JPH0510432B2 - - Google Patents
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- JPH0510432B2 JPH0510432B2 JP11629287A JP11629287A JPH0510432B2 JP H0510432 B2 JPH0510432 B2 JP H0510432B2 JP 11629287 A JP11629287 A JP 11629287A JP 11629287 A JP11629287 A JP 11629287A JP H0510432 B2 JPH0510432 B2 JP H0510432B2
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- Japan
- Prior art keywords
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- plating
- plating layer
- coating
- plated steel
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、優れた耐食性を有し、種々の用途例
えば、自動車用鋼板として適用できる複層めつき
鋼板に関するものである。 〔従来技術及び問題点〕 一般に自動車用鋼板の腐食環境下での耐食性と
しては、未塗装耐食性だけではなく、塗装後耐食
性、すなわち耐ブリスター性、耐水密着性、耐赤
錆性等が要求される。従来から使用されている
Znめつき鋼板は、これらの耐食性を十分満足す
るものではない。現在、高耐食性化を目的とした
種々のZn系合金めつき鋼板、(Zn−Ni,Zn−Fe,
Zn−Co,Zn−Fe−Cr,Zn−Ni−Co,Zn−Cr,
Zn−Mn等)が開発、実用化されている。 また、特公昭60−38400号の如く、Znと酸化物
ゾルを複合化させためつき、特開昭60−141898号
の如く、Zn系合金と酸化物粒子を複合させため
つき、特開昭61−64899号の如く、非金属微粒子
を複合させためつき、特開昭60−96786の如く、
腐食阻止顔料を複合させためつきなど、従来の単
純な合金めつきではなく、実質的に酸性めつき浴
中で溶解し難いある一定以上の大きさを有する不
溶性粒子をマトリツクスめつきであるZn単独あ
るいはZn系合金めつき中に分散共析させ新しい
タイプのめつき鋼板(以下、Zn系複合めつき鋼
板)が次々と開示されている。これらZn系複合
めつき鋼板は、現時点では実用化に至つていない
が、従来のZn系合金めつき鋼板に比べて耐食性
の点で、優れた面を有しており、高度化する要求
性能に答えていくためには、早急に実用化してい
く必要がある。しかし、Zn系複合めつき鋼板は
品質面、製造面でまだ多くの克服すべき問題を残
している。品質面での大きな課題の1つに、Zn
系合金めつき鋼板と同様、3コート塗装後の耐水
密着性が、弱いという欠点を持つ。 耐水密着性を向上させる有効な方法として、
Zn−Fe,Zn−Ni等の2層めつき鋼板がある。す
なわち、下層がZn濃度の高いZn−Fe,Zn−Ni
層、上層がFe濃度の高いめつき層より成り、下
層で耐食性、上層で耐水密着性を向上させた鋼板
である。具体的には、特開昭58−58294号公報に
開示されている下層Zn−Ni系合金めつき/上層
FeあるいはFe−Zn合金めつき、特開昭59−
89785号公報に開示されている下層、Zn,Zn−
Ni系あるいはFe−Zn合金めつき/上層Fe−Zn−
Cr合金めつき、特開昭60−131991号公報に開示
されている下層ZnあるいはZn系合金めつき/上
層Fe−P系合金めつきがある。 これらは、何れも上層にFeあるいはFe系合金
めつき層を有するため、カチオン電着塗装の前処
理であるりん酸塩処理において、Zn2FeHPO4
(phosphophyllite)結晶を、りん酸塩皮膜中に多
量に含有することができ、これにより、下層の
ZnあるいはZn系合金めきの欠点である温水浸漬
後の塗膜密着性(耐水密着性)を改善しようとし
たものである。 本発明者等の確認では、上記Fe系合金めつき
をZn系複合めつきの上層として被覆した場合も、
耐水密着性は大巾に向上したが、冷延鋼板同等の
耐水密着性を得るにはFe含有率が70%以上必要
であり、かつこのような高鉄Fe含有率の合金を
上層として被覆した場合、めつき層全体の未塗装
耐食性が下層めつき単層時よりも劣化するという
現象が生じた。 また、塗装後の耐食性においても傷入れ部にお
けるブリスター(塗膜ふくれ)は小さいものの赤
錆の流れ錆を生じた。 これらの原因は、上層と下層間の腐食電位差
が、大きいことに起因する接触腐食を生じやすい
ため、また、上層が高Fe含有率のめつき層とな
つているため、上層中のFeそのものが腐食して
赤錆化するためと考えられる。このように、従来
技術には、未塗装耐食性、塗装後の耐赤錆性の点
で、なお改良すべき問題が残されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記事情に鑑み、現行の上層に
Fe系合金めつきを配した2層めつき鋼板の問題
点を解決する2層めつき鋼板について種々の実
験、研究を重ねた。その結果、Zn系複合めつき
層と上層のFe系合金めつき層の間に、化成皮膜
を薄く形成することにより、所期の目的即ち、未
塗装耐食性の向上や塗装後の傷入れ部からの赤錆
発生を抑制できることを見出した。 本発明は、以上の如き知見に基づいて構成した
もので、その要旨とするところは、鋼板の少なく
とも片面に、鋼板表面より、第1めつき層として
平均粒径5μ以下の微粒子を含有するZnもしくは
Zn系合金めつきからなるZn系複合めつき層を形
成し、該めつき層の上に化成皮膜を形成して、さ
らに第2めつき層としてFe系合金めつき層を形
成したことを特徴とする高耐食性複層めつき鋼板
にある。 以下、鋼板表面より第1めつき層を下層、第2
めつき層を上層と記述する。 (作用) 以下、本発明について、添付図面を用いて詳細
に説明する。 本発明の複層めつき鋼板は、第1図に示すよう
に、鋼板1の上にZn系複合めつき層2(下層)
を形成し、この上に化成皮膜3を形成し、次いで
Fe系合金めつき層4を形成したものである。化
成皮膜としてはクロメート皮膜、りん酸塩皮膜、
チタネート皮膜、タンニン酸皮膜、モリブデン酸
皮膜、蓚酸塩皮膜が有効であるが、特にクロメー
ト皮膜あるいはりん酸塩処理は、汎用性があり有
効である。 第2図は下層にZn−Ni−SiO2複合めつき層
(Ni11%、SiO23%残部Zn付着量20g/m2)を施
し、この上に種々の付着量のクロメート皮膜を介
在させて、次いでFe−Zn合金めつき(Zn 20%
残部Fe、付着量3g/m2)を施した複層めつき
鋼板に対して、浸漬後のりん酸塩処理を施した
後、3日間の塩水噴霧試験を行なつて未塗装耐食
性を調べた結果である。縦軸は、クロメート皮膜
0の試験片の腐食減量を基準としてクロメート皮
膜を有する試験片の腐食減量を比率化して表示し
たものである。 同図より明らかなように、クロメート付着量、
1mg/m2以上で腐食減量比率は著しく低下し、未
塗装耐食性が向上する。 第3図は、第2図と同じ複層めつき鋼板に対し
て、浸漬型のりん酸塩処理(皮膜量2g/m2)、
カチオン電着塗装(20μ)、及びメラミンアルキ
ド系の中塗、上塗塗装(各40μ)を施した後クロ
スカツトを入れて、サイクル腐食試験を100サイ
クル行ないクロスカツト部からの耐赤錆性を評価
たした結果である。同図より明らかなように、ク
ロメート付着量1mg/m2以上で耐赤錆性は良好に
なる。また、耐ブリスター性の向上も確認され
た。なお、クロメート付着量が100mg/m2を超え
ると、上層のFe−Zn合金めつきの電析が困難と
なり、析出した場合もめつき密着性が著しく不良
であつた。 りん酸塩皮膜など他の化成皮膜も、上記クロメ
ート皮膜を介在させた場合と同様、未塗装耐食
性、塗装後の傷入れ部の耐赤錆性を向上させた。
これら化成皮膜の効果は明らかではないが、これ
ら皮膜が腐食電位の大きく異なる上層〜下層めつ
き間に介在することにより、この腐食電位差を実
質上緩和あるいは無くし、接触腐食的な腐食形態
を抑止すること、及び下層のみならず上層に対し
ても1種の不働態化作用を発揮することなどが考
えられる。 このような上層〜下層めつき間に介在させた化
成皮膜の効果は、上層をFe系合金めつき層とし
た場合に著しく発揮される。即ち、Fe単独めつ
きでは本発明の方法によつても、未塗装耐食性や
塗装後傷部の耐赤錆性に対する著しい改善効果は
認められなかつたが、上記Fe−Zn合金めつきの
他に、Fe−P、Fe−Zn−Cr合金めつきの場合
は、改善効果が認められた。 これらFe系合金めつきは、Fe単独めつきに比
してめつき層そのものの耐食性が良好であり、こ
れと上層〜下層めつき間に介在する化成皮膜の効
果が相乗して、所期の目的を達成し得たものと考
えられる。 本発明における下層は、微粒子を含有するZn
単独もしくはZn系合金めつきからなるZn系複合
めつき層で形成される。ここで、Zn系複合めつ
き層に含有される微粒子としては、硫酸浴、塩化
浴などに代表される酸性めつき浴中で不溶性もし
くは難溶性の微粒子がある。例えば、SiO2,
TiO2,Al2O3,ZrO2,Fe2O3等の酸化物;SiC,
TiC等の炭化物;SiN,BN等の窒化物;MoS2等
の硫化物;黒鉛;腐食阻止顔料の内、SrCrO4,
BaCrO4,PbCrO4等の難溶性物質;Ni,Cr、ス
テンレス等の難溶性金属粉末;クロメート処理等
により難溶化させたAlや、Zn等の金属粉末;フ
エノール樹脂やエポキシ樹脂等の有機物粒子を指
し、これらを単独もしくは複合で使用できる。 また、耐食性の観点から言えば、SiO2,TiO2,
Al2O3,ZrO2、黒鉛、BaCrO4,PbCrO4,Cr粉
末、Al粉末が特に有効である。 これら微粒子の大きさとしては平均粒径5μ以
下であることが必要であり、5μを超える大きさ
の微粒子では、微粒子がめつき層中に共析し難
い。耐食性、加工性、溶接性といつた総合的な品
質を考慮すると、1μ以下のより微細な粒子が好
ましい。 なお、平均粒径とは、全粒子のうち最も分布量
の大である粒径を意味する。 微粒子の含有率は、耐食性向上を図る上では
0.1重量%以上20重量%以下が好ましい。 下層のマトリツクスめつきは、Zn単独、ある
いはZn系合金めつきである。ここで、Zn系合金
めつきとは、Zn−Ni,Zn−Fe,Zn−Co,Zn−
Fe−Cr,Zn−Ni−Co,Zn−Cr,Zn−Mn,Zn
−Ti,Zn−Sn,Zn−Cu,Zn−Cd,Zn−Pb等を
指す。なお、耐食性を向上させる意味では、Zn
系合金めつきがより有効である。下層のZn系複
合めつきの付着量は、5g/m2以上が好ましい
が、これは5g/m2未満では鋼板に対する防食効
果が得られないためである。 次に、上層〜下層めつき間に形成させる化成皮
膜について述べる。 化成皮膜としては、クロメート皮膜、りん酸塩
皮膜が有効であるが、特に電解クロメート皮膜、
電解りん酸塩皮膜は、電解により皮膜が均一に析
出するためCr又はP付着量100mg/m2以下という
極薄膜でも前述した作用を十分に発揮できる。し
かし、Cr,P共に100mg/m2を超えると、上層Fe
系合金めつきを電析させる際、通電不良を生じ、
析出困難となるか析出しても、上層めつきの密着
性を確保し得ない。なお、化成皮膜量の下限値
は、耐食性の点で、1mg/m2とするのが、望まし
い。クロメート皮膜、りん酸塩皮膜は、それぞれ
単独で利用する以外に、これらを重ね合わせた
り、混合して利用しても差し支えない。 次に、上層のFe系合金めつき中のFe含有率は、
70重量%以上とするのがよいが、これはこの範囲
でりん酸塩皮膜中のphosphophyllite比率が高く
なり、耐水密着性が改善されるからである。 Fe系合金めつきの付着量は、1g/m2以上と
するとよいが、これはカチオン電着塗装の前処理
として通常行われるりん酸塩処理により約1g/
m2表面層が溶解することを考慮すると1g/m2以
上は必要と考えられることと、1g/m2未満では
耐水密着性の向上を望めないためである。 また、Fe系合金めつきとしては、Znが3〜
29重量%、Crが0.1〜1.0重量%のFe−Zn−Cr合
金めつき、Znが3〜30重量%のFe−Zn合金め
つき、Pが0.01〜30重量%のFe−P合金めつき
が有効であり、これは少量のZn,Cr,Pの添加
により、Fe系合金めつきそのものの耐食性が向
上し、上層〜下層めつき間に介在する化成皮膜と
の相乗効果が発揮されるためである。 本発明に基づくめつき構造は、必ずしも鋼板の
両面に対して適用しなければならないというもの
ではなく、用途に応じて片面のみにこの構造を採
用し他の面は、鋼板面のままもしくは、別の構造
を有する面、例えば有機皮膜を上部に有するZn
系複合めつき層とするなどの形で利用してもよ
い。 本発明を適用する素地鋼板は通常ダル仕上げ圧
延をした軟鋼板であるが、ブライト仕上げ圧延を
した軟鋼板や、鋼成分としてMn,S,P等を多
く含んだ高張力鋼板や、Cr,Cu,Ni等を多く含
んだ腐食速度の小さい高耐食性鋼板でも適用可能
である。 以下、実施例をもつて本発明の効果を更に具体
的に説明する。 〔実施例〕 本発明における種々の複層めつき鋼板と、本発
明外のめつき鋼板について、未塗装耐食性、耐水
密着性及び塗装後耐食性の評価試験を行なつた。 第1表には、試験片処理条件、試験条件及び評
価基準を示した。第2表には、第1めつき層(下
層)〜第2めつき層(上層)間の化成皮膜をクロ
メート皮膜としたときの、第3表には化成皮膜を
りん酸塩皮膜したときの実施例をそれぞれ示し
た。 第2表、第3表において、*印のついたNo.は比
較例、その他のNo.は本発明例である。比較例の2
−1,6,10,25及び3−1,6,10,25は、本
発明の要件とする化成皮膜を第1層と第2層の間
に持たないため、未塗装耐食性及び塗装後耐食性
が不良である。 これらに対して、本発明例の化成皮膜を有する
複層めつき鋼板は、何れも明らかに未塗装耐食性
及び塗装後耐食性が向上している。 本発明の内、2−2,3−2は、化成皮膜量が
少なすぎるため、未塗装耐食性及び塗装後耐食性
の向上巾が小さい。2−14及び3−14は第1層の
付着量が少なすぎるため塗装後耐食性の向上巾が
小さい。2−17及び3−17は、第2層の付着量が
少なすぎるため、2−21及び3−21は、第2層中
のFe以外の成分濃度が高すぎるため、それぞれ
耐水密着性がやや不良である。 他の本発明例は、何れも未塗装耐食性、塗装後
耐食性共に、大巾に向上しており、耐水密着性も
良好である。
えば、自動車用鋼板として適用できる複層めつき
鋼板に関するものである。 〔従来技術及び問題点〕 一般に自動車用鋼板の腐食環境下での耐食性と
しては、未塗装耐食性だけではなく、塗装後耐食
性、すなわち耐ブリスター性、耐水密着性、耐赤
錆性等が要求される。従来から使用されている
Znめつき鋼板は、これらの耐食性を十分満足す
るものではない。現在、高耐食性化を目的とした
種々のZn系合金めつき鋼板、(Zn−Ni,Zn−Fe,
Zn−Co,Zn−Fe−Cr,Zn−Ni−Co,Zn−Cr,
Zn−Mn等)が開発、実用化されている。 また、特公昭60−38400号の如く、Znと酸化物
ゾルを複合化させためつき、特開昭60−141898号
の如く、Zn系合金と酸化物粒子を複合させため
つき、特開昭61−64899号の如く、非金属微粒子
を複合させためつき、特開昭60−96786の如く、
腐食阻止顔料を複合させためつきなど、従来の単
純な合金めつきではなく、実質的に酸性めつき浴
中で溶解し難いある一定以上の大きさを有する不
溶性粒子をマトリツクスめつきであるZn単独あ
るいはZn系合金めつき中に分散共析させ新しい
タイプのめつき鋼板(以下、Zn系複合めつき鋼
板)が次々と開示されている。これらZn系複合
めつき鋼板は、現時点では実用化に至つていない
が、従来のZn系合金めつき鋼板に比べて耐食性
の点で、優れた面を有しており、高度化する要求
性能に答えていくためには、早急に実用化してい
く必要がある。しかし、Zn系複合めつき鋼板は
品質面、製造面でまだ多くの克服すべき問題を残
している。品質面での大きな課題の1つに、Zn
系合金めつき鋼板と同様、3コート塗装後の耐水
密着性が、弱いという欠点を持つ。 耐水密着性を向上させる有効な方法として、
Zn−Fe,Zn−Ni等の2層めつき鋼板がある。す
なわち、下層がZn濃度の高いZn−Fe,Zn−Ni
層、上層がFe濃度の高いめつき層より成り、下
層で耐食性、上層で耐水密着性を向上させた鋼板
である。具体的には、特開昭58−58294号公報に
開示されている下層Zn−Ni系合金めつき/上層
FeあるいはFe−Zn合金めつき、特開昭59−
89785号公報に開示されている下層、Zn,Zn−
Ni系あるいはFe−Zn合金めつき/上層Fe−Zn−
Cr合金めつき、特開昭60−131991号公報に開示
されている下層ZnあるいはZn系合金めつき/上
層Fe−P系合金めつきがある。 これらは、何れも上層にFeあるいはFe系合金
めつき層を有するため、カチオン電着塗装の前処
理であるりん酸塩処理において、Zn2FeHPO4
(phosphophyllite)結晶を、りん酸塩皮膜中に多
量に含有することができ、これにより、下層の
ZnあるいはZn系合金めきの欠点である温水浸漬
後の塗膜密着性(耐水密着性)を改善しようとし
たものである。 本発明者等の確認では、上記Fe系合金めつき
をZn系複合めつきの上層として被覆した場合も、
耐水密着性は大巾に向上したが、冷延鋼板同等の
耐水密着性を得るにはFe含有率が70%以上必要
であり、かつこのような高鉄Fe含有率の合金を
上層として被覆した場合、めつき層全体の未塗装
耐食性が下層めつき単層時よりも劣化するという
現象が生じた。 また、塗装後の耐食性においても傷入れ部にお
けるブリスター(塗膜ふくれ)は小さいものの赤
錆の流れ錆を生じた。 これらの原因は、上層と下層間の腐食電位差
が、大きいことに起因する接触腐食を生じやすい
ため、また、上層が高Fe含有率のめつき層とな
つているため、上層中のFeそのものが腐食して
赤錆化するためと考えられる。このように、従来
技術には、未塗装耐食性、塗装後の耐赤錆性の点
で、なお改良すべき問題が残されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記事情に鑑み、現行の上層に
Fe系合金めつきを配した2層めつき鋼板の問題
点を解決する2層めつき鋼板について種々の実
験、研究を重ねた。その結果、Zn系複合めつき
層と上層のFe系合金めつき層の間に、化成皮膜
を薄く形成することにより、所期の目的即ち、未
塗装耐食性の向上や塗装後の傷入れ部からの赤錆
発生を抑制できることを見出した。 本発明は、以上の如き知見に基づいて構成した
もので、その要旨とするところは、鋼板の少なく
とも片面に、鋼板表面より、第1めつき層として
平均粒径5μ以下の微粒子を含有するZnもしくは
Zn系合金めつきからなるZn系複合めつき層を形
成し、該めつき層の上に化成皮膜を形成して、さ
らに第2めつき層としてFe系合金めつき層を形
成したことを特徴とする高耐食性複層めつき鋼板
にある。 以下、鋼板表面より第1めつき層を下層、第2
めつき層を上層と記述する。 (作用) 以下、本発明について、添付図面を用いて詳細
に説明する。 本発明の複層めつき鋼板は、第1図に示すよう
に、鋼板1の上にZn系複合めつき層2(下層)
を形成し、この上に化成皮膜3を形成し、次いで
Fe系合金めつき層4を形成したものである。化
成皮膜としてはクロメート皮膜、りん酸塩皮膜、
チタネート皮膜、タンニン酸皮膜、モリブデン酸
皮膜、蓚酸塩皮膜が有効であるが、特にクロメー
ト皮膜あるいはりん酸塩処理は、汎用性があり有
効である。 第2図は下層にZn−Ni−SiO2複合めつき層
(Ni11%、SiO23%残部Zn付着量20g/m2)を施
し、この上に種々の付着量のクロメート皮膜を介
在させて、次いでFe−Zn合金めつき(Zn 20%
残部Fe、付着量3g/m2)を施した複層めつき
鋼板に対して、浸漬後のりん酸塩処理を施した
後、3日間の塩水噴霧試験を行なつて未塗装耐食
性を調べた結果である。縦軸は、クロメート皮膜
0の試験片の腐食減量を基準としてクロメート皮
膜を有する試験片の腐食減量を比率化して表示し
たものである。 同図より明らかなように、クロメート付着量、
1mg/m2以上で腐食減量比率は著しく低下し、未
塗装耐食性が向上する。 第3図は、第2図と同じ複層めつき鋼板に対し
て、浸漬型のりん酸塩処理(皮膜量2g/m2)、
カチオン電着塗装(20μ)、及びメラミンアルキ
ド系の中塗、上塗塗装(各40μ)を施した後クロ
スカツトを入れて、サイクル腐食試験を100サイ
クル行ないクロスカツト部からの耐赤錆性を評価
たした結果である。同図より明らかなように、ク
ロメート付着量1mg/m2以上で耐赤錆性は良好に
なる。また、耐ブリスター性の向上も確認され
た。なお、クロメート付着量が100mg/m2を超え
ると、上層のFe−Zn合金めつきの電析が困難と
なり、析出した場合もめつき密着性が著しく不良
であつた。 りん酸塩皮膜など他の化成皮膜も、上記クロメ
ート皮膜を介在させた場合と同様、未塗装耐食
性、塗装後の傷入れ部の耐赤錆性を向上させた。
これら化成皮膜の効果は明らかではないが、これ
ら皮膜が腐食電位の大きく異なる上層〜下層めつ
き間に介在することにより、この腐食電位差を実
質上緩和あるいは無くし、接触腐食的な腐食形態
を抑止すること、及び下層のみならず上層に対し
ても1種の不働態化作用を発揮することなどが考
えられる。 このような上層〜下層めつき間に介在させた化
成皮膜の効果は、上層をFe系合金めつき層とし
た場合に著しく発揮される。即ち、Fe単独めつ
きでは本発明の方法によつても、未塗装耐食性や
塗装後傷部の耐赤錆性に対する著しい改善効果は
認められなかつたが、上記Fe−Zn合金めつきの
他に、Fe−P、Fe−Zn−Cr合金めつきの場合
は、改善効果が認められた。 これらFe系合金めつきは、Fe単独めつきに比
してめつき層そのものの耐食性が良好であり、こ
れと上層〜下層めつき間に介在する化成皮膜の効
果が相乗して、所期の目的を達成し得たものと考
えられる。 本発明における下層は、微粒子を含有するZn
単独もしくはZn系合金めつきからなるZn系複合
めつき層で形成される。ここで、Zn系複合めつ
き層に含有される微粒子としては、硫酸浴、塩化
浴などに代表される酸性めつき浴中で不溶性もし
くは難溶性の微粒子がある。例えば、SiO2,
TiO2,Al2O3,ZrO2,Fe2O3等の酸化物;SiC,
TiC等の炭化物;SiN,BN等の窒化物;MoS2等
の硫化物;黒鉛;腐食阻止顔料の内、SrCrO4,
BaCrO4,PbCrO4等の難溶性物質;Ni,Cr、ス
テンレス等の難溶性金属粉末;クロメート処理等
により難溶化させたAlや、Zn等の金属粉末;フ
エノール樹脂やエポキシ樹脂等の有機物粒子を指
し、これらを単独もしくは複合で使用できる。 また、耐食性の観点から言えば、SiO2,TiO2,
Al2O3,ZrO2、黒鉛、BaCrO4,PbCrO4,Cr粉
末、Al粉末が特に有効である。 これら微粒子の大きさとしては平均粒径5μ以
下であることが必要であり、5μを超える大きさ
の微粒子では、微粒子がめつき層中に共析し難
い。耐食性、加工性、溶接性といつた総合的な品
質を考慮すると、1μ以下のより微細な粒子が好
ましい。 なお、平均粒径とは、全粒子のうち最も分布量
の大である粒径を意味する。 微粒子の含有率は、耐食性向上を図る上では
0.1重量%以上20重量%以下が好ましい。 下層のマトリツクスめつきは、Zn単独、ある
いはZn系合金めつきである。ここで、Zn系合金
めつきとは、Zn−Ni,Zn−Fe,Zn−Co,Zn−
Fe−Cr,Zn−Ni−Co,Zn−Cr,Zn−Mn,Zn
−Ti,Zn−Sn,Zn−Cu,Zn−Cd,Zn−Pb等を
指す。なお、耐食性を向上させる意味では、Zn
系合金めつきがより有効である。下層のZn系複
合めつきの付着量は、5g/m2以上が好ましい
が、これは5g/m2未満では鋼板に対する防食効
果が得られないためである。 次に、上層〜下層めつき間に形成させる化成皮
膜について述べる。 化成皮膜としては、クロメート皮膜、りん酸塩
皮膜が有効であるが、特に電解クロメート皮膜、
電解りん酸塩皮膜は、電解により皮膜が均一に析
出するためCr又はP付着量100mg/m2以下という
極薄膜でも前述した作用を十分に発揮できる。し
かし、Cr,P共に100mg/m2を超えると、上層Fe
系合金めつきを電析させる際、通電不良を生じ、
析出困難となるか析出しても、上層めつきの密着
性を確保し得ない。なお、化成皮膜量の下限値
は、耐食性の点で、1mg/m2とするのが、望まし
い。クロメート皮膜、りん酸塩皮膜は、それぞれ
単独で利用する以外に、これらを重ね合わせた
り、混合して利用しても差し支えない。 次に、上層のFe系合金めつき中のFe含有率は、
70重量%以上とするのがよいが、これはこの範囲
でりん酸塩皮膜中のphosphophyllite比率が高く
なり、耐水密着性が改善されるからである。 Fe系合金めつきの付着量は、1g/m2以上と
するとよいが、これはカチオン電着塗装の前処理
として通常行われるりん酸塩処理により約1g/
m2表面層が溶解することを考慮すると1g/m2以
上は必要と考えられることと、1g/m2未満では
耐水密着性の向上を望めないためである。 また、Fe系合金めつきとしては、Znが3〜
29重量%、Crが0.1〜1.0重量%のFe−Zn−Cr合
金めつき、Znが3〜30重量%のFe−Zn合金め
つき、Pが0.01〜30重量%のFe−P合金めつき
が有効であり、これは少量のZn,Cr,Pの添加
により、Fe系合金めつきそのものの耐食性が向
上し、上層〜下層めつき間に介在する化成皮膜と
の相乗効果が発揮されるためである。 本発明に基づくめつき構造は、必ずしも鋼板の
両面に対して適用しなければならないというもの
ではなく、用途に応じて片面のみにこの構造を採
用し他の面は、鋼板面のままもしくは、別の構造
を有する面、例えば有機皮膜を上部に有するZn
系複合めつき層とするなどの形で利用してもよ
い。 本発明を適用する素地鋼板は通常ダル仕上げ圧
延をした軟鋼板であるが、ブライト仕上げ圧延を
した軟鋼板や、鋼成分としてMn,S,P等を多
く含んだ高張力鋼板や、Cr,Cu,Ni等を多く含
んだ腐食速度の小さい高耐食性鋼板でも適用可能
である。 以下、実施例をもつて本発明の効果を更に具体
的に説明する。 〔実施例〕 本発明における種々の複層めつき鋼板と、本発
明外のめつき鋼板について、未塗装耐食性、耐水
密着性及び塗装後耐食性の評価試験を行なつた。 第1表には、試験片処理条件、試験条件及び評
価基準を示した。第2表には、第1めつき層(下
層)〜第2めつき層(上層)間の化成皮膜をクロ
メート皮膜としたときの、第3表には化成皮膜を
りん酸塩皮膜したときの実施例をそれぞれ示し
た。 第2表、第3表において、*印のついたNo.は比
較例、その他のNo.は本発明例である。比較例の2
−1,6,10,25及び3−1,6,10,25は、本
発明の要件とする化成皮膜を第1層と第2層の間
に持たないため、未塗装耐食性及び塗装後耐食性
が不良である。 これらに対して、本発明例の化成皮膜を有する
複層めつき鋼板は、何れも明らかに未塗装耐食性
及び塗装後耐食性が向上している。 本発明の内、2−2,3−2は、化成皮膜量が
少なすぎるため、未塗装耐食性及び塗装後耐食性
の向上巾が小さい。2−14及び3−14は第1層の
付着量が少なすぎるため塗装後耐食性の向上巾が
小さい。2−17及び3−17は、第2層の付着量が
少なすぎるため、2−21及び3−21は、第2層中
のFe以外の成分濃度が高すぎるため、それぞれ
耐水密着性がやや不良である。 他の本発明例は、何れも未塗装耐食性、塗装後
耐食性共に、大巾に向上しており、耐水密着性も
良好である。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
以上述べた如く、本発明の複層めつき鋼板は、
未塗装耐食性、塗装後耐食性、耐水密着性に優れ
た高性能の鋼板であり、その実用的価値は誠に大
きい。
未塗装耐食性、塗装後耐食性、耐水密着性に優れ
た高性能の鋼板であり、その実用的価値は誠に大
きい。
第1図は本発明の2層めつき鋼板の構造を表わ
した断面図、第2図は第1層にZn−Ni−SiO2複
合めつき、第2層にFe−Zn合金めつき、第1め
つき層と第2めつき層の間にクロメート皮膜を有
する複層めつき鋼板において、クロメート皮膜の
付着量と、耐食性(腐食減量比率:クロメート付
着量0の腐食減量を基準として、各クロメート付
着量における腐食減量を比率化したもの)との関
係を示した図、第3図は第2図と同様の2層めつ
き鋼板において、クロメート皮膜の付着量と塗装
後耐食性(クロスカツト部の耐赤錆性)との関係
を示した図である。 1……鋼板、2……Zn系複合めつき層、3…
…化成皮膜、4……Fe系合金めつき層。
した断面図、第2図は第1層にZn−Ni−SiO2複
合めつき、第2層にFe−Zn合金めつき、第1め
つき層と第2めつき層の間にクロメート皮膜を有
する複層めつき鋼板において、クロメート皮膜の
付着量と、耐食性(腐食減量比率:クロメート付
着量0の腐食減量を基準として、各クロメート付
着量における腐食減量を比率化したもの)との関
係を示した図、第3図は第2図と同様の2層めつ
き鋼板において、クロメート皮膜の付着量と塗装
後耐食性(クロスカツト部の耐赤錆性)との関係
を示した図である。 1……鋼板、2……Zn系複合めつき層、3…
…化成皮膜、4……Fe系合金めつき層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鋼板の少なくとも片面に、鋼板表面より、第
1めつき層として平均粒径5μ以下の微粒子を含
有するZnもしくはZn系合金めつきからなるZn系
複合めつき層を形成し、該めつき層の上に化成皮
膜を形成して、さらに第2めつき層としてFe系
合金めつき層を形成したことを特徴とする高耐食
性複層めつき鋼板。 2 化成皮膜がCr付着量100mg/m2以下のクロメ
ート皮膜である特許請求の範囲第1項記載の高耐
食性複層めつき鋼板。 3 化成皮膜がP付着量100mg/m2以下のりん酸
塩皮膜である特許請求の範囲第1項記載の高耐食
性複層めつき鋼板。 4 第1めつき層が、微粒子としてSiO2,TiO2,
Al2O3,ZrO2,黒鉛,BaCrO4,PbCrO4,Cr粉
末,Al粉末のうち1種もしくは2種以上を総量
で0.1〜20重量%含有する付着量5g/m2以上の
Zn系複合めつき層である特許請求の範囲第1項
記載の高耐食性複層めつき鋼板。 5 第2めつき層がFeを70重量%以上含有する
付着量1g/m2以上のFe系合金めつき層である
特許請求の範囲第1項記載の高耐食性複層めつき
鋼板。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61-110119 | 1986-05-14 | ||
| JP11011986 | 1986-05-14 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63105979A JPS63105979A (ja) | 1988-05-11 |
| JPH0510432B2 true JPH0510432B2 (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=14527515
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11629387A Granted JPS63105993A (ja) | 1986-05-14 | 1987-05-13 | 高耐食性複層めつき鋼板 |
| JP11629287A Granted JPS63105979A (ja) | 1986-05-14 | 1987-05-13 | 高耐食性複層めつき鋼板 |
Family Applications Before (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11629387A Granted JPS63105993A (ja) | 1986-05-14 | 1987-05-13 | 高耐食性複層めつき鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (2) | JPS63105993A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6408281B2 (ja) * | 2014-07-31 | 2018-10-17 | 株式会社ブリヂストン | ゴム物品補強用スチールワイヤの製造方法 |
-
1987
- 1987-05-13 JP JP11629387A patent/JPS63105993A/ja active Granted
- 1987-05-13 JP JP11629287A patent/JPS63105979A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63105979A (ja) | 1988-05-11 |
| JPH028035B2 (ja) | 1990-02-22 |
| JPS63105993A (ja) | 1988-05-11 |
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