JPH05147258A - イオンフロー静電記録ヘツドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘツドの製造方法

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JPH05147258A
JPH05147258A JP31265891A JP31265891A JPH05147258A JP H05147258 A JPH05147258 A JP H05147258A JP 31265891 A JP31265891 A JP 31265891A JP 31265891 A JP31265891 A JP 31265891A JP H05147258 A JPH05147258 A JP H05147258A
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JP
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electrode
dielectric layer
electrodes
ion flow
adhesive
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JP31265891A
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Takae Hayashi
孝枝 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は第2電極と誘電体層との間の接着に嫌
気性アクリル系接着剤を用いた場合でも誘電体層の表面
に均一な薄い接着剤層を形成し、イオン流通過口からの
放電を均一化して画像品質を向上させることを最も主要
な特徴とする。 【構成】第1電極3上および第1電極3のパターン間の
絶縁基板2上にシリコーン変性樹脂を主成分とする誘電
体層4を積層したのち、誘電体層4上にコロナ放電する
表面処理を施し、この誘電体層4の表面処理面に第2電
極6をアクリル系嫌気性接着剤を介して接着することを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に静電式の印刷や複写
を行なう静電記録イオン発生装置で使用されるイオンフ
ロー静電記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷などにおいて、
高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的
に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯
電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドは誘電体層とその誘電体層の一方の側
に固着され、第1の方向に伸びる複数の第1電極と、誘
電体層の他方の側に固着され、第1電極の伸び方向と交
差する方向に伸びる複数の第2電極とを有し、複数の第
1電極と複数の第2電極とでマトリックスを構成する。
そして、この第2電極のマトリックスと対応する部位に
はイオン発生用の開口部が形成されている。
【0004】また、第2電極の第1電極と反対側には第
3電極が配設されている。この第3電極と第2電極との
間には絶縁体層が配設されている。これらの絶縁体層お
よび第3電極には第2電極の開口部と対応する開口部が
形成されており、これらの開口部によってイオン流通過
口が形成されている。
【0005】そして、第1電極と第2電極との間のマト
リックスの選択された部分に対応する第1電極と第2電
極との間に交互に高電圧を印加することにより、その部
分に対向する第2電極の開口部近傍に正・負のイオンが
発生する。
【0006】また、第2電極と第3電極との間にはバイ
アス電圧が印加され、その極性によって決まるイオンの
みが発生したイオンから選択的に抽出され、イオン流通
過口を通過し、第3電極と対向配置される被帯電部材を
部分的に帯電させることができる。したがって、マトリ
ックス構造の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行なうことができる。
【0007】ここで使用される誘電体層及び絶縁体層を
形成する物質は、イオン抽出のために印加される高電圧
にも絶縁破壊しないことが要求される。また、誘電体層
はイオンを効率良く発生させ、絶縁破壊にも耐えられる
厚さを必要とするため、高い誘電率を有することが要求
される。
【0008】さらに、誘電体層と第2電極との接着剤と
しては高電圧印加によって発生する熱に耐えることがで
きる耐熱性、誘電体層と第2電極との熱膨張率の差によ
って発生する応力に耐えられる可撓性、さらにイオンフ
ロー静電記録ヘッドの組立工程時に作用する引っ張り剪
断力に耐えられる程度に強い接着力、イオン発生による
放電に強い耐コロナ放電性等の条件を備えたものが要求
される。
【0009】そこで、例えば、特開平2−153760
号公報ではイオンフロー静電記録ヘッドの誘電体層の材
料として、シリコーン変性ポリエステルアルキド樹脂中
に酸化チタン粉を分散させたものを用いている。
【0010】また、イオンフロー静電記録ヘッドの第2
電極の材料としてはステンレス鋼が使用され、この第2
電極を誘電体層に固着する接着剤としては粘着剤である
シリコーン系の感圧接着剤が用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−15376
0号公報のように誘電体層と第2電極との間を固着する
接着剤としてシリコーン系感圧接着剤を用いた場合には
粘着力のみで、誘電体層の表面と第2電極の表面との間
を固定しなければならない。
【0012】しかしながら、シリコーン系の感圧接着剤
は剥離力には強いが、剪断力には弱いという特性がある
ので、このシリコーン系の粘着剤を第2電極を誘電体層
に固着する接着剤として使用した場合にはイオンフロー
静電記録ヘッドの組立工程時に作用する引っ張り剪断力
や、100℃前後程度の熱加工時の熱、或いは使用中の
イオン発生現象による80℃程度の発熱を受けた際に十
分に耐えることができない問題がある。そのため、第1
電極と第2電極との間に位置ずれが発生し、このイオン
フロー静電記録ヘッドを用いて画像を形成する場合に画
像品質が低下する問題があった。
【0013】そこで、シリコーン系の粘着剤よりも更に
強固にせん断力を発揮できる嫌気性アクリル系接着剤を
用いて第2電極を誘電体層に固着するように改良された
方法が近年開発されている。
【0014】このように誘電体層と第2電極との間の接
着剤層として嫌気性アクリル系接着剤を用いた場合には
通常はイオンフロー静電記録ヘッドの電気特性を確保す
るために接着剤層の膜厚を5μm以下に抑える必要があ
る。
【0015】しかしながら、誘電体層の表面はシリコー
ン変性された樹脂表面であるために、嫌気性アクリル系
接着剤に対する濡れ性が悪く、嫌気性アクリル系接着剤
を溶剤希釈して、誘電体層の表面に薄く数ミクロン程度
で塗布する際に、塗布された嫌気性アクリル系接着剤が
撥水してしまう問題があった。そのため、誘電体層の表
面に均一な薄い接着剤層を形成することができないの
で、イオンフロー静電記録ヘッドのイオン流通過口内の
電気特性がバラつき、不均一な放電となってしまい、高
精度な画像が得られない問題があった。
【0016】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、第2電極を誘電体層に固着する接着剤として嫌気性
アクリル系接着剤を用いた場合であっても誘電体層の表
面の漏れ性を向上させて誘電体層の表面に均一な薄い接
着剤層を形成することができ、イオン流通過口からの放
電を均一化して画像品質の向上を図ることができるイオ
ンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は絶縁基板上に同
方向に略直線状に延設され、略平行に並設される複数の
第1電極を形成する第1電極形成工程と、ペースト状の
誘電体物質からなる誘電体ペーストを前記第1電極上お
よび前記第1電極のパターン間の前記絶縁基板上に塗布
したのち、この誘電体ペーストを硬化させて誘電体層を
形成する誘電体層形成工程と、この誘電体層の表面に前
記第1電極の延設方向と異なる方向に延設され、前記第
1電極とともにマトリックスを構成し、かつこのマトリ
ックスと対応する部位に開口部が形成された複数の第2
電極を接着剤を介して接着する第2電極接着工程と、こ
の第2電極上およびこの第2電極のパターン間の前記誘
電体層上に絶縁体層を積層する絶縁体層積層工程と、前
記絶縁体における前記マトリックスと対応する部位にイ
オン流通過用の開口部を形成するイオン流通過口形成工
程と、前記マトリックスと対応する部位にイオン流通過
用の開口部が形成された第3電極を前記絶縁体層の上に
積層する第3電極積層工程とを備えたイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法において、前記第1電極上および
前記第1電極のパターン間の前記絶縁基板上にシリコー
ン変性樹脂を主成分とする前記誘電体層を積層したの
ち、前記誘電体層上にコロナ放電して前記誘電体層表面
の漏れ性の改善処理を施す表面処理工程を設け、前記誘
電体層の表面処理面にアクリル系嫌気性接着剤を介して
前記第2電極を接着するようにしたものである。
【0018】
【作用】上記方法ではイオンフロー静電記録ヘッドの製
造時に、誘電体層上にコロナ放電により発生させた電子
を衝突させることによって、誘電体層の表面を改質し、
この誘電体層表面に−COOH、−CO、−OH等の極
性の強い官能基を生成することにより、アクリル系嫌気
性接着剤との相溶性を増大し、かつ誘電体層表面の有機
不純物を除去して誘電体層表面をSiO2 化し、アクリ
ル系嫌気性接着剤の漏れ性を向上させるようにしたもの
である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図1乃
至図3を参照して説明する。図2(A),(B)は静電
記録装置のイオンフロー静電記録ヘッド1の概略構成を
示すものである。
【0020】このイオンフロー静電記録ヘッド1には図
2(A)に示すように後述する複数の構成部材が積層さ
れて略薄板状に形成されたイオンカートリッジシート1
1が設けられている。このイオンカートリッジシート1
1は図2(B)に示すように静電記録装置本体側の記録
ヘッド支持用フレームを形成するバックボーン12に固
定されている。
【0021】この場合、イオンカートリッジシート11
の両側部には同方向に略直角に屈曲された屈曲部11
a,11bが形成されており、これらの両側の屈曲部1
1a,11b間でバックボーン12を挾持させた状態で
イオンカートリッジシート11がバックボーン12に接
着剤13を介して固定されている。
【0022】さらに、図1(A),(B)はイオンフロ
ー静電記録ヘッド1の要部の概略構成を示すもので、2
はイオンカートリッジシート11の絶縁基板である。こ
の絶縁基板2上にはイオン発生用の複数の第1電極3…
が設けられている。これらの複数の第1電極3…は一方
向に向けて略平行に並設されている。また、絶縁基板1
上には第1電極3…の並設面側にこれらの第1電極3…
を埋設する状態で誘電体層4が設けられている。
【0023】なお、絶縁基板2上の第1電極3…にはそ
れぞれ誘電体層4の外部側に延出された延出部が形成さ
れている。そして、これらの第1電極3…の延出端部に
は図示しない装置電源との接続部となる接続端子3a…
が形成されている。
【0024】また、誘電体層4の表面には接着剤層5を
介して複数の第2電極6…が接着されている。この場
合、複数の第2電極6…は誘電体層4における絶縁基板
2とは反対側の面に第1電極3…と交差する方向に並設
されており、第1電極3…と第2電極6…とによってマ
トリックスが構成されている。そして、第2電極6…に
はこのマトリックスと対応する部位にそれぞれ開口部6
a…が形成されている。
【0025】また、誘電体層4の第2電極6…の並設面
側にはこれらの第2電極6…を埋設する状態で絶縁体層
7が設けられている。この絶縁体層7には第2電極6…
の各開口部6a…と対応する部位に開口部7a…が形成
されている。
【0026】さらに、絶縁体層7の表面には帯状の第3
電極8が設けられている。この第3電極8には第1電極
3…と第2電極6…とのマトリックスと対応する部位に
開口部8a…が形成されている。この第3電極8の開口
部8a…は絶縁体層7の開口部7a…および第2電極6
…の開口部6a…と連通されてイオンフロー静電記録ヘ
ッド1のイオン流通過口9…が形成されている。
【0027】そして、イオンフロー静電記録ヘッド1の
動作時には印字信号にもとづいて第1電極3…と第2電
極6…との間のマトリックスが適宜選択され、選択され
たマトリックス部分に対応する第1電極3…と第2電極
6…との間に交流電圧が印加される。これにより、選択
されたマトリックス部分に対応する第2電極6…の開口
部6a…内の近傍部位に正負イオンが発生する。このと
き、第2電極6…と第3電極8との間にはバイアス電圧
が印加され、その極性によって決まるイオンのみが第2
電極6…の開口部6a…内の近傍部位に発生したイオン
から抽出される。そして、抽出されたイオンは絶縁体層
7の開口部7aおよび第3電極8の開口部8a…を通過
し、図示しない誘電体ドラムを局部的に帯電させる。し
たがって、第1電極3…および第2電極6…の選択的駆
動により、誘電体ドラム上にドット潜像を形成すること
ができる。
【0028】次に、図1(A),(B)のイオンフロー
静電記録ヘッド1の製造方法について詳細に説明する。
まず、絶縁基板2上に第1電極3…が形成される(第1
電極形成工程)。この場合、絶縁基板2は例えば厚さ1
00μmの合成樹脂材料、例えばポリイミド等のフレキ
シブル絶縁基板(FPC)が使用される。そして、この
絶縁基板2上に厚さ9μmの銅箔がエポキシ系接着剤で
加圧圧着されたのち、エッチング加工でパターニング
し、第1電極3…が形成される。
【0029】また、絶縁基板2上に第1電極3…を形成
した後、ペースト状の誘電体物質からなる誘電体ペース
トを第1電極3…上および第1電極3のパターン間の絶
縁基板2上に塗布したのち、この誘電体ペーストを硬化
させて誘電体層4が形成される(誘電体層形成工程)。
この場合、誘電体ペーストとしては80wt%の酸化チ
タンをフィラーとし、20wt%のシリコーン変性ポリ
エステルアルキド樹脂をバインダーとしたものが使用さ
れる。なお、酸化チタンは65wt%〜85wt%程度
の範囲で選択できる。
【0030】そして、この誘電体層4の形成時には第1
電極3…のパターン間及び第1電極3…上にこの誘電体
ペーストが例えばスクリーン印刷等の手段によって塗布
される。続いて、塗布された誘電体ペーストを100℃
で、1時間加熱し、誘電体ペースト中に含有する溶剤を
揮発、除去した後、さらに、150℃で、5時間加熱硬
化させ、図3(A)のような厚さ33μmの誘電体層4
が形成される。
【0031】次に、誘電体層4上にコロナ放電して誘電
体層4の表面の漏れ性の改善処理を施す表面処理工程が
行なわれる。この表面処理工程では予め図3(B)に示
すように誘電体層4の周辺部位に絶縁性のシートまたは
板によって形成されるマスキング部材23が装着され、
このマスキング部材23によって誘電体層4の外部側に
延出された第1電極3…の接続端子3a…がマスキング
されている。
【0032】さらに、マスキング部材23の装着後、高
周波高電圧装置、例えばコロナ放電処理装置の金属電極
21を誘電体層4の表面に離間対向配置させるととも
に、アース側の他方の金属電極22を絶縁基板2におけ
る誘電体層4の接合面とは反対側の面に対向配置させ
る。この場合、金属電極21と誘電体層4の表面との間
の隙間は1〜2mm程度に保持させる。
【0033】この状態で、コロナ放電処理装置を動作さ
せ、一対の金属電極21,22間に30KVの電圧を印
加させて発生させた電子をこの誘電体層4の表面全面に
略均一に衝突させるよう30秒間放電する。このコロナ
放電時の雰囲気ガスは空気を用い、さらに、誘電体層4
の表面の温度が150℃以下に保たれるように制御す
る。なお、雰囲気ガスは窒素でもよい。また、コロナ放
電処理の終了後、絶縁性のマスキング部材23は取り除
かれる。
【0034】次に、図3(C)に示すように誘電体層4
の上に接着剤層5が形成される。この接着剤層5の成形
時にはアセトンで3倍に希釈したアクリル系嫌気性接着
剤、例えば日本ロックタイト社製『LI−504』(商
品名)がディッピング法により、膜厚が乾燥後に4μm
程度になるように絶縁基板2および誘電体層4の表面に
均一に塗布されて接着剤層5が形成される。この後、6
0℃で1分間加熱乾燥させて接着剤層5の接着剤中に含
有するアセトンが揮発、除去される。
【0035】また、第2電極6…は、予め例えば厚さ3
0μmのステンレス箔に第2電極6…および開口部6a
…のパターンをパターニングした電極板が形成される。
そして、この第2電極6…の電極板における接着剤層5
側の表面にプライマー5p、例えば日本ロックタイト社
製『プライトマークN』(商品名)がスプレー塗布され
る。そして、このプライマー5pが常温乾燥された後、
第2電極6…の電極板が接着剤層5を介して誘電体層4
の表面に被せられる。この場合、図3(D)に示すよう
に複数の第1電極3…と第2電極6…の開口部6a…と
が対応するように第2電極6…を誘電体層4上に配置し
た状態で、圧着されて誘電体層4と第2電極6…との間
が固着される(第2電極接着工程)。
【0036】次に、第2電極6…の開口部6a…内に残
留している接着剤層5がエーテルによって超音波洗浄さ
れて除去される。そして、この後、接着剤層5が90℃
で1時間、加熱硬化されるとともに、溶剤分が揮発、乾
燥される。
【0037】続いて、この第2電極6…およびこの第2
電極6…の各開口部6a…内の誘電体層4の上に絶縁体
層7を形成する例えば厚さ100μm程度の感光性絶縁
フィルム(ソルダーレジスト)が真空ラミネートされる
(絶縁体層積層工程)。その後、この感光性絶縁フィル
ムに露光、現像等のフォトエッチング処理が施されて複
数の第2電極6…の開口部6a…と対応した開口部7a
が形成される(イオン流通過口形成工程)。
【0038】さらに、このように形成された絶縁体層7
の上に例えば厚さ30μm程度のステンレス箔に第2電
極6…の開口部6a…と対応した開口部8a…が形成さ
れた第3電極8が例えば接着等の手段で接合される(第
3電極積層工程)。この場合、第3電極8には開口部8
a…を除く部分にシリコン系の粘着剤が塗布される。続
いて、このシリコン系粘着剤が加熱硬化された後、第3
電極8がその開口部8a…を第2電極6…の開口部6a
…と対応させた状態で位置決めして重ね合わされること
により、イオンフロ−静電記録ヘッド1が製造される。
【0039】なお、第2電極6の開口部6a内に残留し
ている接着剤層5を超音波洗浄で除去する際の溶剤は、
エーテル以外にもエタノール、ベンゼン、酢酸エチル、
アセトンなどアクリル系嫌気性接着剤、例えば日本ロッ
クタイト社製『LI−504』(商品名)を溶解する溶
剤を使用できる。
【0040】さらに、第3電極16を積層する手段とし
て粘着剤を用いたが、絶縁体層7と第3電極8とは両面
テープで貼り合わせるか、図2に示すように単に重ね合
わせた第3電極8の上から片面テープ10で絶縁体層7
に貼付ける構成にしてもよい。
【0041】そこで、上記方法によればイオンフロ−静
電記録ヘッド1の製造時には誘電体層4の形成後、この
誘電体層4上にコロナ放電により発生させた電子を衝突
させることによって、誘電体層4表面の漏れ性の改善処
理を施す表面処理を行なうようにしたので、この誘電体
層4の表面に−COOH、−CO、−OH等の極性の強
い官能基を生成することができる。
【0042】そのため、このような表面処理が施されて
いない場合に比べて誘電体層4の表面とアクリル系嫌気
性接着剤との相溶性を増大させることができるととも
に、コロナ放電により誘電体層4の表面の有機不純物を
除去して誘電体層4の表面をSiO2 化し、アクリル系
嫌気性接着剤の漏れ性を向上させることができる。
【0043】したがって、嫌気性アクリル系接着剤を溶
剤希釈して、誘電体層4の表面に4μm程度に薄く塗布
する際に、塗布された嫌気性アクリル系接着剤が従来の
ように誘電体層4の表面で撥水することを確実に防止す
ることができるので、4μm程度に薄い接着剤層5を均
一な膜厚に形成することができる。
【0044】さらに、誘電体層4の表面をSiO2 化す
ることにより、有機物を除去してイオン発生量の均一化
を図ることができる。したがって、イオンフロー静電記
録ヘッド1の動作時にイオン流通過口9からの放電を均
一化してイオンフロー静電記録ヘッド1の画像品質の向
上を図ることができる。
【0045】また、剪断力の強固なアクリル系嫌気性接
着剤によって接着剤層5を形成することができるので、
イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時に放電生成物の
発生を抑え、耐久性の向上を図ることができる。この場
合、イオンフロー静電記録ヘッド1内に200本程度配
列された第2電極6…のうち、従来では、5割程度の第
2電極6…が接着不良により、誘電体層4の表面から浮
いたりはがれたりしていたのに対し、上記コロナ放電処
理により、第2電極6…の接着不良を防止して誘電体層
4の表面から第2電極6…が浮いたりはがれたりする現
象をなくすことができる。
【0046】さらに、例えば誘電体層4の表面に紫外線
を照射して誘電体層4の表面の漏れ性の改善処理を行な
う場合に比べて誘電体層4の表面処理時間を短縮するこ
とができるとともに、誘電体層4の表面処理時に蓄積さ
れる熱による寸法変化を防止することができる。
【0047】なお、この発明は上記第1の実施例に限定
されるものではない。例えば、本発明に用いられる誘電
体層4としては誘電率の大きい無機物微粉末を溶剤を含
む有機高分子材料に分散させたペースト状のものを絶縁
基板2上に塗布後、乾燥、硬化させたもので、誘電体粉
末としては、酸化チタンの他、チタン酸バリウム、バル
コン酸鉛等を用いることができる。さらに、その他この
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できること
は勿論である。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば第1電極上および第1電
極のパターン間の絶縁基板上にシリコーン変性樹脂を主
成分とする誘電体層を積層したのち、誘電体層上にコロ
ナ放電して誘電体層表面の漏れ性の改善処理を施す表面
処理工程を設け、誘電体層の表面処理面にアクリル系嫌
気性接着剤を介して第2電極を接着するようにしたの
で、第2電極を誘電体層に固着する接着剤として、アク
リル系嫌気性接着剤を用いる場合であっても誘電体層表
面の接着剤層を均一な薄い膜厚に形成することができ、
イオン流通過口からの放電を均一化して画像品質の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すもので、(A)は
イオンフロ−静電記録ヘッドの概略構成を示す要部の縦
断面図、(B)はイオンフロ−静電記録ヘッドの断面斜
視図。
【図2】 (A)はイオンフロ−静電記録ヘッド全体の
分解斜視図、(B)はイオンフロ−静電記録ヘッドの縦
断面図。
【図3】 イオンフロー静電記録ヘッドの製造作業を説
明するもので、(A)は絶縁体層の形成状態を示す要部
の縦断面図、(B)は絶縁体層の表面処理工程を示す要
部の縦断面図、(C)は誘電体層上に接着剤層を設けた
状態を示す要部の縦断面図、(D)は誘電体層上に第2
電極を接着した状態を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2…絶縁基板,3…第1電極,4…誘電体層,5…接着
剤層,6…第2電極,6a,7a,8a…開口部,7…
絶縁体層,8…第3電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に同方向に略直線状に延設さ
    れ、略平行に並設される複数の第1電極を形成する第1
    電極形成工程と、ペースト状の誘電体物質からなる誘電
    体ペーストを前記第1電極上および前記第1電極のパタ
    ーン間の前記絶縁基板上に塗布したのち、この誘電体ペ
    ーストを硬化させて誘電体層を形成する誘電体層形成工
    程と、この誘電体層の表面に前記第1電極の延設方向と
    異なる方向に延設され、前記第1電極とともにマトリッ
    クスを構成し、かつこのマトリックスと対応する部位に
    開口部が形成された複数の第2電極を接着剤を介して接
    着する第2電極接着工程と、この第2電極上およびこの
    第2電極のパターン間の前記誘電体層上に絶縁体層を積
    層する絶縁体層積層工程と、前記絶縁体における前記マ
    トリックスと対応する部位にイオン流通過用の開口部を
    形成するイオン流通過口形成工程と、前記マトリックス
    と対応する部位にイオン流通過用の開口部が形成された
    第3電極を前記絶縁体層の上に積層する第3電極積層工
    程とを備えたイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法に
    おいて、前記第1電極上および前記第1電極のパターン
    間の前記絶縁基板上にシリコーン変性樹脂を主成分とす
    る前記誘電体層を積層したのち、前記誘電体層上にコロ
    ナ放電して前記誘電体層表面の漏れ性の改善処理を施す
    表面処理工程を設け、前記誘電体層の表面処理面にアク
    リル系嫌気性接着剤を介して前記第2電極を接着するよ
    うにしたことを特徴とするイオンフロー静電記録ヘッド
    の製造方法。
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