JPH05202177A - 生分解性共重合体、及びそれを含有する医薬品組成物 - Google Patents

生分解性共重合体、及びそれを含有する医薬品組成物

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JPH05202177A
JPH05202177A JP4225763A JP22576392A JPH05202177A JP H05202177 A JPH05202177 A JP H05202177A JP 4225763 A JP4225763 A JP 4225763A JP 22576392 A JP22576392 A JP 22576392A JP H05202177 A JPH05202177 A JP H05202177A
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hydroxy
proline
trans
copolymer
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Seiji Mochizuki
勢司 望月
Kiyoshi Nawata
清 縄田
Yuji Makino
悠治 牧野
Yoshiki Suzuki
嘉樹 鈴木
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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    • C08G63/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/68—Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen
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    • C08G63/6852—Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen containing nitrogen derived from hydroxy carboxylic acids
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    • A61K9/14—Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン類
を構成単位の1つとする生分解性で薬物の徐放性に優れ
た共重合体を提供する。 【構成】 式[I]及び式[II] [式中、Xは水素原子、又はRCO―で表わされるアシ
ル基(ここで、RはC 1 〜C20の炭化水素基又はアルコ
キシ基を表わす。)であり、Yは水素原子又はC1 〜C
8 のアルキル基であり、m及びnは各々1以上の整数で
あってm+nが少なくとも10であり、m/(m+n)
が少なくとも0.01である。]で表わされる共重合
体、及びそれと薬物とからなる医薬品組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性共重合体に関す
る。更に詳しくは、本発明はトランス―4―ヒドロキシ
―L―プロリン若しくはそのN―置換誘導体を構成単位
のひとつとする生分解性共重合体に関する。また、本発
明はこの共重合体と治療有効量の薬物とからなる医薬品
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多くの薬物が合成されたり、天然
物から抽出されたりなどして発見されてきている。これ
らの薬物は、生体(人体、家畜等)に注射されたりある
いは経口的に投与されて、治療薬として利用されてい
る。しかし、生体にこれらの薬物をそのまま投与して
も、なかなか期待した生理活性が発現されないことが多
い。それは、薬物が例えば胃腸管から十分に吸収されず
に消化又は排泄されてしまったり、血液中に入っても血
液中での安定性が極めて悪く、すぐに分解されて生理活
性を発現すべき作用部位にまで到達しなかったり、到達
しても量的に不十分であったりするためである。従っ
て、薬物の生理活性を最大限発揮させて、生体にとって
有益な治療薬とするためには、薬物の生体内での吸収、
分布、代謝、排泄等の動態を適切に制御して、薬物の作
用部位での量及び時間を最適化する必要がある。このよ
うな技術は一般的に医薬送達システム(DDS:Drug D
elivery System)と呼ばれている。
【0003】上記のような薬物の生体内での動態を制御
するには多くの手法があるが、大きく分けて薬物自身を
化学的に修飾する方法と薬物自身は変化させずそのまま
で、他の物質、すなわち担体(キャリヤー:carrier )
と共存させて組成物とすることによりこの担体の性質に
依存させて動態を制御する方法の二種類がある。
【0004】前者の方法も有効であり、prodrug とも呼
ばれて実用化された例があるが、薬物自身が化学的に修
飾されるので、もとの薬物と構造的には異なっている。
一方、後者の方法は薬物自身は何の変化も受けていない
ので、もとの薬物と同一である点で前者の方法より系が
単純であり、これまで多くの担体について試みがなされ
てきた。
【0005】このような担体としては例えばリポゾーム
(liposome)のようなリン脂質分子の分子集合体やポリ
乳酸、ポリグリコール酸、アルブミン、ゼラチン、コラ
ーゲン等の高分子類等があげられる。なかでも高分子類
については、古くから研究されており、種々の形態とし
て実用化されているものが多い(例えば「バイオデグラ
ダブル ポリマー アズ ドラッグ デリバリー シス
テム(Biodegradablepolymers as Drug Delivery Syste
ms )」M. Chasin, R. Langer編、Marcel Dekker 社
刊、1990年を参照)。
【0006】さて、このような薬物と担体とからなる医
薬品組成物は種々の目的で種々の形態に成型され種々の
方法で生体に投与される。
【0007】例えば全身作用あるいは局所作用を有する
薬物を徐放化する目的では、担体中に薬物を適当な方法
で包含させた後直径数十μmの微粒子に成型し、皮下あ
るいは筋肉内に注射して、注射部位で微粒子から薬物を
徐々に一定量放出させて長期間(通常約1週間以上、約
1年以内の範囲)、体内の薬物濃度を一定に維持しよう
という方法がある。あるいは同様の微粒子を関節内に注
射して、関節内の薬物濃度を長期間高濃度にかつ一定に
維持しようとする方法もある。
【0008】また、担体中に薬物を適当な方法で包含さ
せた後、数mmあるいはそれ以上のペレットに成型し、皮
下あるいは筋肉内に切開してペレットを投与し縫合後長
期間ペレットから薬物を一定量放出させ、放出後再び切
開して空のペレットを取り出す方法もある。
【0009】さらにまた、ワクチン剤の目的で、上述の
微粒子を経口投与して、腸管関連リンパ組織にとりこま
せ、免疫反応をおこして経口ワクチン剤としようとする
方法や、また、同様の微粒子を経鼻投与して気道関連リ
ンパ組織にとりこませワクチン剤とする方法もある。
【0010】上記のような目的と方法で使用される医薬
品組成物が有効で安全な治療薬となるためには、担体自
身が下記の性質を保有することが要求される。 生体組織と接触した際に生体側に炎症等の有害な反応
をひきおこさない低毒性で生体適合性の高い(Biocompa
tible )物質であること。 医薬品組成物からの薬物の放出を制御できること。 担体自身が生体内で分解され自然に消滅していく生分
解性である(biodegradable )ことが望ましいこと。 担体の分解物も低毒性であること。 生体への投与に適した形態に容易に成型できること、
また、成型物が製剤として適当な機械的強度を有するこ
と、等。
【0011】このような性質をもつ担体として今まで多
くの化合物が合成されたり天然から抽出されて試されて
きたが、その中でもポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸
・グリコール酸共重合体は、研究の歴史も古くそれら自
身が縫合糸としてすでに使用されていて安全性が確認さ
れていることから注目されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、ポリ乳
酸、ポリグリコール酸、乳酸・グリコール酸共重合体は
生分解性ポリマーとして、既に一部は微粒子状注射剤の
担体として実用化されてはいるが、その性質は必ずしも
満足すべきものではない。
【0013】例えば、ポリ乳酸やポリグリコール酸は結
晶性が高くまた非水溶性であるため加水分解速度が遅
く、またその速度を制御することも困難である。事実、
これらのポリマーと薬物とからなる医薬組成物を例えば
皮下に投与した場合、薬物が該組成物から放出された後
もポリマーだけが単独に長期間投与部位に残留するとい
う事態が発生する(木村、北尾、城谷:「高分子加工」
15, 327, 1988 )。
【0014】これらの問題点に関してはいくつかの解決
策が提案されてきた。例えば、ポリ乳酸を分子量約2,
000程度の低分子にすることにより易分解性とする方
法(特開昭61―172813号公報)が提案されてい
る。しかしこの方法では、成型性が悪いとか微粒子化
(マイクロカプセル化)が困難であるとか、の問題点が
指摘されている。
【0015】一方、乳酸・グリコール酸共重合体は共重
合体という構造ゆえに結晶性が低い。その結果上記のポ
リ乳酸、ポリグリコール酸と比較するとその加水分解速
度が大であり、ポリ乳酸、ポリグリコール酸に付随した
問題点は解決される。しかし、この共重合体を薬物の担
体として使用する時には、薬物の放出終了と担体の消失
の時間を一致させることができるものの、初期に比較的
多量の薬物が放出してしまい(初期バースト現象と呼ば
れる)、その後、放出速度が低下して、生体内への薬物
の持続的かつ有効な一定の放出が不可能となる。特にこ
の現象は薬物がペプチド、蛋白質等の親水性、水溶性の
薬物である場合に顕著であることが知られている(特開
平1―216917号公報)。
【0016】さて、この初期バースト現象は、薬物が強
力な生理活性を有する場合には生体に極めて重大な影響
をもたらす。すなわち、生理活性が強力であればある
程、その濃度は治療有効範囲内に厳重に制御されねばな
らない。従って、初期バースト現象を抑止する方法が上
記の乳酸・グリコール酸共重合体に限らず多くの他の生
分解性担体について提案されてきた。
【0017】例えば、Langerらは、ポリアンヒドリドを
用いて一定の放出速度をもつ、すなわち0次放出性生分
解性担体を提案しているが(Journal of Polymer Scien
cePart A, Vol.25, 3373 (1987))、水に対して著しく
分解性が高く取扱いが不便であること、あまりにも易分
解性であり、薬物を1ケ月以上の期間にわたって一定の
速度で放出させる担体とはなり得ぬこと、また、機械的
強度が弱いのでマイクロカプセル化が困難であること、
等の問題点が指摘されており、実用化されていない。
【0018】また、Hellerらは、ポリオルソエステルを
用いて一定の放出速度をもつ生分解性担体を提案してい
るが(米国特許第4,093,709号)、加水分解速
度の制御に添加物が必要であったり、生理活性物質が親
水性の場合にはやはり0次放出が達成できない、等の問
題点が指摘されており、実用化されていない。
【0019】更に、生体高分子であるコラーゲン、ゼラ
チン、アルブミン等を0次放出の生分解性担体として用
いる試みも古くから行なわれているが、抗原性が生じた
り、マイクロカプセル化が困難である等の問題点が指摘
されている。
【0020】また、これらの方法は何れも初期バースト
現象を抑止するために、新たな構造の担体を提案した結
果であるが、従来の乳酸・グリコール酸共重合体そのも
のを使用しても解決できるという提案もなされている。
【0021】例えば、薬物と乳酸・グリコール酸共重合
体とからなるマイクロカプセルを水中乾燥法で製造する
際に、内水相をゼラチンゲルとすることにより0次放出
を可能とする方法が報告されている(特開昭62―20
1816号公報)。しかし、この方法で0次放出を達成
できる薬物は、LH―RH類だけといわれており(小川
ら;International Journal of Pharmaceutics, 69, 69
-75 (1991))、多くの薬物に適用できる普遍的方法とは
いえない。また、薬物と担体との相互作用を増大させる
ために、薬物の誘導体と乳酸・グリコール酸共重合体と
からなる組成物を製造する方法が報告されているが(特
開昭63―41416号公報)、この方法も多くの薬物
に適用できる普遍的な方法ではない。
【0022】従って、生体適合性が高く、生分解性であ
り、特に初期バースト現象を抑止しうるような薬物の放
出性の制御が可能で、かつ各種の投与形態に成型が可能
であり、しかも成型物が機械的にも十分な強度をもつよ
うな担体となりうる普遍的な材料が求められている。ま
た、特に初期バースト現象が抑止されて薬物の放出性の
制御が可能なポリ乳酸類、ポリグリコール酸類、乳酸・
グリコール酸共重合体類が求められている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、下記式[I]及び
式[II]で表わされる構成単位を有する共重合体が上記
の課題を解決できることを知見して本発明に到達したも
のである。すなわち本発明は、式[I]及び式[II]
【0024】
【化2】
【0025】(式中、Xは水素原子、又はRCO―で表
わされるアシル基(ここで、RはC 1 〜C20の炭化水素
基又はC1 〜C20のアルコキシ基を表わす。)であり、
Yは水素原子又はC1 〜C8 のアルキル基であり、m及
びnは各々1以上の整数であってm+nが少なくとも1
0であり、m/(m+n)が少なくとも0.01であ
る。)で表わされる構成単位を有する共重合体である。
【0026】従来、式[III ]で表わされるポリ―[N
―アシル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン]
【0027】
【化3】
【0028】は既にLangerらにより報告されている(Ma
clomolecules 1989, 22, 3250-3255)。それによれば、
式[III ]中、R(C=O)―部分はパルミトイル、テ
トラデカノイル、デカノイル、ヘキサノイル、ピバロイ
ル、アセチルを表わし、m=約9〜41のポリマーの生
成が報告されている。また、このようなポリ―[N―ア
シル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン]は生
分解性であり、例えば薬物とともにマイクロカプセルに
成型されて医薬品組成物とし、薬物のデリバリーシステ
ム用材料としての用途が記載されている。その性質につ
いては多くは記載されていないが、ポリ―[N―パルミ
トイル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン]に
ついては疎水性が大きく、また、加水分解速度がポリ乳
酸よりも更に遅くなることが記載されている。このホモ
ポリマーを構成するトランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリンは天然のアミノ酸であり、特に結合組織を構成す
るコラーゲンの主成分であるところから、皮下注射剤あ
るいは筋肉内注射剤用の医薬品組成物の担体として期待
されている。しかしながら、このホモポリマーのままで
は医薬品組成物の担体としては利用が難しいのが現状で
ある。そして従来このポリ―[N―パルミトイル―トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン]等のポリ―[N
―アシル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン]
を医薬品組成物の担体として望ましい性質とするための
改良方法については提案されていない。まして乳酸、あ
るいはグリコール酸、あるいは乳酸・グリコール酸との
共重合体については記載がないだけでなく何ら示唆すら
されてもいない。
【0029】また、式[IV]、
【0030】
【化4】
【0031】で表わされるポリ―[N―ベンジルオキシ
カルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ン]は、実際に重合され生成されたことは報告されてい
ないが、その生成を示唆する記載がある(Biodegradabl
e polymer as Drug Delivery System; M. Chasin, R. L
anger 編、Marcel Dekker 社刊、1990年、PP. 202 )。
しかし、このポリマーの物性等については何の報告もな
く、まして乳酸及び/又はグリコール酸との共重合体に
ついては記載がないだけでなく何ら示唆もなされていな
いのである。
【0032】一方、シス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ンの重合体が動物のコラーゲン繊維の細胞接合を抑制す
る組成物として報告されているが(特開昭58―140
022号公報)、その重合体の物性等の詳細は不詳であ
り、いわんや乳酸及び/又はグリコール酸との共重合体
については示唆すらもない。
【0033】従って、本発明の化合物は、ポリ乳酸、ポ
リグリコール酸、あるいは乳酸・グリコール酸共重合体
の新規な類縁体であると同時に、ポリ―N―置換―ヒド
ロキシプロリンの新規な類縁体であることが理解されよ
う。
【0034】また、本発明により、前記式[I]及び式
[II]で表わされる構成単位を有する共重合体と治療有
効量の薬物とからなる医薬品組成物が提供される。
【0035】さらに、本発明により、前記式[I]及び
式[II]で表わされる構成単位を有する共重合体と治療
有効量の薬物からなる、平均径0.01〜400μmの
微粒子状の成型物である、より好ましくは0.05〜2
00μmの微粒子状の成型物である医薬品組成物が提供
される。
【0036】また、更に、本発明により、前記式[I]
及び式[II]で表わされる構成単位を有する共重合体と
治療有効量の薬物とからなる、平均粒径0.01〜40
0μmの微粒子状の成型物である、より好ましくは0.
05〜200μmの微粒子状の成型物である注射剤用、
経口用、又は経鼻用投与形態にある医薬品組成物が提供
される。
【0037】本発明において、前記式[I]中、Xは水
素原子、又はRCOで表わされるアシル基を表わす。本
発明のアシル基のRとしては、炭素数1〜20(C1 〜
C20)の炭化水素基、より具体的にはC1 〜C20のアル
キル基、好ましくはC4 〜C 18のアルキル基;C2 〜C
20のアルケニル基、好ましくはC4 〜C18のアルケニル
基;C6 〜C10の芳香族基、好ましくはC6 〜C8 の芳
香族基があげられる。そのような炭化水素基によるアシ
ル基としては、脂肪族又は芳香族アシル基があげられ、
例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノ
イル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オク
タノイル、デカノイル、テトラデカノイル、パルミトイ
ル、オレオイル、リノレオイル、リノレノイル基や、ベ
ンゾイル、トルオイル基等、あるいはこれらの炭素原子
が他の置換基によって置換されているものをあげること
ができる。他の置換基としては、例えば、アシル基がス
クシニル基、グルタリル基、アジピニル基、セバシル基
等となるようなカルボキシ基や、アミノスクシニル基、
アミノグルタリル基、アミノアジピニル基、アミノセバ
シル基となるようなアミド基があげられる。これらのな
かでも、アシル基としては、アセチル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基、デカノイル基、テトラデカノイル
基、パルミトイル基等が好ましい。
【0038】またRとしては、炭素数1〜20(C1 〜
C20)の脂肪族又は芳香族アルコキシ基、C1 〜C20の
脂肪族基、好ましくはC4 〜C8 のアルキル基;C7 〜
C10の芳香族基、好ましくはC7 〜C9 の芳香族基等既
述のアシル基におけるアルキル基及び芳香族基として例
示したものを含むものを有するアルコキシ基が挙げられ
る。このようなC1 〜C20のアルコキシ基として、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、(n―,i―)プロポキシ
基、(n―,sec―,又はt―)ブトキシ基、ペント
キシ基、ベンジルオキシ基等、フェネチルオキシ基ある
いはこれらの炭素原子が上述のような他の置換基によっ
て置換されているものをあげることができる。他の置換
基としては、本発明の目的とする生分解性等の性質を有
する共重合体を提供できるものである限り特に制限はな
い。これらのアルコキシ基のなかでも、Rとしてはt―
ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が好ましい。
【0039】また、本発明の共重合体においては構成単
位である前記式[I]として、Xが水素原子であるもの
とRCO―で表わされるアシル基とが共に存在する場合
も、本発明の態様のひとつである。
【0040】本発明においては、Xとしては水素原子、
パルミトイル基、テトラデカノイル基、デカノイル基、
ヘキサノイル基、ピバロイル基、アセチル基、t―ブト
キシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が好ま
しい。
【0041】本発明の式[I]で表わされる構成単位に
おいて、上述のようにXが水素原子である場合には、以
下これをトランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンと、
Xがアシル基である場合には、以下これをトランス―4
―ヒドロキシ―L―プロリンのN―置換誘導体をいう。
【0042】また、前記式[II]において、Yは水素原
子又はアルキル基を表わす。アルキル基としては、本発
明の目的とする生分解性等の性質を有する共重合体を提
供できる限り特に制限はないが、例えば炭素数1〜8
(C1 〜C8 )の鎖状又は環状アルキル基があげられ、
例えばメチル基、エチル基、(n―,i―)プロピル
基、(n―,sec―,又はt―)ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等があげられ、これらのなかでもアルキ
ル基としては、メチル基が好ましい。式[II]において
Yが水素原子である場合にはグリコール酸を、Yがメチ
ル基である場合には乳酸を表わす。また本発明の共重合
体においては、構成単位である前記式[II]として、Y
が水素原子であるものとアルキル基であるものが、共に
存在する場合も本発明の態様のひとつであり、Yが水素
原子とメチル基の場合はグリコール酸及び乳酸を表わ
す。
【0043】また前記式[I]及び式[II]において、
m及びnは各々1以上の整数であってm+nが少なくと
も10であり、m/(m+n)が少なくとも0.01で
ある。かかるm及びnを満足する限り、前記式[I]及
び式[II]の構成単位を有する共重合体であって、ブロ
ック共重合体及びランダム共重合体のいずれも、本発明
の態様に含まれる。
【0044】本発明の共重合体において、トランス―4
―ヒドロキシ―L―プロリン類と前記式[II]で表わさ
れる構成単位の重合比は、約1:99〜50:50が好
ましく、なかでも約5:95〜30:70が好ましい。
また本発明の共重合体の分子量としては通常、約1,0
00〜40,000のものがあげられる。
【0045】以下、本発明の共重合体について、前記式
[I]で表わされる構成単位としてトランス―4―ヒド
ロキシ―L―プロリン類、前記式[II] で表わされる構
成単位として乳酸及び/又はグリコール酸をあげて説明
する。
【0046】本発明の共重合体としては、例えば、トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体、
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・グリコール
酸共重合体、トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
・乳酸・グリコール酸共重合体;N―アシル―トランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリン類と乳酸及び/又はグ
リコール酸共重合体の場合には、前述のアシル基が置換
した共重合体であって、例えばアシル基がパルミトイル
基、テトラデカノイル基、デカノイル基であれば、N―
パルミトイル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ン・乳酸共重合体、N―パルミトイル―トランス―4―
ヒドロキシ―L―プロリン・グリコール酸共重合体、N
―パルミトイル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロ
リン・乳酸・グリコール酸共重合体、N―テトラデカノ
イル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸
共重合体、N―テトラデカノイル―トランス―4―ヒド
ロキシ―L―プロリン・グリコール酸共重合体、N―テ
トラデカノイル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロ
リン・乳酸・グリコール酸共重合体、N―デカノイル―
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合
体、N―デカノイル―トランス―4―ヒドロキシ―L―
プロリン・グリコール酸共重合体、N―デカノイル―ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸・グリコ
ール酸共重合体;N―ベンジルオキシカルボニル―トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体、
N―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロ
キシ―L―プロリン・グリコール酸共重合体、N―ベン
ジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L
―プロリン・乳酸・グリコール酸共重合体、等が好まし
いものとしてあげられる。
【0047】本発明の共重合体は、次のような方法で製
造される。先ず、下記式[V]
【0048】
【化5】
【0049】で表わされるトランス―4―ヒドロキシ―
L―プロリン・乳酸共重合体の製造について説明する。
【0050】原料として、トランス―4―ヒドロキシ―
L―プロリンと乳酸とを用いてポリエステルを合成す
る。この場合の反応は、触媒にレジン(イオン交換樹
脂)を用い、温度を約180℃程度に保ち、減圧下(5
Torr以下)通常10〜50時間位攪拌して行なう。
反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、濾過
後n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生成した共重合
体を分離する。トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ンと乳酸との配合比(モル比:以下、同様)は通常約
1:99〜50:50の範囲であるが、より好適には約
5:95〜30:70の範囲である。重合度は反応温
度、重合時間、触媒、重合比等によって左右されるが、
通常約10〜200であり、分子量(重量平均:以下、
同様)としては通常約1,000〜40,000であ
る。
【0051】また、式[V]のトランス―4―ヒドロキ
シ―L―プロリン・乳酸共重合体は原料をポリ乳酸とト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンを用い、溶融エ
ステル交換反応を起さしめることによっても合成され
る。
【0052】この場合の反応は、ポリ乳酸(分子量約
2,000〜10万)とトランス―4―ヒドロキシ―L
―プロリンを約160℃程度に保ち、減圧下(5Tor
r以下)通常30分〜12時間位攪拌して行われる。反
応終了後、生成物を塩化メチレン等の有機溶媒に溶解
し、濾過後n―ヘキサン等の溶媒にて再沈し、生成した
共重合体を分離する。
【0053】また、上記式[V]で表わされるトランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体は、後
で述べるN―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4
―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体を先ず合成
し、次いで下記反応式[VI]
【0054】
【化6】
【0055】で表わされるベンジルオキシカルボニル基
を接触水素添加法により脱離することによっても合成さ
れる。この場合、N―ベンジルオキシカルボニル―トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体の
脱ベンジルオキシカルボニル基反応は、触媒にPd/C
(パラジウムカーボン)を用い、酢酸エタノール混合溶
媒(酢酸:エタノール混合比は、約50:50〜20:
80の範囲である)中に、該共重合体を分散させ、H2
下で2〜24時間攪拌を行なう。反応終了後、Pd/C
を濾過することによって除去し、n―ヘキサンにて再沈
し、生成した共重合体を分離する。
【0056】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
又はN―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒ
ドロキシ―L―プロリンと乳酸との配合比は通常約1:
99〜50:50の範囲であるが、より好適には約5:
95〜30:70の範囲である。重合度は反応時間、反
応温度、仕込みのモル比等によって左右されるが通常1
0〜200であり、分子量としては通常1,000〜4
0,000である。
【0057】次に下記式[VII ]
【0058】
【化7】
【0059】で表わされるN―アシル―トランス―4―
ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体の製造法につ
いて述べる。
【0060】先ず、トランス―4―ヒドロキシ―1―ア
シル―L―プロリンメチルエステルを、ランガーらの方
法(MaMacromolecules, 1989, 22, 3250-3255 )によっ
て合成する。得られたものを、アルカリ(KOH又はN
aOH)下でエステルを脱離し、トランス―4―ヒドロ
キシ―1―アシル―L―プロリンを得る。さらに、該化
合物と乳酸とを用い、ポリエステルを合成する。この場
合の反応は、触媒にレジン(イオン交換樹脂)を用い、
温度を約180℃程に保ち、減圧下(5Torr以
下)、通常10〜80時間位攪拌する。反応終了後、塩
化メチレン等の有機溶媒に溶解し、濾過後、n―ヘキサ
ン等の貧溶媒にて再沈し、生成した共重合体を分離す
る。 トランス―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プ
ロリンと乳酸の配合比は通常約1:99〜50:50の
範囲であるが、より好適には約5:95〜30:70の
範囲である。重合度は、反応温度、重合時間、触媒、重
合比等によって左右されるが通常約10〜200であ
り、分子量としては、通常約500〜20,000であ
る。
【0061】また式[VII ]で表わされるN―アシル―
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合
体は、原料としてポリ乳酸とトランス―4―ヒドロキシ
―1―アシル―L―プロリンを用い、溶融エステル交換
反応を起さしめることによっても合成される。
【0062】この場合の反応は、ポリ―乳酸(分子量約
2,000〜10万)とトランス―4―ヒドロキシ―1
―アシル―L―プロリンを約160℃ほどに保ち、減圧
下(5Torr以下)通常30分から12時間位攪拌し
て行なう。反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶
解し、濾過後、n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生
成した共重合体を分離する。
【0063】トランス―4―ヒドロキシ―1―アシル―
L―プロリンと乳酸の配合比は、通常約1:99〜5
0:50の範囲であるが、より好適には約5:95〜3
0:70の範囲である。重合度は反応時間、反応温度、
仕込みのモル比等によって左右されるが通常約10〜2
00であり、分子量としては通常約1,000〜40,
000である。
【0064】次に下記式[VIII]
【0065】
【化8】
【0066】で表わされるN―ベンジルオキシカルボニ
ル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共
重合体の製造法について述べる。
【0067】原料としては、N―ベンジルオキシカルボ
ニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンと乳酸
を用い、ポリエステルを合成することにより得られる。
【0068】この場合の反応は、触媒にレジン(イオン
交換樹脂)を用い、温度を約180℃程に保ち、減圧下
(5Torr以下)、通常10〜80時間位攪拌する。
反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、濾過
後、n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生成した共重
合体を分離する。
【0069】N―ベンジルオキシカルボニル―トランス
―4―ヒドロキシ―プロリンと乳酸の配合比は通常約
1:99〜50:50の範囲であるが、より好適には約
5:95〜30:70の範囲である。重合度は、反応温
度、重合時間、触媒、重合比等によって左右されるが通
常約10〜200であり、分子量としては、通常約50
0〜20,000である。
【0070】また式[VIII]のN―ベンジルオキシカル
ボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・乳
酸共重合体は、原料としてポリ乳酸とN―ベンジルオキ
シカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ンを用い、溶融エステル交換反応を起さしめることによ
っても合成される。
【0071】この場合の反応は、ポリ―乳酸(分子量約
2,000〜10万)とN―ベンジルオキシカルボニル
―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンを約160
℃ほどに保ち、減圧下(5Torr以下)通常30分か
ら12時間位攪拌して行なう。反応終了後、塩化メチレ
ン等の有機溶媒に溶解し、濾過後、n―ヘキサン等の貧
溶媒にて再沈し、生成した共重合体を分離する。
【0072】N―ベンジルオキシカルボニル―トランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリンと乳酸の配合比は、通
常約1:99〜50:50の範囲であるが、より好適に
は約5:95〜30:70の範囲である。重合度は反応
時間、反応温度、仕込みのモル比等によって左右される
が通常約10〜200であり、分子量としては通常約
1,000〜40,000である。
【0073】次に前記式[V],[VII ],[VIII]で
表わされるトランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン類
・乳酸共重合体の乳酸部分をグリコール酸に置換した下
記式[IX],[X],[XI]
【0074】
【化9】
【0075】で表わされるトランス―4―ヒドロキシ―
L―プロリン類・グリコール酸共重合体の製造法につい
て説明する。
【0076】これらの合成は原則として前記式[V],
[VII ],[VIII]の合成法の項で使用した乳酸のかわ
りにグリコール酸を用いればよいが、更に詳しく説明す
ると下記のようになる。
【0077】原料としては、トランス―4―ヒドロキシ
―L―プロリンとグリコール酸、またはトランス―4―
ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリンとグリコール
酸、あるいはN―ベンジルオキシカルボニル―トランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリンとグリコール酸を用
い、ポリエステルを合成することにより行なわれる。
【0078】この場合の反応は、触媒にレジン(イオン
交換樹脂)を用い、温度を約180℃程に保ち、減圧下
(5Torr以下)、通常10〜80時間位攪拌する。
反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、濾過
後、n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生成した共重
合体を分離する。
【0079】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
とグリコール酸、またはトランス―4―ヒドロキシ―1
―アシル―L―プロリンとグリコール酸、あるいはN―
ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ
―L―プロリンとグリコール酸との配合比は通常約1:
99〜50:50の範囲であるが、より好適には約5:
95〜30:70の範囲である。重合度は、反応温度、
重合時間、触媒、重合比等によって左右されるが、通常
約10〜200であり、分子量としては、通常約500
〜20,000である。
【0080】また式[IX]と式[X]と式[XI]の共重
合体は、原料をポリグリコール酸とトランス―4―ヒド
ロキシ―L―プロリン、またはポリグリコール酸とトラ
ンス―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリン、あ
るいはポリグリコール酸とN―ベンジルオキシカルボニ
ル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンを用い、
溶融エステル交換反応を起さしめることによっても合成
される。
【0081】この場合の反応は、ポリグリコール酸(分
子量約2,000〜10万)とトランス―4―ヒドロキ
シ―L―プロリン、またはポリグリコール酸とトランス
―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリン、あるい
はポリグリコール酸とN―ベンジルオキシカルボニル―
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンを減圧下(5
Torr以下)通常30分から12時間位攪拌して行な
う。反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、
濾過後、n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生成した
共重合体を分離する。
【0082】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
とグリコール酸、またはトランス―4―ヒドロキシ―1
―アシル―L―プロリンとグリコール酸、あるいはN―
ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ
―L―プロリンとグリコール酸の配合比は通常約1:9
9〜50:50の範囲であるが、より好適には約5:9
5〜30:70の範囲である。重合度は、反応時間、反
応温度、仕込みのモル比等によって左右されるが、通常
約10〜200であり、分子量としては、通常約1,0
00〜40,000である。
【0083】最後に下記式[XII ],[XIII],[XIV
]
【0084】
【化10】
【0085】で表わされるトランス―4―ヒドロキシ―
L―プロリン類・乳酸・グリコール酸共重合体の製造法
について説明する。
【0086】これらの合成は原則として前記式[V],
[VII ],[VIII]の合成法の項で使用した乳酸のかわ
りに乳酸とグリコール酸との混合物を用いればよいが、
更に詳しく説明すると下記のようになる。
【0087】原料としては、トランス―4―ヒドロキシ
―L―プロリンと乳酸とグリコール酸、またはトランス
―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリンと乳酸と
グリコール酸、あるいはN―ベンジルオキシカルボニル
―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンと乳酸とグ
リコール酸を用い、ポリエステルを合成することにより
行なわれる。
【0088】この場合の反応は、触媒にレジン(イオン
交換樹脂を)を用い、温度を約180℃程に保ち、減圧
下(5Torr以下)通常10〜80時間位攪拌する。
反応終了後、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、濾過
後、n―ヘキサン等の貧溶媒にて再沈し、生成した共重
合体を分離する。
【0089】乳酸とグリコール酸の重合比率の和と、ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンまたはトランス
―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリンあるいは
N―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロ
キシ―L―プロリンの配合比は、通常約1:99〜5
0:50の範囲であるが、より好適には約5:95〜3
0:70の範囲である。また乳酸とグリコール酸の比率
は自由に設定することができるが、通常PLGA中の乳
酸の比率は50%以上が好ましく、なかでも75%以上
が好ましい。重合度は、反応温度、重合時間、触媒、重
合比等によって左右されるが、通常約10〜200であ
り、分子量としては通常約500〜20,000であ
る。
【0090】また、式[XII ]と式[XIII]と式[XIV
]の共重合体は、原料をポリ乳酸―グリコール酸共重
合体(PLGA)とトランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリン、またはPLGAとトランス―4―ヒドロキシ―
1―アシル―L―プロリン、あるいはPLGAとN―ベ
ンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―
L―プロリンを用い、溶融エステル交換反応を起さしめ
ることによっても合成される。
【0091】この場合の反応は、PLGA(分子量約
2,000〜10万)とトランス―4―ヒドロキシ―L
―プロリン、またはPLGAとトランス―4―ヒドロキ
シ―1―アシル―L―プロリン、あるいはPLGAとN
―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキ
シ―L―プロリンを減圧下(5Torr以下)通常30
分から12時間攪拌して行われる。反応終了後、塩化メ
チレン等の有機溶媒に溶解し、濾過後n―ヘキサン等の
貧溶媒にて再沈し、生成した共重合体を分離する。
【0092】乳酸とグリコール酸の重合比率の和と、ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンまたはトランス
―4―ヒドロキシ―1―アシル―L―プロリンあるいは
N―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロ
キシ―L―プロリンの配合比は通常約1:99〜50:
50の範囲であるが、より好適には約5:95〜30:
70の範囲である。またPLGAの乳酸とグリコール酸
の比率は自由に設定することができるが、通常PLGA
中の乳酸の比率は50%以上が好ましく、なかでも75
%以上が好ましい。重合度は、反応時間、反応温度、仕
込みのモル比等によって左右されるが、通常約10〜2
00であり、分子量としては通常約1,000〜40,
000である。また、ブロック共重合体は、従来公知の
方法で製造することができる。
【0093】本発明の式[I]及び式[II]で表わされ
る構成単位を有するの共重合体と医薬品組成物を形成す
る薬物としては特に限定されないが、生理活性を有する
ペプチド類、蛋白類、その他の抗生物質、抗腫瘍剤、解
熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去痰剤、鎮静剤、筋弛緩
剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー
剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、
糖尿病治療剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモン
剤、麻薬拮抗剤などがあげられる。
【0094】具体的には甲状腺刺激ホルモン(TS
H)、黄体形成ホルモン(LH)、LH―RH、LH―
RHアナログ、卵胞刺激ホルモン(FSH)、パソプレ
シン、パソプレシン誘導体(デスモプレシン[日本内分
泌学会雑誌、第54巻、第5号、第676〜691頁
(1978)]参照)、オキシトシン、カルシトニン、
カルシトニン誘導体等のカルシトニン類、エルカトニ
ン、副甲状腺ホルモン、グルカゴン、ガストリン、イン
スリン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、セク
レチン、プロラクチン、バンクレオザイミン、コレシス
トキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤ラクトーゲン、
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、エンケファリ
ン、エンケファリン誘導体[米国特許第4,277,3
94号、ヨーロッパ特許出願公開第31,567号公報
参照]、エンドルフィン、キョウトルフィン、インター
フェロン(α型,β型,γ型)、インターロイキン
(I,II,III )、タフトシン、サイモボイエチン、ナ
イモシン、サイモスチムリン、胸腺液性因子(TH
F)、血中胸腺因子(FTS)及びその誘導体(米国特
許第4,229,438号参照)、及びその他の胸腺因
子[医学のあゆみ、第125巻、第10号、335―3
43頁(1983年)]、腫瘍壊死因子(TNF)、コ
ロニー誘発因子(CSF)、モチリン、デイノルフィ
ン、ボムベシン、ニュウロテンシン、セルレイン、ブラ
デイキニン、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ、カリク
レイン、サブスタンスP、神経成長因子、血液凝固因子
の第VII 因子、第IX因子、塩化リゾチーム、ポリミキシ
ンB、コリスチン、グラミシジン、バシトラシン、タン
パク合成刺激ペプチド(英国特許第8,232,082
号)、胃酸分泌抑制ポリペプチド(GIP)、vasoacti
ve intestinal polypeputide(VIP)、platelet-der
ived growth factor(PDGF)、成長ホルモン、成長
ホルモン分泌因子(GRF、ソマトクリニン)、bone m
orphagenetic protein(BMP)、副腎皮質ホルモン
(ACTH)、メライサイト刺激ホルモン(MSH)、
甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)その塩及びその
誘導体、上皮成長因子(EGF);インフルエンザワク
チン、コレラワクチン、ポリオワクチン、BCGワクチ
ン、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、ムンプスワクチン等
のワクチン類;抗T細胞受容体モノクローナル抗体、抗
CD4抗体、抗P糖蛋白抗体、抗TNFモノクローナル
抗体等のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体等の
抗体類などがあげられる。
【0095】上記抗腫瘍剤としては、例えば塩酸ブレオ
マイシン、メソトレキセート、アクチノマイシンD、マ
イトマイシンC、塩酸ビンブラスチン、塩酸ビンクリス
チン、塩酸ダウノルビシン、アドリアマイシン、ネオカ
ルチノスタチン、シトシンアラビノシド、フルオロウラ
シル、テトラヒドロフリル―5―フルオロウラシル、ク
レスチン、ビシバニールなどがあげられる。
【0096】これらのなかでも水溶性でかつ親水性であ
るペプチド類、蛋白類、抗体類、ワクチン類が好適であ
り、それらの例としては、カルシトニン類、エルカトニ
ン、LH―RH、LH―RHアナログ、インスリン、ソ
マトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、
プロラクチン、副腎皮質ホルモン(ACTH)、メラノ
サイト刺激ホルモン(MSH)、甲状腺ホルモン放出ホ
ルモン(TRH)その塩及びその誘導体、モノクローナ
ル抗体、インフルエンザワクチン、百日咳ワクチン、ポ
リオワクチン等があげられる。
【0097】本発明の治療有効量の薬物とは、これらの
薬物と本発明の共重合体とからなる医薬品組成物とした
場合に数週間から数ケ月、持続的にその薬効を発現しう
る量を放出することのできる薬物量をいうが、薬物の種
類、持続放出させる期間等によって定められる。
【0098】本発明の治療有効量の薬物とは、これらの
薬物と本発明の共重合体とからなる医薬品組成物を持続
性注射剤として用いる場合に、数週間から数ケ月、持続
的にその薬効を発現しうる量を放出することのできる薬
物量をいうが、薬物の種類、持続放出させる期間等によ
って任意に定められる。例えば約1週間〜約1ケ月の徐
放製剤とするためには、通常ペプチド類の場合には医薬
品組成物100mgあたり約1μg〜50mg含有させるの
が望ましい。例えば、エルカトニンを医薬品組成物10
0mgあたり80エルカトニン単位含有させることによ
り、約1ケ月間の徐放製剤が作成できる。また、サケカ
ルシトニンを医薬品組成物100mgあたり16μg含有
させることにより、約1ケ月間の徐放製剤が作成でき
る。またリュープロライド(LH―RHアナログ)を医
薬品組成物100mgあたり3.6〜7.2mg含有させる
ことにより、約1ケ月間の徐放製剤が作成できる。また
インスリンを医薬品組成物100mgあたり1.1〜28
mg含有させることにより、約1週間の徐放製剤が作成で
きる。さらにTRHを医薬品組成物100mgあたり7〜
28mg含有させることにより約2週間の徐放製剤が作成
できる。
【0099】また、該医薬品組成物を、経口又は経鼻用
製剤として用いる場合には、数回以内の量でその薬効が
発現される量をいう。例えば、経口又は経鼻ワクチン製
剤の場合には、医薬品組成物100mgあたり約0.1μ
g〜20mg含有させるのが望ましい。例えば、百日咳ワ
クチンを医薬品組成物100mgあたり5mg含有させるこ
とにより、経鼻又は経口用ワクチン製剤が得られる。
【0100】本発明の共重合体と薬物とは公知の方法に
よって種々の形態をもった医薬品組成物に成型される。
かかる医薬品組成物としては、マイクロカプセル(微粒
子状)、顆粒状、ペレット状、あるいは錠剤状等の成型
物がある。これらの成型物の大きさは、マイクロカプセ
ル、顆粒状、成型物の場合はその平均径0.01〜40
0μmであることが好ましい。なかでも注射用投与形態
とする場合には、2〜100μmが好ましく、経口用又
は経鼻用投与形態とする場合には、0.05〜10μm
の大きさが好ましい。
【0101】例えば、N―パルミトイル―トランス―4
―ヒドロキシ―L―プロリン・乳酸共重合体と薬物と
は、下記のような方法でマイクロカプセルに成型され
る。先ず、N―パルミトイル―トランス―4―ヒドロキ
シ―L―プロリン・乳酸共重合体を塩化メチレン等の有
機溶媒に溶解又は薬物を添加し、溶解又は分散させる。
このようにして得られた高分子重合物を含む溶液又は懸
濁液(油相)を水相に添加し、O/W型乳化物を形成さ
せた後、油相中の溶媒を除去し、マイクロカプセルを調
製する。
【0102】水相中には乳化剤を加えてもよく、その例
としては一般に安定なO/W型エマルジョンを形成する
ものであればいずれでもよいが、例えば、アニオン界面
活性剤(例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸
ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン
性界面活性剤[ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル(Tween 80, Tween 60,アトラスパウダー社製、
米国)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体(HCO―
30,HCO―50、日光ケミカルズ社製)など]、あ
るいはポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン
などがあげられ、これらの中の一種類か、いくつかを組
み合わせて使用してもよい。
【0103】他にコアセルベーション法(尾見信三、村
上昭彦:粉体と工業、16, 41, 1984);水中乾燥法(特
開昭62―201816号公報);相分離法(尾見信
三、製薬工場、770, 8, 1986);噴霧乾燥法(尾見信
三、製薬工場、770, 8, 1986)等によってもマイクロカ
プセルへの成型が可能である。
【0104】ここではマイクロカプセルの例をあげた
が、顆粒状、ペレット状、あるいは錠剤状等に自由に成
型される。
【0105】本発明により薬物を持続的に一定速度で放
出する皮下注射剤あるいは筋肉内注射剤が、また本発明
によりワクチンが腸管内リンパ系組織に取り込まれやす
い経口ワクチン剤が提供される。
【0106】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下の実施例において、重量平均分子量は
ポリスチレンのスタンダードによる。また、重合比の測
定はNMRスペクトルで行った。
【0107】
【実施例1】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
(3.2g)とDL―乳酸(20g)(モル比10:9
0)を25mlナシ型フラスコ中に入れ、2Nの塩酸で活
性化したイオン交換レジン(Dowex 50W,Dow Chemic
als 製)(0.4g)を添加し、窒素置換した後、減圧
(15mmHg)下130〜140℃で2〜3時間溶融させ
た。その後さらに真空度を上げ(1.0mmHg)、60時
間約175℃にて溶融重合を行った。重合後、少量の塩
化メチレンに溶解し、濾紙にてレジンを除去した後n―
ヘキサンにて再沈を行い、共重合物を得た(収量5.0
g,m.p.45℃)。
【0108】得られた共重合体の重量平均分子量は約
4,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリンとDL―乳酸との重合比は30:70であった。
この重合比が仕込みのモル比と異なるのは、重合中に乳
酸の2量体であるラクチドが系外に抜けていくためであ
る。
【0109】
【実施例2】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
(1.31g)を蒸留水(2.0ml)に溶かしたものと
ポリ―DL―乳酸(和光製、分子量2万)(6.48
g)(モル比;トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ン:乳酸=10:90)を25mlナシ型フラスコに入
れ、常圧下、110℃にて30分間加熱した後、減圧下
(5mmHg)、180℃で溶融させ、エステル交換反応を
行わせた(9時間)。反応後、少量の塩化メチレンに溶
解し、n―ヘキサンにて再沈を行い、共重合物を得た
(収量5.6g,m.p.55℃)。
【0110】得られた共重合体の重量平均分子量は約1
2,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリンとDL―乳酸との重合比は10:90であった。
【0111】
【実施例3】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
(3.8g)とグリコール酸(20g)(モル比10:
90)を25mlナシ型フラスコ中に入れ、2Nの塩酸で
活性化したイオン交換レジン(Dowex 50W,Dow Chem
icals 製)(0.4g)を添加し、窒素置換した後、減
圧(15mmHg)下130〜140℃で2〜3時間溶融さ
せた。その後、さらに真空度を上げ(1.0mmHg)、6
0時間約175℃にて溶融重合を行った。重合後、少量
の塩化メチレンに溶解し、濾紙にてレジンを除去した後
n―ヘキサンにて再沈を行い、共重合物を得た(収量
6.5g)。
【0112】得られた共重合体の重量平均分子量は約
5,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリンとグリコール酸との重合比は35:65であっ
た。この重合比が仕込みのモル比と異なるのは、重合中
にグリコール酸の2量体であるグリコライドが系外に抜
けていくためである。
【0113】
【実施例4】トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン
(2.6g)、DL―乳酸(18.3g)とグリコール
酸(3.0g)(モル比10:70:20)を25mlナ
シ型フラスコに入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交
換レジン(Dowex 50W,Dow Chemicals 製)(0.4
g)を添加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下1
30〜140℃で3時間溶融させた。その後10mmHgで
150℃,5時間加熱し、さらに高真空下(1.0mmH
g)で80時間、約175℃にて溶融重合を行った。重
合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙にてレジンを
除去した後n―ヘキサンにて再沈を行い、共重合物を得
た(収量6.5g)。
【0114】得られた共重合体の重量平均分子量は約
2,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―L―プ
ロリンとDL―乳酸及びグリコール酸との重合比は(2
5:60:15)であった。この重合比が仕込みのモル
比と異なるのは、重合中に乳酸の2量体であるラクチド
とグリコール酸の2量体であるグリコライドが系外に抜
けていくためである。
【0115】
【実施例5】 (1)ランガーらの方法(Maclomolecules, 1989, 22,
3250-3255 )によって作成したトランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリンメチルエステルを
NaOH 2N水溶液に溶解し、室温で3時間スターラ
ーにより攪拌した。その後、塩酸水溶液により中和し、
塩化メチレンで抽出後、溶媒を留去しトランス―4―ヒ
ドロキシ―1―パルミトイル―L―プロリンの白色粉末
を得た。
【0116】(2)このトランス―4―ヒドロキシ―1
―パルミトイル―L―プロリン(9.1g)とDL―乳
酸(20g)(モル比10:90)を25mlナシ型フラ
スコ中に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レジ
ン(Dowex 50W,Dow Chemicals 製)(0.4g)を
添加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下130〜
140℃で3時間溶融させた。その後、さらに真空度を
上げ(1.0mmHg)、60時間約180℃にて溶融重合
を行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙
にてレジンを除去した後、n―ヘキサンにて再沈を行
い、共重合物を得た(収量5.0g)。
【0117】得られた共重合体の重量平均分子量は約
7,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―パ
ルミトイル―L―プロリンとDL―乳酸との重合比は1
2:88であった。
【0118】
【実施例6】実施例5(1)の方法で作成したトランス
―4―ヒドロキシ―1―パルミトイル―L―プロリン
(3.6g)とポリ―DL―乳酸(和光製、分子量2
万)(6.48g)(モル比;トランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリン:10:90)を
25mlナシ型フラスコ中に入れ、減圧下(5mmHg)17
0℃で溶融させ、エステル交換反応を行った(3時
間)。反応後、少量の塩化メチレンに溶解し、n―ヘキ
サンにて再沈を行い、共重合物を得た(収量6.2
g)。
【0119】得られた共重合体の重量平均分子量は約1
4,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―パ
ルミトイル―L―プロリンとDL―乳酸との重合比は1
0:90であった。
【0120】
【実施例7】実施例5(1)の方法で作成したトランス
―4―ヒドロキシ―1―パルミトイル―L―プロリン
(10.8g)とグリコール酸(20.0g)(モル比
10:90)を25mlナシ型フラスコ中に入れ、2Nの
塩酸で活性化したイオン交換レジン(Dowex 50W,Do
w Chemicals 製)(0.4g)を添加し、窒素置換した
後、減圧(15mmHg)下、130〜140℃で2〜3時
間溶融させた。その後、さらに真空度を上げ(1.0mm
Hg)、60時間、約180℃にて溶融重合を行った。重
合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙にてレジンを
除去した後n―ヘキサンにて再沈を行い、共重合物を得
た(収量3.0g)。
【0121】得られた共重合体の重量平均分子量は約
6,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―パ
ルミトイル―L―プロリンとグリコール酸との重合比は
15:85であった。
【0122】
【実施例8】実施例5(1)の方法で作成したトランス
―4―ヒドロキシ―1―パルミトイル―L―プロリン
(7.4g)、DL―乳酸(12.6g)とグリコール
酸(3.0g)(モル比10:70:20)を25mlナ
シ型フラスコ中に入れ、2Nの塩酸で活性化した。イオ
ン交換レジン(Dowex 50W,Dow Chemicals 製)
(0.4g)を添加し、窒素置換した後、減圧(15mm
Hg)下、130〜140℃で3時間溶融させた。その
後、10mmHgで150℃、5時間加熱し、さらに高真空
下(1.0mmHg)で80時間、約180℃にて溶融重合
を行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙
にてレジンを除去した後、n―ヘキサンにて再沈を行
い、共重合物を得た(収量15.5g)。
【0123】得られた共重合体の重量平均分子量は約
5,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―パ
ルミトイル―L―プロリンとDL―乳酸及びグリコール
酸との重合比は(15:68:17)であった。
【0124】
【実施例9】N―ベンジルオキシカルボニル―トランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリン(6.5g)とDL―
乳酸(20g)(モル比10:90)を25mlナシ型フ
ラスコ中に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レ
ジン(Dowex 50W,Dow Chemicals 製)(0.4g)
を添加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下、13
0〜140℃で2〜3時間溶融させた。その後さらに真
空度を上げ(10mmHg)、60時間、約175℃にて溶
融重合を行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解
し、濾紙にてレジンを除去した後、n―ヘキサンにて再
沈を行い、共重合物を得た(収量20.0g)。
【0125】得られた共重合体の重量平均分子量は約1
0,000であり、N―ベンジルオキシカルボニル―ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンとDL―乳酸と
の重合比は12:88であった。
【0126】
【実施例10】N―ベンジルオキシカルボニル―トラン
ス―4―ヒドロキシ―L―プロリン(2.65g)とポ
リDL―乳酸(和光製、分子量2万)(6.48g)を
(モル比;N―ベンジルオキシカルボニル―トランス―
4―ヒドロキシ―L―プロリン:乳酸=10:90)2
5mlナシ型フラスコ中に入れ、減圧下(5mmHg)170
℃で溶融させエステル交換反応を行わせた(3時間)。
反応後、少量の塩化メチレンに溶解し、n―ヘキサンに
て再沈を行い共重合物を得た(収量6.0g,m.p.
70℃)。
【0127】得られた共重合体の重量平均分子量は約1
4,000であり、N―ベンジルオキシカルボニル―ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンとDL―乳酸と
の重合比は10:90であった。
【0128】
【実施例11】N―ベンジルオキシカルボニル―トラン
ス―4―ヒドロキシ―L―プロリン(8.2g)とグリ
コール酸(20g)(モル比10:90)を25mlナシ
型フラスコ中に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交
換レジン(Dowex 50W,DowChemicals 製)(0.4
g)を添加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下、
130〜140℃で2〜3時間溶融させた。その後、さ
らに真空度を上げ(1.0mmHg)、60時間、約175
℃にて溶融重合を行った。重合後、少量の塩化メチレン
に溶解し、濾紙にてレジンを除去した後、n―ヘキサン
にて再沈を行い、共重合物を得た(収量3.0g)。
【0129】得られた共重合体の重量平均分子量は約
8,000であり、N―ベンゾジルオキシカルボニル―
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンとグリコール
酸の重合比は(15:85)であった。
【0130】
【実施例12】N―ベンゾジルオキシカルボニル―トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン(5.3g)とD
L―乳酸(12.6g)及びグリコール酸(2.9g)
(モル比10:70:20)を25mlナシ型フラスコ中
に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レジン(Do
wex 50W,Dow Chemicals 製)(0.4g)を添加
し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下、130〜1
40℃で2〜3時間溶融させた。その後さらに真空度を
上げ(1.0mmHg)、60時間、約175℃にて溶融重
合を行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾
紙にてレジンを除去した後、n―ヘキサンにて再沈を行
い、共重合物を得た(収量15.0g)。
【0131】得られた共重合体の重量平均分子量は約
6,000であり、N―ベンゾジルオキシカルボニル―
トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンとDL―乳酸
とグリコール酸の重合比は15:68:17であった。
【0132】
【実施例13】 (1)ランガーらの方法(Maclomolecules, 1989, 22,
3250-3255 )によって作成したトランス―4―ヒドロキ
シ―1―デカノイル―L―プロリンメチルエステルを水
酸化ナトリウム2N水溶液に溶解し、室温で3時間スタ
ーラーにより攪拌した。その後、塩酸水溶液により中和
し、塩化メチレンで抽出後、溶媒を留去しトランス―4
―ヒドロキシ―1―デカノイル―L―プロリンの白色粉
末を得た。
【0133】(2)このトランス―4―ヒドロキシ―1
―デカノイル―L―プロリン(7.1g)とDL―乳酸
(20g)(モル比10:90)を25mlナシ型フラス
コ中に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レジン
(Dowex 50W,Dow Chemicals 製)(0.4g)を添
加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下130〜1
40℃で3時間溶融させた。その後、さらに真空度を上
げ(1.0mmHg)、60時間約180℃にて溶融重合を
行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙に
てレジンを除去した後、n―ヘキサンにて再沈を行い、
共重合物を得た(収量20.0g)。
【0134】得られた共重合体の重量平均分子量は約
5,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―デ
カノイル―L―プロリンとDL―乳酸との重合比は1
5:85であった。
【0135】
【実施例14】N―ベンゾジルオキシカルボニル―トラ
ンス―4―ヒドロキシ―L―プロリン(6.5g)とD
L―乳酸(20g)(モル比10:90)を25mlナシ
型フラスコ中に入れ、2Nの塩酸で活性化したイオン交
換レジン(Dowex 50W,DowChemicals 製)(0.4
g)を添加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下、
130〜140℃で3時間溶融させた。その後、さらに
真空度を上げ(1.0mmHg)、10,20,30,6
0,120,240時間経過後、生成したN―ベンゾジ
ルオキシカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―
プロリン・DL―乳酸共重合体の平均重量分子量を測定
した。結果を表1に示した。
【0136】
【表1】
【0137】
【実施例15】実施例1で合成したトランス―4―ヒド
ロキシ―L―プロリン・DL―乳酸共重合体(以下、H
yP―LAという)(分子量約4,000)(1g)を
少量の塩化メチレンに溶解し、これを5mlのシリンジに
入れ、径1.5mmのノズルよりガラス板上に押出した。
これをデシケーターで24時間乾燥した。これを適当な
長さに切断することで直径約1mmの棒状ペレットを得
た。これをラット(Wister系、雄、4週齢)の背部皮下
に埋めこみ1,2,4週間経過後切開し、その周辺組織
を取り出し、HE染色後、光学顕微鏡にて観察を行った
ところ、異常は見られなかった。
【0138】
【実施例16】実施例15において、共重合体として実
施例7で合成したトランス―4―ヒドロキシ―1―パル
ミトイル―L―プロリン・グリコール酸共重合体(以
下、PalHyP―GAという)(分子量約6,00
0)(1g)を用いる他は同様にして直径約1mmの棒状
ペレットを得た。これをラット((Wister系、雄、4週
齢)の背部皮下に埋めこみ1,2,4週間経過後切開
し、その周辺組織を取り出し、HE染色後、光学顕微鏡
にて観察を行ったところ、異常は見られなかった。
【0139】
【実施例17】実施例15において共重合体として実施
例12で合成したN―ベンゾジルオキシカルボニル―ト
ランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン・DL―乳酸・
グリコール酸(以下、Z―HyP―LGAという)共重
合体(分子量約6,000)(1g)を用いる他は同様
にして直径約1mmの棒状ペレットを得た。これをラット
(Wister系、雄、4週齢)の背部皮下に埋めこみ1,
2,4週間経過後切開し、その周辺組織を取り出し、H
E染色後、光学顕微鏡にて観察を行ったところ、異常は
見られなかった。
【0140】
【実施例18】実施例15〜17で使用した共重合体の
ペレットを、ラット(Wister系、雄、4週齢)の背部皮
下に埋めこみ1,2,4週間経過後切開し、各ペレット
の重量を測定することにより、in vivoにおける
分解性を評価した(分解率(%))。
【0141】その結果を図1に示した。図中、△印はH
yP―LA、○印はPalHyP―GA、□印はZ―H
yP―LGAを表わす。
【0142】
【実施例19】実施例3で得たトランス―4―ヒドロキ
シ―L―プロリン・グリコール酸共重合体(重合比3
5:65;分子量約5,000)とポリグリコール酸
(分子量約5,000)の2種類を用いて、各々インス
リンマイクロカプセルの製造を行った。
【0143】先ず、インスリン(Bovine Sigma製、I―
5500)(100mg)を0.1N塩酸(2ml)に溶か
し、これを1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に
中和し、約50mg/mlのインスリン溶液を得た。これに
上記ポリマー2gを塩化メチレン(7ml)とTween 80
(アストラパウダー社製)(1ml)に溶解したものを加
え、0.3%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液
(200ml)中に注入し、タービン式ホモミキサーを使
用して2,000rpmで混合することによりW/O/
W型エマルジョンとした。この後W/O/W型エマルジ
ョン液を攪拌しつつ塩化メチレンの揮散によって内部の
W/Oエマルジョンを固化させた後、濾過により捕集し
た。これを再び0.02N塩酸と次いで蒸留水に分散さ
せ、遊離薬物等を洗浄濾過した。
【0144】捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥に
よって脱溶媒及び脱水をより完全とした後、粉末として
得られた。得られた粉末状成型物の平均径は約10〜2
00μmであった。
【0145】上記の方法で得られたマイクロカプセルの
37℃,pH7.0リン酸緩衝液中で行ったin vi
tro溶出試験の結果を表2に示す。
【0146】
【表2】
【0147】表2からポリグリコール酸の場合、インス
リンの大きな初期放出が見られるが、本発明のトランス
―4―ヒドロキシ―L―プロリン・グリコール酸共重合
体では、初期バーストが抑制されて良好な放出性のマイ
クロカプセルが得られた。
【0148】
【実施例20】実施例5で得たトランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL―乳酸(重
合比12:88;分子量約7,000)共重合体とポリ
DL―乳酸(分子量1万)の2種類を用いて、各々イン
スリンマイクロカプセルの製造を行った。製造方法は実
施例19の方法に従った。得られた粉状成型物の平均径
は約10〜200μmであった。
【0149】得られたマイクロカプセルの37℃、pH
7.0リン酸緩衝液中で行ったinvitro溶出試験
の結果を表3に示す。
【0150】
【表3】
【0151】ポリDL―乳酸の場合、インスリン放出性
が極めて遅いのに対し、本発明のトランス―4―ヒドロ
キシ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL―乳酸共
重合体では、初期バーストが抑制されて良好な放出性の
マイクロカプセルが得られた。
【0152】
【実施例21】実施例12で得られたN―ベンジルオキ
シカルボニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリ
ン・DL―乳酸・グリコール酸共重合体(重合比15:
68:17;分子量約6,000)とDL―乳酸・グリ
コール酸共重合体(重合比75:25;分子量約5,0
00)の2種類を用いて、各々インスリンマイクロカプ
セルの製造を行った。製造方法は実施例21の方法に従
った。得られた粉状成型物の平均径は約10〜200μ
mであった。
【0153】得られたマイクロカプセルの37℃、pH
7.0リン酸緩衝液中で行ったinvitro溶出試験
の結果を表4に示す。
【0154】
【表4】
【0155】表4からDL―乳酸・グリコール酸共重合
体の場合、インスリンの大きな初期放出が見られるが、
本発明のN―ベンジルオキシカルボニル―トランス―4
―ヒドロキシ―L―プロリン・DL―乳酸・グリコール
酸共重合体では初期バーストが抑制されて良好な放出性
のマイクロカプセルが得られた。
【0156】
【実施例22】実施例5の方法に従ってトランス―4―
ヒドロキシ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL―
乳酸共重合体の重合比が5:95,12:88,20:
80,35:65の4種の共重合体(分子量約7,00
0)を作成した。これらの高分子を用いて実施例21の
方法に従い、インスリンマイクロカプセルの製造を行っ
た。得られた粉状成型物の平均径は約10〜200μm
であった。
【0157】得られたマイクロカプセルの37℃、pH
7.0リン酸緩衝液中で行ったinvitro溶出試験
の結果を表5に示す。
【0158】
【表5】
【0159】表5から共重合体のトランス―4―ヒドロ
キシ―1―パルミトイル―L―プロリンの割合が増大す
るに従って、インスリン放出速度が増大することが判
る。
【0160】
【実施例23】実施例5で得たトランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL―乳酸共重
合体を用いて、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)
持続性注射剤の製造を行った。
【0161】先ず、TRH酢酸塩(100mg)を水(2
ml)に溶解した。これに上記ポリマー(2g)を塩化メ
チレン(7ml)とTween 80(1ml)に溶解したものを加
え、超音波混合(2分)し、W/Oエマルジョンを調製
した。これを0.3%ポリビニルアルコール水溶液20
0mlに注入し、タービン式ホモミキサーを使用して2,
000rpmで2分混合することにより、W/O/W型
エマルジョンとした。その後、W/O/W型エマルジョ
ン液を攪拌しつつ塩化メチレンの揮散によって内部のW
/Oエマルジョンを固化させた後、濾過により捕集し
た。これを再び蒸留水に分散させ、遊離薬物等を洗浄し
濾過した。捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によ
って脱溶媒及び脱水をより完全とした後、粉末として得
られた。得られた粉末状成型物の平均径は約10〜20
0μmであった。
【0162】この粉末(100mg)を等張化剤としてD
―マンニトール(75mg)、分散剤としてカルボキシメ
チルセルロース(7.5mg)、Tween 80(アストラパウ
ダー社製)(1.5mg)と共に注射用蒸留水に懸濁さ
せ、持続性注射剤を得た。
【0163】
【実施例24】実施例5で得たトランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL―乳酸共重
合体を用いて、百日咳ワクチン経口剤の製造を行った。
【0164】先ず、百日咳ワクチン(百日咳毒素(P
T)(50mg)と繊維状赤血球凝集素(FHA)(50
mg))(100mg)を、上記ポリマー(2g)を塩化メ
チレン(7ml)とTween 80(アストラパウダー社製)
(1ml)に溶解したものに分散させた。これを0.3%
ポリビニルアルコール水溶液(200ml)に注入し、タ
ービン式ホモミキサーを使用して、10,000rpm
で2分混合することによりO/Wエマルジョンとした。
その後O/W型エマルジョン液を攪拌しつつ、塩化メチ
レンの揮散によって油相を固化させた後濾過により捕集
した。これを再び蒸留水に分散させ、遊離薬物等を洗浄
し濾過した。捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥に
よって脱溶媒及び脱水をより完全とした後、粉末として
得られた。得られた粉末状成型物の平均径は約1〜10
μmであった。
【0165】この粉末(100mg)を分散剤としてカル
ボキシメチルセルロース(7.5mg)、Tween 80(アス
トラパウダー社製)(1.5mg)と共に、蒸留水に懸濁
させ百日咳ワクチン経口剤及び経鼻剤を得た。
【0166】
【実施例25】 (1)ランガーらの方法(Macromolecules, 1989, 22,
3250-3255 )によって作成したトランス―4―ヒドロキ
シ―1―ピバロイル―L―プロリンメチルエステルをN
aOH 2N水溶液に溶解し、室温で3時間スターラー
により攪拌した。その後、塩酸水溶液により中和し、塩
化メチレンで抽出後、溶媒を留去しトランス―4―ヒド
ロキシ―1―ピバロイル―L―プロリンの白色粉末を得
た。
【0167】(2)このトランス―4―ヒドロキシ―1
―ピバロイル―L―プロリン(4.0g)とDL―乳酸
(20g)(モル比10:90)を25mlナシ型フラス
コ中にいれ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レジン
(Dowex 50W, Dow Chemicals製)(0.4g)を添加
し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下130〜14
0℃で3時間溶融させた。その後、さらに真空度を上げ
(1.0mmHg)、60時間210℃にて溶融重合を行っ
た。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙にてレ
ジンを除去した後n―ヘキサンにて再沈を行い、共重合
物を得た(収量15.5g)。
【0168】得られた共重合体の重量平均分子量は約
5,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―ピ
バロイル―L―プロリンとDL―乳酸との重量比は1
5:85であった。
【0169】
【実施例26】 (1)ランガーらの方法(Macromolecules, 1989, 22,
3250-3255 )と同様の方法にて作成したトランス―4―
ヒドロキシ―1―エイコサノイル―L―プロリンメチル
エステルをNaOH 2N水溶液に溶解し、室温で3時
間スターラーにより攪拌した。その後、塩酸水溶液によ
り中和し、塩化メチレンで抽出後、溶媒を留去しトラン
ス―4―ヒドロキシ―1―エイコサノイル―L―プロリ
ンの白色粉末を得た。
【0170】(2)このトランス―4―ヒドロキシ―1
―エイコサノイル―L―プロリン(8.8g)とDL―
乳酸(20g)(モル比10:90)を25mlナシ型フ
ラスコ中にいれ、2Nの塩酸で活性化したイオン交換レ
ジン(Dowex 50W, Dow Chemicals製)(0.4g)を添
加し、窒素置換した後、減圧(15mmHg)下130〜1
40℃で3時間溶融させた。その後、さらに真空度を上
げ(1.0mmHg)、60時間約180℃にて溶融重合を
行った。重合後、少量の塩化メチレンに溶解し、濾紙に
てレジンを除去した後n―ヘキサンにて再沈を行い、共
重合物を得た(収量18.5g)。
【0171】得られた共重合体の重量平均分子量は約1
2,000であり、トランス―4―ヒドロキシ―1―エ
イコサノイル―L―プロリンとDL―乳酸との重量比は
10:90であった。
【0172】
【実施例27】N―tert―ブチルオキシカルボニル
―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリン(4.5
g)とDL―乳酸(20g)(モル比10:90)を2
5mlナシ型フラスコ中にいれ、2Nの塩酸で活性化した
イオン交換レジン(Dowex 50W, Dow Chemicals製)
(0.4g)を添加し、窒素置換した後、減圧(15mm
Hg)下130〜140℃で2〜3時間溶融させた。その
後、さらに真空度を上げ(1.0mmHg)、60時間約1
75℃にて溶融重合を行った。重合後、少量の塩化メチ
レンに溶解し、濾紙にてレジンを除去した後n―ヘキサ
ンにて再沈を行い、共重合物を得た(収量14.5
g)。
【0173】得られた共重合体の重量平均分子量は約
6,000であり、N―tert―ブチルオキシカルボ
ニル―トランス―4―ヒドロキシ―L―プロリンとDL
―乳酸との重量比は15:85であった。
【0174】
【実施例28】実施例5で得たトランス―4―ヒドロキ
シ―1―パルミトイル―L―プロリン・DL乳酸共重合
体を用いて、サケカルシトニン(SCT)持続性注射剤
の製造を行った。
【0175】先ず、SCT(3.2mg、16,000ユ
ニット)を水(2ml)に溶解した。これに上記ポリマー
(2g)を塩化メチレン(7ml)とTween 80(1ml)に
溶解したものを加え超音波混合(2分)し、W/Oエマ
ルジョンを調製した。これを0.3%ポリビニルアルコ
ール水溶液200mlに注入し、タービン式ホモミキサー
を使用して2,000prmで2分混合することにより
W/O/W型エマルジョンとした。
【0176】その後、W/O/W型エマルジョン液を攪
拌しつつ、塩化メチレンの揮散によって内部のW/Oエ
マルジョンを固化させた後、濾過により捕集した。これ
を再び蒸留水に分散させ遊離薬物等を洗浄し濾過した。
捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によって脱溶媒
及び脱水をより完全とした後、粉末として得られた。得
られた粉末状成型物の平均径は約10〜200μmであ
った。
【0177】この粉末(100mg)を等張化剤としてD
―マンニトール(75mg)、分散剤としてカルボキシメ
チルセルロース(7.5mg)、Tween 80(アストラパウ
ダー社製)(1.5mg)と共に注射用蒸留水に懸濁させ
持続性注射剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例18における本発明の共重合体のin
vivo分解性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 嘉樹 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I]及び[II] 【化1】 (式中、Xは水素原子、又はRCO―で表わされるアシ
    ル基(ここで、RはC 1 〜C20の炭化水素基又はアルコ
    キシ基を表わす。)であり、Yは水素原子、又はC1 〜
    C8 のアルキル基であり、m及びnは各々1以上の整数
    であってm+nが少なくとも10であり、m/(m+
    n)が少なくとも0.01である。)で表わされる構成
    単位を有する共重合体。
  2. 【請求項2】 式[I]において、RがC1 〜C20のア
    ルキル基である請求項1記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 式[I]において、RがC4 〜C8 の脂
    肪族アルコキシ基又はC7 〜C9 の芳香族アルコキシ基
    である請求項1記載の共重合体。
  4. 【請求項4】 式[II]において、Yが水素原子、又は
    メチル基である請求項1記載の共重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のトランス―4―ヒドロキ
    シ―L―プロリン類・乳酸及び/又はグリコール酸共重
    合体と治療有効量の薬物とからなる医薬品組成物。
  6. 【請求項6】 薬物がペプチド類、蛋白類、抗体類、ワ
    クチン類からなる群から選ばれる一種又は二種以上であ
    る請求項5記載の医薬品組成物。
  7. 【請求項7】 該医薬品組成物が、平均径0.01〜4
    00μmの微粒子状の成型物である請求項5記載の医薬
    品組成物。
  8. 【請求項8】 該医薬品組成物が、注射剤用投与形態に
    ある請求項7記載の医薬品組成物。
  9. 【請求項9】 該医薬品組成物が、経口用又は経鼻用投
    与形態にある請求項7記載の医薬品組成物。
  10. 【請求項10】 該薬物が、ワクチン類である請求項5
    〜9いずれか1項に記載の医薬品組成物。
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