塩化ナト
リウム48.6g、純水403.7g)に添加し、水性反
応混合物を得た。 これをオート・クレーブに入れ、昇温し、自己
圧において、180℃で28時間維持した。 固体生成物を濾過・洗浄し、110℃で乾燥した。
生成物の組成及び粒子の大きさは表−3に示した
通りである。 このようにして得た原料粉末50gとアルミノシ
リケートゲル312.5gをニーダーで乾燥しながら
成型可能な水分量になるまで混練し、押出成型機
にて、外径約1.5mmのペレツトに成型した。 ここで使用したアルミノシリケートゲルは、比
較例と同じ方法で調製した。このアルミノシリケ
ートゲルの組成は表−3に示した通りである。 成型したペレツトを約110℃で乾燥し、更に600
℃で約3時間仮焼した後、50gを分取し、約300
gの純水と共にオート・クレーブに入れ、自己圧
において、180℃で40時間結晶化を行つた。 反応終了後ペレツトを濾別し、洗浄した後、
110℃で乾燥して一部を分取し、粉末X線回折分
析を行つたところ、実質的に結晶性アルミノ珪酸
塩からなるバインダーレスゼオライトであつた。
生成物は表−4に示した通りであり、顕微鏡写真
の観察結果より、比較的小さな結晶粒子で構成さ
れていることが確認された。得られたバインダー
レスゼオライトは工業的に十分使用に耐える強度
を持つていた。 以上の結果から、原料粉末の大きさ等を調整し
てバインダーレスゼオライトの結晶粒子の大きさ
や2次細孔の半径及びその容積率を一定の範囲と
する本発明により、得られるバインダーレスゼオ
ライトの強度を十分に大きくすることができるこ
とが実証された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 実質的に結晶性アルミノ珪酸塩によつて成型
されてなるバインダーレス結晶性アルミノ珪酸塩
であつて、その水銀圧入法により求めた細孔半径
が75〜75000Åであり、細孔容積の25%以上が該
半径の±20%の範囲に含まれ、平均細孔半径が
1000〜15000Åであり、且つ細孔容積が0.2〜1.0
c.c./gであることを特徴とするバインダーレス結
晶性アルミノ珪酸塩。 2 平均細孔半径が1100〜10000Åであり、細孔
容積が0.25〜0.9c.c./gであることを特徴とする
特許請求の範囲第1項に記載のバインダーレス結
晶性アルミノ珪酸塩。 3 平均細孔半径が1200〜8000Åであり、細孔容
積が0.3〜0.8c.c./gであることを特徴とする特許
請求の範囲第1項に記載のバインダーレス結晶性
アルミノ珪酸塩。 4 実質的に結晶性アルミノ珪酸塩のみから成る
バインダーレス結晶性アルミノ珪酸塩を製造する
方法であつて、粒径分布が約0.1μm〜約10μmの
原料粉末20〜80重量%とアルミナ含有量が2〜10
重量%のアルミノシリケートゲル80〜20重量%を
混練して成型した固体を水熱処理することを特徴
とする、水銀圧入法により求めた細孔半径が75〜
75000Åであり、細孔容積の25%以上が該半径の
±20%の範囲に含まれ、平均細孔半径が1000〜
15000Åであり、且つ細孔容積が0.2〜1.0c.c./g
であるバインダーレス結晶性アルミノ珪酸塩の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18166184A JPS6163524A (ja) | 1984-09-01 | 1984-09-01 | バインダ−レス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18166184A JPS6163524A (ja) | 1984-09-01 | 1984-09-01 | バインダ−レス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6163524A JPS6163524A (ja) | 1986-04-01 |
| JPH0475164B2 true JPH0475164B2 (ja) | 1992-11-30 |
Family
ID=16104652
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18166184A Granted JPS6163524A (ja) | 1984-09-01 | 1984-09-01 | バインダ−レス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6163524A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3322710B2 (ja) * | 1992-12-17 | 2002-09-09 | 彰男 逸見 | 石炭灰より固体酸触媒の製造法 |
| JP2004143035A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-05-20 | Tokuyama Corp | 結晶性無機多孔質材料およびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4493902A (en) * | 1983-02-25 | 1985-01-15 | Engelhard Corporation | Fluid catalytic cracking catalyst comprising microspheres containing more than about 40 percent by weight Y-faujasite and methods for making |
-
1984
- 1984-09-01 JP JP18166184A patent/JPS6163524A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6163524A (ja) | 1986-04-01 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5328675A (en) | Transition-metal-aluminosilicate hydrocarbon conversion catalysts having an L type structure, ECR-22-D | |
| JP2008260680A (ja) | ゼオライトベータの調製方法 | |
| JP4386643B2 (ja) | 多孔質結晶性物質(ゼオライトitq−21)、その製造方法および有機化合物の触媒変換におけるその使用 | |
| US4977120A (en) | Binderless zeolite catalysts, production thereof and catalytic reaction therewith | |
| JPH0456667B2 (ja) | ||
| CN101124162A (zh) | 微孔结晶材料、沸石itq-33、及其制备方法和用途 | |
| CA2468767C (en) | Porous crystalline material (itq-21) and the method of obtaining same in the absence of fluoride ions | |
| JPH0542368B2 (ja) | ||
| JPH0544407B2 (ja) | ||
| JP5292092B2 (ja) | N,n−ジメチル−n,n−ジ(3,3−ジメチルブチル)アンモニウムカチオンを含むeuo構造型ゼオライトとその製造方法 | |
| JPH0579379B2 (ja) | ||
| JPS6052086B2 (ja) | 結晶性アルミノシリケ−ト組成物 | |
| JPH0543644B2 (ja) | ||
| JPS6163524A (ja) | バインダ−レス結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造方法 | |
| KR102541358B1 (ko) | 분자체 ssz-109, 이의 합성 및 용도 | |
| JPH0551533B2 (ja) | ||
| JPH0227283B2 (ja) | Ketsushoseiaruminoshirikeetozeoraitonoseizoho | |
| JPH0580407B2 (ja) | ||
| JPS59174518A (ja) | 結晶性アルミノ珪酸塩及びその製造法 | |
| JPS6169738A (ja) | C8芳香族炭化水素類の異性化方法 | |
| JPH0339969B2 (ja) | ||
| JPH03205312A (ja) | 結晶性アルミノ珪酸塩の製造法 | |
| JPS60118625A (ja) | 結晶性アルミノ珪酸塩の製造方法 | |
| JPS60100528A (ja) | 炭化水素を製造する方法 | |
| JPH0249246B2 (ja) |