JPH0517263B2 - - Google Patents
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- JPH0517263B2 JPH0517263B2 JP58244749A JP24474983A JPH0517263B2 JP H0517263 B2 JPH0517263 B2 JP H0517263B2 JP 58244749 A JP58244749 A JP 58244749A JP 24474983 A JP24474983 A JP 24474983A JP H0517263 B2 JPH0517263 B2 JP H0517263B2
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Description
本発明は塗料組成物に関し、さらに詳しくは、
加工前の鋼板に塗装して溶接時、特にガスシール
ド溶接時に良好な溶接性を与える一次防錆塗料組
成物に関する。 従来、船舶、橋梁、タンク、プラント等の大型
鉄鋼構造物を建造する場合、建造中の発錆を防止
し、防錆塗料を完全なものとするため、また経済
的および能率的に建造するため、加工前の原材料
をブラスチングまたは酸洗いしてミルスケールや
錆を除去したのち、一次防錆塗料を塗装すること
が一般的に行なわれている。 従来、用いられている一次防錆塗料としては、
ポリビニルブチラール樹脂−リン酸系のウオツシ
ユプライマー、エポキシ樹脂等の有機樹脂−高濃
度亜鉛末系の有機ジンクリツチペイント、無機バ
インダー−高濃度亜鉛末系の無機ジンクリツチペ
イント等がある。しかしながら、ポリビニルブチ
ラール樹脂、エポキシ樹脂等の有機樹脂は高温分
解または燃焼を起こし、また高濃度亜鉛末系のジ
ンクリツチペイントでは亜鉛末の沸点が低いため
に気化し、そのため溶接時に気体を発生してブロ
ーホールを発生しやすいという欠点がある。特に
炭酸ガス溶接法のようなガスシールド溶接法にお
いては、被覆アーク溶接法やサブマージドアーク
溶接法に比べて溶接金属の冷却速度が速いため、
従来の一次防錆塗料を塗装した鋼板ではブローホ
ールが多量に発生するという欠点があつた。近
年、造船工業界では炭酸ガス溶接法の使用が多く
なる傾向にあり、炭酸ガス溶接等のガスシールド
溶接時に良好な溶接性を与える一次防錆塗料組成
物の開発が望まれていた。 一方、溶融金属を固化すると、金属内部に多数
の気孔が発生するが、脱酸剤を添加すると気孔が
減少することはよく知られている。このため、一
次防錆塗料に脱酸性顔料を添加して被覆アーク溶
接法やサブマージドアーク溶接法の溶接性を改良
する試みがなされているが(特許657318号)、こ
れを炭酸ガス溶接法に適用しても必ずしも良好な
溶接性が得られなかつた。 本発明の目的は、従来の一次防錆塗料組成物の
有する欠点をなくし、特にガスシールド溶接時に
良好な溶接性を与える一次防錆塗料組成物を提供
することにある。 本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研
究の結果、炭酸ガス溶接時のブローホールの発生
を減少させるためには、下記(1)〜(3)の要件が不可
欠であること、更に下記(4)の要件を加えることに
より更に良好な結果が得られることを見出し、本
発明に到達した: (1) 亜鉛使用量を低減させ、溶接時の亜鉛の気化
による亜鉛蒸気の発生量を極力抑える。 (2) 溶接時に被溶接材料の溶融池中を浮上してビ
ード表面を覆い、ビードの急激な冷却を防止す
る成分を添加する。 (3) 溶接時の溶融池の融点を下げ、流動性を高め
る成分を添加する。 (4) 溶接時に分解して炭酸ガスを発生し、溶接時
に塗膜から発生する水素ガス等のブローホール
の主原因となるガスのガス分圧を低減させる成
分を添加する。 即ち、本発明の溶接性良好な塗料組成物は、乾
燥基準で、 (A) アルキルシリケートSi(OR)4の部分加水分解
縮合物とアルコール可溶性有機樹脂との、
SiO2/有機樹脂固形分の重量比100/0〜70/
30の混合物からなる展色剤5〜20重量%、 (B) 金属亜鉛15〜60重量%、 (C) スラグ3〜68重量%、 (D) CaF22〜30重量%、及び (E) 金属炭酸塩0〜30重量% からなり、上記(C)と(D)と(E)との合計が5〜70重量
%であることを特徴とする。 本明細書において、アルキルシリケートの部分
加水分解縮合物とは、アルキルシリケートを触媒
の存在下で、塗料用バインダーとして適したもの
となる程度に、部分加水分解して得られた縮合物
を意味し、またアルキルシリケートの部分加水分
解縮合物のSiO2分とは、アルキルシリケートの
部分加水分解縮合物を800℃で灼熱した後の残分
を意味する。 本発明に用いられる展色剤としては、高温灼熱
減量の少ないものを用いることが望ましく、かつ
その使用量も少ない程良好な溶接性を示す。この
ような展色剤としては、アルキルシリケートSi
(OR)4(式中Rはエチル基、ブチル基、セロソル
ブ等を意味する)の部分加水分解縮合物及び所望
によりさらにアルコール可溶性有機樹脂(例えば
ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸エステル等)を、SiO2/有機樹
脂固形分が重量比で100/70/30の範囲となるよ
うにブレンドして用いる。 本発明の組成物中の展色剤の使用量は乾燥塗膜
中5〜20重量%の範囲であり、20重量%を超える
と炭酸ガス溶接時のブローホール発生が多くな
り、また5重量%未満では塗膜結合力が弱く、実
質的に塗膜形成が難かしくなる。 本発明に用いる金属亜鉛は防錆顔料として不可
欠のものであり、乾量基準で15〜60重量%用いる
が、望ましくは20〜40重量%である。ここで用い
る亜鉛は、従来用いられている蒸留法によつて得
られた球状亜鉛末及び、亜鉛粉をボールミル等で
粉砕して得た亜鉛フレークがある。後者は球状亜
鉛末に較べ比表面積(粉末単位重量当りの表面
積)が大きいため、粒子間の溶融が密に保たれ防
錆性に優れている。一方、球状亜鉛末は塗装時、
その形状から良好な膜となる。防食性と塗膜形成
の点から球状亜鉛末あるいはフレーク状亜鉛のい
ずれかを選べばよく、また両者の併用も何ら差し
つかえない。 本発明で用いるスラグとしては、例えば、融点
が1400℃以下で且つ比重が5.0以下であるSiO2、
CaO,A12O3、MgO、FeO等を主成分とする鉄
製錬スラグ或は非鉄製錬スラグ又はSiO2、CaO,
A12O3、MgO、FeO等の二成分以上の溶融酸化
物からなる合成スラグがある。これらのスラグ
は、溶接時に、溶接される材料が溶融している溶
融池中を速やかに浮上し、薄い膜としてビード表
面を覆い、ビードの急冷を防ぐので、溶接時に塗
膜から発生する水素ガス等のブローホールの原因
となるガスをビード外に逃す働きをする。これら
のスラグは速やかに溶融池中に溶け込むことが望
ましいので、1400℃以下の融点を有することが望
ましい。又、これらのスラグが溶融池中を速やか
に浮上できるためには、その比重が5.0以下であ
ることが好ましく、より好ましくは3.0〜4.0であ
る。尚、スラグの比重が5を越えると、溶鉄との
分離が悪い場合がある。 本発明で用いるCaF2は、溶接時に、溶融池の
粘度を下げるので、溶接時に塗膜から発生する水
素ガス等のブローホールの原因となるガスをビー
ド外に逃す働きをする。 本発明においては、所望により、しかし好まし
くは、金属炭酸塩を用いる。この金属炭酸塩は溶
接時に炭酸ガスを発生させる。この炭酸ガスによ
るブローホールの抑制機構は、溶接時に塗膜から
発生する水素ガス等のブローホールの主原因とな
るガスのガス分圧を低減させることにある。金属
炭酸塩の分解温度が2000℃を越える場合には、ブ
ローホールの主原因となるガスの大部分が既に発
生し終わつた後に分解することになるので、ガス
分圧を低減させる効果が少なくなり、また金属炭
酸塩の分解温度が500℃未満の場合には、ブロー
ホールの主原因となるガスが発生する前に分解が
始まるので、ガス分圧を低減させる効果が少なく
なり、いずれの場合も好ましくない。本発明にお
いては500〜2000℃で分解して炭酸ガスを発生す
る金属炭酸塩が望ましい。このような金属炭酸塩
としてBaCO3、MgCO3又はCaCO3或はそれらの
混合物を用いることが好ましい。 本発明の塗料組成物において、スラグは乾量基
準(以下、同じ)で3重量%未満の量で使用した
場合にはその添加効果が不十分である。また多量
に使用しても溶接性に影響を及ぼさないが、68重
量%を越えて使用するとそれに応じて他の成分の
使用量が減少し、その結果として防錆性等が低下
することがあるので好ましくない。従つて、本発
明の塗料組成物においてスラグは3〜68重量%の
量で用いられる。 本発明の塗料組成物において、CaF2は2重量
%未満の量で使用した場合にはその添加効果が不
十分である。また多量に使用しても溶接性に及ぼ
す影響は少ないが、30重量%を越えて使用すると
それに応じて他の成分、特にスラグの使用量が相
対的に減少し、その結果として防錆性等が低下す
ることがあるので好ましくない。従つて、本発明
の塗料組成物においてCaF2は2〜30重量%の量
で用いられる。 本発明の塗料組成物において、スラグ及び
CaF2は合計重量で5〜70重量%の量で用いられ
る。5重量%未満の量で使用した場合にはその添
加効果が不十分である。また多量に使用しても溶
接性に影響を及ぼさないが、70重量%を越えて使
用するとそれに応じて他の成分の使用量が減少
し、その結果として防錆性等が低下することがあ
るので好ましくない。 本発明の塗料組成物において、金属炭酸塩を使
用する場合には、その添加量が30重量%を越える
と、溶接時に発生する炭酸ガスに起因して、炭酸
ガス溶接時のアークが不安定になることがあるの
で好ましくない。またその添加量が5重量%未満
の場合にはその添加効果が不十分である。従つ
て、本発明の塗料組成物において金属炭酸塩は一
般的には5〜30重量%、好ましくは7〜20重量%
の量で用いられる。 本発明の塗料組成物において、金属炭酸塩を追
加使用する場合には、スラグ、CaF2及び金属炭
酸塩は合計重量で5〜70重量%の量で用いられ
る。5重量%未満の量で使用した場合にはその添
加効果が不十分である。この場合にはスラグ及び
CaF2を合計重量で10〜50重量%、金属炭酸塩を
7〜20重量%の量で用いることが好ましい。 本発明の塗料組成物においては、前記した各成
分以外に、所望により溶剤、体質顔料、一般の防
錆顔料、着色顔料、各種添加剤等を添加すること
もできる。 本発明の塗料組成物は、ブラスチングまたは酸
洗い等によりミルスケールおよび錆を除去した部
分に塗布すると、長時間にわたり鋼板の発錆を防
止することができる。また従来の一次防錆塗装組
成物のように炭酸ガス溶接においてブローホール
を多発することなく、高能率で溶接作業を行なう
ことができる。 以下、本発明組成物の製造例、実施例および比
較例を述べる。なお、下記例中の部および%は重
量部および重量%を意味する。 製造例1 (展色剤の製造) エチルシリケート(日本コルコート化学(株)製、
商品名「エチルシリケート40」38部およびイソプ
ロピルアルコール57部を攪拌機付容器に入れ、充
分混合し、40℃に保温しながら攪拌し、これに
0.1N塩酸0.5部および水4.5部の混合物を1時間か
けて滴下した。滴下終了後、40℃で5時間攪拌を
続け、SiO2分約15%のエチルシリケート部分加
水分解縮合液を得た。 製造例2 (展色剤の製造) 攪拌機付容器にイソプロピルアルコール85部を
入れ、攪拌しながらこれにポリビニルブチラール
((株)清水化学製、商品名「エスレツクBL−1」)
15部を少量ずつ加え、均一になるまで攪拌して、
有機樹脂溶液を得た。 製造例1で得られたエチルシリケート縮合液、
製造例2で得られた有機樹脂溶液およびポリアマ
イド樹脂硬化型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂:シ
エル化学(株)エピコート1004、ポリアマイド樹脂:
富士化成(株)トーマイド215X−70を80:20で用い
た。)を展色剤に用い実施例1〜5および比較例
1〜10の乾量塗膜成分になるように塗料を作成
し、屋外曝露にて防錆性をテストし、また炭酸ガ
ス溶接及び重力式溶接にて溶接性をテストした。
結果を表1に示す。塗料成分の数値はすべて乾量
基準で示す。それぞれのテスト方法は、以下の要
領に従つた。 〔防錆性試験〕 縦300mm、横100mm、厚さ12mmの鋼板をシヨツト
ブラストしこれに実施例1〜5、比較例1〜10の
塗料組成物を15〜25μになるように塗装し、屋外
で4ケ月曝露させて錆の発生状態をASTM−
D610/SSPC−vis2の錆発生標準板と比較し評価
した。評価の基準は、ASTMの9点以上を◎、
7〜8点を○、5〜6点を△、3〜4点を×、2
点以上を××で示した。 〔溶接試験〕 縦500mm、横150mm、厚さ16mmの鋼板をシヨツト
ブラストし、これに実施例1〜5、比較例1〜10
の塗料組成物を15〜25μになるように塗装し、7
日間乾燥させたのち、下記試験例1,2で溶接試
験を行つた。JIS Z 3104に示されるX線溶接検
査による判定を行つた。 (1) 試験例 1 溶接棒MG50D((株)神戸製鋼所製)を使用し、
炭酸ガスシールドアーク溶接法で水平隅肉溶接を
行つた。 (2) 試験例 2 溶接棒ゼロード27((株)神戸製鋼所製)を使用し
て、重力式溶接法で水平隅肉溶接を行つた。 表1の結果から明らかなように、本発明の塗料
組成物を用いれば、炭酸ガス溶接及び重力式溶接
を行つた時のブローホール発生が極めて少なく、
しかも長時間にわたり鋼板の発錆を防止すること
ができる。
加工前の鋼板に塗装して溶接時、特にガスシール
ド溶接時に良好な溶接性を与える一次防錆塗料組
成物に関する。 従来、船舶、橋梁、タンク、プラント等の大型
鉄鋼構造物を建造する場合、建造中の発錆を防止
し、防錆塗料を完全なものとするため、また経済
的および能率的に建造するため、加工前の原材料
をブラスチングまたは酸洗いしてミルスケールや
錆を除去したのち、一次防錆塗料を塗装すること
が一般的に行なわれている。 従来、用いられている一次防錆塗料としては、
ポリビニルブチラール樹脂−リン酸系のウオツシ
ユプライマー、エポキシ樹脂等の有機樹脂−高濃
度亜鉛末系の有機ジンクリツチペイント、無機バ
インダー−高濃度亜鉛末系の無機ジンクリツチペ
イント等がある。しかしながら、ポリビニルブチ
ラール樹脂、エポキシ樹脂等の有機樹脂は高温分
解または燃焼を起こし、また高濃度亜鉛末系のジ
ンクリツチペイントでは亜鉛末の沸点が低いため
に気化し、そのため溶接時に気体を発生してブロ
ーホールを発生しやすいという欠点がある。特に
炭酸ガス溶接法のようなガスシールド溶接法にお
いては、被覆アーク溶接法やサブマージドアーク
溶接法に比べて溶接金属の冷却速度が速いため、
従来の一次防錆塗料を塗装した鋼板ではブローホ
ールが多量に発生するという欠点があつた。近
年、造船工業界では炭酸ガス溶接法の使用が多く
なる傾向にあり、炭酸ガス溶接等のガスシールド
溶接時に良好な溶接性を与える一次防錆塗料組成
物の開発が望まれていた。 一方、溶融金属を固化すると、金属内部に多数
の気孔が発生するが、脱酸剤を添加すると気孔が
減少することはよく知られている。このため、一
次防錆塗料に脱酸性顔料を添加して被覆アーク溶
接法やサブマージドアーク溶接法の溶接性を改良
する試みがなされているが(特許657318号)、こ
れを炭酸ガス溶接法に適用しても必ずしも良好な
溶接性が得られなかつた。 本発明の目的は、従来の一次防錆塗料組成物の
有する欠点をなくし、特にガスシールド溶接時に
良好な溶接性を与える一次防錆塗料組成物を提供
することにある。 本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研
究の結果、炭酸ガス溶接時のブローホールの発生
を減少させるためには、下記(1)〜(3)の要件が不可
欠であること、更に下記(4)の要件を加えることに
より更に良好な結果が得られることを見出し、本
発明に到達した: (1) 亜鉛使用量を低減させ、溶接時の亜鉛の気化
による亜鉛蒸気の発生量を極力抑える。 (2) 溶接時に被溶接材料の溶融池中を浮上してビ
ード表面を覆い、ビードの急激な冷却を防止す
る成分を添加する。 (3) 溶接時の溶融池の融点を下げ、流動性を高め
る成分を添加する。 (4) 溶接時に分解して炭酸ガスを発生し、溶接時
に塗膜から発生する水素ガス等のブローホール
の主原因となるガスのガス分圧を低減させる成
分を添加する。 即ち、本発明の溶接性良好な塗料組成物は、乾
燥基準で、 (A) アルキルシリケートSi(OR)4の部分加水分解
縮合物とアルコール可溶性有機樹脂との、
SiO2/有機樹脂固形分の重量比100/0〜70/
30の混合物からなる展色剤5〜20重量%、 (B) 金属亜鉛15〜60重量%、 (C) スラグ3〜68重量%、 (D) CaF22〜30重量%、及び (E) 金属炭酸塩0〜30重量% からなり、上記(C)と(D)と(E)との合計が5〜70重量
%であることを特徴とする。 本明細書において、アルキルシリケートの部分
加水分解縮合物とは、アルキルシリケートを触媒
の存在下で、塗料用バインダーとして適したもの
となる程度に、部分加水分解して得られた縮合物
を意味し、またアルキルシリケートの部分加水分
解縮合物のSiO2分とは、アルキルシリケートの
部分加水分解縮合物を800℃で灼熱した後の残分
を意味する。 本発明に用いられる展色剤としては、高温灼熱
減量の少ないものを用いることが望ましく、かつ
その使用量も少ない程良好な溶接性を示す。この
ような展色剤としては、アルキルシリケートSi
(OR)4(式中Rはエチル基、ブチル基、セロソル
ブ等を意味する)の部分加水分解縮合物及び所望
によりさらにアルコール可溶性有機樹脂(例えば
ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸エステル等)を、SiO2/有機樹
脂固形分が重量比で100/70/30の範囲となるよ
うにブレンドして用いる。 本発明の組成物中の展色剤の使用量は乾燥塗膜
中5〜20重量%の範囲であり、20重量%を超える
と炭酸ガス溶接時のブローホール発生が多くな
り、また5重量%未満では塗膜結合力が弱く、実
質的に塗膜形成が難かしくなる。 本発明に用いる金属亜鉛は防錆顔料として不可
欠のものであり、乾量基準で15〜60重量%用いる
が、望ましくは20〜40重量%である。ここで用い
る亜鉛は、従来用いられている蒸留法によつて得
られた球状亜鉛末及び、亜鉛粉をボールミル等で
粉砕して得た亜鉛フレークがある。後者は球状亜
鉛末に較べ比表面積(粉末単位重量当りの表面
積)が大きいため、粒子間の溶融が密に保たれ防
錆性に優れている。一方、球状亜鉛末は塗装時、
その形状から良好な膜となる。防食性と塗膜形成
の点から球状亜鉛末あるいはフレーク状亜鉛のい
ずれかを選べばよく、また両者の併用も何ら差し
つかえない。 本発明で用いるスラグとしては、例えば、融点
が1400℃以下で且つ比重が5.0以下であるSiO2、
CaO,A12O3、MgO、FeO等を主成分とする鉄
製錬スラグ或は非鉄製錬スラグ又はSiO2、CaO,
A12O3、MgO、FeO等の二成分以上の溶融酸化
物からなる合成スラグがある。これらのスラグ
は、溶接時に、溶接される材料が溶融している溶
融池中を速やかに浮上し、薄い膜としてビード表
面を覆い、ビードの急冷を防ぐので、溶接時に塗
膜から発生する水素ガス等のブローホールの原因
となるガスをビード外に逃す働きをする。これら
のスラグは速やかに溶融池中に溶け込むことが望
ましいので、1400℃以下の融点を有することが望
ましい。又、これらのスラグが溶融池中を速やか
に浮上できるためには、その比重が5.0以下であ
ることが好ましく、より好ましくは3.0〜4.0であ
る。尚、スラグの比重が5を越えると、溶鉄との
分離が悪い場合がある。 本発明で用いるCaF2は、溶接時に、溶融池の
粘度を下げるので、溶接時に塗膜から発生する水
素ガス等のブローホールの原因となるガスをビー
ド外に逃す働きをする。 本発明においては、所望により、しかし好まし
くは、金属炭酸塩を用いる。この金属炭酸塩は溶
接時に炭酸ガスを発生させる。この炭酸ガスによ
るブローホールの抑制機構は、溶接時に塗膜から
発生する水素ガス等のブローホールの主原因とな
るガスのガス分圧を低減させることにある。金属
炭酸塩の分解温度が2000℃を越える場合には、ブ
ローホールの主原因となるガスの大部分が既に発
生し終わつた後に分解することになるので、ガス
分圧を低減させる効果が少なくなり、また金属炭
酸塩の分解温度が500℃未満の場合には、ブロー
ホールの主原因となるガスが発生する前に分解が
始まるので、ガス分圧を低減させる効果が少なく
なり、いずれの場合も好ましくない。本発明にお
いては500〜2000℃で分解して炭酸ガスを発生す
る金属炭酸塩が望ましい。このような金属炭酸塩
としてBaCO3、MgCO3又はCaCO3或はそれらの
混合物を用いることが好ましい。 本発明の塗料組成物において、スラグは乾量基
準(以下、同じ)で3重量%未満の量で使用した
場合にはその添加効果が不十分である。また多量
に使用しても溶接性に影響を及ぼさないが、68重
量%を越えて使用するとそれに応じて他の成分の
使用量が減少し、その結果として防錆性等が低下
することがあるので好ましくない。従つて、本発
明の塗料組成物においてスラグは3〜68重量%の
量で用いられる。 本発明の塗料組成物において、CaF2は2重量
%未満の量で使用した場合にはその添加効果が不
十分である。また多量に使用しても溶接性に及ぼ
す影響は少ないが、30重量%を越えて使用すると
それに応じて他の成分、特にスラグの使用量が相
対的に減少し、その結果として防錆性等が低下す
ることがあるので好ましくない。従つて、本発明
の塗料組成物においてCaF2は2〜30重量%の量
で用いられる。 本発明の塗料組成物において、スラグ及び
CaF2は合計重量で5〜70重量%の量で用いられ
る。5重量%未満の量で使用した場合にはその添
加効果が不十分である。また多量に使用しても溶
接性に影響を及ぼさないが、70重量%を越えて使
用するとそれに応じて他の成分の使用量が減少
し、その結果として防錆性等が低下することがあ
るので好ましくない。 本発明の塗料組成物において、金属炭酸塩を使
用する場合には、その添加量が30重量%を越える
と、溶接時に発生する炭酸ガスに起因して、炭酸
ガス溶接時のアークが不安定になることがあるの
で好ましくない。またその添加量が5重量%未満
の場合にはその添加効果が不十分である。従つ
て、本発明の塗料組成物において金属炭酸塩は一
般的には5〜30重量%、好ましくは7〜20重量%
の量で用いられる。 本発明の塗料組成物において、金属炭酸塩を追
加使用する場合には、スラグ、CaF2及び金属炭
酸塩は合計重量で5〜70重量%の量で用いられ
る。5重量%未満の量で使用した場合にはその添
加効果が不十分である。この場合にはスラグ及び
CaF2を合計重量で10〜50重量%、金属炭酸塩を
7〜20重量%の量で用いることが好ましい。 本発明の塗料組成物においては、前記した各成
分以外に、所望により溶剤、体質顔料、一般の防
錆顔料、着色顔料、各種添加剤等を添加すること
もできる。 本発明の塗料組成物は、ブラスチングまたは酸
洗い等によりミルスケールおよび錆を除去した部
分に塗布すると、長時間にわたり鋼板の発錆を防
止することができる。また従来の一次防錆塗装組
成物のように炭酸ガス溶接においてブローホール
を多発することなく、高能率で溶接作業を行なう
ことができる。 以下、本発明組成物の製造例、実施例および比
較例を述べる。なお、下記例中の部および%は重
量部および重量%を意味する。 製造例1 (展色剤の製造) エチルシリケート(日本コルコート化学(株)製、
商品名「エチルシリケート40」38部およびイソプ
ロピルアルコール57部を攪拌機付容器に入れ、充
分混合し、40℃に保温しながら攪拌し、これに
0.1N塩酸0.5部および水4.5部の混合物を1時間か
けて滴下した。滴下終了後、40℃で5時間攪拌を
続け、SiO2分約15%のエチルシリケート部分加
水分解縮合液を得た。 製造例2 (展色剤の製造) 攪拌機付容器にイソプロピルアルコール85部を
入れ、攪拌しながらこれにポリビニルブチラール
((株)清水化学製、商品名「エスレツクBL−1」)
15部を少量ずつ加え、均一になるまで攪拌して、
有機樹脂溶液を得た。 製造例1で得られたエチルシリケート縮合液、
製造例2で得られた有機樹脂溶液およびポリアマ
イド樹脂硬化型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂:シ
エル化学(株)エピコート1004、ポリアマイド樹脂:
富士化成(株)トーマイド215X−70を80:20で用い
た。)を展色剤に用い実施例1〜5および比較例
1〜10の乾量塗膜成分になるように塗料を作成
し、屋外曝露にて防錆性をテストし、また炭酸ガ
ス溶接及び重力式溶接にて溶接性をテストした。
結果を表1に示す。塗料成分の数値はすべて乾量
基準で示す。それぞれのテスト方法は、以下の要
領に従つた。 〔防錆性試験〕 縦300mm、横100mm、厚さ12mmの鋼板をシヨツト
ブラストしこれに実施例1〜5、比較例1〜10の
塗料組成物を15〜25μになるように塗装し、屋外
で4ケ月曝露させて錆の発生状態をASTM−
D610/SSPC−vis2の錆発生標準板と比較し評価
した。評価の基準は、ASTMの9点以上を◎、
7〜8点を○、5〜6点を△、3〜4点を×、2
点以上を××で示した。 〔溶接試験〕 縦500mm、横150mm、厚さ16mmの鋼板をシヨツト
ブラストし、これに実施例1〜5、比較例1〜10
の塗料組成物を15〜25μになるように塗装し、7
日間乾燥させたのち、下記試験例1,2で溶接試
験を行つた。JIS Z 3104に示されるX線溶接検
査による判定を行つた。 (1) 試験例 1 溶接棒MG50D((株)神戸製鋼所製)を使用し、
炭酸ガスシールドアーク溶接法で水平隅肉溶接を
行つた。 (2) 試験例 2 溶接棒ゼロード27((株)神戸製鋼所製)を使用し
て、重力式溶接法で水平隅肉溶接を行つた。 表1の結果から明らかなように、本発明の塗料
組成物を用いれば、炭酸ガス溶接及び重力式溶接
を行つた時のブローホール発生が極めて少なく、
しかも長時間にわたり鋼板の発錆を防止すること
ができる。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 乾燥基準で、 (A) アルキルシリケートSi(OR)4の部分加水分解
縮合物とアルコール可溶性有機樹脂との、
SiO2/有機樹脂固形分の重量比100/0〜70/
30の混合物からなる展色剤5〜20重量%、 (B) 金属亜鉛15〜60重量%、 (C) スラグ3〜68重量%、及び (D) CaF22〜30重量% からなり、上記(C)と(D)との合計が5〜70重量%で
あることを特徴とする溶接性良好な塗料組成物。 2 上記スラグ成分が、融点1400℃以下且つ比重
5.0以下でSiO2、CaO,A12O3、MgO、FeOを主
成分とする鉄製錬スラグ或は非鉄製錬スラグであ
る特許請求の範囲第1項記載の塗料組成物。 3 乾燥基準で、 (A) アルキルシリケートSi(OR)4の部分加水分解
縮合物とアルコール可溶性有機樹脂との、
SiO2/有機樹脂固形分の重量比100/0〜70/
30の混合物からなる展色剤5〜20重量%、 (B) 金属亜鉛15〜60重量%、 (C) スラグ3〜68重量%、 (D) CaF22〜30重量%、及び (E) 金属炭酸塩30重量%以下 からなり、上記(C)と(D)と(E)との合計が5〜70重量
%であることを特徴とする溶接性良好な塗料組成
物。 4 上記スラグ成分が、融点1400℃以下且つ比重
5.0以下でSiO2、CaO,A12O3、MgO、FeOを主
成分とする鉄製錬スラグ或は非鉄製錬スラグであ
る特許請求の範囲第3項記載の塗料組成物。 5 上記炭素塩が、BaCO3、MgCO3又はCaCO3
である特許請求の範囲第3項記載の塗料組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24474983A JPS60137973A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 溶接性良好な塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24474983A JPS60137973A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 溶接性良好な塗料組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60137973A JPS60137973A (ja) | 1985-07-22 |
| JPH0517263B2 true JPH0517263B2 (ja) | 1993-03-08 |
Family
ID=17123319
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24474983A Granted JPS60137973A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 溶接性良好な塗料組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60137973A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008144105A (ja) * | 2006-12-13 | 2008-06-26 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 防錆顔料及びこれを含有する防錆塗料組成物 |
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| JP2002114944A (ja) * | 2000-10-04 | 2002-04-16 | Shinto Paint Co Ltd | 一次防錆塗料組成物 |
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| KR100638157B1 (ko) * | 2003-09-04 | 2006-10-26 | 주고꾸 도료 가부시키가이샤 | 1차 방청도료 조성물 및 1차 방청도막을 갖는 강판 |
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| JPS5424696A (en) * | 1977-07-27 | 1979-02-24 | Nisso Master Builders Kk | Method of measuring content of nitritee base rusttpreventive agent |
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-
1983
- 1983-12-27 JP JP24474983A patent/JPS60137973A/ja active Granted
Cited By (1)
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| JP2008144105A (ja) * | 2006-12-13 | 2008-06-26 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 防錆顔料及びこれを含有する防錆塗料組成物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60137973A (ja) | 1985-07-22 |
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