JPH05140010A - 二塩化エチレンの製造中の汚れ防止方法 - Google Patents

二塩化エチレンの製造中の汚れ防止方法

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JPH05140010A
JPH05140010A JP4122643A JP12264392A JPH05140010A JP H05140010 A JPH05140010 A JP H05140010A JP 4122643 A JP4122643 A JP 4122643A JP 12264392 A JP12264392 A JP 12264392A JP H05140010 A JPH05140010 A JP H05140010A
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 二塩化エチレンの製造に使用される装置中の
汚れを防止する方法を提供する。 [構成] 粗二塩化エチレン流れの汚れを防止するため
の改良された方法であって、(A) アシル化アミン(例え
ば、ポリイソブチレンと無水マレイン酸の反応生成物と
ポリアミンの反応混合物)、(B) アルキルアリールスル
ホン酸マグネシウム、及び(C) AとBの混合物から成る
群から選択される汚れ防止剤の有効量を粗二塩化エチレ
ン供給物流れ中に導入することを含む、方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には、二塩化エ
チレン(EDC)の製造に使用される装置の汚れ防止方
法に関する(二塩化エチレンはその後塩化ビニルモノマ
ー(VCM)の製造に使用される)。より詳細には、二
塩化エチレンの製造装置中の直接塩素化装置又はオキシ
塩素化装置の汚れ防止に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルモノマー(VCM)の製造に
おいては、エチレン、酸素及びHClが直接塩素化装置
又はオキシ塩素化装置中で反応して二塩化エチレン(E
DC)を生成し、この二塩化エチレンはその後クラッキ
ング装置中で処理されてVCMを形成する。このような
装置は、通常、種々の装置の底部から追加のEDCを回
収してそれによって総EDC回収量を増加させるための
再循環装置を含む。
【0003】液体EDCを扱う種々の装置中においてか
なりの汚れが生じる。例えば、第1のEDC回収装置中
においては、蒸留トレー、伝達装置、特にレトルト炉に
汚れが生じる。EDC汚れは、第1のEDC回収装置、
EDC回収タール蒸留器、及びEDC再循環タール蒸留
器中のEDCの液体相において特に深刻である。汚れの
ためにわずか数日の運転後にプラントを操業停止しなけ
ればならなくなることもそれ程特別なことではない。
【0004】汚れは、EDC流れと不相溶性の高度に塩
素化されているか及び/又は酸素化されているポリマー
物質によるものと考えられている。
【0005】本発明によれば、油溶性の(好ましくは超
塩基性の)アルキル芳香族スルホン酸マグネシウム及び
/又はジカルボン酸と無水マレイン酸の反応生成物(P
IBSA−PAM)をEDC製造装置用の汚れ防止剤と
して使用する。
【0006】有機スルホン酸又はアルキルアリールスル
ホン酸塩は種々の操作において使用されている。米国特
許第 3,328,283号には、有機スルホン酸又はアルキルア
リールスルホン酸塩を部分エステルと組み合わせて使用
することが開示されている。米国特許第 3,328,284号に
は、アルキル芳香族スルホン酸塩をオキシアルキル化フ
ェノール化合物とともに使用することが開示されてい
る。これらの特許中に開示されているアルキルアリール
スルホン酸塩は石油精製用の汚れ防止剤として使用され
ており、EDCの製造において遭遇するような種類の汚
れを軽減するためのものではない。
【0007】超塩基性(overbased )アルキルアリール
スルホン酸塩は熱媒油用の汚れ防止剤として使用されて
いる。しかしながら、熱媒油はEDCの製造において遭
遇するような種類のポリマーの汚れ成分を含まない精製
された油であり、従って、超塩基性スルホン酸塩のその
ような使用は本発明と特に関連性はない。従来技術の熱
媒油に関する特許には、米国特許第 3,554,914号、第
3,920,572号、及び 3,958,624号が含まれる。
【0008】炭質付着物を減少させるための汚れ防止方
法には、米国再発行特許第26,330号に開示されているも
のが含まれ、ここでは、精製装置中の付着物の形成が、
炭化水素置換コハク酸をアルキレンアミンと反応させる
ことによって調製されたアシル化アミンの小割合を供給
原料中に配合することによって防止されている。米国特
許第 4,195,976号には、精製操作中の油流れによる処理
装置の汚れを、ポリイソブテニルコハク酸無水物とトリ
ス−ヒドロキシメチルアミノメタンのような2,2-二置換
-2- アミノ−アルカノールとのビス−オキサゾリン反応
生成物を0.001〜2重量%供給物に配合することによっ
て、減少させる装置が開示されている。これらの引用例
のいずれもEDC及び/又はVCM製造操作中において
遭遇する種類の汚れ(例えば、酸素及び塩素を有する脂
肪族ポリマー)を防止することに関するものではない。
精製操作中の汚れは、一般的に重縮合した芳香族から成
るアスファルテン汚れによって生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、EDCの製造において遭遇するような種類の汚れを
軽減するための汚れ防止方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】有効量の改良された汚れ
防止剤をEDC回収装置又は蒸留装置に添加することに
よって、塩素化/酸素化ポリマー物質による汚れを大幅
に減少できることが判明した。この汚れ防止剤はEDC
回収装置中の残液中に可溶性であり、再沸器、熱交換
器、輸送パイプ、加熱コイル、その他のような残液が接
触する装置を保護する。これらの装置は通常37.8乃至 2
04.4℃(100 乃至 400度F)、好ましくは93.3乃至 17
6.7℃(200 乃至 350度F)、で運転される。
【0011】本発明の方法において有用な汚れ防止剤
は、(A) 油溶性アシル化アミンであって、(i) C4 乃至
C10のモノ不飽和ジカルボン酸物質と反応した、300 乃
至5000の分子量を有する、C2 乃至C10モノオレフィン
のオレフィンポリマーと、(ii)アミン、アミノアルコー
ル、及びそれらの混合物から成る群から選択される塩基
性反応体との反応混合物であるもの、(B) 油溶性(好ま
しくは超塩基性)のアルキル芳香族スルホン酸マグネシ
ウム、又は(C) 10乃至90重量%の汚れ防止剤(A) と90乃
至10重量%の汚れ防止剤(B) のブレンド、のいずれかを
含む。
【0012】EDC製造操作において使用するのに好ま
しい汚れ防止剤は上述の汚れ防止剤ブレンド(C) であ
る。汚れ防止剤は、EDC供給物の重量に基づいて、10
乃至 500 ppm、好ましくは25乃至 300 ppm、の濃度で粗
EDC供給物流れに導入される。汚れ防止剤はEDCよ
り低い沸点を有し、従って、再沸器、トレー、チュー
ブ、パイプ、その他を保護するために装置の底部に残留
する。
【0013】上述したように、本発明の方法において使
用される汚れ防止剤は、アシル化アミン(以下では汚れ
防止剤Aという)、スルホン酸マグネシウム(以下では
汚れ防止剤Bという)、又は両方のブレンド(以下では
汚れ防止剤Cという)でよい。以下では、これら3種の
汚れ防止剤を別々に説明する。
【0014】アシル化アミン(汚れ防止剤A) このアシル化アミン汚れ防止剤は、(a) (i) C4 乃至C
10のモノ不飽和ジカルボン酸物質で置換された、300 乃
至5000の分子量を有する、C2 乃至C10モノオレフィン
ポリマーと、(b) 塩基性アミン反応体、好ましくはポリ
アルキルアミンとの反応生成物である。
【0015】本発明において使用される、長鎖炭化水素
ポリマー置換ジカルボン酸物質、即ち、酸又は無水物、
又はエステルには、好ましくはポリオレフィン1モル当
たり1.05乃至1.25の、α又はβ- 不飽和C4 乃至C10ジ
カルボン酸、又はその無水物又はエステル、例えばフマ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロ
ロマレイン酸、ジメチルフマレート、無水クロロマレイ
ン酸、その他、で置換された、長鎖の、一般にはポリオ
レフィンが含まれる。
【0016】不飽和ジカルボン酸との反応に好ましいオ
レフィンポリマーは、主要モル量のC2 乃至C10、例え
ば、C2 乃至C5 モノオレフィンを含むポリマーであ
る。そのようなオレフィンには、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、オクテン-1、
スチレン、その他が含まれる。ポリマーはポリイソブチ
レンのようなホモポリマーでよく、またエチレンのコポ
リマーのような2種類以上の上述のオレフィンのコポリ
マーでもよい。その他のコポリマーには、小モル量(例
えば、1乃至10モル%)のコポリマーモノマーが、C4
乃至C18の非共役ジエンであるもの、例えば、イソブチ
レンとブタジエンのコポリマー、又はエチレン、プロピ
レン、及び1,4-ヘキサジエンのコポリマー、その他が含
まれる。
【0017】ある場合には、オレフィンポリマーは完全
に飽和していてもよく、例えば、分子量を制御するため
の調節剤として水素を使用するチーグラー−ナッタ合成
によって製造されたエチレン−プロピレンコポリマーで
もよい。
【0018】オレフィンポリマーは、約 300乃至約500
0、好ましくは約 400乃至約2000、の数平均分子量を有
する。特に有用なオレフィンポリマーは、約 500乃至約
1200の範囲内の数平均分子量とポリマー鎖1本当たり約
1個の末端二重結合を有する。特に有用な出発材料はポ
リイソブチレンである。このようなポリマーの数平均分
子量は種々の公知の方法によって決定できる。
【0019】オレフィンポリマーをC4 ジカルボン酸、
無水物、又はエステルと反応させる方法は本技術分野に
おいて公知である。例えば、米国特許第3,361,673号、
第 3,087,436号、第 3,712,892号、第 3,272,746号、第
3,245,707号、第 3,231,587号、第 3,912,764号、第
4,110,349号、及び第 4,234,435号を参照されたい。
【0020】炭化水素ポリマー置換ジカルボン酸物質の
中和に有用なアミン化合物には、分子中に、約2乃至3
0、例えば3乃至20の総炭素原子と約1乃至12、例えば
2乃至8の窒素原子を有するモノ又はポリアミンが含ま
れる。これらのアミンは、ヒドロカルビルアミン又は、
例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミド基、ニ
トリル、イミダゾリン基、などのようなその他の基を含
むヒドロカルビルアミンでもよい。1乃至6個のヒドロ
キシル基、好ましくは1乃至3個のヒドロキシル基を有
するヒドロキシアミンが特に有用である。好ましいアミ
ンは、以下の一般式のものを含む脂肪族飽和アミンであ
る。
【0021】
【化3】 及び
【0022】
【化4】
【0023】式中、R、R′、及びR″は、水素、C1
乃至C25直鎖又は分枝鎖アルキル基、C1 乃至C12アル
コキシC2 乃至C6 アルキレン基、C2 乃至C12ヒドロ
キシアミノアルキレン基、及びC1 乃至C12アルキルア
ミノC2 乃至C6 アルキレン基から成る群から独立に選
択される。各xは同じでも異なっていてもよく、2〜
6、好ましくは2〜4の数であり、tは0〜10、好まし
くは2〜7の数である。
【0024】適するアミン化合物の例には、1,2-ジアミ
ノエタン;1,3-ジアミノプロパン;1,4-ジアミノブタ
ン;1,6-ジアミノヘキサン;ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンのよ
うなポリエチレンアミン類;1,2-プロピレンジアミン、
ジ-(1,2-プロピレン) トリアミン、ジ-(1,3-プロピレ
ン) トリアミンのようなポリプロピレンアミン類;N,N-
ジメチル-1;3-ジアミノプロパン;N,N-ジ-(2-アミノエ
チル) エチレンジアミン;N,N-ジ-(2-ヒドロキシエチ
ル)-1,3-プロピレンジアミン;3-ドデシルオキシプロピ
ルアミン;N-ドデシル-1,3- プロパンジアミン;トリス
ヒドロキシメチルアミノメタン(THAM);ジイソプ
ロパノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノー
ルアミン;モノ- 、ジ- 、及びトリ- タローアミン;N-
(3- アミノプロピル) モルホリンのようなアミノモルホ
リン、その他が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】その他の有用なアミン化合物には、1,4-ジ
(アミノメチル) シクロヘキサンのような脂環式ジアミ
ン、イミダゾリンのようなヘテロ環式窒素化合物、及び
N-アミノアルキルピペラジンが含まれる。そのようなア
ミンの例には、2-ペンタデシルイミダゾリン、N-(2- ア
ミノエチル) ピペラジン、その他が含まれるが、これら
に限定されない。
【0026】有用なアミンにはまた以下の式のもののよ
うなポリオキシアルキレンポリアミンが含まれる: (i) NH2 −アルキレン−(-O-アルキレン-)m −NH2 ここで、mは約3乃至70、好ましくは10乃至35、の値を
有する;及び (ii) R−(-アルキレン-(-O- アルキレン-)n−NH2 )a ここで、nは約1乃至40の値を有するが、ただし全ての
nの合計は約3乃至70、好ましくは約6乃至35であり、
Rは10までの炭素原子の置換飽和炭化水素基であるが、
置換体の数は3〜6の数である“a”によって表され
る。式(i) 又は(ii)のいずれにおいてもアルキレン基
は、約2〜7、好ましくは約2〜4の炭素原子を含む直
鎖又は分枝鎖である。
【0027】ポリオキシアルキレンポリアミン、好まし
くはポリオキシアルキレンジアミン及びポリオキシアル
キレントリアミンは、約 200乃至約4000、好ましくは約
400乃至約2000、の平均分子量を有することができる。
好ましいポリオキシアルキレンポリアミンには、ポリオ
キシエチレンジアミン及びポリオキシプロピレンジアミ
ン、及び約 200乃至2000の範囲の平均分子量を有するポ
リオキシプロピレントリアミンが含まれる。ポリオキシ
アルキレンポリアミンは市販されており、例えば、ジェ
ファーソン・ケミカル・カンパニー・インク(Jefferson
Chemical Com-pany, Inc.) からジェファミン(Jeffami
ne) D-230 、D-400 、D-1000、D-2000、T-403 、その他
の商標名で入手できる。
【0028】5乃至95重量%のジカルボン酸物質を含む
油溶液を約 100乃至 250℃、好ましくは 125℃乃至 175
℃まで、一般に1乃至10時間、例えば2乃至6時間、所
望の量の水が除去されるまで加熱することによって、ア
ミンはジカルボン酸物質、例えばアルケニルコハク酸無
水物、と容易に反応する。加熱は、アミドと塩よりもむ
しろイミド又はイミドとアミドの混合物の形成を促すよ
うに行うのが好ましい。反応比は、反応体、過剰アミン
の量、形成する結合の種類、その他に応じてかなり変化
する。1モルのジカルボン酸部含量、例えば、グラフト
された無水マレイン酸含量に対して、一般に、0.2 乃至
2モル、好ましくは約 0.3乃至 1.0モル、例えば0.4 乃
至0.8 モルのアミン、例えば二第1アミン、が使用され
る。例えば、オレフィン1モル当たり1.10モルの無水マ
レイン酸基を付加するのに十分な量の無水マレイン酸と
反応した1モルのオレフィンがアミドとイミドの混合物
に転化するとき、2つの第1基を有するアミンを約0.55
モル使用するのが好ましい。即ち、ジカルボン酸部位1
モル当たり0.50のアミンである。
【0029】好ましいアミン汚れ防止剤は、コハク酸無
水物基で置換されたポリイソブチレン及び反応したポリ
エチレンアミン、例えば、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシエチレン及びポ
リオキシプロピレンのアミン、例えば、ポリオキシプロ
ピレンジアミン、トリチメチロールアミノメタン、及び
それらの組み合わせ、から誘導されたものである。特に
好ましい分散体の組み合わせの1つには、(a) コハク酸
無水物基で置換されたポリイソブチレンであって、(b)
ヒドロキシ化合物、例えば、ペンタエリトリトール、
(c) ポリオキシアルキレンポリアミン、例えば、ポリオ
キシプロピレンジアミン、及び(d) ポリアルキレンポリ
アミン、例えば、ポリエチレンジアミン及びテトラエチ
レンペンタミン、と反応したものがあり、米国特許第
3,804,763号に記載されているように、(a) 1モル当た
り、(b) 及び(d) をそれぞれ約0.3 乃至約2モル、そし
て(c)を約0.3 乃至約2モル使用するものが含まれる。
もう1つの好ましい組み合わせには、米国特許第 3,36
2,511号に記載されているような、(a) ポリイソブテニ
ルコハク酸無水物と、(b) ポリアルキレンポリアミン、
例えば、テトラエチレンペンタミン、及び(c) 多価アル
コール又はポリヒドロキシ置換脂肪族第1アミン、例え
ば、ペンタエリトリトール又はトリスメチロールアミノ
メタン、の組み合わせが含まれる。
【0030】スルホン酸マグネシウム(汚れ防止剤B) スルホン酸マグネシウムは、スルホン酸又はそれらの混
合物、又はそれらの金属塩から調製される。適する油溶
性スルホン酸は好ましくは芳香族化合物である。特に適
するスルホン酸は、一般的に「マホガニー酸(mahogany
acid) 」と呼ばれている油溶性石油スルホン酸、アリー
ルスルホン酸、及びアルカリールスルホン酸である。そ
のような酸の例は、ジラウリルベンゼンスルホン酸、ラ
ウリルセチルベンゼンスルホン酸、ポリブテンアルキル
化ベンゼンスルホン酸及びポリプロピレンアルキル化ベ
ンゼンスルホン酸のようなパラフィン置換ベンゼンスル
ホン酸である。その他の適する例には、ジパラフィンワ
ックス置換フェノールスルホン酸、アセチルクロロベン
ゼンスルホン酸、セチル−フェノールジスルフィドスル
ホン酸、セチル−フェノールモノスルフィドスルホン
酸、及びセトキシカプリルベンゼンスルホン酸が含まれ
る。多くの油溶性スルホン酸が文献中に詳細に記載され
ている。例えば、米国特許第 2,616,604号、第 2,626,2
07号、及び第 2,767,209号を参照されたい。超塩基性で
もよい中性スルホン酸塩は以下の式を有するのが好まし
い。
【0031】
【化5】
【0032】式中、Rは、12乃至45個の炭素原子、好ま
しくは16乃至30個の炭素原子、最も好ましくは18乃至28
個の炭素原子を有するアルキル又はハロアルキルであ
る。Rは、2種の同族体が存在してもよい直鎖脂肪族炭
化水素基であるのが好ましいが、分枝鎖又は混合アルキ
ル基でもよい。スルホン酸塩のベンゼン環は、Rに加え
て、アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ニトロ基、又はそ
れらの混合物のような置換体を有することができる。ス
ルホン酸塩の製造に使用されるスルホン酸の典型的な例
には、上述のものに加えて、アルキルトルエンスルホン
酸、アルキルキシレンスルホン酸、及びジドデシルベン
ゼンスルホン酸のようなジアルキルベンゼンスルホン酸
が含まれる。
【0033】中性のアルキルアリールスルホン酸マグネ
シウムの分子量は 200乃至3000の範囲でよく、このアル
キルアリールスルホン酸塩は600乃至2000の範囲が好ま
しく、 600乃至1200の範囲が最も好ましい。
【0034】ベンゼン環上のアルキル基とスルホン酸の
お互いの位置は重要ではない。第2アルキル基も存在し
てよい。アルキルベンゼンマグネシウムスルホン酸塩
は、アルカリ土類金属、好ましくはマグネシウムで超塩
基化されているのが好ましい。
【0035】本発明において使用するのが好ましい超塩
基性アルキルベンゼンマグネシウムスルホン酸マグネシ
ウムは、文献中に記載されている方法によって製造でき
る。方法の1つの例は以下の通りである: (a) ベンゼンをオレフィンと簡単なアルキル化プロセス
によって反応させる; (b) アルキルベンゼンをスルホン化して中性のアルキル
ベンゼンマグネシウムスルホン酸を形成する; (c) アルキルベンゼンスルホン酸をマグネシウムで超塩
基化して、50乃至700 mgKOH/g 、好ましくは 300乃至60
0mg KOH/gの全アルカリ価(TBN)を有する生成物を
製造する。
【0036】スルホン酸塩を超塩基化して超塩基性アル
カリ土類スルホン酸塩を形成する種々の方法が文献中に
報告されている。
【0037】英国特許第 1,551,820号に記載されている
そのような方法の1つにおいては、マグネシウム超塩基
化における中間体としてマグネシウムアルコキシドが使
用される。このマグネシウム超塩基化方法は現在ではあ
まり広く使われていない。
【0038】超塩基化マグネシウムスルホン酸塩の製造
の最も一般的な方法は、酸化マグネシウムから、以下に
一般的に記載されているようにして行われる。
【0039】(1) 脂肪族、芳香族、又は塩素化されてい
てもよい不活性、揮発性溶媒に、 a) 油溶性スルホン酸又はその塩、 b) 所望の生成物を形成するのに十分な酸化マグネシウ
ム、 c) ヒドロキシ含有化合物(例えば、メタノール)、 d) 水、 e) 不揮発性希釈油、及び f) 促進剤、 を添加する。 (2) 上記混合物を二酸化炭素を用いて、10℃(50度F)
乃至混合物の還流温度の間の温度で、二酸化炭素の吸収
が実質的に止まるまで処理する。一般的に0.5乃至1.1
モル、より一般的には0.6 乃至0.9 モルの二酸化炭素
が、1モルの超塩基化マグネシウムを含む混合物によっ
て吸収される。 (3) 揮発性成分を一般的に 160℃までの蒸留によって除
去し、最後に混合物を真空に引いて揮発性成分の完全な
除去を確実にする。 (4) 未反応の固体を濾過か又は遠心分離によって除去す
る。 (5) 所望の生成物を得るために希釈油をさらに添加する
ことができる。
【0040】超塩基化スルホン酸マグネシウム塩を形成
する反応を促進するために、多くの様々な促進剤を使用
できる。これらの促進剤の幾つかの役割は完全には理解
されていないが、それらが存在しない場合、反応の速度
と程度は大幅に低下する。典型的な促進剤には、アミン
(例えば、エチレンジアミン)、アンモニア又はアンモ
ニア化合物、カルボン酸、カルボン酸のアミン塩、及び
コハク酸無水物誘導体が含まれる。これらの促進剤は特
許文献中に記載されている。
【0041】十分量のスルホン酸又はその塩、及び十分
量の酸化マグネシウムを使用し、促進剤の1つを上記プ
ロセス中で使用することによって、50乃至 700、好まし
くは300 乃至 600 mg KOH/g の全アルカリ価を有する高
アルカリ度超塩基性スルホン酸マグネシウム塩が製造さ
れる。
【0042】アミン汚れ防止剤とマグネシウムスルホン
酸塩汚れ防止剤とのブレンド(汚れ防止剤C) 汚れ防止剤Cは、汚れ防止剤A及びBを、10乃至90重量
%の汚れ防止剤Aと90乃至10重量%の汚れ防止剤B、好
ましくは20乃至80重量%の汚れ防止剤Aと80乃至20重量
%の汚れ防止剤B、最も好ましくは30乃至70重量%の汚
れ防止剤Aと70乃至30重量%の汚れ防止剤Bの割合で、
混合することによって調製される。この混合はケロシン
のような溶媒中で行われ、ここで有効成分の濃度は10乃
至50重量%、好ましくは25乃至35重量%である。
【0043】操作 操作において、93.3乃至 204.4℃(200 乃至400度F)
の温度で粗EDCにさらされる装置を保護するために、
汚れ防止剤(A、B、又はC)は、ケロシンのような適
当な媒中に配合され、その後EDC製造装置に導入され
る。この配合物には、酸化防止剤、重合抑制剤(anti-po
lymerant) 、金属失活剤のようなその他の添加剤を含ん
でもよい。汚れ防止剤の濃度は、EDC供給物流れの重
量に基づいて10乃至 500 ppmの範囲内でよく、25乃至30
0 ppm が好ましい。
【0044】汚れ防止剤導入の位置には、通常93.3乃至
204.4℃(200 乃至 400度F)で運転されるEDC回収
塔への粗二塩化エチレン供給物が含まれ、また、200 乃
至 400℃で運転されるEDCタール蒸留器への供給物が
含まれる。「粗二塩化エチレン」という用語は、塩素化
装置又はオキシ塩素化装置から出てくる未精製のEDC
を意味する。粗EDCはまたEDCタール蒸留器への供
給物流れも意味する。これらの装置は、粗EDC流れ
を、精製EDCから成る塔頂留出物(overhead)流れと、
EDC、1,1,2-トリクロロエタン、ヘキサクロロエタ
ン、ヘキサクロロベンゼン、と汚れ量の塩素化又はオキ
シ塩素化ポリマー物質とから成る底部流れとに分離す
る、蒸留分離装置と考えることができる。底部の汚れ
は、EDC濃度が約30重量%以下のとき激しく、EDC
濃度が約20重量%以下のとき特に激しい。底部において
EDC濃度が高い時、EDCは汚れ物質の溶剤として作
用する。従って、本発明は、EDC装置を、高いEDC
回収率で効率的にかつそれに対応する底部での低いED
C濃度で、運転することを可能にする。汚れ防止剤は、
汚れ物質に対する分散剤として作用し、それによって汚
れを防止する。本発明は、比較的長時間にわたって底部
における10〜25重量%のEDC濃度でEDC装置を運転
することを可能にする。
【0045】
【実施例】実験 意図する操作において汚れ防止剤の有効性を示すため
に、加熱汚れ試験装置(thermal fouling test unit )
(TFT)を使用して粗EDC汚れをシミュレートし
た。TFT試験においては、炭素鋼ヒーターチューブを
備えた熱交換器中に液体流れを循環させる。ヒーターチ
ューブは37.8乃至 537.8℃( 100乃至1000度F)の金属
温度に加熱できる。高温汚れ液体流れはヒーター表面に
付着物を形成し、これは試験中測定されている液体の出
口温度を下げる。液体の出口温度の低下が汚れの目安で
ある(即ち、入口と出口の間の温度差の増加)。
【0046】試験において使用された汚れ防止剤は、ア
シル化アミン、即ち、(a) コハク酸無水物で置換され
た、分子量 900を有するポリイソブテン、と(b) ポリア
ミンとの反応生成物である。この反応生成物は、PIB
SA−PAMと呼ばれる。
【0047】TFT試験を 204.4℃( 400度F)の温度
で行った。EDC中 200 ppmの濃度のPIBSA−PA
Mについての結果を第1表に示す。
【0048】 第1表 汚れ防止剤の種類 なし A A 汚れ防止剤のppm なし 200 200 試験時間(分) 加熱汚れ(ΔT、F) 15 15 2 6 30 18 3 10 45 19 7 12 60 24 12 14
【0049】汚れ防止剤C(66重量%の超塩基性スルホ
ン酸マグネシウムと33重量%のPIBSA−PAM)を
使用して塩化ビニルモノマー(VCM)プラントのED
Cタール蒸留器で別の試験を行った。汚れ防止剤Cの濃
度は粗EDC中 200 ppmであり、試験温度は 148.9℃
( 300度F)であった。試験結果を第2表に示す。各試
験は、運転温度を維持するのに必要なエネルギーが過剰
になったときに終了した。
【0050】 第2表 汚れ防止剤の種類 なし C C C C 汚れ防止剤(ppm ) なし 200 200 200 200 試験時間(日) 3 10 8 12 14 処理された 300 690 730 900 1200 粗EDCの量 (1000ポンド)。
【0051】上記の結果は、本発明に従って使用される
汚れ防止剤の有効性を示している。改善された結果が得
られる理由は完全には理解されていないが、粗EDC中
の不相溶性の副生成物を有効に分散させることによるも
のと考えられる。不相溶性副生成物には、高度に酸素化
/塩素化されたポリマー物質(例えば、ポリオレフィ
ン)が含まれる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化装置又はオキシ塩素化装置からの
    粗二塩化エチレン供給物流れを、精製二塩化エチレンか
    ら成る塔頂留出物流れと、汚れ量の塩素化及び/又は酸
    素化ポリマー物質を含む粗EDCの底部流れとに蒸留分
    離する、二塩化エチレンの回収方法において、底部流れ
    中の汚れを防止するための改良された方法であって、
    (A) (i) C4 乃至C10のモノ不飽和ジカルボン酸物質
    と反応した、約300 乃至5000の分子量を有する、C2 乃
    至C10モノオレフィンのオレフィンポリマーと、(ii)ア
    ミン、アミノアルコール、及びそれらの混合物から成る
    群から選択される塩基性反応体との反応生成物、(B) 油
    溶性アルキル芳香族スルホン酸マグネシウム、及び(C)
    10乃至90重量%の汚れ防止剤(A)と90乃至10重量%の汚
    れ防止剤(B) のブレンド、から成る群から選択される汚
    れ防止剤の有効量を粗二塩化エチレン供給物流れ中に導
    入することを含む、方法。
  2. 【請求項2】 酸物質が無水マレイン酸である、請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】 オレフィンポリマーがポリイソブチレン
    である、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 塩基性反応体がポリアミンである、請求
    項1の方法。
  5. 【請求項5】 ポリアミンが2乃至60の炭素原子と1乃
    至12の窒素基を含む、請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミンがポリアルキルアミンであ
    り、ここでアルキル基は2乃至6の炭素原子を含み、ポ
    リアルキルアミンは1分子当たり2乃至8の窒素原子を
    含み、またコハク酸基1モル当たり 0.2乃至2モルの前
    記ポリアミンが反応する、請求項4の方法。
  7. 【請求項7】 ポリアミンがポリエチルアミンであり、
    反応生成物が硼酸処理されている(borated) 、請求項5
    の方法。
  8. 【請求項8】 スルホン酸塩が超塩基性アルキルベンゼ
    ンスルホン酸マグネシウムである、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 アルキル基が12乃至45の炭素原子を含
    む、請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 アルキル基が16乃至30の炭素原子を含
    む、請求項8の方法。
  11. 【請求項11】 超塩基性スルホン酸マグネシウムが50
    乃至 700 mg KOH/gのアルカリ度を与えるように炭酸マ
    グネシウムで超塩基化されている、請求項1の方法。
  12. 【請求項12】 超塩基性スルホン酸塩が 300乃至 600
    mg KOH/g のアルカリ度(全アルカリ価)を有する、請
    求項11の方法。
  13. 【請求項13】 アルキル芳香族スルホン酸マグネシウ
    ムが 200乃至3000の分子量を有する、請求項1の方法。
  14. 【請求項14】 スルホン酸マグネシウムが以下の式: 【化1】 (式中、Rは、12乃至45個の炭素原子を有するアルキル
    である)を有する、請求項1の方法。
  15. 【請求項15】 二塩化エチレンを塩素化又はオキシ塩
    素化によって調製し、その後塩化ビニルに転化する、塩
    化ビニルモノマーの製造方法において、粗二塩化エチレ
    ンに93.3乃至 204.4℃(200 乃至 400度F)の範囲内の
    温度でさらされる装置中の汚れを防止するための改良さ
    れた方法であって、粗二塩化エチレンに93.3乃至 204.4
    ℃(200 乃至 400度F)の範囲内の温度でさらされる装
    置中の汚れを防止するために有効量の汚れ防止剤を粗二
    塩化エチレン流れ中に導入することを含み、汚れ防止剤
    が、(a) 10乃至90重量%のアシル化ポリアミンであっ
    て、粗二塩化エチレン流れ中の汚れ物質を分散させるこ
    とができるもの、及び(b) 90乃至10重量%の超塩基性ス
    ルホン酸マグネシウムであって、以下の式: 【化2】 (式中、Rは、12乃至45個の炭素原子を有するアルキル
    である)を有するもの、のブレンドを含む、方法。
  16. 【請求項16】 ポリアミンが、ポリエチレンアミンと
    縮合したポリイソブチレンコハク酸無水物である、請求
    項15の方法。
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