JPH05128496A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

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JPH05128496A
JPH05128496A JP29348091A JP29348091A JPH05128496A JP H05128496 A JPH05128496 A JP H05128496A JP 29348091 A JP29348091 A JP 29348091A JP 29348091 A JP29348091 A JP 29348091A JP H05128496 A JPH05128496 A JP H05128496A
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magnetic
layer
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coating material
acid
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JP29348091A
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Hideki Takahashi
秀樹 高橋
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
Seiichi Tobisawa
飛沢  誠一
Hajime Takeuchi
肇 竹内
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Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
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Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 磁性層の表面粗れを少なくし、電磁変換特性
を改良した磁気記録媒体およびその製造方法を提供する
こと。 【構成】 上層の磁性層を形成する上層用磁性塗料と上
層に隣接する下層の磁性層を形成する下層用磁性塗料と
のそれぞれの流動曲線を下式にフィッティングした場合
に、ベキ乗数nの差が0.1以下で、かつ粘性係数Kの
差が1.0以下になるように調整された下層用磁性塗料
および上層用磁性塗料を非磁性支持体上に重層塗布する
ことにより複数の磁性層を積層してなることを特徴とす
る磁気記録媒体であり、 σ=Kγn ただし、σ:ずり応力(Pa ) γ:ずり速度(S-1) かかる磁気記録媒体は、下層用磁性塗料の上に上層用磁
性塗料を塗布することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体およびその
製造方法に関し、さらに詳しくは、複数の磁性層を重層
塗布により非磁性支持体上に形成する際、磁性層の面荒
れを防止することによって電磁変換特性を改良した磁気
記録媒体および流動曲線に関して一定の関係を有する下
層用磁性塗料および上層用磁性塗料を重層塗布すること
により電磁変換特性を改良した磁気記録媒体を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ビデオテ
ープ等の従来の磁気記録媒体においては、記録される信
号の深さが信号の種類によって異なるので、それぞれの
信号に適した磁性層で構成される重層構造の磁気記録媒
体が好ましいとされてきた。この重層構造の磁気記録媒
体の製造はウエットオンウエット方式の重層塗布による
のが好ましいが、隣り合う塗料の液物性に差があると、
磁性層の表面性が悪化し、走行性や電磁変換特性が劣化
してしまう。
【0003】このような問題点を解決するために、様々
な技術が開発されている。例えば、特開平2−1053
31号公報には、各磁性層の磁性塗料の表面張力を特定
する技術が開示されているが、この技術では各磁性塗料
に含まれる磁性粉の種類が異なると、磁性層の表面性の
改善は十分ではない。また、特開平2−101627号
公報では、結合剤の種類や配合量を特定しているが、金
属系磁性粉または六方晶系磁性粉を用いると、磁性層の
表面性を改善することはできない。特開昭64−863
21号公報には、上下磁性層において磁性塗料中の溶剤
の蒸発速度指数を特定する技術が開示されているが、こ
の技術は、上下磁性層間に働く強い相互作用によって溶
剤が乾燥する前に凝集が始まってしまうような系では、
ほとんど効果がない。
【0004】本発明は前記事情に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、複数の磁性層を重
層塗布により非磁性支持体上に形成する際、磁性層の面
粗れを確実に防止することによって電磁変換特性を改良
した磁気記録媒体を提供することにある。
【0005】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための本発明は、上層の磁性層を形成する上層用磁性塗
料と前記上層に隣接する下層の磁性層を形成する下層用
磁性塗料とのそれぞれの流動曲線を下式にフィッティン
グした場合に、ベキ乗数nの差が0.1以下で、かつ粘
性係数Kの差が1.0以下になるように調整された下層
用磁性塗料および上層用磁性塗料を非磁性支持体上に重
層塗布することにより複数の磁性層を積層してなること
を特徴とする磁気記録媒体である。 σ=Kγn ただし、σ:ずり応力(Pa ) γ:ずり速度(S-1)。
【0006】前記構成の磁気記録媒体は、本願発明の製
法方法により製造され、その製造方法は、非磁性支持体
上に磁性塗料を重層塗布することにより重層の磁性層を
有する磁気記録媒体の製造方法において、上層の磁性層
を形成する上層用磁性塗料と前記上層に隣接する下層の
磁性層を形成する下層用磁性塗料とのそれぞれの流動曲
線を請求項1に記載の式にフィッティングした場合に、
ベキ乗数nの差が0.1以下で、かつ粘性係数Kの差が
1.0以下になるように調整され、かつ塗布された下層
用磁性塗料の上に上層用磁性塗料を塗布することを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。 (I)磁気記録媒体 本発明の磁気記録媒体は、基本的に、非磁性支持体の表
面に複数の磁性層が重層塗布により形成されたなる積層
構造体である。 −非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。
【0008】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。非磁性支持体の厚み
には特に制約はないが、たとえばフィルム状やシート状
の場合は通常3〜100μm、好ましくは5〜50μm
であり、ディスクやカード状の場合は30μm〜10m
m程度、ドラム状の場合はレコーダー等に応じて適宜に
選択される。
【0009】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。なお、非磁性支持体上
の磁性層が設けられていない面(裏面)には、磁気記録
媒体の走行性の向上、帯電防止および転写防止などを目
的として、バックコート層を設けるのが好ましく、また
磁性層と非磁性支持体との間には、下引き層を設けるこ
ともできる。
【0010】−上層の磁性層における磁性粉− 上層の磁性層は、磁性粉と後述する結合剤と適宜に用い
られる任意成分とを含有する。本発明では、上層用の磁
性粉として従来から磁気記録媒体の分野で公知の磁性粉
を用いることが可能であるが、好ましいのはバリウムフ
ェライト磁性粉である。
【0011】バリウムフェライト磁性粉としては種々の
ものを用いることができるが、本発明にとって好ましい
バリウムフェライト磁性粉は、Ba−フェライト粉の、
Feの一部が少なくともCoおよびZnで置換された平
均粒径(六方晶系フェライトの板面の対角線の高さ)4
00〜900Å、板状比(六方晶系フェライトの板面の
対角線の長さを板厚で除した値)2.0〜10.0、保
磁力(Hc)350〜2,000のBa−フェライトを
挙げることができる。
【0012】Ba−フェライト粉は、FeをCoで一部
置換することにより、保磁力が適正な値に制御されてお
り、さらにZnで一部置換することにより、Co置換の
みでは得られない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力
を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。また、さらにFeの一部をNbで置換するこ
とにより、より高い再生出力を有する電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。また、本発明に
用いられるBa−フェライトは、さらにFeの一部がT
i、In、 Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属で置換
されていても良い。
【0013】なお、本発明に使用するBa−フェライト
を一般式BaO・n[(Fe1-mm23 ](ただ
し、Mは置換金属を表す。m>0.36(ただし、Co
+Zn=0.08〜0.3、Co/Zn=0.5〜1
0) )で表したとき、nが5.4〜6.0であって、M
は平均個数が3となる2種以上の元素の組合せになる磁
性粒子が好ましい。
【0014】本発明において、Ba−フェライトの平均
粒径、板状比、保磁力が前記範囲内にあると好ましいと
するその理由は、次のようである。すなわち、平均粒径
400Å未満の場合は、磁気記録媒体としたときの再生
出力が不十分となることがあり、逆に900Åを越える
と、磁気記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化
し、ノイズレベルが高くなりすぎることがあり、また、
板状比が2.0未満では、磁気記録媒体としたときに高
密度記録に適した垂直配向率が得られず、逆に板状比が
10.0を越えると磁気記録媒体としたときの表面平滑
性が著しく悪化し、ノイズレベルが高くなりすぎ、さら
に、保磁力が350 Oe未満の場合には、記録信号の
保持が困難になり、2000 Oeを越えると、ヘッド
限界が飽和減少を起こし記録が困難になることがあるか
らである。
【0015】本発明に用いられるバリウムフェライト磁
性粉は、磁気特性である飽和磁化量(σS )が通常、6
0emu/g以上であることが望ましい。この飽和磁化
量が60emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化
することがあるからである。さらに本発明においては、
記録の高密度化に応じて、BET法による比表面積が4
0m2 /g以上のBa−フェライト磁性粉を用いること
が望ましい。
【0016】本発明に用いられるBa−フェライトの好
ましい一具体例としては、Co−置換Baフェライト
[Hc: 1100 Oe、BET:40m2 /g、 σ
s : 64、 板状比:4]を挙げることができる。なお、
BET法による比表面積ならびにその測定方法について
は、「粉体の測定」(J.M.Dallavelle,
ClyeorrJr共著、牟田その他訳;産業図書社
刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編P11
70〜1171(日本化学会編;丸善( 株)昭和41年
4月30日発行)にも記載されている。
【0017】比表面積の測定は、たとえば粉末を105
℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着
されているもの除去し、その後、この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/m2 に設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行なう。測定装置はたとえばカウンターソープ[湯浅
アイオニクス( 株)製]を使用する。本発明に好ましく
用いられる六方晶系の磁性粉を製造する方法としては、
たとえば目的とするBa−フェライトを形成するのに必
要な各元素の酸化物、炭酸化物を、たとえばホウ酸のよ
うなガラス形成物質とともに溶融し、得られた融液を急
冷してガラスを形成し、ついでこのガラスを所定温度で
熱処理して目的とするBa−フェライトの結晶粉を析出
させ、最後にガラス成分を熱処理によって除去するとい
う方法のガラス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成
法、フラックス法、アルコキシド法、プラズマジェット
法等が適用可能である。
【0018】−下層の磁性層における磁性粉− 下層の磁性層は、磁性粉と後述する結合剤と適宜に用い
られる任意成分とを含有する。この下層用の磁性粉とし
ては、従来から磁気記録媒体の分野で公知の磁性粉を用
いることが可能であるが、好ましいのはコバルト含有酸
化鉄系磁性粉である。コバルト含有酸化鉄系磁性粉とし
ては、例えば、Co含有γ−Fe23 、Co被着γ−
Fe23 、Co含有Fe34、、Co被着Fe3
4 、Co含有磁性FeOX (4/3<x<3/2)等が
挙げられる。これらの中でも、本発明の磁気記録媒体に
好ましいのは、Co含有磁性FeOX(4/3<x<3
/2)粉末である。
【0019】本発明において下層の磁性層に好ましく用
いられるコバルト含有酸化鉄系磁性粉の具体例として
は、Co−γFe23[Hc:800 Oe、 BET値
50m2 /g]を挙げることができる。本発明において
は、記録の高密度化に応じて、BET法による比表面積
で45m2 /g以上の強磁性粉が好ましく用いられる。
【0020】−磁性層に使用される結合剤− 本発明における磁性層を形成するのに使用される結合剤
としては、例えば、塩化ビニル系共重合体などの塩化ビ
ニル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどが代表的
なものであり、これらの樹脂は−SO3 M、−OSO3
M、−COOMおよび−P(=O)(OM12 から選
ばれた少なくとも一種の極性基を有する繰り返し単位を
含むことが好ましい。ただし、上記極性基において、M
は水素原子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を
表わし、またM1 は水素原子、Na、K、Li等のアル
カリ原子あるいはアルキル基を表わす。
【0021】上記極性基は磁性粉の分散性を向上させる
作用があり、各樹脂中の含有率は通常0.1〜8.0モ
ル%、好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含
有率が0.1モル%未満であると、磁性粉の分散性が低
下し、また含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料
がゲル化し易くなることがある。なお、前記各樹脂の重
量平均分子量は、15,000〜50,000の範囲内
にあるのが好ましい。
【0022】結合剤の磁性層における含有率は、磁性粉
100重量部に対して通常、5〜40重量部、好ましく
は10〜30重量部である。結合剤は一種単独に限ら
ず、二種以上を組み合わせて用いることができるが、こ
の場合、ポリウレタンおよび/またはポリエステルと塩
化ビニル系樹脂との比は、重量比で通常、90:10〜1
0:90であり、好ましくは70:30〜30:70の
範囲である。
【0023】本発明に結合剤として用いられる極性基含
有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体と
下記の極性基および塩素原子を有する化合物との付加反
応により合成することができる。 Cl−CH2 CH2SO3M 、 Cl−CH2CH2OSO3M 、 Cl−CH2CO
OM 、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物からClCH2 CH2 SO3 Naを例に
とり、上記反応を説明すると、次のようになる。
【0024】 −[CH2-C(OH)H\n −+ ClCH2CH2SO3Na → - [CH2C(OCH2CH2SO3Na)H\n- また、極性基含有塩化ビニル系共重合体は、極性基を含
む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反応性
モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に仕込
み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO(ベンゾイル
パーオキシド)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリ
ル)等のラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤、
カチオン重合開始剤などを用いて重合反応を行なうこと
により、得ることができる。
【0025】スルホン酸またはその塩を導入するための
反応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレ
ンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸およびこれ
らの塩を挙げることができる。カルボン酸もしくはその
塩を導入するときは、たとえば(メタ)アクリル酸やマ
レイン酸等を用い、リン酸もしくはその塩を導入すると
きは、たとえば(メタ)アクリル酸−2−リン酸エステ
ルを用いればよい。
【0026】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。エポキシ基を導入
する場合、エポキシ基を有する繰り返し単位の共重合体
中における含有率は、1〜30モル%が好ましく、1〜
20モル%がより好ましい。エポキシ基を導入するため
のモノマーとしては、たとえばグリシジルアクリレート
が好ましい。
【0027】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、特開昭57−44227号、同5
8−108052号、同59−8127号、同60−1
01161号、同60−235814号、同60−23
8306号、同60−238371号、同62−121
923号、同62−146432号、同62−1464
33号等の公報に記載があり、本発明においてもこれら
を利用することができる。
【0028】次に、本発明に用いるポリエステルとポリ
ウレタンの合成について述べる。一般に、ポリエステル
はポリオールと多塩基酸との反応により得られる。この
公知の方法を利用して、ポリオールと一部に極性基を有
する多塩基酸から、極性基を有するポリエステル(ポリ
オール)を合成することができる。極性基を有する多塩
基酸の例としては、5−スルホイソフタル酸、2−スル
ホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、3−スルホ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸ジアルキル、2−ス
ルホイソフタル酸ジアルキル、4−スルホイソフタル酸
ジアルキル、3−スルホイソフタル酸ジアルキルおよび
これらのナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができ
る。
【0029】ポリオ−ルの例としては、トリメチロ−ル
プロパン、ヘキサントリオ−ル、グリセリン、トリメチ
ロ−ルエタン、ネオペンチルグリコ−ル、ペンタエリス
リト−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等を挙げることができ
る。
【0030】なお、他の極性基を導入したポリエステル
も公知の方法で合成することができる。次に、ポリウレ
タンに付いて述べる。これは、ポリオールとポリイソシ
アネートとの反応から得られる。ポリオールとしては、
一般にポリオールと多塩基酸との反応によって得られる
ポリエステルポリオールが使用されている。したがっ
て、極性基を有するポリエステルポリオールを原料とし
て利用すれば、極性基を有するポリウレタンを合成する
ことができる。ポリイソシアネートの例としては、ジフ
ェニルメタン−4−4′−ジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシア
ネート(TODI)、リジンイソシアネートメチルエス
テル(LDI)等が挙げられる。
【0031】また、極性基を有するポリウレタンの他の
合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極性基
および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応も有
効である。 Cl−CH2 CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO2M、 Cl−CH2COOM
、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2。 なお、ポリウレタンへの極性基の導入技術に関しては、
特公昭58−41565号、特開昭57−92422
号、同57−92423号、同59−8127号、同5
9−5423号、同59−5424号、同62−121
923号等の公報に記載があり、本発明においてもこれ
らを利用することができる。
【0032】本発明においては、結合剤として下記の樹
脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用すること
ができる。その樹脂としては、重量平均分子量が10,
000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロース
等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム
系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリ
ル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂などが挙げられる。
【0033】−磁性層中の任意成分− 本発明では、硬化剤として芳香族または脂肪族ポリイソ
シアネートを前記結合剤と併用することが好ましい。芳
香族ポリイソシアネートとしては、たとえばトリレンジ
イソシアネート(TDI)およびこれと活性水素化合物
との付加体などがあり、平均分子量100〜3,000
の範囲のものが好ましい。
【0034】脂肪族ポリイソシアネートとしては、たと
えばヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およ
びこれと活性水素化合物との付加体などがあり、平均分
子量100〜3000の範囲のものが好ましく、さらに非脂環
式のポリイソシアネートおよびこれと活性水素化合物と
の付加体が好ましい。前記芳香族または脂肪族ポリイソ
シアネートの添加量は、前記結合剤に対して重量比で通
常1/20〜7/10、好ましくは1/10〜1/2で
ある。
【0035】さらに、ジイソシアネートを原料とするウ
レタン硬化剤の商品名を挙げると、次のとおりである。
まず、ウレタン結合を持つタイプであって、TDIを原
料とするウレタン硬化剤の商品名としては、マイテック
GP105A、GP302A;コロネートL、304
1;タケネートD−102、D−103H、D−10
4;バーノックD750;スミジュールL;AD−30
などがあり、IPDI(イソホロンジイソシアネート)
を原料とするウレタン硬化剤の商品名としては、マイテ
ックNY210A、NY215A、NY220A;タケ
ネートD−140N;デスモジュールZ−4167、Z
−4273などがあり、HMDI(ヘキサメチレンジイ
ソシアネート)を原料とするウレタン硬化剤の商品名と
しては、コロネートHL、バーノックD−950などが
あり、XDI(キシリレンジイソシアネート)を原料と
するウレタン硬化剤の商品名としては、タケネートD−
110Nなどがあり、H6 XDI[1,4−シクロヘキ
サンビス(メチルイソシアネート)]を原料とするウレ
タン硬化剤の商品名としては、タケネートD120N、
タケネートD−123などがある。
【0036】次に、ビュレット結合を有するタイプであ
って、HMDIを原料とするウレタン硬化剤の商品名と
しては、スミジュールN−75、デスモジュールN−7
5、デュラネート24A100などを挙げることができ
る。次に、イソシアヌレート環を有するタイプであっ
て、TDIを原料とするウレタン硬化剤の商品名として
は、マイテックGP700A、GP750A、GP76
0A、GP770A;コロネート2030、2031、
2071;タケネートD−202、D−204、D−2
12、D−215;スミジュールIL、FL;バーノッ
クD−800などがあり、IPDIを原料とするウレタ
ン硬化剤の商品名としてはデスモジュールZ−437
0、T−1890などがあり、HMDIを原料とするウ
レタン硬化剤の商品名としてはコロネートEHなどがあ
り、TDIとHMDIとの混合物を原料とするウレタン
硬化剤の商品名としては、デスモジュールHLなどがあ
る。
【0037】本発明では磁性層の品質の向上を図るた
め、耐久性向上剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帶電防止
剤および充填剤などの添加剤をその他の成分として含有
させることができる。耐久性向上剤としては、ポリイソ
シアネートを挙げることができ、ポリイソシアネートと
しては、たとえばTDI等と活性水素化合物との付加体
などの芳香族ポリイソシアネートと、HMDI等と活性
水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネート
がある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均分子
量は、100〜3,000の範囲にあることが望まし
い。
【0038】分散剤としては、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。
【0039】これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対し
て0.5〜5重量%の範囲で用いられる。潤滑剤として
は、脂肪酸および/または脂肪酸エステルを使用するこ
とができる。この場合、脂肪酸の添加量は磁性粉に対し
0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がよ
り好ましい。添加量が0.2重量%未満であると、走行
性が低下し易く、また10重量%を超えると、脂肪酸が
磁性層の表面にしみ出したり、出力低下が生じ易くな
る。また、脂肪酸エステルの添加量も強磁性粉に対して
0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がよ
り好ましい。その添加量が0.2重量%未満であると、
スチル耐久性が劣化し易く、また10重量%を超える
と、脂肪酸エステルが磁性層の表面にしみ出したり、出
力低下が生じ易くなる。脂肪酸と脂肪酸エステルとを併
用して潤滑効果をより高めたい場合には、脂肪酸と脂肪
酸エステルは重量比で10:90〜90:10が好まし
い。
【0040】脂肪酸としては一塩基酸であっても二塩基
酸であってもよく、炭素数は6〜30が好ましく、12
〜22の範囲がより好ましい。脂肪酸の具体例として
は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、リノレン酸、オレイン酸、エライジン
酸、ベヘン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、オクタンジ
カルボン酸などが挙げられる。
【0041】脂肪酸エステルの具体例としては、オレイ
ルオレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマレ
ート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、ブチ
ルミリステート、オクチルミリステート、オクチルパル
ミテート、ペンチルステアレート、ペンチルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレエート、オクチルオレエート、イソブチル
オレエート、エチルオレエート、イソトリデシルオレエ
ート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘ
キシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、イソ
プロピルミリステート、ブチルラウレート、セチル−2
−エチルヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチ
ルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシル
アジペート、オレイルステアレート、2−エチルヘキシ
ルミリステート、イソペンチルパルミテート、イソペン
チルステアレート、ジエチレングリコール−モノ−ブチ
ルエーテルパルミテート、ジエチレングリコール−モノ
−ブチルエーテルパルミテートなどが挙げられる。
【0042】また、上記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤として、たとえばシリコーンオイル、グラファイ
ト、フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸アミド、α−オレフィンオキサイドなど
も使用することができる。
【0043】次に、研磨剤の具体例としては、α−アル
ミ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、α−酸化
鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭化
モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜鉛、酸化
セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素などが挙げら
れる。研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜0.6
μmのものが好ましく、0.1〜0.3μmのものがよ
り好ましい。
【0044】帯電防止剤としては、カーボンブラック、
グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等のカチオ
ン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン酸エス
テル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活性剤;
アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン等の天
然界面活性剤などを挙げることができる。上述した帯電
防止剤は、通常、結合剤に対して0.01〜40重量%
の範囲で添加される。
【0045】(II)磁気記録媒体の製造 本発明の磁気記録媒体は、磁性層の塗設をウエット−オ
ン−ウエット方式で塗設する以外は、その製造方法に特
に制限はなく、公知の複数層構造型の磁気記録媒体の製
造に使用される方法に準じて製造することができる。た
とえば、一般的には磁性粉、結合剤、硬化剤、分散剤、
潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を溶媒中で混練および分
散して磁性塗料を調製した後、この磁性塗料を非磁性支
持体の表面に塗布する。
【0046】上記溶媒としては、たとえばアセトン、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用
いることができる。
【0047】磁性層形成成分の混練分散にあたっては、
各種の混練分散機を使用することができる。この混練分
散機としては、たとえば二本ロールミル、三本ロールミ
ル、ボールミル、ペブルミル、コボルミル、トロンミ
ル、サンドミル、サンドグラインダー、Sqegvar
iアトライター、高速インペラー分散機、高速ストーン
ミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、高速ミキサー、ホ
モジナイザー、超音波分散機、オープンニーダー、連続
ニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。
【0048】上記混練分散機のうち、0.05〜0.5
KW(磁性粉1Kg当たり)の消費電力負荷を提供する
ことのできる混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニ
ーダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミ
ルである。非磁性支持体上に磁性層を塗布するには、ウ
ェット・オン・ウェット重層塗布方式による同時重層塗
布を行なう。具体的には、例えば図1に示すように、ま
ず供給ロール32から繰出されたフィルム状支持体1
は、エクストルージョン方式の押し出しコーター10、
11により、下層の磁性塗料および上層の磁性塗料をウ
ェット・オン・ウェット方式で重層塗布した後、配向用
磁石または垂直配向用磁石33を通過し、乾燥器34に
導入され、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き付
けて乾燥する。次に、乾燥された各塗布層付きの支持体
1はカレンダーロール38の組合せからなるスーパーカ
レンダー装置37に導かれ、ここでカレンダー処理され
た後に、巻き取りロール39に巻き取られる。このよう
にして得られた磁性フィルムを所望幅のテープ状に裁断
してたとえば8mmビデオカメラ用磁気テープを製造す
ることができる。
【0049】上記の方法において、各塗料は、図示しな
いインラインミキサーを通して押し出しコーター10、
11へと供給してもよい。なお、図中、矢印Dは非磁性
ベースフィルムの搬送方向を示す。押し出しコーター1
0、11には夫々、液溜まり部13、14が設けられ、
各コーターからの塗料をウェット・オン・ウェット方式
で重ねる。即ち、下層用磁性塗料の塗布直後(未乾燥状
態のとき)に上層用磁性塗料を重層塗布する。
【0050】上記塗料に配合される溶媒あるいはこの塗
料の塗布時の希釈溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールセ
ノアセテート等のエステル類;グリコールジメチルエー
テル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使
用できる。これらの各種の溶媒は単独で使用することも
できるし、またそれらの二種以上を併用することもでき
る。前記配向磁石あるいは垂直配向用磁石における磁場
は、20〜5,000ガウス程度であり、乾燥器による
乾燥温度は約30〜120℃であり、乾燥時間は約0.
1〜10分間程度である。ウェット・オン・ウェット重
層塗布方法は、リバースロールと押し出しコーターとの
組み合わせ、グラビアロールと押し出しコーターとの組
み合わせなども使用することができる。さらにはエアド
クターコーター、ブレードコーター、エアナイフコータ
ー、スクィズコーター、含浸コーター、トランスファロ
ールコーター、キスコーター、キャストコーター、スプ
レイコーター等を組み合わせることもできる。
【0051】このウェット・オン・ウェット方式による
重層塗布においては、下層の磁性層が湿潤状態になった
ままで上層用磁性塗料を塗布するので、下層の表面(即
ち、上層と境界面)が滑らかになるとともに上層の表面
性が良好になり、かつ上下層間の接着性も向上する。こ
の結果、特に高密度記録のために高出力、低ノイズの要
求されるたとえば磁気テープとしての要求性能を満たし
たものとなり、かつ高耐久性の性能が要求されることに
対しても膜剥離をなくし、膜強度が向上し、耐久性が十
分となる。また、ウェット・オン・ウェット重層塗布方
式により、ドロップアウトも低減することができ、信頼
性も向上する。
【0052】−磁性塗料間の液物性の差の調整− 本発明においては、重層塗布時に、隣接する磁性層にお
いて磁性塗料の流動曲線を下式にフィッティングして得
られるベキ乗数nの差と粘性係数Kの差を特定すること
が重要である。 σ=Kγn ただし、σ:ずり応力(Pa ) γ:ずり速度(S-1)。
【0053】すなわち、本発明においては、nの差を
0.1以下、Kの差を1.0以下に設定する。このよう
にnの差およびKの差を特定すると、磁性層の表面性が
改善され、表面粗れが著しく少なくなるので、電磁変換
特性を向上させることができる。それに対し、nの差が
0.1を超えたり、Kの差が1.0を超えたりすると、
磁性層の表面粗れが著しくなり、電磁変換特性が劣化す
るので好ましくない。このようにnの差およびKの差を
特定の範囲に設定するには、磁性粉、結合剤、溶媒、任
意成分などの種類、およびそれらの配合量等を適宜に選
択調整すればよい。
【0054】−表面の平滑化− 前記重層塗布に続いて、通常はカレンダリングにより表
面平滑化処理が行なわれ、その後は、必要に応じてバー
ニッシュ処理またはブレード処理を行なってスリッティ
ングされる。この際、上記表面平滑化処理は、本発明の
目的を達成するのに好ましい。すなわち、この表面平滑
化処理は、磁性層の表面性を改良するのにある程度有効
であるからである。
【0055】表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/s(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。上記の目的達成のために
は、通常、上記温度を50〜120℃、上記線圧力を5
0〜400kg/cm、上記C/sを20〜600m/
分に保持することが好ましい。
【0056】このようにして得られる本発明の磁気記録
媒体は、支持体の上に複数の磁性層が積層され、その磁
性層の表面荒れは著しく少なく、そのため高い電磁変換
特性を有することから、例えばビデオテープとして好適
に用いることができる。
【0057】
【実施例】以下において、本発明の実施例を示す。な
お、以下に示す成分、配合割合、操作順序は本発明の要
旨を変更しない範囲において種々に変更することができ
る。また、下記の実施例において「部」は全て重量部を
表す。
【0058】(実施例1〜10、比較例1〜11)表1
に示す組成物を加圧ニーダーで混練することによって、
固形分濃度の異なる三種の下層用磁性塗料A,B,Cを
調製した。ただし、表1に示す適量とは、各磁性塗料に
ついての流動曲線におけるベキ乗数nおよび粘性係数K
が表3に示す値に調製されるように加えられた量であ
る。
【0059】また、表2に示す組成物を加圧ニーダーで
混練することによって、結合剤の配合比の異なる三種の
上層用磁性塗料D,E,Fと、固形分濃度の異なる三種
の上層用磁性塗料G,H,Iと、分散剤(リン酸エステ
ル)を添加しない一種の上層用磁性塗料Jとを調製し
た。
【0060】次に、これらの磁性塗料を用いてエクスト
リュージョン型塗布ヘッドにより、厚さ7.5μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に湿潤状態で同時
重層塗布した後、塗膜が未乾燥である内に磁場配向処理
を行い、続いて乾燥を施してから、カレンダーで表面平
滑化処理を行い、上層の乾燥膜厚が0.3μm、下層の
乾燥厚が2.5μmの2層構造の磁性層を形成した。
【0061】こうして得られた原反をスリットして8m
mビデオカメラ用磁気記録用テープを作成した。この8
mmビデオカメラ用磁気記録テープについて、下記のよ
うにして重層塗布時の磁性塗料の流動曲線におけるベキ
乗数nおよび粘性係数Kを決定し、磁性層の面粗れ状
態、表面粗さ(Ra)および電磁変換特性(S/N)を
測定した。結果を表3に示す。なお、上層用磁性塗料と
下層用磁性塗料とにおけるベキ乗数nの差と粘性係数K
の差との関係を図2に示す。
【0062】<流動曲線におけるベキ乗数nおよび粘性
係数Kの決定>振動式粘度計[CJV−2000,秩父
セメント(株)製]を用いて磁性塗料のずり応力および
ずり速度を測定した。得られたずり応力およびずり速度
を下式 σ=Kγn ただし、σ:ずり応力(Pa ) γ:ずり速度(S-1) に当てはめてベキ乗数および粘性係数Kを決定した。
【0063】<面粗れ状態>微分干渉式顕微鏡を用いて
目視で観察し、かなり平滑であるときには○、やや荒れ
ているときには△、かなり荒れているときには×である
と評価した。 <表面粗さRa(nm)>テーラーホブソン社製のタリ
ーステップ粗さ計を用いて測定した。測定条件は、スタ
イラスを2.5×0.1μm、針圧を2mg、カット・
オフ・フィルターを0.33Hz、測定スピードを2.
5μm/sec、基準長を0.5mmとした。なお、粗
さ曲線においては、0.01μm以上の凹凸はカットし
ている。
【0064】<電磁変換特性>□クロマ出力、クロマS
/N、RF出力およびルミS/N;リファレンステープ
[コニカ(株)製]を0dBとしてその相対値で表わ
す。なお、クロマ出力は、クロマ出力測定用VTRデッ
キを用いて500KHzでのクロマ出力を測定した(単位:d
B)。クロマS/Nはノイズメーター(シバソク製)を
用い、基準テープ[コニカ(株)製]との比較におい
て、100%ホワイト信号における試料のS/Nの差を
求めた。また、RF出力はRF出力測定用VTRデッキ
を用いて4MHz でのRF出力を測定した(単位:d
B)。ルミS/Nはノイズメーター(シバソク製)を用
い、基準テープ[コニカ(株)製]との比較において、
クロマ信号における試料のS/Nの差を求めた。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明によると、磁性層の表面荒れを少
なくし、電磁変換特性を改良した磁気記録媒体およびそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁気記録媒体の製造方法を示
す説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例及び比較例における磁気
記録媒体において、各磁性塗料のベキ乗数の差と粘性係
数の差との関係を示すグラフ図である。
フロントページの続き (72)発明者 飛沢 誠一 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 竹内 肇 神奈川県川崎市幸区東芝町1番地株式会社 東芝総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層の磁性層を形成する上層用磁性塗料
    と前記上層に隣接する下層の磁性層を形成する下層用磁
    性塗料とのそれぞれの流動曲線を下式にフィッティング
    した場合に、ベキ乗数nの差が0.1以下で、かつ粘性
    係数Kの差が1.0以下になるように調整された下層用
    磁性塗料および上層用磁性塗料を非磁性支持体上に重層
    塗布することにより複数の磁性層を積層してなることを
    特徴とする磁気記録媒体。 σ=Kγn ただし、σ:ずり応力(Pa ) γ:ずり速度(S-1
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に磁性塗料を重層塗布す
    ることにより重層の磁性層を有する磁気記録媒体の製造
    方法において、上層の磁性層を形成する上層用磁性塗料
    と前記上層に隣接する下層の磁性層を形成する下層用磁
    性塗料とのそれぞれの流動曲線を請求項1に記載の式に
    フィッティングした場合に、ベキ乗数nの差が0.1以
    下で、かつ粘性係数Kの差が1.0以下になるように調
    整され、かつ塗布された下層用磁性塗料の上に上層用磁
    性塗料を塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
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