JPH05192033A - 土壌充填材、土壌、栽培容器及びそれらを用いる栽培方法 - Google Patents
土壌充填材、土壌、栽培容器及びそれらを用いる栽培方法Info
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- JPH05192033A JPH05192033A JP4032543A JP3254392A JPH05192033A JP H05192033 A JPH05192033 A JP H05192033A JP 4032543 A JP4032543 A JP 4032543A JP 3254392 A JP3254392 A JP 3254392A JP H05192033 A JPH05192033 A JP H05192033A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 撥水性物質で被覆した土壌充填材、撥水性物
質で被覆した石や砂を含む土壌、撥水性物質の粒状物、
粉状物を含む土壌、撥水性物質で被覆した栽培容器、及
びこれらを用いることを特徴とする栽培方法。 【効果】 生育性、培土保型性、収穫時の栽培容器から
の離型性がともに良好である。
質で被覆した石や砂を含む土壌、撥水性物質の粒状物、
粉状物を含む土壌、撥水性物質で被覆した栽培容器、及
びこれらを用いることを特徴とする栽培方法。 【効果】 生育性、培土保型性、収穫時の栽培容器から
の離型性がともに良好である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物栽培のための土壌充
填材、土壌、栽培容器、及びそれらを用いる栽培方法に
関し、更に詳しくは、撥水性物質により固・気・液の三
相分布を実現し、生育性を驚異的に向上させる土壌充填
材、土壌、栽培容器及び植物の栽培方法に関する。
填材、土壌、栽培容器、及びそれらを用いる栽培方法に
関し、更に詳しくは、撥水性物質により固・気・液の三
相分布を実現し、生育性を驚異的に向上させる土壌充填
材、土壌、栽培容器及び植物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物の根は通常、主根、側根、根毛で構
成されているのが一般的であるが、その中でも根が地中
より水、養分、空気等を吸収するのに最も重要なものは
根毛であり、根毛の育生度合が収穫される植物の品質を
大きく左右する。根毛は過湿状態でも、また乾燥状態で
も生育せず、所謂固・気・液の三相及び温度が適度に存
在することが必要であると言われている。しかし、例え
ば現状の栽培用鉢を例にとると、播種後1日1〜数回の
給水を受け乍ら発芽育生されるが、給水後の根部は完全
な湿潤状態にあり、更に給水前の根部は乾燥状態(又は
それに近い状態)にさらされていることになる。つま
り、発芽、発根(毛)して間もない幼い植物生命体は、
湿潤−乾燥の繰返しと云う厳しい環境に常にさらされ乍
ら育生されるため、当然理想的な根部育生や根毛の発毛
・育生は抑制されることになる。そのため、同じ鉢を用
い同じ条件下で栽培しても苗の不揃い、徒長苗の出現や
病弱苗が混在・育生されるとともに、収穫される植物に
ついても同様である。
成されているのが一般的であるが、その中でも根が地中
より水、養分、空気等を吸収するのに最も重要なものは
根毛であり、根毛の育生度合が収穫される植物の品質を
大きく左右する。根毛は過湿状態でも、また乾燥状態で
も生育せず、所謂固・気・液の三相及び温度が適度に存
在することが必要であると言われている。しかし、例え
ば現状の栽培用鉢を例にとると、播種後1日1〜数回の
給水を受け乍ら発芽育生されるが、給水後の根部は完全
な湿潤状態にあり、更に給水前の根部は乾燥状態(又は
それに近い状態)にさらされていることになる。つま
り、発芽、発根(毛)して間もない幼い植物生命体は、
湿潤−乾燥の繰返しと云う厳しい環境に常にさらされ乍
ら育生されるため、当然理想的な根部育生や根毛の発毛
・育生は抑制されることになる。そのため、同じ鉢を用
い同じ条件下で栽培しても苗の不揃い、徒長苗の出現や
病弱苗が混在・育生されるとともに、収穫される植物に
ついても同様である。
【0003】そして、近時、従来の栽培方法では気相が
不充分であるとの観点から、オランダ等の苗産業の最先
端技術保有国と云われている地域では、例えば育苗トレ
イの育苗ポット部の周囲に凹凸を設け、そこに円形の成
形培土を挿入して播種する方法や、成形培土の周囲に凹
凸を設ける方法が採用され、根毛育生に効果を上げてい
る。また、育苗トレイを上層部と下層部との2層構造と
して、発芽後一定時間経ってから下層部を取り去り、根
を空気に触れさせる方式のもの等が実用化されている。
これらは、最近注目を浴びているエアープルーニング技
術(根を空気にさらして生育をコントロールする方法)
の応用である。
不充分であるとの観点から、オランダ等の苗産業の最先
端技術保有国と云われている地域では、例えば育苗トレ
イの育苗ポット部の周囲に凹凸を設け、そこに円形の成
形培土を挿入して播種する方法や、成形培土の周囲に凹
凸を設ける方法が採用され、根毛育生に効果を上げてい
る。また、育苗トレイを上層部と下層部との2層構造と
して、発芽後一定時間経ってから下層部を取り去り、根
を空気に触れさせる方式のもの等が実用化されている。
これらは、最近注目を浴びているエアープルーニング技
術(根を空気にさらして生育をコントロールする方法)
の応用である。
【0004】しかし乍ら、空気に触れるのは、前者にあ
っては成形培土の凹部のみであり、また後者にあって
は、露出した下層部のみという、部分的にしか気相に触
れさせることができない。また、いずれの場合において
も、空気に触れる部分は気相過剰となって他の固相、液
相が不足しがちで、前記した三相及び温度が常に適度に
存在するという理想状態に維持し難い憾みがある。ま
た、育苗トレイ等を用いない露地栽培、畑等の大規模栽
培や大型鉢栽培等の長期の収穫栽培や観賞栽培を目的と
する場合、育苗栽培の場合にはその効果が顕著なエアー
プルーニング技術を導入することが難しかったり、また
効果が認められなかったり、更にまた逆効果の場合もし
ばしば見られる。
っては成形培土の凹部のみであり、また後者にあって
は、露出した下層部のみという、部分的にしか気相に触
れさせることができない。また、いずれの場合において
も、空気に触れる部分は気相過剰となって他の固相、液
相が不足しがちで、前記した三相及び温度が常に適度に
存在するという理想状態に維持し難い憾みがある。ま
た、育苗トレイ等を用いない露地栽培、畑等の大規模栽
培や大型鉢栽培等の長期の収穫栽培や観賞栽培を目的と
する場合、育苗栽培の場合にはその効果が顕著なエアー
プルーニング技術を導入することが難しかったり、また
効果が認められなかったり、更にまた逆効果の場合もし
ばしば見られる。
【0005】一方、生鮮野菜や花卉類等の農作物栽培技
術で最も重要な技術は土壌環境技術であることは云うま
でもないが、理想的な土壌環境を醸成することは非常に
難しく、最も研究が立遅れている分野の一つである。今
日、土壌環境改善は保水性、通水性、通気性、間隙保有
性、保温性等の根に良い条件を得るため、砂礫、砂、粘
土質、有機堆肥(繊維質)等を経験的に適度に混成させ
るのが常識で、これらの土壌に種を播種したり、苗を定
植させ、以後は肥料技術でカバーし栽培収穫している。
従って、植物(例えば野菜)は欠陥土壌中で過剰肥料浸
けされて無理やり栽培されていることになり、収穫後の
土壌中の残存肥料による土壌汚染ははなはだしい。こう
した土壌に次の作物が栽培されるが、作物にとって定植
された土壌は最悪状態であり、それを補正改善するため
に更に過剰肥料を追肥され、無理やり栽培される、とい
うのが今日の一般的な栽培の実態である。
術で最も重要な技術は土壌環境技術であることは云うま
でもないが、理想的な土壌環境を醸成することは非常に
難しく、最も研究が立遅れている分野の一つである。今
日、土壌環境改善は保水性、通水性、通気性、間隙保有
性、保温性等の根に良い条件を得るため、砂礫、砂、粘
土質、有機堆肥(繊維質)等を経験的に適度に混成させ
るのが常識で、これらの土壌に種を播種したり、苗を定
植させ、以後は肥料技術でカバーし栽培収穫している。
従って、植物(例えば野菜)は欠陥土壌中で過剰肥料浸
けされて無理やり栽培されていることになり、収穫後の
土壌中の残存肥料による土壌汚染ははなはだしい。こう
した土壌に次の作物が栽培されるが、作物にとって定植
された土壌は最悪状態であり、それを補正改善するため
に更に過剰肥料を追肥され、無理やり栽培される、とい
うのが今日の一般的な栽培の実態である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記実情
に鑑み鋭意研究の結果、育苗から栽培収穫に至る植物の
より理想的な土壌環境を醸成する方法として、撥水性物
質の存在下に栽培することにより、過剰の水分が排斥さ
れてその間隙に空気層が導入形成され、固・気・液の理
想的な三相分布が達成され植物の生育速度が飛躍的に向
上することを見出し、本発明を完成したものである。
に鑑み鋭意研究の結果、育苗から栽培収穫に至る植物の
より理想的な土壌環境を醸成する方法として、撥水性物
質の存在下に栽培することにより、過剰の水分が排斥さ
れてその間隙に空気層が導入形成され、固・気・液の理
想的な三相分布が達成され植物の生育速度が飛躍的に向
上することを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明の第1は、発泡スチロールビ
ーズ、発泡スチロール成形体粉砕物、ワラ、草等の充填
材の一部又は全部を撥水性物質で被覆してなる土壌充填
材を、本発明の第2は、土壌を構成する石又は砂の一部
又は全部を撥水性物質で被覆してなる土壌を、本発明の
第3は、撥水性物質の粒状物又は粉状物を含有してなる
土壌を、本発明の第4は、容器の内面の一部又は全部を
撥水性物質で被覆してなる栽培容器を、本発明の第5
は、上記土壌充填材、土壌及び容器を併用して栽培する
ことを特徴とする植物の栽培方法を、それぞれ内容とす
るものである。尚、上記土壌とは、培土をも包含するこ
とは勿論である。
ーズ、発泡スチロール成形体粉砕物、ワラ、草等の充填
材の一部又は全部を撥水性物質で被覆してなる土壌充填
材を、本発明の第2は、土壌を構成する石又は砂の一部
又は全部を撥水性物質で被覆してなる土壌を、本発明の
第3は、撥水性物質の粒状物又は粉状物を含有してなる
土壌を、本発明の第4は、容器の内面の一部又は全部を
撥水性物質で被覆してなる栽培容器を、本発明の第5
は、上記土壌充填材、土壌及び容器を併用して栽培する
ことを特徴とする植物の栽培方法を、それぞれ内容とす
るものである。尚、上記土壌とは、培土をも包含するこ
とは勿論である。
【0008】本発明に使用される撥水性物質としては特
に制限はないが、例えばパラフィンW、マイクロクリス
タリンW等の石油ワックス;カーワックス、スキーワッ
クス、艶出しワックス等の配合ワックス;シリコーン;
フッ素化合物;ステアリン酸等の脂肪酸;動物、植物、
鉱物等の固形天然ワックス等が挙げられる。これらは単
独又は2種以上組み合わせて用いられる。これら撥水性
物質は融点が室温以上のものが使用し易く好ましいが、
室温以下のものであっても培土や水への移行が少なく、
植物への害が少ないものであれば使用し得る。特に液状
の場合には、粘度の高いものが好ましい。
に制限はないが、例えばパラフィンW、マイクロクリス
タリンW等の石油ワックス;カーワックス、スキーワッ
クス、艶出しワックス等の配合ワックス;シリコーン;
フッ素化合物;ステアリン酸等の脂肪酸;動物、植物、
鉱物等の固形天然ワックス等が挙げられる。これらは単
独又は2種以上組み合わせて用いられる。これら撥水性
物質は融点が室温以上のものが使用し易く好ましいが、
室温以下のものであっても培土や水への移行が少なく、
植物への害が少ないものであれば使用し得る。特に液状
の場合には、粘度の高いものが好ましい。
【0009】撥水性物質は、発泡スチロールビーズ、
発泡スチロール成形体粉砕物等からなる、培土や土壌中
における空間・空気層形成材、通気性改良用又は堆肥用
として混入されるワラ、草等の繊維性物質等からなる各
種土壌充填材、培土や土壌を構成する石や砂、プラ
ンター、植木鉢等の栽培容器等の表面(栽培容器の場合
は容器部の内面)に適用され、これらの全部又は一部を
被覆する。また、撥水性物質の粒状物、粉状物等を直接
培土や土壌中に混入してもよい。
発泡スチロール成形体粉砕物等からなる、培土や土壌中
における空間・空気層形成材、通気性改良用又は堆肥用
として混入されるワラ、草等の繊維性物質等からなる各
種土壌充填材、培土や土壌を構成する石や砂、プラ
ンター、植木鉢等の栽培容器等の表面(栽培容器の場合
は容器部の内面)に適用され、これらの全部又は一部を
被覆する。また、撥水性物質の粒状物、粉状物等を直接
培土や土壌中に混入してもよい。
【0010】撥水性物質の被覆方法としては特に制限は
なく、例えは浸漬法、スプレー法、刷毛塗法等が挙げら
れる。撥水性物質層の厚みも特に制限はないが、通常、
0.1〜0.5mm程度の範囲で充分な効果が得られる。
なく、例えは浸漬法、スプレー法、刷毛塗法等が挙げら
れる。撥水性物質層の厚みも特に制限はないが、通常、
0.1〜0.5mm程度の範囲で充分な効果が得られる。
【0011】本発明の栽培方法は、撥水性物質を被覆し
た土壌充填材、同じく石や砂を培土や土壌に混入し、及
び/又は撥水性物質を含有した培土や土壌を用い、及び
/又は撥水性物質を被覆した栽培容器を用いて植物を栽
培する方法である。撥水性物質で被覆した土壌充填材、
石や砂、撥水性物質を含有した培土や土壌は、花壇や露
地裏、庭等の小区画栽培場のみならず、畑等の大規模栽
培場にも広く適用できることは云うまでもない。
た土壌充填材、同じく石や砂を培土や土壌に混入し、及
び/又は撥水性物質を含有した培土や土壌を用い、及び
/又は撥水性物質を被覆した栽培容器を用いて植物を栽
培する方法である。撥水性物質で被覆した土壌充填材、
石や砂、撥水性物質を含有した培土や土壌は、花壇や露
地裏、庭等の小区画栽培場のみならず、畑等の大規模栽
培場にも広く適用できることは云うまでもない。
【0012】
【作用】本発明は、撥水性物質の存在下に栽培すること
により、過剰の水分が排除されてその間隙に空気が導入
され、理想的な固・気・液の三相分布が実現されること
によるものと考えられる。特に撥水性物質の次に形成さ
れる撥水微小空間が形成されるが、その撥水微小空間の
最外層には撥水された水分が層状、面状、点状等で土壌
と共に存在することになり、根にとって最も好ましい土
壌環境が醸成されることになると考えられる。そのた
め、根、特に毛根の発生は、この特殊な土壌環境中で特
に多く認められる。例えば、栽培用の鉢を例に挙げて説
明すると、撥水物質層を形成させない従来の鉢の場合、
鉢表面と培土の接触部は、培土の保水性と、鉢表面
の親水性(濡れ性)と、鉢表面の水の表面張力とが相
乗効果を発揮するため、鉢の中心部と外周部(培土外周
層)の育生環境に大きな差を生じる。例えば、給水後に
おける鉢断面方向の水の密度分布を測定すると、図1に
示すように、中心部から鉢表面(培土外周層)に向かっ
て水の保水量が高くなり、特に培土外周近傍及び鉢表面
で構成する層は最も高く、更に鉢表面は完全に濡れ状態
にある。
により、過剰の水分が排除されてその間隙に空気が導入
され、理想的な固・気・液の三相分布が実現されること
によるものと考えられる。特に撥水性物質の次に形成さ
れる撥水微小空間が形成されるが、その撥水微小空間の
最外層には撥水された水分が層状、面状、点状等で土壌
と共に存在することになり、根にとって最も好ましい土
壌環境が醸成されることになると考えられる。そのた
め、根、特に毛根の発生は、この特殊な土壌環境中で特
に多く認められる。例えば、栽培用の鉢を例に挙げて説
明すると、撥水物質層を形成させない従来の鉢の場合、
鉢表面と培土の接触部は、培土の保水性と、鉢表面
の親水性(濡れ性)と、鉢表面の水の表面張力とが相
乗効果を発揮するため、鉢の中心部と外周部(培土外周
層)の育生環境に大きな差を生じる。例えば、給水後に
おける鉢断面方向の水の密度分布を測定すると、図1に
示すように、中心部から鉢表面(培土外周層)に向かっ
て水の保水量が高くなり、特に培土外周近傍及び鉢表面
で構成する層は最も高く、更に鉢表面は完全に濡れ状態
にある。
【0013】また、培土と鉢表面に自然に構成される凹
部や所々のわずかな隙間には水膜が形成されており、こ
れらで構成される培土外周層は過度の湿潤状態にあり、
常に空気をも必要とする根の育生にとって非常に過酷な
環境と云える。そして、次の給水時には鉢中心部は乾燥
状態にあるにもかかわらず、培土外周層は未だ湿潤状態
をそのまま維持していることもある。逆に、培土外周層
の乾燥状態を目安に給水すると鉢中心部は過度の乾燥状
態になる可能性が高く、給水時期の設定が難しい。
部や所々のわずかな隙間には水膜が形成されており、こ
れらで構成される培土外周層は過度の湿潤状態にあり、
常に空気をも必要とする根の育生にとって非常に過酷な
環境と云える。そして、次の給水時には鉢中心部は乾燥
状態にあるにもかかわらず、培土外周層は未だ湿潤状態
をそのまま維持していることもある。逆に、培土外周層
の乾燥状態を目安に給水すると鉢中心部は過度の乾燥状
態になる可能性が高く、給水時期の設定が難しい。
【0014】これに対し、本発明により鉢表面を撥水性
物質で被覆した場合は、例えば鉢の底の穴に栓をして鉢
内に水のみを充満させると当然撥水物質の撥水効果によ
り、水は鉢中心にはじかれる力が働き水と鉢表面に薄い
空気層を形成したわずかな撥水性隙間を形成しているこ
とが確認出来る。これは蓮の花の葉に水滴を落とすと水
滴が銀色に見え葉の表面を転がる状態と非常に近似の現
象である。このような鉢に培土を充填し散水すると、従
来の鉢の時に現れる、培土の保水性、鉢表面の親水
性(濡れ性)、鉢表面の水の表面張力の相乗効果によ
る鉢表面近傍(含培土表面外周層)の保水力条件が鉢表
面の撥水性により崩れ、従来の鉢における過剰湿潤状態
の培土表面外周層が形成不可能となる。かくして、撥水
性物質で被覆した鉢の散水後の鉢断面方向の水の密度分
布は、図2に示す如く、図1に示した従来型と全く異な
った分布を示している。ちなみに、同一寸法、同一条件
の従来の鉢と撥水性物質で被覆した鉢を用い、同一培土
を用い、同一充填量で、各々同一水量を培土上面より散
水し30分後の下部排水穴からの排水量を測定すると、
排水量は「従来の鉢<撥水性物質で被覆した鉢」の結果
となり、撥水物質層の形成効果が認められる。以上か
ら、従来の鉢断面方向の外周から中心部における急激な
湿潤勾配や培土外周層の湿潤レベルの高さに比し、撥水
性物質被覆鉢では湿潤勾配は大巾に改善され且つ培土外
周層の湿潤レベルも大幅に改善され、均一に且つ適度な
三相条件が形成され、根にとって、より優れた育生条件
が確保されているものと考えられる。
物質で被覆した場合は、例えば鉢の底の穴に栓をして鉢
内に水のみを充満させると当然撥水物質の撥水効果によ
り、水は鉢中心にはじかれる力が働き水と鉢表面に薄い
空気層を形成したわずかな撥水性隙間を形成しているこ
とが確認出来る。これは蓮の花の葉に水滴を落とすと水
滴が銀色に見え葉の表面を転がる状態と非常に近似の現
象である。このような鉢に培土を充填し散水すると、従
来の鉢の時に現れる、培土の保水性、鉢表面の親水
性(濡れ性)、鉢表面の水の表面張力の相乗効果によ
る鉢表面近傍(含培土表面外周層)の保水力条件が鉢表
面の撥水性により崩れ、従来の鉢における過剰湿潤状態
の培土表面外周層が形成不可能となる。かくして、撥水
性物質で被覆した鉢の散水後の鉢断面方向の水の密度分
布は、図2に示す如く、図1に示した従来型と全く異な
った分布を示している。ちなみに、同一寸法、同一条件
の従来の鉢と撥水性物質で被覆した鉢を用い、同一培土
を用い、同一充填量で、各々同一水量を培土上面より散
水し30分後の下部排水穴からの排水量を測定すると、
排水量は「従来の鉢<撥水性物質で被覆した鉢」の結果
となり、撥水物質層の形成効果が認められる。以上か
ら、従来の鉢断面方向の外周から中心部における急激な
湿潤勾配や培土外周層の湿潤レベルの高さに比し、撥水
性物質被覆鉢では湿潤勾配は大巾に改善され且つ培土外
周層の湿潤レベルも大幅に改善され、均一に且つ適度な
三相条件が形成され、根にとって、より優れた育生条件
が確保されているものと考えられる。
【0015】特に、撥水性物質で表面を被覆したポット
を備えた育苗トレイでのプラグ苗を育生した場合、ポッ
ト表面、いわゆる撥水層(薄膜空気層)領域での枝根、
根毛の発生・生育が著しく、播種から定植迄の2〜3週
間の短期間にかかわらず、従来のポットでは不可能と思
われる根鉢が形成され易く、従って移植・定植後の活着
性を一段と高めることができる。育苗及び栽培技術で
は、よく根は水を追っかけ、空気を追っかけ乍ら生長す
ると云われるが、撥水性物質被覆面を含む培土外周層は
適度の湿潤と適度の空気が共存出来るため、根にとって
理想的な環境を創出し、苗及び植物の品質(葉、茎、
根)が改善されるものと考えられる。
を備えた育苗トレイでのプラグ苗を育生した場合、ポッ
ト表面、いわゆる撥水層(薄膜空気層)領域での枝根、
根毛の発生・生育が著しく、播種から定植迄の2〜3週
間の短期間にかかわらず、従来のポットでは不可能と思
われる根鉢が形成され易く、従って移植・定植後の活着
性を一段と高めることができる。育苗及び栽培技術で
は、よく根は水を追っかけ、空気を追っかけ乍ら生長す
ると云われるが、撥水性物質被覆面を含む培土外周層は
適度の湿潤と適度の空気が共存出来るため、根にとって
理想的な環境を創出し、苗及び植物の品質(葉、茎、
根)が改善されるものと考えられる。
【0016】撥水性物質で被覆した土壌充填材、石や砂
を培土や土壌中に混入させた場合、又は撥水性物質の粒
状物や粉状物を直接培土や土壌中に混入した場合におい
ても、それらの撥水性物質層の表面では上記と同様の現
象が起きているものと考えられる。こうした植物の根の
成長は優れた根張り状態を形成するだけではなく、土中
の肥料の吸肥能力を高めることになり、過剰肥料浸けに
せずとも適性肥料で従来法よりも優れた育成、収穫をも
たらし、肥料による作後土壌汚染も大巾に改善されるこ
とになり、収穫日を早めることも可能となる。また根部
の成長は土中深さ方向にも好影響をもたらし、従来法に
比し灌水不足にも長時間耐える好結果をもたらすことに
なる。これは土中水分の吸水能力の差によるものと考え
られる。本発明は従来の育苗用培土研究の域を脱却し、
全く新しい育苗技術、栽培技術領域を開拓した画期的な
発明である。
を培土や土壌中に混入させた場合、又は撥水性物質の粒
状物や粉状物を直接培土や土壌中に混入した場合におい
ても、それらの撥水性物質層の表面では上記と同様の現
象が起きているものと考えられる。こうした植物の根の
成長は優れた根張り状態を形成するだけではなく、土中
の肥料の吸肥能力を高めることになり、過剰肥料浸けに
せずとも適性肥料で従来法よりも優れた育成、収穫をも
たらし、肥料による作後土壌汚染も大巾に改善されるこ
とになり、収穫日を早めることも可能となる。また根部
の成長は土中深さ方向にも好影響をもたらし、従来法に
比し灌水不足にも長時間耐える好結果をもたらすことに
なる。これは土中水分の吸水能力の差によるものと考え
られる。本発明は従来の育苗用培土研究の域を脱却し、
全く新しい育苗技術、栽培技術領域を開拓した画期的な
発明である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでは
ない。 実施例 上部直径200mm、下部直径160mm、高さ220mmの
紙製栽培用鉢及び塩化ビニルシート真空成形栽培用鉢を
溶融状のポリエチレンワックス中に浸漬して、鉢の表面
にそれぞれ厚さ約0.3mmのポリエチレンワックス皮膜
を形成した。得られた鉢にみまさ園芸培土(商品名)を
入れ、レタスコーティング種を播種した。また、比較の
ために、ポリエチレンワックス皮膜を形成していない紙
製栽培用鉢、塩化ビニル樹脂シートの真空成形栽培用鉢
を用いて、同様の育苗テストを実施した。結果を表1に
示す。
説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでは
ない。 実施例 上部直径200mm、下部直径160mm、高さ220mmの
紙製栽培用鉢及び塩化ビニルシート真空成形栽培用鉢を
溶融状のポリエチレンワックス中に浸漬して、鉢の表面
にそれぞれ厚さ約0.3mmのポリエチレンワックス皮膜
を形成した。得られた鉢にみまさ園芸培土(商品名)を
入れ、レタスコーティング種を播種した。また、比較の
ために、ポリエチレンワックス皮膜を形成していない紙
製栽培用鉢、塩化ビニル樹脂シートの真空成形栽培用鉢
を用いて、同様の育苗テストを実施した。結果を表1に
示す。
【0018】
【発明の効果】表1の結果から明らかな如く、本発明に
よれば、生育性、培土表面の根鉢性、培土保型性、根毛
発生数、根毛長さ及び収穫時の鉢からの離型性並びに定
植後の活着性が極めて良好で、生育の不揃性も大巾に改
善されていることがわかる。本発明は、前記した通り、
撥水性物質層の存在下で栽培することにより、過剰の水
分が排除されてその間隙に空気が導入され、理想的な固
・気・液の三相分布が実現されることによるものと考え
られる。これはエアープルーニング法による過度の乾燥
による根痛み、根老化の発生の課題を解決するのみなら
ず、育苗中に限定されるエアープルーニング法に比べ、
本発明は育苗中はもとより定植後の栽培中の土壌環境に
迄導入可能で、育苗、定植、栽培、収穫迄一貫してその
効果を発揮させることが可能で、品質、収率の向上はも
とより過剰肥料による土壌汚染、河川、沼湖汚染の防止
にも貢献する全く新しい栽培技術である。
よれば、生育性、培土表面の根鉢性、培土保型性、根毛
発生数、根毛長さ及び収穫時の鉢からの離型性並びに定
植後の活着性が極めて良好で、生育の不揃性も大巾に改
善されていることがわかる。本発明は、前記した通り、
撥水性物質層の存在下で栽培することにより、過剰の水
分が排除されてその間隙に空気が導入され、理想的な固
・気・液の三相分布が実現されることによるものと考え
られる。これはエアープルーニング法による過度の乾燥
による根痛み、根老化の発生の課題を解決するのみなら
ず、育苗中に限定されるエアープルーニング法に比べ、
本発明は育苗中はもとより定植後の栽培中の土壌環境に
迄導入可能で、育苗、定植、栽培、収穫迄一貫してその
効果を発揮させることが可能で、品質、収率の向上はも
とより過剰肥料による土壌汚染、河川、沼湖汚染の防止
にも貢献する全く新しい栽培技術である。
【図1】従来の栽培用鉢における給水後の鉢断面方向の
水の密度分布を示す説明図である。
水の密度分布を示す説明図である。
【図2】撥水性物質で被覆した栽培用鉢における給水後
の鉢断面方向の水の密度分布を示す説明図である。
の鉢断面方向の水の密度分布を示す説明図である。
【表1】
Claims (8)
- 【請求項1】 発泡スチロールビーズ、発泡スチロール
成形体粉砕物、ワラ、草等の充填材の一部又は全部を撥
水性物質で被覆してなる土壌充填材。 - 【請求項2】 土壌を構成する石又は砂の一部又は全部
を撥水性物質で被覆してなる土壌。 - 【請求項3】 撥水性物質の粒状物又は粉状物を含有し
てなる土壌。 - 【請求項4】 容器の内面の一部又は全部を撥水性物質
で被覆してなる栽培容器。 - 【請求項5】 請求項1記載の土壌充填材を用いて栽培
することを特徴とする植物の栽培方法。 - 【請求項6】 請求項2記載の土壌を用いて栽培するこ
とを特徴とする植物の栽培方法。 - 【請求項7】 請求項3記載の土壌を用いて栽培するこ
とを特徴とする植物の栽培方法。 - 【請求項8】 請求項4記載の栽培容器を用いて栽培す
ることを特徴とする植物の栽培方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4032543A JPH05192033A (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 土壌充填材、土壌、栽培容器及びそれらを用いる栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4032543A JPH05192033A (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 土壌充填材、土壌、栽培容器及びそれらを用いる栽培方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05192033A true JPH05192033A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=12361852
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4032543A Withdrawn JPH05192033A (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 土壌充填材、土壌、栽培容器及びそれらを用いる栽培方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05192033A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0750925A (ja) * | 1993-08-11 | 1995-02-28 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 人工土壌構造体 |
| JP2002212906A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-07-31 | Gaeart Kumagai Co Ltd | 舗装用処理材及びこれを用いる舗装の処理方法 |
| JP2009508469A (ja) * | 2005-07-20 | 2009-03-05 | ジフィー インターナショナル エーエス | 培養培地及び植物の栽培方法 |
| CN107711366A (zh) * | 2017-09-28 | 2018-02-23 | 李利恒 | 一种有机水稻种植方法 |
| CN108077002A (zh) * | 2018-01-17 | 2018-05-29 | 上海市农业生物基因中心 | 一种水稻扎根能力的新鉴定方法 |
-
1992
- 1992-01-22 JP JP4032543A patent/JPH05192033A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0750925A (ja) * | 1993-08-11 | 1995-02-28 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 人工土壌構造体 |
| JP2002212906A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-07-31 | Gaeart Kumagai Co Ltd | 舗装用処理材及びこれを用いる舗装の処理方法 |
| JP2009508469A (ja) * | 2005-07-20 | 2009-03-05 | ジフィー インターナショナル エーエス | 培養培地及び植物の栽培方法 |
| CN107711366A (zh) * | 2017-09-28 | 2018-02-23 | 李利恒 | 一种有机水稻种植方法 |
| CN108077002A (zh) * | 2018-01-17 | 2018-05-29 | 上海市农业生物基因中心 | 一种水稻扎根能力的新鉴定方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990408 |