JPH05103685A - アントシアニン系色素の製造方法 - Google Patents
アントシアニン系色素の製造方法Info
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- JPH05103685A JPH05103685A JP27117491A JP27117491A JPH05103685A JP H05103685 A JPH05103685 A JP H05103685A JP 27117491 A JP27117491 A JP 27117491A JP 27117491 A JP27117491 A JP 27117491A JP H05103685 A JPH05103685 A JP H05103685A
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- callus
- anthocyanin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ソバの植物体からカルスを誘導し、これをさ
らに培養してアントシアニン系色素を生合成させ、得ら
れた培養細胞からアントシアニン系色素を採取する。 【効果】 ソバの植物体から、アントシアニン系色素を
計画的に、安価に且つ大量に製造できる方法が提供され
る。
らに培養してアントシアニン系色素を生合成させ、得ら
れた培養細胞からアントシアニン系色素を採取する。 【効果】 ソバの植物体から、アントシアニン系色素を
計画的に、安価に且つ大量に製造できる方法が提供され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アントシアニン系色素
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発
明は、ソバの植物体から、アントシアニン系色素を計画
的に、安価に且つ大量に製造できる方法に関するもので
ある。
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発
明は、ソバの植物体から、アントシアニン系色素を計画
的に、安価に且つ大量に製造できる方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】食品添加物や化粧品として用いられてき
た化学合成色素は、その安全性という観点から使用範囲
が制限されつつあり、人体に安全であると考えられてい
る天然色素の開発が行われている。天然色素は動・植物
から抽出されたり、微生物の培養で得られている。天然
色素のうち、赤色系色素、特にアントシアニン系色素に
ついては、比較的研究が行われている。アントシアニン
系色素はブドウ果皮、赤キャベツ、紫トウモロコシ、ハ
イビスカス、シソ、ベリーなどに含まれており、このよ
うな色素を含む植物の組織あるいは細胞を培養すること
によって色素を生成させることが試みられている。例え
ば、特開昭54-11281号公報にはデリス属植物を組織培養
し、アントシアニン系色素を得る方法、特開昭63-23399
3号公報にはサツマイモを組織培養したカルスから赤色
色素を得る方法、特開昭64-2593号公報には赤ジソを組
織培養したカルスから赤色色素を得る方法、特開平2-22
2691号公報には春菊を組織培養したカルスからアントシ
アニン系色素を得る方法、特開平2-265474号公報にはコ
ウシンダイコンから誘導した毛状組織を培養して赤色色
素を得る方法が各々開示されている。
た化学合成色素は、その安全性という観点から使用範囲
が制限されつつあり、人体に安全であると考えられてい
る天然色素の開発が行われている。天然色素は動・植物
から抽出されたり、微生物の培養で得られている。天然
色素のうち、赤色系色素、特にアントシアニン系色素に
ついては、比較的研究が行われている。アントシアニン
系色素はブドウ果皮、赤キャベツ、紫トウモロコシ、ハ
イビスカス、シソ、ベリーなどに含まれており、このよ
うな色素を含む植物の組織あるいは細胞を培養すること
によって色素を生成させることが試みられている。例え
ば、特開昭54-11281号公報にはデリス属植物を組織培養
し、アントシアニン系色素を得る方法、特開昭63-23399
3号公報にはサツマイモを組織培養したカルスから赤色
色素を得る方法、特開昭64-2593号公報には赤ジソを組
織培養したカルスから赤色色素を得る方法、特開平2-22
2691号公報には春菊を組織培養したカルスからアントシ
アニン系色素を得る方法、特開平2-265474号公報にはコ
ウシンダイコンから誘導した毛状組織を培養して赤色色
素を得る方法が各々開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天然色
素は、原料となる動・植物中に微量にしか存在しないの
で、大量の動・植物と大規模な製造設備を要し、費用が
かかるのが実状である。また、動・植物を原料とする
と、資源が枯渇するという問題や、土壌、気象条件によ
って、生産性や製品の品質が左右されるという問題があ
る。さらに、上記の開示された方法には、2つの問題点
がある。その1つは、アントシアニン系色素の生成には
500ルクス以上の高照度の光照射が必要なことであ
る。光照射による色素生成のメカニズムは解明されては
いないが、一般に、アントシアニン系色素の生成には光
照射が必要であり、照射量が多いほど、アントシアニン
系色素の生成量が多いという傾向にある。実用生産規模
において高照度で光を照射することは、大きなコストア
ップとなる。もう1つの問題点は、アントシアニン系色
素の収量についてである。上記の開示された方法では、
新鮮重のカルスまたは細胞1g当たり0.1〜18.8mg
のアントシアニン系色素が生産されている。ところが、
この生成量では、工場規模で実際に生産するには充分な
ものではなく、コスト上、天然の植物から抽出し生産す
る場合に比べてそれほど有利なものではない。本発明
は、上記のような従来の欠点を解決し、工業的な方式お
よび規模で、アントシアニン系色素を計画的に、安価に
且つ大量に製造する方法を提供することを目的とするも
のである。
素は、原料となる動・植物中に微量にしか存在しないの
で、大量の動・植物と大規模な製造設備を要し、費用が
かかるのが実状である。また、動・植物を原料とする
と、資源が枯渇するという問題や、土壌、気象条件によ
って、生産性や製品の品質が左右されるという問題があ
る。さらに、上記の開示された方法には、2つの問題点
がある。その1つは、アントシアニン系色素の生成には
500ルクス以上の高照度の光照射が必要なことであ
る。光照射による色素生成のメカニズムは解明されては
いないが、一般に、アントシアニン系色素の生成には光
照射が必要であり、照射量が多いほど、アントシアニン
系色素の生成量が多いという傾向にある。実用生産規模
において高照度で光を照射することは、大きなコストア
ップとなる。もう1つの問題点は、アントシアニン系色
素の収量についてである。上記の開示された方法では、
新鮮重のカルスまたは細胞1g当たり0.1〜18.8mg
のアントシアニン系色素が生産されている。ところが、
この生成量では、工場規模で実際に生産するには充分な
ものではなく、コスト上、天然の植物から抽出し生産す
る場合に比べてそれほど有利なものではない。本発明
は、上記のような従来の欠点を解決し、工業的な方式お
よび規模で、アントシアニン系色素を計画的に、安価に
且つ大量に製造する方法を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、ソバを用いることによって、上記の課題を解決す
るアントシアニン系色素の製造方法を見いだすことがで
きた。すなわち本発明は、ソバの植物体からカルスを誘
導し、これをさらに培養してアントシアニン系色素を生
合成させ、得られた培養細胞からアントシアニン系色素
を採取することを特徴とする、アントシアニン系色素の
製造方法を提供するものである。
結果、ソバを用いることによって、上記の課題を解決す
るアントシアニン系色素の製造方法を見いだすことがで
きた。すなわち本発明は、ソバの植物体からカルスを誘
導し、これをさらに培養してアントシアニン系色素を生
合成させ、得られた培養細胞からアントシアニン系色素
を採取することを特徴とする、アントシアニン系色素の
製造方法を提供するものである。
【0005】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、アントシアニン系色素を含有するソバの組織か
らカルスを誘導し、次いで誘導したカルスをさらに培養
して効果的にアントシアニン系色素を生合成させ、この
培養細胞からアントシアニン系色素を採取することを特
徴とするものである。なお、ソバを組織、細胞培養する
ことによりアントシアニン系色素が生成されることは、
これまで知られていなかったことである。
発明は、アントシアニン系色素を含有するソバの組織か
らカルスを誘導し、次いで誘導したカルスをさらに培養
して効果的にアントシアニン系色素を生合成させ、この
培養細胞からアントシアニン系色素を採取することを特
徴とするものである。なお、ソバを組織、細胞培養する
ことによりアントシアニン系色素が生成されることは、
これまで知られていなかったことである。
【0006】本発明に用いる植物はタデ科のソバであ
り、その種類はとくに制限されないが、例えば普通種(F
agopyrum esculentrum. M.)、ダッタン種(Fagopyrum ta
taricu m. K.)等を挙げることができる。培養に用いるソ
バの植物体の組織はいずれの部位でもよいが、好ましく
は葉、茎を用いるほうが、滅菌処理が容易で且つ均一な
細胞を得られるので、効率よくアントシアニン系色素を
製造することができる。
り、その種類はとくに制限されないが、例えば普通種(F
agopyrum esculentrum. M.)、ダッタン種(Fagopyrum ta
taricu m. K.)等を挙げることができる。培養に用いるソ
バの植物体の組織はいずれの部位でもよいが、好ましく
は葉、茎を用いるほうが、滅菌処理が容易で且つ均一な
細胞を得られるので、効率よくアントシアニン系色素を
製造することができる。
【0007】本発明のアントシアニン系色素の製造方法
は、以下の手順に従って行うことができる。 (カルス誘導培養)まず、ソバの植物体の組織片からカ
ルスを誘導する。カルスを誘導する方法は、公知の方法
で行うことができる。すなわち、ソバの組織片を切り取
り滅菌し、カルス誘導用培地に置床し培養することによ
ってカルスが得られる。このときに用いる培地は、ショ
糖等の炭素源、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、鉄、マンガン、モ
リブデン等の無機成分、各種ビタミン類、ミオイノシト
ール、ニコチン酸、ビオチン、葉酸、チアミン酸塩等の
有機成分からそれぞれ炭素源、無機成分および有機成分
の適当なものを選び培地に添加することができる。この
ような培地には、公知のムラシゲ・スクーグ培地(MS
培地)、ガンボルグ培地(B5培地)、リンスマイヤー
・スクーグ培地(LS培地)などがあり、これらをその
まま、あるいはこれらを改良した培地等を用いることが
できる。中でも、MS培地が好適であり、短期間にカル
スを誘導できる。さらに培地には植物成長調整作用物
質、すなわち植物ホルモンである2,4−ジクロロフェノ
キシ酢酸(2,4−D)、α−ナフタリン酢酸(NA
A)、インドール3酢酸(IAA)等のオーキシン、カ
イネチン(Kn)、6-ベンジルアデニン(BA)、ゼア
チン等のサイトカイニンから適宜適当なものを選択して
用いることができる。通常、オーキシンは0.01〜5p
pm、サイトカイニンは0.1〜10ppmの濃度で培地に添
加する。とくにオーキシンとしては、2,4−Dを0.1
〜2ppmまたはIAAを0.1〜2ppm、また、サイトカ
イニンとしてはBAを0.01〜1ppmまたはKnを0.
01〜1ppmの濃度で用いるのが好適である。
は、以下の手順に従って行うことができる。 (カルス誘導培養)まず、ソバの植物体の組織片からカ
ルスを誘導する。カルスを誘導する方法は、公知の方法
で行うことができる。すなわち、ソバの組織片を切り取
り滅菌し、カルス誘導用培地に置床し培養することによ
ってカルスが得られる。このときに用いる培地は、ショ
糖等の炭素源、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、鉄、マンガン、モ
リブデン等の無機成分、各種ビタミン類、ミオイノシト
ール、ニコチン酸、ビオチン、葉酸、チアミン酸塩等の
有機成分からそれぞれ炭素源、無機成分および有機成分
の適当なものを選び培地に添加することができる。この
ような培地には、公知のムラシゲ・スクーグ培地(MS
培地)、ガンボルグ培地(B5培地)、リンスマイヤー
・スクーグ培地(LS培地)などがあり、これらをその
まま、あるいはこれらを改良した培地等を用いることが
できる。中でも、MS培地が好適であり、短期間にカル
スを誘導できる。さらに培地には植物成長調整作用物
質、すなわち植物ホルモンである2,4−ジクロロフェノ
キシ酢酸(2,4−D)、α−ナフタリン酢酸(NA
A)、インドール3酢酸(IAA)等のオーキシン、カ
イネチン(Kn)、6-ベンジルアデニン(BA)、ゼア
チン等のサイトカイニンから適宜適当なものを選択して
用いることができる。通常、オーキシンは0.01〜5p
pm、サイトカイニンは0.1〜10ppmの濃度で培地に添
加する。とくにオーキシンとしては、2,4−Dを0.1
〜2ppmまたはIAAを0.1〜2ppm、また、サイトカ
イニンとしてはBAを0.01〜1ppmまたはKnを0.
01〜1ppmの濃度で用いるのが好適である。
【0008】カルス誘導培養の培養温度は18〜32
℃、および光照射は100〜10,000ルクスの光を連続ま
たは一日を周期として間欠的に照射しながら、あるいは
光を照射せずに暗所で数日〜数週間行うのが好適であ
り、これによってカルスを誘導することができる。とく
に光照射については暗所が適しており、次の工程である
液体細胞培養に移り易い柔らかいカルスを短期間に誘導
できる。カルス誘導培養によって、ソバの小切断片から
無定形の未分化細胞からなる細胞の塊であるカルスが誘
導される。このカルスは継代培養を行うことができる。
℃、および光照射は100〜10,000ルクスの光を連続ま
たは一日を周期として間欠的に照射しながら、あるいは
光を照射せずに暗所で数日〜数週間行うのが好適であ
り、これによってカルスを誘導することができる。とく
に光照射については暗所が適しており、次の工程である
液体細胞培養に移り易い柔らかいカルスを短期間に誘導
できる。カルス誘導培養によって、ソバの小切断片から
無定形の未分化細胞からなる細胞の塊であるカルスが誘
導される。このカルスは継代培養を行うことができる。
【0009】(液体細胞培養)次に、カルス誘導培養で
得られたカルスを液体培地に移植し細胞培養する。この
ときに用いる培地は、カルス誘導培養に用いた培地から
寒天を除いて液体培地としたものでもよいが、とくにB
5培地を使用すると、より活性のある液体細胞培養を行
うことができ好ましい。振とう培養機で培地を振とうす
ることによって、細胞の生育に必要な空気中の酸素を培
地中に供給しながら、数日間培養し、カルスを形成して
いる細胞の塊を、液体培地中に分離させバラバラに浮遊
している状態にする。このとき、培養期間にカルスから
新たに細胞が増殖したものも液体培地中に浮遊している
状態になる。培養温度は18〜32℃が好ましく、光照
射は100〜10,000ルクスの光を連続または一日を周期
として間欠的に照射しながら、あるいは光を照射せずに
暗所で培養する。
得られたカルスを液体培地に移植し細胞培養する。この
ときに用いる培地は、カルス誘導培養に用いた培地から
寒天を除いて液体培地としたものでもよいが、とくにB
5培地を使用すると、より活性のある液体細胞培養を行
うことができ好ましい。振とう培養機で培地を振とうす
ることによって、細胞の生育に必要な空気中の酸素を培
地中に供給しながら、数日間培養し、カルスを形成して
いる細胞の塊を、液体培地中に分離させバラバラに浮遊
している状態にする。このとき、培養期間にカルスから
新たに細胞が増殖したものも液体培地中に浮遊している
状態になる。培養温度は18〜32℃が好ましく、光照
射は100〜10,000ルクスの光を連続または一日を周期
として間欠的に照射しながら、あるいは光を照射せずに
暗所で培養する。
【0010】(アントシアニン系色素生合成細胞培養)
次に、アントシアニン系色素を生合成させるために、液
体細胞培養を行った細胞をさらに本培養用培養タンクに
移し細胞培養を行う(アントシアニン系色素生合成細胞
培養)。このときに用いる培地としては、基本的にカル
ス誘導培養に用いた培地と同じものでもよいが、好まし
くは、窒素を例えばNH4NO3として0.1〜1.0g/
l、カリウムを例えばKNO3として2.0〜10g/lの
割合で含有する培地を用いるほうが、アントシアニン系
色素の生成が効率のよいものとなる。この培地に添加す
る植物ホルモンも、カルス誘導培養に用いたように適宜
適当なものを選択して添加することができるが、とくに
オーキシンとしては2,4−Dを0.1〜2ppmまたはI
AAを0.1〜2ppm、サイトカイニンとしてはBAを
0.01〜1ppmまたはKnを0.01〜1ppmとなるよう
に培地に添加するのがよい。アントシアニン系色素生合
成細胞培養は、培養タンク、例えば透明プラスチックあ
るいは透明ガラス製の密閉式の培養タンクを用いて、数
日〜数週間細胞培養を行い、細胞中にアントシアニン系
色素を生合成させる。このとき、細胞の増殖生長とアン
トシアニン系色素の生成に必要な酸素を供給するため
に、液体培地1m3に対して1分間当たり20〜300l
の無菌空気を液体培地中に通気するのがよい。培養温度
は、18〜32℃が好ましい。
次に、アントシアニン系色素を生合成させるために、液
体細胞培養を行った細胞をさらに本培養用培養タンクに
移し細胞培養を行う(アントシアニン系色素生合成細胞
培養)。このときに用いる培地としては、基本的にカル
ス誘導培養に用いた培地と同じものでもよいが、好まし
くは、窒素を例えばNH4NO3として0.1〜1.0g/
l、カリウムを例えばKNO3として2.0〜10g/lの
割合で含有する培地を用いるほうが、アントシアニン系
色素の生成が効率のよいものとなる。この培地に添加す
る植物ホルモンも、カルス誘導培養に用いたように適宜
適当なものを選択して添加することができるが、とくに
オーキシンとしては2,4−Dを0.1〜2ppmまたはI
AAを0.1〜2ppm、サイトカイニンとしてはBAを
0.01〜1ppmまたはKnを0.01〜1ppmとなるよう
に培地に添加するのがよい。アントシアニン系色素生合
成細胞培養は、培養タンク、例えば透明プラスチックあ
るいは透明ガラス製の密閉式の培養タンクを用いて、数
日〜数週間細胞培養を行い、細胞中にアントシアニン系
色素を生合成させる。このとき、細胞の増殖生長とアン
トシアニン系色素の生成に必要な酸素を供給するため
に、液体培地1m3に対して1分間当たり20〜300l
の無菌空気を液体培地中に通気するのがよい。培養温度
は、18〜32℃が好ましい。
【0011】アントシアニン系色素生合成細胞培養にお
ける光照射は、その生合成をソバの植物体由来の細胞か
ら効果的に行わせるために、とくに重要な因子であり、
強さ100〜1,000ルクスの低照度の範囲内の光が
好ましい。とくに300〜500ルクスが好適である。
植物細胞におけるアントシアニン系色素の生合成は、生
合成に働く酵素が光によって励起されて生じるものと考
えられているが、光の強さが100ルクス以下になる
と、アントシアニン系色素の生合成がほとんどなされな
い。1,000ルクス以上の光を照射しても、それほど
アントシアニン系色素の生合成量は増さず、光照射に必
要な電力が無駄となる。数日〜数週間のアントシアニン
系色素生合成細胞培養によって生成したアントシアニン
系色素は、細胞内にあるので、液体培地から細胞を濾過
等の分離手段を用いて分離し、適当な溶媒を用いて抽出
する。例えば、液体培地から濾過分離した培養細胞を粉
砕した後、塩酸を0.1〜2.0%、好ましくは0.5〜
1.0%含有するメタノールで抽出することができる。
細胞を粉砕するときは、得られた細胞を乾燥すれば、粉
砕し易くなる。次にアントシアニン系色素抽出液を濾過
し、濃縮・乾固させ溶媒を除去すると、アントシアニン
系色素が得られる。なお、アントシアニン系色素生合成
細胞培養に用いる培地は固形培地でも可能であるが、培
地中に添加された成分が有効に使えるのは固形培地の表
層部のみとなり、実用的ではない。
ける光照射は、その生合成をソバの植物体由来の細胞か
ら効果的に行わせるために、とくに重要な因子であり、
強さ100〜1,000ルクスの低照度の範囲内の光が
好ましい。とくに300〜500ルクスが好適である。
植物細胞におけるアントシアニン系色素の生合成は、生
合成に働く酵素が光によって励起されて生じるものと考
えられているが、光の強さが100ルクス以下になる
と、アントシアニン系色素の生合成がほとんどなされな
い。1,000ルクス以上の光を照射しても、それほど
アントシアニン系色素の生合成量は増さず、光照射に必
要な電力が無駄となる。数日〜数週間のアントシアニン
系色素生合成細胞培養によって生成したアントシアニン
系色素は、細胞内にあるので、液体培地から細胞を濾過
等の分離手段を用いて分離し、適当な溶媒を用いて抽出
する。例えば、液体培地から濾過分離した培養細胞を粉
砕した後、塩酸を0.1〜2.0%、好ましくは0.5〜
1.0%含有するメタノールで抽出することができる。
細胞を粉砕するときは、得られた細胞を乾燥すれば、粉
砕し易くなる。次にアントシアニン系色素抽出液を濾過
し、濃縮・乾固させ溶媒を除去すると、アントシアニン
系色素が得られる。なお、アントシアニン系色素生合成
細胞培養に用いる培地は固形培地でも可能であるが、培
地中に添加された成分が有効に使えるのは固形培地の表
層部のみとなり、実用的ではない。
【0012】
【作用】数日〜数週間のカルス誘導培養によって、培地
に置床させたソバの小切断片からカルスが誘導され、細
胞が増殖し、直径数mm〜数cmの大きさのカルスとなる。
このカルスを数日間、アントシアニン系色素生合成細胞
培養へ移すための液体振とう培養を行うことによって、
バラバラの細胞が液体培地中に浮遊している状態とな
る。この細胞をさらに数日〜数週間、液体培地でアント
シアニン系色素生合成細胞培養を行うと、細胞内での代
謝作用によって、アントシアニン系色素が生合成され
る。生合成されるアントシアニン系色素の量は、高速液
体クロマトグラフ等による測定で確認でき、2〜6%
(新鮮細胞の重量基準)となる。生成したアントシアニ
ン系色素は、培養細胞から塩酸を含むメタノール等を溶
媒として抽出することができる。
に置床させたソバの小切断片からカルスが誘導され、細
胞が増殖し、直径数mm〜数cmの大きさのカルスとなる。
このカルスを数日間、アントシアニン系色素生合成細胞
培養へ移すための液体振とう培養を行うことによって、
バラバラの細胞が液体培地中に浮遊している状態とな
る。この細胞をさらに数日〜数週間、液体培地でアント
シアニン系色素生合成細胞培養を行うと、細胞内での代
謝作用によって、アントシアニン系色素が生合成され
る。生合成されるアントシアニン系色素の量は、高速液
体クロマトグラフ等による測定で確認でき、2〜6%
(新鮮細胞の重量基準)となる。生成したアントシアニ
ン系色素は、培養細胞から塩酸を含むメタノール等を溶
媒として抽出することができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。 (ソバ植物体の調製)普通種ソバ(Fagopyrum esculentr
um. M.)の種子を70%エチルアルコール中に20秒間
浸漬し殺菌処理した後、滅菌蒸留水で4回洗浄し、殺菌
剤を充分に洗浄除去し無菌種子を得た。この無菌種子
を、0.8重量%の寒天と3重量%のショ糖を含むMS
培地(植物ホルモンは含まない)に置床させ、25℃、
暗所で培養した。数日間の培養で発芽し、約5cm程度の
背丈の幼植物を得た。 (カルス誘導培養)このソバの幼植物の本葉を、滅菌メ
スを用いて、一辺0.5cm程度の四辺形の小片に切断
し、表1に示したMS培地に植物ホルモンとして2,4
D−1.0ppmおよびBA0.1ppmを添加し、三角フラス
コ中で0.8重量%の寒天を加えたMS培地(固形培地)
に無菌的に置床させた。培地に置床した小片を培養温度
25℃、暗所下で、2週間培養すると、葉の切り口周辺
から生じたカルスが直径数cmに増殖した。カルスは淡黄
色を呈していた。 (液体細胞培養)このカルスを数個に分割し、表2に示
したB5培地に植物ホルモンとして2,4−D1.0ppm
およびBA0.1ppmを添加し、寒天を添加せずに液体培
地としたものを三角フラスコに入れて、回転式振とう培
養機で、温度25℃で振とう培養を行った。2週間培養
した結果、カルスの細胞がバラバラになるとともに、新
たに増殖した細胞が液体培地中に浮遊懸濁状態となっ
た。 (アントシアニン系色素生合成細胞培養)次に、上記の
液体細胞培養によって得られた細胞を、濾過分離し、前
記のカルス誘導培地(MS培地)の成分のうち、NH4
NO3を0.5g/lに減少させ、KNO3を5g/lに増加
させ、液体培地としたものを培養タンクに入れて、40
0ルクスの光照射下、あるいは比較対照のために50
ルクス、3,000ルクスの光照射下、液体培地中に
100l/分・m3の無菌空気を送り、細胞を液体培地中
で還流させながら、10日間アントシアニン系色素生合
成細胞培養を行った。赤色の培養細胞が無数に生じた。
次に、この培養細胞を濾布分離装置を用いて液体培地か
ら分離し、粗粉砕機を用いて粉砕した。粉砕した培養細
胞を、塩酸を0.8%含有するメタノールに24時間浸
漬し、アントシアニン系色素を抽出した後、濾布分離装
置を用いて培養細胞を分離し、抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させ、アントシアニン系色素を得た。
乾固させたアントシアニン系色素を、塩酸を1%含有す
るメタノールに溶解させ、0.2μmの高速液体クロマト
グラフ用濾過フィルターで濾過したものを試料液とし、
高速液体クロマトグラフィーによって、アントシアニン
系色素の濃度を測定した。その結果を表3に示す。さら
に、この試料液の吸光度スペクトルを分光光度計を用い
て測定した。その結果を図1に示す。また、試料液の高
速液体クロマトグラムを図2に示す。図2より、アント
シアニン系色素と思われるピークが保持時間2.6分で
現れた。なお、測定条件は以下の通りである。
um. M.)の種子を70%エチルアルコール中に20秒間
浸漬し殺菌処理した後、滅菌蒸留水で4回洗浄し、殺菌
剤を充分に洗浄除去し無菌種子を得た。この無菌種子
を、0.8重量%の寒天と3重量%のショ糖を含むMS
培地(植物ホルモンは含まない)に置床させ、25℃、
暗所で培養した。数日間の培養で発芽し、約5cm程度の
背丈の幼植物を得た。 (カルス誘導培養)このソバの幼植物の本葉を、滅菌メ
スを用いて、一辺0.5cm程度の四辺形の小片に切断
し、表1に示したMS培地に植物ホルモンとして2,4
D−1.0ppmおよびBA0.1ppmを添加し、三角フラス
コ中で0.8重量%の寒天を加えたMS培地(固形培地)
に無菌的に置床させた。培地に置床した小片を培養温度
25℃、暗所下で、2週間培養すると、葉の切り口周辺
から生じたカルスが直径数cmに増殖した。カルスは淡黄
色を呈していた。 (液体細胞培養)このカルスを数個に分割し、表2に示
したB5培地に植物ホルモンとして2,4−D1.0ppm
およびBA0.1ppmを添加し、寒天を添加せずに液体培
地としたものを三角フラスコに入れて、回転式振とう培
養機で、温度25℃で振とう培養を行った。2週間培養
した結果、カルスの細胞がバラバラになるとともに、新
たに増殖した細胞が液体培地中に浮遊懸濁状態となっ
た。 (アントシアニン系色素生合成細胞培養)次に、上記の
液体細胞培養によって得られた細胞を、濾過分離し、前
記のカルス誘導培地(MS培地)の成分のうち、NH4
NO3を0.5g/lに減少させ、KNO3を5g/lに増加
させ、液体培地としたものを培養タンクに入れて、40
0ルクスの光照射下、あるいは比較対照のために50
ルクス、3,000ルクスの光照射下、液体培地中に
100l/分・m3の無菌空気を送り、細胞を液体培地中
で還流させながら、10日間アントシアニン系色素生合
成細胞培養を行った。赤色の培養細胞が無数に生じた。
次に、この培養細胞を濾布分離装置を用いて液体培地か
ら分離し、粗粉砕機を用いて粉砕した。粉砕した培養細
胞を、塩酸を0.8%含有するメタノールに24時間浸
漬し、アントシアニン系色素を抽出した後、濾布分離装
置を用いて培養細胞を分離し、抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させ、アントシアニン系色素を得た。
乾固させたアントシアニン系色素を、塩酸を1%含有す
るメタノールに溶解させ、0.2μmの高速液体クロマト
グラフ用濾過フィルターで濾過したものを試料液とし、
高速液体クロマトグラフィーによって、アントシアニン
系色素の濃度を測定した。その結果を表3に示す。さら
に、この試料液の吸光度スペクトルを分光光度計を用い
て測定した。その結果を図1に示す。また、試料液の高
速液体クロマトグラムを図2に示す。図2より、アント
シアニン系色素と思われるピークが保持時間2.6分で
現れた。なお、測定条件は以下の通りである。
【0014】分光光度計 測定範囲:190〜700nm 使用機種:島津マルチパーパス自記分光光度計 MPS
−2000(島津製作所社製) 高速液体クロマトグラフ カラム:ODS(C18)4mmφ×250mmL(メルク社
製) 流量 :2ml/分 検出器:マルチ測光検出器 波長 :530nm 溶離液:メタノール/15%酢酸 標準試料:シアニジンクロライド(フナコシ薬品社製) 使用機種:日立製作所L−6200形 表3に示す測定結果の通り、400ルクスの光照射下で
培養した培養細胞中には4.5%(新鮮細胞重量基準)
ものアントシアニン系色素が含有されていた。
−2000(島津製作所社製) 高速液体クロマトグラフ カラム:ODS(C18)4mmφ×250mmL(メルク社
製) 流量 :2ml/分 検出器:マルチ測光検出器 波長 :530nm 溶離液:メタノール/15%酢酸 標準試料:シアニジンクロライド(フナコシ薬品社製) 使用機種:日立製作所L−6200形 表3に示す測定結果の通り、400ルクスの光照射下で
培養した培養細胞中には4.5%(新鮮細胞重量基準)
ものアントシアニン系色素が含有されていた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】本発明によって、ソバの植物体からアン
トシアニン系色素を計画的に且つ大量に工業的方式、規
模で製造することができる。さらに、本発明では、低照
度の光照射を用いるために、安価にアントシアニン系色
素を製造することができ、実用上、非常に有用である。
トシアニン系色素を計画的に且つ大量に工業的方式、規
模で製造することができる。さらに、本発明では、低照
度の光照射を用いるために、安価にアントシアニン系色
素を製造することができ、実用上、非常に有用である。
【図1】実施例で得られたアントシアニン系色素の試料
液の吸光度スペクトルを示す図である。
液の吸光度スペクトルを示す図である。
【図2】実施例で得られたアントシアニン系色素の試料
液の高速液体クロマトグラムを示す図である。
液の高速液体クロマトグラムを示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ソバの植物体からカルスを誘導し、これ
をさらに培養してアントシアニン系色素を生合成させ、
得られた培養細胞からアントシアニン系色素を採取する
ことを特徴とする、アントシアニン系色素の製造方法。 - 【請求項2】 100〜1,000ルクスの照度下でア
ントシアニン系色素を生合成させる、請求項1に記載の
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27117491A JPH05103685A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アントシアニン系色素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27117491A JPH05103685A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アントシアニン系色素の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05103685A true JPH05103685A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17496377
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27117491A Pending JPH05103685A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | アントシアニン系色素の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05103685A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115812601A (zh) * | 2022-12-15 | 2023-03-21 | 贵州慧创科技发展有限公司 | 一种利用金铁锁毛状根诱导产生花青素的方法 |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP27117491A patent/JPH05103685A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115812601A (zh) * | 2022-12-15 | 2023-03-21 | 贵州慧创科技发展有限公司 | 一种利用金铁锁毛状根诱导产生花青素的方法 |
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