JPH05139735A - レーザアブレーシヨン法による薄膜形成装置 - Google Patents
レーザアブレーシヨン法による薄膜形成装置Info
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- JPH05139735A JPH05139735A JP3301794A JP30179491A JPH05139735A JP H05139735 A JPH05139735 A JP H05139735A JP 3301794 A JP3301794 A JP 3301794A JP 30179491 A JP30179491 A JP 30179491A JP H05139735 A JPH05139735 A JP H05139735A
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- Japan
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- grid
- target
- thin film
- substrate
- laser
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】薄膜の組成の均一化に有利なレーザアブレーシ
ョン法による薄膜形成装置を提供する。 【構成】装置は、真空容器1とターゲット20(酸化物
系超伝導体)とパルスレーザ発振器3(エキシマレー
ザ:ArF)と負の電位が与えられる基板40とドーム
形状のグリッド5とドーム形状のスクリーン6とをも
つ。モータ21によりターゲット20を回転させるとと
もにモータ41により基板40を回転させた状態で、パ
ルスレーザビームをターゲット20に照射し、爆発的な
解離であるレーザアブレーションを発生させ、イオン化
された速度が速い物質と、比較的速度の遅い中性物質と
を生じさせる。中性物質は広範囲で飛来し、イオンはス
クリーン6とグリッド5との電界により広い角度に拡散
され、基板40で成膜される。
ョン法による薄膜形成装置を提供する。 【構成】装置は、真空容器1とターゲット20(酸化物
系超伝導体)とパルスレーザ発振器3(エキシマレー
ザ:ArF)と負の電位が与えられる基板40とドーム
形状のグリッド5とドーム形状のスクリーン6とをも
つ。モータ21によりターゲット20を回転させるとと
もにモータ41により基板40を回転させた状態で、パ
ルスレーザビームをターゲット20に照射し、爆発的な
解離であるレーザアブレーションを発生させ、イオン化
された速度が速い物質と、比較的速度の遅い中性物質と
を生じさせる。中性物質は広範囲で飛来し、イオンはス
クリーン6とグリッド5との電界により広い角度に拡散
され、基板40で成膜される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザアブレーション法
による薄膜形成装置に関する。本発明は例えば酸化物超
伝導体の薄膜を形成する際に利用できる。
による薄膜形成装置に関する。本発明は例えば酸化物超
伝導体の薄膜を形成する際に利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザアブレーション法による薄
膜形成装置が開発されつつある。この装置は、極めて高
エネルギ密度のレーザビーム、一般的には、紫外域で高
出力のエキシマレーザのパルスレーザビームを用い、そ
のレーザビームを高真空状態で固体ターゲットに照射
し、その表面で爆発的な解離であるレーザアブレーショ
ンを発生させ、そして、レーザアブレーションで放出さ
れた原子、イオン等の粒子を基板上に堆積させ、薄膜を
成長させる方法である。
膜形成装置が開発されつつある。この装置は、極めて高
エネルギ密度のレーザビーム、一般的には、紫外域で高
出力のエキシマレーザのパルスレーザビームを用い、そ
のレーザビームを高真空状態で固体ターゲットに照射
し、その表面で爆発的な解離であるレーザアブレーショ
ンを発生させ、そして、レーザアブレーションで放出さ
れた原子、イオン等の粒子を基板上に堆積させ、薄膜を
成長させる方法である。
【0003】上記したレーザアブレーションは、非熱的
な性質をもつとされており、熱的なレーザプロセスに比
較して、イオン化率、放出粒子の運動エネルギも極めて
大きい。上記したレーザアブレーション法による薄膜形
成装置で形成した薄膜は、その組成、厚みが不均一であ
った。その理由は次の様であると考えられている。即
ち、レーザアブレーションでは、ターゲット材料の表面
において、主として、イオン化された速度が速い物質
と、比較的速度の遅い中性物質とが生じ、両者が基板に
向けて飛来する。ここで、中性物質は、照射点の法線方
向に対してcosθの分布で放出されるので、かなり広
い範囲で基板に向けて飛来する。一方、イオン化された
物質は、照射点の法線方向に対してcosn θ(n>>
1)の分布で放出されるので、照射点からほとんど広が
らずに基板に向けて集中的に飛来する。そのため、基板
の薄膜形成面で形成された薄膜のうち、中央部ではイオ
ン化された物質が増し、周辺部では中性物質が相対的に
増し、薄膜の組成に不均一が生じる。
な性質をもつとされており、熱的なレーザプロセスに比
較して、イオン化率、放出粒子の運動エネルギも極めて
大きい。上記したレーザアブレーション法による薄膜形
成装置で形成した薄膜は、その組成、厚みが不均一であ
った。その理由は次の様であると考えられている。即
ち、レーザアブレーションでは、ターゲット材料の表面
において、主として、イオン化された速度が速い物質
と、比較的速度の遅い中性物質とが生じ、両者が基板に
向けて飛来する。ここで、中性物質は、照射点の法線方
向に対してcosθの分布で放出されるので、かなり広
い範囲で基板に向けて飛来する。一方、イオン化された
物質は、照射点の法線方向に対してcosn θ(n>>
1)の分布で放出されるので、照射点からほとんど広が
らずに基板に向けて集中的に飛来する。そのため、基板
の薄膜形成面で形成された薄膜のうち、中央部ではイオ
ン化された物質が増し、周辺部では中性物質が相対的に
増し、薄膜の組成に不均一が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した実情
に鑑みなされたものであり、その目的は、膜の組成の均
一化に有利なレーザアブレーション法による薄膜形成装
置を提供することを目的とする。
に鑑みなされたものであり、その目的は、膜の組成の均
一化に有利なレーザアブレーション法による薄膜形成装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるレーザア
ブレーション法による薄膜形成装置は、真空室をもつ真
空容器と、真空室に配置されターゲットを保持するター
ゲット保持部と、ターゲットにレーザアブレーションを
生じさせる高エネルギ密度のレーザビームを照射するレ
ーザ発振器と、真空室に配置され負の電位が与えられる
薄膜形成面をもつ基板を保持する基板保持部と、基板保
持部とターゲット保持部との間に位置しレーザアブレー
ションで生成した粒子が通る通路に配置され負の電位が
与えられるグリッドとで構成され、レーザアブレーショ
ンで生成されたイオンをグリッドで基板に向けて拡散飛
来させる様にしたことを特徴とするものである。
ブレーション法による薄膜形成装置は、真空室をもつ真
空容器と、真空室に配置されターゲットを保持するター
ゲット保持部と、ターゲットにレーザアブレーションを
生じさせる高エネルギ密度のレーザビームを照射するレ
ーザ発振器と、真空室に配置され負の電位が与えられる
薄膜形成面をもつ基板を保持する基板保持部と、基板保
持部とターゲット保持部との間に位置しレーザアブレー
ションで生成した粒子が通る通路に配置され負の電位が
与えられるグリッドとで構成され、レーザアブレーショ
ンで生成されたイオンをグリッドで基板に向けて拡散飛
来させる様にしたことを特徴とするものである。
【0006】レーザ発振器は、一般に、紫外域で高出力
のエキシマレーザ、あるいは、Nd:YAGレーザをQ
−スイッチ等によりパルス的に発振するものとする。エ
キシマレーザはArF、KrF、XeClなどを採用で
きる。ターゲットとしては、金属、非金属、半導体、絶
縁体、多成分系の酸化物超伝導体を採用できる。多成分
系の酸化物超伝導体としては、YBa2 Cu3 0 7-x、
Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 O8 がある。グリッドは、グ
リッド曲率半径の小さなものをターゲットに近接した位
置に配置することが好ましい。ターゲットに近い位置で
イオンを効果的に拡散できるため、イオンの拡散性を大
きくすることができるからである。但し、グリッドをタ
ーゲットに近接しすぎると、レーザビームでグリッドが
損傷する可能性が高くなるので、留意する必要がある。
のエキシマレーザ、あるいは、Nd:YAGレーザをQ
−スイッチ等によりパルス的に発振するものとする。エ
キシマレーザはArF、KrF、XeClなどを採用で
きる。ターゲットとしては、金属、非金属、半導体、絶
縁体、多成分系の酸化物超伝導体を採用できる。多成分
系の酸化物超伝導体としては、YBa2 Cu3 0 7-x、
Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 O8 がある。グリッドは、グ
リッド曲率半径の小さなものをターゲットに近接した位
置に配置することが好ましい。ターゲットに近い位置で
イオンを効果的に拡散できるため、イオンの拡散性を大
きくすることができるからである。但し、グリッドをタ
ーゲットに近接しすぎると、レーザビームでグリッドが
損傷する可能性が高くなるので、留意する必要がある。
【0007】
【作用】レーザアブレーションで生成されたイオン、中
性物質(クラスタも含む)は基板に向けて飛来するが、
イオンはグリッドで拡散される。そのため、イオンは広
範囲で基板に向けて飛来する。
性物質(クラスタも含む)は基板に向けて飛来するが、
イオンはグリッドで拡散される。そのため、イオンは広
範囲で基板に向けて飛来する。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。本実施例に
かかる薄膜形成装置は、図1に示す様に、真空室10を
もつ真空容器1と、ターゲット20を保持するターゲッ
ト保持部2と、パルスレーザ発振器3と、ターゲット2
0の真上に位置して真空室10に配置され負の電位が与
えられる基板40を保持する基板保持部4と、基板保持
部4とターゲット保持部2との間に位置するドーム形状
のグリッド5と、グリッド5に近接するドーム形状のス
クリーン6とで構成されている。グリッド5の電位は可
変電圧源53により付与される。スクリーン6の電位は
可変電圧源63により付与される。グリッド5の開口と
スクリーン6の開口とは互いに対面する様に設定されて
いる。レーザアブレーションで発生したイオン、中性物
質の通過性を確保し、半球面状の電界を印加するため等
である。さらに、真空容器10には凸レンズ11、光学
窓12が設けられ、凸レンズ11、光学窓12を通して
レーザビームLがターゲット20に向けて照射される。
ターゲット20の材質は固体のYBa2 Cu3 O7-x で
ある。ターゲット保持部2はモータ21により回転され
る。基板保持部4はモータ41により回転される。
かかる薄膜形成装置は、図1に示す様に、真空室10を
もつ真空容器1と、ターゲット20を保持するターゲッ
ト保持部2と、パルスレーザ発振器3と、ターゲット2
0の真上に位置して真空室10に配置され負の電位が与
えられる基板40を保持する基板保持部4と、基板保持
部4とターゲット保持部2との間に位置するドーム形状
のグリッド5と、グリッド5に近接するドーム形状のス
クリーン6とで構成されている。グリッド5の電位は可
変電圧源53により付与される。スクリーン6の電位は
可変電圧源63により付与される。グリッド5の開口と
スクリーン6の開口とは互いに対面する様に設定されて
いる。レーザアブレーションで発生したイオン、中性物
質の通過性を確保し、半球面状の電界を印加するため等
である。さらに、真空容器10には凸レンズ11、光学
窓12が設けられ、凸レンズ11、光学窓12を通して
レーザビームLがターゲット20に向けて照射される。
ターゲット20の材質は固体のYBa2 Cu3 O7-x で
ある。ターゲット保持部2はモータ21により回転され
る。基板保持部4はモータ41により回転される。
【0009】パルスレーザ発振器3は紫外域のエキシマ
レーザビーム(ArF、発振波長:193nm、パル
ス:10〜300Hz、ピーク出力:100W(300
mJ))を発振する。ここで本実施例では、スクリーン
6の中心Kとターゲット20との距離d0 は10〜30
mmとされている。スクリーン6の半径rは15〜30
0mmとされている。グリッド5とスクリーン6との間
隔距離は2〜10mmとされている。
レーザビーム(ArF、発振波長:193nm、パル
ス:10〜300Hz、ピーク出力:100W(300
mJ))を発振する。ここで本実施例では、スクリーン
6の中心Kとターゲット20との距離d0 は10〜30
mmとされている。スクリーン6の半径rは15〜30
0mmとされている。グリッド5とスクリーン6との間
隔距離は2〜10mmとされている。
【0010】本実施例では、スクリーン6はアースに対
し負のVSgの電位が付与され、グリッド5はアースに対
し負のV ag の電位が付与され、基板40はアースに対
し負のVsub (〜500V)の電位が付与される。ま
た、ターゲット保持部2はアースになる。そして成膜時
には、真空室10内を10-7から10-8Torrの超高
真空状態にし、モータ21によりターゲット20を回転
させるとともにモータ41により基板40を回転させ
る。その状態で、凸レンズ11、光学窓12を通してパ
ルスレーザ発振器3からパルスレーザビームLがターゲ
ット20に向けて照射される。レーザビームの最大強度
は108 W/cm2 程度である。これにより、ターゲッ
ト20の表面に爆発的な解離であるレーザアブレーショ
ンが発生し、イオン化された速度が速い物質と、比較的
速度の遅い中性物質とが飛来する。ここで、中性物質
は、グリッド5、スクリーン6の電位による吸引効果を
基本的には受けることがない。即ち、中性物質は、一部
がグリッド5、スクリーン6に付着するものの、残りの
大部分は広範囲で真っ直ぐ基板40の薄膜形成面40a
に向けて飛来する。
し負のVSgの電位が付与され、グリッド5はアースに対
し負のV ag の電位が付与され、基板40はアースに対
し負のVsub (〜500V)の電位が付与される。ま
た、ターゲット保持部2はアースになる。そして成膜時
には、真空室10内を10-7から10-8Torrの超高
真空状態にし、モータ21によりターゲット20を回転
させるとともにモータ41により基板40を回転させ
る。その状態で、凸レンズ11、光学窓12を通してパ
ルスレーザ発振器3からパルスレーザビームLがターゲ
ット20に向けて照射される。レーザビームの最大強度
は108 W/cm2 程度である。これにより、ターゲッ
ト20の表面に爆発的な解離であるレーザアブレーショ
ンが発生し、イオン化された速度が速い物質と、比較的
速度の遅い中性物質とが飛来する。ここで、中性物質
は、グリッド5、スクリーン6の電位による吸引効果を
基本的には受けることがない。即ち、中性物質は、一部
がグリッド5、スクリーン6に付着するものの、残りの
大部分は広範囲で真っ直ぐ基板40の薄膜形成面40a
に向けて飛来する。
【0011】一方、イオン化された物質(速度:〜3×
105 m/s程度)は、本来的にはレーザ照射位置の法
線Pにそって集中的に飛来するものであるが、本実施例
ではグリッド5、スクリーン6の電位による吸引を受け
て拡散し、ドーム形状のグリッド5方向に集まる。この
とき本実施例ではV ag =−10〜100Vとすること
により、効率よく、グリッド5を損傷することなく、グ
リッド5にイオンを集めることができる。また本実施例
では、V ag −VSg=−100〜−200Vの電位を付
与しているため、イオンはスクリーン6とグリッド5と
の電界により加速されつつ、広い角度に拡散される。そ
のため、中性物質と同様に、イオンも広範囲で基板40
に向けて飛来し、その結果、基板40の薄膜形成面40
a全体で堆積され、厚み1000Å程度の均一組成の薄
膜が形成される。
105 m/s程度)は、本来的にはレーザ照射位置の法
線Pにそって集中的に飛来するものであるが、本実施例
ではグリッド5、スクリーン6の電位による吸引を受け
て拡散し、ドーム形状のグリッド5方向に集まる。この
とき本実施例ではV ag =−10〜100Vとすること
により、効率よく、グリッド5を損傷することなく、グ
リッド5にイオンを集めることができる。また本実施例
では、V ag −VSg=−100〜−200Vの電位を付
与しているため、イオンはスクリーン6とグリッド5と
の電界により加速されつつ、広い角度に拡散される。そ
のため、中性物質と同様に、イオンも広範囲で基板40
に向けて飛来し、その結果、基板40の薄膜形成面40
a全体で堆積され、厚み1000Å程度の均一組成の薄
膜が形成される。
【0012】図2はイオン、中性物質の拡散の度合いを
示す。図2の横軸は角度θ、縦軸は相対数を示す。ここ
で、相対数とは、{(角度θにおいて飛来する粒子の数
nθ/(角度θ=0において飛来する粒子の数n0)}
を意味する。図2において○印は中性物質を示し、△印
はイオン(グリッド5なし)を示し、◇印はイオン(グ
リッド5あり、r=50mm、V ag =−150V)を
示し、□印はイオン(グリッド5あり、r=25mm、
V ag =−200V)を示す。
示す。図2の横軸は角度θ、縦軸は相対数を示す。ここ
で、相対数とは、{(角度θにおいて飛来する粒子の数
nθ/(角度θ=0において飛来する粒子の数n0)}
を意味する。図2において○印は中性物質を示し、△印
はイオン(グリッド5なし)を示し、◇印はイオン(グ
リッド5あり、r=50mm、V ag =−150V)を
示し、□印はイオン(グリッド5あり、r=25mm、
V ag =−200V)を示す。
【0013】図2の特性線A0に示す様に、中性物質の
場合には、角度θが大きくなっても相対数の低下は比較
的小さく、即ち中性物質は広範囲で飛来することがわか
る。またイオンの場合には、図2の特性線A1に示す様
に、グリッド5無しの場合には、角度θが大きくなるに
つれて相対数が小さくなる。即ちイオンは狭い範囲で飛
来する。また、図2の特性線A2に示す様に、グリッド
5有りの場合には、角度θが大きくなっても相対数の低
下は少なくなり、即ち、イオンは比較的広範囲に飛来す
ることがわかる。更にまた、図2の特性線A3に示す様
に、グリッド5有りで、しかもr=25mm、V ag =
−200Vとした場合には、グリッド5の曲率半径が小
さく、かつ電位による吸引力が強いので、角度θが大き
くなっても相対数の低下は一層少なくなり、即ち、特性
線A3と特性線A0との比較で理解できる様に、イオン
は中性物質よりも広範囲に飛来できることがわかる。そ
のため、グリッド5を設けた場合には薄膜の組成比を均
一化するのに有利であることがわかる。なお、上記試験
例では、中性物質はYO2 -x、BaO1-x 、Cu2 O
1-x などであり、イオンはYBa2 Cu3 O7-x -1、Y
O-1 2-x などと考えられている。
場合には、角度θが大きくなっても相対数の低下は比較
的小さく、即ち中性物質は広範囲で飛来することがわか
る。またイオンの場合には、図2の特性線A1に示す様
に、グリッド5無しの場合には、角度θが大きくなるに
つれて相対数が小さくなる。即ちイオンは狭い範囲で飛
来する。また、図2の特性線A2に示す様に、グリッド
5有りの場合には、角度θが大きくなっても相対数の低
下は少なくなり、即ち、イオンは比較的広範囲に飛来す
ることがわかる。更にまた、図2の特性線A3に示す様
に、グリッド5有りで、しかもr=25mm、V ag =
−200Vとした場合には、グリッド5の曲率半径が小
さく、かつ電位による吸引力が強いので、角度θが大き
くなっても相対数の低下は一層少なくなり、即ち、特性
線A3と特性線A0との比較で理解できる様に、イオン
は中性物質よりも広範囲に飛来できることがわかる。そ
のため、グリッド5を設けた場合には薄膜の組成比を均
一化するのに有利であることがわかる。なお、上記試験
例では、中性物質はYO2 -x、BaO1-x 、Cu2 O
1-x などであり、イオンはYBa2 Cu3 O7-x -1、Y
O-1 2-x などと考えられている。
【0014】また図3に他の試験例を示す。この試験例
では基本的には前記した試験例と同じ条件で行った。こ
の場合には、ターゲット20は酸化物超伝導体(YBa
2 Cu3 0 7-x)である。したがって、ターゲット20
でレーザアブレーションが生じると、基本的には、Y原
子1個、Ba原子2個、Cu原子3個の割合でターゲッ
ト20から基板40の薄膜形成面40aに向けてイオ
ン、中性物質が飛来することになる。よって本来的に
は、薄膜中におけるCu/Yは3、Ba/Yは2、Cu
/Ba1.5の比率となるものである。なお、Y、C
u、Baともにイオン、中性物質になるものと考えられ
ている。この試験例では、レーザ強度は50J/c
m2 、グリッド5の半径R=50mm、VSg=−50
V、V ag =−150V、Vsub =−100Vの条件で
行った。
では基本的には前記した試験例と同じ条件で行った。こ
の場合には、ターゲット20は酸化物超伝導体(YBa
2 Cu3 0 7-x)である。したがって、ターゲット20
でレーザアブレーションが生じると、基本的には、Y原
子1個、Ba原子2個、Cu原子3個の割合でターゲッ
ト20から基板40の薄膜形成面40aに向けてイオ
ン、中性物質が飛来することになる。よって本来的に
は、薄膜中におけるCu/Yは3、Ba/Yは2、Cu
/Ba1.5の比率となるものである。なお、Y、C
u、Baともにイオン、中性物質になるものと考えられ
ている。この試験例では、レーザ強度は50J/c
m2 、グリッド5の半径R=50mm、VSg=−50
V、V ag =−150V、Vsub =−100Vの条件で
行った。
【0015】試験結果を図3に示す。ここで図3の縦軸
は組成比及び超伝導現象の臨界温度を示し、横軸は角度
θを示す。また、△印はグリッド5無しの場合のCu/
Yを示し、▲印はグリッド有りの場合のCu/Yを示
す。○印はグリッド5無しの場合のBa/Yを示し、●
印はグリッド5有りの場合のBa/Yを示す。□印はグ
リッド5無しの場合のCu/Baを示し、■印はグリッ
ド5有りの場合のCu/Baを示す。
は組成比及び超伝導現象の臨界温度を示し、横軸は角度
θを示す。また、△印はグリッド5無しの場合のCu/
Yを示し、▲印はグリッド有りの場合のCu/Yを示
す。○印はグリッド5無しの場合のBa/Yを示し、●
印はグリッド5有りの場合のBa/Yを示す。□印はグ
リッド5無しの場合のCu/Baを示し、■印はグリッ
ド5有りの場合のCu/Baを示す。
【0016】Cu/Yについて説明する。即ち、グリッ
ド5無しの場合には、△印で示す様に、θが0から20
度程度の域ではCu/Yが3程度であるが、θが30
度、40度になると、Cu/Yが2.5程度に低下す
る。一方、グリッド5有りの場合には、▲印で示す様
に、θが30度程度の域であってもCu/Yが3程度で
あり、θが40度でもCu/Yは2.8程度に維持され
る。
ド5無しの場合には、△印で示す様に、θが0から20
度程度の域ではCu/Yが3程度であるが、θが30
度、40度になると、Cu/Yが2.5程度に低下す
る。一方、グリッド5有りの場合には、▲印で示す様
に、θが30度程度の域であってもCu/Yが3程度で
あり、θが40度でもCu/Yは2.8程度に維持され
る。
【0017】Ba/Yについて説明する。即ち、グリッ
ド5無しの場合には、〇印に示す様に、θが0から20
度程度の域ではBa/Yが2程度であるが、θが30
度、40度になると、Ba/Yが1.6から1.5程度
に低下する。一方、グリッド5有りの場合には、●印で
示す様に、θが30度程度の域でもBa/Yが2程度で
あり、θが40度でもBa/Yは1.8〜1.9程度に
維持される。
ド5無しの場合には、〇印に示す様に、θが0から20
度程度の域ではBa/Yが2程度であるが、θが30
度、40度になると、Ba/Yが1.6から1.5程度
に低下する。一方、グリッド5有りの場合には、●印で
示す様に、θが30度程度の域でもBa/Yが2程度で
あり、θが40度でもBa/Yは1.8〜1.9程度に
維持される。
【0018】Cu/Baについて説明する。即ち、□印
に示すグリッド5無しの場合と、■印に示すグリッド5
有りの場合とは、Cu/Baともに1.5程度であり、
変わらない。その理由は、主としてCu、Baとも飛来
量が減少するためであると推定される。また、図3にお
いて特性線W1はグリッド5無しの場合における臨界温
度を示し、特性線W2はグリッド5有りの場合における
臨界温度を示す。特性線W1、特性線W1に示す様に、
角度θが20°程度までの領域では、グリッド5無しの
場合、グリッド5有りの場合ともに、臨界温度は大差な
いものの、角度θが30度、40度に至ると、組成比が
所定値からずれるグリツド5無しの場合には臨界温度は
大きく低下するものの、組成比のずれが少ないグリッド
5が有りの場合には臨界温度の低下は少ないことがわか
る。
に示すグリッド5無しの場合と、■印に示すグリッド5
有りの場合とは、Cu/Baともに1.5程度であり、
変わらない。その理由は、主としてCu、Baとも飛来
量が減少するためであると推定される。また、図3にお
いて特性線W1はグリッド5無しの場合における臨界温
度を示し、特性線W2はグリッド5有りの場合における
臨界温度を示す。特性線W1、特性線W1に示す様に、
角度θが20°程度までの領域では、グリッド5無しの
場合、グリッド5有りの場合ともに、臨界温度は大差な
いものの、角度θが30度、40度に至ると、組成比が
所定値からずれるグリツド5無しの場合には臨界温度は
大きく低下するものの、組成比のずれが少ないグリッド
5が有りの場合には臨界温度の低下は少ないことがわか
る。
【0019】上記した試験結果からも理解できる様に、
グリッド5が無い場合には薄膜の組成比が所定の値から
ずれ、超伝導現象を示す臨界温度Tcも降下する。この
点、本実施例にかかるグリッド5によるイオン拡散作用
は、薄膜の組成比の均一化に有効であり、超伝導現象を
示す臨界温度を高温に維持するのに有利であることがわ
かる。
グリッド5が無い場合には薄膜の組成比が所定の値から
ずれ、超伝導現象を示す臨界温度Tcも降下する。この
点、本実施例にかかるグリッド5によるイオン拡散作用
は、薄膜の組成比の均一化に有効であり、超伝導現象を
示す臨界温度を高温に維持するのに有利であることがわ
かる。
【0020】なお図2に示す試験結果、図3に示す試験
結果ともに、薄膜中における元素の同定はオージェ電子
分光ESCA等により行った。 (他の実施例)真空室の別室に駆動モータを配置すると
ともに、駆動モータで移動する可動体にグリッド及びタ
ーゲットの一方を装備し、駆動モータにより可動体を移
動させ、これによりグリッドとターゲットとの間隔距離
を調整する構成にもできる。この場合には、グリッドと
ターゲットとの間隔距離を調整できるので、ターゲット
表面で発生したイオンをグリッドで拡散するイオン拡散
度合いを調整できる効果が得られる。
結果ともに、薄膜中における元素の同定はオージェ電子
分光ESCA等により行った。 (他の実施例)真空室の別室に駆動モータを配置すると
ともに、駆動モータで移動する可動体にグリッド及びタ
ーゲットの一方を装備し、駆動モータにより可動体を移
動させ、これによりグリッドとターゲットとの間隔距離
を調整する構成にもできる。この場合には、グリッドと
ターゲットとの間隔距離を調整できるので、ターゲット
表面で発生したイオンをグリッドで拡散するイオン拡散
度合いを調整できる効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】本発明のレーザアブレーション法による
薄膜形成装置によれば、集中飛来しがちのイオンを拡散
できるので薄膜の組成の均一化に有利である。更に、拡
散作用をもつグリッドをターゲットに近接させれば、タ
ーゲット近くで拡散できるので、イオンの拡散の度合い
を大きくするのに有利であり、薄膜の組成の均一化に一
層有利である。本発明装置を超伝導材料からなる薄膜の
形成に適用すれば、超伝導材料の組成の均一化を図り
得、そのため超伝導現象を示す臨界温度を高温に維持す
るのに有利である。また、ITO(Indium Ti
n Oxide)膜のような多成分系の透明導電極に用
いた場合、光の透過率、膜の導電率の向上に寄与でき
る。
薄膜形成装置によれば、集中飛来しがちのイオンを拡散
できるので薄膜の組成の均一化に有利である。更に、拡
散作用をもつグリッドをターゲットに近接させれば、タ
ーゲット近くで拡散できるので、イオンの拡散の度合い
を大きくするのに有利であり、薄膜の組成の均一化に一
層有利である。本発明装置を超伝導材料からなる薄膜の
形成に適用すれば、超伝導材料の組成の均一化を図り
得、そのため超伝導現象を示す臨界温度を高温に維持す
るのに有利である。また、ITO(Indium Ti
n Oxide)膜のような多成分系の透明導電極に用
いた場合、光の透過率、膜の導電率の向上に寄与でき
る。
【図1】装置の要部の構成図である。
【図2】グリッドを設けた場合と設けない場合とにおけ
るイオン及び中性物質の飛来の広がりの度合いを示すグ
ラフである。
るイオン及び中性物質の飛来の広がりの度合いを示すグ
ラフである。
【図3】他の試験例における組成比と角度との関係を示
すグラフである。
すグラフである。
図中、10は真空室10、1は真空容器、20はターゲ
ット20、2はターゲット保持部、3はパルスレーザ発
振器、4は基板保持部、40は基板、5はグリッド、6
はスクリーンを示す。
ット20、2はターゲット保持部、3はパルスレーザ発
振器、4は基板保持部、40は基板、5はグリッド、6
はスクリーンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/22 501 H 7821−4G // H01B 12/06 8936−5G
Claims (1)
- 【請求項1】 真空室をもつ真空容器と、該真空室に配
置されターゲットを保持するターゲット保持部と、該タ
ーゲットにレーザアブレーションを生じさせる高エネル
ギ密度のレーザビームを照射するレーザ発振器と、該真
空室に配置され負の電位が与えられる薄膜形成面をもつ
基板を保持する基板保持部と、該基板保持部と該ターゲ
ット保持部との間に位置しレーザアブレーションで生成
した粒子が通る通路に配置され負の電位が与えられるグ
リッドとで構成され、レーザアブレーションで生成され
たイオンを該グリッドで該基板に向けて拡散飛来させる
様にしたことを特徴とするレーザアブレーション法によ
る薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3301794A JPH05139735A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | レーザアブレーシヨン法による薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3301794A JPH05139735A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | レーザアブレーシヨン法による薄膜形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05139735A true JPH05139735A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=17901258
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3301794A Pending JPH05139735A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | レーザアブレーシヨン法による薄膜形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05139735A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5660746A (en) * | 1994-10-24 | 1997-08-26 | University Of South Florida | Dual-laser process for film deposition |
| US6872649B2 (en) | 1999-04-15 | 2005-03-29 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of manufacturing transparent conductor film and compound semiconductor light-emitting device with the film |
| JP2006255533A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | ガス浄化材料及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP3301794A patent/JPH05139735A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5660746A (en) * | 1994-10-24 | 1997-08-26 | University Of South Florida | Dual-laser process for film deposition |
| US6872649B2 (en) | 1999-04-15 | 2005-03-29 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of manufacturing transparent conductor film and compound semiconductor light-emitting device with the film |
| US6876003B1 (en) | 1999-04-15 | 2005-04-05 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Semiconductor light-emitting device, method of manufacturing transparent conductor film and method of manufacturing compound semiconductor light-emitting device |
| KR100688006B1 (ko) * | 1999-04-15 | 2007-02-27 | 스미토모덴키고교가부시키가이샤 | 투명전도막의 제조방법 및 화합물반도체발광소자의제조방법 |
| KR100721643B1 (ko) * | 1999-04-15 | 2007-05-23 | 스미토모덴키고교가부시키가이샤 | 반도체발광소자 |
| JP2006255533A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | ガス浄化材料及びその製造方法 |
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