JPH05125186A - ポリフエニレンスルフイドの製造方法 - Google Patents

ポリフエニレンスルフイドの製造方法

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JPH05125186A
JPH05125186A JP3293166A JP29316691A JPH05125186A JP H05125186 A JPH05125186 A JP H05125186A JP 3293166 A JP3293166 A JP 3293166A JP 29316691 A JP29316691 A JP 29316691A JP H05125186 A JPH05125186 A JP H05125186A
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健次 喜田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出の際、口金部分に付着する低分子量が少
なく、口金汚れの少ない製膜性の良好なPPSの製造方
法を提供する。 【構成】 温度315.6℃でのメルトインデックスが
0.5g/10分以上200g/10分以下であるポリ
フェニレンスルフィドを、酸素分圧が20mmHg以下
の不活性雰囲気下、200℃以上融点以下の温度範囲で
熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出時口金汚れの少な
いポリフェニレンスルフィドの製造方法に関するもので
あり、更に詳しくは、酸素のない不活性雰囲気下、比較
的高温で加熱し口金汚れの原因となる低分子量物が減少
したポリフェニレンスルフィドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド(以下PPS
と略すことがある)、特にポリ−p−フェニレンスルフ
ィドは、優れた機械的性質、熱的性質、電気的性質など
によりコンデンサの誘電体、電気絶縁材料、電子部品、
音響振動板、離型材などに使用されている。
【0003】しかしながら、通常工業的に行なわれてい
る方法でPPSを製造すると、低分子量物の混入が避け
られず、該低分子量物は押出成形の際、口金部分に付着
し、例えば、2軸延伸フィルムを製造する場合、製膜性
を著しく低下させるという問題があった。すなわち、口
金部分に付着した低分子量物が、押出シートに付着し、
2軸延伸の際破れの原因となったり、また、付着物を除
去するために、たびたび製膜機を停止させて口金部分の
清掃を行なう必要があった。
【0004】このようなPPS中の低分子量物を除去す
る方法としてポリマを有機溶媒で洗浄する方法(特開昭
59−6221号公報、特願昭63−72980号公
報)、減圧下に重合で使用した溶媒を除去する方法(特
開昭59−89327号公報)が提案されているが、い
まだ不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPPSの上記の欠点を解消し、押出の際、口金部分に
付着する低分子量物が少なく、口金汚れの少ない製膜性
の良好なPPSの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、温度315.6℃でのメルトインデッ
クスが0.5g/10分以上200g/10分以下であ
るポリフェニレンスルフィドを、酸素分圧が20mmH
g以下の不活性雰囲気下、200℃以上融点以下の温度
範囲で熱処理することを特徴とするポリフェニレンスル
フィドの製造方法、とするものである。
【0007】本発明で言うポリフェニレンスルフィドと
は、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主たる対象と
し、p−フェニレンスルフィド単位が70モル%以上存
在するものが好ましい。より好ましくは、90モル%以
上がp−フェニレンスルフィド単位であるものである。
かかる単位が30モル%未満であれば、例えば、
【0008】
【化1】
【0009】などを共重合成分として含有することは差
し支えないが、これらの共重合成分は10モル%以下で
あることがより好ましい。特に、
【0010】
【化2】
【0011】等の3官能単位以上の多官能共重合成分は
2モル%以下が好ましい。
【0012】本発明で用いられる出発原料のPPSは、
従来公知の方法、すなわち、硫化アルカリとp−ジハロ
ベンゼンを極性溶媒中で高温高圧下に反応させることに
よって得ることができる。特に、硫化ナトリウムとp−
ジクロルベンゼンをN−メチルピロリドン等のアミド系
高沸点溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重
合度を調整するために、苛性アルカリ、カルボン酸アル
カリ金属塩などのいわゆる重合助剤を添加して、230
℃〜280℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内
の圧力及び重合時間は、使用する助剤の種類や量及び所
望する重合度などによって適宜決定される。
【0013】最終的に得られるフィルムの電気絶縁性能
の維持のためには、重合したポリマ(一般に粉末状)
を、金属イオンを含まない水や有機溶媒で洗浄し、重合
中の副生塩、重合助剤等を除去し、イオン性キャリア濃
度を十分小さくしておくことが好ましい。この場合、ポ
リマ中の総無機分は5000ppm以下、カルシウム1
000ppm以下、ナトリウム500ppm以下が好ま
しい。
【0014】ポリマが粉末状である場合には、予め2軸
押出機を用いてガット状に押出し、ペレット化しておく
こともできる。また、この際に、酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、核形成剤、紫外線吸収剤、着色剤等を配合す
ることもできる。
【0015】熱処理に用いるPPSの、温度315.6
℃でのメルトインデックスは、0.5g/10分以上、
200g/10分以下であることが必要である。好まし
くは、5g/10分以上150g/10分以下、より好
ましくは10g/10分以上、120g/10分以下で
ある。メルトインデックスが0.5g/10分より小さ
いと、押出が困難となるため好ましくない。一方、20
0g/10分を越える場合には、フィルムなどに押出し
た際に厚みの均一性が劣るため好ましくない。
【0016】本発明において、熱処理温度は200℃以
上PPSの融点以下までである。好ましくは220℃以
上、PPSの融点より5℃低い温度まで、さらに好まし
くは、230℃以上、PPSの融点より5℃低い温度ま
でである。熱処理温度が200℃より低いと、口金汚れ
を引き起こす低分子量物を減少させることが困難であり
好ましくない。一方、融点を越えると溶融してしまい装
置への付着が起こること、熱劣化が大きくなることから
好ましくない。また、溶融状態であると低分子量物の低
減効果が小さくなるため固相状態で行なう必要がある。
【0017】本発明において、熱処理を行なう雰囲気
は、酸素分圧が20mmHg以下の不活性雰囲気とする
必要がある。好ましくは酸素分圧が10mmHg以下、
より好ましくは、5mmHg以下である。酸素分圧が2
0mmHgを越える雰囲気で熱処理を実施すると、PP
Sの酸化架橋が起こり、成形品としたとき脆くなるため
好ましくない。不活性雰囲気とするのは、PPSと化学
的に不活性な気体により空気を置換すると同時に低分子
量物を系外に除去するためであり、一般的には、減圧に
するか経済的に安価な窒素気流を用いるのが好ましい。
もちろん、全圧力は、酸素分圧が20mmHg以下であ
るかぎりいかなる圧力でもよい。
【0018】本発明に於いて、さらにPPSの熱処理前
のメルトインデックスη0 と熱処理後のメルトインデッ
クスηの差(η−η0 )が、 −30≦100×(η−η0 )/η0 ≦30 (1) の範囲となるように熱処理を行なうことが好ましい。P
PSのメルトインデックスは、ポリマの重合度、末端
基、枝分かれの程度で変化し、これらは加熱処理に用い
る装置の形式、処理温度、時間、雰囲気等の操作条件で
変化する。しかし、本発明で規定する酸素分圧の範囲に
おいては、熱処理を行なってもポリマのメルトインデッ
クスの変化を小さくすることができる。加熱温度、圧力
を前述の範囲内とするほか、加熱時間としては通常、3
0分以上10時間以下が好ましい。
【0019】本発明に用いる加熱処理装置としては、P
PSを均一に加熱できるものが好ましい。具体的には、
回転型乾燥機、流動床型乾燥機や種々の撹拌翼を有する
乾燥機などを用いることができる。
【0020】加熱処理におけるPPSの形状は、粉末状
であってもペレット状であってもよいが、取り扱いのし
易さからガット状が好ましい。また、一旦フィルム化し
た後のフィルム屑を細断したものであってもよい。
【0021】さらに、本発明において熱処理に供するP
PSは、熱処理時に融着してしまうことを避けるため結
晶化していることが好ましく、結晶化度として30%以
上、さらに好ましくは35%以上である。
【0022】以上詳述したように本発明によれば、メル
トインデックスを著しく変化させることなく口金汚れの
原因となる低分子量物を減少させたPPSをえることが
できる。
【0023】
【実施例】以下では、本発明を実施例により、さらに詳
細に説明する。なお、評価は次の方法で行なった。
【0024】(1)強度、伸度 テンシロン型引っ張り試験機により、幅10mm、試長
50mmのサンプルの破断強度、破断伸度を求めn=5
の平均値として算出した。
【0025】(2)メルトインデックス ASTM D−1238−70に従って荷重5kg、3
15.6℃で測定し、g/10分単位で表わした値。
【0026】(3)融点 示差走査熱量計(DSC−2型)を用いて測定した。
【0027】(4)結晶化度 ポリマの密度を臭化リチウム水溶液を用いて密度勾配管
により求め、結晶化度(Xc)は、その密度を用いて密
度法により求めた。すなわち、密度は一般的に用いられ
る次の式より求められる。 (100/d)=(Xc/dcr)+[(100−Xc)/dam} (2) 式(2)においてd、dcrおよびdamはそれぞれ試
料の密度、結晶相の密度および非晶相の密度である。こ
こで、dcr、damはEur.Poly.J.,7,
1127(1971)に記載されている値を用いた。す
なわち、dcr=1.43g/cm3 、dam=1.3
2g/cm3 である。
【0028】(5)口金汚れ 製膜時の口金付近の低分子量物の付着量およびそれに起
因するフィルム破れの発生状況から次の基準に従い判定
した。 ○:10時間製膜後でも、口金への付着がほとんどなく
フィルム破れが起こらない。 △:10時間製膜後で、口金の付着物があり、その間フ
ィルム破れがときおり起こる。 ×:数時間の製膜で口金に多量の付着物があり、フィル
ム破れが頻発し、製膜の続行のため口金清掃を実施し
た。
【0029】実施例1 (1)PPSの製造 オートクレーブに、100モルの硫化ナトリウム9水
塩、45モルの酢酸ナトリウム及び25リットルのN−
メチルピロリドン(以下、NMPと略称する)を仕込
み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、含有され
ている水分を蒸留により除去した。
【0030】脱水の終了した系内へ101モルのp−ジ
クロルベンゼンおよびNMP8リットルを加え、170
℃で窒素を3kg/cm2 に加圧封入後、昇温し、26
0℃にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中
にポリマを沈澱させ、150メッシュ目開きを有する金
網によって、小塊状ポリマを採取した。
【0031】このポリマを90℃の蒸留水により5回洗
浄した後、減圧下120℃にて乾燥して、融点が283
℃の白色粒状のPPSを得た。
【0032】(2)PPSのペレタイズ 次いで、得られた粒状PPSに平均粒径1.2μmの炭
酸カルシウムをPPSに対して0.7重量%となるよう
配合し、2軸混練機で320℃にて溶融混練し、ストラ
ンドより吐出、切断して2〜3mm径、3〜4mm長さ
のPPSぺレットとした。
【0033】(3)PPSの熱処理 前記(2)で得られたPPSのペレットを180℃、1
0mmHg以下の減圧下2時間乾燥し予備結晶化させ
た。得られたPPSペレットの結晶化度は40%であっ
た。次いでこのペレットを回転型乾燥機に仕込み、減
圧、窒素封入を繰り返して窒素で置換した後、温度24
0℃、酸素分圧1mmHg(全圧5mmHg)で4時間
熱処理した。熱処理後のPPSペレットのメルトインデ
ックスは70g/10分であった。
【0034】(4)製膜 前記(3)で得られたPPSペレットをエクストルーダ
に供給し、続いて設けられたTダイ型口金より吐出させ
冷却回転ドラムで急冷し、実質的に非晶の厚さ55μm
のPPSシートを得た。
【0035】次いで、該シートを表面温度95℃の複数
の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロール群の次に設け
られた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で長手方
向に3.7倍延伸した。この1軸延伸シートをテンター
を用いて長手と直交方向に100℃で3.7倍延伸し、
続いて260℃10秒間熱処理し、厚み4μmの2軸延
伸PPSフィルムを得た。本製膜において、10時間の
間に1度のフィルム破れも起こらず、また、10時間後
での口金部分の付着物はほとんどなく、汚れは極めて少
なかった。また、得られたフィルムの機械特性も良好で
あった。
【0036】熱処理条件、製膜結果および得られたフィ
ルムの特性を一覧表にして表1に示した。
【0037】実施例2〜6、比較例1〜3 熱処理条件を表1に示したように変更すること以外は実
施例1と同様にして、PPSの製造、熱処理および製膜
を行ない2軸延伸PPSフィルムを得た。製膜結果およ
び得られた2軸延伸PPSフィルムの特性を表1に合わ
せて示したが、本発明の方法によれば、製膜時の口金汚
れが低減し、さらに得られたフィルムの機械的特性も良
好であることがわかる。
【0038】比較例4 実施例1の(1)で得られた白色粒状PPSを、重量で
5倍量のNMPを用いて70℃で30分間撹拌しその後
ろ過する操作を3回繰り返し、さらに熱湯で8回洗浄
し、真空乾燥機を用いて150℃で乾燥した。得られた
ポリマの融点は、284℃であった。
【0039】次いで、得られた粒状PPSに平均粒径
1.2μmの炭酸カルシウムをPPSに対して0.7重
量%となるよう配合し、2軸混練機で320℃にて溶融
混練し、ストランドより吐出、切断して2〜3mm径、
3〜4mm長さのPPSのペレットとした。
【0040】得られたPPSのペレットを180℃、1
0mmHg以下の減圧下で2時間乾燥した。得られたP
PSペレットの結晶化度は40%であった。
【0041】次に、得られたPPSペレットをエクスト
ルーダに供給し、続いて設けられたTダイ型口金より吐
出させ冷却回転ドラムで急冷し、実質的に非晶の厚さ5
5μmのPPSシートを得た。
【0042】次いで、該シートを表面温度95℃の複数
の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロール群の次に設け
られた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で長手方
向に3.7倍延伸した。この1軸延伸シートをテンター
を用いて長手と直交方向に100℃で3.7倍延伸し、
続いて260℃10秒間熱処理し、厚み4μmの2軸延
伸PPSフィルムを得た。
【0043】6時間製膜したところでフィルム破れが頻
発したため口金部分の清掃を行なったがその後も4回の
フィルム破れが起こった。
【0044】熱処理条件、製膜結果および得られたフィ
ルムの特性を一覧表にして表1に示した。
【0045】実施例7、8、比較例5 重合時間を変更する以外は実施例1の(1)と同様に重
合を行ない、メルトインデックスの異なる粒状PPSを
得た。得られたPPSを用いて、実施例1の(2)〜
(4)と同様にして2軸延伸PPSフィルムを製造し
た。結果を表1に表わしたが、本発明の方法によれば、
口金汚れしにくく、フィルム破れが起こらないことがわ
かる。
【0046】実施例9 減圧下で熱処理するかわりに流量2m3 /時間の窒素気
流中(酸素分圧1mmHg以下)で熱処理を実施した以
外は実施例1と同様にPPSの製造、ペレタイズ、熱処
理、製膜を行なった。フィルム破れは起こらず、口金の
汚れもすくなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によって得られたPPSは、口金
汚れの原因となる低分子量物が減少しているため、製膜
時の破れが減少し、そのため口金を清掃する頻度が少な
くてもすみ、製膜性が著しく向上するという特長をも
つ。
【0049】以上のように本発明の方法で得られたPP
Sは、溶融押出しして未延伸シートや1軸延伸、2軸延
伸してフィルムにする場合、特に有効に活用できる。ま
た、低分子量物が少ないため、得られたフィルムは、電
気特性、機械特性などに優れるばかりか、これらの特性
の均一性にも優れており、モータ、トランスなど電気絶
縁材料、コンデンサの誘電体、各種の離型材料、回路基
板に好適に用いられる。さらに、繊維その他成形材料の
分野にも有効に適用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度315.6℃でのメルトインデック
    スが0.5g/10分以上200g/10分以下である
    ポリフェニレンスルフィドを、酸素分圧が20mmHg
    以下の不活性雰囲気下、200℃以上融点以下の温度範
    囲で熱処理することを特徴とするポリフェニレンスルフ
    ィドの製造方法。
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