JPH05129885A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JPH05129885A
JPH05129885A JP28862591A JP28862591A JPH05129885A JP H05129885 A JPH05129885 A JP H05129885A JP 28862591 A JP28862591 A JP 28862591A JP 28862591 A JP28862591 A JP 28862591A JP H05129885 A JPH05129885 A JP H05129885A
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substrate
surface acoustic
acoustic wave
point
output electrode
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JP28862591A
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Kouichi Egara
光一 江柄
Norihiro Mochizuki
規弘 望月
Kenji Nakamura
憲司 中村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性表面波素子の基板裏面を、所定の条件を
満たす角度に傾斜させ、この裏面で反射されたバルク波
が基板表面に形成された出力電極または弾性表面波導波
路に入射するのを防止することによって、高いSN比で
出力信号を取り出せるようにする。 【構成】 基板の弾性表面波が伝搬される第1の面に対
向する第2の面の少なくとも一部を角度θで所定方向に
傾斜した面とし、出力電極または導波路が形成された領
域の内、基板の厚さが最も薄い地点における基板の厚さ
をd、この地点から所定方向に沿った出力電極または導
波路が形成された領域の長さをLとしたときに、条件式
tan2θ≧L/dを満足するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電性基板上で2つの
弾性表面波を互いに反対方向に伝搬させ、基板の物理的
非線形効果を利用して、これらの弾性表面波の相互作用
によって生じた信号を取り出すようにした弾性表面波素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波素子は、スペクトラム拡散通
信を行なうにあたってのキーデバイスとして、近年、そ
の重要性が増大しつつある。また、実時間信号処理デバ
イスとしての応用も多く、盛んに研究されている。
【0003】このような弾性表面波素子としては、図2
4に示すような弾性表面波コンボルバが知られている。
この素子は、Yカット(Z伝搬)ニオブ酸リチウムなど
の圧電性基板11上に櫛型入力電極12、13及び出力
電極14を設けることによって構成されている。入力電
極12、13に電気信号が入力されると、圧電性基板1
1に弾性表面波が励振され、これが出力電極14でコン
ボリューション信号として取り出される。
【0004】これらの電極は通常、アルミニウムなどの
導電性材料を用いて、フォトリソグラフィーによるパタ
ーニングによって形成される。
【0005】このような弾性表面波コンボルバを用い
て、コンボリューション出力を取り出す場合には、ま
ず、櫛型入力電極12、13に各々、搬送角周波数ωの
2つの信号を入力し、これらの電気信号を弾性表面波信
号に変換する。そして、これらの弾性表面波を、圧電体
基板11の表面で互いに反対方向に伝搬させ、基板の物
理的非線形効果を利用して、出力電極14より搬送角周
波数2ωのコンボリューション信号をとりだす。
【0006】すなわち、2つの弾性表面波を
【0007】
【外1】 とすると、基板上にはこの基板の非線形効果により、そ
の積である
【0008】
【外2】 の表面波が発生する。この信号は、一様な出力電極を設
けることにより、電極領域内で積分され、相互作用領域
長を1とすると、
【0009】
【外3】 で表わされる信号として取出される。ここで、積分範囲
は相互作用長が信号長より大きい時実質上±∞としてよ
く、
【0010】
【外4】 とすると、(1)式は
【0011】
【外5】 となり、前記信号は2つの弾性表面波のコンボリューシ
ョンとなる。
【0012】このようなコンボリューションのメカニズ
ムは、例えば「柴山、“弾性表面波の応用”テレビジョ
ン、30 457(1976)」などに詳述されてい
る。
【0013】一方、上述のように基板表面を2つの表面
波が互いに反対方向に伝搬するとき、基板の物理的非線
形効果により、基板表面に垂直な方向に進行する搬送角
周波数2ωのバルク波が発生することが、ジャーナル・
オブ・アプライド・フィジックス(Journal o
f Applied Physics)第49巻、第1
2号、第5924〜5927頁、1978年に記載され
ている。
【0014】このようなバルク波は、基板11の裏面で
反射し、再び基板11の表面へもどってきて、一部は出
力電極14より取り出される。更に一部は、基板11の
表面で反射し、基板裏面方向へ伝搬し、再び裏面で反射
してもどってくる。
【0015】このように、基板の裏面方向へ発生したバ
ルク波は裏面で何度も反射をくり返し、その反射波の信
号は出力電極14よりとりだされるため、コンボリュー
ション信号に悪影響をおよぼしていた。
【0016】一方、上述のようなバルク面の基板裏面で
の反射による影響を抑える為に、基板を弾性表面波の伝
搬方向にテーパー状となるように形成した弾性表面波素
子が、アプライド・フィジックス・レターズ(Appl
ied Physics Letters)第15巻、
第9号、第300〜302頁、1969年において提案
されている。
【0017】このような従来の素子の例を図25に示
す。図25において図24と同一の部材には同一の符号
を付し、詳細な説明は省略する。
【0018】図25の素子において、圧電性基板15
は、弾性表面波の伝搬方向に沿って、その厚さが変化し
ている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例ではテーパの角度が小さく、基板の裏面で反射した
バルク波のほとんどは出力電極の形成された領域にもど
ってくるため、反射バルク波によるコンボリューション
信号への影響を完全になくすことはできなかった。
【0020】しかしながら、上記従来例ではデーパの角
度が小さく、基板の裏面で反射したバルク波のほとんど
は出力電極の形成された領域にもどってくるため、反射
バルク波によるコンボリューション信号への影響を完全
になくすことはできなかった。
【0021】本発明の目的は、基板の裏面で反射された
バルク波が、出力信号にほとんど影響しない弾性表面波
素子を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、圧
電性基板と、該基板の第1の面に形成され、各々第1及
び第2の弾性表面波を励振する第1及び第2の入力電極
と、前記基板の第1の面に形成され、前記第1及び第2
の弾性表面波の相互作用によって生じた信号を取り出す
出力電極とから成り、前記第1の面に対向する基板の第
2の面の少なくとも一部を、第1の面に対して所定方向
に沿って傾斜した面とした弾性表面波素子において、前
記基板の出力電極が形成された領域の内、第1の面から
第2の面までの基板の厚さが最も薄い地点における基板
の厚さをd、この地点から所定方向に沿った出力電極の
長さをL、第1の面に対する第2の面の傾斜角をθとし
たときに、条件式tan2θ≧L/dを満足するように
構成することによって達成される。
【0023】また本発明は、第1及び第2の弾性表面波
を複数の導波路中を伝搬させ、この導波路からコンボリ
ューション出力に対応する第3の弾性表面波を発生させ
る、所謂分割導波路型の弾性表面波素子にも適用が可能
である。このような弾性表面波素子は、圧電性基板と、
該基板の第1の面に形成され、各々第1及び第2の弾性
表面波を励振する第1及び第2の入力電極と、前記基板
の第1の面に形成され、前記第1及び第2の弾性表面波
を互いに反対向きに伝搬させて、これらの弾性表面波の
相互作用によって生じた第3の表面弾性波を励振する複
数の導波路とから成り、前記第1の面に対向する基板の
第2の面の少なくとも一部を、第1の面に対して所定方
向に沿って傾斜した面とし、前記基板の導波路が形成さ
れた領域の内、第1の面から第2の面までの基板の厚さ
が最も薄い地点における基板の厚さをd、この地点から
所定方向に沿った導波路が形成された領域の長さをL、
第1の面に対する第2の面の傾斜角をθとしたときに、
条件式tan2θ≧L/dを満足するように構成され
る。
【0024】本発明の弾性表面波素子において、基板の
第2の面の傾斜は、第1及び第2の弾性表面波の伝搬方
向に平行な方向に沿って傾斜していても良いし、第1及
び第2の弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に沿って
傾斜していても良い。また、本発明において、基板の第
2の面を、互いに反対の傾斜を持った2つの面から構成
しても良い。
【0025】本発明の弾性表面波素子によれば、出力電
極または導波路で発生し、基板の裏面(第2の面)で反
射されたバルク波は、再び基板表面(第1の面)に戻る
ときには、出力電極または導波路が形成された領域の外
に到達するため、コンボリューション出力信号にほとん
ど影響しない。
【0026】
【実施例】図1は、本発明の弾性表面波素子の第1実施
例を示す概略斜視図である。また、図2は図1の素子の
線分A−A’に沿った略断面図である。
【0027】図1及び図2において、符号1は、Yカッ
ト(Z伝搬)ニオブ酸リチウムなどから成る圧電性基板
を示す。また、符号2及び3は、それぞれ基板1の第1
の面1−1上に形成された第1及び第2の櫛形入力電極
を示す。符号4は、第1の面1−1上の入力電極2及び
3の間に設けられた出力電極を示す。入力電極2、3及
び出力電極4は通常、アルミニウムなどの導電性材料を
用いて、フォトリソグラフィーによるパターニングによ
って形成される。
【0028】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板1の第1の面1−1に対
向する第2の面1−2は、第1の面1−1に対して入力
電極から励振される弾性表面波の伝搬方向(図ではx軸
に平行な方向)に沿って傾斜している。この傾斜角をθ
とし、出力電極4が形成された領域の内、第1の面から
第2の面までの基板の厚さが最も薄い地点(a点)にお
ける基板1の厚さをd、a点からx軸方向に沿った出力
電極の長さ(本実施例では出力電極全体の長さ)をLと
すると、本実施例の素子では、以下の(3)式の条件を
満足している。
【0029】tan2θ≧L/d … (3) このような弾性表面波素子において、第1の入力電極2
に搬送角周波数ωの第1の信号を入力すると、この電極
2から第1の入力信号に対応した第1の弾性表面波が発
生し、x軸の正方向に伝搬する。一方、第2の入力電極
3に搬送角周波数ωの第2の信号を入力すると、この電
極3から第2の入力信号に対応した第2の弾性表面波が
発生し、x軸の負方向に伝搬する。これら互いに反対方
向に伝搬する第1及び第2の弾性表面波は、出力電極4
が設けられた領域において相互作用を起こす。そして、
基板1の物理的非線形効果によって、出力電極から第1
及び第2の入力信号のコンボリューション信号に対応す
る、搬送角周波数2ωの電気信号が取り出される。
【0030】上記のように電極4から信号を取り出して
いるとき、同時に弾性表面波の相互作用領域において、
搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面1−1と
垂直方向に伝搬する。このバルク波は、基板1の第2の
面1−2で反射され、再び第1の面1−1に戻る。この
とき、第2の面1−2は第1の面1−1に対してθの角
度を有しているため、バルク波は第1の面の法線に対し
て2θの角度で反射される。ここで、前述のa点で発生
したバルク波は、第2の面で反射されて、第1の面のb
点に達する。a点からb点までの距離をIとすると、t
an2θ=I/dから、I=dtan2θと求められ
る。a点から発生したバルク波が出力電極4に入力しな
い条件はI≧Lであるから、dtan2θ≧Lから上記
(3)式の条件が導かれる。即ち、本実施例において、
a点から発生したバルク波は出力電極に入力しない。ま
た、出力電極のa点以外の部分で発生したバルク波は、
b点よりもさらにx軸の正方向に遠い位置に到達するの
で、当然、出力電極には入力しない。このように、本実
施例の弾性表面波素子においては、基板裏面で反射され
たバルク波が出力電極に入力することがないため、高い
SN比でコンボリューション出力信号を取り出すことが
できる。
【0031】図3は、本発明の弾性表面波素子の第2実
施例を示す概略斜視図である。また、図4は図3の素子
の線分B−B’に沿った略断面図である。図3及び図4
において、図1及び図2と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0032】本実施例は、圧電性基板5が、入力電極か
ら励振される弾性表面波の伝搬方向と直交する方向(y
軸に平行な方向)に沿って傾斜している点のみ、第1実
施例と異なる。
【0033】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板5の第1の面5−1に対
向する第2の面5−2は、第1の面5−1に対してθの
角度でy軸方向に沿って傾斜している。出力電極4が形
成された領域の内、第1の面から第2の面までの基板の
厚さが最も薄い地点(c点)における基板5の厚さを
d、c点からy軸方向に沿った出力電極の長さ(本実施
例では出力電極の幅に対応する)をWとすると、本実施
例の素子では、以下の(4)式の条件を満足している。
【0034】tan2θ≧W/d … (4) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極2,3に搬送角周波数ωの第1及び第2の信号を
それぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第2の
弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、出力
電極4が設けられた領域において相互作用を起こし、第
1実施例と同様に電極4からコンボリューション出力信
号が取り出される。
【0035】上記のように電極4から信号を取り出して
いるとき、同時に弾性表面波の相互作用領域において、
搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面5−1と
垂直方向に伝搬する。このバルク波は、基板5の第2の
面5−2で2θの角度で反射され、再び第1の面5−1
に戻る。ここで、c点で発生したバルク波は、第2の面
で反射されて、第1の面のe点に達する。c点からe点
までの距離をIとすると、tan2θ=I/dから、I
=dtan2θと求められる。c点から発生したバルク
波が出力電極4に入力しない条件はI≧Wであるから、
dtan2θ≧Wから上記(4)式の条件が導かれる。
即ち、本実施例において、c点から発生したバルク波は
出力電極に入力しない。また、出力電極のc点以外の部
分で発生したバルク波は、e点よりもさらにy軸の負方
向に遠い位置に到達するので、当然、出力電極には入力
しない。このように、本実施例の弾性表面波素子におい
ては、基板裏面で反射されたバルク波が出力電極に入力
することがないため、第1実施例と同様に高いSN比で
コンボリューション出力信号を取り出すことができる。
更に、弾性表面波素子においては通常、出力電極の幅W
が長さLよりも短いので、本実施例は第1実施例に比し
て、上記の条件を満足するのに十分大きな角度θをとっ
た場合にも、基板の厚さがそれほど厚くならないという
利点を有している。
【0036】図5は、本発明の弾性表面波素子の第3実
施例を示す概略斜視図である。また、図6は図5の素子
の線分C−C’に沿った略断面図である。図5及び図6
において、図1及び図2と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0037】本実施例は、圧電性基板6が、入力電極か
ら励振される弾性表面波の伝搬方向(x軸に平行な方
向)に沿って、ほぼ中央のf点から離れるにしたがって
厚さが厚くなる逆テーパー状に形成されている点のみ、
第1実施例と異なる。
【0038】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板6の第1の面6−1に対
向する第2の面は、互いに反対の傾斜をもった2つの傾
斜面6−2及び6−3から構成されている。これらの傾
斜面6−2及び6−3は、第1の面6−1に対してそれ
ぞれθ1 及びθ2 の角度を有している。出力電極4が形
成された領域の内、第1の面から第2の面までの基板の
厚さが最も薄い地点(f点)における基板6の厚さを
d、f点からx軸の正方向に沿った出力電極の長さをL
1 、f点からx軸の負方向に沿った出力電極の長さをL
2 とすると、本実施例の素子では、以下の(5)及び
(6)式の条件を満足している。
【0039】 tan2θ1 ≧L1 /d … (5) tan2θ2 ≧L2 /d … (6) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極2,3に搬送角周波数ωの第1及び第2の信号を
それぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第2の
弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、出力
電極4が設けられた領域において相互作用を起こし、第
1実施例と同様に電極4からコンボリューション出力信
号が取り出される。
【0040】上記のように電極4から信号を取り出して
いるとき、同時に弾性表面波の相互作用領域において、
搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面6−1と
垂直方向に伝搬する。このバルク波の内、f点よりx軸
の正方向の側で発生したバルク波は、傾斜面6−2で2
θ1 の角度で反射され、再び第1の面6−1のg点に戻
る。f点からg点までの距離をI1 とすると、tan2
θ1 =I1 /dから、I1 =dtan2θ1 と求められ
る。f点から発生したバルク波が出力電極4に入力しな
い条件はI1 ≧L1 であるから、dtan2θ1 ≧L1
から上記(5)式の条件が導かれる。同様に、f点より
x軸の負方向の側で発生したバルク波は、傾斜面6−3
で2θ2 の角度で反射され、再び第1の面6−1のh点
に戻る。f点からh点までの距離をI2 とすると、I2
=dtan2θ2 ,I2 ≧L2 から上記(6)式の条件
が導かれる。即ち、本実施例において、出力電極のいず
れの部分で発生したバルク波も、基板裏面で反射されて
出力電極の戻ることはない。したがって、本実施例も、
第1実施例と同様に高いSN比でコンボリューション出
力信号を取り出すことができる。更に、本実施例では、
出力電極の長さが同一であるとしても、(5),(6)
式の条件を満たす傾斜角を第1実施例の場合の半分にで
きるため、基板の厚さを薄くできる効果を有する。
【0041】なお、上記第3実施例では、出力電極のほ
ぼ中央(f点)に屈曲部を設けたが、(5),(6)式
を満足すれば、中央からずれた位置に屈曲部を設けても
良い。また、2つの傾斜面の第1の面に対する角度θ1
及びθ2 は、同一であっても、互いに異なっていても構
わない。
【0042】図7は、本発明の弾性表面波素子の第4実
施例を示す概略斜視図である。また、図8は図7の素子
の線分D−D’に沿った略断面図である。図7及び図8
において、図1及び図2と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0043】本実施例は、圧電性基板7が、入力電極か
ら励振される弾性表面波の伝搬方向と直交する方向(y
軸に平行な方向)に沿って、出力電極4のほぼ中央のi
点から離れるにしたがって厚さが厚くなる逆テーパー状
に形成されている点のみ、第1実施例と異なる。
【0044】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板7の第1の面7−1に対
向する第2の面は、互いに反対の傾斜をもった2つの傾
斜面7−2及び7−3から構成されている。これらの傾
斜面7−2及び7−3は、第1の面7−1に対してそれ
ぞれθ1 及びθ2 の角度を有している。出力電極4が形
成された領域の内、第1の面から第2の面までの基板の
厚さが最も薄い地点(i点)における基板7の厚さを
d、i点からy軸の負方向に沿った出力電極の長さ(本
実施例では出力電極の幅Wの半分の相当する)をW1
i点からy軸の正方向に沿った出力電極の長さをW2
すると、本実施例の素子では、以下の(7)及び(8)
式の条件を満足している。
【0045】 tan2θ1 ≧W1 /d … (7) tan2θ2 ≧W2 /d … (8) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極2,3に搬送角周波数ωの第1及び第2の信号を
それぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第2の
弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、出力
電極4が設けられた領域において相互作用を起こし、第
1実施例と同様に電極4からコンボリューション出力信
号が取り出される。
【0046】上記のように電極4から信号を取り出して
いるとき、同時に弾性表面波の相互作用領域において、
搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面7−1と
垂直方向に伝搬する。このバルク波の内、i点よりy軸
の負方向の側で発生したバルク波は、傾斜面7−2で2
θ1 の角度で反射され、再び第1の面7−1のj点に戻
る。i点からj点までの距離をI1 とすると、tan2
θ1 =I1 /dから、I1 =dtan2θ1 と求められ
る。f点から発生したバルク波が出力電極4に入力しな
い条件はI1 ≧W1 であるから、dtan2θ1 ≧W1
から上記(7)式の条件が導かれる。同様に、i点より
y軸の正方向の側で発生したバルク波は、傾斜面7−3
で2θ2 の角度で反射され、再び第1の面7−1のk点
に戻る。i点からk点までの距離をI2 とすると、I2
=dtan2θ2 ,I2 ≧W2 から上記(8)式の条件
が導かれる。即ち、本実施例において、出力電極のいず
れの部分で発生したバルク波も、基板裏面で反射されて
出力電極の戻ることはない。したがって、本実施例も、
第1実施例と同様に高いSN比でコンボリューション出
力信号を取り出すことができる。更に、本実施例では、
出力電極の長さが同一であるとしても、(7),(8)
式の条件を満たす傾斜角を第2実施例の場合の半分にで
きるため、基板の厚さを更に薄くできる効果を有する。
【0047】なお、上記第4実施例では、出力電極の幅
方向のほぼ中央(i点)に屈曲部を設けたが、(7),
(8)式を満足すれば、中央からずれた位置に屈曲部を
設けても良い。また、2つの傾斜面の第1の面に対する
角度θ1 及びθ2 は、同一であっても、互いに異なって
いても構わない。
【0048】以上説明した第1〜第4実施例は、入力電
極の間に出力電極を設けたものであったが、電極の間に
複数の導波路を設けることによって、コンボリューショ
ン信号の出力効率を更に向上させた弾性表面波素子が、
「中川他,電子通信学会論文誌'86/2,Vol.j69-C,No.2,p
p190〜198 」などで提案されている。本発明は、このよ
うな所謂分割導波路型の素子にも適用が可能である。以
下に本発明の分割導波路型の実施例を示す。
【0049】図9は、本発明の弾性表面波素子の第5実
施例を示す概略斜視図である。また、図10は図9の素
子の線分E−E’に沿った略断面図である。
【0050】図9及び図10において、符号21は、1
28°回転Yカット(X伝搬)ニオブ酸リチウムなどか
ら成る圧電性基板を示す。また、符号22及び23は、
それぞれ基板21の第1の面21−1上に形成された第
1及び第2の櫛形入力電極を示す。符号24−1,24
−2,24−3,…,24−nは、第1の面21−1上
の入力電極22及び23の間に互いに平行に配列された
複数の弾性表面波導波路を示す。これらの導波路は、各
々の長手方向が、入力電極から励振される弾性表面波の
伝搬方向(x軸に平行な方向)に一致している。また、
これらの導波路の配列ピッチ(導波路の幅方向の中心間
の距離)は、これらの導波路より発生する弾性表面波の
波長と等しくなるように形成されている。これらの導波
路からy軸方向に適宜距離離れた位置には、櫛形出力電
極25が形成されている。
【0051】入力電極22、23及び出力電極25は通
常、アルミニウム,銀,金などの導電性材料を用いて、
フォトリソグラフィーによるパターニングによって形成
される。導波路24−1,24−2,24−3,…,2
4−nに関しては、柴山乾夫監修「弾性表面波工学」電
子通信学会、82〜102頁に詳しく述べられており、
薄膜導波路やトポグラフィック導波路などの種類があ
る。本発明においては、基板表面をアルミニウム,銀,
金等の導電体で被覆したΔv/v導波路が用いられるの
が好ましい。
【0052】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板21の第1の面21−1
に対向する第2の面21−2は、第1の面21−1に対
して入力電極から励振される弾性表面波の伝搬方向(図
ではx軸に平行な方向)に沿って傾斜している。この傾
斜角をθとし、導波路24−1〜24−nが形成された
領域28の内、第1の面から第2の面までの基板の厚さ
が最も薄い地点(l点)における基板21の厚さをd、
1点からx軸方向に沿った導波路が形成された領域28
の長さ(本実施例では導波路の長手方向の長さに一致す
る)をLとすると、本実施例の素子では、以下の(9)
式の条件を満足している。
【0053】tan2θ≧L/d … (9) このような弾性表面波素子において、第1の入力電極2
2に搬送角周波数ωの第1の信号を入力すると、この電
極22から第1の入力信号に対応した第1の弾性表面波
が発生し、各導波路24−1〜24−n中をx軸の正方
向に伝搬する。一方、第2の入力電極23に搬送角周波
数ωの第2の信号を入力すると、この電極23から第2
の入力信号に対応した第2の弾性表面波が発生し、各導
波路24−1〜24−n中をx軸の負方向に伝搬する。
これら互いに反対方向に伝搬する第1及び第2の弾性表
面波は、導波路24−1〜24−nにおいて基板21の
物理的非線形効果によるパラメトリック・ミキシング現
象により、y方向に伝搬する搬送角周波数2ωの第3の
弾性表面波を励振する。この第3の弾性表面波は、出力
電極25で電気信号に変換され、出力電極から第1及び
第2の入力信号のコンボリューション信号として出力さ
れる。
【0054】上記のように出力電極25から信号を取り
出しているとき、同時に導波路が設けられた領域におい
て、搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面21
−1と垂直方向に伝搬する。このバルク波は、基板1の
第2の面21−2で反射され、再び第1の面21−1に
戻る。このとき、第2の面21−2は第1の面21−1
に対してθの角度を有しているため、バルク波は第1の
面の法線に対して2θの角度で反射される。ここで、前
述のl点で発生したバルク波は、第2の面で反射され
て、第1の面のm点に達する。l点からm点までの距離
をIとすると、tan2θ=I/dから、I=dtan
2θと求められる。l点から発生したバルク波が導波路
24−1〜24−nに入力しない条件はI≧Lであるか
ら、dtan2θ≧Lから上記(9)式の条件が導かれ
る。即ち、本実施例において、l点から発生したバルク
波は導波路に入力しない。また、導波路のl点以外の部
分で発生したバルク波は、m点よりもさらにx軸の正方
向に遠い位置に到達するので、当然、導波路には入力し
ない。このように、本実施例の弾性表面波素子において
は、基板裏面で反射されたバルク波が導波路に入力する
ことがないため、バルク波が第3の弾性表面波に影響を
及ぼさず、高いSN比でコンボリューション出力信号を
取り出すことができる。
【0055】図11は、本発明の弾性表面波素子の第6
実施例を示す概略斜視図である。また、図12は図11
の素子の線分F−F’に沿った略断面図である。図11
及び図12において、図9及び図10と同一の部材には
同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】本実施例は、圧電性基板25が、入力電極
から励振される弾性表面波の伝搬方向と直交する方向
(y軸に平行な方向)に沿って傾斜している点のみ、第
4実施例と異なる。
【0057】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板26の第1の面26−1
に対向する第2の面26−2は、第1の面26−1に対
してθの角度でy軸方向に沿って傾斜している。導波路
形成された領域27の内、第1の面から第2の面までの
基板の厚さが最も薄い地点(o点)における基板26の
厚さをd、o点からy軸方向に沿った領域27の長さを
Wとすると、本実施例の素子では、以下の(10)式の
条件を満足している。
【0058】tan2θ≧W/d … (10) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極22,23に搬送角周波数ωの第1及び第2の信
号をそれぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第
2の弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、
導波路24−1〜24−nにおいて相互作用を起こし第
3の弾性表面波を発生させる。そして、この第3の弾性
表面波を出力電極25で受信することによって、第5実
施例と同様にコンボリューション出力信号が取り出され
る。
【0059】上記のように電極25から信号を取り出し
ているとき、同時に弾性表面波の相互作用領域におい
て、搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第1の面26
−1と垂直方向に伝搬する。このバルク波は、基板26
の第2の面26−2で2θの角度で反射され、再び第1
の面26−1に戻る。ここで、o点で発生したバルク波
は、第2の面で反射されて、第1の面のp点に達する。
o点からp点までの距離をIとすると、tan2θ=I
/dから、I=dtan2θと求められる。o点から発
生したバルク波が導波路に入力しない条件はI≧Wであ
るから、dtan2θ≧Wから上記(10)式の条件が
導かれる。即ち、本実施例において、o点から発生した
バルク波は導波路に入力しない。また、導波路のo点以
外の部分で発生したバルク波は、p点よりもさらにy軸
の正方向に遠い位置に到達するので、当然、導波路には
入力しない。このように、本実施例の弾性表面波素子に
おいては、基板裏面で反射されたバルク波が導波路に入
力することがないため、第5実施例と同様に高いSN比
でコンボリューション出力信号を取り出すことができ
る。更に、弾性表面波素子においては通常、導波路が形
成された領域の幅Wが導波路の長さLよりも短いので、
本実施例は第5実施例に比して、上記の条件を満足する
のに十分大きな角度θをとった場合にも、基板の厚さが
それほど厚くならないという利点を有している。
【0060】図13は、上記第6実施例を変形した本発
明の第7実施例を示す略断面図である。図13におい
て、図12と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な
説明は省略する。
【0061】本実施例は、基板26の第2の面26−2
が、第1の面26−1に対してθ’の角度を有している
点のみ、第6実施例と異なる。この傾斜角θ’は、第1
の面26−1の導波路24−1〜24−n及び出力電極
25が設けられた領域の、基板の厚さが最も薄い地点
(o点)からのy軸方向の長さをWとすると、以下の
(11)式の条件を満足している。
【0062】tan2θ’≧W’/d … (11) ここでW’は、導波路が設けられた領域27の幅をW、
この領域27から出力電極までのy軸方向の距離をw、
出力電極のy軸方向の幅をw’とすると、W’=W+w
+w’と表される。
【0063】本実施例では、(11)式の条件を満足す
るため、導波路で発生したバルク波は、出力電極25よ
りy軸の正方向に更に外側の位置(q点よりも外側の位
置)で第1の面26−1に到達する。このため、導波路
に戻るバルク波の影響をなくす第6実施例と同様の効果
に加えて、以下の2つの効果が得られる。1)基板裏面
で反射されたバルク波が直接出力電極25に入射して、
出力信号に悪影響を及ぼすのを防止する。2)基板裏面
で反射されたバルク波が、導波路と出力電極25との間
の基板面において弾性表面波に変換され、この弾性表面
波が出力電極で受信されてノイズを発生するのを防止す
る。
【0064】図14は、上記第6実施例を変形した本発
明の第8実施例を示す略断面図である。図14におい
て、図12と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な
説明は省略する。
【0065】本実施例は、出力電極が、導波路に対して
バルク波が反射される方向(y軸の正方向)と反対方向
の側の設けられている点のみ、第6実施例と異なる。導
波路で励振された第3の弾性表面波は、導波路の両側
(y軸の正方向および負方向)に伝搬するので、本実施
例においても第6実施例と全く同様に、出力電極25か
らコンボリューション信号が取り出される。また、基板
の第2の面の角度θが、(10)式を満足するように設
けられているため、バルク波が導波路に戻らず、高いS
N比でコンボリューション信号を検出することができ
る。また、出力電極に直接入力するバルク波および基板
の第1の面で弾性表面波に変換されたバルク波が、出力
電極に入力することもないので、更に第7実施例と同様
の効果が得られる。
【0066】図15は、本発明の弾性表面波素子の第9
実施例を示す概略斜視図である。また、図16は図15
の素子の線分G−G’に沿った略断面図である。図15
及び図16において、図9及び図10と同一の部材には
同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0067】本実施例は、圧電性基板29が、入力電極
から励振される弾性表面波の伝搬方向(x軸に平行な方
向)に沿って、ほぼ中央のr点から離れるにしたがって
厚さが厚くなる逆テーパー状に形成されている点のみ、
第5実施例と異なる。
【0068】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板29の第1の面29−1
に対向する第2の面は、互いに反対の傾斜をもった2つ
の傾斜面29−2及び29−3から構成されている。こ
れらの傾斜面29−2及び29−3は、第1の面29−
1に対してそれぞれθ1 及びθ2 の角度を有している。
導波路が形成された領域28の内、第1の面から第2の
面までの基板の厚さが最も薄い地点(r点)における基
板29の厚さをd、r点からx軸の正方向に沿った領域
28の長さ(導波路の長さ)をL1 、r点からx軸の負
方向に沿った領域28の長さをL2 とすると、本実施例
の素子では、以下の(12)及び(13)式の条件を満
足している。
【0069】 tan2θ1 ≧L1 /d … (12) tan2θ2 ≧L2 /d … (13) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極22,23に搬送角周波数ωの第1及び第2の信
号をそれぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第
2の弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、
導波路24−1〜24−nを互いに反対方向に伝搬し、
第3の弾性表面波を発生する。そして、この第3の弾性
表面波を出力電極25で受信することによって、第5実
施例と同様にコンボリューション出力信号が取り出され
る。
【0070】上記のようにコンボリューション出力信号
を取り出しているとき、同時に導波路が形成された領域
28において、搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第
1の面29−1と垂直方向に伝搬する。このバルク波の
内、r点よりx軸の正方向の側で発生したバルク波は、
傾斜面29−2で2θ1 の角度で反射され、再び第1の
面29−1のs点に戻る。r点からs点までの距離をI
1 とすると、tan2θ1 =I1 /dから、I1 =dt
an2θ1 と求められる。r点から発生したバルク波が
導波路に入力しない条件はI1 ≧L1 であるから、dt
an2θ1 ≧L1 から上記(12)式の条件が導かれ
る。同様に、r点よりx軸の負方向の側で発生したバル
ク波は、傾斜面29−3で2θ2 の角度で反射され、再
び第1の面29−1のt点に戻る。r点からt点までの
距離をI2 とすると、I2 =dtan2θ2 ,I2 ≧L
2 から上記(13)式の条件が導かれる。即ち、本実施
例において、出力電極のいずれの部分で発生したバルク
波も、基板裏面で反射されて出力電極の戻ることはな
い。したがって、本実施例も、第5実施例と同様に高い
SN比でコンボリューション出力信号を取り出すことが
できる。更に、本実施例では、出力電極の長さが同一で
あるとしても、(12),(13)式の条件を満たす傾
斜角を第5実施例の場合の半分にできるため、基板の厚
さを薄くできる効果を有する。
【0071】なお、上記第9実施例では、出力電極の長
手方向のほぼ中央(r点)に屈曲部を設けたが、(1
2),(13)式を満足すれば、中央からずれた位置に
屈曲部を設けても良い。また、2つの傾斜面の第1の面
に対する角度θ1 及びθ2 は、同一であっても、互いに
異なっていても構わない。
【0072】図17は、本発明の弾性表面波素子の第1
0実施例を示す概略斜視図である。また、図18は図1
7の素子の線分H−H’に沿った略断面図である。図1
7及び図18において、図9及び図10と同一の部材に
は同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0073】本実施例は、圧電性基板30が、入力電極
から励振される弾性表面波の伝搬方向と直交する方向
(y軸に平行な方向)に沿って、導波路が形成された領
域27のほぼ中央のu点から離れるにしたがって厚さが
厚くなる逆テーパー状に形成されている点のみ、第5実
施例と異なる。
【0074】本実施例の素子において、基板裏面、即ち
入力電極などが形成された基板30の第1の面30−1
に対向する第2の面は、互いに反対の傾斜をもった2つ
の傾斜面30−2及び30−3から構成されている。こ
れらの傾斜面30−2及び30−3は、第1の面30−
1に対してそれぞれθ1 及びθ2 の角度を有している。
領域27の内、第1の面から第2の面までの基板の厚さ
が最も薄い地点(u点)における基板30の厚さをd、
u点からy軸の負方向に沿った領域27の長さをW1
u点からy軸の正方向に沿った領域27の長さをW2
すると、本実施例の素子では、以下の(14)及び(1
5)式の条件を満足している。
【0075】 tan2θ1 ≧W1 /d … (14) tan2θ2 ≧W2 /d … (15) このような弾性表面波素子において、第1及び第2の入
力電極22,23に搬送角周波数ωの第1及び第2の信
号をそれぞれ入力すると、これらの電極から第1及び第
2の弾性表面波が励振される。これらの弾性表面波は、
導波路24−1〜24−nを互いに反対方向に伝搬し、
第3の弾性表面波を発生する。そして、この第3の弾性
表面波を出力電極25で受信することによって、第5実
施例と同様にコンボリューション出力信号が取り出され
る。
【0076】上記のようにコンボリューション出力信号
を取り出しているとき、同時に導波路が形成された領域
27において、搬送角周波数2ωのバルク波が生じ、第
1の面30−1と垂直方向に伝搬する。このバルク波の
内、u点よりy軸の正方向の側で発生したバルク波は、
傾斜面30−2で2θ1 の角度で反射され、再び第1の
面30−1のv点に戻る。u点からv点までの距離をI
1 とすると、tan2θ1 =I1 /dから、I1 =dt
an2θ1 と求められる。u点から発生したバルク波が
導波路に入力しない条件はI1 ≧W1 であるから、dt
an2θ1 ≧W1 から上記(14)式の条件が導かれ
る。同様に、u点よりy軸の負方向の側で発生したバル
ク波は、傾斜面30−3で2θ2 の角度で反射され、再
び第1の面30−1のw点に戻る。u点からw点までの
距離をI2 とすると、I2 =dtan2θ2 ,I2 ≧W
2 から上記(15)式の条件が導かれる。即ち、本実施
例において、出力電極のいずれの部分で発生したバルク
波も、基板裏面で反射されて出力電極の戻ることはな
い。したがって、本実施例も、第5実施例と同様に高い
SN比でコンボリューション出力信号を取り出すことが
できる。更に、本実施例では、出力電極の長さが同一で
あるとしても、(14),(15)式の条件を満たす傾
斜角を第6実施例の場合の半分にできるため、基板の厚
さを更に薄くできる効果を有する。
【0077】なお、上記第10実施例では、導波路が形
成された領域27の幅方向のほぼ中央(u点)に屈曲部
を設けたが、(14),(15)式を満足すれば、中央
からずれた位置に屈曲部を設けても良い。また、2つの
傾斜面の第1の面に対する角度θ1 及びθ2 は、同一で
あっても、互いに異なっていても構わない。
【0078】以上説明した第1〜第10実施例におい
て、基板の第2の面は全面、第1の面に対して傾斜した
ものとしたが、第1の面の出力電極または導波路が形成
された領域に対向する第2の面の一部のみを傾斜面と
し、第2の面の他の部分は第1の面と平行に形成しても
良い。このような構成とすると、第1〜第10実施例よ
りも基板の厚さを薄くすることができ、また、基板の保
持が容易になるため、基板上に電極等を作成する過程に
おいて基板が扱い易く、素子を通信システムの装置内に
取りつけるのも簡単になる。
【0079】なお、図1〜図18に記載されている座標
軸は、便宜上付記したものであり、基板の結晶軸等を意
味するものではない。
【0080】図19は、以上説明したような弾性表面波
素子をコンボルバとして用いた通信システムの一例を示
すブロック図である。図19において、符号125は送
信機を示す。この送信機は、送信すべき信号をスペクト
ラム拡散して、アンテナ126より送信する。送信され
た信号は、受信機124のアンテナ120で受信され、
受信信号101は周波数変換回路102に入力される。
周波数変換回路102で弾性表面波コンボルバの入力周
波数に合う周波数に変換されたIF信号103は、図1
〜図18に示したような本発明の弾性表面波素子から成
るコンボルバ104に入力される。ここで、IF信号1
03は、コンボルバの一方の入力励振電極、例えば図1
の電極2に入力される。
【0081】一方、参照信号発生回路105から出力さ
れる参照信号106は、弾性表面波コンボルバ104の
他方の入力励振電極、例えば図1の電極3に入力され
る。そして、コンボルバ104では、先に説明したよう
にIF信号103と参照信号106とのコンボリューシ
ョン演算(相関演算)が行われ、出力トランスデュー
サ、例えば図1の出力電極4より、出力信号(コンボリ
ューション信号)109が出力される。
【0082】この出力信号109は、同期回路108に
入力される。同期回路108では、弾性表面波コンボル
バ104の出力信号109より同期信号111および1
12が作られてそれぞれ参照信号発生回路105および
逆拡散回路107に入力される。参照信号発生回路10
5では、同期信号111を用いて参照信号106をその
タイミングを調整して出力する。逆拡散回路107では
同期信号112を用いてIF信号103をスペクトラム
拡散される前の信号に戻す。この信号は復調回路110
にて情報信号に変換されて出力される。図20に逆換算
回路107の構成例を示す。図20において、121は
符号発生器、123は乗算器である。符号発生器121
には、同期回路108から出力される同期信号112が
入力され、この同期信号112によってタイミングを調
節された符号122が出力される。乗算器123にはI
F信号103と符号122が入力され、IF信号103
と符号122との乗算結果が出力される。この時、IF
信号103と符号122とのタイミングが合っていれ
ば、IF信号103はスペクトラム拡散される前の信号
に変換されて出力される。
【0083】尚、受信信号101の周波数が弾性表面波
コンボルバ104の入力周波数に合っている場合には、
周波数変換回路102は不要であり、受信信号101を
増幅器およびフィルタを通して直接、弾性表面コンボル
バ104に入力して良い。また図19では説明をわかり
やすくするために増幅器やフィルタを省略して記した
が、必要に応じて各ブロックの前段あるいは後段に増幅
器やフィルタを挿入しても良い。更に、本実施例では受
信信号をアンテナ120にて受信しているが、アンテナ
120を用いずに送信機と受信機とをケーブルなどの有
線系で直接接続しても良い。
【0084】図21は、図19の通信システムにおける
受信機124の第1の変形例を示すブロック図である。
図21において、図19と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0085】本例は、同期追従回路113が設けられ、
IF信号103が同期追従回路113にも入力されてい
る。また、同期回路108から出力される同期信号11
2は同期追従回路113に入力され、同期追従回路11
3から出力される同期信号114が逆拡散回路107に
入力されている。これらの点で図19の例と異なる。同
期追従回路としては、タウ・ディザループ回路や遅延ロ
ックループ回路などがあるが、そのいずれを用いても良
い。
【0086】本実施例においても図19の例と同様の作
用効果が得られるが、更に本実施例では同期回路108
にて大まかな同期を取った後に、同期追従回路113に
より更に精度良く同期を取り、同期追従を行うので、同
期はずれが起こりにくくなり、誤り率を下げることがで
きる。
【0087】図22は、図19の通信システムにおける
受信機124の第2の変形例を示すブロック図である。
図22において、図19と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0088】本例では、弾性表面波コンボルバ104か
らの出力を検波回路115に入力し、検波回路115の
出力により復調を行っている。検波回路115として
は、同期検波回路や遅延検波回路、包絡線検波回路があ
り、信号の変調方式などにより使い分けることができ
る。
【0089】今、受信信号101が位相変調、周波数変
調、振幅変調などのある変調がなされた信号とすると、
弾性表面波コンボルバ104からの出力109には、そ
れらの変調情報が反映されている。特に、弾性表面波コ
ンボルバ104の導波路の長さdが、受信信号101の
データ1ビット当たりの時間T、弾性表面波速度をvと
して、d=vTを満たすならば、出力109に変調情報
がそのまま現われる。例えば、位相変調された信号f
(t)exp(jθ)が送信され、この信号を受信信号
101として受信したとする。
【0090】この際、参照信号g(t)106を弾性表
面波素子104に入力すると、その出力109は f(t)exp(jθ)g(τ−t)dt=exp(jθ) f(t)g(τ −t)dt…(16) となり、位相変調の情報が現われる。したがって、弾性
表面波素子104の出力109を適切な検波回路115
に通すことにより復調することができる。
【0091】図23は、図19の通信システムにおける
受信機124の第3の変形例を示すブロック図である。
図23において、図22と同一の部材には同一の符号を
付し、詳細な説明は省略する。
【0092】本例では、同期回路108が設けられ、弾
性表面波コンボルバ104の出力109が同期回路10
8にも入力されている。また、同期回路108から同期
信号111が出力されて参照信号発生回路105に入力
されている。これらの点で図22の例と異なる。
【0093】本実施例においても、図22の例と同様の
作用効果が得られるが、本実施例では同期回路108を
設け、同期回路108から出力される同期信号111に
よって参照信号発生回路105を制御しているので、同
期を安定に取ることができる。
【0094】本発明は、以上説明した実施例の他にも種
々の応用が可能である。
【0095】例えば、上記第1〜第3実施例における櫛
形入力電極2、3をダブル電極(スプリット電極)とす
ることにより、これらの入力電極2、3における弾性表
面波の反射を抑圧でき、素子の特性をより一層良好なも
のにすることができる。
【0096】さらに、本発明において、基板はニオブ酸
リチウム等の圧電体単結晶に限定されるものではなく、
例えば半導体やガラス基板上に圧電膜を付加した構造
等、パラメトリック・ミキシング効果がある材料及び構
造であればよい。
【0097】また、上記第1、第2実施例では、入力電
極にて励振される弾性表面波をそのまま出力電極に導い
ているが、該入力電極と該出力電極との間にホーン型導
波路やマルテストリップカプラ等のビーム幅圧縮器を設
けてもよい。
【0098】また、上記第5〜第10実施例において、
出力電極は弾性表面波導波路の片側のみに形成した構成
を示したが、導波路の両側に形成し、2つの出力電極か
らの出力を合成することで2倍のコンボリューション出
力を得ることができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明の弾性表面波
素子は、基板の弾性表面波が伝搬される第1の面に対向
する第2の面の少なくとも一部を角度θで所定方向に傾
斜した面とし、出力電極または導波路が形成された領域
の内、基板の厚さが最も薄い地点における基板の厚さを
d、この地点から所定方向に沿った出力電極または導波
路が形成された領域の長さをLとしたときに、条件式t
an2θ≧L/dを満足するように構成したので、基板
の第2面で反射されたバルク波が出力電極または導波路
に入射するのを防止し、高いSN比で出力信号を取り出
せる効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波素子の第1実施例を示す概
略斜視図である。
【図2】図1の素子の線分A−A’に沿った略断面図で
ある。
【図3】本発明の弾性表面波素子の第2実施例を示す概
略斜視図である。
【図4】図3の素子の線分B−B’に沿った略断面図で
ある。
【図5】本発明の弾性表面波素子の第3実施例を示す概
略斜視図である。
【図6】図5の素子の線分C−C’に沿った略断面図で
ある。
【図7】本発明の弾性表面波素子の第4実施例を示す概
略斜視図である。
【図8】図7の素子の線分D−D’に沿った略断面図で
ある。
【図9】本発明の弾性表面波素子の第5実施例を示す概
略斜視図である。
【図10】図9の素子の線分E−E’に沿った略断面図
である。
【図11】本発明の弾性表面波素子の第6実施例を示す
概略斜視図である。
【図12】図11の素子の線分F−F’に沿った略断面
図である。
【図13】本発明の弾性表面波素子の第7実施例を示す
略断面図である。
【図14】本発明の弾性表面波素子の第8実施例を示す
略断面図である。
【図15】本発明の弾性表面波素子の第9実施例を示す
概略斜視図である。
【図16】図11の素子の線分G−G’に沿った略断面
図である。
【図17】本発明の弾性表面波素子の第10実施例を示
す概略斜視図である。
【図18】図11の素子の線分H−H’に沿った略断面
図である。
【図19】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システ
ムの一例を示すブロック図である。
【図20】図19の逆拡散回路の具体的構成例を示すブ
ロック図である。
【図21】図19の受信機の変形例を示すブロック図で
ある。
【図22】図19の受信機の変形例を示すブロック図で
ある。
【図23】図19の受信機の変形例を示すブロック図で
ある。
【図24】従来の弾性表面波素子の第1の例を示す概略
斜視図である。
【図25】従来の弾性表面波素子の第2の例を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電性基板 1−1 基板の第1の面 1−2 基板の第2の面 2 第1の入力電極 3 第2の入力電極 4 出力電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板と、該基板の第1の面に形成
    され、各々第1及び第2の弾性表面波を励振する第1及
    び第2の入力電極と、前記基板の第1の面に形成され、
    前記第1及び第2の弾性表面波の相互作用によって生じ
    た信号を取り出す出力電極とから成り、前記第1の面に
    対向する基板の第2の面を、第1の面に対して所定方向
    に沿って傾斜した面とした弾性表面波素子において、前
    記基板の出力電極が形成された領域の内、第1の面から
    第2の面までの基板の厚さが最も薄い地点における基板
    の厚さをd、この地点から所定方向に沿った出力電極の
    長さをL、第1の面に対する第2の面の傾斜角をθとし
    たときに、条件式tan2θ≧L/dを満足することを
    特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記基板の第2の面が、第1及び第2の
    弾性表面波の伝搬方向に平行な方向に沿って傾斜した請
    求項1の弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 前記基板の第2の面が、第1及び第2の
    弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に沿って傾斜した
    請求項1の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 前記基板の第2の面が、互いに反対の傾
    斜を持った2つの面から構成された請求項1の弾性表面
    波素子。
  5. 【請求項5】 圧電性基板と、該基板の第1の面に形成
    され、各々第1及び第2の弾性表面波を励振する第1及
    び第2の入力電極と、前記基板の第1の面に形成され、
    前記第1及び第2の弾性表面波を互いに反対向きに伝搬
    させて、これらの弾性表面波の相互作用によって生じた
    第3の表面弾性波を励振する複数の導波路とから成る弾
    性表面波素子において、前記第1の面に対向する基板の
    第2の面を、第1の面に対して所定方向に沿って傾斜し
    た面とし、前記基板の導波路が形成された領域の内、第
    1の面から第2の面までの基板の厚さが最も薄い地点に
    おける基板の厚さをd、この地点から所定方向に沿った
    導波路が形成された領域の長さをL、第1の面に対する
    第2の面の傾斜角をθとしたときに、条件式tan2θ
    ≧L/dを満足することを特徴とする弾性表面波素子。
  6. 【請求項6】 前記基板の第2の面が、第1及び第2の
    弾性表面波の伝搬方向に平行な方向に沿って傾斜した請
    求項1の弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 前記基板の第2の面が、第1及び第2の
    弾性表面波の伝搬方向と直交する方向に沿って傾斜した
    請求項1の弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 前記基板の第2の面が、互いに反対の傾
    斜を持った2つの面から構成された請求項1の弾性表面
    波素子。
  9. 【請求項9】 圧電性基板と、該基板の第1の面に形成
    され、各々第1及び第2の弾性表面波を励振する第1及
    び第2の入力電極と、前記基板の第1の面に形成され、
    前記第1及び第2の弾性表面波を互いに反対向きに伝搬
    させて、これらの弾性表面波の相互作用によって生じた
    第3の表面弾性波を励振する複数の導波路と、前記基板
    の第1の面に形成され、第3の弾性表面波を電気信号に
    変換して取り出す出力電極とから成る弾性表面波素子に
    おいて、前記第1の面に対向する基板の第2の面を、第
    1の面に対して第3の弾性表面波の伝搬方向に沿って傾
    斜した面とし、前記基板の導波路及び出力電極が形成さ
    れた領域の内、第1の面から第2の面までの基板の厚さ
    が最も薄い地点における基板の厚さをd、この地点から
    第3の弾性表面波の伝搬方向に沿った導波路及び出力電
    極が形成された領域の長さをL、第1の面に対する第2
    の面の傾斜角をθとしたときに、条件式tan2θ≧L
    /dを満足することを特徴とする弾性表面波素子。
JP28862591A 1991-08-02 1991-11-05 弾性表面波素子 Pending JPH05129885A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7054355B2 (en) 1998-10-06 2006-05-30 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Spread spectrum signal processing apparatus and spread communication system
CN113680405A (zh) * 2021-08-26 2021-11-23 哈尔滨工业大学 一种声表面波驱动的微液滴移动速度与方向控制方法

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