JPH05214282A - 水性インク組成物およびその蒸発速度の低減方法 - Google Patents

水性インク組成物およびその蒸発速度の低減方法

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JPH05214282A
JPH05214282A JP4308274A JP30827492A JPH05214282A JP H05214282 A JPH05214282 A JP H05214282A JP 4308274 A JP4308274 A JP 4308274A JP 30827492 A JP30827492 A JP 30827492A JP H05214282 A JPH05214282 A JP H05214282A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱インクジェットプリンターに使用するのに
適し、かつ蒸発速度を低減させ得る水性インク組成物を
提供することを目的とする。 【構成】 水、適合性着色剤、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエチレングリコールおよび化1の化合物より
なる群から選ばれる湿潤剤約5〜約20重量%からな
る。 【化1】 式において、R、R′およびR″はそれぞれ水素および
メチル基よりなる群から選ばれ、x、yおよびzは少な
くとも1に等しい整数であって、x、yおよびzの和が
約6〜約30の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱インクジェットプリ
ンターに使用するのに適した水性インク組成物と、この
水性インク組成物の蒸発速度の低減方法とに関する。詳
しくは、本発明に記載されている水性インク組成物は、
特定の湿潤剤または特定の湿潤剤の混合物を含んでい
る。このような湿潤剤の使用は、熱インクジェットプリ
ンターにおける印刷品質を良好にし、かつ乾燥時間を良
好にするとともに、熱インクジェットプリンターのプリ
ントヘッドの抵抗体表面へのコゲーションを減少させる
ことのできるインク組成物を提供する。
【0002】
【技術背景】水性インクジェットインク組成物は、熱イ
ンクジェット印刷に商業的に使用されてきた。このよう
な配合物は、一般に、水、および水と適合性(comp
atible)のある着色剤を含んでいる。このような
プリンターのプリントヘッドは、抵抗体とオリフィスプ
レートとを有し、操作中は抵抗体表面にインク滴が形成
される。抵抗体によるこのインク滴の加熱は、気泡を爆
発的に発生させ、これによって抵抗体からオリフィスプ
レートを経て基材上にインク滴を噴射する。
【0003】熱インクジェット印刷に水性インクジェッ
トインク組成物を使用する際に起る重大な問題の一つ
は、印刷品質を犠牲にしないで、プリンターの信頼性
(すなわち、プリンターが最低限の操作停止で良質の印
刷を提供する能力)を維持することの困難さである。詳
しくは、一つの問題は、プリンターのオリフィスプレー
トにおけるインク組成物の外皮生成によって起こる。こ
の問題は、操作中に抵抗体は、通常、高温度(例えば、
約300〜約400℃)にまで加熱されるという事実、
および基材に到達するためにはインクはオリフィスプレ
ートにおける非常に小さいオリフィス(直径約40〜7
0μm)を通過しなければならないという事実によって
構成されている。したがって、熱インクジェットプリン
ターに使用されるときには、水性インクジェットインク
組成物は、蒸発する傾向がある。このような蒸発は、好
ましくない外皮生成と、オリフィスの目詰まりとをもた
らすが、これは、揮発性成分の一部が蒸発した後、イン
ク組成物の粘度が実質的に増大するためである。
【0004】これらのオリフィスの外皮生成と目詰まり
とは、基材に噴射されるインク滴の体積を減少させて、
結局プリンターの印刷機能を損なうことによって印刷品
質を低下させ、したがってプリンターの信頼性を低下さ
せるので好ましくない。
【0005】この問題を克服するためには、水性インク
ジェットインク組成物中に湿潤剤を使用するのが普通で
ある。湿潤剤は、蒸発の速度を低減させ、したがってプ
リントヘッドのオリフィスの外皮生成と目詰まりとを減
少させ、これによってインク組成物を改善する。インク
組成物に今日まで使用されてきた湿潤剤としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコールなどがある。
【0006】しかしながら、このような湿潤剤を使用し
ても、これらの湿潤剤が蒸発速度を低減させるという事
実にもかかわらず、熱インクジェットプリンターの印刷
品質の低下をもたらす。詳しくは、熱インクジェットプ
リンターに使用される水性インク組成物に、従来技術の
湿潤剤を添加すると、抵抗体の表面でこれらが熱分解す
る結果になる。この分解によって、抵抗体の表面に残渣
が堆積するが、このプロセスは、この技術分野では“コ
ゲーション(kogation)”と呼ばれている。次
に、この堆積物は、抵抗体表面のインク滴の加熱を絶縁
するように作用して、気泡の生成を減少させ、インク滴
の噴射速度を低下させ、そして基材に噴射されるインク
滴の体積を減少させる結果になり、これらのすべての結
果、印刷品質が低下し、そして結局は気泡の発生が停止
し、熱インクジェットプリンターの印刷機能が損なわれ
る可能性がある。
【0007】前述のことを考慮すると、組成物の蒸発速
度を低減させて、熱インクジェットプリンターのオリフ
ィスプレートにおけるインク組成物の外皮生成と目詰ま
りとを減少させ、コゲーションの問題を減少させる湿潤
剤を使用したインク組成物が特に好ましい。
【0008】
【発明の目的】本発明は、熱インクジェットプリンター
に使用するのに適し、かつ蒸発速度を低減させることの
できる水性インク組成物と、その蒸発速度の低減方法と
を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】本発明は、新しい種類の湿潤剤の発見に
関する。本発明の湿潤剤は、外皮生成および目詰まりを
減少させた水性インク組成物を提供し、しかもコゲーシ
ョンを減少させる。新しい種類の湿潤剤は、トリメチロ
ールプロパン〔CHCHC(CHOH)〕、ペ
ンタエチレングリコール〔HO(CHCHO)
CHOH〕、および化3の式で示す化合物よりな
る群から選ばれた化合物である。
【0010】
【化3】
【0011】化3の式において、R、R′およびR″は
それぞれ水素およびメチル基よりなる群から選ばれ、
x、yおよびzは少なくとも1に等しい整数であって、
x、yおよびzの和が約6〜約30の整数である。
【0012】前述の湿潤剤は、潤滑性の良好な公知の化
合物であるが、湿潤剤、その他として水性インク組成物
にこれらの化合物を使用することは新規性があると考え
られる。
【0013】したがって、その組成物の態様の一つにお
いては、本発明は、水、適合性着色剤、およびトリメチ
ロールプロパン、ペンタエチレングリコールおよび前記
した化3の化合物よりなる群から選ばれた約5〜約20
重量%の湿潤剤を含む水性インク組成物に関する。
【0014】その方法の態様の一つにおいては、本発明
は、水および適合性の着色剤を含む水性インク組成物の
蒸発速度を低減させる方法に関し、この方法は、(a)
トリメチロールプロパン、ペンタエチレングリコールお
よび前記した化3の化合物よりなる群から選ばれた湿潤
剤を選択すること、および(b)前述の(a)において
選択された湿潤剤約5〜約20重量%を、前記水性イン
ク組成物に添加することを含んでいる。
【0015】本発明は、熱インクジェットプリンターに
おいて、コゲーションを伴って発生する問題を著しく軽
減する湿潤剤あるいは湿潤剤の混合物を含む水性インク
組成物に関する。本発明の水性インク組成物は、少なく
とも三つの成分、すなわち、水、着色剤、および湿潤剤
を含む。一つの好ましい実施態様においては、本発明の
水性インク組成物は、少なくとも一つの任意の添加剤、
例えば、インク組成物の粘度を調節するための添加剤、
組成物の表面張力を調節するための添加剤などをも含ん
でいる。
【0016】本発明を詳細に記載する前に、まず以下の
用語を定義する。
【0017】“相溶性着色剤”という用語は、水性イン
ク組成物中で適合性(可溶性または分散性)であって、
基材上に可視カラー画像を生成する染料を示す。使用さ
れる特定の着色剤は、印刷プロセスの温度において安定
でなければならず、接触する構造の部分と化学的に反応
してはならず、有毒あるいは有害であってはならないと
いう条件さえ満たしていれば余り重要ではない。
【0018】好適な着色剤としては、水性インク組成物
において今日まで使用されてきたもの、例えば、Foo
d Black 2(モーベイケミカル社より市販)な
どがある。
【0019】“水性インク組成物”という用語は、水、
適合性の着色剤および湿潤剤、および何等かの任意の添
加剤を含むインク組成物を示す。このような組成物にお
いて、着色剤は、通常、インク組成物の総重量に対して
約2〜約10重量%の固体(すなわち染料)で使用され
る。湿潤剤は、一般に、インク組成物の総重量に対して
約5〜約20重量%で使用され、水は、一般に、インク
組成物の総重量に対して約68〜約93重量%で使用さ
れる。
【0020】“基材”という用語は、インク組成物が付
着される材料を示す。好適な基材は、この技術分野でよ
く知られており、例えば、紙、ポリエステル、布、板紙
などがある。
【0021】本発明の主要な態様は、水性インク組成物
にある種の湿潤剤を添加すると、湿潤剤を含まない水性
インク組成物から起る熱インクジェットプリンターにお
ける外皮生成およびオリフィスプレートの目詰まりの問
題を著しく軽減し、同様に従来技術の湿潤剤(例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコールなど)を含
む水性インク組成物から起るコゲーションの問題を著し
く軽減して、優れた印刷品質を提供する。前述のよう
に、ここに記述されているインク組成物に使用されてい
る湿潤剤は、トリメチロールプロパン、ペンタエチレン
グリコールおよび前記した化3の化合物よりなる群から
選ばれる。これらの化合物は、市販されているか、ある
いはこの技術分野で認められている技法によって製造す
ることができる。
【0022】詳しくは、ペンタエチレングリコールは、
ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッヒケミカ
ル社から市販されており、トリメチロールプロパンは、
テキサス州ダラスのヘキストセラニーズ社から市販され
ている。
【0023】同様に前記した化3の化合物は、付加物を
生成するのに好適な条件の下で、グリセロールに必要な
量のアルキレンオキシド(すなわち、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、またはこれらの混合物)を添
加することによって、製造することができる。これらの
化合物のこのような製法は、この技術分野では公知であ
る。しかも、このような化合物は、市販されている。例
えば、R、R′およびR″が水素である化3の化合物
は、ニュージャージー州07504、パターソンのリポ
ケミカルズ社から市販されている(例えば、R、R′お
よびR″が水素であり、x、yおよびzの和が26であ
る製品は、Liponic EG−1としてリポケミカ
ルズ社から市販されており、R、R′およびR″が水素
であり、x、yおよびzの和が7である製品は、Lip
onic EG−7としてリポケミカルズ社から市販さ
れている)。
【0024】自明のことであるが、化3の化合物は、一
般に、アルキレンオキシドとグリセロールの低分子量付
加物であり、約2000を超える分子量は有しない。
【0025】湿潤剤または前述の湿潤剤の混合物は、印
刷品質を維持しながら、揮発性インク組成物の蒸発速度
を低減させるのに十分な量が、水性インク組成物に添加
される。インク組成物は、インク組成物の総重量に対し
て約5〜約20重量%の湿潤剤を含むことが好ましい。
インク組成物は、インク組成物の総重量に対して約5〜
約10重量%の湿潤剤を含むことがさらに好ましい。
【0026】ここに記述されている水性インク組成物
は、すべての成分を混合して、実質的に均一な組成物が
得られるまで、十分に攪拌することによって製造され
る。一般に、このような十分な攪拌は、成分を混合し
て、組成物を実質的に均一になるようにすることによっ
て実施される。混合は、一般に、混合機、マグネチック
スターラーなどを使用することによって実施される。混
合は、実質的な均一性を得るのに十分な時間継続され
る。実質的に均一な組成物を得るために必要な特定の時
間は、攪拌される組成物の量、組成物を攪拌するのに使
用される機械的手段などの要因によって決定される。し
かしながら、一つの好ましい実施態様においては、この
ような攪拌は、少なくとも約1時間、さらに好ましくは
約2〜約3時間継続される。
【0027】攪拌を容易にするために、高い温度を適用
することもできるが、攪拌は、一般には、室温で、大気
圧の下で実施される。
【0028】これらの成分の他に、前記組成物は、
(i)他の成分の改善された溶解性、(ii)改善され
た印刷品質(例えば、ポリピロリドンを含む水溶性重合
体物質などの添加剤を、印刷品質を改善するために添加
することができる)、(iii)インクの改善された貯
蔵寿命〔例えば、Proxel GXL(デラウェアー
州ウィルミントンのICI社から市販)が、インクの貯
蔵寿命を改善するために添加されてもよい〕などに関し
て、インクを向上させる少なくとも一つの添加剤を含ん
でいてもよい。使用されるときには、これらの添加剤の
全量は、一般に、全組成物重量の僅かに約2重量%しか
含んでいない。
【0029】一つの好ましい実施態様においては、水性
インク組成物は、25℃において約2〜約25センチポ
アズ、さらに好ましくは25℃において約2〜約5セン
チポアズの粘度を有するように配合される。
【0030】他の一つの実施態様においては、インクジ
ェットインク組成物は、25℃において約40ダイン/
cmより大きい表面張力を有するように配合される。特
に好ましい組成物は、約25℃において約40〜約45
ダイン/cmの表面張力を有する。
【0031】水性インク組成物の粘度および/または表
面張力は、この技術分野で公知の少なくとも一つの成分
を添加することによって調節することができる。例え
ば、インク組成物の表面張力が25℃において約30ダ
イン/cmであれば、ジエチレングリコール、エチレン
グリコールなどは、前記組成物の表面張力を増大させる
が、界面活性剤、アルコールなどは、表面張力を減少さ
せることが知られている。
【0032】同様に、インク組成物の粘度が25℃にお
いて約5センチポアズであるならば、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルアルコールなどの添加剤は、このよ
うな組成物の粘度を増大させることが知られているが、
N−メチルピロリドンなどの添加剤は、前記組成物の粘
度を低下させることが知られている。
【0033】ここに記述されている粘度と表面張力の数
値は、参考のためにのみ25℃における数値を記載した
ものである。この技術分野ではよく知られているよう
に、粘度と表面張力の数値は、両方とも温度によって定
まる変数である。したがって、適切な操作温度で使用さ
れると、この操作温度における表面張力と粘度の数値
は、25℃における数値とは異なってくる。しかしなが
ら、25℃における所定の基準に適合する水性インク組
成物は、そのような他の操作温度における好ましい結果
をも提供する。
【0034】前述の湿潤剤または湿潤剤の混合物を含む
水性インク組成物は、熱インクジェットプリンターに使
用することができる。このようにして使用されるときに
は、これらのインク組成物における湿潤剤は、組成物の
蒸発速度を低減させ、そのためオリフィスプレートにお
いて起る外皮生成とオリフィスの目詰まりが減少する結
果になる。同様に、このような湿潤剤も、熱インクジェ
ットプリンターの抵抗体表面におけるコゲーションを減
少させる。どのような理論にも制約されないで、これら
の湿潤剤は、プリントヘッドの操作条件の下では分解し
ないものと考えられる。このように分解がないことは、
抵抗体表面をより清浄にして、したがって掃除のための
運転停止が必要になるまで、プリンターが品質の良好な
印刷を行う時間を延長する。
【0035】この点に関して、図1は、熱インクジェッ
トプリンターのプリントヘッドの部分図であり、抵抗体
の表面のインク滴とインクジェットプリンターのオリフ
ィスプレートにあるオリフィスから(爆発的な気泡生成
後)のインク滴の噴射経路を示している。詳しくは、図
1において、抵抗体基板1は、抵抗体2と導体3とを有
する。導体3は、底部5に抵抗体2が露出する凹部4を
形成するようにエッチングされる。導体3の表面は、通
常は、金などの金属よりなるパッシベーション(pas
sivation)層(図示せず)で被覆されていても
よい。水性インク組成物6は、導体3の表面にあるパッ
シベーション層および底面5の上にある。プリントヘッ
ドは、一つより多い凹部4を有していてもよく、この凹
部4は、導体3とオリフィスプレート8との間に延在し
ている図示しないバリヤー層を使用することによって隔
離することができる。好適なバリヤー物質としては、デ
ラウェアー州ウィルミントンのデュポン社から市販され
ているVacrelがある。
【0036】抵抗体2が加熱されると、インク気泡7が
インクの表面に生成する。一般に、一つまたは複数のパ
ルス電流が抵抗体2を通過することによって、インク気
泡7が生成する。大抵は、凹部4のインクの温度を、そ
の過熱限界(例えば、約300〜400℃)の近くま
で、約1〜30マイクロ秒で急速に上げるように、抵抗
体2に十分な電流がパルスとして流れる。これらの条件
の下で、インク中の気泡の均一な核生成の可能性は、よ
り均一化していく。このような気泡の生成によって、経
路9−9に沿って、オリフィスプレート8,8により形
成されたオリフィスから、基材、例えば紙(図示しな
い)に向って、インク滴10が発射する結果になる。こ
れらから明らかなように、インク組成物の目詰まりと外
皮生成は、オリフィスプレート8,8によって形成され
るオリフィスにおいて起り、コゲーションは、凹部4の
底面5において起る。
【0037】ここに記載されている水性インク組成物と
ともに使用される特定の熱インクジェットプリンター
は、重要ではなく、このようなプリンターは、本発明の
一部を構成するものではない。しかしながら、好適なイ
ンクジェットプリンターとしては、圧電式プリンター、
ドロップ・オン・デマンド型プリンター、キャノン・バ
ブルジェットプリンターなどに利用されているものがあ
る。
【0038】
【実施例】以下の実施例は、本発明を説明するために提
供されるものであり、決して本発明を限定するものでは
ない。以下の実施例においては、記述されている%は、
すべてインクジェット組成物の全重量に対する重量%で
ある。
【0039】これらの実施例において、Liponic
EG−1は、ニュージャージー州07504、パター
ソンのリポケミカルズ社から得られ、これらの実施例に
おけるこの化合物の重量%は、固形分の重量%を示す。
Food Black 2は、ペンシルバニア州、ッツ
バーグのモーベイケミカル社から得られた。
【0040】実施例1 本発明の水性インク組成物は、10重量%のLipon
ic EG−1、4重量%のFood Black
2、および86重量%の水を混合することによって製造
された。これらの成分を混合した後、生成した溶液は、
均一な溶液になるように、室温で、2時間、攪拌され
た。
【0041】前述の実施例1に記載された水性インク組
成物の他に、実施例1に記載されたLiponic E
G−1を異なる湿潤剤で代替えし、および/または実施
例1に記載されたFood Black 2を異なる着
色剤で代替えする以外は、実施例1と同様にして、他の
水性インク組成物が同様にして製造される。Lipon
ic EG−1の代わりに使用することのできる好適な
他の湿潤剤としては、トリメチルプロパン、ペンタエチ
レングリコール、前記した化3の化合物、およびこのよ
うな湿潤剤の混合物がある。
【0042】Liponic EG系の化合物は、毒性
がなく、優れた潤滑性を有し、したがって摩擦を減少さ
せるのに非常に効果的であって、このことがインクジェ
ットヘッドのノズルからのインク滴の噴射を容易にす
る。これらの化合物は、広い範囲のpHにおいて非常に
安定であり、水およびアルコールに可溶であり、そして
本発明のインク組成物に細菌毒(bacterioci
de)を使用することも考えられるが、細菌毒を含まな
くても長時間貯蔵することができる。
【0043】市販のLiponic EG−1およびE
G−7の含水量は、それぞれ約0.5重量%および1重
量%である。
【0044】比較例A 従来技術の湿潤剤を使用した水性インク組成物は、10
重量%のエチレングリコール、4重量%のFood B
lack 2、および86重量%の水を混合することに
よって製造された。これらの成分を混合した後、生成し
た溶液は、均一な溶液が得られるように室温で2時間、
攪拌された。
【0045】実施例2 実施例1および比較例Aの水性インク組成物は、外皮生
成および目詰まりに対する抵抗性を試験された。具体的
には、それぞれの組成物は、“デキャップ試験(De−
cap Test)”と呼ばれる試験に使用された。こ
の試験においては、インク組成物は、インクカートリッ
ジ(プリントヘッド)に添加されて、キャップをかぶせ
ないで、印刷に利用される。ペンがインク滴を最初に噴
射し損なうのに要する時間の長さは、外皮生成および目
詰まりの度合を測定するのに、利用される。インク組成
物がインク滴を噴射し損なうまでに必要な時間が長いと
いうことは、外皮生成および目詰まりに対する抵抗性の
尺度である。
【0046】この試験の結果は、表1に示す通りであ
る。
【0047】
【表1】
【0048】これらの結果は、本発明のインク組成物
は、外皮生成および目詰まりに対する抵抗性が、従来技
術の湿潤剤を使用した組成物よりも優れていることを明
確にしている。
【0049】実施例3 実施例1および比較例Aの水性インク組成物についての
コゲーションに対する抵抗性を試験した。詳しくは、前
述のように、コゲーションの結果、抵抗体の表面に形成
されたインク滴中に、より小さい気泡を生成することに
なる。そして、このようなより小さい気泡の生成は、プ
リントヘッドから放射されるインク滴の速度を低下させ
る結果になる。したがって、コゲーションは、プリント
ヘッドから噴射されるインク滴の速度の時間的な変化を
測定することによって、間接的に測定することができ、
時間的な速度の低下がより大きいことは、抵抗体の表面
におけるコゲーションがより多いことを示している。
【0050】この試験の結果は、表2に示す通りであ
る。
【0051】
【表2】
【0052】これらの結果は、本発明のインク組成物
が、時間の経過につれて抵抗体の表面に生成するコゲー
ションの度合において、従来技術の湿潤剤を使用した組
成物よりも優れていることを明確にしている。
【0053】コゲーションおよび外皮生成/目詰まりに
おける改善の他に、実施例1のインク組成物は、比較例
Aのインク組成物と比較して、改善された印刷品質を提
供することが明らかになった。印刷品質のこの改善は、
比較例Aのインク組成物と比較して、実施例1のインク
組成物のフェザリング(feathering)の減少
について特に明白であった。
【0054】本発明によって記載されている代表的なイ
ンク組成物は、例えば、2〜5重量%のFood Bl
ack、5〜15重量%のLiponic EG−1、
および残余の脱イオン水を含んでいる。
【0055】
【発明の効果】本発明の水性インク組成物によれば、特
定の湿潤剤を使用しているため、この水性インク組成物
の蒸発速度を大幅に低減させることができ、この結果と
して、熱インクジェットプリンターのオリフィスプレー
トにおけるインク組成物の外皮生成、および目詰まりを
防止することができる。
【0056】したがって、本発明の水性インク組成物を
使用することにより、高い印刷品質を長時間維持させ
て、熱インクジェットプリンターによる良好な印刷を長
時間行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱インクジェットプリンターのプリントヘッド
の部分図を示し、形成された気泡によりインク滴がオリ
フィスから噴射される状態を説明している図である。
【符号の説明】
1 抵抗体基板 2 抵抗体 3 導体3 4 凹部4 5 底部 6 水性インク組成物 7 気泡 8 オリフィスプレート 9 経路 10 インク滴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と、適合性の着色剤と、トリメチロー
    ルプロパン、ペンタエチレングリコールおよび化1の式
    で示される化合物よりなる群から選ばれる湿潤剤約5〜
    約20重量%とからなる水性インク組成物。 【化1】 式において、R、R′およびR″はそれぞれ水素および
    メチル基よりなる群から選ばれ、x、yおよびzは少な
    くとも1に等しい整数であって、x、yおよびzの和が
    約6〜約30の整数である。
  2. 【請求項2】 (a)トリメチロールプロパン、ペンタ
    エチレングリコールおよび化2の式で示される化合物よ
    りなる群から湿潤剤を選択すること、 【化2】 式において、R、R′およびR″はそれぞれ水素および
    メチル基よりなる群から選ばれ、x、yおよびzは少な
    くとも1に等しい整数であって、x、yおよびzの和が
    約6〜約30の整数である。 (b)前記(a)で選択された湿潤剤約5〜約20重量
    部%を、水と、適合性の着色剤とからなる水性インク組
    成物に添加すること、からなる水性インク組成物の蒸発
    速度の低減方法。
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