JPH05208317A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JPH05208317A
JPH05208317A JP27029792A JP27029792A JPH05208317A JP H05208317 A JPH05208317 A JP H05208317A JP 27029792 A JP27029792 A JP 27029792A JP 27029792 A JP27029792 A JP 27029792A JP H05208317 A JPH05208317 A JP H05208317A
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久 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加工物2の電圧よりも高い電圧を電極1に
加える負電圧を加工間隙に印加し、加工間隔の平均電圧
を減少させる放電加工装置において、負電圧での放電に
よる被加工物2の加工面の加工品質の低下を防止する。 【構成】 高周波発振器41及び2入力NAND回路4
2の作用により、加工間隙に印加する負電圧を所定の周
期で断続して印加するようにし、負電圧による放電時間
を微少時間に留める。 【効果】 被加工物2の電解・電蝕による変形や磁化現
象を防止できるとともに加工面の加工品質低下を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被加工物の加工面の加工
品質を向上した放電加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は特開昭61−4620号公報に
開示された従来の放電加工装置における加工間隙電圧印
加回路のブロック構成図である。なお、この加工間隙電
圧印加回路は被加工物と放電加工装置の電極との間の加
工間隙に印加する電圧を発生する回路である。
【0003】図14において、1は電極、2は被加工
物、3は出力電圧がE1である第1の直流電源、12〜
15はそれぞれスイッチ回路、例えば、半導体スイッチ
ング素子である。
【0004】半導体スイッチング素子12と抵抗器16
との直列体は第1の直流電源3の陽極と電極1との間に
接続され、半導体スイッチング素子14と抵抗器17と
の直列体は第1の直流電源3の陽極と被加工物2との間
に接続されている。なお、抵抗器16および抵抗器17
より抵抗回路が構成される。
【0005】また、半導体スイッチング素子13は第1
の直流電源3の陰極と電極1との間に接続され、半導体
スイッチング素子15は第1の直流電源3の陰極と被加
工物2との間に接続されている。
【0006】7は出力電圧がE3(例えば240V)で
ある第2の直流電源、18は半導体スイッチング素子で
ある。そして第2の直流電源7、半導体スイッチング素
子18、抵抗器19およびダイオード20の直列体は、
電極1と被加工物2との間に接続されている。
【0007】なお、ダイオード20はこの直列体におい
て、電極1から被加工物2に向けて電流が流れる方向に
取付けられている。また、21〜25はそれぞれ半導体
スイッチング素子12〜15、および、半導体スイッチ
ング素子18を駆動する駆動回路である。
【0008】26は駆動回路21〜25に制御信号を与
え、半導体スイッチング素子12〜15、および、半導
体スイッチング素子18のオンオフ制御を行う制御回路
である。
【0009】なお、第2の直流電源7の出力電圧E3は
第1の直流電源3の電圧E1より高く、抵抗器19の抵
抗値は抵抗器16、および、抵抗器17の抵抗値より十
分小さい値に設定されている。
【0010】また、927は電極1の電圧を制御回路2
6に伝える信号線であり、928は被加工物2の電圧を
制御回路26に伝える信号線である。
【0011】そして、929は制御回路26より出力さ
れる制御信号を駆動回路21および24に伝える信号線
であり、930は制御回路26より出力される制御信号
を駆動回路22および23に伝える信号線である。ま
た、931は制御回路26より出力される制御信号を駆
動回路19に伝える信号線である。
【0012】次に、図14に示す加工間隙電圧印加回路
の動作について説明する。図14において、制御回路2
6により半導体スイッチング素子12および15は同時
にオンオフ動作し、半導体スイッチング素子13および
14は同時にオンオフするように制御されるとともに、
半導体スイッチング素子12および13は互に相補的に
オンオフ動作し、半導体スイッチング素子14および1
5は互いに相補的にオンオフ動作するように制御され
る。
【0013】また、半導体スイッチング素子13および
14がオンし、電極1に比べ被加工物2に高い電圧が印
加された状態、すなわち、正の電圧が加工間隙に印加さ
れた状態で放電が開始すると、半導体スイッチング素子
18がオンし第2の直流電源7の電圧E3が被加工物2
と電極1との間に印加され被加工物2と電極1との間に
大きな放電電流が流れる。
【0014】そして、所定時間経過後半導体スイッチン
グ素子13および14をオフさせるとともに半導体スイ
ッチング素子18もオフさせるように制御回路26によ
り制御される。なお、放電による被加工物2の加工は半
導体スイッチング素子13および14がオンし加工間隙
に正の電圧が印加された状態のときに行われる。そし
て、半導体スイッチング素子12および15がオンし被
加工物2に比べ電極1の電圧が高い電圧が印加される状
態、すなわち、負の電圧が加工間隙に印加される状態の
とき被加工物2と電極1との間に印加される平均電圧の
片寄りが減少する方向に是正され、電解現象や電蝕現象
が軽減される。
【0015】次に、図14に示す従来装置の加工間隙電
圧印加回路の動作について図15に示す動作フロー図、
図16(a)および図16(b)に示す加工間隙の電圧
波形図および電流波形図により説明する。加工間隙電圧
印加回路に動作開始指令が与えられると図15におい
て、ステップS200からステップS201に移行す
る。
【0016】ステップS201では、半導体スイッチン
グ素子12および15がオンし半導体スイッチング素子
13、14、および、18がオフする。この状態では、
半導体スイッチング素子12および抵抗器16を介して
第1の直流電源3の陽極の電圧が電極1に印加され、半
導体スイッチング素子15を介して第1の直流電源3の
陰極の電圧が被加工物2に印加される。
【0017】ステップS201からステップS202へ
は直ちに移行する。そして、ステップS202では、ス
テップS201で設定された状態のまま期間T1の間、
留まり次のステップS203に進む。
【0018】なお、ステップS202に留まる期間T1
においては図16(a)および図16(b)に示すよう
に放電が発生するまで−E1の電圧が加工間隙に発生
し、放電が開始されると−E01の電圧が発生する。ま
た、放電が開始されてから期間T1が終了するまでの間
は図16(b)に示すように負方向の電流である−Io
pが加工間隙に流れる。なお、−E01の電圧の絶対値
は、−E1の絶対値に比べて小さい値になる。
【0019】ステップS203では、半導体スイッチン
グ素子12、15、および18がオフし、加工間隙に電
圧が印加されない状態になる。そして、直ちにステップ
S204に進む。ステップS204では、ステップS2
03で設定された状態のまま図16(a)に示す期間T
2の間、留まり次のステップS205に進む。
【0020】ステップS205では、半導体スイッチン
グ素子12、15、および18はオフしたまま、半導体
スイッチング素子13、および、14がオンする。この
状態では半導体スイッチング素子14および抵抗器17
を介して、第1の直流電源3の陽極の電圧が被加工物2
に印加され、半導体スイッチング素子13を介して第1
の直流電源の陰極の電圧が電極1に印加される。そし
て、ステップS205からステップS206に直ちに移
行する。
【0021】ステップS206では放電が発生したか否
かを判定し、放電が発生していなければステップS20
8に進む。ステップS208ではステップS204から
ステップS205に移行した後、期間T3に留まる時間
が終了したか否か判定し、まだ終了していなければステ
ップS206に戻る。ステップS206で放電が発生し
ていれば次のステップS207に進む。
【0022】ステップS207では半導体スイッチング
素子18をオンにする。半導体スイッチング素子18が
オンすると半導体スイッチング素子18、抵抗器19、
およびダイオード20を介して、第2の直流電源7の陽
極の電圧が被加工物2に印加され、第2の直流電源7の
陰極の電圧が電極1に印加される。そして、ステップS
207から直ちにステップS208に進む。
【0023】ステップS208ではステップS204か
らステップS205に移行した後、期間T3に留まる時
間が終了していなければ前述のようにステップS206
に戻り、終了していればステップS209に進む。ま
た、ステップS205〜ステップS208の状態は図1
6(a)および図16(b)において、期間T3で示さ
れ、放電が開始されるまではE1の電圧が加工間隙に発
生し、放電が開始されるとE11の電圧が発生する。
【0024】そして、放電が開始されてから期間T3に
留まる時間が終了するまでの間は図11(b)に示すよ
うに正方向の電流Ipが加工間隙に流れる。なお、E11
の電圧はE1に比べて十分に小さい大きさになってお
り、−Iopの絶対値はIpの絶対値より十分小さい値
になっている。
【0025】−Iopの絶対値がIpの絶対値に比べて
十分小さい理由は、上述のように抵抗器16の抵抗値に
比べて抵抗器19および抵抗器17の抵抗値が十分小さ
いためである。ステップS209では半導体スイッチン
グ素子13、14、および、18をオフにし、加工間隙
に電圧が印加されない状態にする。そして、ステップS
210に進む。
【0026】ステップS210ではステップS209で
設定された状態のまま、図16(a)、図16(b)に
示す期間T4の間、留り初めのステップS201に戻
る。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】さて、図14に示す従
来装置においては、負電圧、すなわち、被加工物2の電
圧よりも電極1の電圧の方が高くなるように印加される
電圧は、放電を開始するための高い正電圧を供給する第
1の直流電源3により供給されるため、負電圧も高い電
圧となり負電圧による放電が発生する。
【0028】この負電圧による放電は、抵抗器16によ
り電流制限を受け数十マイクロ秒間程度継続するエネル
ギーが小さい放電なので、被加工物2が鉄系材料の場合
にはほとんど問題にならない。しかし、超硬合金、導電
性セラミックス、ダイヤモンド焼結体などの焼結材料に
おいては10ミクロン程度の深さまたは幅のマイクロク
ラックが発生し、加工面の加工品質を著しく低下させ
る。
【0029】また、数十マイクロ秒間程度継続する負電
圧による放電は電極1の消耗を促進させ、電極より溶融
離脱した電極材料を被加工物に付着させるので加工面の
加工品質を低下させる。
【0030】また、他の従来例として、特公昭63−5
0132号公報に開示のものがある。この特公昭63−
50132号公報に開示のものは、ワイヤ電極とワーク
間に印加される平均電圧を検出し、該平均電圧に応じた
パルス幅のパルスを出力する逆電圧時間調整回路と、逆
電圧印加時にトランジスタと抵抗間の電圧と基準電圧と
の差を検出保持するサンプルホールド回路の保持電圧に
応じた出力を上記逆電圧時間調整回路の出力パルス時間
だけ出力する逆電圧調整回路とを有し、該逆電圧調整回
路の出力により上記トランジスタを導通させるととも
に、A級増幅動作をさせることにより逆電圧のピーク電
圧が一定で平均加工電圧が零になるようにしたものであ
る。
【0031】この従来例のものは、電極の大きな損傷を
回避するため逆電圧のピーク電圧がカットされるもの
の、負電圧印加時の放電を極力防止するためになされた
ものではないので、上記図14に示す従来例と同様に負
電圧印加時に放電が発生する。そして放電が発生した場
合、極間電圧が低下し、上述のような構成であることか
ら、極間に大電流を流そうと作用し有害アークが持続し
易く、ひいては上記図14に示す従来例と同様の欠点を
有する。またこの従来例のものは、トランジスタをA級
増幅動作させるものであるので、ハイパワーな放電加工
電源の出力制御を行おうとすると、トランジスタの発熱
等が生じる欠点もある。
【0032】以上のように従来の放電加工装置の加工間
隙電圧印加回路は上述のように構成されており、負電圧
印加時の放電を極力防止するよう考慮されたものではな
かったので、負電圧を印加する電源の電圧が高く、負電
圧による放電電流が発生することが往々にしてあり、こ
のため被加工物の加工面の加工品質を著しく低下させる
という問題点を有している。
【0033】この発明は上述のような問題点を解決する
ためになされたものであり、加工間隙に負電圧を印加す
る電源の電圧が放電発生の可能な高い電圧を有する場合
においても、負電圧の放電による被加工物の加工面の品
質低下が防止されるとともに、加工面の加工品質の高い
放電加工装置を得ることを目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる放電
加工装置は、被加工物と所定距離離隔して対向配置され
た電極と、第1の直流電源と、この第1の直流電源の負
側が上記電極側に、正側が上記被加工物側に接続される
正極性の電圧印加状態と上記第1の直流電源の負側が上
記被加工物の側に、正側が上記電極側に接続される負極
性の電圧印加状態とを切換可能なスイッチ回路と、上記
負極性の電圧印加状態とこの負極性の電圧印加状態を解
除した状態とが交互に発生する期間と上記正極性の電圧
印加状態の期間とが所定の順序で繰返し発生するように
上記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路とを備え
る構成としたものである。
【0035】また第2の発明に係わる放電加工装置は、
上記スイッチ制御回路を、電極と被加工物との間の平均
電圧が予め設定した所定の電圧になるように、負極性の
電圧印加状態とこの負極性の電圧印加状態を解除した状
態とが交互に発生する期間中、スイッチ回路を所定のデ
ューティ・ファクターで制御するデューティ・ファクタ
ー制御手段を有するものとしたものである。
【0036】また第3の発明に係わる放電加工装置は、
被加工物と所定距離離隔して対向配置された電極と、第
1の直流電源と、この第1の直流電源の負側が上記電極
側に、正側が上記被加工物側に接続される正極性の電圧
印加状態と上記第1の直流電源の負側が上記被加工物の
側に、正側が上記電極側に接続される負極性の電圧印加
状態とを切換可能なスイッチ回路と、上記負極性の電圧
印加状態の期間と上記正極性の電圧印加状態の期間とが
所定の順序で繰返し発生するように上記スイッチ回路を
制御するスイッチ制御回路と、負極性の電圧印加状態で
電極と被加工物との間の電圧を所定電圧にクランプする
電圧クランプ回路とを備える構成としたものである。
【0037】また第4の発明に係わる放電加工装置は、
上記電圧クランプ回路を、スイッチング体と抵抗器また
はインダクタとの直列体と、上記スイッチング体をオン
オフさせるスイッチング駆動手段とを有するものとし、
かつ上記直列体を電極と被加工物との間に接続するとと
もに、上記スイッチング駆動手段を、上記スイッチング
体を所定のデューティ・ファクターでオンオフ駆動して
上記電極と被加工物との間の電圧を所定電圧にするよう
にしたものである。
【0038】また第5の発明に係わる放電加工装置は、
上記第4の発明に係る放電加工装置において、スイッチ
ング駆動手段を介してスイッチング体をオンオフ動作さ
せ、電極と被加工物との間の平均電圧を所定電圧にする
ように上記スイッチング体のオンオフ動作のデューティ
ー・ファクターを制御するスイッチング体デューティー
・ファクター制御手段を設けたものである。
【0039】また第6の発明に係わる放電加工装置は、
上記第3〜第5の発明に係る放電加工装置において、負
極性の電圧による放電を検出する放電検出手段と、正極
性の大電流を被加工物と電極との間に供給する第2の直
流電源とを備え、上記放電検出手段が負極性の電圧印加
時に放電を検出したとき、電極と被加工物との間の静電
容量に蓄積された静電エネルギーによる電流アークが途
切れる前に、上記第2の直流電源より正極性の大電流を
被加工物と電極との間に供給するようにしたものであ
る。
【0040】また第7の発明に係わる放電加工装置は、
上記第3〜第6の発明に係る放電加工装置において、正
極性または負極性の電圧による放電を検出する放電検出
手段を備え、この放電検出手段が正極性または負極性の
電圧印加時に放電を検出したとき、正極性電圧または負
極性電圧による直流アークを遮断するよう上記スイッチ
制御回路を制御するようにしたものである。
【0041】また第8の発明に係わる放電加工装置は、
上記第3の発明に係る放電加工装置において、正極性及
び負極性の電圧による放電を各々検出する放電検出手段
と、正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給する
第2の直流電源と、正極性の電圧印加時に放電が発生し
たとき、上記第2の直流電源より正極性の大電流を被加
工物と電極との間に供給する第1のモードと、負極性の
電圧印加時に放電が発生したとき、上記第2の直流電源
より正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給する
第2のモードとの何れのモードとするかを切り換える手
段とを備える構成としたものである。
【0042】更にまた第9の発明に係わる放電加工装置
は、上記第3の発明に係る放電加工装置において、正極
性及び負極性の電圧による放電を各々検出する放電検出
手段と、正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給
する第2の直流電源とを備え、これらの放電検出手段が
放電を検出したとき、電圧印加状態が正極性及び負極性
の何れの状態であっても、正極性の大電流を被加工物と
電極との間に供給するようにしたものである。
【0043】
【作用】第1の発明における放電加工装置は、負極性の
電圧印加時に放電が発生しない、または放電が発生した
としても直ぐに消滅する。
【0044】また第2の発明における放電加工装置は、
極間の平均電圧を容易に制御できる。
【0045】また第3の発明における放電加工装置は、
負極性の電圧印加時に放電が発生しない、または放電が
極力発生しないようにすることができる。
【0046】また第4の発明における放電加工装置は、
上記電極と被加工物との間の電圧を容易に所定電圧にす
る。
【0047】また第5の発明における放電加工装置は、
電極と被加工物との間の平均電圧を容易に零にできる。
【0048】また第6の発明における放電加工装置は、
加工速度が向上する。
【0049】また第7の発明における放電加工装置は、
正極性の電圧印加時に加工面に悪影響を及ぼすアークの
発生を防止する。
【0050】また第8の発明における放電加工装置は、
被加工物の材質に応じた適切な放電加工を行うことを可
能とする。
【0051】更にまた第9の発明における放電加工装置
は、加工速度が大幅に向上する。
【0052】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1を示す放電加工装
置の加工間隙電圧印加回路のブロック図である。図1に
おいて1〜2、7、12〜26は従来例を示す図14と
同様であり説明を省略する。
【0053】また、図1において、1は極間に約80V
〜150Vの電圧を印加できる可変の第1の直流電源、
41は高周波発振回路、42は2入力NAND回路であ
る。2入力NAND回路42の一方の入力端子は高周波
発振回路41の発振出力が接続され、他方の入力端子に
は制御回路26から出力される制御信号43が接続され
ている。
【0054】なお、この制御信号43は従来例を示す図
14における制御信号29と同様の信号である。また、
2入力NAND回路42の出力端子は駆動回路21およ
び駆動回路24に接続されている。そして、制御回路2
6、高周波発振回路41、2入力NAND回路および駆
動回路21〜24よりスイッチ制御回路が構成される。
【0055】次に、図1に示す加工間隙電圧印加回路の
動作について説明する。図1に示す加工間隙電圧印加回
路の動作は、図14に示す従来の加工間隙電圧印加回路
の動作において、負の電圧が加工間隙に印加される期
間、すなわち、T1の期間において、半導体スイッチン
グ素子12および15は高周波発振回路41の発振周波
数(通常1〜2MHz)で断続的にオンオフする。
【0056】図2(a)および図2(b)は期間T1に
おいて放電が発生しない場合の放電間隙の電圧波形およ
び電流波形を示している。なお、図2(b)に示すよう
に期間T3において従来例を示す図16と同様のIpの
大きさの電流が流れるが、期間T1においては電流は流
れていない。
【0057】図2(a)においてT1の期間における実
線で示した高周波のパルス波形は加工間隙、すなわち、
被加工物2と電極1との間に静電容量成分が存在しない
場合の波形を示し、零ボルトの電圧から−E1の電圧
(約80V)に時間とともに漸近する点線で示した波形
は静電容量成分が存在する場合の波形を示している。な
お、図中E1の電圧も、約80Vである。
【0058】図3(a)および図3(b)は期間T1に
おいて放電が発生した場合における期間T1の加工間隙
の電圧および電流波形を示している。
【0059】図3(a)および図3(b)において、実
線で示した波形301および波形302は加工間隙に静
電容量が存在しない場合における図1に示す加工間隙電
圧印加回路による加工間隙の電圧波形および電流波形で
ある。波形301に示すように、期間T1の特定時刻T
T1で放電が発生したとき、電圧が−E01(約25V)
に上昇するが、短時間(高周波発振器41の発振周期以
下)で半導体スイッチング素子12および15がオフに
する。
【0060】このときの電流波形は図3(b)に示すよ
うに時刻TT1で−Iopの電流が流れるが上述の電圧
波形と同様に短時間で零に復帰する。また、図3(a)
および図3(b)において点線で示した波形303およ
び波形304は、それぞれ、従来例を示す図14に示す
加工間隙電圧印加回路による加工間隙の電圧および電流
波形を上述の波形301および波形302と対比して示
した波形である。
【0061】波形303に示すように、図14に示す加
工間隙電圧印加回路においては、時刻TT1で一担放電
が開始すると期間T1が終了するまで継続して放電が行
われ、この放電が継続している間、加工間隙の電圧は−
E01に上昇する。そして、図3(b)に示すように電流
波形は−Ipoが期間T1の終了するまで続く波形にな
る。
【0062】従って、図14に示す従来の放電間隙電圧
印加回路によれば加工間隙に負電圧が印加された状態で
の放電が一担開始されると期間T1が終了するまで継続
するので、この放電にもとづき被加工物2の加工面の品
質が著しく低下するが、図1に示すこの発明による加工
間隙電圧印加回路によれば、放電が開始しても短時間で
放電電流が零に復帰するので、被加工物2の加工面の品
質の低下を防止できる効果がある。
【0063】実施例2.また、上述のように加工間隙に
静電容量成分が存在するときは、図2(a)において点
線にて示す電圧波形が期間T1に表われるが、この電圧
波形は図4(a)に示すように加工間隙の静電容量が大
きい場合は時間とともに緩やかに零ボルトから−E1に
近づくが、静電容量が小さい場合はより速やかに零ボル
トから−E1に近づく。
【0064】図4(b)に示すように加工間隙の静電容
量が同一であっても高周波発振器41の発振出力波形の
デューティー・ファクターの大小により零ボルトの状態
から−E1の電圧に近づく速さが異る。
【0065】すなわち、デューティ・ファクターが大
(半導体スイッチング素子12および15がオンしてい
る時間とオフしている時間の割合において、オンしてい
る時間の割合が大きい)の場合は−E1の電圧に速やか
に到達し、デューティー・ファクターが小の場合は−E
1の電圧により緩やかに到達する。
【0066】従って、加工間隙に静電容量が存在する場
合も存在しない場合もデューティー・ファクターを変化
させることにより加工間隙に期間T1において印加され
る負電圧の積分値を変化させることができる。
【0067】そこで、加工間隙に印加される正電圧の積
分値と負電圧の積分値が平均して等しくなるように、す
なわち、平均電圧が零になるようにデューティー・ファ
クターを設定すれば、電解または電蝕現象による被加工
物2の表面の変形や磁化現象をより完全に防止すること
ができる。
【0068】図5は、デューティー・ファクターを変化
させる方法の一例を示す説明図である。図5(a)にお
いて、501はデューティー・ファクターを変化させる
ことができるようにした高周波発振回路である。この高
周波発振回路501は図1に示す加工間隙電圧印加回路
において、高周波発振回路41に置きかえて使用され
る。
【0069】502は、基準クロック発生器であり、一
定のデューティー・ファクターを有する所定の周波数の
クロックパルスを発生する。503は、基準クロック発
生器502の出力信号であるクロックパルスが入力さ
れ、このクロックパルスの周波数と同じ周波数の鋸歯状
波を発生する鋸歯状波発生器である。
【0070】また、504は電圧比較器であり、鋸歯状
波発生器503の出力信号と基準電圧端子505の電圧
と比較し、鋸歯状波発生器503の出力信号の大きさが
基準電圧端子505の電圧より大きいときは“1”のレ
ベルの信号を出力し、基準電圧端子505の電圧より小
さいときは“0”のレベルの信号を出力する。
【0071】なお、“1”のレベルの信号は、正の所定
の電圧によって表わされ、“0”のレベルの信号は零ボ
ルトまたは零ボルトに近い電圧によって表わされてい
る。この高周波発振回路501によれば、基準電圧端子
505の電圧の大きさを変えることにより出力波形のデ
ューティー・ファクターを変化させることができる。
【0072】すなわち、基準電圧端子505の電圧を高
めの電圧に設定すれば“0”のレベルにある時間と比べ
“1”のレベルにある時間が短いパルスが電圧比較器5
04の出力端子、すなわち、高周波発振回路501の出
力端子より出力され、基準電圧端子505の電圧を低め
の電圧に設定すれば“0”のレベルにある時間に比べ
“1”のレベルにある時間が長いパルスが電圧比較器5
04の出力端子、すなわち、高周波発振回路501の出
力端子より出力される。
【0073】なお、図5(b)は電圧比較器504の入
力波形と出力波形を対比して示した図である。この増幅
回路506により加工間隙の平均電圧検出器(図示せ
ず)の検出出力と平均電圧設定値との差分を増幅し、こ
の増幅出力を基準電圧端子505に接続することにより
負帰還をかけ、加工間隙の平均電圧が平均電圧設定値に
なるように自動的にデューティー・ファクターを変化さ
せることも可能である。
【0074】このとき平均電圧設定値を零ボルトに設定
すれば加工間隙の平均電圧が零ボルトになるようにデュ
ーティー・ファクターが自動的に設定される。なお、デ
ューティー・ファクター制御手段は鋸歯状波発生器50
3、電圧比較器504および増幅回路506より構成さ
れている。また、上述のデューティー・ファクター制御
手段はアナログ信号の処理を行っているが、これに限ら
ずディジタル処理によるようにしてもよい。
【0075】実施例3.図6は、この発明の実施例3を
示す加工間隙電圧印加回路のブロック構成図である。
【0076】図6において、28は出力電圧がE2であ
る第3の直流電源、29は陰極が第3の直流電源28の
陽極に接続された整流回路、例えばダイオードで、第3
の直流電源28とともにクランプ回路を構成している。
なお、E2の絶対値はE1の絶対値より小さく設定されて
いる。また、ダイオード29の陽極は電極1に接続さ
れ、第3の直流電源28の陰極は被加工物2に接続され
ている。
【0077】図6は従来例を示す図14に上述の第3の
直流電源28とダイオード29を付加したものであり、
1〜3、7、12〜26は実施例1と同様なので説明を
省略する。
【0078】次に、図6に示す加工間隙電圧印加回路の
動作について説明する。図6に示す加工間隙電圧印加回
路において、第3の直流電源28およびダイオード29
の直列体は加工間隙に印加される負の電圧の絶縁値が第
3の直流電源28の出力電圧E2より大きくならないよ
うにクランプする働きを有している。
【0079】すなわち、半導体スイッチング素子12お
よび15がオンしても、絶対値がE1である負の電圧が
加工間隙に印加されることはなく、E1(例えば約80
V)より小さい電圧であるE2の電圧(例えば約70
V)にクランプされる。なお、ダイオード29は第3の
直流電源28の陽極から電極1に向けて流れる電流を阻
止する機能を有している。
【0080】図7は、加工間隙の電圧波形を示す図であ
り、図において点線で示した期間T1における波高値が
−Eの波形は第3の直流電源28およびダイオード29
の直列体が電極1と被加工物2間に接続されていない状
態、すなわち、クランプしない状態における放電開始前
の波形である。
【0081】そして、期間T1における波高値が−E2
(例えば約70V)の実線で示した波形は、クランプさ
れた状態における放電開始前の波形を示している。この
ように、加工間隙に印加される負電圧の大きさは、電圧
−E2にクランプされるため負電圧による放電は軽減ま
たは阻止されるので、被加工物2の加工面2の加工面の
品質の低下を防止できる効果がある。
【0082】図7において期間T3においては加工間隙
に正電圧が印加され、この期間T3において、放電開始
前は加工間隙にE1の電圧が印加される。そして、正電
圧印加の場合も負電圧印加の場合も放電が開始されると
加工間隙に印加される電圧はその絶対値が減少する。
【0083】実施例4.図8は、この発明の実施例4を
示す加工間隙電圧印加回路のブロック構成図である。こ
の図8に示す加工間隙間電圧印加回路は図6に示す実施
例3の加工間隙電圧印加回路において加工間隙電圧を可
変にするようにしたものである。
【0084】図8において、30は抵抗器であり、ダイ
オード29の陽極は電極1に接続され、ダイオード29
の陰極は抵抗器30の一端に接続されている。そして、
抵抗器30の他端は第3の直流電源28の陽極と接続さ
れ第3の直流電源28の陰極は被加工物2に接続されて
いる。
【0085】31はスイッチング体、例えば半導体スイ
ッチング素子である。また、32は半導体スイッチング
素子31の制御端子31aに半導体スイッチング素子3
1をオンオフ駆動する制御信号を出力するスイッチング
駆動手段、例えば駆動回路である。
【0086】33は抵抗器であり、この抵抗器33の一
端はダイオード29の陰極に接続されている。そして、
抵抗器33の他端と被加工物2との間に半導体スイッチ
ング素子31が接続されている。また、34はコンデン
サでありダイオード29の陰極と被加工物2との間に接
続されている。
【0087】図8において、1〜3、7、12〜29は
実施例1に示すものと同様なので説明を省略する。な
お、抵抗器30は第3の直流電源28の内部抵抗が十分
大きい場合は省略してもよい。
【0088】次に、図8に示す加工間隙電圧印加回路の
動作について説明する。駆動回路32は、加工間隙の浮
遊容量および、コンデンサ34と抵抗器33とにより構
成されるCR回路の時定数より小さい周期で半導体スイ
ッチング素子31をオンオフする制御信号を半導体スイ
ッチング素子31の制御端子に入力するように構成され
ている。
【0089】そして、半導体スイッチング素子31のオ
ンオフ動作のデューティー・ファクターを変化させるこ
とにより加工間隙電圧の変化を可能にしている。すなわ
ち、このデューティ・ファクターを選定して設定するこ
とにより加工間隙の平均電圧を零ボルトまたは零ボルト
近くにすれば、電解または電蝕現象による被加工物2の
表面の変形や磁化現象を防止することができる。
【0090】また、コンデンサ34により加工間隙電圧
の変動が防止されるが半導体スイッチング素子31のオ
ンオフ動作の周波数が大きく、加工間隙の浮遊容量が大
きいときはコンデンサ34は省略してもよい。
【0091】また、抵抗器30が直列接続された第3の
直流電源28は、半導体スイッチング素子31、15、
16がオフした状態のとき、コンデンサ34に第3の直
流電源28の電圧E2を印加するために設けたものであ
る。この電圧E2によりサージ電圧によるコンデンサ3
4の両端の電圧上昇を防止することができ、コンデンサ
34を充電するための突入電流を減少させることができ
る。
【0092】また、図8において点線で接続されている
スイッチング体デューティー・ファクター制御手段35
により、加工間隙の平均電圧検出器(図示せず)の検出
出力を用いて図5(a)と同様に負帰還制御し、加工間
隙の平均電圧が平均電圧設定値になるようにデューティ
・ファクターを自動設定するようにしてもよい。この場
合、平均電圧設定値を零ボルトに設定すれば加工間隙の
平均電圧は零ボルトになる。
【0093】なお、抵抗器33はインダクターで置きか
えてもよく、この場合は抵抗器33の発熱による電力消
費を防止できる効果がある。
【0094】実施例5.次にを図9及び図10に基づき
説明する。上述した各実施例のものは加工中の正極性電
圧と負極性電圧を相殺するために負極性電圧を印加して
いる時間が長くなり、加工に寄与する第2の直流電源7
による電流パルスの周波数が低下し、加工速度が向上し
ない。
【0095】この発明の実施例5は、この問題点をも解
決しようとするものである。図9において50は極間に
供給される負極性電圧を所定の値にてクランプする電圧
クランプ回路で、上記実施例3における第3の直流電源
28とダイオード29とから構成される電圧クランプ回
路と同一のもので、簡略図示している。また51は極間
に浮遊する静電容量、52は第1の直流電源3による負
極性の放電を検出する放電検出回路、53は後述するよ
うに、駆動回路21〜25に制御信号を与え、半導体ス
イッチング素子12〜15、18のオンオフ制御を行う
制御回路である。なお、他の構成は上記した実施例と実
質的に同様のものであるので説明を省略する。
【0096】次に、動作について説明する。動作開始時
においては電極1および被加工物2を挟んでブリッジ接
続された半導体スイッチング素子12〜15のうち対角
線にある半導体スイッチング素子13、14をともにオ
ン、他の対角線にある半導体スイッチング素子12、1
5および第2の直流電源7に接続した半導体スイッチン
グ素子18をオフとする。このとき、極間には図10
(a)に示すように+E1(例えば約150V)の電圧
が印加される。この状態が時間T1だけ継続されたの
ち、全ての半導体スイッチング素子12〜15、18を
オフとし、休止状態とする。
【0097】この休止状態が時間T2だけ経過後、半導
体スイッチング素子12、15をオンとする。なお、こ
のとき半導体スイッチング素子18もオフの状態であ
る。このとき極間にはクランプ回路50により決まるク
ランプ電圧−Ec(例えば約70V)の電圧が印加され
る。この負極性での電圧による放電の発生は放電検出回
路52により検出され、この検出信号によりスイッチン
グ素子12、15をOFFする。スイッチング素子1
2、15がOFFされても、極間の静電容量51に蓄え
られた静電エネルギーが放出されるまでのきわめて短い
期間、すなわち約数十〜数百ナノ秒間は負の直流アーク
電流が継続する。
【0098】この電流が途絶える前にスイッチング素子
18をONすることにより、正極性の大電流が極間に流
れ、加工が進行する。ここで、負の直流アークが途切れ
てしまった後にスイッチング素子18をONすると、極
間に高圧の正極性電圧が発生してしまい、ワイヤ断線な
どを招く。すなわちこれら負極性電流の供給と正極性電
流の供給は連続的に行われることが重要であり、スイッ
チング素子12、15がOFFしてからスイッチング素
子18がONするまでの時間は数十ナノ秒程度である必
要がある。スイッチング素子18がONした後の所定時
間後にスイッチング素子18はOFFされ休止状態とな
る。この休止状態で時間T2経過後、上記のサイクルを
繰り返すことにより加工が行われる。
【0099】従来例同様、電流制限用抵抗器16、17
の抵抗値R11,R12は抵抗器19の抵抗値R2に比べて
十分大きく選ばれているため、図10(b)の電流波形
に示すように、半導体スイッチング素子18のオンによ
り第2の直流電源7から供給するピーク電流値は、半導
体スイッチング素子12〜15を介して第1の直流電源
3から供給するピーク電流値に比べて十分高く、実際の
放電加工に寄与する電流はほとんど半導体スイッチング
素子18により極間に供給される。また、正・負極性の
電圧印加時間は、加工中の正極性電圧と負極性電圧が相
殺する(和が平均的に0となる)よう設定される。
【0100】図10と図16とを比較してわかるよう
に、平均電圧を0に維持した加工において、本実施例は
従来例より高い頻度でスイッチング素子18をオンする
ことができるため、高電流パルスをより高い頻度で極間
に供給でき、加工速度が大幅に向上する。
【0101】なお、上記実施例5においては、加工中の
正極性電圧と負極性電圧が相殺するよう、あらかじめ正
極性電圧の印加時間T1を設定したが、平均電圧検出手
段(図9中、符号54で示す)を設け、この平均電圧検
出手段54にて加工中の平均電圧を検出し、平均電圧が
0となるよう正極性電圧印加時間T1を制御することに
より、より確実な電食防止効果が得られる。実施例6.
【0102】また、図12に示すように、正極性電圧に
よる放電を検出する放電検出手段55を設け、図11の
ように正極性電圧による放電が発生した際に正極性電圧
による直流アークを遮断するのに必要最小限の微小な休
止時間を設けることにより、正極性電圧による直流アー
クの持続を防止でき、より一層安定な加工を行うことが
できる。この微小休止時間の長さは極間の状態や工作物
の種類により異なるが、実験によれば0.5〜2μse
cが適当である。またこれとは逆に、負極性電圧による
放電を検出する放電検出手段52にて、負極性電圧によ
る放電が発生した際にも同様に負極性電圧による直流ア
ークを遮断するようにしてもよい。
【0103】実施例7.次に、この発明の実施例7を図
12に基づき説明する。図12において56は後述する
ように、駆動回路21〜25に制御信号を与え、半導体
スイッチング素子12〜15、18のオンオフ制御を行
う制御回路である。なお、他の構成は上記した実施例と
実質的に同様のものであるので説明を省略する。
【0104】次に、動作について説明する。本実施例に
おいては、前記従来例のように正極性電圧による放電が
発生した際に正極性の大電流を印加する駆動モード(以
下第1のモードと称する)と、前記実施例5のように負
極性の放電が発生した際に正極性の大電流を印加する駆
動モード(以下第2のモードと称する)の両方の加工を
行うことができるよう構成されている。
【0105】すなわち、第1のモードは、従来例と同様
の動作にて加工を行うモードであり、まずスイッチング
素子13、14をONすることにより正極性電圧を極間
に印加し、この正極性電圧による放電を放電検出手段5
5により検出したのち、スイッチング素子18をONし
て正極性の大電流を極間に供給する。次いで所定時間T
2の休止後、スイッチング素子12、15をONして負
極性電圧を印加する。これらのサイクルを繰り返すこと
により加工が進行する。このモードは加工速度は低い
が、加工面に対するクラックの発生などのダメージが少
なく、特に超硬合金、ダイヤモンド焼結体などの焼結材
料や、導電性セラミックスの加工に適している。
【0106】次に、第2のモードは、前記実施例5の動
作と同様の動作にて加工を行うモードであり、まずスイ
ッチング素子12、15をONすることにより負極性電
圧を極間に印加し、この負極性電圧による放電を放電検
出回路手段52により検出したのち、スイッチング素子
12、15をOFFする。スイッチング素子12、15
がOFFされても、極間の静電容量51に蓄えられた静
電エネルギーが放出されるまでのきわめて短い期間は負
の直流アーク電流が継続し、この電流が途絶える前にス
イッチング素子18をONすることにより、正極性の大
電流が極間に流れ、加工が進行する。
【0107】これら負極性電流の供給と正極性電流の供
給は連続的に行われ、所定時間後にスイッチング素子1
8はOFFされ休止状態となる。この休止状態で時間T
2経過後、上記のサイクルを繰り返すことにより加工が
行われる。このモードは前述のように高い加工速度が得
られるため、特に鉄系材料の加工に適している。なお、
上記の2つのモードのいずれも、加工中の正極性電圧と
負極性電圧が相殺する(和が平均的に0となる)よう設
定または制御されるため、加工中の工作物の電解腐食を
防止することが可能であることはいうまでもない。
【0108】上記実施例7においては正極性電圧、負極
性電圧のいずれか一方での放電が発生した際に正極性の
大電流を流す構成を示したが、図13に示すように正極
性、負極性電圧の両方の放電発生後に大電流を供給する
ようにしても、加工速度の向上を行いつつ、電解腐食を
防止した加工を行うことができる。
【0109】また、上記実施例6と同様、正極性電圧ま
たは負極性電圧による放電が発生した際に正極性電圧ま
たは負極性電圧による直流アークを遮断するのに必要最
小限の0.5〜2μsec程度の微小な休止時間を設け
ることにより、正極性電圧または負極性電圧による直流
アークの持続を防止でき、より一層安定な加工を行うこ
とができる。
【0110】
【発明の効果】以上述べたように第1の発明によれば、
被加工物と所定距離離隔して対向配置された電極と、第
1の直流電源と、この第1の直流電源の負側が上記電極
側に、正側が上記被加工物側に接続される正極性の電圧
印加状態と上記第1の直流電源の負側が上記被加工物の
側に、正側が上記電極側に接続される負極性の電圧印加
状態とを切換可能なスイッチ回路と、上記負極性の電圧
印加状態とこの負極性の電圧印加状態を解除した状態と
が交互に発生する期間と上記正極性の電圧印加状態の期
間とが所定の順序で繰返し発生するように上記スイッチ
回路を制御するスイッチ制御回路とを備える構成とした
ので、平均電圧を0に維持した加工において、負極性の
電圧印加時における放電の発生の防止、または仮に放電
したとしてもその放電を直ぐに消滅できるようになり、
負極性の電圧印加状態での放電に基づく被加工物の加工
面の品質低下を防止できる効果がある。
【0111】また、第2の発明によれば、上記スイッチ
制御回路を、電極と被加工物との間の平均電圧が予め設
定した所定の電圧になるように、負極性の電圧印加状態
とこの負極性の電圧印加状態を解除した状態とが交互に
発生する期間中、スイッチ回路を所定のデューティ・フ
ァクターで制御するデューティ・ファクター制御手段を
有するものとしたので、第1の発明の効果に加え、電極
と被加工物との間の平均電圧を、予め設定した所定の電
圧になるように容易に制御できる効果がある。
【0112】また、第3の発明によれば、被加工物と所
定距離離隔して対向配置された電極と、第1の直流電源
と、この第1の直流電源の負側が上記電極側に、正側が
上記被加工物側に接続される正極性の電圧印加状態と上
記第1の直流電源の負側が上記被加工物の側に、正側が
上記電極側に接続される負極性の電圧印加状態とを切換
可能なスイッチ回路と、上記負極性の電圧印加状態の期
間と上記正極性の電圧印加状態の期間とが所定の順序で
繰返し発生するように上記スイッチ回路を制御するスイ
ッチ制御回路と、負極性の電圧印加状態で電極と被加工
物との間の電圧を所定電圧にクランプする電圧クランプ
回路とを備える構成としたので、負極性の電圧印加時に
おける放電の発生の防止、またはその放電発生を極力防
止できるようになり、ひいては負極性の電圧印加状態で
の放電にもとづく被加工物の加工面の品質低下を防止で
きる効果がある。また、トランジスタをA級増幅動作さ
せることなく負極性の電圧印加状態で電極と被加工物と
の間の電圧を所定電圧にクランプするものであるので、
ハイパワーな放電加工電源の出力制御を行っても、トラ
ンジスタの発熱等の問題も生じない。
【0113】また、第4の発明によれば、上記電圧クラ
ンプ回路を、スイッチング体と抵抗器またはインダクタ
との直列体と、上記スイッチング体をオンオフさせるス
イッチング駆動手段とを有するものとし、かつ上記直列
体を電極と被加工物との間に接続するとともに、上記ス
イッチング駆動手段を、上記スイッチング体を所定のデ
ューティ・ファクターでオンオフ駆動して上記電極と被
加工物との間の電圧を所定電圧にするようにしたので、
第3の発明の効果に加え、容易に上記電極と被加工物と
の間の電圧を所定電圧にすることができる効果がある。
【0114】また、第5の発明によれば、上記第4の発
明に係る放電加工装置において、スイッチング駆動手段
を介してスイッチング体をオンオフ動作させ、電極と被
加工物との間の平均電圧を所定電圧にするように上記ス
イッチング体のオンオフ動作のデューティー・ファクタ
ーを制御するスイッチング体デューティー・ファクター
制御手段を設けたので、第4の発明の効果に加え、容易
に電極と被加工物との間の平均電圧を零にすることがで
きる効果がある。
【0115】また、第6の発明によれば、上記第3〜第
5の発明に係る放電加工装置において、負極性の電圧に
よる放電を検出する放電検出手段と、正極性の大電流を
被加工物と電極との間に供給する第2の直流電源とを備
え、上記放電検出手段が負極性の電圧印加時に放電を検
出したとき、電極と被加工物との間の静電容量に蓄積さ
れた静電エネルギーによる電流アークが途切れる前に、
上記第2の直流電源より正極性の大電流を被加工物と電
極との間に供給するようにしたので、第3〜第5の発明
の効果に加え、加工速度が向上する効果がある。
【0116】また第7の発明によれば、上記第3〜第6
の発明に係る放電加工装置において、正極性または負極
性の電圧による放電を検出する放電検出手段を備え、こ
の放電検出手段が正極性または負極性の電圧印加時に放
電を検出したとき、正極性電圧または負極性電圧による
直流アークを遮断するよう上記スイッチ制御回路を制御
するように構成したので、第3〜第6の発明の効果に加
え、正極性または負極性の電圧印加時に加工面に悪影響
を及ぼすアークの発生を防止できる効果がある。
【0117】また第8の発明によれば、上記第3の発明
に係る放電加工装置において、正極性及び負極性の電圧
による放電を各々検出する放電検出手段と、正極性の大
電流を被加工物と電極との間に供給する第2の直流電源
と、正極性の電圧印加時に放電が発生したとき、上記第
2の直流電源より正極性の大電流を被加工物と電極との
間に供給する第1のモードと、負極性の電圧印加時に放
電が発生したとき、上記第2の直流電源より正極性の大
電流を被加工物と電極との間に供給する第2のモードと
の何れのモードとするかを切り換える手段とを備える構
成としたので、第3の発明の効果に加え、加工材料に応
じて最適な加工条件を選択でき、加工材料が異なる場合
においてもマイクロ・クラックなどの発生を防止すると
ともに、工作物の電解腐食を防止した高品位な加工を安
定して行うことができる効果がある。
【0118】また第9の発明によれば、上記第3の発明
に係る放電加工装置において、正極性及び負極性の電圧
による放電を各々検出する放電検出手段と、正極性の大
電流を被加工物と電極との間に供給する第2の直流電源
とを備え、これらの放電検出手段が放電を検出したと
き、電圧印加状態が正極性及び負極性の何れの状態であ
っても、正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給
するようにしたので、第3の発明の効果に加え、加工速
度が大幅に向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1および実施例2を示す放電
加工装置の加工間隙電圧印加回路のブロック構成図であ
る。
【図2】図1に示すブロック構成図において、加工間隙
の電圧波形図および電流波形図である。
【図3】この発明の実施例1を適用した場合と適用しな
い場合を対比して示した電極と被加工物との間の電圧お
よび電流波形である。
【図4】この発明の実施例2においてデューティー・フ
ァクターと加工間隙の電圧の関係を示す波形図である。
【図5】この発明の実施例2においてデューティー・フ
ァクターを変化させる方法を示す説明図である。
【図6】この発明の実施例3を示す放電加工装置の加工
間隙電圧印加回路のブロック構成図である。
【図7】図6に示すブロック図において、加工間隙の電
圧波形図である。
【図8】この発明の実施例4を示す放電加工装置の加工
間隙電圧印加回路のブロック構成図である。
【図9】この発明の実施例5を示す放電加工装置の加工
間隙電圧印加回路のブロック構成図である。
【図10】この発明の実施例5に係る電圧・電流波形図
である。
【図11】この発明の実施例6を示す電圧・電流波形図
である。
【図12】この発明の実施例7を示す放電加工装置の加
工間隙電圧印加回路のブロック構成図である。
【図13】この発明の実施例7の変形例を示す電圧・電
流波形図である。
【図14】従来の放電加工装置の加工間隙電圧印加回路
のブロック構成図である。
【図15】図14に示すブロック構成図の動作フロー図
である。
【図16】図14に示すブロック構成図における加工間
隙の電圧波形図および電流波形図である。
【符号の説明】
1 電極 2 被加工物 3 第1の直流電源 7 第2の直流電源 12 スイッチ回路 13 スイッチ回路 14 スイッチ回路 15 スイッチ回路 16 抵抗器 17 抵抗器 18 スイッチ回路 21 駆動回路 22 駆動回路 23 駆動回路 24 駆動回路 26 スイッチ制御回路 28 第3の直流電源 29 ダイオード 31 スイッチング体 32 スイッチング駆動手段 33 抵抗器 35 スイッチング体デューティー・ファクター制御手
段 41 高周波発振器 42 2入力NAND回路 50 クランプ回路 52 負極性の放電検出手段 53 スイッチ制御回路 55 正極性の放電検出手段 56 スイッチ制御回路 503 鋸歯状波発生器 504 電圧比較器 505 増幅器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物と所定距離離隔して対向配置さ
    れた電極と、第1の直流電源と、この第1の直流電源の
    負側が上記電極側に、正側が上記被加工物側に接続され
    る正極性の電圧印加状態と上記第1の直流電源の負側が
    上記被加工物の側に、正側が上記電極側に接続される負
    極性の電圧印加状態とを切換可能なスイッチ回路と、上
    記負極性の電圧印加状態とこの負極性の電圧印加状態を
    解除した状態とが交互に発生する期間と上記正極性の電
    圧印加状態の期間とが所定の順序で繰返し発生するよう
    に上記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路とを備
    えた放電加工装置。
  2. 【請求項2】 上記スイッチ制御回路は、電極と被加工
    物との間の平均電圧が予め設定した所定の電圧になるよ
    うに、負極性の電圧印加状態とこの負極性の電圧印加状
    態を解除した状態とが交互に発生する期間中、スイッチ
    回路を所定のデューティ・ファクターで制御するデュー
    ティ・ファクター制御手段を有するものであることを特
    徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 被加工物と所定距離離隔して対向配置さ
    れた電極と、第1の直流電源と、この第1の直流電源の
    負側が上記電極側に、正側が上記被加工物側に接続され
    る正極性の電圧印加状態と上記第1の直流電源の負側が
    上記被加工物の側に、正側が上記電極側に接続される負
    極性の電圧印加状態とを切換可能なスイッチ回路と、上
    記負極性の電圧印加状態の期間と上記正極性の電圧印加
    状態の期間とが所定の順序で繰返し発生するように上記
    スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路と、負極性の
    電圧印加状態で電極と被加工物との間の電圧を所定電圧
    にクランプする電圧クランプ回路とを備えた放電加工装
    置。
  4. 【請求項4】 上記電圧クランプ回路は、スイッチング
    体と抵抗器またはインダクタとの直列体と、上記スイッ
    チング体をオンオフさせるスイッチング駆動手段とを備
    え、上記直列体は電極と被加工物との間に接続され、上
    記スイッチング駆動手段は、上記スイッチング体を所定
    のデューティ・ファクターでオンオフ駆動し上記電極と
    被加工物との間の電圧を所定電圧にすることを特徴とす
    る請求項3に記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】 上記スイッチング駆動手段を介してスイ
    ッチング体をオンオフ動作させ、電極と被加工物との間
    の平均電圧を所定電圧にするように上記スイッチング体
    のオンオフ動作のデューティー・ファクターを制御する
    スイッチング体デューティー・ファクター制御手段を設
    けたことを特徴とする請求項4に記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 負極性の電圧による放電を検出する放電
    検出手段と、正極性の大電流を被加工物と電極との間に
    供給する第2の直流電源とを備え、上記放電検出手段が
    負極性の電圧印加時に放電を検出したとき、電極と被加
    工物との間の静電容量に蓄積された静電エネルギーによ
    る電流アークが途切れる前に、上記第2の直流電源より
    正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給すること
    を特徴とする請求項3〜請求項5の何れかに記載の放電
    加工装置。
  7. 【請求項7】 正極性または負極性の電圧による放電を
    検出する放電検出手段を備え、この放電検出手段が正極
    性または負極性の電圧印加時に放電を検出したとき、正
    極性電圧または負極性電圧による直流アークを遮断する
    よう上記スイッチ制御回路を制御することを特徴とする
    請求項3〜請求項6の何れかに記載の放電加工装置。
  8. 【請求項8】 正極性及び負極性の電圧による放電を各
    々検出する放電検出手段と、正極性の大電流を被加工物
    と電極との間に供給する第2の直流電源と、正極性の電
    圧印加時に放電が発生したとき、上記第2の直流電源よ
    り正極性の大電流を被加工物と電極との間に供給する第
    1のモードと、負極性の電圧印加時に放電が発生したと
    き、上記第2の直流電源より正極性の大電流を被加工物
    と電極との間に供給する第2のモードとの何れのモード
    とするかを切り換える手段とを備えてなる請求項3に記
    載の放電加工装置。
  9. 【請求項9】 正極性及び負極性の電圧による放電を各
    々検出する放電検出手段と、正極性の大電流を被加工物
    と電極との間に供給する第2の直流電源とを備え、これ
    らの放電検出手段が放電を検出したとき、電圧印加状態
    が正極性及び負極性の何れの状態であっても、正極性の
    大電流を被加工物と電極との間に供給することを特徴と
    する請求項3に記載の放電加工装置。
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