JPH05194306A - 新規な四置換ジフェノキノンおよびその製造法 - Google Patents

新規な四置換ジフェノキノンおよびその製造法

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JPH05194306A
JPH05194306A JP33766991A JP33766991A JPH05194306A JP H05194306 A JPH05194306 A JP H05194306A JP 33766991 A JP33766991 A JP 33766991A JP 33766991 A JP33766991 A JP 33766991A JP H05194306 A JPH05194306 A JP H05194306A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C46/00Preparation of quinones
    • C07C46/02Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures
    • C07C46/06Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring
    • C07C46/08Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures of at least one hydroxy group on a six-membered aromatic ring with molecular oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規で機能性材料として有用な四置換ジフェ
ノキノン化合物およびその製造法を提供すること。 【構成】 【化1】 (但し、式中R1 , R2 , R3 , R4 は炭素原子数が1
〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
異であってもよいが、それらのうち少なくとも2個が第
4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
個以上の原子団である)で表される化合物であることを
特徴とする新規な四置換ジフェノキノンおよびその製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な四置換ジフェノ
キノン化合物およびその製造法に関するものである。本
発明によって得られる色素は、機能性材料として有用な
化合物である。
【0002】
【従来の技術】横山らはJapan Hardcop
y,77(1990)およびJapanHardcop
y,71(1989)ならびにJ.Chem.Soc.
Commun.,222(1990)において四置換ジ
フェノキノン化合物が電子写真感光体の有機エレクトロ
ン輸送材料として使用することを試みている。しかしな
がら、現在、実用化レベルの性能がまだ得られておら
ず、今後ジフェノキノンの置換基を設計することにより
さらなる電気特性の向上が期待される。また、これらの
ジフェノキノン化合物は広く有機合成において用いられ
ている2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベン
ゾキノンのごとく酸化剤としても使用できることも期待
されている。なお、四置換ジフェノキノン化合物の合成
については、「METHODEN DER ORGAN
ISCEN CHEMIE、(HOUBEN−WEY
L)」のBAND ▲七▼/3b,「CHINON
E」,TEIL ▲二▼(195頁,1979年,G.
THIEME社)に記載されているが同種類の極めて簡
単な置換基を四個有したものに限られているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは四置換ジ
フェノキノン化合物の機能性を向上させるため、その置
換基の構造と性質との関係について研究を重ね、目的と
する機能性材料としての化合物の合成法、構造および性
質を明らかにするために多数の実験を行い本発明を完成
した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明らは、
【化5】
【0005】(但し、式中R1 , R2 , R3 , R4 は炭
素原子数が1〜10個である炭素水素基であり、それら
は同一でも別異であってもよいが、それらのうち少なく
とも2個が第4級炭素原子を介して核に置換している炭
素原子数が4個以上の原子団である)で表される化合物
であることを特徴とする新規な四置換ジフェノキノンを
発明したものである。なお、ジフェノキノン骨格に直接
結合している置換基がフェニル基である場合とか第3級
アルキル基である場合は結合位置の炭素原子に水素原子
を有していないためこれは第4級炭素原子であるとい
う。
【0006】また、本発明の化5で表される四置換ジフ
ェノキノンは、
【化6】
【0007】(但し、式中R1 , R2 は炭素原子数が1
〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
異であってもよいが、それらのうち少なくとも1個が第
4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
個以上の原子団である)で表される二置換ジフェノキノ
ールまたは/および
【0008】
【化7】
【0009】(但し、式中R3 , R4 は炭素原子数が1
〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
異であってもよいが、それらのうち少なくとも1個が第
4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
個以上の原子団である)で表される二置換フェノールを
極性溶媒中において銅塩−第3級アミン錯体触媒の存在
下において分子状酸素と接触させることによって化5で
示される四置換ジフェノキノン化合物になることが見い
だされたのである。
【0010】化5〜化7においてR1 , R2 , R3 , R
4 は炭素原子数が1〜10個である炭素水素基であり、
それらは同一でも別異であってもよいがそれらの中に第
4級炭素原子を介して核に置換(生成目的物にあっては
少なくとも2個、原料にあっては少なくとも1個が置
換)しているのである。代表的な炭化水素基を示すとt
−ブチル基、α,α,β−トリメチルプロピル基、α,
α,γ−トリメチルプロピル基、t−アミル基、α,
α,γ,γ−テトラメチルブチル基、α,α,γ,γ−
テトラメチルエチル基、α,α,γ,γ−テトラメチル
プロピル基、α,α,β,β−テトラメチルブチル基、
α,α,β,γ−テトラメチルブチル基、トリアリルメ
チル基、α−メチルシクロヘキシル基、α−メチルシク
ロペンチル基、α−メチルシクロヘキセニル基、α−メ
チルシクロペンテニル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、α−メチルベンジル基、α−エチ
ルベンジル基、α−アリルベンジル基、α−フェニルベ
ンジル基、α−ナフチルベンジル基、トリフェニメチル
基等である。
【0011】極性溶媒とは水、アルコール類、アルデヒ
ド類、ケトン類、カルボン酸類、酸アミド類、ニトリル
類、ニトロ化炭化水素等であるが、本発明の原料および
生成物の溶解度とか反応条件ならびに価格等を考慮すれ
ばアルコール類がもっとも適しており例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールが普通用い
られる。
【0012】銅塩−第3級アミン錯体触媒の銅塩として
は第1銅塩、第2銅塩のいずれでもよいが本発明には第
1銅塩が適しており、例えば塩化第1銅、臭化第1銅、
沃化第1銅、各種第2銅塩と金属銅もしくは酸化銅との
混合物、各種第2銅塩の部分還元物が用いられる。
【0013】また、第3級アミンとはトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルトルイジン、ジ
エチルアニリン、テトラメチルエチレンジアミン、ペン
タメチルジエチレントリアミン、メチルモルホリン、エ
チルモルホリン、メチルピペリジン、ジメチルピペラジ
ン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン、ヘキサ
メチレンテトラミン等があるが、本発明にとくに便利に
用いられるのは低級脂肪族アミンはテトラメチルエチレ
ンジアミン、メチルモルホリン、ジメチルピペラジン、
トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジ
アミンである。分子状酸素とは酸素ガス、酸素−窒素ガ
ス混合物(空気)、酸素−炭酸ガス混合物等である。
【0014】化2および化3で示される二置換フェノー
ルは、具体的には、2−(α,α,γ,γ−テトラメチ
ルブチル)−6−フェニルフェノール、2−(α,γ−
ジメチルブチル)−6−フェニルフェノール、2−メチ
ル−6−(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)フェ
ノール、2−(α−メチルプロピル)−6−(α,α,
γ,γ−テトラメチルブチル)フェノール、2−メチル
−6−(α−メチルベンジル)フェノール、2−(α−
メチルプロピル)−6−(α−メチルベンジル)フェノ
ール等の単独または混合物である。
【0015】次に本発明の一般的な反応方法を説明す
る。ジフェノキノン化合物は、二置換フェノールを酸化
的カップリングさせることにより得られ、酸化剤として
過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、二酸化鉛、フ
ェリシアン化カリウム、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀とセラ
イトとから調製されるフェチゾン試薬などがよく使用さ
れている。しかし、本発明者らは核置換基として嵩高く
而もその中には化学的に安定でない炭化水素基を有する
2,6−二置換フェノールを置換基部分に不必要な化学
変化を与えることなく、而も置換基の立体的な障害に打
ち勝って円滑に目的とする酸化的カップリングを進行さ
せるための温和な反応条件を選択する必要にせまられ
た。そして遂に多数の実験の結果特殊な反応方法を開発
することに成功し本発明の方法を完成したのである。す
なわち、代表的な方法としては、極性溶媒たとえば高濃
度のアルコール中に、二置換フェノール100部とハロ
ゲン化第1銅1部、テトラアルキルエチレンジアミン1
〜5部を投入し攪拌し乍ら0〜60°Cにおいて酸素ま
たは空気をフラスコ内気相部に流通させ酸化的カップリ
ングを行わせるのである。反応終了後、析出した結晶を
ろ別、洗浄、乾燥する。次いで、トルエンなどの適当な
有機溶剤で再結晶し精製する。
【0016】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが本発明は実施例に示したもののみに限定して解釈
されるべきでないのは勿論である。 実施例1 3,3´−ジ(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)
−5,5−ジフェニル−4,4´−ジフェノキノンの合
成 酸素ガス導入管、廃ガス排出管、攪拌機を備えた500
mlのセパラブルフラスコに2−(α,α,γ,γ−テ
トラメチルブチル)−6−フェニルフェノール50g、
塩化第1銅0.5g、(テトラメチルエチレンジアミン
1.15g、95%エタノール250ml仕込み、攪拌
し均一溶液としたのち純酸素ガスをフラスコ内気相部に
流通しながら30〜35°Cにおいて5時間反応させ
た。反応終了後、析出した結晶をろ別し、水洗、乾燥し
た。次いで、得られた生成物をトルエンから再結晶して
精製した。目的物の収量は29g(収率 58%)であ
った。
【0017】精製した生成物の分析結果は次の通りであ
った。 融点;203° 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.8 8.5 4.7 計算値(%) 85.7 8.6 5.7(C40482 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠剤で測定 νC=O 、C=C 、1600cm-1 νCH3 2950cm-1 δC-H 770,700cm-1 、2000〜1700
(モノ置換ベンゼン)
【0018】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表1のとおり
である。
【表1】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 560、フラグメントピーク 50
4、433、57
【0019】実施例2 3,3´−ビス(α,γ−ジメチルブチル)−5,5´
−ジフェニル−4,4´−ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−(α,γ−ジメチルブチ
ル)−6−フェニルフェノールに変え、また塩化第1銅
のかわりに臭化第1銅を用いて23〜27°Cにおいて
て、実施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製し
た。目的物の収量は34g(収率 69%)であった。
【0020】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点:176℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.8 7.9 5.3 計測値(%) 85.7 8.0 6.3(C36402 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC=0 、C=C 1620,1600,1580cm-1 νCH3 2950cm-1 δCH 755,695cm-1(モノ置換ベンゼン)
【0021】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表2のとおり
である。
【表2】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 504、フラグメントピーク 44
9,43,44
【0022】実施例3 3,3´−ジメチル−5,5´−ジ(α,α,γ,γ−
テトラメチルブチル)−4,4´−ジフェノキノンの合
成 原料の二置換フェノールを2−メチル−6−(α,α,
γ,γ−テトラメチルブチル)フェノールに変えまたテ
トラメチルエチレンジアミンのかわりにトリエチレンジ
アミンを用いて、実施例1と同様に反応させ生成物を分
離後精製した。目的物の収量は30g(収率 61%)
であった。
【0023】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点:211℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 83.8 10.0 6.2 計測値(%) 82.5 10.2 7.3(C30442 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC=0 、C=C 1630,1600,1585cm-1 νCH3 2950cm-1 (CH3
【0024】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表3のとおり
である。
【表3】 MS(マスクスペクトル) 親ピーク m/e=436、フラグメントピーク 38
0,309
【0025】実施例4 3,3´−ジ(α−メチルプロピル)−5,5´−ビス
(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)−4,4´−
ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−(α−メチルプロピル)
−6−(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)フェノ
ールに変えまた塩化第1銅のかわりに塩化第二銅・酸化
第一銅等量混合部物を用いて10〜30°Cにおいて、
実施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製した。目
的物の収量は41g(収率 83%)であった。
【0026】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;156℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 85.0 10.6 4.4 計測値(%) 83.0 10.8 6.2(C36562 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC=0 、C=C 1630,1595cm-1 νC-H 2950cm-1 ( CH3
【0027】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表4のとおり
である。
【表4】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 520 フラグメントピーク46
4,393,57,41
【0028】実施例5 3,3´−ジメチル−5,5´−ジ(α−メチルベンジ
ル)−4,4´ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−メチル−6−(α−メチ
ルベンジル)−フェノールに変えて、実施例1と同様に
反応TG生成物を分離後精製した。目的物の収量は22
g(収率 44%)であった。
【0029】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;223℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 85.7 7.2 6.8 計測値(%) 86.0 7.2 7.1(C32322 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC-H (CH3) 2960cm-1 νC=0 、C=C 1630,1605,1590cm-1 δC-H 770,700cm-1 (モノ置換ベ
ンゼン)
【0030】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表5のとおり
である。
【表5】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 448、フラグメントピーク 43
3,357,343,119,91,15
【0031】実施例6 3,3´−ジ(α−メチルプロピル)−5,5´−ジ
(α−メチルベンジル)−4,4´−ジフェノキノンの
合成 原料の二置換フェノールを2−(α−メチルプロピル)
−6−(α−メチルベンジル)フェノールに変えて、実
施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製した。目的
物の収量は31g(収率 62%)であった。
【0032】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;156℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.3 8.2 5.5 計測値(%) 85.7 8.3 6.0(C38442 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC-H(CH3) 2950cm-1 νC=0 、C=C 1600cm-1 δC-H 760,675cm-1(モノ置換ベンゼン)
【0033】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表6のとおり
である。
【表6】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e=532、フラグメントピーク 45
4,427,119,91,41
【0034】
【発明の効果】本発明により新規で電子材料等として有
用な四置換ジフェノキノン化合物を得ることができる。
本化合物は電子的機能を有し産業上大いに役立つもので
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な四置換ジフェノ
キノン化合物およびその製造法に関するものである。本
発明によって得られる色素は、機能性材料として有用な
化合物である。
【0002】
【従来の技術】横山らはJapan Hardcop
y,77(1990)およびJapanHardcop
y,71(1989)ならびにJ.Chem.Soc.
Commun.,222(1990)において四置換ジ
フェノキノン化合物が電子写真感光体の有機エレクトロ
ン輸送材料として使用することを試みている。しかしな
がら、現在、実用化レベルの性能がまだ得られておら
ず、今後ジフェノキノンの置換基を設計することにより
さらなる電気特性の向上が期待される。また、これらの
ジフェノキノン化合物は広く有機合成において用いられ
ている2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベン
ゾキノンのごとく酸化剤としても使用できることも期待
されている。なお、四置換ジフェノキノン化合物の合成
については、「METHODEN DER ORGAN
ISCEN CHEMIE、(HOUBEN−WEY
L)」のBAND VII /3b,「CHINONE」,
TEILII(195頁,1979年,G.THIEME
社)に記載されているが同種類の極めて簡単な置換基を
四個有したものに限られているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは四置換ジ
フェノキノン化合物の機能性を向上させるため、その置
換基の構造と性質との関係について研究を重ね、目的と
する機能性材料としての化合物の合成法、構造および性
質を明らかにするために多数の実験を行い本発明を完成
した。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明らは、
【化5】
【0005】(但し、式中R1 , R2 , R3 , R4 は炭
素原子数が1〜10個である炭素水素基であり、それら
は同一でも別異であってもよいが、それらのうち少なく
とも2個が第4級炭素原子を介して核に置換している炭
素原子数が4個以上の原子団である)で表される化合物
であることを特徴とする新規な四置換ジフェノキノンを
発明したものである。なお、ジフェノキノン骨格に直接
結合している置換基がフェニル基である場合とか第3級
アルキル基である場合は結合位置の炭素原子に水素原子
を有していないためこれは第4級炭素原子であるとい
う。
【0006】また、本発明の化5で表される四置換ジフ
ェノキノンは、
【化6】
【0007】(但し、式中R1 , R2 は炭素原子数が1
〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
異であってもよいが、それらのうち少なくとも1個が第
4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
個以上の原子団である)で表される二置換フェノール
たは/および
【0008】
【化7】
【0009】(但し、式中R3 , R4 は炭素原子数が1
〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
異であってもよいが、それらのうち少なくとも1個が第
4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
個以上の原子団である)で表される二置換フェノールを
極性溶媒中において銅塩−第3級アミン錯体触媒の存在
下において分子状酸素と接触させることによって化5で
示される四置換ジフェノキノン化合物になることが見い
だされたのである。
【0010】化5〜化7においてR1 , R2 , R3 , R
4 は炭素原子数が1〜10個である炭素水素基であり、
それらは同一でも別異であってもよいがそれらの中に第
4級炭素原子を介して核に置換(生成目的物にあっては
少なくとも2個、原料にあっては少なくとも1個が置
換)しているのである。代表的な炭化水素基を示すとt
−ブチル基、α,α,β−トリメチルプロピル基、α,
α,γ−トリメチルプロピル基、t−アミル基、α,
α,γ,γ−テトラメチルブチル基、α,α,γ,γ−
テトラメチルエチル基、α,α,γ,γ−テトラメチル
プロピル基、α,α,β,β−テトラメチルブチル基、
α,α,β,γ−テトラメチルブチル基、トリアリルメ
チル基、α−メチルシクロヘキシル基、α−メチルシク
ロペンチル基、α−メチルシクロヘキセニル基、α−メ
チルシクロペンテニル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、α−メチルベンジル基、α−エチ
ルベンジル基、α−アリルベンジル基、α−フェニルベ
ンジル基、α−ナフチルベンジル基、トリフェニメチル
基等である。
【0011】極性溶媒とは水、アルコール類、アルデヒ
ド類、ケトン類、カルボン酸類、酸アミド類、ニトリル
類、ニトロ化炭化水素等であるが、本発明の原料および
生成物の溶解度とか反応条件ならびに価格等を考慮すれ
ばアルコール類がもっとも適しており例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールが普通用い
られる。
【0012】銅塩−第3級アミン錯体触媒の銅塩として
は第1銅塩、第2銅塩のいずれでもよいが本発明には第
1銅塩が適しており、例えば塩化第1銅、臭化第1銅、
沃化第1銅、各種第2銅塩と金属銅もしくは酸化銅との
混合物、各種第2銅塩の部分還元物が用いられる。
【0013】また、第3級アミンとはトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルトルイジン、ジ
エチルアニリン、テトラメチルエチレンジアミン、ペン
タメチルジエチレントリアミン、メチルモルホリン、エ
チルモルホリン、メチルピペリジン、ジメチルピペラジ
ン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン、ヘキサ
メチレンテトラミン等があるが、本発明にとくに便利に
用いられるのは低級脂肪族アミンはテトラメチルエチレ
ンジアミン、メチルモルホリン、ジメチルピペラジン、
トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジ
アミンである。分子状酸素とは酸素ガス、酸素−窒素ガ
ス混合物(空気)、酸素−炭酸ガス混合物等である。
【0014】化2および化3で示される二置換フェノー
ルは、具体的には、2−(α,α,γ,γ−テトラメチ
ルブチル)−6−フェニルフェノール、2−(α,γ−
ジメチルブチル)−6−フェニルフェノール、2−メチ
ル−6−(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)フェ
ノール、2−(α−メチルプロピル)−6−(α,α,
γ,γ−テトラメチルブチル)フェノール、2−メチル
−6−(α−メチルベンジル)フェノール、2−(α−
メチルプロピル)−6−(α−メチルベンジル)フェノ
ール等の単独または混合物である。
【0015】次に本発明の一般的な反応方法を説明す
る。ジフェノキノン化合物は、二置換フェノールを酸化
的カップリングさせることにより得られ、酸化剤として
過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、二酸化鉛、フ
ェリシアン化カリウム、酸化銀、炭酸銀、硝酸銀とセラ
イトとから調製されるフェチゾン試薬などがよく使用さ
れている。しかし、本発明者らは核置換基として嵩高く
而もその中には化学的に安定でない炭化水素基を有する
2,6−二置換フェノールを置換基部分に不必要な化学
変化を与えることなく、而も置換基の立体的な障害に打
ち勝って円滑に目的とする酸化的カップリングを進行さ
せるための温和な反応条件を選択する必要にせまられ
た。そして遂に多数の実験の結果特殊な反応方法を開発
することに成功し本発明の方法を完成したのである。す
なわち、代表的な方法としては、極性溶媒たとえば高濃
度のアルコール中に、二置換フェノール100部とハロ
ゲン化第1銅1部、テトラアルキルエチレンジアミン1
〜5部を投入し攪拌し乍ら0〜60°Cにおいて酸素ま
たは空気をフラスコ内気相部に流通させ酸化的カップリ
ングを行わせるのである。反応終了後、析出した結晶を
ろ別、洗浄、乾燥する。次いで、トルエンなどの適当な
有機溶剤で再結晶し精製する。
【0016】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが本発明は実施例に示したもののみに限定して解釈
されるべきでないのは勿論である。 実施例1 3,3´−ジ(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)
−5,5−ジフェニル−4,4´−ジフェノキノンの合
成 酸素ガス導入管、廃ガス排出管、攪拌機を備えた500
mlのセパラブルフラスコに2−(α,α,γ,γ−テ
トラメチルブチル)−6−フェニルフェノール50g、
塩化第1銅0.5gテトラメチルエチレンジアミン
1.15g、95%エタノール250ml仕込み、攪拌
し均一溶液としたのち純酸素ガスをフラスコ内気相部に
流通しながら30〜35°Cにおいて5時間反応させ
た。反応終了後、析出した結晶をろ別し、水洗、乾燥し
た。次いで、得られた生成物をトルエンから再結晶して
精製した。目的物の収量は29g(収率 58%)であ
った。
【0017】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;203° 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.8 8.5 4.7 計算値(%) 85.7 8.6 5.7(C40482 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠剤で測定 νC=O 、C=C 、1600cm-1 νCH3 2950cm-1 δC-H 770,700cm-1 、2000〜1700
(モノ置換ベンゼン)
【0018】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
1 NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表1のとおり
である。
【表1】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 560、フラグメントピーク 50
4、433、57
【0019】実施例2 3,3´−ビス(α,γ−ジメチルブチル)−5,5´
−ジフェニル−4,4´−ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−(α,γ−ジメチルブチ
ル)−6−フェニルフェノールに変え、また塩化第1銅
のかわりに臭化第1銅を用いて23〜27°Cにおい
、実施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製し
た。目的物の収量は34g(収率 69%)であった。
【0020】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点:176℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.8 7.9 5.3 計測値(%) 85.7 8.0 6.3(C36402 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
で測定 νC=0 、C=C 1620,1600,1580cm-1 νCH3 2950cm-1 δCH 755,695cm-1(モノ置換ベンゼン)
【0021】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
1 NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表2のとおり
である。
【表2】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 504、フラグメントピーク 44
9,43,44
【0022】実施例3 3,3´−ジメチル−5,5´−ビス(α,α,γ,γ
−テトラメチルブチル)−4,4´−ジフェノキノンの
合成 原料の二置換フェノールを2−メチル−6−(α,α,
γ,γ−テトラメチルブチル)フェノールに変えまたテ
トラメチルエチレンジアミンのかわりにトリエチレンジ
アミンを用いて、実施例1と同様に反応させ生成物を分
離後精製した。目的物の収量は30g(収率 61%)
であった。
【0023】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点:211℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 83.8 10.0 6.2 計測値(%) 82.5 10.2 7.3(C30442 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
剤で測定 νC=0 、C=C 1630,1600,1585cm-1 νCH3 2950cm-1
【0024】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
1 NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表3のとおり
である。
【表3】 MS(マスクスペクトル) 親ピーク m/e=436、フラグメントピーク 38
0,309
【0025】実施例4 3,3´−ジ(α−メチルプロピル)−5,5´−ビス
(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)−4,4´−
ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−(α−メチルプロピル)
−6−(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)フェノ
ールに変えまた塩化第1銅のかわりに塩化第二銅・酸化
第一銅等量混合部物を用いて10〜30°Cにおいて、
実施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製した。目
的物の収量は41g(収率 83%)であった。
【0026】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;156℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 85.0 10.6 4.4 計測値(%) 83.0 10.8 6.2(C36562 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
で測定 νC=0 、C=C 1630,1595cm-1 νCH3 2950cm-1
【0027】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
1 NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表4のとおり
である。
【表4】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 520 フラグメントピーク46
4,393,57,41
【0028】実施例5 3,3´−ジメチル−5,5´−ビス(α−メチルベン
ジル)−4,4´ジフェノキノンの合成 原料の二置換フェノールを2−メチル−6−(α−メチ
ルベンジル)−フェノールに変えて、実施例1と同様に
応生成物を分離後精製した。目的物の収量は22g
(収率 44%)であった。
【0029】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;223℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 85.7 7.2 6.8 計測値(%) 86.0 7.2 7.1(C32322 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
で測定 νC-H (CH3) 2960cm-1 νC=0 、C=C 1630,1605,1590cm-1 δC-H 770,700cm-1 (モノ置換ベ
ンゼン)
【0030】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
1 NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表5のとおり
である。
【表5】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e 448、フラグメントピーク 43
3,357,343,119,91,15
【0031】実施例6 3,3´−ジ(α−メチルプロピル)−5,5´−ビス
(α−メチルベンジル)−4,4´−ジフェノキノンの
合成 原料の二置換フェノールを2−(α−メチルプロピル)
−6−(α−メチルベンジル)フェノールに変えて、実
施例1と同様に反応させ生成物を分離後精製した。目的
物の収量は31g(収率 62%)であった。
【0032】精製した生成物の性質ならびに分析結果は
次の通りであった。 融点;156℃ 元素分析値 C H O 実測値(%) 86.3 8.2 5.5 計測値(%) 85.7 8.3 6.0(C38442 として) IR(赤外吸収スペクトル) KBr錠
で測定 νCH3 2950cm-1 νC=0 、C=C 1600cm-1 δC-H 760,675cm-1(モノ置換ベンゼン)
【0033】この化合物の重アセトン溶媒で測定したH
NMR(核磁気共鳴スペクトル)は次の表6のとおり
である。
【表6】 MS(マススペクトル) 親ピーク m/e=532、フラグメントピーク 45
4,427,119,91,41
【0034】
【発明の効果】本発明により新規で電子材料等として有
用な四置換ジフェノキノン化合物を得ることができる。
本化合物は電子的機能を有し産業上大いに役立つもので
ある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 (但し、式中R1 , R2 , R3 , R4 は炭素原子数が1
    〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
    異であってもよいが、それらのうち少なくとも2個が第
    4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
    個以上の原子団である)で表される化合物であることを
    特徴とする新規な四置換ジフェノキノン。
  2. 【請求項2】 化1で表される化合物が、3,3´−ビ
    ス(α,α,γ,γ−テトラメチルブチル)−5,5´
    −ジフェニル−4,4´−ジフェノキノンである請求項
    1に記載の新規な四置換ジフェノキノン。
  3. 【請求項3】 化1で表される化合物が、3,3´−ビ
    ス(α,γ−ジメチルブチル)−5,5´−ジフェニル
    −4,4´−ジフェノキノンである請求項1に記載の新
    規な四置換ジフェノキノン。
  4. 【請求項4】 化1で表される化合物が、3,3´−ジ
    メチル−5,5´−ビス(α,α,γ,γ−テトラメチ
    ルブチル)−4,4´−ジフェノキノンである請求項1
    に記載の新規な四置換ジフェノキノン。
  5. 【請求項5】 化1で表される化合物が、3,3´−ジ
    (α−メチルプロピル)−5,5´−ビス(α,α,
    γ,γ−テトラメチルブチル)−4,4´−ジフェノキ
    ノンである請求項1項に記載の新規な四置換ジフェノキ
    ノン。
  6. 【請求項6】 化1で表される化合物が、3,3´−ジ
    メチル−5,5´−ビス(α−メチルベンジル)−4,
    4´−ジフェノキノンである請求項1に記載の新規な四
    置換ジフェノキノン。
  7. 【請求項7】 化1で表される化合物が、3,3´−ジ
    (α−メチルプロピル)−5,5´−ビス(α−メチル
    ベンジル)−4,4´−ジフェノキノンである請求項1
    に記載の新規な四置換ジフェノキノン。
  8. 【請求項8】 【化2】 (但し、式中R1 , R2 は炭素原子数が1〜10個であ
    る炭素水素基であり、それらは同一でも別異であっても
    よいが、それらのうち少なくとも1個が第4級炭素原子
    を介して核に置換している炭素原子数が4個以上の原子
    団である)で表される二置換フェノールまたは/および 【化3】 (但し、式中R3 , R4 は炭素原子数が1〜10個であ
    る炭素水素基であり、それらは同一でも別異であっても
    よいが、それらのうち少なくとも1個が第4級炭素原子
    を介して核に置換している炭素原子数が4個以上の原子
    団である)で表される二置換フェノールを極性溶媒中に
    おいて銅塩−第3級アミン錯体触媒の存在下において分
    子状酸素と接触させることを特徴とする 【化4】 (但し、式中R1 , R2 , R3 , R4 は炭素原子数が1
    〜10個である炭素水素基であり、それらは同一でも別
    異であってもよいが、それらのうち少なくとも2個が第
    4級炭素原子を介して核に置換している炭素原子数が4
    個以上の原子団である)で表される新規な四置換ジフェ
    ノキノンの製造法。
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