JPH05170701A - 反応性蒸留によるビニル交換方法 - Google Patents

反応性蒸留によるビニル交換方法

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JPH05170701A
JPH05170701A JP4040463A JP4046392A JPH05170701A JP H05170701 A JPH05170701 A JP H05170701A JP 4040463 A JP4040463 A JP 4040463A JP 4046392 A JP4046392 A JP 4046392A JP H05170701 A JPH05170701 A JP H05170701A
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JP
Japan
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vinyl
reaction
acid
bronsted acid
vinyl derivative
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JP4040463A
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Morteza Mokhtarzadeh
モルテザ・モクタルザデー
Rex E Murray
レクス・ユージーン・マリー
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Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
Original Assignee
Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
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Publication date
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    • C07—ORGANIC CHEMISTRY
    • C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/10—Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with ester groups or with a carbon-halogen bond
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    • Y02P20/10—Process efficiency
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1ブレンステッド酸のビニル誘導体と第2
ブレンステッド酸とのビニル交換反応によるブレンステ
ッド酸のビニル誘導体の製造方法を提供する。 【構成】 第1ブレンステッド酸のビニル誘導体と第2
ブレンステッド酸とを触媒の存在において反応させるこ
とを含み、触媒はビニル交換反応を触媒し、それで第2
ブレンステッド酸のビニル誘導体及び第1ブレンステッ
ド酸のビニル誘導体の共役酸を含む反応混合物を形成す
ることができ、第2ブレンステッド酸のビニル誘導体は
第1ブレンステッド酸のビニル誘導体に比べて揮発性が
小さく、ビニル交換反応を、第2ブレンステッド酸のビ
ニル誘導体及び第1ブレンステッド酸のビニルエステル
の共役酸の内の少なくとも一種を反応が進むにつれて反
応域において揮発させかつ反応が進むにつれて反応域か
ら蒸留によって少なくとも一部取り除く反応条件下で行
う方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は第1ブレンステッド酸の
ビニル誘導体と第2ブレンステッド酸とのビニル交換反
応によるブレンステッド酸のビニル誘導体の製造方法に
関し、一層特にはビニル交換反応混合物を反応性蒸留す
ることによるかかるビニル交換方法に関する。
【0002】
【従来技術】ビニル交換技術はよく知られている。反応
は下記(化1)の通りに、ビニル含有化合物(R' CH
=CH2 )と活性水素含有化合物(RX)との反応によ
って例示することができる:
【化1】 式中、Rはカルボキシル、アミノ、アロキシ、アルコキ
シ、等であり;Xは水素、ヒドロキシル、アルキル、ア
リール、等であり;R' はカルボキシル、アミノ、アル
キル、置換アルキル、アリール或は置換アリールであ
る。Adelman、Journal Organic
Chemistry、14、1057〜1077頁、
1949は、1057頁で、ビニル交換を「代表的なエ
ステル交換及びエステル−酸交換反応と区別するため
に、`ビニル交換´反応」と呼んだ。Adelmanは
ビニル交換によるビニルモノマーの製造について利点を
いくつか挙げた。かかる利点は、例えば、反応条件が極
めて温和であること、副生物の収率が小さいこと、アセ
チレンと酸とを反応させて造るモノマーに比べて純度及
び活性が高いモノマーの収率が相対的に大きいことを含
む。Adelmanは、また、二塩基酸のビニルエステ
ルがアセチレンルートによるのに比べてビニル交換によ
りずっと容易に造られることに留意し、水銀塩で触媒し
たビニルアセテートの反応がカルボン酸に限定されず、
活性水素を含有する他の化合物、例えばアセト酢酸エス
テル、グリコール酸エステルによって起こることを立証
した。他の研究者達は、ビニル交換反応が多方面に使え
かつ広範囲の異なる触媒を用いて、広範囲のブレンステ
ッド酸及びブレンステッド酸の誘導体に適用し得ること
を立証した。例えば、McKen、等、Tetrahe
dron、28、227〜232頁(1972)はパラ
ジウム触媒を用いたビニルエーテルとアルコールとの間
のビニル交換反応を示す。他の出典は塩化ビニルとカル
ボン酸との間のビニル交換反応を報告する。
【0003】文献はビニル交換反応についての好ましい
触媒が水銀及びパラジウムベースの化合物であったこと
を示唆する。しかし、Pt(II)及びRh(III)
が反応を触媒することがA.Sabel、J.Smid
t、R.Jira及びH.Prigge、Chem.B
er.、102、2939〜2950頁(1969)に
より報告された。加えて、1973年8月26日に特許
されたYoungの「A Vapor Phase T
ransvinylation Process」なる
表題の米国特許3,755,387号は担持されたH
g、Pd、Pt、Ir、Rh、Ru或はOs塩触媒を気
相ビニル交換プロセスにおいて使用することを特許請求
の範囲に記載している。実験部分は炭素に付着させたパ
ラジウム、炭素に付着させた銅、炭素に付着させた鉄、
炭素に付着させたパラジウム/銅、シリカに付着させた
パラジウム/銅/鉄、炭素に付着させた酢酸第二水銀及
び炭素に付着させた塩化第二水銀だけを使用することを
開示している。1欄67行に、Hg及びPdが好ましい
金属として挙げられている。しかし、水銀及びパラジウ
ムベースの触媒は完全には満足すべきものではない。水
銀ベースの触媒は毒性であり、望ましくないことに揮発
性であり、硫酸で活性にして反応を促進し、次いで塩基
で中和して失活させた後に生成物蒸留するのが代表的で
ある。この系が発生する微量の付随する遊離酸はエチリ
デンジエステル生成を促進する傾向にある。水銀ベース
の触媒は高い温度で熱的に安定でなく、失活して金属水
銀を生成することがしばしばある。パラジウムベースの
触媒は高い温度で蒸留して生成物を取り出すのを可能に
する程熱的に安定ではない。このような触媒は失活して
金属Pdを生成することがしばしばある。
【0004】一層最近になって、本出願人による米国特
許4,981,973号に開示する通りに、数多くのブ
レンステッド酸及びブレンステッド酸の誘導体について
ルテニウム組成物が有用なビニル交換触媒であることを
見出した。同米国特許に開示する発明は第1ブレンステ
ッド酸のビニル誘導体及び第2ブレンステッド酸を含有
する液相混合物をルテニウム化合物の存在においてビニ
ル交換が起きる温度にし、かつ第2ブレンステッド酸の
ビニル誘導体をビニル交換の生成物として回収すること
を含む第1ブレンステッド酸のビニル誘導体を第2ブレ
ンステッド酸でビニル交換するプロセスに関する。ルテ
ニウム含有化合物をビニル交換プロセス用触媒として使
用すると、有利なことに、ビニル交換プロセスにおいて
使用されてきた他の触媒について認められるいくつかの
欠点を克服する。ルテニウムベースのビニル交換触媒は
水銀及びパラジウムベースの触媒に勝る相当の利点を有
する。ルテニウムベースの触媒は可溶性、不揮発性であ
り、高温安定性を保有し、高い温度で高い触媒活性を示
す。ルテニウムベースの触媒は、パラジウムと異なり、
150℃を越えるような高い反応温度においてさえ、観
察し得る金属沈殿に至らない。ビニル交換は、主に経済
的理由で、ビニルアセテートのような値段の安いビニル
反応体供給原料を利用するのが好ましい。従来、ビニル
アセテートを反応体供給原料として用いる場合、先行技
術はビニル交換した後にビニル交換反応混合物を蒸留し
てビニル生成物エステルを回収することを伴うシーケン
スを教示する。例えば、米国特許2,245,131号
のような水銀触媒を用いた初期の技術においてさえ、ビ
ニルアセテート及び安息香酸を初めに水銀/硫酸触媒を
還流下で用いてビニル交換し、次いで揮発分を蒸留によ
って除いた後に蒸留してビニルベンゾエートを回収し
た。更に、蒸留をケットル温度で活性なビニル交換触媒
の存在において行うならば、生成物が反応体に先祖返り
することが総括収率を低減し得る。
【0005】反応性蒸留はよく知られた加工技術であ
る。反応性蒸留では、蒸留を用いて反応域に存在する種
の濃度を調節して反応の速度を早めかつ選択性を向上さ
せる。同時の反応及び蒸留操作が有利である。反応性蒸
留の利点は装置を効率的に利用し、反応のための滞留時
間要求が短く、副生成物が少ないことを含む。可逆反応
では、反応域から生成物の一種或はそれ以上を連続して
取り出すことが逆反応についての反応速度を減小させ、
それで原料の生成物への正味の転化速度を増大させる。
反応性蒸留は生成物が系において最も揮発性の成分であ
る反応に適用されてきた。それらの状態では、生成物は
塔のオーバーヘッドから取り出される。例えば、英国特
許1,486,443号は有機カルボン酸のビニルエス
テルを有機カルボン酸であってそれのビニルエステルが
ビニルエステル反応体に比べて低い沸点を有するもので
ビニル交換することによって有機カルボン酸のビニルエ
ステルを製造するビニル交換反応を記載している。ビニ
ルエステル反応体の沸点はビニルエステル生成物の沸点
よりも高いことから、高沸点の低揮発性反応体から低沸
点の高揮発性の生成物を分離することは、反応が進むに
つれて、容易になると記述されている。しかしながら、
反応性蒸留は、反応体が取り出すつもりの反応生成物に
比べて低い沸点を有し、これより反応生成物に比べて一
層揮発性である平衡反応を含む化学反応において従来用
いられなかった。反応体が系において最も揮発性の成分
である場合、蒸留は反応体を取り出し、生成物を蓄積す
ることになる。生成物の蓄積は、特に平衡反応において
悪い影響、すなわち反応体を生成することになる逆反応
により、望ましくない。より詳細に言うと、ビニル交換
反応についての反応性蒸留は、ビニル生成物エステルが
ビニル反応体エステルに比べて揮発性である場合だけに
開示されてきた。ビニル交換反応についての反応性蒸留
は、このように、反応が進むにつれて一層揮発性の生成
物成分を取り出す慣用の技術をたどってきた。
【0006】以上、反応性蒸留及び反応性蒸留をビニル
生成物エステルがビニル反応体エステルに比べて揮発性
であるビニル交換反応において用いる従来技術のビニル
交換プロセスの一般に認められている利点にもかかわら
ず、反応性蒸留は、ビニル生成物エステルがビニル反応
体エステルに比べて揮発性に劣るビニル交換プロセスに
おいて用いることについて従来開示されていない。よっ
て、反応性蒸留の利点はこのようなビニル交換プロセス
において実現されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1ブレンス
テッド酸のビニル誘導体(ビニル反応体エステル)と第
2ブレンステッド酸とのビニル交換反応によってブレン
ステッド酸のビニル誘導体(ビニル生成物エステル)を
製造するに際し、ビニル生成物エステルはビニル反応体
エステルに比べて揮発性に劣る改良されたビニル交換方
法を提供する。本発明の改良されたビニル交換方法はビ
ニル交換反応を反応性蒸留によって行うことを含む。反
応性蒸留とは、ビニル交換反応をビニル交換反応の生成
物の少なくとも一種が、反応が進むにつれて揮発され、
かつ反応生成物の少なくとも一種が、反応が進むにつれ
て蒸留によって反応混合物から取り出される条件下で行
うことを意味する。反応生成物の少なくとも一種を取り
出す結果、ビニル反応体エステルはビニル生成物エステ
ルに比べて揮発性であることから、平衡反応は生成物を
生成する方に推進され、ビニル交換反応を反応性蒸留に
よって実施することは、反応が進むにつれてビニル反応
体エステルを取り出すことになり得る。反応性蒸留を用
いてビニル交換反応によってビニル反応体エステルに比
べて揮発性に劣るビニル生成物エステルを製造すること
は、本発明まで認識されていない。その上、反応性蒸留
によってビニル交換することを用いてビニル反応体エス
テルに比べて重質の(すなわち揮発性に劣る)ビニル生
成物エステルを製造することによって達成される利点は
従来認識されていない。
【0008】これより、本発明の主目的は反応性蒸留を
用いてビニル交換反応を行うビニル生成物エステルを製
造するビニル交換方法を提供するにある。また、本発明
の目的はビニル交換反応を反応生成物を製造する方に推
進させるビニル交換方法を提供するにある。それ以上の
目的は触媒の生産性を向上させるビニル交換方法を提供
するにある。関連する目的は、ビニル生成物エステルを
製造する方法の選択性が反応して副生物を生成し得る反
応生成物を取り出すことによって向上されるビニル交換
方法を提供するにある。本発明のそれ以上の関連する目
的は、副生物の生成を最少にするビニル交換方法を提供
するにある。発明の一層具体的な目的は、種々の副生
物、特にエチリデンタイプのエステルを簡単にすること
にある。本発明の更に別の目的はビニル生成物エステル
生成速度が向上されるビニル交換方法を提供するにあ
る。発明の一層具体的な目的は、ビニル交換反応を反応
装置でルテニウムベースの触媒を用いて大気圧において
行うことができるビニル交換方法を提供するにある。発
明のこれらや他の目的及び利点は発明の下記の記述から
明らかになるものと思う。第1ブレンステッド酸のビニ
ル誘導体及びビニル反応体エステルなる用語は同じ意味
で用い、ビニル交換反応用出発原料として用いるビニル
エステルを言う。第2ブレンステッド酸のビニル誘導体
及びビニル生成物エステルなる用語は同じ意味で用い、
ビニル交換反応の結果生成されるビニルエステルを言
う。
【0009】本発明は、これより、第1ブレンステッド
酸のビニル誘導体と第2ブレンステッド酸とをビニル交
換反応させることによってブレンステッド酸のビニル誘
導体を製造するに際し、第2ブレンステッド酸のビニル
誘導体は第1ブレンステッド酸のビニル誘導体に比べて
揮発性に劣る方法を提供する。ビニル交換反応は第1ブ
レンステッド酸のビニル誘導体と第2ブレンステッド酸
とを、ビニル交換反応を第2ブレンステッド酸のビニル
誘導体及び第1ブレンステッド酸のビニル誘導体の共役
酸を含む反応混合物を形成するように触媒することがで
きる触媒の存在において反応させることを含む。ビニル
交換反応は、反応生成物の少なくとも一種が、反応が進
むにつれて反応域で揮発されて反応生成物の少なくとも
一種を、反応が進むにつれて蒸留によって反応域から取
り除くのを容易にする反応条件下で行う。
【0010】発明の詳細な説明 本発明は、第1ブレンステッド酸のビニル誘導体(R'
CR2 =CR0 R1 )と第2ブレンステッド酸(RX)
とをビニル交換反応させることによって生成される多数
のブレンステッド酸のビニル誘導体を製造するに際し、
ビニル生成物エステルはビニル反応体エステルに比べて
揮発性の小さい平易な製造方法を提供する。ビニル交換
反応を反応性蒸留によって助成してビニル交換反応の生
成物の少なくとも一種を連続して取り出す。ビニル生成
物エステルはビニル反応体エステルに比べて揮発性に劣
ることから、ビニル交換反応が進むにつれてビニル反応
体エステルを補充して反応域において適当なビニル反応
体エステルを確保してビニル交換を達成するのがよい。
方法は連続でも、半連続でも、バッチでも或は半バッチ
でもよく、ビニル誘導体の場合、下記(化2)の通りに
一般的に例示することができる:
【化2】 式中、Rはカルボキシ、アミド、アロキシ、アルコキ
シ、等であり;Xは水素、ヒドロキシル、アルキル、ア
リール、等であり;R' はカルボキシル、アミド、アル
キル、置換アルキル、アリール或は置換アリールであ
り;R0 、R1 及びR2 は各々個々に水素、炭素原子1
〜約25のアルキル、シクロアルキル、アリール、アル
キルエーテル、等の内の一種である。
【0011】ビニル交換反応は代表的には平衡常数約1
を有する平衡交換反応である。よって、等モル量の第1
ブレンステッド酸のビニル誘導体(R' CR2 =CR0
R1)及び第2ブレンステッド酸(RX)を反応させて
平衡に達しさせる場合、反応の終りにおいて、反応体、
すなわち第1ブレンステッド酸のビニル誘導体(R'C
R2 =CR0 R1 )及び第2ブレンステッド酸(R
X)、並びにビニル交換反応生成物、すなわち第2ブレ
ンステッド酸のビニル生成物誘導体(RCR2 =CR0
R1 )及び第1ブレンステッド酸のビニル誘導体の共役
酸(R' X)のほぼ等モルの混合物が存在する。4つの
成分すべてが反応混合物中に存在するのが典型的であ
る。その混合物を本明細書中ビニル交換反応混合物と言
う。知られている通りに、用いる出発反応体に応じて生
成される他の反応副生成物もまた存在し得る。発明に従
えば、反応性蒸留はビニル交換反応を助成して更にビニ
ル生成物エステルの生成を促進する。反応性蒸留の間、
反応が進むにつれて、平衡反応の生成物の少なくとも一
種、すなわちビニル反応体エステルの共役酸か或はビニ
ル生成物エステルのいずれか、もしくは両方が揮発され
かつ蒸留によってビニル交換反応域から取り出される。
ビニル交換反応生成物の少なくとも一種を取り去ると、
平衡反応を推進して反応生成物をそれ以上生成するのに
有利になる傾向にある。ビニル反応体エステルはビニル
生成物エステルに比べて揮発性であることから、反応が
進むにつれて、ビニル生成物エステルを反応域から取り
出すと、ビニル反応体エステルも同様に取り出すことに
なる。同様に、ビニル反応体エステルは恐らくそれの共
役酸に比べて揮発性であることから、共役酸を取り出す
と、ビニル反応体エステルも同様に取り出すことにな
る。いずれの場合でも、反応域において適当なビニル反
応体エステルを確保してビニル交換反応を所望の転化率
にまで行うために、反応中、ビニル反応体エステルを反
応域に供給或は循環させるのがよい。
【0012】平衡反応が推進される様式は、一部ビニル
交換によって生成されるビニルエステル生成物に依存す
る。例えば、ビニル生成物エステルが揮発性である(が
依然ビニル反応体エステルに比べて揮発性に劣る)場
合、平衡反応はビニル反応体エステルの共役酸か或はビ
ニル生成物エステルのいずれかの少なくとも一種を取り
去ることにより生成物を生成する方に推進され得る。例
として、ビニル生成物エステルがビニルプロピオネー
ト、ビニルピバレート或はビニルクロトネートのような
揮発性エステルであり、かつビニル反応体エステルがビ
ニルアセテートである場合、反応は、ビニル生成物エス
テル及び酢酸の少なくとも一種を反応性蒸留によって取
り出すことにより、生成物を生成する方に推進され得
る。この蒸留では、ビニルアセテートは酢酸か或はビニ
ル生成物エステルであるビニルプロピオネート、ビニル
ピバレート或はビニルクロトネートの内の任意のものの
いずれかに比べて揮発性であり、反応性蒸留によって反
応域から取り出される。反応域から留出するビニルアセ
テートを第2ブレンステッド酸とビニル交換させるため
に反応域に循環させるのが好ましい。他方、ビニル生成
物エステルが重質のビニルエステルである場合、ビニル
交換反応は、ビニル反応体エステルの共役酸を反応性蒸
留によって取り出すことにより、ビニル生成物エステル
を生成する方に推進され得る。例として、ビニルネオデ
カノエート、ビニルネオナノエート及びビニル2−エチ
ルヘキサノエートの製造では、反応は、酢酸を反応性蒸
留によって取り出すことにより、ビニル生成物エステル
を生成する方に推進され得る。前の例示のように、ビニ
ルアセテートは酢酸に比べて揮発性であることから、ビ
ニルアセテートをまた反応性蒸留によって反応域から取
り出し、好ましくは反応域に循環させる。
【0013】ビニル交換反応を、反応が進むにつれてビ
ニル交換生成物の少なくとも一種を反応域から取り出す
様式で行うことによって、反応をビニル交換反応速度が
比較的速いままである形態に保つことができる。ビニル
交換反応をその様式で行うことによって、ビニル生成物
生成の正味の反応速度を、反応域が依然反応体に富むバ
ッチ運転反応様式の初期速度と同様な速度に保つことが
できる。本発明の反応性蒸留方法は平衡制限条件或は速
度制限条件で行ってもよい。反応性蒸留によるビニル交
換は、反応及び蒸留条件を適当に選定することにより、
多数のビニル生成物エステルを製造するのに用いること
ができる。例として、ビニル生成物エステルは、ブレン
ステッド酸に結合したビニル基が存在する任意の化合物
でよい。このような化合物はビニル化ブレンステッド酸
と特性表示することができる。ビニルは下記式の基を包
含する: R0 R1 C=CR2 − (式中、R0 、R1 及びR2 は各々個々に水素、炭素原
子1〜10のアルキル、シクロアルキル、アリール、ア
ルキルエーテルの内の一種である)但し、ビニル反応体
エステルは蒸留可能でありかつビニル生成物エステルに
比べて揮発性である。ブレンステッド酸はプロトン源と
して作用することができる任意の種である。
【0014】発明を実施するための第1ブレンステッド
酸の適したビニル誘導体(ビニル反応体エステル)の例
は下記の通りである:ビニルアセテート、ビニルピバレ
ート、ビニルベンゾエート、ビニルメタクリレート、ビ
ニルアクリレート、ビニルプロピオネート、ビニルシン
ナメート、ビニルシクロヘキサノエート、ビニルクロト
ネート、ビニルブチレート、ビニル2−メチルブチレー
ト、ビニルイソブチレート、ビニル2−メチルバレレー
ト、ビニル2−エチルヘキサノエート、ビニルオクタノ
エート、ビニルデカノエート、ビニルシクロヘキサ−3
−エノエート、ビニルネオデカノエート、ビニルネオノ
ナノエート、ビニル2−プロピルヘプタノエート、及び
他のビニルエステル或はネオ−エステル、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルスクシンイミド、ビニルフェニル
エーテル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、2−クロエチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、2−ビニルオキシエタノール、アリルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、プロピルビニルエ
ーテル、1−ビニルオキシ−2−プロパノール、3−ビ
ニルオキシ−1−プロパノール、ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、ビス(2−ビニルオキ
シエチル)エーテル、2−ブチルチオエチルビニルエー
テル、2−ブトキシエチルビニルエーテル、2−エトキ
シエチル−2−ビニル−オキシエチルエーテル、2−エ
チルヘキシルビニルエーテル、2−ブトキシエチル2−
ビニル−オキシエチルエーテル、トリメチルノニルビニ
ルエーテル、N−ビニル2−オキサゾリジノン、2−ビ
ニルオキシエチルアセテート、2−ビニルオキシエチル
ピバレート、2−ビニルオキシエチルアクリレート、ビ
ニルスルホンアミド、等。好ましいビニル反応体エステ
ルは、主に市販されていることから、カルボン酸のビニ
ルエステル、ビニルアルキル或はアリールエーテルであ
る。
【0015】発明を実施するための適したブレンステッ
ド酸の例は下記の通りである:カルボン酸、例えばモノ
カルボン酸、ポリカルボン酸、カルボン酸で官能化され
たポリマー及びコポリマー、例えば下記の通りである:
酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、2ーメチル酪
酸、クロトン酸、ピバル酸及び他のネオ酸、ステアリン
酸、安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、アジピン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、ポ
リアクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、桂皮酸、2
−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、シクロヘキセ
ン酸;アミド、例えば2−ピロリジノン、2−ピロリド
ン、ε−カプロラクタム、2−オキサリジノン、スクシ
ンイミド;アルコール、例えばメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソブタノール、弗素化アルカ
ノール、例えば1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオ
ロ−2−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン;フェノール系化
合物、例えばフェノール、レソルシノール、ビスフェノ
ールA〔2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン〕;十分に酸性のアミノ化合物、例えば第二級芳香
族アミン、アゾール、等;ヒドロキシエステル、例えば
ヒドロキシアルキルアクリレート(例えば2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート)、ヒドロキシアルキルアルカノエート(例えば
2−ヒドロキシエチルアセテート、2−ヒドロキシエチ
ルピバレート);シラノール、例えばジメチルシランジ
オール、トリメチルシランモノ−オール、等。好ましい
ブレンステッド酸はカルボン酸、アルコール、アミド、
イミド、フェノール樹脂、等である。発明の方法によっ
て実施することができるビニル交換反応の例は下記(表
1)の通りである:
【0016】
【表1】
【0017】本発明の好ましい実施態様に従えば、ビニ
ル生成物エステルは炭素原子約4〜約22を有し、反応
性蒸留を使用して米国特許4,981,973号に記載
されている通りのルテニウム触媒の存在においてビニル
アセテートを炭素原子約20までを有するカルボン酸で
ビニル交換して作られる。好ましいカルボン酸は脂肪族
でも、枝分れ鎖或は直鎖でも、芳香族でも、飽和或は不
飽和でも、イミド、ケト、カルボニル、シアノ、ハロゲ
ン、エーテル、エステル、等で置換されても或は置換さ
れていなくてもよい。
【0018】本発明に従う反応性蒸留によるビニル交換
方法は任意の適した反応装置で行ってよい。ビニル反応
体エステルと第2ブレンステッド酸とを反応装置で、好
ましくは液相で適した触媒の存在において、ビニル交換
反応が起きかつビニル交換反応の反応生成物の少なくと
も一種、すなわちビニル反応体エステルの共役酸か或は
ビニル生成物エステルのいずれか或は両方を揮発させる
の両方に十分な温度で反応させる。反応が進むにつれ
て、蒸留によって反応装置から蒸気が取り出される。単
蒸留或は精留塔における蒸気の精留を用いることができ
る。ビニル反応体エステルを反応装置から反応性蒸留プ
ロセスによって取り出し、ビニル反応体エステルを反応
装置に循環させることを所望する場合、精留塔を使用す
るのが望ましい。単蒸留では、ビニル反応体エステルを
別の塔で精留した後に循環させるのが典型的である。精
留塔を使用する場合、留出物の重質成分が精留塔で凝縮
され、これを反応装置に循環させてもよい。精留塔オー
バーヘッドメークは主にビニル反応体エステルであり、
これをビニル交換させるために反応装置に循環させても
よい。精留塔における他の成分はビニル生成物エステ
ル、ビニル反応体エステルの共役酸、第2ブレンステッ
ド酸を、揮発性ならば含み得る。これらの成分は、存在
するとすれば、塔の下方トレーに高い濃度で存在し、塔
の下方段でサイドストリームにより抜き出され得る。反
応生成物を塔から取り出すことは還流を回避し、これよ
り反応性蒸留プロセスを助成する。反応性蒸留により反
応域から取り出された反応体を反応装置に循環させてビ
ニル交換反応を続けるのが好ましい。反応性蒸留により
反応域から取り出された蒸気流は本質的に触媒が存在し
ないのが典型的であり、それで精留塔でビニル交換反応
はほとんど或は何ら起きないであろう。しかし、所望の
場合、ビニル交換反応を塔で行うこともまた可能であ
る。
【0019】方法は連続でも、半バッチでも或はバッチ
プロセスでも行うことができる。方法は、ビニル反応体
エステル及び第2ブレンステッド酸の両方を連続して反
応装置に供給する場合、連続プロセスに似ることにな
る。他方、ただ一種の反応体だけを連続して反応装置に
供給して他の反応体の初期装入材料と反応させるなら
ば、その場合、方法は半バッチ或は半連続になる。別法
において、反応体を供給しなければ、方法はバッチ反応
性蒸留になる。任意の適した触媒を用いてよい。一般的
に、触媒は運転温度で活性でなければならず、かつまた
適するべきである。米国特許4,981,973号に開
示されているルテニウム化合物が望ましく、同米国特許
の開示を本明細書中に援用する。ルテニウムカルボニル
化合物、ルテニウムカルボキシレート化合物、ルテニウ
ムカルボニルカルボキシレート化合物のようなルテニウ
ム化合物が好ましい。ビニル交換反応に触媒活性を付与
するのに適したルテニウム化合物の選定は狭い臨界性の
もので無く、多数のルテニウム化合物が活性なビニル交
換用触媒になる。例として、非カルボニル及び非カルボ
キシレート含有ルテニウム化合物が高活性触媒になるこ
とができる。例えば、ルテニウム(III)アセチル−
アセトネート、酸化ルテニウム(IV)、炭素に付着さ
せたルテニウム、アルミナに付着させたルテニウムはす
べて一酸化炭素雰囲気下で行った反応において触媒活性
を示した。ビニル交換用触媒は、またハロゲン化ルテニ
ウム、例えばヨウ化ルテニウム(III)、ヨウ化テニ
ウム(IV)からも調製された。有効な触媒を生じるた
めに必要であると考えられる条件は、ルテニウムカルボ
キシレートプリカーサー或はルテニウムカルボキシレー
トプリカーサーを生成することができる試薬の混合物で
ある。発明の方法において触媒になるプリカーサーとし
て適当に使用し得るルテニウム化合物の選定の多様性は
極めて広い。この点−プリカーサー化合物の例は担持さ
れたルテニウム、例えば炭素、アルミナ、等に付着させ
たルテニウムからビス(エタ5−シクロオクタジエニ
ル)ルテニウム(II)/トリ−n−ブチルホスフィン
及びビス(エタ5−シクロオクタジエニル)ルテニウム
(II)/トリアルキルホスフィン/無水マレイン酸へ
のルテニウムカルボニルの範囲になり得る。
【0020】推定される触媒プリカーサーであるルテニ
ウムカルボニルカルボキシレート〔Ru(CO)2 RC
O2 〕n をいくつかの方法で生成し得ることを見出し
た。例えば、三核複合体〔Ru3 O(OAc)6 (H2
O)3 〕OAcは効率的な触媒になる。赤外分析は、
〔Ru3 O(OAc)6 (H2 O)3 〕OAcがビニル
交換反応条件下で〔Ru(CO)2 RCO2 〕n に転化
することができることを示す。これは、実に反応を一酸
化炭素よりもむしろ加圧窒素雰囲気下で行う場合に観測
される。Ruをすべてカルボニル形態に現場転化するの
に利用し得る外来の一酸化炭素が十分に存在することが
よくある。ルテニウム化合物〔Ru(CO)2 CH3 C
OO〕n が特に好ましい。ビニル交換反応を行うのに有
用なルテニウム触媒の量は狭い臨界性のものでない。代
表的な量は触媒的に有効な量、すなわち所望のビニル交
換を行うのに十分な量である。例えば、液相反応媒体の
重量を基準にしてルテニウム100万当りおおよそ約3
0,000〜約0.01部(ppm)の範囲のルテニウ
ム触媒濃度を用いて反応を行うことができる。触媒を一
層多い量で或は少ない量で用いて反応を行い得ると考え
られる。好ましい範囲は、同じ基準で、ルテニウム約
0.1〜約500ppmである。
【0021】反応性蒸留によるビニル交換方法を行う温
度は狭い臨界性のものでない。温度は、反応が進むにつ
れて、蒸留によって反応装置から反応生成物の少なくと
も一種が取り出され得るように十分高くすべきである。
しかし、前述した通りに、プロセスが平衡に達していな
い場合に、反応速度は一層大きくなる。プロセスは、第
2ブレンステッド酸が液体である或は反応媒体に溶解し
得る温度で行うのが望ましい。よって、第2ブレンステ
ッド酸の融点より高い運転温度が、実施し得る場合、好
ましい。ほぼ大気圧で行うビニル交換反応は温度範囲約
20°〜約300℃、望ましくは約50°〜約200℃
で行うのがよい。ビニルアセテートをビニル交換させる
つもりの場合、反応装置温度(大気圧で)約85°〜約
160℃が適し、温度約125°〜約145℃が好まし
いのが認められた。所定の条件下、例えば加圧系におい
て、一層高い温度を用いてもよい。また、触媒を一層多
い量で使用し或は一層長い滞留時間を採用するならば、
一層低い温度を用いてもよい。反応性蒸留によるビニル
交換プロセスは広い圧力範囲にわたって行うことがで
き、加圧反応装置において行うことができ、大気圧で行
うことができもしくは分圧或は減圧下で行うことができ
る。反応を行う圧力は約10-6トル〜約1000psi
a(70Kg/cm2A)の範囲にするのがよい。異なる反応
雰囲気もまた、ビニル交換用触媒と適合し得るならば、
用いてよい。例えば、前に検討したルテニウム触媒につ
いて、反応雰囲気は、例えば一酸化炭素、空気、窒素或
はエチレンにすることができる。一酸化炭素は、副生
物、特にアセトアルデヒド及びビニル反応体エステルの
共役酸の無水物の生成を抑制して触媒の選択性を向上さ
せることが認められた。
【0022】第2ブレンステッド酸対ビニル反応体エス
テルの比は、本発明の実施において広い範囲にわたって
変えることができる。用いる比が求めるビニル交換及び
反応のデザイン基準に依存するのはもちろんである。発
明に従う反応性蒸留によるビニル交換反応は溶媒を用い
て或は用いないで行うことができる。ビニル交換反応を
溶媒を用いないで或は非極性溶媒中で行うのが好まし
い。反応性蒸留によるビニル交換反応に適した非極性溶
媒は、例えば下記を含む:トルエン、ヘプタン、シリコ
ン油、鉱油、フェニルエーテル、メチルベンゾエート、
ジメチルテレフタレート、ジオクチルフタレート。不揮
発性希釈剤、例えば鉱油を、また反応体の分圧を調整す
るのに用いてよい。これは、液相中の揮発性ビニル反応
体エステルのモル分率を増大させ、こうして反応に利用
し得る量を増大させることにより、反応速度を増大させ
ることができる。また、希釈剤は共役酸及びビニル生成
物エステル濃度を低下させ、アセトアルデヒド及び無水
物生成速度を減小させ得ると考えられる。反応体の転化
比並びに反応体及び生成物の滞留時間は、無水物の生成
を最少にするために、最少にすることが求められる。無
水物生成速度が反応温度及び転化率により直接増大する
のは明らかである。また、高濃度のブレンステッド酸、
ビニルエステル及びルテニウム触媒並びに高い滞留時間
が無水物生成を増大させるのも明らかである。本発明に
従う反応性蒸留によるビニル交換は、反応の生成物の少
なくとも一種を連続して取り出して反応を生成物を更に
生成する方に推進させることによってビニル交換反応の
選択性を向上させる。本発明の方法では、従来の方法と
異なり、ビニル生成物エステルはビニル反応体エステル
に比べて揮発性に劣る。反応性蒸留はデザイン及びビニ
ル交換技術の作業の相当の柔軟性をもたらす。従って、
無水物生成のような副反応を抑制する適当なデザイン問
題は、反応性蒸留を適用することによって容易に達成す
ることができる。
【0023】下記の例は本発明を例示するものであり、
制限するものではない。これらの例は、本発明に従うビ
ニル反応体エステルがビニル生成物エステルに比べて揮
発性である反応性蒸留を用いたビニル交換反応によって
ビニル生成物エステルを製造することを例示する。
【実施例】例 1 本例は、反応性蒸留によるビニルアセテートとアジピン
酸とのビニル交換によるジビニルアジペートの調製を例
示する。ルテニウムカルボニルRu3 (CO)12触媒
5.4グラムを使用した3つのビニル交換実験から一緒
にしかつ循環させたアジピン酸触媒残分をビニルアセテ
ート925グラムと共に3Lケットルに装入した。ケッ
トルに10トレーオルダーショー塔、添加漏斗及びケッ
トル内容物の温度をモニターするための温度計を装着し
た。オルダーショー塔の頂部に、ビニルアセテートを捕
集しかつ添加漏斗に循環させるためのフラスコ及び低沸
点生成物流を引き取るための底部の導管を入れる。ケッ
トルを加熱して温度130°〜160℃にした。留出物
を10トレーオルダーショウ塔を通ってオーバーヘッド
に取り出し、ビニルアセテート、酢酸、無水酢酸及びい
くらかのジビニルアジペートを含有する液体サイドスト
リームを塔の底部トレーから引き取った。ビニルアセテ
ートを添加漏斗によりテークオフ速度に匹敵する、すな
わちサイドストリーム+オーバーヘッドテークオフを含
む速度でケットルに供給した。オーバーヘッド留出物、
代表的にはビニルアセテート99+%を添加漏斗に循環
させてケットルに供給した。反応を5日間行なった。5
日の反応期間の後に、ケットル内容物を真空下で蒸留し
た。真空蒸留からの収量はジビニルアジペート(BP4
mmHgで115℃)114グラムであった。同様に、
サイドストリーム留分2、3、5、6及び7を濃縮し、
次いで真空蒸留した。サイドストリーム反応からの収量
はジビニルアジペート185.75グラムであった。い
くつかの捕集したサイドストリームの組成(グラムで表
わす)を下記の表Iに示す。
【0024】
【表2】
【0025】サイドストリーム番号7は、ビニルアセテ
ート供給を停止した後に留出された。サイドストリーム
留分はすべて微量のジビニルアジペートを含有するのが
認められた。初めの4日の間に反応ケットル内容物をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果(面積%)を下記
の表IIに示す。
【0026】
【表3】
【0027】本例は、反応性蒸留をビニル生成物エステ
ル(ジビニルアジペート)がビニル反応体エステル(ビ
ニルアセテート)に比べて揮発性に劣るビニル交換反応
において用いることの効能を立証する。ビニルアセテー
トを反応装置に循環させて反応装置中に十分なビニルア
セテートを確保してビニル交換反応を達成する。反応性
蒸留を用いて良い結果を得たが、表I及び表IIのデー
タ、特に無水酢酸生成並びにジカルボン酸及び環状無水
物の生成は、条件が最適にされなかったことを示唆す
る。反応を一酸化炭素下で行うならば、結果は相当に向
上されるものと考えられる。
【0028】例 2 本例は、反応性蒸留によるビニルアセテートとプロピオ
ン酸とのビニル交換によるビニルプロピオネートの調製
を例示する。反応は、10トレーオルダーショウ塔、反
応が進むにつれてビニルアセテートをケットルに加える
ための原料入口及び温度をモニターするための温度計を
装着した蒸留ケットルで行なった。オルダーショー塔の
頂部にケットルから留出物を捕集するための凝縮フラス
コを入れた。蒸留ケットルにプロピオン酸485ml
(550グラム)及びルテニウムカルボニル1.0グラ
ム(Ru860ppm)を装入した。還流によって触媒
を生成した後に、ビニルアセテートを速度約5ml/分
でケットルに送出した。ケットルを反応の間約125℃
より高い温度に保った。それらの条件下で、ビニルプロ
ピオネートが形成されたが、その速度は比較的遅かっ
た。一層速いビニル交換速度を達成するには、ケットル
中に適当な濃度のビニルアセテートを保ちながら、一層
高い反応温度を必要とすることが結論された。追加の5
トレーオルダーショー塔を加えて塔を合計15のトレー
に増大した。加えて、鉱油約250mlを不揮発性ケッ
トル希釈剤としてケットルに加え、反応内容物およそ2
50mlを反応混合物から蒸留させた。このようにし
て、160℃を越えるケットル温度を達成した。160
℃におけるビニル交換反応の速度は、明らかにケットル
中のビニルアセテートの濃度が低いことにより、遅かっ
た。ビニル交換反応速度はケットル温度140°〜14
5℃で著しく速くなった。それらのケットル温度で、ビ
ニルプロピオネートは、形成されるにつれて、酢酸及び
未反応ビニルアセテートと共に反応ケットルから共蒸留
された。ビニルアセテート:プロピオン酸60:40
(容積:容積)混合物を速度1ml/分でケットルに供
給してプロピオン酸の投入量をビニルプロピオネートの
生産量に平衡させた。加えて、パルス−フレックスタイ
マー/自動テークオフを設置して還流比10/1になる
ように設定した。サーモウオッチを使用してオーバーヘ
ッド温度を93°〜99℃に調節した。反応をこれらの
条件下で3〜4日実施した。7つのカットについての留
出物組成を表IIIに挙げる。
【0029】
【表4】
【0030】データは、留出物組成が反応性蒸留による
ビニル交換反応の間比較的一定なままであったことを立
証する。結果は、またほぼ等モル量のビニルプロピオネ
ート及び酢酸が反応系を出ていたことを示す。揮発度の
小さい酢酸を取り出すことは、ケットル中に酢酸が蓄積
してビニル交換反応速度を遅くするのを防ぐことから、
望ましいことであった。実験の続きとして、反応性蒸留
によるビニルアセテートとプロピオン酸とのビニル交換
によってビニルプロピオネートを製造した。15トレー
オルダーショー塔を還流比10/1で作動させる同じ反
応装置ケットルを使用した。反応装置ケットルにルテニ
ウム触媒860ppm(500ml)及び不揮発性ケッ
トル希釈剤として鉱油を装入した。反応をケットル温度
代表的には140°〜150℃において総合221の運
転時間の間行った。初めに、純ビニルアセテートを反応
装置に供給した。鉱油を加え、反応装置を約140℃で
ラインアウトした。次いで、ビニルアセテート/プロピ
オン酸60/40混合物を反応装置に供給した。正味の
プロピオン酸投入量と正味のビニルプロピオネート生産
量とがモル基準でバランスされないことが認められた。
その結果、ビニルアセテート/プロピオン酸70/30
混合物を反応装置に供給して投入量と生産量とをバラン
スさせた。ビニルアセテート/プロピオン酸全7.6リ
ットルの混合物を反応性蒸留系に導入した。ビニルプロ
ピオネートおよそ2000グラムが生成された。
【0031】反応装置留出物はビニルアセテート35〜
43重量%、ビニルプロピオネート32〜39重量%、
酢酸21〜24重量%及びプロピオン酸3〜7重量%で
あった。結果はほぼ等モル量のビニルプロピオネート及
び酢酸が反応系を出ていたことを示す。ケットルを分析
して、ランの終りに、鉱油の他に有機物質約250ml
が存在するのを示した。ガスクロマトグラフィー(内部
標準法)により面積%で表わす有機物質は下記の通りで
あった:プロピオン酸無水物30.46;プロピオン酸
60.80;ビニルアセテート0.633;酢酸0.8
34;ビニルプロピオネート2.656;酢酸プロピオ
ン酸無水物1.293;エチリデンジアセテート0.1
26。蒸留ケットル中のプロピオン酸無水物を基準にし
て、アセトアルデヒド及び無水物への無効果なものは約
6%より小さいと推定される。
【0032】例 3 本例は、反応性蒸留によるビニルアセテート(VA)と
ネオデカン酸とのビニル交換反応によるビニルネオデカ
ノエート(VNeo−Dec.)の調製を例示する。本
例では、反応性蒸留を用いて酢酸を連続して取り出して
ビニル交換反応を推進させた。例1の反応ケットルを装
備したようにして装備した反応ケットルに、ネオデカン
酸500ml及びルテニウムジカルボニルアセテート触
媒[Ru(CO)2 OAc]n 0.25グラム(250
ppm)を装入した。ビニルアセテートを全運転時間2
9時間にわたり平均速度80ml/時でケットルに連続
供給した。ケットル温度は140°〜145℃であり、
オルダーショー塔の底部トレーから液流が取り出され
た。液流はビニルアセテート、酢酸及びいくらかのビニ
ルネオデカノエートを含有した。ケットル温度140°
〜145℃で、転化率は約50%に推進され得ることが
認められた。およそその転化レベルで、反応性蒸留を停
止し、ビニルネオデカノエートを真空蒸留により取り出
した。触媒及びネオデカン酸の新しい装入材料で開始し
て第2反応(ラン番号2)を行った。反応性蒸留ビニル
交換をただ50%の転化率に及び温度135°〜140
℃で行った。ケットル温度約135℃で、転化率を故意
に約50%に続けることによって、無水物生成が低減さ
れた。無水物生成は、このように反応性蒸留によって大
きく低減された。
【0033】ラン番号2からの循環触媒を使用して、追
加の5つのラン、ラン3、4、5、6及び7を実施し
た。各々のランについて、ビニルネオデカノエートを真
空蒸留により取り出した後に、ケットルに再びネオデカ
ン酸を加え、反応性蒸留シーケンスを再び開始した。加
えて、ビニルアセテートを非作業時間の間供給しなかっ
たが、反応ケットルを反応温度に一晩(及びウイークエ
ンドにわたり)保たせ、それで更にいくらかの運転時間
触媒に累積させて触媒エージングを評価することをしば
しば行った。反応(及び全加熱時間)についてのビニル
アセテート供給、生成された酢酸及びビニルネオデカノ
エートを表IVに挙げる。
【0034】
【表5】
【0035】ビニルアセテートとネオデカン酸とのビニ
ル交換反応によるビニルネオデカノエートを製造する反
応性蒸留についての最適転化率は約50%であることが
認められた。反応性蒸留は、かかる転化率において、ビ
ニルネオデカノエートの生成に極めて選択性であった。
しかし、転化率を一層高くすると、無水物生成を増大さ
せるものと考えられる。
【0036】例 4 本例は、反応性蒸留によるビニルアセテートと2−エチ
ルヘキサン酸とのビニル交換反応によるビニル2−エチ
ルヘキサノエートの調製を例示する。実験は単蒸留方式
で実施した。ケットルにルテニウムジカルボニルアセテ
ート[Ru(CO)2 OAc]n 0.080グラム(7
5ppm)と2−エチルヘキサン酸500ミリリットル
を装入した。ビニルアセテートを45ミリリットル/時
の平均速度で触媒/エチルヘキサン酸溶液に(渦近傍
で)15時間の反応期間にわたりポンプ給送した。実際
の供給速度は15時間の反応時間にわたり37.5ミリ
リットル/時〜47.5ミリリットル/時範囲で変動し
た。全ビニルアセテート供給量は約680ミリリットル
であった。反応を130℃の温度で行った。反応の程度
及び、反応の進行に伴う組成上の変化を追跡するため2
時間置きにケットル試料を定期的に取り出した。留出物
の組成を内部標準法によるガスクロマトグラフィーで求
めた。ガスクロマトグラフィー(面積%)により測定し
た各時間におけるケットル内のビニルアセテート(V
A)、2−エチルヘキサン酸(2−EHA)、酢酸(A
A)及びビニル2−エチルヘキサノエート(V−2E
H)の濃度(重量%)を表Vに示す。
【0037】
【表6】
【0038】内部標準ガスクロマトグラフィーにより、
合計219.88グラムのビニル2−エチルヘキサノエ
ートが生成したことが測定された。ビニル2−エチルヘ
キサノエートはオーバーヘッド留出物中に約11.09
グラム、またケットル内に約208.79グラム見出さ
れた。ビニル2−エチルヘキサノエートの転化率は約4
1.4%であった。このビニル交換反応において、2−
エチルヘキサン酸無水物の形成を最小限にするのに低い
転化率が好ましい。この実験で、約8.4グラムの無水
物が形成した。反応性蒸留はまた、反応の進行に伴いケ
ットルから酢酸を除去した。約81.42グラムの酢酸
が生成した。オーバーヘッド留出物で約38.2グラム
が除去された。
【0039】ビニル2−エチルヘキサノエートの生成速
度は作業の最初の6時間の方が最後の9時間より有意に
迅速であるのが認められた。作業の最初の6時間で、ビ
ニル2−エチルヘキサノエートの生成速度は0.284
モル/リットル/時間であり、最後の9時間では、0.
074モル/リットル/時間であった。かくして、作業
の最初の6時間で約72%のビニル2−エチルヘキサノ
エートが生成した。より速い速度は、酢酸濃度及びビニ
ルアセテート濃度が夫々約8重量%及び約9重量%の濃
度でラインアウトされるまで観察された。かくして、ビ
ニル交換速度はより早く、その間酢酸濃度はケットル内
で低いままである。酢酸濃度がケットル内でラインアウ
トされるにつれ、オーバーヘッド中の酢酸の組成も約9
重量%でラインアウトされる。実験の終わりに反応ケッ
トル内に存在するモル分率に基づき、成分は平衡濃度を
幾分下回ったが、しかし該濃度に近かった。これは、反
応性蒸留を行うのにRu75ppm(及びおそらくより
低い濃度)での触媒濃度で十分であることを示唆する。
ケットル内のより低いラインアウトされた酢酸濃度は反
応速度を高めるのに有利である。蒸留の間、主にビニル
アセテートである留出物約470グラムを反応性蒸留に
より除去した。加えて、ビニル2−エチルヘキサノエー
トの生成に益するようビニル交換反応を始動させるべく
酢酸及びビニル2−ヘキサノエートを反応性蒸留によっ
て除去した。酢酸(AA)及びビニル2−エチルヘキサ
ノエート(V−2EH)の蒸留アウトプットを下記表V
Iに示す。
【0040】
【表7】
【0041】最終的累積オーバーヘッド留出物は、8
9.0%のビニルアセテート、7.9%の酢酸、2.3
%のビニル2−エチルヘキサノエート、0.2%の2−
エチルヘキサン酸よりなった。ケットル溶液分析(ガス
クロマトグラフィー内部標準による)を表VIIに示
す:
【0042】
【表8】
【0043】本例は、精留カラムなしで反応性蒸留を行
い得る点での本発明の一般的性質及び広い応用性を立証
する。酢酸除去はビニルエステル生成物の製造へと反応
を始動させるのにまったく申し分なく、またそのように
反応を始動させる。例5、6、7及び8は、反応性蒸留
を用いかつビニルアセテート供給速度、触媒タイプ及び
(または)濃度並びに、反応の進行に伴う留出物の除去
を変化させたビニルアセテートと2−エチルヘキサン酸
とのビニル交換によるビニル2−エチルヘキサノエート
の調製を例示する。例5、6及び8の各々で、ケットル
装置は例4に関し上記したと同じであった。これらの例
で、VAはビニルアセテートを示し、AAは酢酸を示
し、V2−EHはビニル2−エチルヘキサノエートを示
し、そして2−EHAは2−エチルヘキサン酸を示す。
【0044】例 5 本例では、2−エチルヘキサン酸500ミリリットルと
ルテニウムジカルボニルアセテート[Ru(CO)2 O
Ac]n 0.053グラム(ルテニウム濃度50pp
m)を反応ケットルに装入した。ビニル交換反応は13
5℃で14時間(2日間にわたり)行った。ビニルアセ
テートを第1日78.6ミリリットル/時間の平均速度
で、第2日48.7ミリリットル/時間の速度で触媒溶
液に(渦流近傍で)ポンプ給送した。反応を二日間にわ
たり135℃で14時間行った。反応の進行に伴う反応
の程度及び組成上の変化を調べるため第1日の終わり
に、また反応終了時にケットルを試料採取した。オーバ
ーヘッド留出物の組成はガスクロマトグラフィー内部標
準法により決定した。各々の日に関するオーバーヘッド
の分析を表VIII に示す。
【0045】
【表9】
【0046】ケットルの組成もまた、ガスクロマトグラ
フィー内部標準法により求めた。ケットル分析を表IX
に示す。
【0047】
【表10】 生成した酢酸の有意量(66%)が反応性蒸留により除
去された。最終のケットル分析の基づき、最終的酢酸濃
度は5.3重量%に近かった。合計228.3グラムの
ビニル2−エチルヘキサノエートが生成した。転化率は
約45.2%であった。また、推定8.66グラムの2
−エチルヘキサン酸無水物も生成した。このビニル交換
反応では、無水物形成を最小限にするのにビニル2−エ
チルヘキサノエートの低い転化率が好ましかった。ケッ
トルからのビニル2−エチルヘキサノエート及び2−エ
チルヘキサン酸の除去速度はより早いビニルアセテート
処理量により大いに加速されたことが立証された。例
え、第2日の作業の間、ケットル内のビニル2−エチル
ヘキサノエートの濃度がより高いとしても、ビニル2−
エチルヘキサノエート(及び2−エチルヘキサン酸)の
重量%はより早いビニルアセテート供給速度を以て相
当、より高かった。ビニルアセテートは重質ビニルエス
テル生成物のストリッピング剤として明らかに役立ちう
る。
【0048】例 6 本例では、2−エチルヘキサン酸(2−EHA)500
ミリリットルとルテニウムジカルボニルアセテート[R
u(CO)2 OAc]n 0.03グラム(ルテニウム濃
度25ppm)を反応ケットルに装入した。反応を全2
3時間132℃で行った。ビニルアセテートを触媒溶液
に(渦流近傍で)40〜50ミリリットル/時間の速度
でポンプ給送した。反応の進行に伴う反応の程度及び組
成上の変化を調べるためケットルを6時間、18時間及
び23時間(反応終了時)に試料採取した。12時間の
作業後、更に0.030グラムのルテニウムジカルボニ
ルアセテート[Ru(CO)2 OAc]n をケットルに
加えて触媒濃度を50ppmにした。オーバーヘッド留
出物の組成をガスクロマトグラフィー内部標準法により
決定した。25ppmのルテニウム触媒濃度を用いた1
2時間後の留出物の分析を表Xに示す。
【0049】
【表11】 23時間後と更に25ppm触媒添加後の留出物分析を
表XIに示す。
【0050】
【表12】 全留出物分析を表XIIに示す。
【0051】
【表13】 ガスクロマトグラフィー内部標準法により測定したとき
の、実験終了時のケットル分析、全ケットル+留出物及
び種々の反応時間におけるケットル内でのビニル2−エ
チルヘキサノエート分率を表XIII に示す。
【0052】
【表14】 合計231.5グラムのビニル2−エチルヘキサノエー
トが生成した。転化率は約45.9%であった。また、
推定8.73グラムの2−エチルヘキサン酸無水物も生
成した。このビニル交換反応では、無水物の形成を最小
限にするのに低い転化率が好まれた。ビニル交換により
生成した酢酸の有意量(61%)が蒸留により除去され
た。最終的ケットル分析に基づき、最後の酢酸濃度は約
5.8重量%であった。
【0053】例 7 本例では、500ミリリットルの2−エチルヘキサン酸
及び0.1333グラム(ルテニウム濃度125pp
m)のルテニウムジカルボニルアセテート[Ru(C
O)2 OAc]n を反応ケットルに装入した。反応性蒸
留によるビニル交換を4日間全18時間130℃で行っ
たが、温度調節は幾分一定しなかった。ビニルアセテー
トを触媒溶液に(渦流近傍で)60〜70ミリリットル
/時間の速度でポンプ給送した。ケットルを反応終了時
に試料採取して反応の程度を調べた。当初、1段トレー
が存在した。ビニル2−エチルヘキサノエートのテイク
オフ速度は先行例より早かった。作業の二日後、トレー
を除去し、実験の残り日数の間、単純な蒸留方式を実施
した。留出物の組成をガスクロマトグラフィー内部標準
法により決定した。
【0054】オーバーヘッド蒸留物分析、ケットル分析
及び全ケットル+蒸留物分析を表XIVに示す。
【表15】 59.1%の転化率では、合計313.3グラムのビニ
ル2−エチルヘキサノエートが生成した。加えて、見積
り23.15グラムの2−エチルヘキサン酸無水物が生
成した。ビニル交換によって生成した非常に有意量の酢
酸(89重量%)及びビニル2−エチルヘキサノエート
(39重量%)が反応性蒸留により反応ケットルから除
去された。比較的早い供給速度及び高い触媒濃度はより
低いラインアウトされた酢酸濃度に寄与し、その結果生
成物の高い転化率がもたらされた。無水物無効力は約5
%未満であった。
【0055】本例では、2−エチルヘキサン酸500ミ
リリットルと「mu−3−oxo」[RuO(OAc)6
( H2 O)3]OAc0.067グラム(ルテニウム濃度
50ppm)を反応ケットルに装入した。反応性蒸留に
よるビニル交換を135℃で全12時間行った。得られ
た濃緑色触媒溶液に(渦流近傍で)ビニルアセテートを
40〜50ミリリットル/時間の速度でポンプ給送し
た。ケットルを第1日及び第2日の終わりに試料採取し
て反応の進行に伴う反応の程度及び組成上の変化を調べ
た。ケットルのガスクロマトグラフィー(面積%)を示
す:第1日 3.062面積%のビニル2−エチルヘ
キサノエート、第2日 11.35面積%のビニル2−
エチルヘキサノエート。
【0056】留出物の組成をガスクロマトグラフィー内
部標準法によって調べた。留出物分析を表XVに示す。
【表16】
【0057】本例は、mu−3−oxoルテニウム触媒
がビニル交換反応に適する触媒であったことを示してい
る。しかしながら、転化は、mu−3−oxo触媒によ
るときの方がルテニウムジカルボニルアセテート触媒に
よるときより緩徐であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 レクス・ユージーン・マリー アメリカ合衆国ウエストバージニア州クロ ス・レインズ、デイルウッド・ドライブ 5291

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ブレンステッド酸のビニル誘導体と
    第2ブレンステッド酸とのビニル交換反応によるブレン
    ステッド酸のビニル誘導体の製造方法であって、第1ブ
    レンステッド酸のビニル誘導体と第2ブレンステッド酸
    とを触媒の存在において反応させることを含み、触媒は
    ビニル交換反応を触媒し、それで第2ブレンステッド酸
    のビニル誘導体及び第1ブレンステッド酸のビニル誘導
    体の共役酸を含む反応混合物を形成することができ、第
    2ブレンステッド酸のビニル誘導体は第1ブレンステッ
    ド酸のビニル誘導体に比べて揮発性が小さく、ビニル交
    換反応を、第2ブレンステッド酸のビニル誘導体及び第
    1ブレンステッド酸のビニルエステルの共役酸の内の少
    なくとも一種を反応が進むにつれて反応域において揮発
    させかつ反応が進むにつれて反応域から蒸留によって少
    なくとも一部取り除く反応条件下で行う方法。
  2. 【請求項2】 第2ブレンステッド酸のビニル誘導体及
    び共役酸の内の少なくとも一種を単蒸留によって反応域
    から取り除き、或は第2ブレンステッド酸のビニル誘導
    体及び共役酸の内の少なくとも一種を蒸留によって反応
    域から取り除き、ビニル誘導体及び共役酸の内の少なく
    とも一種を精留する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 反応域からの蒸気が第1ブレンステッド
    酸のビニル誘導体と第2ブレンステッド酸のビニル誘導
    体及び第1ブレンステッド酸のビニル誘導体の共役酸の
    内の少なくとも一種との混合物を含み、該蒸気を精留塔
    で精留し、第1ブレンステッド酸のビニル誘導体の少な
    くとも一部を反応域に循環させることを含む請求項1の
    方法。
  4. 【請求項4】 第2ブレンステッド酸のビニル誘導体の
    少なくとも一部を精留塔から抜き出す請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 触媒がルテニウム化合物、或はルテニウ
    ムカルボニル、ルテニウムカルボキシレート及びルテニ
    ウムカルボニルカルボキシレート化合物からなる群より
    選ぶルテニウム化合物である請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 第2ブレンステッド酸のビニル誘導体が
    下記式の化合物: RCR2 =CR0 R1 (式中、Rはカルボキシル、アミド、アロキシ及びアル
    コキシであり;R0 、R1 及びR2 は各々個々に水素、
    炭素原子1〜10のアルキル、シクロアルキル、アリー
    ル、アルキルエーテルの内の一種である)であり、但
    し、第2ブレンステッド酸のビニル誘導体は第1ブレン
    ステッド酸のビニル誘導体に比べて揮発性が小さい請求
    項1の方法。
  7. 【請求項7】 Rがモノカルボン酸、ポリカルボン酸及
    びカルボン酸官能化されたポリマー並びにカルボン酸官
    能化されたコポリマーからなる群より選ぶカルボキシル
    基である請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 ビニル交換反応を非極性溶媒の存在にお
    いて行う請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 第2ブレンステッド酸のビニル誘導体が
    炭素原子4〜22を有し、第1ブレンステッド酸のビニ
    ル誘導体がビニルアセテートであり、第2ブレンステッ
    ド酸が炭素原子20までを有するカルボン酸である請求
    項1の方法。
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