JPH048540B2 - - Google Patents

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JPH048540B2
JPH048540B2 JP59166570A JP16657084A JPH048540B2 JP H048540 B2 JPH048540 B2 JP H048540B2 JP 59166570 A JP59166570 A JP 59166570A JP 16657084 A JP16657084 A JP 16657084A JP H048540 B2 JPH048540 B2 JP H048540B2
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【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は絹同様風合を有するポリエステル織編
物の製造方法に関する。 <従来の技術> ポリエチレンテレフタレート等ポリエステル繊
維は種々の優れた特性を有しているため、広く織
編物に使用されている。しかしながら、かかるポ
リエステル繊維を使用した織編物は、天然の絹繊
維織編物に比較して、その感触は好まれるもので
はない。 例えば絹繊維織編物は特有の高級なドライ感、
きしみ感を有するが、これをポリエステル繊維で
表現する事は極めて困難である。このため、ポリ
エステルに非相容の物質、例えば有機スルホン酸
の金属塩を添加混合し、これをアルカリ液で処理
する事によつて繊維表面に筋状空隙部を縞状に存
在せしめる事によつてポリエステル織編物の風合
を絹に近づける方法が提案されている(特開昭56
−20613号公報)。この改質方法によりドライ感、
きしみ感が著しく向上する事は特筆すべきであ
る。しかしながら、一方で、該織編物を使用する
際、繊維のフイブリル化特に繊維表面のフイブリ
ル化の現象が生じ、表面の摩耗や、摩耗した部分
の変退色等の問題があつた。 <発明の目的> 本発明の目的は上記の問題を解決し高級なドラ
イ感を有し、しかもフイブリル化の現象を生じな
いポリエステル織編物の製造方法を提供すること
である。 <発明の構成及び作用> 本発明は下記一般式()で示される有機スル
ホン酸の金属塩が0.5〜3重量%配合されたポリ
エステルを5000m/分以上の引き取り速度で高速
紡糸した紡出糸を実質的に延伸する事なく織編物
となし、しかる後に該織編物をアルカリ性溶液で
処理する事により繊維の表面に筋状空隙部を発生
せしめる事を特徴とするポリエステル織編物の製
造方法である。 R−SO3M …() 〔Rは炭素数3〜30のアルキル基又は炭素数7〜
40のアリール基又はアルキルアリール基を示す。
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。〕 本発明におけるポリエステルとは芳香族ジカル
ボン酸を主成分とする繊維形成能を有するポリエ
ステルのことであり、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート等を挙げることができる。また、これ
らポリエステルは第3成分として、他のグリコー
ル又はイソフタル酸、5−ソデイウムスルホイソ
フタル酸等の他のカルボン酸を共重合させた共重
合体でもよく、更にこれら各種ポリエステルの混
合体でも良い。就中ポリエチレンテレフタレート
が最適である。 更に、これらポリエステルには必要に応じて艶
消剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、末
端停止剤、螢光増白剤等が含まれていてもよい。 また、重合度については通常の繊維成型用の範
囲であれば特に制限はないが、繊維表面のフイブ
リル化を防止する観点からは高分子量ポリエステ
ルの方がより好ましい。しかし、ポリマーの重合
コストが高くなる他、製糸調子が若干悪化する傾
向があるためポリマー重合度、すなわちポリエチ
レンテレフタレートの固有粘度は目的に応じて選
択すればよい。 本発明において、上記ポリエステルに配合する
有機スルホン酸金属塩としては下記一般式 R−SO3M 〔Rは炭素数3〜30のアルキル基又は炭素数7〜
40のアリール基又はアルキルアリール基を示す。
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。〕 で示されるものが適当である。一般式においてR
がアルキル基又はアルキルアリール基であるとき
は、直鎖状あるいは分岐した側鎖を有してもよ
い。特にポリエステルの相溶性の面からRがアル
キル基である有機スルホン酸金属塩が好ましい。
MはNa,K,Li等のアルカリ金属あるいはMg,
Ca等のアルカリ土類金属などが挙げられる。な
かでもNa,Kが好ましい。なお有機スルホン酸
金属塩の使用に際しては、単一の化合物である必
要はなく、各種のアルキル基あるいはアルキルア
リール基を有する有機スルホン酸金属塩の混合物
であつてもよい。 このような有機スルホン酸金属塩としては具体
的には、ステアリルスルホン酸ソーダ、オクチル
スルホン酸ソーダ、ドデシルスルホン酸ソーダあ
るいは炭素数の平均が14であるアルキルスルホン
酸ソーダの混合物などが好ましいものとして挙げ
られる。 かかる有機スルホン酸金属塩のポリエステルへ
の配合量は、ポリエステル100重量%あたり0.5〜
3重量%の範囲が好ましい。添加配合量が0.5重
量%より少ないと、後述するアルカリ処理を施し
ても充分な微細孔が生ぜず、目的とする高級なド
ライタツチが得られ難くなり、3重量%より多い
と混合操作、紡糸等が困難となるので好ましくな
い。 このような有機スルホン酸金属塩は紡糸完了以
前の任意の段階でポリエステルに添加配合せしめ
る。例えばポリエステル製造の原料に予め添加し
ても、第1段反応時又は、これに続く第2段の重
縮合反応時等に添加することも可能であり、又重
縮合反応後に得られるポリマーと有機スルホン酸
金属塩とを例えば溶融押出し機を用いて溶融混合
する方法、溶融紡糸時に紡出孔以前の段階でポリ
マーに添加し混合する事も可能である。 本発明において最も重要な要件は上記のポリエ
ステルを5000m/mm以上で紡出してから、実質的
に延伸する事なく織編物となす点にある。ここ
で、“実質的に延伸しない”とは5%を越えるよ
うな伸長を紡出糸に与えない事を意味する。5%
を越えるような延伸が糸に加わつた場合、マトリ
ツクスであるベースポリエステルと添加された有
機スルホン酸の金属塩が伸長歪に対し異なつた挙
動で応答しようとする結果、両成分の界面で剥離
が生ずる。そして、本発明によればこの界面の剥
離が繊維表面のフイブリル化を引き起すことが判
明した。 上記のように糸を実質的に延伸する事なく織編
物を製造するためには紡糸段階で高配向紡糸して
おく事が必要である。但し、直延は紡糸工程に連
続して「延伸」を行う製糸法であるから不適当で
ある。次に、吐出された糸条を冷却後加熱筒の中
を走行させる加熱帯走行高速紡糸については加熱
筒の中で一種の非接触タイプの「延伸」が起るの
で、やはり耐フイブリル性のうえで問題がある。
同様に吐出フイラメントの冷却過程でピンを設け
強い張力を付与する所謂ピン紡糸法もピンの直下
で「延伸」が行われるので好ましくない。またポ
リエステル繊維の単糸デニールが0.8デニール以
下と細く、かつ紡糸口金と糸条集束点に至る迄の
走行距離が長い場合、空気抵抗力による一種の
「冷延伸」が起るので、耐フイブリル性の上で好
ましくない。 本発明にとつて最も好適な高速紡糸とは吐出〜
冷却〜繊維径の細化およびネツキングさらにネツ
キング以降30cm程度以内で繊維構造が形成され、
その後は根本的な構造の変化が起らないようなも
のである。この場合、紡糸引き取り速度としては
5000m/分以上が必要である。引取り速度が5000
m/分に達しないような場合、織編物を製造する
際、あるいは織編物を使用するに際して力学的性
能が不充分であり「ひけ」「笑い」等の問題点を
生ずる。これに対して5000m/分以上更に好まし
くは6000m/分以上の引取り速度の場合には、力
学特性は衣料用途として使用するに充分であり上
記の問題は起らない。 本発明において、高速紡出糸からなる織編物は
公知の方法によりカセイソーダ等アルカリ性水溶
液で前記添加剤およびポリエステルをエツチング
除去し、繊維の表面上に筋状空隙部を発生せしめ
る事が必要である。これは全空隙部のうち半数以
上が長さが5μ以上で、かつ、長さ/空隙巾の比
が5以上の筋状空隙部を繊維軸方向に配列せしめ
たものである事が好ましいが該空隙部はかならず
しも連続している必要はない。 このような筋状空隙部の存在によつてポリエス
テル織編物は絹に近い高級なドライ感、きしみ感
を得る事ができる。また前記アルカリ性溶液によ
る減量率は繊維重量の5〜30%の範囲で行なうの
が好ましい。 尚、減量に当つては、織編物は必ずしも有機ス
ルホン酸含有フイラメント100%からなるもので
ある必要はなくこのフイラメント及び該フイラメ
ントより沸水収縮率の高いフイラメントからなる
混繊糸織物であつてもよい。 <実施例> 以下実施例により本発明を詳しく説明するが、
実施例中における摩耗フイブリル評価は以下の方
法による。すなわち、大栄科学精器製作所の学振
型染色物摩擦堅牢度試験機を用い、摩擦布として
ポリエステルフイラメント75de/36fil使いの梨
地ジヨーゼツト(撚数2500T/M、経密度37本/
cm、緯密度37本/cm)を使用した。摩擦回数は
200回で摩擦後、顕微鏡により織物表面の繊維の
フイブリル状態を視感評価した。 実施例 1 炭素数8〜20で平均炭素数が14であるアルキル
スルホン酸ソーダの混合物を種々の割合で添加し
たポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65)
を270〜300℃で溶融した後、Y字型断面の吐出孔
を36個有する紡糸口金より吐出し、横吹き気流
(室温空気、風速25cm/秒)により冷却固化させ
た後、オイリングローラによつて給油し、6000
m/分の引取り速度で引きとり、2個のゴデツト
ローラを経た後三角断面を有する50de/24filの
ポリエチルマルチフイラメントとしてワインダー
に巻き取つた。 なおこの時、高速紡糸時の空気抵抗力を引き下
げ紡糸調子を改善する目的でオイリングローラの
上流側にインターレースノズルを設け走行マルチ
フイラメントを集束した。紡糸口金から該インタ
ーレースノズル迄の距離は3.5mであり、紡糸口
金から糸条集束点迄の距離はほぼ1.4mであつた。 この方法で得た各ポリエステルフイラメント糸
50de/24filを経緯糸として経密度40本/cm、緯
密度37本/cmで平織に製織し、次いで該生機を常
法に従つて精練、プレセツトし、この後、35g/
のカセイソーダの沸水浴にて10〜60分間処理
(15重量%減量)後、染色、フアイナルセツトを
行なつて仕上げた。 これらの実施例について、高速紡糸時の製糸調
子、織布をアルカリ処理した後の筋状空隙の発生
状態、風合(ドライ感)、耐フイブリル性を第1
表に比較する。
【表】 No.1の場合はアルキルスルホン酸ソーダを添加
しない通常のPETの高速紡糸であるので紡糸性
は良好であるが、アルカリ処理による筋状空隙の
発生はなく織物風合にドライ感は全くみられな
い。No.2の場合もアルキルスルホン酸ソーダの添
加量が少ないためNo.1に準じて織物風合にドライ
感が不足する。 一方、No.8はアルキルスルホン酸ソーダの添加
量が多すぎるため、高速紡糸中、該添加物が異物
として作用し単糸切れが発生するなど製糸調子が
著しく悪化する。 これに対しNo.3〜7は本発明の例であるが、前
記のように空気抵抗力を引き下げる特別の対策を
講じた場合、製糸調子上特別の問題はなかつた。
一方、アルカリ処理による筋状空隙の発生は大に
なり、これに伴つて織物風合の高級なドライ感が
みられるようになつた。さらに耐フイブリ性は実
用上問題のないレベルにあつた。 実施例 2 炭素数8〜20で平均炭素数が14であるアルキル
スルホン酸ソーダの混合物を1重量%添加したポ
リエチレンテレフタレート(極限粘度0.65)を
270〜300℃で溶融した後、Y字型断面の吐出孔を
24個有する紡糸口金より吐出した後、以下の条件
により製糸を行い三角断面を有する50de/24fil
のポリエステル繊維を得た。 サンプルA(比較例); 横吹き気流(室温空気、風速25cm/秒)により
冷却固化させた後、オイリングローラによつて給
油し、4500m/分の引取り速度で引取り2個のゴ
デツトローラを介してワインダーに巻取つた。 サンプルB(本発明); 引取りおよび巻き取りの速度を5000m/分とす
る以外はサンプルAと同様にして製糸した。 サンプルC(本発明); サンプルAと同様冷却、給油させた後7000m/
分の速度でゴデツトローラを用いる事なく直接ワ
インダーに巻取つた。なおこの時、高速紡糸性を
維持する目的でオイリングローラの上流側にイン
ターレースノズルを設け走行マルチフイラメント
を集束した。また紡糸口金から巻取り機迄の距離
は4mに短縮し、紡糸口金からインターレースノ
ズル迄の距離を2.7m、紡糸口金から糸条集束点
迄の距離をほぼ1.1mとした。 サンプルD(比較例); サンプルAと同様にして4500m/分で引取つた
後、巻取る事なく6000m/分の速度で直接延伸を
行いワインダーに巻取つた。この時、4500m/分
の第1ゴデツトローラは非加熱であり、6000m/
分の第2ゴデツトローラは180℃に加熱した。 サンプルE(比較例); サンプルAと同様に冷却した後、紡糸口金下
2.5mから3.3mの位置に設置された加熱筒(筒内
雰囲気温度220℃)を走行させ給油した後、5000
m/分の速度で引き取り、2個のゴデツトローラ
を介してワインダーに巻取つた。 サンプルF(比較例); サンプルAと同様にして1500m/分で巻取つ
た。この巻取り糸を改めて予熱温度80℃、スリツ
トヒーター温度200℃で3.5倍に延伸熱処理した。 以上のサンプルについて実施例1と同様にして
製織、精練、プレセツト、アルカリ処理、染色、
フアイナルセツトを行い、筋状空隙の発生状態お
よび織物風合(ドライ感)、耐フイブリル性を評
価した。その結果を第2表に示す。
【表】 サンプルD,E,Fにおいては製糸過程におい
て何らかの形で「延伸」が行われる。このため耐
フイブリル性が悪化する。 サンプルAの場合、耐フイブリル性は良好であ
るが、まだ原糸に伸度が残つており力学特性が不
充分であるため、織物に「ひけ」が多発した。 以上に対しサンプルB,Cでは織物風合(ドラ
イ感」および耐フイブリル性は申し分なく、また
織物「ひけ」あるいは「笑い」の欠点も見られな
かつた。 実施例 3 実施例1−No.5のポリエステル繊維を改めて、
予熱温度850℃、スリツトヒーター200℃で種々の
倍率で延伸した。以下実施例1と同様の方法によ
り、耐フイブリル性の評価を行つた所第3表の結
果を得た。
【表】 No.1〜3は本発明によるものであり耐フイブリ
ル性は良好であるが、No.4〜6のように5%を越
えるような伸長を糸に与えると耐フイブリル性が
悪化する。 <効果> 以上の例からも明らかなように、本発明によれ
ば、ドライ感、きしみ感を得るのに有用であるが
フイブリル化し易いという欠点を有していた有機
スルホン酸含有ポリエステル繊維をして、その紡
糸過程で実質的に延伸を伴わない高速紡糸の採用
により前記欠点を排除したので実用に供し得る絹
様のポリエステル織編物が提供される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式()で示される有機スルホン酸
    の金属塩が0.5〜3重量%配合されたポリエステ
    ルを5000m/分以上の引き取り速度で高速紡糸し
    た紡出糸を実質的に延伸する事なく織編物とな
    し、しかる後に該織編物をアルカリ性溶液で処理
    する事により繊維の表面に筋状空隙部を発生せし
    める事を特徴とするポリエステル織編物の製造方
    法。 R−SO3M …() 〔Rは炭素数3〜30のアルキル基又は炭素数7〜
    40のアリール基又はアルキルアリール基を示す。
    Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。〕
JP16657084A 1984-08-10 1984-08-10 ポリエステル織編物の製造方法 Granted JPS6147875A (ja)

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