JPH051321A - 耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法 - Google Patents
耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法Info
- Publication number
- JPH051321A JPH051321A JP15174191A JP15174191A JPH051321A JP H051321 A JPH051321 A JP H051321A JP 15174191 A JP15174191 A JP 15174191A JP 15174191 A JP15174191 A JP 15174191A JP H051321 A JPH051321 A JP H051321A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bolts
- steel
- bolt
- strength
- delayed fracture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Forging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 SCM鋼またはSCR鋼から高強度ボルトを
製造するときに、伸線加工の潤滑剤としてホウ素化合物
を使用し、ボルトの成形加工後の焼入れ・焼戻し処理
を、熱処理後にボルト表層の炭素濃度が鋼中の炭素濃度
に対して−0.15〜+0.02%の範囲に止まるよう
雰囲気を制御する。 【効果】 潤滑剤に起因する侵リンの危険をなくし、ホ
ウ素の粒界結合力向上と焼入性補完の効果を利用するこ
とにより、耐遅れ破壊性と疲労強度の改善されたボルト
が得られる。
製造するときに、伸線加工の潤滑剤としてホウ素化合物
を使用し、ボルトの成形加工後の焼入れ・焼戻し処理
を、熱処理後にボルト表層の炭素濃度が鋼中の炭素濃度
に対して−0.15〜+0.02%の範囲に止まるよう
雰囲気を制御する。 【効果】 潤滑剤に起因する侵リンの危険をなくし、ホ
ウ素の粒界結合力向上と焼入性補完の効果を利用するこ
とにより、耐遅れ破壊性と疲労強度の改善されたボルト
が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐遅れ破壊性と疲労特
性のすぐれたボルトの製造方法に関する。
性のすぐれたボルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や各種産業機械の小型化、軽量
化、さらには高出力化の傾向により、部品を締結するボ
ルトに対しても負荷が大きくなって、強度を高める必要
が生じている。 そこで、ボルトの材料としては一般
に、JISの強靱鋼のカテゴリーに属するSCM43
5,SCM440,SCR440などが使用されてい
る。
化、さらには高出力化の傾向により、部品を締結するボ
ルトに対しても負荷が大きくなって、強度を高める必要
が生じている。 そこで、ボルトの材料としては一般
に、JISの強靱鋼のカテゴリーに属するSCM43
5,SCM440,SCR440などが使用されてい
る。
【0003】ところが、これらの鋼のボルトにおいて、
引張強さを1200N/mm2以上に高めると、遅れ破
壊を生じる危険が出てくるため、保安上重要な部分に高
強度ボルトを使用できない。
引張強さを1200N/mm2以上に高めると、遅れ破
壊を生じる危険が出てくるため、保安上重要な部分に高
強度ボルトを使用できない。
【0004】ボルトの材料とする線材の製造に当って
は、多くの場合、リン酸塩被膜を潤滑剤として利用した
伸線加工を行なう。 リン酸塩が付着したままの鋼を焼
入れ温度に保持すると、鋼の表面からPが侵入する侵リ
ン現象が起り、侵入したPはボルトの表面近くの粒界の
結合力を弱めるため、使用中に遅れ破壊が生じる可能性
が高い。 従って、焼入れ前にリン酸塩の被膜を除去し
なければならない。
は、多くの場合、リン酸塩被膜を潤滑剤として利用した
伸線加工を行なう。 リン酸塩が付着したままの鋼を焼
入れ温度に保持すると、鋼の表面からPが侵入する侵リ
ン現象が起り、侵入したPはボルトの表面近くの粒界の
結合力を弱めるため、使用中に遅れ破壊が生じる可能性
が高い。 従って、焼入れ前にリン酸塩の被膜を除去し
なければならない。
【0005】一方、ボルトの表面を脱炭させることによ
り軟化させ、遅れ破壊に対する感受性を低下させること
が試みられている。 しかし、脱炭がごく軽微である
と、上記の侵リンによる遅れ破壊は防げないし、過度に
なれば、表面の軟化域で容易に疲労亀裂が発生してそれ
が伝播する結果、疲労強度が低下するという別の問題が
出てくる。
り軟化させ、遅れ破壊に対する感受性を低下させること
が試みられている。 しかし、脱炭がごく軽微である
と、上記の侵リンによる遅れ破壊は防げないし、過度に
なれば、表面の軟化域で容易に疲労亀裂が発生してそれ
が伝播する結果、疲労強度が低下するという別の問題が
出てくる。
【0006】高強度ボルトにおいて、浸炭は避けるべき
ものとされている。 侵リンを受けなかったボルトで
も、比較的軽い浸炭で耐遅れ破壊性は劣るというのが常
識である。
ものとされている。 侵リンを受けなかったボルトで
も、比較的軽い浸炭で耐遅れ破壊性は劣るというのが常
識である。
【0007】出願人は、ボルトの耐遅れ破壊性を改善す
るためのひとつの方策として、特定の合金成分を選択
し、これに500℃以上の高温焼もどしを組み合わせる
ことを提案した(特開昭61−130456)。
るためのひとつの方策として、特定の合金成分を選択
し、これに500℃以上の高温焼もどしを組み合わせる
ことを提案した(特開昭61−130456)。
【0008】その後の研究の結果、耐遅れ破壊性の向上
にとって、伸線加工時の潤滑被膜の選択と焼入時の雰囲
気が重要であることを見出した。 また、多くの場合に
転造技術によって行なっているねじ部の成形を、熱処理
前の粗加工と、熱処理後の仕上げ加工とに分けて行なう
のが有利であることを知った。
にとって、伸線加工時の潤滑被膜の選択と焼入時の雰囲
気が重要であることを見出した。 また、多くの場合に
転造技術によって行なっているねじ部の成形を、熱処理
前の粗加工と、熱処理後の仕上げ加工とに分けて行なう
のが有利であることを知った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した知見を生かし、侵リンがひきおこす危険を原理的に
なくし、耐遅れ破壊性と疲労強度を向上させた高強度ボ
ルトの製造方法を提供することにある。
した知見を生かし、侵リンがひきおこす危険を原理的に
なくし、耐遅れ破壊性と疲労強度を向上させた高強度ボ
ルトの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の耐遅れ破壊性と
疲労強度のすぐれた高強度ボルトの製造方法は、0.2
0〜0.45%の炭素を含有するボルト用鋼の線材の表
面にホウ素化合物を主成分とする潤滑被膜を形成し、伸
線加工した後、そのままボルトに成形加工して焼入れ・
焼戻し処理を施し、その際、熱処理後のボルト表面近傍
における炭素濃度の鋼中の炭素含有量に対する変動が−
0.15〜+0.02%の範囲に止まるように雰囲気を
制御して熱処理を行ない、それによって引張強さを12
00〜1600N/mm2に調節することからなる。
疲労強度のすぐれた高強度ボルトの製造方法は、0.2
0〜0.45%の炭素を含有するボルト用鋼の線材の表
面にホウ素化合物を主成分とする潤滑被膜を形成し、伸
線加工した後、そのままボルトに成形加工して焼入れ・
焼戻し処理を施し、その際、熱処理後のボルト表面近傍
における炭素濃度の鋼中の炭素含有量に対する変動が−
0.15〜+0.02%の範囲に止まるように雰囲気を
制御して熱処理を行ない、それによって引張強さを12
00〜1600N/mm2に調節することからなる。
【0011】この種のボルトのねじ部の成形は、通常は
転造技術によって行なわれており、本発明においても転
造は有利に実施できる。 焼入れ前の転造だけで所望の
ねじ部を得るのに不足な場合、または特別に精密なねじ
部を形成したい場合には、焼入れ・焼戻し後に仕上げの
ための転造を行なうとよい。
転造技術によって行なわれており、本発明においても転
造は有利に実施できる。 焼入れ前の転造だけで所望の
ねじ部を得るのに不足な場合、または特別に精密なねじ
部を形成したい場合には、焼入れ・焼戻し後に仕上げの
ための転造を行なうとよい。
【0012】潤滑被膜として利用するホウ素化合物は、
ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなどを使用
すればよい。 ホウ砂すなわちホウ酸ナトリウム10水
塩が、安価に入手でき、加工温度でガラス化して良好な
潤滑性能を示す点で、好適である。
ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなどを使用
すればよい。 ホウ砂すなわちホウ酸ナトリウム10水
塩が、安価に入手でき、加工温度でガラス化して良好な
潤滑性能を示す点で、好適である。
【0013】熱処理後のボルトの表面近傍の炭素濃度を
鋼中の炭素含有量に対して−0.15〜+0.02%の
変動に抑えるには、焼入れの雰囲気のカーボンポテンシ
ャルを制御すればよい。
鋼中の炭素含有量に対して−0.15〜+0.02%の
変動に抑えるには、焼入れの雰囲気のカーボンポテンシ
ャルを制御すればよい。
【0014】ボルト用鋼は、C:0.20〜0.45%
を含有するものであれば種々の鋼種が使用可能である
が、代表的なものは、SCMおよびSCRのうちC含有
量が上記の範囲の鋼である。
を含有するものであれば種々の鋼種が使用可能である
が、代表的なものは、SCMおよびSCRのうちC含有
量が上記の範囲の鋼である。
【0015】
【作用】前述のように、伸線加工時の潤滑剤としてリン
酸塩を使用することは、侵リンの危険があり原理的に好
ましくないから、本発明ではこれに代えてホウ素化合物
を採用した。 ホウ素化合物による潤滑は、リンを排除
するだけでなく、伸線後の成形加工や熱処理時にも潤滑
被膜を残存させておくことによって、ボルト表層に微量
のBが侵入して粒界の結合力を高めるとともに、表層部
の焼入性を増強するはたらきがある。 侵入したBが粒
界の結合力を高める機構は、鋼中に残存する不純物たと
えばPの析出を抑えることにあると考えられる。
酸塩を使用することは、侵リンの危険があり原理的に好
ましくないから、本発明ではこれに代えてホウ素化合物
を採用した。 ホウ素化合物による潤滑は、リンを排除
するだけでなく、伸線後の成形加工や熱処理時にも潤滑
被膜を残存させておくことによって、ボルト表層に微量
のBが侵入して粒界の結合力を高めるとともに、表層部
の焼入性を増強するはたらきがある。 侵入したBが粒
界の結合力を高める機構は、鋼中に残存する不純物たと
えばPの析出を抑えることにあると考えられる。
【0016】ボルトの熱処理に当って酸化性の雰囲気に
さらされると、脱炭の進行とともにSi,Mn,Cr,
Alなどの合金元素が酸化される。 それらの酸化物は
主に粒界に生成するため、疲労による亀裂の発生点を提
供し、亀裂の初期伝播を助長する危険がある。 Bは粒
界に偏析することによって、これら酸化物の粒界におけ
る析出を抑制するものと思われる。 合金元素の酸化は
マトリクス中の合金成分量を減少させ、その結果、焼入
性が低下して不完全焼入組織ができることによりボルト
表層部は軟いものになる。 Bの侵入は、この焼入性低
下を補完する。
さらされると、脱炭の進行とともにSi,Mn,Cr,
Alなどの合金元素が酸化される。 それらの酸化物は
主に粒界に生成するため、疲労による亀裂の発生点を提
供し、亀裂の初期伝播を助長する危険がある。 Bは粒
界に偏析することによって、これら酸化物の粒界におけ
る析出を抑制するものと思われる。 合金元素の酸化は
マトリクス中の合金成分量を減少させ、その結果、焼入
性が低下して不完全焼入組織ができることによりボルト
表層部は軟いものになる。 Bの侵入は、この焼入性低
下を補完する。
【0017】焼入後のボルト表層部の炭素濃度を、前述
のように、鋼の炭素含有量に対する変動が−0.15%
〜+0.02%の範囲に止まるようにする意味は、軽度
の脱炭から極軽度の浸炭にわたる領域から逸脱しないと
いうことを意味する。 この限界より強い脱炭が行なわ
れると焼入性の低下が著しくなり、前記したBの侵入に
よる焼入性の補完で対処しきれなくなる。 一方、上記
の限界を超えた浸炭は、侵入したBによる粒界結合力の
向上を効果のないものとする。 こうした脱炭〜浸炭の
制御は、材料とするボルト用鋼の炭素含有量に応じて雰
囲気のカーボンポテンシャルをえらぶことにより可能で
あり、ガス浸炭の技術において知られているところに従
って実施すればよい。
のように、鋼の炭素含有量に対する変動が−0.15%
〜+0.02%の範囲に止まるようにする意味は、軽度
の脱炭から極軽度の浸炭にわたる領域から逸脱しないと
いうことを意味する。 この限界より強い脱炭が行なわ
れると焼入性の低下が著しくなり、前記したBの侵入に
よる焼入性の補完で対処しきれなくなる。 一方、上記
の限界を超えた浸炭は、侵入したBによる粒界結合力の
向上を効果のないものとする。 こうした脱炭〜浸炭の
制御は、材料とするボルト用鋼の炭素含有量に応じて雰
囲気のカーボンポテンシャルをえらぶことにより可能で
あり、ガス浸炭の技術において知られているところに従
って実施すればよい。
【0018】熱処理後の強度を1200N/mm2以上
に調節するのは、これが高強度ボルトとして必要とされ
る水準だからであり、1600N/mm2を上限とした
のは、これより高い強度にすると、ボルトの表面性状の
管理だけでは耐遅れ破壊性の改善が困難となるからであ
る。
に調節するのは、これが高強度ボルトとして必要とされ
る水準だからであり、1600N/mm2を上限とした
のは、これより高い強度にすると、ボルトの表面性状の
管理だけでは耐遅れ破壊性の改善が困難となるからであ
る。
【0019】
【実施例】表1の合金組成(重量%、残部不純物および
Fe)を有する鋼の線材を用意した。 その一部は、潤
滑被膜を形成してから冷間鍛造および転造によりボルト
に成形し、別の一部は、引張試験片および遅れ破壊試験
片に機械加工してから潤滑被膜を形成し、いずれも熱処
理した。
Fe)を有する鋼の線材を用意した。 その一部は、潤
滑被膜を形成してから冷間鍛造および転造によりボルト
に成形し、別の一部は、引張試験片および遅れ破壊試験
片に機械加工してから潤滑被膜を形成し、いずれも熱処
理した。
【0020】
表1鋼
C Si Mn Cr その他
A 0.260 0.31 0.81 1.12 Mo0.17
B 0.421 0.30 0.77 1.16 −
C 0.332 0.05 0.34 1.02 Mo0.61,V0.14
D 0.379 0.11 0.29 1.25 Mo0.31,V0.31
Nb0.06
潤滑被膜は、ホウ酸ナトリウムNa2B4O7・5H2Oの
濃度200g/lの水溶液に、温度90℃で10分間浸
漬してひき上げ、風乾することによって形成した(これ
を「B系」であらわす)。 比較のため、リン酸塩系の
潤滑被膜を形成したものも用意した(これを「P系」で
あらわす)。
濃度200g/lの水溶液に、温度90℃で10分間浸
漬してひき上げ、風乾することによって形成した(これ
を「B系」であらわす)。 比較のため、リン酸塩系の
潤滑被膜を形成したものも用意した(これを「P系」で
あらわす)。
【0021】種々の焼入れ・焼戻し温度において、かつ
脱炭〜浸炭にわたる雰囲気の下に、上記の試験片および
ボルトを熱処理した。 熱処理の条件、熱処理後の試験
片(遅れ破壊試験片)の表層部の炭素濃度と、それが鋼
中の炭素濃度に対してどのくらい変動したかを、表2に
示す。
脱炭〜浸炭にわたる雰囲気の下に、上記の試験片および
ボルトを熱処理した。 熱処理の条件、熱処理後の試験
片(遅れ破壊試験片)の表層部の炭素濃度と、それが鋼
中の炭素濃度に対してどのくらい変動したかを、表2に
示す。
【0022】
表2
No. 鋼 被膜 焼入温度 焼戻温度 表層部 C%の差
(℃) (℃) C(%)
実施例1 A B系 870 450 0.210 −0.050
〃 2 B 〃 850 490 0.273 −0.148
〃 3 C 〃 875 600 0.294 −0.038
〃 4 D 〃 930 580 0.255 −0.077
〃 5 C 〃 890 570 0.391 +0.012
〃 6 D 〃 920 620 0.364 −0.015
比較例1 A P系 865 430 0.250 −0.010
〃 2 B 〃 855 470 0.250 −0.171
〃 3 C 〃 925 610 0.339 +0.007
〃 4 D B系 950 560 0.412 +0.033
〃 5 B 〃 870 480 0.200 −0.221
〃 6 C P系 880 520 0.299 −0.033
上記それぞれの試験片またはボルト製品について、下記
の試験を行なった。
の試験を行なった。
【0023】(遅れ破壊試験)径6mm×長さ40mm
の丸棒の中央に60°の角度のV字ノッチを深さ1m
m、底部のアール0.1mmで設けたものを試験片とし
た。 このノッチ部に腐食液(0.1N−HCl)を滴
下しながら曲げ応力を負荷した。 一部の試験片に対し
ては、ノッチの底に0.1mmRの工具鋼(HRC6
0)を200kgf/mm2の圧力で押しつけ、転造加
工条件のシミュレーションとした。
の丸棒の中央に60°の角度のV字ノッチを深さ1m
m、底部のアール0.1mmで設けたものを試験片とし
た。 このノッチ部に腐食液(0.1N−HCl)を滴
下しながら曲げ応力を負荷した。 一部の試験片に対し
ては、ノッチの底に0.1mmRの工具鋼(HRC6
0)を200kgf/mm2の圧力で押しつけ、転造加
工条件のシミュレーションとした。
【0024】耐遅れ破壊性は、上記の条件で曲げ応力を
加えたときに30時間経過後に破断する応力(「30時
間強度」という)に対する、腐食液を滴下せずに曲げ応
力を加えて破断したときの応力(「靜曲げ応力」とい
う)の比をとり、遅れ破壊強度比として評価した。(値
が1に近いほど好成績といえる。) 遅れ破壊強度比=30時間強度/靜曲げ応力 (疲労試験)前記のボルトに対し、実体疲労試験機で平
均応力790N/mm2を負荷して、3×106回後に破
断しない応力振幅をもって、疲労強度の尺度とした。
加えたときに30時間経過後に破断する応力(「30時
間強度」という)に対する、腐食液を滴下せずに曲げ応
力を加えて破断したときの応力(「靜曲げ応力」とい
う)の比をとり、遅れ破壊強度比として評価した。(値
が1に近いほど好成績といえる。) 遅れ破壊強度比=30時間強度/靜曲げ応力 (疲労試験)前記のボルトに対し、実体疲労試験機で平
均応力790N/mm2を負荷して、3×106回後に破
断しない応力振幅をもって、疲労強度の尺度とした。
【0025】上記2種の試験の結果を、表3に示す。
【0026】
表3
No. 転造シミュ 引張強さ 遅破壊 疲労強度
レーション (N/mm2) 強度比 (N/mm2)
実施例1 なし 1200 0.80 96
〃 2 〃 1280 0.81 88
〃 3 〃 1250 0.88 103
〃 4 あり 1540 0.78 125
〃 5 〃 1370 0.75 116
〃 6 なし 1410 0.84 124
比較例1 〃 1240 0.59 50
〃 2 〃 1310 0.86 34
〃 3 〃 1230 0.38 57
〃 4 〃 1580 0.31 120
〃 5 あり 1300 0.89 41
〃 6 〃 1320 0.62 64
【0027】
【発明の効果】本発明の高強度ボルトの製造方法は、伸
線加工時の潤滑剤として在来技術のリン酸塩に代えてホ
ウ素化合物を使用したから、侵リンの危険を原理的にな
くし、Bの侵入による粒界結合力の向上と焼入性の補完
を行ない、かつ熱処理時に軽脱炭〜極軽浸炭の雰囲気条
件を採用することによって、耐遅れ破壊性を向上し、疲
労特性を改善することに成功した。
線加工時の潤滑剤として在来技術のリン酸塩に代えてホ
ウ素化合物を使用したから、侵リンの危険を原理的にな
くし、Bの侵入による粒界結合力の向上と焼入性の補完
を行ない、かつ熱処理時に軽脱炭〜極軽浸炭の雰囲気条
件を採用することによって、耐遅れ破壊性を向上し、疲
労特性を改善することに成功した。
【0028】従ってこの製造方法は、各種強靱鋼でボル
トを製造する場合に採用して効果がある。
トを製造する場合に採用して効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】 0.20〜0.45%の炭素を含有する
ボルト用鋼の線材の表面にホウ素化合物を主成分とする
潤滑被膜を形成し、伸線加工した後そのままボルトに成
形加工して焼入れ・焼戻し処理を施し、その際、熱処理
後のボルト表面近傍における炭素濃度の鋼中の炭素含有
量に対する変動が−0.15〜+0.02%の範囲に止
まるように雰囲気を制御して熱処理を行ない、それによ
って引張強さを1200〜1600N/mm2に調節す
ることからなる耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強
度ボルトの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の製造方法において、焼入れ・
焼戻し処理を行なったのち、ねじ部の仕上げ加工を行な
う工程を付加した高強度ボルト用鋼の製造方法。 - 【請求項3】 ボルトのねじ部の成形加工および(また
は)仕上げ加工を転造により実施する請求項1または2
の高強度ボルトの製造方法。 - 【請求項4】 ホウ素化合物として、ホウ酸、ホウ酸ナ
トリウムおよびホウ酸カリウムからえらんだものを使用
する請求項1または2の高強度ボルトの製造方法。 - 【請求項5】 ボルト用鋼がSCMまたはSCRである
請求項1または2の高強度ボルトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15174191A JPH051321A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15174191A JPH051321A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH051321A true JPH051321A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=15525273
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15174191A Pending JPH051321A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH051321A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020047667A (ko) * | 2000-12-13 | 2002-06-22 | 이계안 | 볼조인트용 스텃 볼트의 제조방법 |
| US6905825B2 (en) | 2001-06-05 | 2005-06-14 | Hitachi, Ltd. | Method for isolating and purifying nucleic acids |
| US7215788B2 (en) | 1995-03-31 | 2007-05-08 | 1 . . . Limited | Digital loudspeaker |
| KR101107018B1 (ko) * | 2004-05-31 | 2012-01-25 | 이케우치 세이코 컴퍼니 리미티드 | 고강도 볼트용 강선 및 고강도 볼트의 제조방법 |
-
1991
- 1991-06-24 JP JP15174191A patent/JPH051321A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7215788B2 (en) | 1995-03-31 | 2007-05-08 | 1 . . . Limited | Digital loudspeaker |
| KR20020047667A (ko) * | 2000-12-13 | 2002-06-22 | 이계안 | 볼조인트용 스텃 볼트의 제조방법 |
| US6905825B2 (en) | 2001-06-05 | 2005-06-14 | Hitachi, Ltd. | Method for isolating and purifying nucleic acids |
| KR101107018B1 (ko) * | 2004-05-31 | 2012-01-25 | 이케우치 세이코 컴퍼니 리미티드 | 고강도 볼트용 강선 및 고강도 볼트의 제조방법 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2008539331A (ja) | 焼戻しマルテンサイト鋼、該鋼からの部品の製造方法、及びそのように得られた部品 | |
| JPH10219392A (ja) | 高周波焼入用部品およびその製造方法 | |
| JPH06172867A (ja) | 衝撃疲労寿命に優れた歯車の製造方法 | |
| JP3606024B2 (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
| JP3329177B2 (ja) | 曲げ強度と衝撃特性に優れた浸炭部品 | |
| JP3550886B2 (ja) | 被削性および疲労強度に優れた高周波焼入用の歯車用鋼材の製造方法 | |
| JPH051321A (ja) | 耐遅れ破壊性と疲労特性のすぐれた高強度ボルトの製造方法 | |
| JPH108189A (ja) | 曲げ特性に優れる高周波焼入れ用鋼ならびにその 鋼材を用いた曲げ特性に優れる高周波焼入れ部品 | |
| EP1584700A1 (en) | High-strength steel product excelling in fatigue strength and process for producing the same | |
| JP3458604B2 (ja) | 高周波焼入れ部品の製造方法 | |
| JP3623313B2 (ja) | 浸炭歯車部品 | |
| JP3644217B2 (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
| JPH01176031A (ja) | 熱間鍛造用非調質鋼の製造方法 | |
| JP3340016B2 (ja) | 軟窒化用構造用鋼 | |
| JP3236883B2 (ja) | 肌焼鋼及びそれを用いた鋼管の製造方法 | |
| JP3036401B2 (ja) | 肌焼鋼および衝撃疲労特性に優れた浸炭部品 | |
| JP3242336B2 (ja) | 冷間鍛造性および疲労強度に優れた冷間鍛造用鋼ならびに冷間鍛造部材の製造方法 | |
| JP3428282B2 (ja) | 高周波焼入用の歯車用鋼材およびその製造方法 | |
| JPH08165557A (ja) | 耐ピッチング性軟窒化歯車の製造方法 | |
| JPH05320748A (ja) | 転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造方法 | |
| JPH0563542B2 (ja) | ||
| JPH0967625A (ja) | 耐遅れ破壊性に優れた浸炭高強度ネジの製造方法 | |
| JP3503289B2 (ja) | 高周波焼入用鋼材 | |
| JPH02217421A (ja) | 高疲労強度ばねの製造方法及びそれに用いる鋼線 | |
| JPH108209A (ja) | 冷間加工性に優れた非調質鋼とその製造方法ならびに非調質鋼鍛造部材の製造方法 |