JPH0517272A - 酸化物超電導材料用劣化防止膜 - Google Patents

酸化物超電導材料用劣化防止膜

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JPH0517272A
JPH0517272A JP3094823A JP9482391A JPH0517272A JP H0517272 A JPH0517272 A JP H0517272A JP 3094823 A JP3094823 A JP 3094823A JP 9482391 A JP9482391 A JP 9482391A JP H0517272 A JPH0517272 A JP H0517272A
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oxide superconducting
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halogen element
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導材料中から酸素が抜けて、非超電導化
するのを防ぐ。 【構成】 超電導材料中にハロゲン元素を添加すること
により、酸素が抜けにくい材料に改質する。そして、こ
の材料を超電導材料上に被覆することによって、劣化防
止膜として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物超電導(超伝導と
もいうがここでは超電導という)材料用劣化防止膜に関
する。本発明は、酸化物超電導材料の表面を用いるディ
バイスにおいて、特に重要な表面近傍の物性の改良を施
さんとするものである。さらにバルク( 内部)利用の超
電導マグネット等への応用を図る酸化物超電導材料に対
し、安定化、特に酸素ベイカンシに関する安定化を図ら
んとするものである。
【0002】尚、本明細書における元素周期表は理化学
辞典(岩波書店 1963年4月1日発行)によるものであ
る。
【0003】
【従来の技術】最近、酸化物超電導材料が注目されてい
る。これはIBM チュ−リッヒ研究所においてなされたBa
-La-Cu-O系の酸化物超電導材料の開発にその端を発して
いる。これに加えて、イットリュ−ム系の酸化物超電導
材料も知られ、液体窒素温度での固体電子ディバイスの
応用の可能性が明らかになった。
【0004】他方、Nb3Ge 等の金属を用いた超電導材料
がこれまでによく知られている。そしてこの金属の超電
導材料を用いて、ジョセフソン素子等の固体電子ディバ
イスを構成させる試みがなされている。 この金属を用
いたジョセフソン素子は十数年の研究によりほぼ実用化
が近くなった。しかし、この超電導体はTco(電気抵抗が
零となる温度) が23K ときわめて低く、液体ヘリュ−ム
を用いなければならず、実用性は十分ではない。
【0005】他方、この金属の超電導材料は、材料のす
べてが金属であるため、その材料の成分を表面において
も、また内部( バルク) においてもまったく均一に作る
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近注目され
ている酸化物超電導材料は、その特性を調べていくと、
表面近傍(表面より概略200 Åまでの深さ) が内部に比
べて特性の劣化( 信頼性の低下) がおきやすいことがわ
かった。
【0007】その原因として、酸化物超電導材料におけ
る酸素が、表面近傍においてはきわめて容易に脱気して
しまうことが判明した。さらに真空中で250〜500 ℃で
加熱すると、内部の酸素すら容易に脱気し、必要以上に
酸素ベイカンシ( 原子レベルにおける原子が正規の配置
より抜け出る穴を空口またはベイカンシという) を発生
させてしまうことが判明した。この酸素が理想状態にあ
るかまたは不足状態にあるかは、その材料にとって、超
電導特性を有せしめ得るか、または単に常電導特性を有
するにすぎないかの根本的な問題であることが判明し
た。
【0008】本発明はこのため、この酸化物超電導材料
の表面または表面近傍においても、また内部において
も、超電導特性を有せしめ、さらに理想状態の酸素ベイ
カンシの濃度を有し、耐熱性、耐プロセス性( 真空中の
保存でも安定である等) を有すべくなされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化物超電導
材料中にハロゲン元素を添加せしめ、酸素ベイカンシの
一部または全部に充填し相殺せしめんとする。特にこの
酸素ベイカンシをある程度を有し、Tco の最も高い超電
導特性を有する状態でこのベイカンシに対し弗素等のハ
ロゲン元素を添加し、埋めることにより、この分子がペ
ロブスカイト構造をより安定にすることが可能である。
その結果、耐熱性、耐プロセス性を有し、特に表面面積
の大きい薄膜材料に対して有効である。本発明はイオン
注入法等の方法によりハロゲン元素、特に弗素を添加す
るとともに、これら全体を熱処理せしめ、添加された弗
素を適正な原子配置に配設せしめる。
【0010】本発明では、酸化物超電導材料としてタブ
レット構成を有するもの、また薄膜構成を有するものの
いずれに対しても有効である。特にこれらのうち薄膜構
成を有せしめる場合、その酸化物超電導材料はスクリ−
ン印刷法、スパッタ法、MBE(モレキュラ・ビ−ム・エピ
タキシャル)法、CVD(気相反応) 法、光CVD 法等を用い
て形成させる。
【0011】酸化物超電導材料の成分の1例としてここ
では(A1-xBx)yCuzOw(x =0〜1,y=2.0 〜4.0 好まし
くは2.5 〜3.5,z=1〜4好ましくは1.5 〜3.5,W=4
〜10好ましくは6〜8を有する) をあげる。AはY(イッ
トリウム),Gu( ガドリニウム),Yb( イッテルビウム),Eu
( ユ−ロピウム),Tb( テルビウム),Dy(ジスプロシウ
ム),Ho( ホルミウム),Er( エルビウム),Tm( ツリウム),
Lu( ルテチウム),Sc( スカンジウム) またはその他の元
素周期表3a族の1つまたは複数種類より選ばれる。B
はRa( ラジウム),Ba( バリウム),Sr( ストロンチウム),
Ca( カルシウム),Mg( マグネシウム),Be( ベリリウム)
の元素周期表2a族より選ばれる。特にその具体例とし
て(YBa2)Cu3O68 を用いた。またAとして元素周期表
における前記した元素以外のランタニド元素またはアク
チニド元素を用い得る。本発明においては、弗素の如き
ハロゲン元素を前記した酸化物超電導材料中にベイカン
シの1/100 〜200%の濃度添加し、耐熱性、耐プロセス性
の向上を図るに加え、この材料中からさらに本来材料中
に存在すべき酸素の脱気を防ぐため、劣化防止膜( パッ
シベイション膜) をこの表面に形成させる。
【0012】絶縁膜として、5〜50Åのトンネル電流を
流し得る厚さとすると、この絶縁膜の上面に他の超電導
材料を配設してジョフセソン素子を構成せしめ得る。
【0013】またパッシベイション用被膜として100 〜
20000 Åの厚さとして、劣化防止用被膜ともし得る。
【0014】即ち、本発明は弗素の如きハロゲン元素も
酸化物超電導材料中に添加した後、これらを不活性気
体、空気または酸素中に250 〜500 ℃例えば500 ℃に加
熱処理を2〜50時間例えば5時間施す。かくすることに
より、イオン注入法により添加された弗素または弗素に
加えて添加された酸素を適正な配位に配置させ得、表面
をも安定な超電導材料とし得る。このように比較的低温
に設定したのはかかる低温度において超電導材料中より
脱酸素化がおきやすく、ひいては酸素が抜ける空口(ベ
イカンシ)中に弗素が配設されやすいためである。 そ
の結果、液体窒素温度に保持した際、この表面の酸素濃
度も理想状態を保持し得る。即ちパッシベイションフィ
ルムを作り得る。
【0015】
【作用】以上のごとく、これまで酸化物超電導材料の表
面近傍で原因不明で超電導状態が消えてしまうという信
頼性低下問題がなくなり、長期間安定に超電導状態を有
効利用することができるようになった。
【0016】現在、確かに高いTco 、電流密度が得られ
る様にはなったが、これまでは真空中での放置や、大電
流を流し続けることによる劣化が起きてしまう。本発明
に示すハロゲン元素を酸素ベイカンシを相殺する程度(
ベイカンシの1/100 〜200%の濃度) にハロゲン元素を添
加した劣化防止膜を表面に形成することにより、内部に
おける、Tco の安定化を図ることができた。
【0017】その結果、超伝導装置、特に超伝導マグネ
ットを長期間安定して高信頼性を有して動作させること
ができるようになった。
【0018】以下に図面に従って本発明を説明する。
【0019】
【実施例】
「実施例1」図1は本発明の実施例の製造工程およびそ
れに関する酸素濃度分布の相対特性を示す。
【0020】図1(A) では酸化物超電導材料のー例とし
てYBa2Cu3O6 8 を示す。銅の成分は3またはそれ以下
になり得る。かかる超電導性材料をタブレットまたは薄
膜上に単結晶または多結晶構造を有して形成し、出発材
料(図1(A)(1)) とした。
【0021】これを真空装置に保持し、雰囲気を真空引
きすると、その表面近傍(1')の酸素が脱気し、概略200
Åまでの範囲の電気特性に劣化がおきてしまう。 即
ち、図1(A) と対応した酸素濃度を図1(D) に示す。図
面において、領域(1) は正常の酸素濃度を有する。また
領域(1')は不足の領域を示す。この深さは超電導材料の
種類、構造、緻密さにもよるが、50〜1000Å、一般には
約200 Å程度である。
【0022】これらの上面に窒化珪素膜を光CVD 法( 紫
外光またはレ−ザ光を用いて反応性気体を光により励起
して被形成面上に被膜形成をさせる)により5〜50Å例
えば20Åの厚さに形成した。さらにこれに対し、イオン
注入を行った。加速電圧を10〜30KVと弱くし、酸素濃度
が一定となるように添加した。ここで熱処理を350 ℃で
2時間行った。さらに本発明のハロゲン元素である弗素
を加速電圧を10〜500KV と可変し、平均添加濃度として
酸素ベイカンシの1/100 〜200%例えば3×1021cm-3ド−
プした。
【0023】さらにこれら全体を酸素中で250 〜500
℃、例えば350 ℃で加熱処理を約30分行った。
【0024】かかる加熱処理を行うことにより、図1
(E) に示す如く酸素の抜けを防ぐことが可能となり、内
部においてもこのペロブスカイト構造の酸化物超電導材
料の構造劣化をより起きにくくさせることができた。
【0025】この実施例で作られた試料を加熱状態より
取り出し、再び真空中に350 ℃、5時間保存してみた。
するとこの弗素の添加により超電導材料の表面近傍お
よびバルクにおいて、酸素が欠乏することがなく、高信
頼性の素子を作ることができた。
【0026】
【発明の効果】本発明に示す如く、作製した酸化物超電
導材料の表面は電子顕微鏡的にはきわめてミクロな凹部
を有し、その凹部は内部まで空隙が存在してしまってい
る。そのため見掛け上表面がきわめて大きくなってしま
う。この表面の不動態化をさせるため、電気陰性度の最
も大きい弗素を単層に、また散在させて、コ−ティング
することは耐熱性の向上のためきわめて有効であった。
加えて、これら表面上およびミクロなベイカンシにハロ
ゲン元素を充填させることができる。それに密接した超
電導材料の改質を行う方法は、その製造工程をより簡単
にできるため、きわめて有効であった。
【0027】この結果、かかる弗素が添加された酸化物
超電導材料用劣化防止膜によって、周囲をコーティング
したバルク状の酸化物超電導材料を真空中に300 ℃で5
時間放置した。劣化防止膜でコーティングされていない
酸化物材料にあっては、超電導特性がまったくなくなっ
てしまった。しかし本発明の弗素が添加された被膜にお
いては、Tco を79K として安定して超電導を保持してい
た。
【0028】本発明において、酸化物超電導材料という
言葉を用いた。しかしその結晶構造は多結晶であって
も、また単結晶であってもよいことは、本発明の技術思
想において明らかである。
【0029】本発明の実施例において、ハロゲン元素と
して弗素の例を示した。しかしヨウ素、臭素においても
弗素と同様に添加してよい。
【0030】尚、これまでは被膜を形成した後にイオン
注入法等により酸素を超電導材料に注入した。しかし逆
に、予め超電導材料の表面またはその近傍に酸素をイオ
ン注入法等により添加し、その後に被膜を形成し、さら
に加熱酸化処理により添加された酸素を超電導を構成す
るに適性な原子配位に配設することも有効である。
【0031】本発明において、弗素はすでに形成されて
しまっている材料に新たに加える例を示した。しかしこ
の超電導材料を作製するに際し、一般には酸化イットリ
ウム、炭酸バリウム、酸化銅の微細粒材料を用い、これ
をブレンドし焼成を繰り返し、タブレットとする。また
薄膜にする場合はこのタブレットをスパッタ法のタ−ゲ
ットとして被形成面に形成する。しかしかかる出発材料
中にYF3,YbF3, TbF3,LaF3 を一部または全部に用いて弗
素を予め添加してもよい。またこの弗化物の替わりに塩
化物、臭素化物を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作製方法および酸素濃度の分布を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 565 D 8936−5G H01L 39/02 ZAA B 8728−4M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超伝導材料と概略同一主成分からな
    る酸化物超伝導材料用劣化防止膜であって、前記酸化物
    超電導材料構成物と同一の材料中にハロゲン元素を添加
    したことを特徴とする酸化物超電導材料用劣化防止膜。
  2. 【請求項2】請求項1において、ハロゲン元素は弗素よ
    りなることを特徴とする酸化物超電導材料用劣化防止
    膜。
  3. 【請求項3】請求項1において、ハロゲン元素は酸化物
    超電導材料中に含まれる酸素ベイカンシの1/100 〜200%
    の濃度に添加されたことを特徴とする酸化物超電導材料
    用劣化防止膜。
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