JPH0478276B2 - - Google Patents
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- JPH0478276B2 JPH0478276B2 JP56164064A JP16406481A JPH0478276B2 JP H0478276 B2 JPH0478276 B2 JP H0478276B2 JP 56164064 A JP56164064 A JP 56164064A JP 16406481 A JP16406481 A JP 16406481A JP H0478276 B2 JPH0478276 B2 JP H0478276B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はスタフイロキナーゼ産生遺伝子を含有
する新規な大腸菌およびスタフイロキナーゼの製
造法に関する。 スタフイロキナーゼ(以下SAKと略記する)
とは、スタフイロコツカス・アウレウス(以下
S・アウレウスと記す)が産生する繊維素溶解酵
素であつて、血中のプラスミノーゲンをプラスミ
ンに変える機能を有する。このプラスミンがフイ
ブリンに作用してこれを溶解するものである。同
様の作用を有するものとしてヒトの尿中に存在す
るウロキナーゼや連鎖球菌が産生するストレプト
キナーゼが知られているが、これらはいずれも血
液凝固防止剤、血栓治療剤などのいわゆる線溶剤
として医療に供し得るものである。そのため、こ
れらの物質の生産方法や抽出・精製方法が種々検
討されている。 SAKの生産に関しては、これまでに、SAK産
生能はS・アウレウスを宿主とする溶原フアージ
の溶原化に伴つて、宿主に賦与される(これを溶
原変換という)形質であることが知られており、
従来、S・アウレウスの中からSAK産生能を有
する株を選択するか、あるいはSAKを溶原変換
するフアージでSAK非産生のS・アウレウス株
を溶原化し、それらの株を培養することによつ
て、その培養液よりSAKを採取するという方法
が行われている。 しかしながら、S・アウレウスは強い病原性を
有する細菌であり、その取扱いには、極めて慎重
な配慮が必要であるためかかる方法は、本来工業
的なSAKの生産方法に適さず、しかも、SAKの
収量を上げるためには長時間の培養が必要である
ため、その意味からも工業的方法としては適性を
欠いているものである。 本発明者らは、安全性、効率性の面から、
SAKを工業的に生産し得る適切な方法について
鋭意研究した結果、SAK産生情報を担う遺伝子
がフアージDNA上に存在することを究明し、
S・アウレウスの溶原フアージDNAの断片をベ
クターを介して大腸菌に導入させることに成功し
た。 本発明は、かかる成果によるものであり、した
がつて、本発明はSAK産生遺伝子を含有する新
規な大腸菌ならびにその大腸菌を培養することに
よるSAKの製造法を提供するものである。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明に係る新規な大腸菌は、下記〜の工
程により得られるものである。 DNA供与体であるS・アウレウスの溶原フ
アージDNAを制限酵素で切断する。 SAK産生遺伝情報を有するDNA断片をとり
出す。(この工程は省略することもできる) ベクターDNAを制限酵素によつて開裂させ
る。 ベクターDNAの開裂部位に又はで得た
DNA断片を組み込ませる。 この組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入す
る。 によりSAK産生能を有することとなつた
大腸菌を選択分離する。 上記のDNA供与体としての溶原フアージは
SAK生産能を有するS・アウレウス溶原株から
分離された溶原フアージで、かつ、そのフアージ
が溶原変換能を有するフアージであれば、すべて
使用可能である。その例としては42D,L42E,
77(文献:Mason,R.E.and Allen,W.E.(1975)
Can.J.Microbiol.21,1113−1116)、Pφ1,Pφ2,
Tφ−42D,Pφ−406(文献:Kondo,I.and
Fujise,K.(1977)Infect.Immun.18,266−272)、
Rφ19,SφC(文献:近藤勇ら(1980)東京慈恵会
医科大学雑誌95,1203−1206)などがある。溶原
フアージDNAの調製に使用される手段は、常用
の手段である。すなわち、溶原フアージをその宿
主菌であるS・アウレウスに感染させ、この感染
菌を培養する(この方法は例えば文献:Blair,
J.E.and Williams,R.E.O.(1961)Bull.W.H.O.
24,771−784に記載されている)。これによつて
フアージは培地中に出てくる(菌は溶菌する)の
で、このフアージを適当な方法(例えば塩化セシ
ウム平衡密度勾配遠心法,文献:Rosenblum,
E.D.and Tyrone,S.(1964)J.Bacteriol.88,
1737−1742)で集め、このフアージからさらに公
知の方法(例えばフエノール抽出法など)により
フアージCNAを抽出することができる。 溶原フアージDNAの制限酵素による切断は次
のようにして行う。 フアージDNAに適当な制限酵素を加え、適当
な反応条件で反応を行うことによつて、フアージ
DNAは加えられた制限酵素によつて種々の断片
に切断される。 このフアージDNAの切断に使用しうる制限酵
素は、1 フアージDNAを切断しうるものであ
り、かつ2 SAK生産に関する遺伝情報を担う
DNA部分を切断しないものでなければならない。
これに適する制限酵素としては、Hind,Pst
,Acc,Ava,EcoR,Hpa,Hpa,
Hind,Sat,Cla,BstE,Sst,Xho
,Bcl,Bgl,Pvu,Xor,Kpn,
Sma,Xbaなどがある。 次に、フアージDNAを制限酵素で切断した断
片群の中からSAK産生情報を含むDNA断片を各
種の公知の方法(例えばアガロースゲル電気泳動
法など)により分離する。このためには、フアー
ジDNAの断片群のうち、どの断片がSAK産生情
報を有しているかを前もつて判定しておかねばな
らない。この判定方法については後述する。上記
のDNA断片の分離操作は場合により省略するこ
ともできる。 一方、ベクターDNAの開裂は、ベクターDNA
に適当な制限酵素を加え、適当な反応条件下で反
応を行うことによりベクターDNAを開裂させる
ことができる。 ベクターDNAとしては公知のものが使用でき
る。それには例えばColE1,pMB9,pSC101,
p15Aおよびその誘導体(例えばpBR322,
pACYC184など)やλフアージ由来のシヤロン
ベクターなどがある。 次に、ベクターDNAの開裂部位に上述のDNA
断片を組み込ませるが、その手段自体は、常法に
よるものであり、使用したフアージDNAの種類、
ベクターDNAの種類および制限酵素の種類に応
じて適当な反応条件が選択される。なお、ベクタ
ーの複製能を損なわない限り、上記のフアージ
DNA断片を挿入する方向及び部位は問わない。 次いで組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入さ
せるが、宿主大腸菌としては大腸菌に特異な制
限・修飾系のうち制限能を欠損した大腸菌株はす
べて使用可能である。また、いつたん修飾をうけ
たSAK産生遺伝情報を担うDNAを組み込んだプ
ラスミドは制限能を有する大腸菌株に対しても使
用することができる。宿主大腸菌は、用いたベク
ターの種類によつて限定される場合がある。使用
した大腸菌株のうちのr- Kとは制限能を欠損した株
を、またm- Kとは修飾能をもたない株を示す。 導入の手段、自体は公知の方法(例えば
Cameronらの方法:文献Cameron,J.R.etal.
(1975)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.72,3416−
3420)を用いることができる。 前述のの工程を行つた場合においても、溶原
フアージのSAK産生遺伝情報を担うDNA断片を
組み込まない場合があり、また、の工程を省略
した場合には、組み込まない場合の他にSAK産
生能に関するものでないDNA断片を組み込む場
合がある。そのためにSAK産生能を有すること
となつた大腸菌を選択分離することが必要であ
る。この大腸菌の選択分離には、S・アウレウス
について用いられている公知の方法(例えば文
献:Kondo,I and Fujise,K.(1977)Infect.
Immun.18,266−272)を使用することができ
る。すなわち、この方法により、加熱血漿寒天培
地を作成し、その上に試験菌をスポツトし、一定
期間培養することによりフイブリン分解能をみ
る。フイブリン分解能を有するものは集落の周辺
をとかして、透明なゾーンができるので、この菌
だけをとり出すことができる。かくしてSAK産
生能を有する大腸菌が分離されるが、SAK産生
能を有する大腸菌からのSAK産生遺伝情報を担
うDNAの解析は次の如くして行う。すなわち、
SAK産生能を有する大腸菌から組換え体をプラ
スミドまたは組換え体フアージを取り出し、フア
ージDNAの切断およびベクターDNAの開裂に用
いた制限酵素でこの組換え体プラスミドまたは組
換え体フアージを切断する。この切断された
DNA断片の分子量(すなわちDNAとしての長
さ)を公知方法(例えば、アガロースゲル電気泳
動など)によつて測定することによつてSAK産
生遺伝情報を担うDNA断片のフアージDNA上で
の位置を知ることができる。 解析実験の一例を次に示す。 実験例:フアージDNAとしてSφCを用いた場合 1 制限酵素 Pst で切断した時 15.8Kb 2 〃 Hind 〃 4.9Kb 3 〃Hind及びAva 〃 2.0Kb 4 〃 Ava及びAcc 〃 1.3Kb 部分にSAK産生遺伝情報が存在することが判明
した。 以上述べた如くして得られるSAK産生能を有
する大腸菌は、その菌学的性質はもとの大腸菌と
くらべ、SAK産生能を有していること以外変わ
るところがない。その一般的菌学的性質は、後掲
別表に示す。(後記実施例により得られたものを
例示) 本発明により、上記の如くして得られた新規な
大腸菌を用いて、その大腸菌を培養し培養菌体に
蓄積したSAKを採取することにより、工業的な
SAKの製造法が提供される。 本発明によるSAKの製造法は、上記の如くし
て得られたSAK産生能を有する大腸菌を常法に
より培養し、集菌した後、公知の方法(例えば、
文献Talmadge,K.etal(1980)Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A.77,3369−3373)でペリプラズム画分
をとることにより行われるが、このペリプラズム
画分にSAK活性大部分が回収される。この方法
は、従来S・アウレウスで行われている培養上清
を集める方法とは異なり、新規かつ有効な方法で
ある。SAKをペリプラズムから採取する方法は、
SAKを大腸菌により産生せしめることによつて
はじめて可能となつたものであり、本発明方法の
一特徴的利点をなすものである。 かくして得られたSAKの精製は、通常のタン
パク質の精製法、例えば、塩析、ゲル過、吸着
クロマトグラフイーなどの方法により行われる。 上記の如き本発明方法により、大腸菌を用いて
SAKを生産することが可能となつたが、このよ
うに、大腸菌にSAKを産生せしめることによつ
て従来技術であるS・アウレウスによる場合と異
り、安全性、増殖速度、大量培養(大量生産)等
の驚くべき利点がもたらされる。しかも大腸菌の
場合には、SAKがペリプラズムに蓄積するので、
従来法によりS・アウレウスを使用して上清画分
から取得する場合に比べて100倍以上という高濃
度が得られ、細胞全体を破砕して抽出する方法に
比べ共雑するタンパク質が少いので、その分離精
製が容易に行われるという格別の利点が得られ
る。 上記のペリプラズムに蓄積する現象は、例えば
後に掲げる実施例1により得られた大腸菌、エシ
エリヒア・コリK12 C600r- Km- K(pSAK361)を
200mlのL−ブロスポリペプトン10g/、イー
ストエキストラクト5g/、NaCl5g/)に
て37℃で5時間培養した時のSAK活性の分布と
その割合を例示すると下表のとおりであり、この
場合、SAKの約60%がペリプラズム画分に存在
することがわかる。 総活性(u) % 上清画分 950 23 ペリプラズム画分 2400 58 サイトプラズム画分 800 19 以下に本発明の実施例を掲げる。 実施例 1 本実施例はDNA供与体としてSφCを、ベクタ
ーDNAとしてpBR322を、制限酵素としてHind
を、宿主大腸菌原株としてエシエリヒア・コリ
K12 C600r- Km- Kまたはエシエリヒア・コリK12
WA802- Km+ Kを用いて行なつた例である。 a SφCDNAの調製と切断 文献(Blair,J.E.and Williams,R.E.O.
(1961)Bull.W.H.O.24,771−784)の方法に従
つてフアージSφCを増殖し、得られたフアージ液
1に対し、5M−NaCl100mlを加え、さらに30
%(w/w)ポリエチレングリコール(平均分子
量7000〜8000)300mlを加え、よく攪拌し、0℃
で数時間放置した。その後10000rpmで15分間遠
心して沈殿を集め、これを20mlの緩衝液(10mM
Tris−HCl,10mM MgSO4,5mM CaCl2,0.01
%ゼラチン;PH7.4)に溶かし、これにDNaseお
よびRNaseをそれぞれ最終濃度で1μg/mlとな
るように加え、37℃にて20分間反応させた。反応
終了後10000rpmで10分間遠心し、その上清をさ
らに30000rpmで60分間遠心して得られる沈殿を
上記と同じ緩衝液2.5mlに溶かし、これに約1.7g
の塩化セシウムを加え、27000rpmで18時間平衡
密度勾配遠心にかける。このようにして得られる
フアージのバンドを集め、1の上記と同じ緩衝
液に対して透析する。得られたフアージ液0.5ml
に50μの1.5M NaCl−0.15Mクエン酸ナトリウ
ム、5μの250mM EDTA(PH7.0)および5μの
10%SDSを加え、37℃に5分間放置後、0.6mlの
0.15M NaCl−15mMクエン酸ナトリウム溶液飽
和フエノールを加え、温室でおだやかに約10分間
混合する。これを3000rpmで10分間遠心し、上層
(水層)を集める。このフエノール処理を繰り返
した後、等量のエーテルによる洗浄を3回行な
い、得られた水層を0.15M NaCl−15mMクエン
酸ナトリウム−1mM EDTAの200mlに対して3
回透析する。 フアージDNAを切断するため、1μgのDNAに
対し3uのHindを加え、10mM Tris−HCl−
7mM MgCl2−7mMβ−メルカプトエタノール−
50mM NaCl(PH7.6)の緩衝液20μ中で37℃に
て3時間反応を行わせ、反応終了時に1μの
250mM EDTA(PH8.0)を加える。この制限酵素
で処理したDNA溶液に5μの1.5M酢酸ナトリウ
ム(PH7.0)を加え、さらに60μのエタノールを
加え、−70℃にて10分間放置した後、12000rpmで
5分間遠心し沈殿を集め、エタノールで再度洗浄
する。これを減圧乾燥させ、10μの10mM Tris
−HCl−1mM EDTA(PH8.0,TEバツフア)に
溶解する。 b プラスミドpBR322の開裂 1μgのpBR322に対し1uのHindを加え、前
述の緩衝液と同一の緩衝液20μ中で37℃にて3
時間反応させ、反応終了時に1μの250mM
EDTA (PH8.0)を加える。以下、前記a)に
おける反応終了後のDNA溶液の処理と同様にし
てDNA溶液を洗浄する。 c 再結合反応(Ligation) 結合反応(Ligation)は50ng pBR322DNA
(上記b)で得られたもの),1.5μgSφC DNA
(上記a)で得られたもの),30mM Tris−HCl
(PH7.6),10mM MgCl2,10mMジチオスレイト
ール、0.1mM ATPおよび0.1u T4リガーゼを含
む20μの反応液中で4℃にて48時間または20℃
にて数時間反応させ、1μの0.25M EDTA(PH
8.0)を加えて反応を止める。その後リガーゼを
失活させるために65℃にて5分間加熱し、180μ
のTEバツフアを加えて−20℃に保存する。 d 組換え体プラスミドの大腸菌への導入各大腸
菌をグルコースを含まないL−ブロス(ポリペプ
トン10g/、イーストエキストラクト5g/
、NaCl5g/)の10mlに接種して5×108/
mlに増殖させた後、4℃にて遠心集菌する。この
菌を5mlの冷やした50mM CaCl2に懸濁し、氷水
浴中に5分間放置後再び遠心集菌し、さらに0.67
mlの冷やした50mM CaCl2に懸濁し、氷水浴中に
5分間放置する。この大腸菌の懸濁液に再結合し
たプラスミドDNA溶液(上記cで得られた)を
0.33ml混合し、氷水浴中に5分間保持する。その
後この反応液を42℃にて2分間保持することによ
り大腸菌への組換え体プラスミドの導入を止め
る。この懸濁液をそのまままたは10倍、100倍に
希釈し、アンピシリン(40μg/ml)を含むL−
ブロス寒天培地(寒天濃度1.3%)に塗布し、37
℃に一夜培養し、アンピシリン耐性となつた大腸
菌組換え体を分離する。 e SAK産生能を有する大腸菌の選択分離 ヒト血漿を5mlづつ複数の試験管に分注し、56
℃で20分間加熱し、別に、溶かした2%寒天入り
普通寒天培地を10mlづつ複数の容器に分注し、56
℃に温めておく。この両者をすばやくシヤーレ上
で混合し、固まるまで放置する。この複数の寒天
培地上に上記dで得られた大腸菌試験菌の菌懸濁
液をスポツトし、37℃にて培養する。SAK産生
能を有する大腸菌はフイブリンを分解し、集落の
周辺をとかすので透明なゾーンが出来る。この時
得られた新規大腸菌のそれぞれを宿主大腸菌原株
に応じてエシエリヒア・コリK12 C600r- Km- K
(pSAK361)およびエシエリヒア・コリK12
WA802r- Km+ K(pSAK361)と名付けた。 f 大腸菌プラスミドの解析 上記eで得られた各大腸菌をアンピシリン
(40μg/ml)を含み、グルコースを含まないL
−ブロス400mlにて37℃で約4×108cells/mlまで
増殖させ、培養液にクロラムフエニコールを
150μg/mlとなるように加え、さらに37℃で15
時間で培養した後遠心集菌する。50mlの10mM
Tris−HCl(PH8.0)−0.015M NaCl−1.5mMクエ
ン酸ナトリウムで菌体を洗浄し、3.2mlの25%蔗
糖−50mM Tris−HCl(PH8.0)に懸濁する。こ
れに1.6mlの250mM EDTA(PH8.0)、1mlの5
mg/mlリゾチーム、6mlの2%ブリツジ58−
62.5mM EDTA−50mM Tris−HCl(PH8.0)を
加え、30℃で15分間インキユベートし、細胞壁を
おだやかに溶解し、高速遠心分離(4℃にて
30000rpm、30分間)により菌体を沈殿させ、上
清を得る。これをエチジウムブロマイド−塩化セ
シウム平衡密度勾配遠心(10℃にて36000rpm、
48時間)にかけプラスミドDNAを精製する。こ
れをb)と同様の方法でHindで切断し、SAK
遺伝子を有する断片の長さを1%アガロースを用
いたアガロースゲル電気泳動法で測定したところ
4.9Kbであることが判明した。 g 4.9Kb断片の分離 100μgのSφC DNAを0.2mlの反応液
(10mMTris−HCl(PH7.6)−7mM MgCl2−
7mMβ−メルカプトエタノール−50mM NaCl−
100u Hindを含む)中に37℃で20時間反応する
ことにより切断し、これを1%アガロースを用い
てアガロースゲル電気泳動にかける。エチジウム
ブロマイドによつてDNAを染色し、目的とする
4.9KbのDNA断片のある部分のみをゲルから切
り出す。切り出したゲル断片は電気泳動法によつ
て透析チユーブの中に溶出させる。溶出させた
DNA溶液はTEバツフアで飽和したフエノールで
処理し、水層をさらにエ−テルで処理した後、エ
タノール沈殿法によつてDNAを集め、ベクター
DNAとの再結合反応に供することができる。 h SAKの生産・抽出・精製 上で得たSAK産生能を有する大腸菌をL−ブ
ロス(ポリペプトン1%、イーストエキストラク
ト0.5%、NaCl0.5%、グルコース0.1%、PH7.0)
50mlに接種し、一夜37℃で振とう培養する。この
菌液を同一ブロス5に接種し、37℃で12時間振
とう培養し、遠心して集菌する。この菌体を
100mM Tris−HCl−20%蔗糖(PH8.0)200mlに
懸濁し、再び遠心して集菌する。これを45mlの
100mM Tris−HCl−20%蔗糖(PH8.0)に懸濁
し、5mlのリゾチーム溶液(5mg/mlリゾチーム
−20mM EDTA,PH8.0)を加え、氷水浴中に1
時間放置する。これを遠心して上清を集め、ここ
へ80%飽和になるように硫安を加え、4℃で一夜
放置する。遠心により沈殿を集め、10mM Tris
−HCl(PH7.5)10mlにとかし、同バツフアに対し
て透析する。これをセフアデツクスG−75ゲルク
ロマトグラフイーにかけ、10mMTris−HCl(PH
7.5)で溶出し、SAK活性画分を集め、10mM
Tris−HCl(PH7.5)で平衡化したCM−セルロー
スカラムに吸着させ、0−0.5M NaClの直線濃
度勾配で溶出させ、0.3〜0.32M NaClによつて溶
出されるSAK活性画分を集める。 実施例 2 本実施例はDNA供与体としてSφCを、SφC切
断用制限酵素としてHindとPstを、ベクター
DNAとしてpBR322を、pBR322切断用制限酵素
としてEcoRとPstを、大腸菌原株として、エ
シエリヒア・コリK12 C600r- Km- Kまたはエシエリ
ヒア・コリK12 WA802r- Km+ Kを用いて行つた例で
ある。 a フアージSφC DNAの切断 実施例1のa〜fに記した方法でSφC DNAか
らHindで切断した時の4.9Kb断片を分離する。
この断片の両端にはそれぞれ4塩基から成る一本
鎖部分があるため、この部分を1uのT4DNAポリ
メラーゼと4種のデオキシリボヌクレオシド−3
リン酸(各25μM)によつて67mMTris−HCl(PH
8.0)、6.7mM MgCl2、6.7mMβ−メルカプトエ
タノールを含む緩衝液(20μ)中で18℃にて4
時間反応させて二本鎖とした。これに5μの
1.5M酢酸ナトリウム(PH7.0)と75μのエタノ
ールを加え、−70℃に10分間保持した後、
12000rpmで5分間遠心し、沈殿をエタノールで
洗浄する。これを10mM Tris−HCl(PH7.6)−
7mM MgCl2−7mMβ−メルカプトエタノール−
50mM NaClを含む緩衝液にとかし、0.5uのPst
を加え、37℃で3時間反応させることにより、
さらに2つの断片に切断する。これを再結合反応
に供する。 b プラスミドpBR322の開裂 1μgのpBR322DNAに1uのEcoRを加えて実
施例1のbと同様に反応させ開裂する。この開裂
したDNAの両端も4塩基からなる一本鎖部分が
あるので、a)の場合と同様にT4DNAポリメラ
ーゼと4種のデオキシリボヌクレオシド−3リン
酸によつて二本鎖にする。これをさらにaにおけ
ると同様にPstで切断して再結合反応に供する。 c 再結合反応 a,bで得られたDNA断片とベクターDNAを
混合し、実施例1のcと同様にして再結合反応を
行なわせる。ただしT4DNAリガーゼは1uを用い
た。 d 以下実施例1と同様に新規な大腸菌〔エシエ
リヒア・コリK12 C600r- Km- K(pSAK−HP2)ま
たはエシエリヒア・コリK12 WA802r- Km+ K
(pSAK−HP2)と命名〕を得、プラスミド解析
の結果、各大腸菌は、約2.5KbのSφC由来のSAK
産生遺伝情報を担うDNAを有していた。 実施例 3 本実施例はDNA供与体としてPφ1を、ベクタ
ーとしてpBR322を、制限酵素としてHindを大
腸菌原株としてエシエリヒア・コリK12 C600r- K
m- Kを行なつた例である。 a 実施例1と同様の方法でフアージPφ1DNA
を調製し、Hindにて切断する。ベクターDNA
も同様にして切断する。 b 再結合反応、大腸菌への導入、組換え体大腸
菌の選択は実施例1と同様に行なう。 c この結果Pφ1に由来するSAK産生遺伝情報
を担うDNA領域を大腸菌に導入させることがで
きた。この新規な大腸菌をエシエリヒア・コリ
K12 C600r- Km- K(pSAK601)と命名した。 【表】 【表】 【表】
する新規な大腸菌およびスタフイロキナーゼの製
造法に関する。 スタフイロキナーゼ(以下SAKと略記する)
とは、スタフイロコツカス・アウレウス(以下
S・アウレウスと記す)が産生する繊維素溶解酵
素であつて、血中のプラスミノーゲンをプラスミ
ンに変える機能を有する。このプラスミンがフイ
ブリンに作用してこれを溶解するものである。同
様の作用を有するものとしてヒトの尿中に存在す
るウロキナーゼや連鎖球菌が産生するストレプト
キナーゼが知られているが、これらはいずれも血
液凝固防止剤、血栓治療剤などのいわゆる線溶剤
として医療に供し得るものである。そのため、こ
れらの物質の生産方法や抽出・精製方法が種々検
討されている。 SAKの生産に関しては、これまでに、SAK産
生能はS・アウレウスを宿主とする溶原フアージ
の溶原化に伴つて、宿主に賦与される(これを溶
原変換という)形質であることが知られており、
従来、S・アウレウスの中からSAK産生能を有
する株を選択するか、あるいはSAKを溶原変換
するフアージでSAK非産生のS・アウレウス株
を溶原化し、それらの株を培養することによつ
て、その培養液よりSAKを採取するという方法
が行われている。 しかしながら、S・アウレウスは強い病原性を
有する細菌であり、その取扱いには、極めて慎重
な配慮が必要であるためかかる方法は、本来工業
的なSAKの生産方法に適さず、しかも、SAKの
収量を上げるためには長時間の培養が必要である
ため、その意味からも工業的方法としては適性を
欠いているものである。 本発明者らは、安全性、効率性の面から、
SAKを工業的に生産し得る適切な方法について
鋭意研究した結果、SAK産生情報を担う遺伝子
がフアージDNA上に存在することを究明し、
S・アウレウスの溶原フアージDNAの断片をベ
クターを介して大腸菌に導入させることに成功し
た。 本発明は、かかる成果によるものであり、した
がつて、本発明はSAK産生遺伝子を含有する新
規な大腸菌ならびにその大腸菌を培養することに
よるSAKの製造法を提供するものである。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明に係る新規な大腸菌は、下記〜の工
程により得られるものである。 DNA供与体であるS・アウレウスの溶原フ
アージDNAを制限酵素で切断する。 SAK産生遺伝情報を有するDNA断片をとり
出す。(この工程は省略することもできる) ベクターDNAを制限酵素によつて開裂させ
る。 ベクターDNAの開裂部位に又はで得た
DNA断片を組み込ませる。 この組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入す
る。 によりSAK産生能を有することとなつた
大腸菌を選択分離する。 上記のDNA供与体としての溶原フアージは
SAK生産能を有するS・アウレウス溶原株から
分離された溶原フアージで、かつ、そのフアージ
が溶原変換能を有するフアージであれば、すべて
使用可能である。その例としては42D,L42E,
77(文献:Mason,R.E.and Allen,W.E.(1975)
Can.J.Microbiol.21,1113−1116)、Pφ1,Pφ2,
Tφ−42D,Pφ−406(文献:Kondo,I.and
Fujise,K.(1977)Infect.Immun.18,266−272)、
Rφ19,SφC(文献:近藤勇ら(1980)東京慈恵会
医科大学雑誌95,1203−1206)などがある。溶原
フアージDNAの調製に使用される手段は、常用
の手段である。すなわち、溶原フアージをその宿
主菌であるS・アウレウスに感染させ、この感染
菌を培養する(この方法は例えば文献:Blair,
J.E.and Williams,R.E.O.(1961)Bull.W.H.O.
24,771−784に記載されている)。これによつて
フアージは培地中に出てくる(菌は溶菌する)の
で、このフアージを適当な方法(例えば塩化セシ
ウム平衡密度勾配遠心法,文献:Rosenblum,
E.D.and Tyrone,S.(1964)J.Bacteriol.88,
1737−1742)で集め、このフアージからさらに公
知の方法(例えばフエノール抽出法など)により
フアージCNAを抽出することができる。 溶原フアージDNAの制限酵素による切断は次
のようにして行う。 フアージDNAに適当な制限酵素を加え、適当
な反応条件で反応を行うことによつて、フアージ
DNAは加えられた制限酵素によつて種々の断片
に切断される。 このフアージDNAの切断に使用しうる制限酵
素は、1 フアージDNAを切断しうるものであ
り、かつ2 SAK生産に関する遺伝情報を担う
DNA部分を切断しないものでなければならない。
これに適する制限酵素としては、Hind,Pst
,Acc,Ava,EcoR,Hpa,Hpa,
Hind,Sat,Cla,BstE,Sst,Xho
,Bcl,Bgl,Pvu,Xor,Kpn,
Sma,Xbaなどがある。 次に、フアージDNAを制限酵素で切断した断
片群の中からSAK産生情報を含むDNA断片を各
種の公知の方法(例えばアガロースゲル電気泳動
法など)により分離する。このためには、フアー
ジDNAの断片群のうち、どの断片がSAK産生情
報を有しているかを前もつて判定しておかねばな
らない。この判定方法については後述する。上記
のDNA断片の分離操作は場合により省略するこ
ともできる。 一方、ベクターDNAの開裂は、ベクターDNA
に適当な制限酵素を加え、適当な反応条件下で反
応を行うことによりベクターDNAを開裂させる
ことができる。 ベクターDNAとしては公知のものが使用でき
る。それには例えばColE1,pMB9,pSC101,
p15Aおよびその誘導体(例えばpBR322,
pACYC184など)やλフアージ由来のシヤロン
ベクターなどがある。 次に、ベクターDNAの開裂部位に上述のDNA
断片を組み込ませるが、その手段自体は、常法に
よるものであり、使用したフアージDNAの種類、
ベクターDNAの種類および制限酵素の種類に応
じて適当な反応条件が選択される。なお、ベクタ
ーの複製能を損なわない限り、上記のフアージ
DNA断片を挿入する方向及び部位は問わない。 次いで組み換え体DNAを宿主大腸菌に導入さ
せるが、宿主大腸菌としては大腸菌に特異な制
限・修飾系のうち制限能を欠損した大腸菌株はす
べて使用可能である。また、いつたん修飾をうけ
たSAK産生遺伝情報を担うDNAを組み込んだプ
ラスミドは制限能を有する大腸菌株に対しても使
用することができる。宿主大腸菌は、用いたベク
ターの種類によつて限定される場合がある。使用
した大腸菌株のうちのr- Kとは制限能を欠損した株
を、またm- Kとは修飾能をもたない株を示す。 導入の手段、自体は公知の方法(例えば
Cameronらの方法:文献Cameron,J.R.etal.
(1975)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.72,3416−
3420)を用いることができる。 前述のの工程を行つた場合においても、溶原
フアージのSAK産生遺伝情報を担うDNA断片を
組み込まない場合があり、また、の工程を省略
した場合には、組み込まない場合の他にSAK産
生能に関するものでないDNA断片を組み込む場
合がある。そのためにSAK産生能を有すること
となつた大腸菌を選択分離することが必要であ
る。この大腸菌の選択分離には、S・アウレウス
について用いられている公知の方法(例えば文
献:Kondo,I and Fujise,K.(1977)Infect.
Immun.18,266−272)を使用することができ
る。すなわち、この方法により、加熱血漿寒天培
地を作成し、その上に試験菌をスポツトし、一定
期間培養することによりフイブリン分解能をみ
る。フイブリン分解能を有するものは集落の周辺
をとかして、透明なゾーンができるので、この菌
だけをとり出すことができる。かくしてSAK産
生能を有する大腸菌が分離されるが、SAK産生
能を有する大腸菌からのSAK産生遺伝情報を担
うDNAの解析は次の如くして行う。すなわち、
SAK産生能を有する大腸菌から組換え体をプラ
スミドまたは組換え体フアージを取り出し、フア
ージDNAの切断およびベクターDNAの開裂に用
いた制限酵素でこの組換え体プラスミドまたは組
換え体フアージを切断する。この切断された
DNA断片の分子量(すなわちDNAとしての長
さ)を公知方法(例えば、アガロースゲル電気泳
動など)によつて測定することによつてSAK産
生遺伝情報を担うDNA断片のフアージDNA上で
の位置を知ることができる。 解析実験の一例を次に示す。 実験例:フアージDNAとしてSφCを用いた場合 1 制限酵素 Pst で切断した時 15.8Kb 2 〃 Hind 〃 4.9Kb 3 〃Hind及びAva 〃 2.0Kb 4 〃 Ava及びAcc 〃 1.3Kb 部分にSAK産生遺伝情報が存在することが判明
した。 以上述べた如くして得られるSAK産生能を有
する大腸菌は、その菌学的性質はもとの大腸菌と
くらべ、SAK産生能を有していること以外変わ
るところがない。その一般的菌学的性質は、後掲
別表に示す。(後記実施例により得られたものを
例示) 本発明により、上記の如くして得られた新規な
大腸菌を用いて、その大腸菌を培養し培養菌体に
蓄積したSAKを採取することにより、工業的な
SAKの製造法が提供される。 本発明によるSAKの製造法は、上記の如くし
て得られたSAK産生能を有する大腸菌を常法に
より培養し、集菌した後、公知の方法(例えば、
文献Talmadge,K.etal(1980)Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A.77,3369−3373)でペリプラズム画分
をとることにより行われるが、このペリプラズム
画分にSAK活性大部分が回収される。この方法
は、従来S・アウレウスで行われている培養上清
を集める方法とは異なり、新規かつ有効な方法で
ある。SAKをペリプラズムから採取する方法は、
SAKを大腸菌により産生せしめることによつて
はじめて可能となつたものであり、本発明方法の
一特徴的利点をなすものである。 かくして得られたSAKの精製は、通常のタン
パク質の精製法、例えば、塩析、ゲル過、吸着
クロマトグラフイーなどの方法により行われる。 上記の如き本発明方法により、大腸菌を用いて
SAKを生産することが可能となつたが、このよ
うに、大腸菌にSAKを産生せしめることによつ
て従来技術であるS・アウレウスによる場合と異
り、安全性、増殖速度、大量培養(大量生産)等
の驚くべき利点がもたらされる。しかも大腸菌の
場合には、SAKがペリプラズムに蓄積するので、
従来法によりS・アウレウスを使用して上清画分
から取得する場合に比べて100倍以上という高濃
度が得られ、細胞全体を破砕して抽出する方法に
比べ共雑するタンパク質が少いので、その分離精
製が容易に行われるという格別の利点が得られ
る。 上記のペリプラズムに蓄積する現象は、例えば
後に掲げる実施例1により得られた大腸菌、エシ
エリヒア・コリK12 C600r- Km- K(pSAK361)を
200mlのL−ブロスポリペプトン10g/、イー
ストエキストラクト5g/、NaCl5g/)に
て37℃で5時間培養した時のSAK活性の分布と
その割合を例示すると下表のとおりであり、この
場合、SAKの約60%がペリプラズム画分に存在
することがわかる。 総活性(u) % 上清画分 950 23 ペリプラズム画分 2400 58 サイトプラズム画分 800 19 以下に本発明の実施例を掲げる。 実施例 1 本実施例はDNA供与体としてSφCを、ベクタ
ーDNAとしてpBR322を、制限酵素としてHind
を、宿主大腸菌原株としてエシエリヒア・コリ
K12 C600r- Km- Kまたはエシエリヒア・コリK12
WA802- Km+ Kを用いて行なつた例である。 a SφCDNAの調製と切断 文献(Blair,J.E.and Williams,R.E.O.
(1961)Bull.W.H.O.24,771−784)の方法に従
つてフアージSφCを増殖し、得られたフアージ液
1に対し、5M−NaCl100mlを加え、さらに30
%(w/w)ポリエチレングリコール(平均分子
量7000〜8000)300mlを加え、よく攪拌し、0℃
で数時間放置した。その後10000rpmで15分間遠
心して沈殿を集め、これを20mlの緩衝液(10mM
Tris−HCl,10mM MgSO4,5mM CaCl2,0.01
%ゼラチン;PH7.4)に溶かし、これにDNaseお
よびRNaseをそれぞれ最終濃度で1μg/mlとな
るように加え、37℃にて20分間反応させた。反応
終了後10000rpmで10分間遠心し、その上清をさ
らに30000rpmで60分間遠心して得られる沈殿を
上記と同じ緩衝液2.5mlに溶かし、これに約1.7g
の塩化セシウムを加え、27000rpmで18時間平衡
密度勾配遠心にかける。このようにして得られる
フアージのバンドを集め、1の上記と同じ緩衝
液に対して透析する。得られたフアージ液0.5ml
に50μの1.5M NaCl−0.15Mクエン酸ナトリウ
ム、5μの250mM EDTA(PH7.0)および5μの
10%SDSを加え、37℃に5分間放置後、0.6mlの
0.15M NaCl−15mMクエン酸ナトリウム溶液飽
和フエノールを加え、温室でおだやかに約10分間
混合する。これを3000rpmで10分間遠心し、上層
(水層)を集める。このフエノール処理を繰り返
した後、等量のエーテルによる洗浄を3回行な
い、得られた水層を0.15M NaCl−15mMクエン
酸ナトリウム−1mM EDTAの200mlに対して3
回透析する。 フアージDNAを切断するため、1μgのDNAに
対し3uのHindを加え、10mM Tris−HCl−
7mM MgCl2−7mMβ−メルカプトエタノール−
50mM NaCl(PH7.6)の緩衝液20μ中で37℃に
て3時間反応を行わせ、反応終了時に1μの
250mM EDTA(PH8.0)を加える。この制限酵素
で処理したDNA溶液に5μの1.5M酢酸ナトリウ
ム(PH7.0)を加え、さらに60μのエタノールを
加え、−70℃にて10分間放置した後、12000rpmで
5分間遠心し沈殿を集め、エタノールで再度洗浄
する。これを減圧乾燥させ、10μの10mM Tris
−HCl−1mM EDTA(PH8.0,TEバツフア)に
溶解する。 b プラスミドpBR322の開裂 1μgのpBR322に対し1uのHindを加え、前
述の緩衝液と同一の緩衝液20μ中で37℃にて3
時間反応させ、反応終了時に1μの250mM
EDTA (PH8.0)を加える。以下、前記a)に
おける反応終了後のDNA溶液の処理と同様にし
てDNA溶液を洗浄する。 c 再結合反応(Ligation) 結合反応(Ligation)は50ng pBR322DNA
(上記b)で得られたもの),1.5μgSφC DNA
(上記a)で得られたもの),30mM Tris−HCl
(PH7.6),10mM MgCl2,10mMジチオスレイト
ール、0.1mM ATPおよび0.1u T4リガーゼを含
む20μの反応液中で4℃にて48時間または20℃
にて数時間反応させ、1μの0.25M EDTA(PH
8.0)を加えて反応を止める。その後リガーゼを
失活させるために65℃にて5分間加熱し、180μ
のTEバツフアを加えて−20℃に保存する。 d 組換え体プラスミドの大腸菌への導入各大腸
菌をグルコースを含まないL−ブロス(ポリペプ
トン10g/、イーストエキストラクト5g/
、NaCl5g/)の10mlに接種して5×108/
mlに増殖させた後、4℃にて遠心集菌する。この
菌を5mlの冷やした50mM CaCl2に懸濁し、氷水
浴中に5分間放置後再び遠心集菌し、さらに0.67
mlの冷やした50mM CaCl2に懸濁し、氷水浴中に
5分間放置する。この大腸菌の懸濁液に再結合し
たプラスミドDNA溶液(上記cで得られた)を
0.33ml混合し、氷水浴中に5分間保持する。その
後この反応液を42℃にて2分間保持することによ
り大腸菌への組換え体プラスミドの導入を止め
る。この懸濁液をそのまままたは10倍、100倍に
希釈し、アンピシリン(40μg/ml)を含むL−
ブロス寒天培地(寒天濃度1.3%)に塗布し、37
℃に一夜培養し、アンピシリン耐性となつた大腸
菌組換え体を分離する。 e SAK産生能を有する大腸菌の選択分離 ヒト血漿を5mlづつ複数の試験管に分注し、56
℃で20分間加熱し、別に、溶かした2%寒天入り
普通寒天培地を10mlづつ複数の容器に分注し、56
℃に温めておく。この両者をすばやくシヤーレ上
で混合し、固まるまで放置する。この複数の寒天
培地上に上記dで得られた大腸菌試験菌の菌懸濁
液をスポツトし、37℃にて培養する。SAK産生
能を有する大腸菌はフイブリンを分解し、集落の
周辺をとかすので透明なゾーンが出来る。この時
得られた新規大腸菌のそれぞれを宿主大腸菌原株
に応じてエシエリヒア・コリK12 C600r- Km- K
(pSAK361)およびエシエリヒア・コリK12
WA802r- Km+ K(pSAK361)と名付けた。 f 大腸菌プラスミドの解析 上記eで得られた各大腸菌をアンピシリン
(40μg/ml)を含み、グルコースを含まないL
−ブロス400mlにて37℃で約4×108cells/mlまで
増殖させ、培養液にクロラムフエニコールを
150μg/mlとなるように加え、さらに37℃で15
時間で培養した後遠心集菌する。50mlの10mM
Tris−HCl(PH8.0)−0.015M NaCl−1.5mMクエ
ン酸ナトリウムで菌体を洗浄し、3.2mlの25%蔗
糖−50mM Tris−HCl(PH8.0)に懸濁する。こ
れに1.6mlの250mM EDTA(PH8.0)、1mlの5
mg/mlリゾチーム、6mlの2%ブリツジ58−
62.5mM EDTA−50mM Tris−HCl(PH8.0)を
加え、30℃で15分間インキユベートし、細胞壁を
おだやかに溶解し、高速遠心分離(4℃にて
30000rpm、30分間)により菌体を沈殿させ、上
清を得る。これをエチジウムブロマイド−塩化セ
シウム平衡密度勾配遠心(10℃にて36000rpm、
48時間)にかけプラスミドDNAを精製する。こ
れをb)と同様の方法でHindで切断し、SAK
遺伝子を有する断片の長さを1%アガロースを用
いたアガロースゲル電気泳動法で測定したところ
4.9Kbであることが判明した。 g 4.9Kb断片の分離 100μgのSφC DNAを0.2mlの反応液
(10mMTris−HCl(PH7.6)−7mM MgCl2−
7mMβ−メルカプトエタノール−50mM NaCl−
100u Hindを含む)中に37℃で20時間反応する
ことにより切断し、これを1%アガロースを用い
てアガロースゲル電気泳動にかける。エチジウム
ブロマイドによつてDNAを染色し、目的とする
4.9KbのDNA断片のある部分のみをゲルから切
り出す。切り出したゲル断片は電気泳動法によつ
て透析チユーブの中に溶出させる。溶出させた
DNA溶液はTEバツフアで飽和したフエノールで
処理し、水層をさらにエ−テルで処理した後、エ
タノール沈殿法によつてDNAを集め、ベクター
DNAとの再結合反応に供することができる。 h SAKの生産・抽出・精製 上で得たSAK産生能を有する大腸菌をL−ブ
ロス(ポリペプトン1%、イーストエキストラク
ト0.5%、NaCl0.5%、グルコース0.1%、PH7.0)
50mlに接種し、一夜37℃で振とう培養する。この
菌液を同一ブロス5に接種し、37℃で12時間振
とう培養し、遠心して集菌する。この菌体を
100mM Tris−HCl−20%蔗糖(PH8.0)200mlに
懸濁し、再び遠心して集菌する。これを45mlの
100mM Tris−HCl−20%蔗糖(PH8.0)に懸濁
し、5mlのリゾチーム溶液(5mg/mlリゾチーム
−20mM EDTA,PH8.0)を加え、氷水浴中に1
時間放置する。これを遠心して上清を集め、ここ
へ80%飽和になるように硫安を加え、4℃で一夜
放置する。遠心により沈殿を集め、10mM Tris
−HCl(PH7.5)10mlにとかし、同バツフアに対し
て透析する。これをセフアデツクスG−75ゲルク
ロマトグラフイーにかけ、10mMTris−HCl(PH
7.5)で溶出し、SAK活性画分を集め、10mM
Tris−HCl(PH7.5)で平衡化したCM−セルロー
スカラムに吸着させ、0−0.5M NaClの直線濃
度勾配で溶出させ、0.3〜0.32M NaClによつて溶
出されるSAK活性画分を集める。 実施例 2 本実施例はDNA供与体としてSφCを、SφC切
断用制限酵素としてHindとPstを、ベクター
DNAとしてpBR322を、pBR322切断用制限酵素
としてEcoRとPstを、大腸菌原株として、エ
シエリヒア・コリK12 C600r- Km- Kまたはエシエリ
ヒア・コリK12 WA802r- Km+ Kを用いて行つた例で
ある。 a フアージSφC DNAの切断 実施例1のa〜fに記した方法でSφC DNAか
らHindで切断した時の4.9Kb断片を分離する。
この断片の両端にはそれぞれ4塩基から成る一本
鎖部分があるため、この部分を1uのT4DNAポリ
メラーゼと4種のデオキシリボヌクレオシド−3
リン酸(各25μM)によつて67mMTris−HCl(PH
8.0)、6.7mM MgCl2、6.7mMβ−メルカプトエ
タノールを含む緩衝液(20μ)中で18℃にて4
時間反応させて二本鎖とした。これに5μの
1.5M酢酸ナトリウム(PH7.0)と75μのエタノ
ールを加え、−70℃に10分間保持した後、
12000rpmで5分間遠心し、沈殿をエタノールで
洗浄する。これを10mM Tris−HCl(PH7.6)−
7mM MgCl2−7mMβ−メルカプトエタノール−
50mM NaClを含む緩衝液にとかし、0.5uのPst
を加え、37℃で3時間反応させることにより、
さらに2つの断片に切断する。これを再結合反応
に供する。 b プラスミドpBR322の開裂 1μgのpBR322DNAに1uのEcoRを加えて実
施例1のbと同様に反応させ開裂する。この開裂
したDNAの両端も4塩基からなる一本鎖部分が
あるので、a)の場合と同様にT4DNAポリメラ
ーゼと4種のデオキシリボヌクレオシド−3リン
酸によつて二本鎖にする。これをさらにaにおけ
ると同様にPstで切断して再結合反応に供する。 c 再結合反応 a,bで得られたDNA断片とベクターDNAを
混合し、実施例1のcと同様にして再結合反応を
行なわせる。ただしT4DNAリガーゼは1uを用い
た。 d 以下実施例1と同様に新規な大腸菌〔エシエ
リヒア・コリK12 C600r- Km- K(pSAK−HP2)ま
たはエシエリヒア・コリK12 WA802r- Km+ K
(pSAK−HP2)と命名〕を得、プラスミド解析
の結果、各大腸菌は、約2.5KbのSφC由来のSAK
産生遺伝情報を担うDNAを有していた。 実施例 3 本実施例はDNA供与体としてPφ1を、ベクタ
ーとしてpBR322を、制限酵素としてHindを大
腸菌原株としてエシエリヒア・コリK12 C600r- K
m- Kを行なつた例である。 a 実施例1と同様の方法でフアージPφ1DNA
を調製し、Hindにて切断する。ベクターDNA
も同様にして切断する。 b 再結合反応、大腸菌への導入、組換え体大腸
菌の選択は実施例1と同様に行なう。 c この結果Pφ1に由来するSAK産生遺伝情報
を担うDNA領域を大腸菌に導入させることがで
きた。この新規な大腸菌をエシエリヒア・コリ
K12 C600r- Km- K(pSAK601)と命名した。 【表】 【表】 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 スタフイロコツカス・アウレウスの溶原フア
ージ、SφCをAva及びAccで切断して得られ
る1.3Kbの断片と同じ塩基配列を含む、スタフイ
ロキナーゼ産生遺伝情報を担うDNA断片。 2 スタフイロコツカス・アウレウスの溶原フア
ージ、SφCをAva及びAccで切断して得られ
る1.3Kbの断片と同じ塩基配列を含む、スタフイ
ロキナーゼ産生遺伝情報を担うDNA断片を、大
腸菌用ベクターに組み込んだ組み換え体DNA。 3 スタフイロコツカス・アウレウスの溶原フア
ージ、SφCをAva及びAccで切断して得られ
る1.3Kbの断片と同じ塩基配列を含む、スタフイ
ロキナーゼ産生遺伝情報を担うDNA断片を、大
腸菌用ベクターに組み込んだ組み換え体DNAを
導入させた大腸菌。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56164064A JPS5867181A (ja) | 1981-10-16 | 1981-10-16 | スタフイロキナーゼ産生遺伝情報を担うdna断片組み換え体dnaおよびそれを導入した大腸菌 |
| KR8204582A KR910001807B1 (ko) | 1981-10-16 | 1982-10-12 | 스태필로키나아제를 생산하는 유전자를 함유하는 새로운 대장균 및 스태필로키나아제의 제조법 |
| DE8282305508T DE3280175D1 (de) | 1981-10-16 | 1982-10-15 | Rekombinante dns und coliformer bazillus genetisches material enthaltend zur herstellung von staphylokinase und die herstellung von staphylokinase. |
| CA000413486A CA1206109A (en) | 1981-10-16 | 1982-10-15 | E. coli having gene for production of staphylokinase and process for production of staphylokinase therewith |
| US06/434,503 US4532211A (en) | 1981-10-16 | 1982-10-15 | Coliform bacillus having a gene for the production of staphylokinase and a process for production of staphylokinase therewith |
| EP82305508A EP0077664B1 (en) | 1981-10-16 | 1982-10-15 | Recombinant dna and coliform bacillus having genetic material for the production of staphylokinase, and the production of staphylokinase |
| DK460182A DK164001C (da) | 1981-10-16 | 1982-10-15 | Rekombinant-dna, der kan udtrykke staphylokinase og er afledt fra en temperat phag af staphylococcus aureus, fremgangsmaade til fremstilling af rekominant-dna samt fremgangsmaade til fremstilling af staphylokinase |
| JP2295382A JPH03198775A (ja) | 1981-10-16 | 1990-11-02 | スタフイロキナーゼの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56164064A JPS5867181A (ja) | 1981-10-16 | 1981-10-16 | スタフイロキナーゼ産生遺伝情報を担うdna断片組み換え体dnaおよびそれを導入した大腸菌 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2295382A Division JPH03198775A (ja) | 1981-10-16 | 1990-11-02 | スタフイロキナーゼの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5867181A JPS5867181A (ja) | 1983-04-21 |
| JPH0478276B2 true JPH0478276B2 (ja) | 1992-12-10 |
Family
ID=15786090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56164064A Granted JPS5867181A (ja) | 1981-10-16 | 1981-10-16 | スタフイロキナーゼ産生遺伝情報を担うdna断片組み換え体dnaおよびそれを導入した大腸菌 |
Country Status (7)
| Country | Link |
|---|---|
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| EP (1) | EP0077664B1 (ja) |
| JP (1) | JPS5867181A (ja) |
| KR (1) | KR910001807B1 (ja) |
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-
1981
- 1981-10-16 JP JP56164064A patent/JPS5867181A/ja active Granted
-
1982
- 1982-10-12 KR KR8204582A patent/KR910001807B1/ko not_active Expired
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- 1982-10-15 DE DE8282305508T patent/DE3280175D1/de not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
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| CA1206109A (en) | 1986-06-17 |
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