JPH05140332A - セルロース成型品の製造法 - Google Patents

セルロース成型品の製造法

Info

Publication number
JPH05140332A
JPH05140332A JP30321391A JP30321391A JPH05140332A JP H05140332 A JPH05140332 A JP H05140332A JP 30321391 A JP30321391 A JP 30321391A JP 30321391 A JP30321391 A JP 30321391A JP H05140332 A JPH05140332 A JP H05140332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
dope
molded product
alkali
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30321391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3157224B2 (ja
Inventor
Toshihiko Matsui
敏彦 松井
Chihiro Yamane
千弘 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP30321391A priority Critical patent/JP3157224B2/ja
Publication of JPH05140332A publication Critical patent/JPH05140332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3157224B2 publication Critical patent/JP3157224B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、セルロース成型品(繊維、フィル
ム、パウダー)を無公害プロセスで製造する方法に関す
る。 【構成】 本発明の構成は、セルロースをアルカリ水溶
液に溶解してなるドープから湿式法によりフィルムや繊
維等のセルロース成型品を製造するに当たり、凝固剤に
硫酸やポリリン酸のような高度に脱水作用を有する媒体
を用いて凝固、成型せしめることからなる。 【効果】 物性的には既存のセルロース成型品と同程度
の力学的性質を持ちながら、分子内水素結合が極度に破
壊された固体構造を持つため、優れた染色性を示す。
又、実質的にセルロースとアルカリ水溶液とからなるド
ープを使用するため環境に優しいプロセスを提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、フィルムや繊維(中空
糸,不織布を含む)やパウダー等に代表されるセルロー
ス成型品を実質的にアルカリに可溶なセルロースとアル
カリ水溶液とからなるドープより製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にセルロースの成型品(繊維、フィ
ルム、パウダー)は、セルロースをある種の方法で溶媒
に溶解して調製した溶液を非溶媒である媒体中に投入す
ることにより製造される。現在、上記の目的に工業的に
利用されているセルロースの溶解法は、ほぼ100年前
(1890年代後半)に既に発見されていた、いわゆる
セルロースをアルカリを作用させてアルカリセルロース
とし、これに二硫化炭素を反応せしめ、そのあとでアル
カリに溶解する方法(ビスコース法)か、セルロースを
銅アンモニア溶液に溶解させる方法(銅安法)の二つだ
けであり、いずれも高分子の概念が樹立する以前に見い
だされた技術であるという点で興味深い。これらの方法
で得た溶液中のセルロースは、セルロースがそのままの
形で溶解しているのではなく、ある種のセルロース誘導
体として溶解しているためセルロースに戻すためには、
凝固以外に再生というプロセスを必要とする。従来か
ら、この再生過程の制御が繊維の糸物性を決める重要な
ファクターであることが知られており、ドープの改質や
凝固条件(凝固浴組成、凝固温度、凝固浴長、浴流、ノ
ズル)等、様々な角度から最適な糸物性となる凝固/再
生条件が検討されてきた。例えば、ビスコースレーヨン
法ではミューラー浴を用いる方法、ポリノジック法、H
Wモジュラス法、強力レーヨン法、高濃度硫酸を凝固浴
に用いるリリエンフェルド法等であり、銅安法では流下
緊張紡糸法などが挙げられる。 上記のいずれの方法も
溶液を調製する過程や成型品を製造する過程で毒性気体
の発生や重金属の排出を避けることができず作業環境面
や地球環境的な見地からみても問題点がないとは言えな
い。 このほかセルロースを溶解する方法としてカドキ
セン(カドミウム/エチレンジアミン/アリカリ)、ニ
オキセン(ニッケル/エチレンジアミン/アルカリ)、
EWNN(鉄/酒石酸/アリカリ)など金属錯体が中心
に検討されたが、安全性や経済性の点で銅安法やビスコ
ース法を凌駕するものではない。一方、二硫化炭素を用
いるビスコース法は、現在の再生セルロース繊維工業で
は、圧倒的に多数の企業が採用しているが、上記の観点
からビスコース法の工業的存続すら危惧する声が欧米で
起きている。その顕著な現れは1960〜1970年代
にかけての多くの企業のビスコースレーヨン事業からの
撤退であり(第一波)、現在、全世界的なスケールで押
し進められつつある反環境破壊運動の高まりと共に各企
業でも環境/安全志向の体制作りが急務とされつつある
(第二波)。前者に於いては既存の溶解方法への反省と
して,セルロースを直接有機溶媒に溶解し、繊維やフィ
ルム製造プロセスをクローズド化して新規な再生セルロ
ース成型品を得ようとする研究が1970年代より、カ
ナダ、米国を中心になされてきた。その結果、実に多く
の溶解方法が見いだされたが、いずれも複雑な多成分系
溶媒を用いており、溶媒自体のコスト高、毒性、爆発
性、溶媒回収困難などの為実用化(工業化)された例は
みないのが現状である。これらの新しく発見された溶解
方法は、殆ど総て、セルロースをある種の誘導体の形に
してその誘導体を適当な溶媒に溶解していると言う点
で、ビスコース法や銅安法となんら技術的に大きな違い
のあるものではない。
【0003】一方、これらの流れに対して環境にやさし
いプロセスでセルロース成型品を製造しようとする試み
が2、3行われつつある。特開昭62−240328号
および特開昭62−240329号では、アルカリ水溶
液にセルロースを溶解してなるドープからフィルムや繊
維等の成型品を製造する方法について開示している。こ
れらによれば凝固剤の選択によって得られる成型品の固
体構造、特に、分子内水素結合性が大幅に変化したもの
が得られている。例えば、特開昭62−240328号
では直接酸を用いて凝固させるか、予め、水、塩基、中
性塩等で一旦凝固させた後、酸性浴で中和させると分子
内水素結合の破壊の程度を表す尺度であるχam(C
3)が55%以下のセルロース成型品が得られるのに対
し、特開昭62−240329号では直接塩を含む酸性
浴で凝固させることにより、χam(C3)が55〜8
5%のセルロース成型品が得られるとしている。ここで
χam(C3)は固体高分解能NMR(CP/MAS
法)から評価される分子内水素結合の破壊の程度であ
り、特開昭62−116601号に記載の方法で評価す
ることが出来る。
【0004】特開昭62−240328号記載の方法で
使用される凝固剤は酸性浴である。第一浴に直接酸を用
いる点は本発明法と類似しているが、酸性浴の脱水作用
が低い為に得られた成型品のχam(C3)が55%以
下のものしか得られない。また、特開昭62−2403
229号記載の方法の場合も同様に酸性浴の脱水作用が
充分でないため、NMR的な固体構造(χam(C
3))は本願発明の成型品と同一範疇に属するが、実施
例で後述するように高次構造(凝集構造)に違いがあ
り、得られるセルロース成型品の諸物性が異なる。いず
れにしても湿式法では凝固剤の選択いかんが得られる成
型品の諸物性を支配していることを示唆する。また本発
明者らは、このセルロースとアルカリとからなるドープ
から種々の方法によるセルロース成型品の製法を検討
し、通常の紡糸法では可紡性が低く困難であったアルカ
リや水を凝固剤に用いても、かかる凝固浴を強制的に流
動させることによりセルロース成型品を得ることに成功
している(特開平3−40806号)。
【0005】しかしながら、これらの方法でセルロース
成型品を製造する際には、基本的にセルロースとアルカ
リだけからなるドープを使用している為、従来法(ビス
コース法や銅安法)の成型過程において諸物性の制御に
重要な要素であった、いわゆる再生プロセスが存在しな
い。このため再生プロセス(化学反応)のないことが特
長であったこれらの系においては,中和過程が即凝固あ
るいはゲル化であり、凝固時の凝集構造の制御、例えば
凝固時にポリマーを緻密に凝集させるとか凝固ゲルを変
形させる等のコントロールが極めて難しく、得られるセ
ルロース成型品の諸物性も充分満足できるものではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにビスコ
ース法や銅安法は歴史的に見て古典的製造法ではあるも
のの、現在でも繊維工業のなかで基幹的役割を果たして
いる事実は否めない。しかし、国際的な規模で環境問題
が取り沙汰されている現状を踏まえれば多くの問題点を
抱かえた工業であるといわざるを得ない。即ち、:人
体に悪影響を及ぼす二硫化炭素やアンモニアを使用して
おり、かつ、これらが爆発限界を持つこと。:重金属
である銅を含み、また、溶解/凝固/再生/精練過程で
有害な廃ガスが生成するため、それらの回収/精製/廃
棄処理に多大のエネルギーや水を必要とすること。:
およびより必然的に労働集約型の事業形態に成らざ
るを得ないこと。等が挙げられる。
【0007】一方、セルロースの有機溶媒紡糸の場合、
重金属や揮発性ガスを使用しないと言うメリットは有る
ものの、:その多くは溶解時に化学反応を伴うため溶
解状態ではセルロースが誘導体の形で溶解しており、再
生時に副生成物の生成(溶媒自体の変成)が生起する
か、あるいは、再生出来ず最終的にセルロース誘導体の
まま成型品となってしまう。:溶媒自体の反応/再生
に伴う変成によるロスや高価なため高回収率を要した
り、高沸点の溶媒が多いためエネルギーが多大に必要で
ある等溶媒回収面での問題もある。:勿論、溶媒自体
の毒性や分解性、爆発性等の問題もある。などの観点か
ら工業的とは言いがたい。
【0008】他方、アルカリ水溶液にセルロースを溶解
してなるドープからフィルムや繊維等の成型品を製造す
る方法に関する先行技術においては、凝固時の凝集構造
の制御(凝固時に緻密に凝集させるとか凝固ゲルを変形
させる等)が極めて難しく、得られるセルロース成型品
の諸物性も充分満足できるものになっていない。かかる
点に鑑み、本発明者らは、環境にやさしいプロセスでセ
ルロース成型品を製造しようとする視点に立ち、セルロ
ースを実質的にアルカリ水溶液に溶解してなるドープの
凝固性を系統的に検討した結果、驚くべきことに凝固剤
に高度に脱水作用をもつ媒体を使用すれば、凝固時の凝
集構造や固体構造が容易にコントロールできることを見
いだした。 即ち、基本的にセルロースとアルカリだけ
からなるドープを使用している本発明の系の場合、従来
法(ビスコース法や銅安法)の成型過程において諸物性
の制御に重要な要素であった再生プロセスが存在しない
にも拘わらず、高度に脱水作用をもつ媒体を凝固剤に使
用することにより、中和過程に於いて即凝固あるいは即
ゲル化を生起させることなく脱溶媒を促進させることに
成功し本発明に到達した。
【0009】本発明は、新規なセルロース成型品を製造
するに当たって、紡糸プロセス中に廃ガスの発生や爆発
の危険がなく、しかも、廃液、廃ガスなどによる環境汚
染のない製造プロセスを提供することを目的としてい
る。即ち、本発明の課題は工業的視点および環境問題的
視点からみて充分満足できる次世代型のセルロース成型
品の製造方法を構築することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的にアル
カリに可溶なセルロースをアルカリ水溶液に溶解してな
るドープから湿式法によりセルロース成型品を製造する
に際し、該ドープを高度に脱水作用を有する媒体中で、
凝固、成型せしめてなることを特徴とするセルロース成
型品の製造法である。
【0011】本発明の方法に使用できるセルロースは低
温下でアルカリ水溶液に溶解可能な、いわゆるアルカリ
可溶セルロースであり、例えば、特開昭60−4240
1号や特開昭62−116601号に開示されたセルロ
ースが好適に用いられる。更には、置換度が0.2以下
のアルカリに可溶なセルロース誘導体を用いることもで
きる。置換基の種類は置換度が0.2以下であればエー
テル基、エステル基に関係なく用いることができるが、
置換度が0.2以上になると得られるセルロース成型品
の性質に置換基の性状が反映されるため、物性的(例え
ば、力学的性質)に好ましくない。具体的には、メチ
ル、エチル、プロピル等のアルキルセルロース、ヒロド
キシエチル、ヒロドキシプロピル等のヒロドキシアルキ
ルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルバモ
イルエチルセルロース、シアノエチルセルロース、オキ
シセルロース、セルロースナイトレート等が用いられ
る。
【0012】また、セルロースの重合度は得られる成型
品の物性や成型時操作性などを加味すれば最低100以
上が好ましい。一方、セルロース濃度はセルロースの重
合度や溶媒組成によって決定すべき問題であるが、経済
的観点や得られる成型品の物性から3重量%以上含有す
ることが好ましい。溶媒であるアルカリ水溶液は、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウムなどが好適に用いられ
る。この場合アルカリ水酸化物の濃度は5〜15%で種
類に応じて好適濃度が変わるが、水酸化ナトリウムの場
合7〜10重量%が好適に用いられる。溶解は16℃以
下、好ましくは−10℃以上10℃以下で行われる。ま
た,必要に応じて第三成分、例えば、ダル調にするため
には酸化チタン、可紡性を調整するための界面活性剤、
機能を付与させるための架橋剤やアルカリに可溶な高分
子などを添加しても構わない。
【0013】かかる方法によって得られたセルロースの
アルカリ溶液(以下、単にドープと略称する)は、無水
硫酸、硫酸、ハロゲン化硫酸、チオ硫酸、亜硫酸、塩
酸、臭酸、フッ化水素酸、硝酸、燐酸、ピロリン酸、メ
タリン酸、ポリリン酸、次亜リン酸、トリフルオロ酢
酸、チオシアン酸塩、ハロゲン化金属塩等の中から少な
くとも一種以上選ばれて成る高度に脱水作用を有する媒
体を凝固剤に使用することによって成型される。ここで
高度に脱水作用を有するとは、ドープ中の水を媒体中に
引き抜く作用が高いことを意味し、例えば、硫酸の場
合、390atm以上の浸透圧πを有する濃度の硫酸が
使用される。 従って、使用に際してこれらの媒体は、
比較的高濃度の水溶液、即ち、水あるいはアルカリ水溶
液に対して脱水作用を持つ濃度範囲で使用される。使用
する媒体によってその濃度範囲は異なるので一義的に規
定することはできないが、 例えば、硫酸の場合、50
〜80重量%(π:395〜1620atm)、塩酸の
場合、40〜42.5重量%(π:1355〜1619
atm)、硝酸の場合、60〜80重量%(π:133
0〜6070atm)、ポリリン酸の場合、60〜90
重量%の範囲が好適に用いられる。 但し、ここで、塩
酸と硝酸の浸透圧πは、高濃度領域でも正則溶液(ラウ
ールの法則が成立する)であるとして算出した値を示し
ている。かかる酸は上記に示した濃度以上でも高い浸透
圧πを示すものの、セルロースに対する分解作用や溶解
作用や変成作用および取り扱い性(発煙性が高い、粘性
が高い)の点から実用的ではない。また、当然、これら
の媒体が混合されて用いられる場合には一成分の濃度が
前記の濃度より低くても構わない。同様に、本発明の凝
固剤は一次凝固浴に他の凝固剤を用いた後、二次凝固浴
に使用しても後述する作用効果を付与することができ
る。一方、成型時の凝固浴の温度は特に限定する必要は
ないが、ドープのゲル化が生起しない低温ほど好まし
い。特に好ましくは、−8℃〜10℃である。−8℃以
下になるとドープ中の溶媒が凍結するので好ましくな
く、また、10℃以上になると媒体の加水分解作用によ
るセルロース分子の主鎖が切断(解重合)したり、ドー
プ自体のゲル化が生起するので好ましくない。
【0014】本発明法によれば、特に成型法に制約は受
けず通常の製膜方法や紡糸方法を行えば充分である。例
えば、製膜法については、製膜用原液をアプリケーター
やナイフコーターを用いてガラス板のごとき支持板にキ
ャストさせた後、前記脱水作用を有する媒体に浸漬/凝
固(任意の温度、時間)させ、しかる後、水洗/乾燥さ
せれば良い。
【0015】勿論、スリットノズルを用いて直接凝固浴
中の吐出させてもよい。繊維化に於いては、紡糸原液を
通常の細孔を有する湿式ノズルや中空糸用ノズルやジェ
ットノズルを用いて凝固浴中に吐出させた後、必要に応
じて延伸を加え水洗/乾燥後巻き取れば良い。また,パ
ウダー化の場合は、高速攪拌下の凝固浴中に成型用原液
を滴下させて粉末状に成型させればよい。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが本発
明はこれらになんら限定されるものではない。
【0017】
【実施例1〜3、比較例1〜3】重合度1300の針葉
樹パルプ(アラスカパルプ)100部を1000部の水
に3時間浸漬後,脱水機で水を脱水し,190部の含水
セルロースを得た。この含水セルロースを爆砕処理装置
(日本化学機械製)を用いて235℃で25秒間スチー
ム処理して重合度340のアルカリ水溶液に可溶なセル
ロースを得た。このセルロース100gを8重量%の苛
性ソーダ水溶液1900gに5℃でホモジナイザーをも
ちいて溶解させ均一な溶液を得た。かかる溶液を300
メッシュの金属網2枚とポリアミド不織布2枚を用いて
濾過した後,自然放置により脱泡させ紡糸原液とした。
この紡糸原液をギアポンプつきの押し出し機を用いて,
0.08mmΦの孔が100個空いたノズルから表1に
示した濃度の硫酸浴に吐出量30.16ml/minで
吐出させた。凝固浴の温度は−5℃で浸漬長25cmの
条件で凝固させた後、水洗行程を経て120℃の熱ロー
ル上で乾燥させ、60m/minで紙管に巻き取った。
表1に実施例1〜3、比較例1〜3を示す。TS、T
E、KS、Xcはそれぞれ引っ張り強度、引っ張り伸
度、結節強度、X線結晶化度である。20%、40%硫
酸を用いた場合、可紡性は良好であるもののTS、T
E、KS等の物性が低いため繊維としての実用性は低
い。また、90%硫酸を用いた場合、ドープ中のセルロ
ースの溶解や分解が生起し、紡糸不能であった。一方、
本発明法、実施例1〜3の場合、TS、TE、KS、X
cとも既存の再生セルロース繊維並であり、衣料用繊維
として充分使用できる。
【0018】このように本発明法によれば、セルロース
とアルカリと水とから成る極めてシンプルなドープから
環境汚染のないプロセスで既存と同程度の物性を持つ繊
維を得ることができる。
【0019】
【実施例4〜8、比較例4〜6】実施例1の方法に準拠
して調製したアルカリ可溶セルロース100gを5.6
重量%の水酸化リチウム水溶液1900gに−5℃でホ
モジナイザーを用いて溶解させ均一な溶液を得た。かか
る溶液を300メッシュの金属網3枚を用いて濾過した
後、自然放置により脱泡させ製膜原液とした。この製膜
原液を流延厚1mmのアプリケーターを用いて、ガラス
板上に流延し、表−2に示した凝固浴に5分間浸漬させ
た後、5℃の冷水で充分に水洗した。水洗後の生フィル
ム(湿潤フィルム)の一部を液体窒素で凍結させ凍結乾
燥機で乾燥させた。この乾燥フィルムの断面構造を電子
顕微鏡を用いて観察し、凝集状態の粗密さを評価した。
残りのフィルムは濾紙に挟み真空乾燥させた後、強伸度
測定用とした。これらの結果を表2にまとめて示す。凝
集構造(断面)の判定は、電子顕微鏡で観察した凝集状
態の粗密さをもとにボイッドの有無やそのサイズ等で肉
眼判定した。○はボイッドの孔径が50nm以下の緻密
な構造、×はボイッド孔径が200nm以上の粗な構造
を表す。また、強伸度は東洋ボールドウイン製の引っ張
り試験機“テンシロン”を用いて測定した。
【0020】表2中に実施例4〜8および比較例4〜6
を示す。実施例8及び比較例4、5は凝固浴温度の影響
を示す。表から明らかなように凝固温度が低くても高く
ても得られるフィルムの凝集構造や強度が高くならない
ことを示す。比較例4の場合、ドープの凍結温度より凝
固温度が低いためドープのゲル化および凍結が生起し、
また、比較例5の場合にはドープのゲル化とセルロース
自体の分解により劣ったフィルムになったものと推定さ
れる。また、比較例6は本発明法により得られるフィル
ムと同様に分子内水素結合の破壊の程度が大きい(χa
m(C3)=73%)構造をとるものの凝集構造や強度
は本発明法より劣る。
【0021】この凝固浴組成は現行のビスコースレーヨ
ン法に使用されているミューラー浴組成にほぼ相当す
る。一方、実施例4〜8に見られる様に、本発明法によ
れば市販のセロファン(ビスコース法)並の強度を有す
るセルロースフィルムが、二硫化炭素や硫化水素等の有
毒ガスを排出することのないプロセスより作ることがで
きる。
【0022】
【実施例9〜11、比較例7〜8】高αセルロースパル
プ(レオニア社製,αセルロース含有量95.4%)を
2.5規定の硫酸水溶液を用いて50℃で60分間酸加
水分解させ粘度平均重合度340のセルロースを得た。
このセルロースを出発原料として以下に示す方法で2〜
3のアルカリ可溶性低置換度セルロース誘導体を調製
し、セルロース成型品を製造した。 (1)メチルセルロース(MC)の調製: 上記方法で
調製したセルロース48.6gを9重量%の苛性ソーダ
水溶液923.4gに5℃下で溶解し、硫酸ジメチル
7.56g(対セルロース0.2mol)および硫酸ジ
メチル30.2g(対セルロース0.8mol)を添加
/混合させた後50℃に加温し60分間反応させた。こ
れらのドープをエタノール中に再沈させて数回エタノー
ル/2重量%酢酸(1/1,vol/vol)で洗浄を
繰り返した後、充分水洗した。引き続きアセトン置換し
真空乾燥した。得られた誘導体を8.65重量%水酸化
ナトリウム水溶液に溶解してNMR測定より置換度を評
価した結果、置換度は0.08および0.41であっ
た。 (2)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の調
製: 上記方法で調製したセルロース48.6gを1
7.5重量%の苛性ソーダ水溶液600gに30℃下で
30分間浸漬処理させた後、圧搾し135gのアルカリ
セルロースを得た。このアルカリセルロースを脱気口の
付いた密閉容器にいれ、真空ポンプで脱気した後プロピ
レンオキサイド2.6g(対セルロース0.12mo
l)を注入し40℃で2時間反応させた。この混合物を
エタノール中に再沈させて数回エタノール/2重量%酢
酸(1/1,vol/vol)で洗浄を繰り返した後、
充分水洗した。引き続きアセトン置換し真空乾燥した。
同様に反応剤であるプロピレンオキサイドを17.0g
(対セルロース0.8mol)注入したものについても
調製した。得られた誘導体を8.65重量%水酸化ナト
リウム水溶液に溶解してNMR測定より置換度を評価し
た結果、置換度は0.06および0.38であった。 (3)カルバモイルエチルカルボキシエチルセルロース
(CEC)の調製: 上記方法で調製したセルロース4
8.6gを9重量%の苛性ソーダ水溶液923.4gに
5℃下で溶解し、アクリルアミド4.32g(対セルロ
ース0.2mol)を添加/混合させた後50℃に加温
し60分間反応させた。このドープをエタノール中に再
沈させて数回エタノール/2重量%酢酸(1/1,vo
l/vol)で洗浄を繰り返した後、充分水洗した。引
き続きアセトン置換し真空乾燥した。得られた誘導体を
8.65重量%水酸化ナトリウム水溶液に溶解してNM
R測定より置換度を評価した結果、置換度は0.13で
あった。
【0023】それぞれのセルロース誘導体42gを5℃
下で9.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液558gに
ホモジナイザーを用いて溶解させ均一な溶液を得た。か
かる溶液を400メッシュの金属網1枚とポリアミド不
織布2枚を用いて濾過した後、自然放置により脱泡させ
紡糸原液とした。この紡糸原液をギアポンプつきの押し
出し機を用いて、0.08mmΦの孔が22個空いたノ
ズルから65重量%濃度の硫酸浴に吐出量2.2ml/
minで吐出させた。凝固浴の温度は−7℃で浸漬長3
0cmの条件で凝固させた後、水洗行程をへて120℃
の熱ロール上で乾燥させ、20m/minで紙管に巻き
取った。
【0024】表3に得られた繊維の物性をまとめて示
す。本発明法によれば純セルロースのみでなくアルカリ
可溶性を示す低置換度のセルロース誘導体を使用しても
既存の再生セルロース繊維並の物性を持つ糸を得ること
ができるが、通常アルカリ可溶性として知られている置
換度範囲のセルロース誘導体(比較例7および8)を用
いた場合,湿潤時の引っ張り強度(TSw)が弱く、対
洗濯性に劣るため実用的ではない。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明は、実質的にセルロースとアルカ
リと水とから成るドープから物性の良好なセルロース成
型品を製造するに当たり、プロセス面では成型プロセス
中に廃ガスの発生や爆発の危険がなく、しかも排液、廃
ガスなどによる環境汚染がないプロセスが提供できる利
点を持つ。また、物性面ではこれまでの実質的にセルロ
ースとアリカリと水とから成るドープから物性の良好な
セルロース成型品を得ようとした先行技術では不可能で
あった既存の繊維やフィルムと同程度の力学的性質を持
ちながら、分子内水素結合が極度に破壊された構造体を
形成せしめることができる。かかる構造上の特徴によ
り,繊維の場合、樹脂加工性や染色性の優れた繊維を得
ることが出来る。また、フィルムの場合には、フレキシ
ビリティーの高いフィルムを得ることが出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にアルカリに可溶なセルロースを
    アルカリ水溶液に溶解してなるドープから湿式法により
    セルロース成型品を製造するに際し、該ドープを高度に
    脱水作用を有する媒体中で凝固、成型せしめてなること
    を特徴とするセルロース成型品の製造法。
JP30321391A 1991-11-19 1991-11-19 セルロース成型品の製造法 Expired - Lifetime JP3157224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30321391A JP3157224B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 セルロース成型品の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30321391A JP3157224B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 セルロース成型品の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05140332A true JPH05140332A (ja) 1993-06-08
JP3157224B2 JP3157224B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=17918242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30321391A Expired - Lifetime JP3157224B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 セルロース成型品の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3157224B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008084854A1 (ja) * 2007-01-12 2008-07-17 Asahi Kasei Fibers Corporation セルロース微粒子並びにその分散液及び分散体
JP2022511738A (ja) * 2018-11-21 2022-02-01 ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム 金属化グラフェン繊維の作製方法および生体電子用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008084854A1 (ja) * 2007-01-12 2008-07-17 Asahi Kasei Fibers Corporation セルロース微粒子並びにその分散液及び分散体
US8629187B2 (en) 2007-01-12 2014-01-14 Asahi Kasei Fibers Corporation Cellulose fine particles, and liquid or solid dispersion thereof
JP2022511738A (ja) * 2018-11-21 2022-02-01 ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム 金属化グラフェン繊維の作製方法および生体電子用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP3157224B2 (ja) 2001-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5612551B2 (ja) 傷手当用品及びその製造並びにその使用に適切な材料の製造
AU724024B2 (en) Dispersion spinning process for poly(tetrafluoroethylene) and related polymers
US5401447A (en) Process for producing celluose moldings
US9610379B2 (en) Absorbent fibres produced from low-substituted carboxymethyl cellulose and the process thereof
CN105113034A (zh) 再生纤维素纤维及其制备方法
WO1995015342A1 (en) Treatment of cellulose
JPH11503197A (ja) セルローススポンジ及びその製造方法
KR101896476B1 (ko) 공용매를 이용한 고결정성 재생 셀룰로오스 섬유의 제조 방법
US7108907B1 (en) Cellulose dope and method for producing the same
JP5901112B2 (ja) セルロース多孔体ゲル
US20030143388A1 (en) Regenerated carbohydrate foam composition
JP3157224B2 (ja) セルロース成型品の製造法
DE69711232T2 (de) Celluloseschwämme
JPH08158147A (ja) セルロース繊維の製造方法
JP2000226720A (ja) フィブリル化性の抑制されたセルロース繊維及びその製造方法
KR101829069B1 (ko) 재생 셀룰로오스 섬유 및 그 제조방법
US20030155679A1 (en) Method of making regenerated carbohydrate foam compositions
Yang et al. Structure of regenerated cellulose films from cellulose/aqueous NaOH solution as a function of coagulation conditions
JPH01188539A (ja) 新規なセルロース多孔膜およびその製造法
CN104419994B (zh) 高浓度纤维素纺丝液的制备方法及不织布的制作方法
CN120366910B (zh) 一种高吸水微孔再生纤维素纤维的制备方法
Sengupta Rayon fibres
JP2000234291A (ja) セルロース溶液の塗工方法
JPH08158148A (ja) セルロースドープおよびその調製方法
JPH0464321B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080209

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11