JPH05171402A - 溶融金属に対して耐食性を有するロール - Google Patents
溶融金属に対して耐食性を有するロールInfo
- Publication number
- JPH05171402A JPH05171402A JP3290035A JP29003591A JPH05171402A JP H05171402 A JPH05171402 A JP H05171402A JP 3290035 A JP3290035 A JP 3290035A JP 29003591 A JP29003591 A JP 29003591A JP H05171402 A JPH05171402 A JP H05171402A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- carbon atoms
- pores
- ceramic
- corrosion resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミック溶射ロールの気孔やクラックを封
止する。 【構成】 セラミック溶射ロールに、テトラアルコキシ
シランとトリアルコキシシランの加水分解縮合物を含浸
させて、加熱硬化させる。
止する。 【構成】 セラミック溶射ロールに、テトラアルコキシ
シランとトリアルコキシシランの加水分解縮合物を含浸
させて、加熱硬化させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融金属に対して耐食性
を有するロールに関し、特に溶融亜鉛などの溶融金属に
浸漬した場合に優れた耐久性と耐食性を示す封孔された
セラミック溶射被膜を有するロールに関する。
を有するロールに関し、特に溶融亜鉛などの溶融金属に
浸漬した場合に優れた耐久性と耐食性を示す封孔された
セラミック溶射被膜を有するロールに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の連続溶融亜鉛メッキラインでは溶
融亜鉛に対して耐食性を有する金属を溶射したロールが
用いられていたが、亜鉛浴中に存在する鉄−亜鉛の金属
間化合物がロールに付着し、鋼板に疵を発生させると言
う欠点があった。
融亜鉛に対して耐食性を有する金属を溶射したロールが
用いられていたが、亜鉛浴中に存在する鉄−亜鉛の金属
間化合物がロールに付着し、鋼板に疵を発生させると言
う欠点があった。
【0003】これに対してロールにセラミックを溶射す
るとセラミックには金属間化合物が付着しないため、上
記の鋼板疵が防止される。しかし、セラミック溶射皮膜
には素地まで達する貫通気孔またはクラックが存在する
ため、セラミック溶射ロールを亜鉛浴中に浸漬すると溶
融亜鉛が貫通気孔やクラックを通じてロール素地に達
し、素地金属と反応し、金属間化合物を生成し溶射皮膜
を押し上げ、ついには溶射皮膜を剥離させるという問題
点があった。
るとセラミックには金属間化合物が付着しないため、上
記の鋼板疵が防止される。しかし、セラミック溶射皮膜
には素地まで達する貫通気孔またはクラックが存在する
ため、セラミック溶射ロールを亜鉛浴中に浸漬すると溶
融亜鉛が貫通気孔やクラックを通じてロール素地に達
し、素地金属と反応し、金属間化合物を生成し溶射皮膜
を押し上げ、ついには溶射皮膜を剥離させるという問題
点があった。
【0004】この欠点を補うために、多くの溶射セラミ
ック層の封孔処理法が提案されている。すなわちAl,
Zr,Ti,Si等のアルコキシ金属を含浸後、クラッ
キングして酸化物とし封孔する方法(特開昭52−77
116、特開昭52−82913)、金属のアルキル化
物、アルコキシ化物等を含浸、クラッキング後高温に加
熱して拡散し封孔する方法(特公昭59−1274
7)、無水珪酸のコロイド溶液を用いて封孔処理する方
法(特開昭63−100169)、気孔を有するセラミ
ック膜に金属アルコキシドを含浸後、水/アルコール溶
液に浸漬して加水分解し加熱乾燥して封孔する方法(特
開平2−271512)、溶射層をシリコン樹脂にて封
孔処理する方法(特開昭54−46145)、エチルシ
リケートまたは、エチルシリケートを加水分解して得た
シリカのサスペンジョンに微細なアルミナを加えてスラ
リーとしたものを含浸させて封孔する方法(特開昭57
−70275)などが開示されている。
ック層の封孔処理法が提案されている。すなわちAl,
Zr,Ti,Si等のアルコキシ金属を含浸後、クラッ
キングして酸化物とし封孔する方法(特開昭52−77
116、特開昭52−82913)、金属のアルキル化
物、アルコキシ化物等を含浸、クラッキング後高温に加
熱して拡散し封孔する方法(特公昭59−1274
7)、無水珪酸のコロイド溶液を用いて封孔処理する方
法(特開昭63−100169)、気孔を有するセラミ
ック膜に金属アルコキシドを含浸後、水/アルコール溶
液に浸漬して加水分解し加熱乾燥して封孔する方法(特
開平2−271512)、溶射層をシリコン樹脂にて封
孔処理する方法(特開昭54−46145)、エチルシ
リケートまたは、エチルシリケートを加水分解して得た
シリカのサスペンジョンに微細なアルミナを加えてスラ
リーとしたものを含浸させて封孔する方法(特開昭57
−70275)などが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらアルコキ
シシランモノマーを単独または混合物の形で適当な溶剤
に溶解し溶射被膜の気孔やクラックに含浸させた場合、
これらのアルコキシシランは化合物によって異なるが、
たとえばメチルトリエトキシシランの場合には143
℃、テトラエトキシシランの場合には165.5℃、メ
チルトリブトキシシランでは20mmHgで134℃の
沸点を有していることから解るように可成の蒸気圧を有
しており、このため特公昭59−12747や特開昭5
7−70275のようにモノマーを含浸させる方法で
は、加熱処理に際して含浸したモノマーが蒸発して充分
な効果が得られないという問題があった。一方、特開昭
57−70275のように、シリカの析出が起こるよう
な条件下で加水分解したエチルシリケートに微粉のアル
ミナを混合してスラリー状として用いる場合には溶射被
膜の微細な気孔を充分に封孔することが困難であるとい
う問題点があった。
シシランモノマーを単独または混合物の形で適当な溶剤
に溶解し溶射被膜の気孔やクラックに含浸させた場合、
これらのアルコキシシランは化合物によって異なるが、
たとえばメチルトリエトキシシランの場合には143
℃、テトラエトキシシランの場合には165.5℃、メ
チルトリブトキシシランでは20mmHgで134℃の
沸点を有していることから解るように可成の蒸気圧を有
しており、このため特公昭59−12747や特開昭5
7−70275のようにモノマーを含浸させる方法で
は、加熱処理に際して含浸したモノマーが蒸発して充分
な効果が得られないという問題があった。一方、特開昭
57−70275のように、シリカの析出が起こるよう
な条件下で加水分解したエチルシリケートに微粉のアル
ミナを混合してスラリー状として用いる場合には溶射被
膜の微細な気孔を充分に封孔することが困難であるとい
う問題点があった。
【0006】本発明の目的は、アルミナ、ジルコニア、
チタニア等のセラミック溶射被膜に存在する気孔やクラ
ックを封孔して、溶融金属に対して耐食性の優れたロー
ルを提供するものである。
チタニア等のセラミック溶射被膜に存在する気孔やクラ
ックを封孔して、溶融金属に対して耐食性の優れたロー
ルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック溶
射を施したロールに、化1で示されるテトラアルコキシ
シランと化2で示されるトリアルコキシシランとの共加
水分解縮合物を含浸させ、その後加熱硬化させることに
よって、セラミック溶射層にある気孔およびクラックを
封孔処理することを特徴とする溶融金属に対して耐食性
を有するロールである。
射を施したロールに、化1で示されるテトラアルコキシ
シランと化2で示されるトリアルコキシシランとの共加
水分解縮合物を含浸させ、その後加熱硬化させることに
よって、セラミック溶射層にある気孔およびクラックを
封孔処理することを特徴とする溶融金属に対して耐食性
を有するロールである。
【0008】
【化1】Si(OR1)4 但しR1は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0009】
【化2】R2Si(OR3)3 但しR2は炭素数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数1〜
4のアルキル基を示す。
4のアルキル基を示す。
【0010】また本発明は、セラミック溶射を施したロ
ールに、化1で示されるテトラアルコキシシランの加水
分解縮合物と、化2で示されるトリアルコキシシランの
加水分解縮合物との混合物を含浸させ、その後加熱硬化
させることによって、セラミック溶射層にある気孔およ
びクラックを封孔処理することを特徴とする溶融金属に
対して耐食性を有するロールである。
ールに、化1で示されるテトラアルコキシシランの加水
分解縮合物と、化2で示されるトリアルコキシシランの
加水分解縮合物との混合物を含浸させ、その後加熱硬化
させることによって、セラミック溶射層にある気孔およ
びクラックを封孔処理することを特徴とする溶融金属に
対して耐食性を有するロールである。
【0011】
【化1】Si(OR1)4 但しR1は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0012】
【化2】R2Si(OR3)3 但しR2は炭素数1〜6の炭化水素基、R3は炭素数1〜
4のアルキル基を示す。
4のアルキル基を示す。
【0013】
【作用】本件の発明者は上記問題を解決するために鋭意
研究の結果、テトラアルコキシシランおよびトリアルコ
キシシランの加水分解縮合物を用いて、セラミック溶射
を施したロールを封孔処理し、溶融金属に対して耐食性
を有するロールを得るに至った。
研究の結果、テトラアルコキシシランおよびトリアルコ
キシシランの加水分解縮合物を用いて、セラミック溶射
を施したロールを封孔処理し、溶融金属に対して耐食性
を有するロールを得るに至った。
【0014】本発明に従えば、封孔処理剤として用いる
ものは、次のものの溶液である。
ものは、次のものの溶液である。
【0015】(1)化1で示されるテトラアルコキシシ
ランの加水分解縮合物
ランの加水分解縮合物
【0016】
【化1】Si(OR1)4 但しR1はメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−
プロピル基および各種ブチル基 (2)化2で示されるトリアルコキシシランの加水分解
縮合物
プロピル基および各種ブチル基 (2)化2で示されるトリアルコキシシランの加水分解
縮合物
【0017】
【化2】R2Si(OR3)3 但しR2は炭素数1〜6の炭化水素基、たとえばメチル
基、エチル基などのアルキル基およびフェニル基、R3
は化1のR1と同じアルキル基 上記加水分解縮合は、テトラアルコキシシラン、トリア
ルコキシシランなどのアルコキシシランを単独でまたは
混合して水を加え、さらに塩酸、酢酸などの触媒の存在
下で撹拌しながら昇温して行う。この時生成するアルコ
ールは還流する。また加水分解縮合は、その縮合度をコ
ントロールしてシリカが析出しない程度に抑制する。各
種のアルコキシシランはそれぞれ単独で加水分解縮合し
てもよいし、混合してから共加水分解縮合してもよい。
基、エチル基などのアルキル基およびフェニル基、R3
は化1のR1と同じアルキル基 上記加水分解縮合は、テトラアルコキシシラン、トリア
ルコキシシランなどのアルコキシシランを単独でまたは
混合して水を加え、さらに塩酸、酢酸などの触媒の存在
下で撹拌しながら昇温して行う。この時生成するアルコ
ールは還流する。また加水分解縮合は、その縮合度をコ
ントロールしてシリカが析出しない程度に抑制する。各
種のアルコキシシランはそれぞれ単独で加水分解縮合し
てもよいし、混合してから共加水分解縮合してもよい。
【0018】用いるテトラアルコキシシラン、トリアル
コキシシランなどのアルコキシシランの加水分解縮合は
複雑な過程を経て起こるが、アルキルトリアルコキシシ
ランを例にとって模式的に示すと、
コキシシランなどのアルコキシシランの加水分解縮合は
複雑な過程を経て起こるが、アルキルトリアルコキシシ
ランを例にとって模式的に示すと、
【0019】
【化3】 RSi(OR′)3+H2O →RSi(OR′)2(OH)+R′OH RSi(OR′)2(OH)+H2O →RSi(OR′)(OH)2+R′OH RSi(OR′)(OH)2+H2O →RSi(OH)3+R′OH 2RSi(OH)3 →RSi(OH)20(OH)2SiR+H2O (RSi(OH)2)2O+RSi(OH)3 →RSi(OH)2O(OH)2SiO(OH)2SiR →→→(RSiO3≡)n (ここでR,R′はアルキル基等の有機基を示す。)の
ように進行しシロキサンのネットワークを形成してゲル
化する。
ように進行しシロキサンのネットワークを形成してゲル
化する。
【0020】この反応は公知のように、水の添加量、温
度、触媒等の合成条件でコントロールでき、適当な条件
を選択することによって、溶射層の気孔やクラックに含
浸しやすく封孔に適した縮合物を与えることができる。
度、触媒等の合成条件でコントロールでき、適当な条件
を選択することによって、溶射層の気孔やクラックに含
浸しやすく封孔に適した縮合物を与えることができる。
【0021】また、溶射層の気孔やクラックへの含浸は
加水分解縮合物にたとえばエチルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコー
ル等を溶媒として加えて均一な溶液とし粘度や表面張力
をコントロールすることによってより効果的におこなう
こともできる。
加水分解縮合物にたとえばエチルアルコール、i−プロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコー
ル等を溶媒として加えて均一な溶液とし粘度や表面張力
をコントロールすることによってより効果的におこなう
こともできる。
【0022】アルコキシシランとしてテトラアルコキシ
シランとトリアルコキシシランが特に選ばれる理由はそ
れ程明確ではなく、ジアルコキシシランも使用可能であ
るが、ジアルコキシシランを用いた場合には前述のシロ
キサンネットワーク中にアルキル基等の有機基が多く残
存かることになり、高温の溶融金属に浸漬した場合、分
解してそれだけ多くのガスを発生し後に気孔を残したり
溶射層の剥離を生ずることになり、好ましくない。
シランとトリアルコキシシランが特に選ばれる理由はそ
れ程明確ではなく、ジアルコキシシランも使用可能であ
るが、ジアルコキシシランを用いた場合には前述のシロ
キサンネットワーク中にアルキル基等の有機基が多く残
存かることになり、高温の溶融金属に浸漬した場合、分
解してそれだけ多くのガスを発生し後に気孔を残したり
溶射層の剥離を生ずることになり、好ましくない。
【0023】アルコキシシランの一部をアセトキシシラ
ン代えてて用いて封孔を行うことも可能であるが、アセ
トキシシランの加水分解縮合に際して生成する酢酸が、
ロール基材である金属と反応して、錆を生ずることがあ
り、好ましくない。
ン代えてて用いて封孔を行うことも可能であるが、アセ
トキシシランの加水分解縮合に際して生成する酢酸が、
ロール基材である金属と反応して、錆を生ずることがあ
り、好ましくない。
【0024】溶射層へのアルコキシシランの加水分解縮
合物の含浸は、通常のハケ塗り、スプレー塗り、浸漬等
により行うことができる。予めロールを真空下で脱気し
た後アルコキシシランの加水分解縮合物溶液に浸漬し含
浸させることによっても、さらに効果的に含浸を行うこ
とができる。
合物の含浸は、通常のハケ塗り、スプレー塗り、浸漬等
により行うことができる。予めロールを真空下で脱気し
た後アルコキシシランの加水分解縮合物溶液に浸漬し含
浸させることによっても、さらに効果的に含浸を行うこ
とができる。
【0025】アルコキシシランの加水分解縮合物を含浸
したロールは溶媒、水、加水分解により生成したアルコ
ールを蒸発除去するため比較的ゆっくりと昇温すること
が好ましく、最終的には100〜300℃で数分〜数時
間保持することがよい結果を与える。
したロールは溶媒、水、加水分解により生成したアルコ
ールを蒸発除去するため比較的ゆっくりと昇温すること
が好ましく、最終的には100〜300℃で数分〜数時
間保持することがよい結果を与える。
【0026】場合によっては、より完全に封孔するため
に、含浸から乾燥加熱の工程を2回以上繰り返し行うこ
とも効果的である。当然のことながら、この加熱乾燥の
過程でアルコキシシランの加水分解縮合がさらに進行し
ゲル化して、極めて強固なポリシロキサンの緻密な封孔
処理を行うこととなる。
に、含浸から乾燥加熱の工程を2回以上繰り返し行うこ
とも効果的である。当然のことながら、この加熱乾燥の
過程でアルコキシシランの加水分解縮合がさらに進行し
ゲル化して、極めて強固なポリシロキサンの緻密な封孔
処理を行うこととなる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例をもちいてより具体的に説明
するが、この実施例は本発明権利範囲を限定するもので
はない。
するが、この実施例は本発明権利範囲を限定するもので
はない。
【0028】直径40mm、長さ500mmの鉄製丸棒
にジルコニアを厚さ100μmに溶射してテストロール
を得た。これを下記のように封孔処理した。
にジルコニアを厚さ100μmに溶射してテストロール
を得た。これを下記のように封孔処理した。
【0029】メチルトリエトキシシラン100重量部、
テトラエトキシシラン50重量部の混合物に、塩酸50
0ppmを溶解した水40重量部を撹拌しながら室温で
滴下したのち温度を80℃に昇温し還流下で2時間共加
水分解縮合したのち、室温に冷却しn−ブタノールを1
00重量部加えて均一な含浸液とした。この含浸液に上
記テストロールを10分間浸漬し30分間放置し気孔に
液を含浸させた。その後空気中で30分間かけて徐々に
昇温し150℃で30分間加熱した。さらに、浸漬〜加
熱処理の工程を3回繰り返し気孔、クラックを充分封孔
したテストロールを得た。
テトラエトキシシラン50重量部の混合物に、塩酸50
0ppmを溶解した水40重量部を撹拌しながら室温で
滴下したのち温度を80℃に昇温し還流下で2時間共加
水分解縮合したのち、室温に冷却しn−ブタノールを1
00重量部加えて均一な含浸液とした。この含浸液に上
記テストロールを10分間浸漬し30分間放置し気孔に
液を含浸させた。その後空気中で30分間かけて徐々に
昇温し150℃で30分間加熱した。さらに、浸漬〜加
熱処理の工程を3回繰り返し気孔、クラックを充分封孔
したテストロールを得た。
【0030】このロールの溶射層の断面をEPMAで観
察したところ、内部の細かな気孔にまで珪素が浸透して
いるのが観察された。このロールを連続溶融亜鉛メッキ
ラインに浸漬し、30日間経過後に表面の形態変化を観
察した。亜鉛浴浸漬後の溶射表面の形態を表1に示す。
封孔処理したものは、皮膜剥離がなく鉄・亜鉛金属間化
合物の付着も認められなかった。一方、封孔処理しない
ものは一部で皮膜が剥離し、さらにそこに金属間化合物
が付着していた。
察したところ、内部の細かな気孔にまで珪素が浸透して
いるのが観察された。このロールを連続溶融亜鉛メッキ
ラインに浸漬し、30日間経過後に表面の形態変化を観
察した。亜鉛浴浸漬後の溶射表面の形態を表1に示す。
封孔処理したものは、皮膜剥離がなく鉄・亜鉛金属間化
合物の付着も認められなかった。一方、封孔処理しない
ものは一部で皮膜が剥離し、さらにそこに金属間化合物
が付着していた。
【0031】上記と同種の溶射を行ったテスト板を用い
て、セラミック溶射試験方法(JIS H8666)の
有孔度試験方法の内、フェロキシル試験方法により封孔
処理の確実性を評価した。フェロキシル試験結果を表2
に示す。封孔処理をしていないものは0.5個/cm2
の斑点が見られるのに対し、封孔処理したものは皆無で
あり、確実に封孔されていることが示された。
て、セラミック溶射試験方法(JIS H8666)の
有孔度試験方法の内、フェロキシル試験方法により封孔
処理の確実性を評価した。フェロキシル試験結果を表2
に示す。封孔処理をしていないものは0.5個/cm2
の斑点が見られるのに対し、封孔処理したものは皆無で
あり、確実に封孔されていることが示された。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、テトラア
ルコキシシランとトリアルコキシシランとの加水分解縮
合物を用いて、セラミック溶射を施したロールに封孔処
理を行うことによって気孔を封止できるという効果があ
る。これはテトラアルコキシシランやトリアルコキシシ
ランの加水分解縮合物を用いることによって、含浸後の
加熱処理に際してこれらのアルコキシシランの蒸発ロス
を実質的にゼロとし、かつセラミック溶射層の微細な気
孔やクラックにまで封孔剤が充分含浸することを可能に
したためである。
ルコキシシランとトリアルコキシシランとの加水分解縮
合物を用いて、セラミック溶射を施したロールに封孔処
理を行うことによって気孔を封止できるという効果があ
る。これはテトラアルコキシシランやトリアルコキシシ
ランの加水分解縮合物を用いることによって、含浸後の
加熱処理に際してこれらのアルコキシシランの蒸発ロス
を実質的にゼロとし、かつセラミック溶射層の微細な気
孔やクラックにまで封孔剤が充分含浸することを可能に
したためである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香西 道雄 大阪市城東区鴫野西4丁目1番24号 朝日 化学工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミック溶射を施したロールに、化1
で示されるテトラアルコキシシランと化2で示されるト
リアルコキシシランとの共加水分解縮合物を含浸させ、
その後加熱硬化させることによって、セラミック溶射層
にある気孔およびクラックを封孔処理することを特徴と
する溶融金属に対して耐食性を有するロール。 【化1】Si(OR1)4 但しR1は炭素数1〜4のアルキル基を示す。 【化2】R2Si(OR3)3 但しR2は炭素数1〜6の炭化水素基、 R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。 - 【請求項2】 セラミック溶射を施したロールに、化1
で示されるテトラアルコキシシランの加水分解縮合物
と、化2で示されるトリアルコキシシランの加水分解縮
合物との混合物を含浸させ、その後加熱硬化させること
によって、セラミック溶射層にある気孔およびクラック
を封孔処理することを特徴とする溶融金属に対して耐食
性を有するロール。 【化1】Si(OR1)4 但しR1は炭素数1〜4のアルキル基を示す。 【化2】R2Si(OR3)3 但しR2は炭素数1〜6の炭化水素基、 R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3290035A JP2612983B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 溶融金属に対して耐食性を有するロール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3290035A JP2612983B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 溶融金属に対して耐食性を有するロール |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05171402A true JPH05171402A (ja) | 1993-07-09 |
| JP2612983B2 JP2612983B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=17750945
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3290035A Expired - Lifetime JP2612983B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 溶融金属に対して耐食性を有するロール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2612983B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2305672A (en) * | 1995-09-29 | 1997-04-16 | Aea Technology Plc | An electrically isolating support for electronic components |
| GB2397257A (en) * | 2003-01-16 | 2004-07-21 | Rolls Royce Plc | Article provided with a vibration damping coating |
| WO2009113638A1 (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 旭硝子株式会社 | ガラス搬送用ロールおよびその製造方法ならびにそれを用いた板ガラスの製造方法 |
| WO2023191090A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | トーカロ株式会社 | 鋼板の搬送用ロール |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50126033A (ja) * | 1974-03-25 | 1975-10-03 | ||
| JPS6350455A (ja) * | 1986-08-19 | 1988-03-03 | Ube Ind Ltd | 溶射被膜の封孔処理方法 |
| JPS63100162A (ja) * | 1986-10-16 | 1988-05-02 | Nittetsu Hard Kk | 耐メタルピツクアツプ性に優れた溶融金属メツキ用ロ−ル |
| JPH023468A (ja) * | 1988-06-13 | 1990-01-09 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | コーティング組成物 |
-
1991
- 1991-11-06 JP JP3290035A patent/JP2612983B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50126033A (ja) * | 1974-03-25 | 1975-10-03 | ||
| JPS6350455A (ja) * | 1986-08-19 | 1988-03-03 | Ube Ind Ltd | 溶射被膜の封孔処理方法 |
| JPS63100162A (ja) * | 1986-10-16 | 1988-05-02 | Nittetsu Hard Kk | 耐メタルピツクアツプ性に優れた溶融金属メツキ用ロ−ル |
| JPH023468A (ja) * | 1988-06-13 | 1990-01-09 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | コーティング組成物 |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2305672A (en) * | 1995-09-29 | 1997-04-16 | Aea Technology Plc | An electrically isolating support for electronic components |
| GB2397257A (en) * | 2003-01-16 | 2004-07-21 | Rolls Royce Plc | Article provided with a vibration damping coating |
| WO2009113638A1 (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 旭硝子株式会社 | ガラス搬送用ロールおよびその製造方法ならびにそれを用いた板ガラスの製造方法 |
| JP5474760B2 (ja) * | 2008-03-13 | 2014-04-16 | トーカロ株式会社 | ガラス搬送用ロールおよびその製造方法ならびにそれを用いた板ガラスの製造方法 |
| WO2023191090A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | トーカロ株式会社 | 鋼板の搬送用ロール |
| JP2023149860A (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板の搬送用ロール |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2612983B2 (ja) | 1997-05-21 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN1168850C (zh) | 使金属表面具备玻璃质层的方法 | |
| JP5291275B2 (ja) | コーティング膜が施された部材及びコーティング膜の製造方法 | |
| CN103596702B (zh) | 用于轴承构件的覆层方法以及覆层 | |
| JP2845144B2 (ja) | 溶融金属めっき浴浸漬部材とその製造方法 | |
| Kubo et al. | Formation of silica coating films from spin-on polysilazane at room temperature and their stability in hot water | |
| JP2801660B2 (ja) | シリカ系被膜形成用塗布液の製造方法 | |
| US7964294B2 (en) | Low surface energy coatings for cooking products | |
| JPH05171402A (ja) | 溶融金属に対して耐食性を有するロール | |
| JP3599998B2 (ja) | 撥水液および撥水性被膜の製造方法 | |
| JPH06316787A (ja) | アルマイトの表面処理法 | |
| CN116218366B (zh) | 一种聚合物陶瓷型超亲水防腐涂层材料及其制备方法和应用 | |
| JP3868187B2 (ja) | 被覆物の形成方法及び被覆物 | |
| JPH07116582B2 (ja) | 溶射被膜の封孔処理方法 | |
| JP3147251B2 (ja) | 親水性被膜ならびにその被膜の形成方法 | |
| JP3818882B2 (ja) | 親水性シリカ被膜の製造方法 | |
| JP3100704B2 (ja) | 無機質塗膜用封孔処理剤および無機質塗膜の封孔処理法 | |
| KR102215074B1 (ko) | 산화안정성이 향상된 코팅층을 가진 탄소재 및 그 제조 방법 | |
| JP4906028B2 (ja) | コーティング用組成物 | |
| JP2009057507A (ja) | 木材表面塗工液及びそれを用いた木材表面の処理方法 | |
| JP3041787B2 (ja) | 複合材料組成物、同組成物で形成した被膜を有する物品、同組成物で成型した物品 | |
| JPH0610112A (ja) | 無機質皮膜の強化方法 | |
| JP2950598B2 (ja) | ジルコン系コーティング組成物及びジルコン系酸化物被覆黒鉛成形体の製造方法 | |
| JP2000281974A (ja) | 多孔質基材用コーティング組成物 | |
| JP2752968B2 (ja) | シリカ系被膜の形成法 | |
| JP2011184719A (ja) | 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法 |