JPH05221249A - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JPH05221249A
JPH05221249A JP2963792A JP2963792A JPH05221249A JP H05221249 A JPH05221249 A JP H05221249A JP 2963792 A JP2963792 A JP 2963792A JP 2963792 A JP2963792 A JP 2963792A JP H05221249 A JPH05221249 A JP H05221249A
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engine
vehicle
deceleration
differential limiting
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JP2963792A
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Nariaki Imaishi
成昭 今石
Yoshihisa Yonkenya
義久 四軒家
Masashi Kimura
正志 木村
Takashi Hayaki
隆 早岐
Yoshitaka Kimura
嘉孝 木村
Takeshi Sugimoto
武司 杉本
Minoru Takada
稔 高田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行中の車両をエンジンブレーキによって減
速するときの差動制限により減速感を向上させる。 【構成】 車軸間または車輪間にアクチュエータによっ
て作動するクラッチが内装され、このクラッチの開閉に
応じて車軸間または車輪間の差動制限を行う差動機1
f、1c、1rを備えた車両Cにおいて、この車両Cに
は上記車輪の駆動状況に応じて上記クラッチが開閉する
ための制御を行う制御装置4が設けられ、この制御装置
4にはエンジン2が減速した際にその減速に応じて差動
制限させる減速時差動制限手段44が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に設けられた差動
機の差動制限装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に設けられる差動機は、車軸の両端
に設けられた一対の車輪の回転数を、それぞれ異ならせ
ることができる機構であり、例えば車両が進行方向を変
えるために旋回運動を行ったとき、内輪と外輪とで回転
数が異なることに対応するためのものである。この差動
機は、通常複数個のピニオンとこれらピニオンを挾持し
て噛合する円筒状ラック(円筒状部材の端縁部に円筒の
軸方向に歯を切ったもの)とから構成されるが、サンギ
ヤとその周りを状況に応じて公転あるいは自転する遊星
ギヤとで構成されるものが適用されることも多い。左右
の車輪の回転数の異なり、つまり差動を制限するため
に、通常差動機の内部には差動制限機構としてのクラッ
チが設けられている。従来、このクラッチは油圧によっ
て操作される純粋な機械的構成のものが主流であった
が、近年クラッチを電磁石の電磁力によって操作する、
いわゆる電磁制御差動機〔以下EMCD(Electro Magn
etic Control Differential)という〕が、種々の制御
を容易に行い得ることから注目されるに至っている。
【0003】本発明の差動制限装置は、上記のような差
動制限装置に関するものである。そこでまず、差動制限
装置について通常用いられるEMCDを例にあげ、図9
を基に説明する。図9は特開昭63−219123号公
報によって開示されたEMCDの一例を示す平面視の断
面図である。この図に示すように、EMCD1は、図外
の駆動軸の回転を伝動するデフケース11と、図外の第
一回転軸に上記駆動軸の回転を伝動する遊星キャリヤ1
2と、図外の第二回転軸に同駆動軸の回転を伝動するサ
ンギヤー13とから基本構成されるいわゆる遊星ギヤー
機構を差動機構として利用している。
【0004】この遊星ギヤー機構に、二種類の電磁多板
クラッチ(パイロットクラッチ14aとメインクラッチ
14b)を内在させ、これらの電磁多板クラッチを電磁
石15を励磁することによって作動させて遊星キャリヤ
12とサンギヤー13とが共回りするようにロックする
ことによって、第一回転軸と第二回転軸との差動が制限
されるようになされている。つまり、電磁石15を励磁
すると、電磁石15は左方の鉄塊17’を吸い寄せ、パ
イロットクラッチ14aを押圧しながらデフケース11
を右方に移動させ、デフケース11の右方への移動によ
ってメインクラッチ14bをも締結し、デフケース11
と遊星キャリヤ12、およびデフケース11とサンギヤ
ー13とは押圧リング16による押圧力も受け、互いに
共回りするいわゆるデフロックされた状態になる。
【0005】以上、図9を基に遊星ギヤー機構のEMC
D1について説明したが、古くからあるピニオン・リン
グギヤー方式の差動機に電磁クラッチが付設された電磁
制御差動機も存在する。
【0006】このようなEMCD1は、通常四輪駆動車
に採用されることが多い。図8は四輪駆動車の駆動力伝
達手段の概要を例示するスケルトン図であるが、この図
に示すように、通常EMCD1は車体Bの中央部に設け
られたセンターEMCD1c、前輪軸25に設けられた
フロントEMCD1fおよび後輪軸に設けられたリヤE
MCD1rの三基が用いられている。
【0007】センターEMCD1cは前輪W1と後輪W
2との差動用として用いられ、フロントEMCD1fは
前輪W1の左前輪W11と右前輪W12との差動用とし
て用いられ(車両の進行方向に向かって左を左と、右を
右と表記する、以下同じ)、リヤEMCD1rは後輪W
2の左後輪W21と右後輪W22との差動用として用い
られる。
【0008】従って、四輪駆動車においては、上記三基
のEMCD1(センターEMCD1c、フロントEMC
D1fおよびリヤEMCD1r)が採用されていること
から、車両の走行中に前輪W1と後輪W2との間に回転
数の相違が発生してもそれに対応することができるし、
左前輪W11と右前輪W12との間に、あるいは左後輪
W21と右後輪W22との間に回転数の相違が発生して
もそれに対応することができる。
【0009】このようなEMCDの他の例を開示すると
共に、それを使用した場合の運転制御方法について提案
されたものとして特開昭63−192620号公報およ
び実公昭63−1611号公報が挙げられる。
【0010】まず、上記特開昭63−192620号公
報には、EMCD内のクラッチ部材のトルクレベルの函
数として前側駆動軸と後側駆動軸とへのトルクの伝達を
制御するようにし、前側駆動軸への駆動力伝達用の中央
差動機構から前方に延びる前側の出力シャフトに与えら
れるトルクと、後側駆動軸への駆動力伝達用の中央差動
機構から後方に延びる後側の出力シャフトに与えられる
トルクとの間にバイアス(トルク差)を設けるように構
成されたトルク伝達の制御装置について記載されてい
る。
【0011】また、上記実公昭63−1611号公報に
は、EMCDが係合状態にあるとき、ステアリングの転
舵力が所定値以上の場合は、電磁クラッチの伝達トルク
を低下させるようにした四輪駆動車の制御装置について
記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、例えば車速等に
応じてEMCDの差動制限制御が行われているが、必ず
しも減速時には差動制限されないことがあり、制動の効
果が各車輪に均等に行き渡らず、減速時に適正な減速感
(つまり、減速のための運転操作に追随した適正な減速
が実行されつつあるという運転感覚)を味わうことがで
きないという問題点が存在した。
【0013】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、減速するときに差動制限制御を行
い、適正な減速感を得ることができるように構成された
車両の差動制限装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
車両の差動制限装置は、車軸間または車輪間に設けられ
た差動機に、アクチュエータによって作動するクラッチ
が内装され、このクラッチの開閉に応じて車軸間または
車輪間の差動制限を行う車両の差動制限装置において、
この車両にはエンジンの減速を検知するエンジン減速検
知手段が設けられ、上記車両には車輪の駆動状況に応じ
て上記クラッチの制御を行う制御装置が設けられ、この
制御装置には上記エンジン減速検知手段がエンジンの減
速を検知した場合に上記クラッチが上記差動機の差動制
限を行う状態となるように上記アクチュエータを制御す
る減速時差動制限手段が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0015】本発明の請求項2記載の車両の差動制限装
置は、請求項1記載の車両の差動制限装置において、ス
ロットル開度が所定の開度以下であり、かつ、所定の回
転数以上のエンジンの回転によって車両が走行している
状態においてエンジンへの燃料の供給が遮断される際に
は、最高の差動制限が行われるように構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項3記載の車両の差動制限装
置は、請求項2記載の車両の差動制限装置において、エ
ンジンへの燃料の供給が遮断された時点から予め設定さ
れた遅れ時間の経過後に、差動制限が実行されるように
構成されていることを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項4記載の車両の差動制限装
置は、請求項2記載の車両の差動制限装置において、エ
ンジンへの燃料の供給遮断が解除された時点から予め設
定された遅れ時間の経過後に、差動制限が解除されるよ
うに構成されていることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項5記載の車両の差動制限装
置は、請求項3または4記載の車両の差動制限装置にお
いて、エンジンの冷却水の水温の上昇に応じて上記遅れ
時間を短く設定するように構成されていることを特徴と
するものである。
【0019】
【作用】上記請求項1記載の車両の差動制限装置によれ
ば、車両にはエンジンの減速を検知するエンジン減速検
知手段が設けられ、上記車両には車輪の駆動状況に応じ
て上記クラッチの制御を行う制御装置が設けられ、この
制御装置には上記エンジン減速検知手段がエンジンの減
速を検知した場合に上記クラッチが上記差動機の差動制
限を行う状態となるように上記アクチュエータを制御す
る減速時差動制限手段が設けられているため、減速時に
各差動機は差動制限が実行され、各車輪は差動制限の度
合いに応じて共回りするため、制動動作に応じた適正な
減速感を得ることができる。
【0020】上記請求項2記載の車両の差動制限装置に
よれば、スロットル開度が所定の開度以下であり、か
つ、所定の回転数以上のエンジンの回転によって車両が
走行している状態(フューエルカット領域にある状態)
において、エンジンへの燃料の供給が遮断される際に
は、最高の差動制限が行われるように構成されているた
め、車両が上記フューエルカット領域にある状態で走行
している場合、すなわちエンジンブレーキが掛っている
状態においては、完全デフロックが実行され、上記エン
ジンブレーキによる制動作用が各車輪に均等に伝わり、
安定した制動が実現すると共に、適正な制動感を得るこ
とができる。
【0021】上記請求項3記載の車両の差動制限装置に
よれば、エンジンへの燃料の供給が遮断された時点か
ら、予め設定された遅れ時間の経過後に、差動制限が実
行されるように構成されているため、燃料供給遮断後差
動制限が実行されるまでの時間差によって、差動機のバ
ックラッシュによる衝撃を柔げることができる。
【0022】上記請求項4記載の車両の差動制限装置に
よれば、エンジンへの燃料の供給遮断が解除された時点
から、予め設定された遅れ時間の経過後に、差動制限が
解除されるように構成されているため、この時間差によ
って差動機の差動制限解除ショックを柔げることができ
る。
【0023】上記請求項5記載の車両の差動制限装置に
よれば、エンジンの冷却水の水温の上昇に応じて上記遅
れ時間を短く設定するように構成されているため、暖機
運転中など上記水温の低いエンジンのショックの大きい
場合には、上記遅れ時間を長引かせることによってショ
ックを分散させることができる。また、上記水温の高い
エンジンのショックの小さい場合は、上記遅れ時間を少
なくして減速時の応答性を高めることができる。
【0024】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る車両の制限装置
の全体構成を例示する説明図である。本実施例において
は、差動機として電磁制御差動機(EMCD1)を用い
ている。
【0025】そこで、まず図1によってEMCDを用い
た車両の動力伝達について説明する。この図に示すよう
に車両Cの前部にはエンジン2が搭載されている。この
エンジン2にはトランスミッション21が接続され、こ
のトランスミッション21にはトランスファ22が接続
されている。このトランスファ22には、エンジン2か
らの出力を前輪W1側に伝えるフロントプロペラシャフ
ト23およびエンジン2からの出力を後輪W2側に伝え
るリヤプロペラシャフト24が設けられている。エンジ
ン2の駆動力は、センターEMCD(電磁制御差動機、
Electro Magnetic Control Differentialの略称)1c
を介してフロントプロペラシャフト23およびリヤプロ
ペラシャフト24に伝動されるように構成されている。
【0026】また、上記フロントプロペラシャフト23
の前端部はフロントEMCD1fを介して前輪駆動軸2
5に接続されており、リヤプロペラシャフト24の後端
部はリヤEMCD1rを介して後輪駆動軸26に接続さ
れている。上記各EMCD1としては、先に図9におい
て説明したものと同じものが採用されている。
【0027】そして、前輪W1および後輪W2には、各
車輪を対象として回転速度検出センサが設けられており
(前輪W1には二基の前輪回転速度検出センサS1(左
前輪W11には左前輪回転速度検出センサS11、右前
輪W12には右前輪回転速度検出センサS12)が設け
られ、後輪W2には二基の後輪回転速度検出センサS2
(左後輪W21には左後輪回転速度検出センサS21、
右後輪W22には右後輪回転速度検出センサS22)が
設けられている)、それぞれの車輪の回転速度を別個に
検出するようになっている。
【0028】また、運転席足下のブレーキペダル近傍に
は、制動操作が行われたか否かを検出するブレーキ状態
検出スイッチ31が、エンジン2の内部にはスロットル
の状態を検出するスロットル状態検出センサ32がそれ
ぞれ設けられている。このスロットル状態検出センサ3
2によりエンジン2のスロットル開度が検出される。
【0029】この車両には駆動力伝達機構を自動制御す
るために制御装置4が搭載されている。この制御装置4
の内部には、エンジン2の作動状態を制御するエンジン
コントロールユニット41と、各回転速度検出センサS
からの信号の制御装置4への入力を中継するアンチスキ
ッドブレーキ装置用のコントロールユニット(以下、A
BSコントロールユニットと略称する)42と、各EM
CD1に適正な差動制御のための指示信号を発進する差
動コントロールユニット43とが備えられている。ま
た、制御装置4には電源としてのバッテリー45が接続
されている。
【0030】上記エンジンコントロールユニット41に
は、スロットル状態検出センサ32からのスロットル開
度信号が入力され、上記ABSコントロールユニット4
2には各回転速度検出センサSからの車輪の回転速度信
号が入力され、これらを経由して差動コントロールユニ
ット43に上記各検出信号が入力される。上記差動コン
トロールユニット43には、各EMCD1の各種差動制
限のために設定された複数のモードから特定のモードを
選択する選択スイッチ44が接続されている。
【0031】上記差動コントロールユニット43には、
スロットル状態検出センサ32からスロットル開度信
号、ブレーキ状態検出スイッチ31からブレーキ信号、
ABSコントロールユニット42からアンチスキッドブ
レーキ装置が作動しているか否かを示すABS信号、各
車輪(前輪W1および後輪W2)の回転速度および選択
スイッチ44からの選択モード信号がそれぞれ入力され
る。
【0032】これらの入力信号値に基づいて、差動コン
トロールユニット43からセンターEMCD1c、フロ
ントEMCD1fおよびリヤEMCD1rに向かって、
図9に示す電磁石15を励磁するための所定の値に設定
された電流(センタ電流、フロント電流およびリヤ電
流)が出力される。この差動コントロールユニット43
から出力される電流値の強弱に応じて各EMCD1は、
概略アンロック状態、中間ロック状態および完全ロック
状態の差動状態の切り換え制御が達成される。また、差
動コントロールユニット43からABSコントロールユ
ニット42にABS制御禁止信号が発進されることもあ
る。
【0033】図2は、図9に示す電磁石15に供給され
る電流値I(A)とそのときの駆動軸から伝動される第
一回転軸と第二回転軸との間のロック状態を表すロック
トルクF(Nm)との関係を示すグラフである。なお、
センターEMCD1cを対象に考えた場合、駆動軸はエ
ンジンのクランクシャフト、第一回転軸および第二回転
軸はフロントプロペラシャフト23とリヤプロペラシャ
フト24とみなすことができ、フロントEMCD1fを
対象に考えた場合は、駆動軸はフロントプロペラシャフ
ト23、第一回転軸および第二回転軸は左右の前輪駆動
軸25とみなすことができ、リヤEMCD1rを対象に
考えた場合は、駆動軸はリヤプロペラシャフト24、第
一回転軸および第二回転軸は左右の後輪駆動軸26とみ
なすことができる。
【0034】この図から判る通り、電磁石15に供給さ
れる電流値IとロックトルクFとの間にはほぼ良好な比
例関係が存在するため、電磁石15に通電する電流値を
制御することによって、極めて容易に第一回転軸と第二
回転軸との差動の制限の度合いを制御することが可能で
ある。
【0035】つぎに、表1を参照しながら選択スイッチ
44によって選択された各モードにおける制御内容につ
いて説明する。
【0036】
【表1】
【0037】この表に示すように、選択スイッチ44の
「Aモード」においては、フロントEMCD1fがアン
ロック状態、センターEMCD1cとリヤEMCD1r
とがオートモード制御とされる。「Cモード」において
は、フロントEMCD1fがアンロック状態、センター
EMCD1cが完全ロック状態、リヤEMCD1rがオ
ートモード制御とされる。「Rモード」においては、フ
ロントEMCD1fがアンロック状態、センターEMC
D1cとリヤEMCD1rとが完全ロック状態とされ
る。「Fモード」においては、フロントEMCD1f、
センターEMCD1cおよびリヤEMCD1rのすべて
が完全ロック状態とされる。
【0038】ここで、Ifはフロント電流、Icはセンタ
ー電流、Irはリヤ電流である。また、数値はその電流
値をそれぞれ表しており、各EMCD1に設けられた図
9に示す電磁石15にこれらの値の電流が供給パイロッ
トクラッチ14aおよびメインクラッチ14bが作用し
て完全な差動制限(完全ロック状態)が実現する。完全
ロックのときの電流値がそれぞれ異なるのは、それぞれ
のEMCD1の特性による。
【0039】上記各モードは、運転者により任意に選択
される。「Aモード」においては、フロントEMCD1
fがアンロック状態とされているため、駆動性に影響が
少なく、操作性が優れており、市街地などの一般道路を
走行する、いわゆるオンロード走行に適している。片
や、「Fモード」においては、フロントEMCD1f、
センターEMCD1cおよびリヤEMCD1rのすべて
が完全に差動制限が付された完全ロック状態とされてい
るため、操作性は低下するが駆動性に優れており、悪路
などを走行する、いわゆるオフロード走行に適してい
る。「Cモード」および「Rモード」は、これらの間の
特性を有し、運転者の好みに応じて選択される。
【0040】「Aモード」においては、通常は各EMC
D1の電磁石15には電流が供給されないアンロック状
態とされている。そして、走行中は各車輪(左前輪W1
1、右前輪W12、左後輪W21および右後輪W22)
の回転速度(左前輪回転速度N11、右前輪回転速度N
12、左後輪回転速度N21および右後輪回転速度N2
2)はそれぞれ専用の回転速度検出センサ(左前輪回転
速度検出センサS11、右前輪回転速度検出センサS1
2、左後輪回転速度検出センサS21および右後輪回転
速度検出センサS22)によって検出され、逐一ABS
コントロールユニット42に入力されている。上記回転
速度のうちの最低値が車体速度Vspとして定義される。
【0041】そして、以下の計算式によってセンターE
MCD1cの差動回転数ΔNcとΔNrとが演算される。 ΔNc=|(N11+N12)−(N21+N22)|/2 ΔNr=|N21−N22| 上記ΔNc値は前輪W1と後輪W2との回転数の違いを
表す値であり、上記ΔNr値は左後輪W21と右後輪W
22との回転数の違いを表す値である。これらの値が予
め設定された値よりも大きいときは、悪路を走行中にス
リップなどを起こし、車輪の回転が安定していない状態
を示しているため、このようなときに所定の計算式に基
づいてセンター電流Icおよびリヤ電流Irが決定さ
れ、その値の電流がセンターEMCD1cおよびリヤE
MCD1rに供給されるから、この電流値に応じた差動
制限が行われる。
【0042】以上、本発明の車両の差動制限装置が適用
される基礎となる、EMCD1が設けられた差動制限制
御について実施例を基に説明したが、本発明は、このよ
うな差動制限制御において、特に制御装置4の内部に、
いわゆるエンジンブレーキ使用時の差動制限を実行する
前記減速時差動制限制御手段が備えられた差動制限装置
を提供するものである。以下本発明の車両の差動制限装
置の一例について詳細に説明する。
【0043】なお、本実施例においては、本発明に係る
差動制限制御は、上記の基礎となる差動制限制御のう
ち、選択スイッチで「Aモード」が選択された場合の全
てのEMCD1、「Cモード」が選択された場合のアン
ロック状態とされるフロントEMCD1fとオートモー
ド制御がされるリヤEMCD1r、および「Rモード」
が選択された場合のアンロック状態とされるフロントE
MCD1fにおいて適用される。「Fモード」が選択さ
れた場合は、全てのEMCD1が無条件に完全ロック状
態とされているため、減速時にのみ差動制限が実行され
る本発明に係る差動制限制御は適用されない。
【0044】車両Cに搭載された制御装置4の内部の差
動コントロールユニット43には、減速時差動制限制御
手段44が設けられている。一方、前述の通りエンジン
コントロールユニット41には、前記スロットル状態検
出センサ32から発信されるスロットル開度信号、ステ
アリング28から発信される操舵の舵角信号、および、
エンジン回転数を検出するクランクシャフト27の近傍
に設けられたエンジン回転数検出センサ33から発信さ
れるエンジン回転数信号などが入力されている。これら
の信号に基づいて、エンジンコントロールユニット41
は、所定のエンジン作動の制御を行なっており、減速運
転時で特に後記所定領域にあるときに、フューエルカッ
ト(燃料供給遮断)を行うようになっている。そして、
上記差動コントロールユニット43は、エンジンコント
ロールユニット41からの信号により、現在車両がフュ
ーエルカット状態で走行しているか否かの判別を行い、
フューエルカット状態で走行していると判断したとき
は、特にその内部に設けられた減速時差動制限制御手段
44による制御状態に移行する。この減速時差動制限制
御手段44は本発明に係る減速時の差動制限制御を実行
する。
【0045】そこで、図3を基に車両の走行状態が、フ
ューエルカット状態か否かの判別基準について説明す
る。図3は、エンジン回転数とスロットル開度との関係
において、フューエルカット(燃料の供給遮断)を行う
領域、いわゆるフューエルカット領域を示すグラフであ
る。この図に例示すように、エンジン回転数がアイドリ
ング時の回転数よりもある程度多く、かつ、スロットル
開度が全開の約25%以下の開度である領域は、同図に
斜線で表示するように、フューエルカット領域と定義さ
れ、この領域に入ったような場合には、図外のエンジン
への燃料噴射手段であるインジェクタへの通電が遮断さ
れ、積極的にエンジン2に対する燃料の供給が遮断され
るように設定されている。
【0046】このような領域が設けられる主な理由は、
まず燃料を節約すること、および、エンジン2への燃料
の供給を遮断することによってエンジンブレーキの効果
を上昇させることである。従って、フューエルカットは
減速操作の一部であるということができる。
【0047】以上のような制御は、制御装置4のエンジ
ンコントロールユニット41において実行され、運転状
態がフューエルカット領域にある場合はエンジンコント
ロールユニット41内にある図外のフューエルカットス
イッチ(F/Cスイッチ)がON状態になると共に、図
外のインジェクタへの通電が遮断され、エンジン2に燃
料が供給されない状態になる。
【0048】本実施例においては、上記F/Cスイッチ
のON、OFF状態の信号を減速時差動制限制御手段4
4に入力し、このF/CスイッチがONのときに、運転
状態がフューエルカット領域に突入していると判断さ
れ、EMCD1の差動制限制御が実行される。
【0049】図4はF/CスイッチのON、OFF状態
とEMCDのトルク値との関係を時系列で表示するグラ
フである。この図に示すように、F/CスイッチがOF
FからONに変わってから、若干の遅れ時間(AINC
D)が経過した後、EMCD1に電流が供給され、EM
CD1はデフロックを開始する。そして、F/Cスイッ
チがONからOFFに変わってから、この場合も若干の
遅れ時間(ADECD)が経過した後、EMCD1のデ
フロックの解除が実行される。
【0050】このように、デフロックが開始されるとき
に適用される遅れ時間(AINCD)は、急にデフロッ
クを実施することによるEMCD1のバックラッシュを
緩和するためであり、また、同様の理由でデフロックが
解除されるときにも遅れ時間(ADECD)が適用され
る。
【0051】図5は、運転状態が前記のフューエルカッ
ト領域に突入した場合の車両の減速度(D)と遅れ時間
(AINCD)との関係を例示するグラフである。これ
ら両者の間には、減速度が大きくなるに従って遅れ時間
を漸増させる関係、すなわち(AINCD)=f(D)
なる関係を設定している。このようにした理由は、減速
ショックとロックショックとの発生時点をずらせること
によってショックを分散させるに際し、減速度が大きい
ほどショックも大きく、それに対応するためである。
【0052】デフロックを解除するときも同様の考えに
基づいて、遅れ時間(ADECD)を採用しているが、
図5のような図示は省略している。
【0053】図6は、減速度(D)とデフロックのロッ
クトルクの変化率(AINC)との関係を例示するグラ
フである。ロックトルクの変化率(AINC)は図4の
時間の経過とEMCDのトルク値との関係を示すグラフ
において、傾斜線の勾配に相当する値である。図6のグ
ラフに示すように、減速度が大きくなるに従って、ロッ
クトルクの変化率は大きくなる、変化率(AINC)=
g(D)なる関係を設定している。このように設定した
理由は、減速度が大きいほど遅れ時間(AINCD)を
長くしているため、それだけデフロックのタイミングが
ずれており、それを速く回復させるためである。
【0054】デフロックを解除するときにも、図示は省
略しているが、上記と同じ考えに基づいて、減速度に応
じた負のEMCDトルク値の変化率(ADEC)を設定
するようにしている。
【0055】なお、上記減速度(D)は、前輪W1およ
び後輪W2の回転数を検出する前輪回転速度検出センサ
R1および後輪回転速度検出センサR2から制御装置4
に入力される車輪の回転数の時間に対する微分値が採用
される。この微分値の計算は減速時差動制限制御手段4
4内にて行われる。
【0056】以下本発明の車両の差動制限装置の実施例
に係る作用について、図7に例示する制御フローのフロ
ーチャートに基づいて説明する。図7は本実施例に係る
差動制限制御の制御フローの一例を示すフローチャート
である。このフローチャートは、EMCD1のいずれか
一基を対象とした制御フローを示すものであり、従っ
て、三基ある各EMCD1を対象としてこのような制御
フローの各ステップが並列で実行される。
【0057】また、このフローチャートは、運転状態が
図3に示すフューエルカット領域に突入した後の制御フ
ローを例示しており、この領域に入るまでは、エンジン
コントロールユニット41がスロットル状態検出センサ
32から発信されるスロットル開度信号およびエンジン
回転数検出センサ33から発信されるエンジン回転数信
号を基に、予め入力されているフューエルカット領域を
決めるための設定値との比較演算を行い、フューエルカ
ット領域に突入している場合には、F/CスイッチをO
Nにし、インジェクタへの通電を遮断し、以後はエンジ
ンコントロールユニット41によるエンジン作動制御
と、減速時差動制限制御手段44によるEMCD1の差
動制限の制御が並行して実施される。
【0058】減速時差動制限制御手段44においては、
まずステップS1において現状のフューエルカットフラ
ッグ(FC)がONであるか否かが問われ、この条件を
満足している場合には、ステップS2において前回のフ
ューエルカットフラッグ(FFC)がONであったか否
かが問われる。フューエルカットフラッグ(FC)のO
N、OFFについてはエンジンコントロールユニット4
1内の図外のF/CスイッチのON、OFF状態が参照
されて判別され、前回のフューエルカットフラッグ(F
FC)のON、OFF状態については、前回のフューエ
ルカットフラッグ(FFC)=1のときにONであった
と判断され、1以外のときはOFFdであったと判断さ
れる。
【0059】上記ステップS1の条件を満足し、かつ、
ステップS2の条件を満足していない場合、すなわち、
エンジン回転数とスロットル開度とで表現される運転状
態がフューエルカット領域に突入したときは、ステップ
S3およびステップS4が実行されてリターンに至りそ
の後このルーチンが繰返し実行される。
【0060】ステップS3では、フューエルカットをす
るための前回のフューエルカットフラッグ(FFC)が
1とされる。
【0061】ステップS4は、減速度(D)の値からデ
フロック開始の遅れ時間(AINCD)およびロックト
ルクの変化率(AINC)が、前記関係式に基づいて計
算され、更にEMCD1に供給される電流目標値(Ao
bj)が設定される。この目標値(Aobj)として
は、EMCD1が完全デフロックされる電流値(AL)
が設定される。この(AL)の値は、予め減速時差動制
限制御手段44のに入力されている。
【0062】次に、ステップS1およびステップS2の
条件を双方満足した場合、すなわち、フューエルカット
領域に突入してしまっている場合には、ステップS5な
いしステップS15の、いわゆるエンジンブレーキが作
用している間の差動制限制御が実行される。
【0063】まず、ステップS5において、操舵中であ
るか否かが問われる。操舵中でない場合はステップS7
が実行されるが、操舵中の場合にはステップS6が実行
され、電流上限値(AMAX)として舵角(H)との関
係で算出される電流値i(H)が与えられる。この電流
値i(H)の値は、完全デフロックが実行される電流値
(AL)の値よりも小さい値となっている。このように
される理由は、操舵中のときに初期設定された電流値が
EMCD1に通電されると、完全デフロックが実行さ
れ、全く内輪と外輪との差動が行われなくなるため、操
縦性が悪くなるからである。そのため舵角(H)に応じ
た少なめの値の電流値i(H)が供給されるべく、上記
置き換えが実行されるのである。
【0064】ステップS7においては、上記デフロック
開始の遅れ時間(AINCD)が0であるか否かが判別
される。最初はステップS4において計算された初期値
f(D)が設定されているため、この条件は満足され
ず、ステップS8が実行される。このステップS8は、
このステップを通過する毎に初期値として設定された上
記遅れ時間(AINCD)から1づつ減算するステップ
であり、いわゆるタイマーとして機能している。従っ
て、この遅れ時間(AINCD)の値が0になるまでス
テップS1からステップS8に至るルーチンが繰り返さ
れ、遅れ時間(AINCD)が0になった時点で最初の
遅れ時間が経過し、ステップS7の条件を満足して次の
ステップS9が実行される。
【0065】ステップS9乃至ステップS11は、EM
CD1に供給する電流値を徐々にアップさせるためのル
ーチンである。まずステップS9において「電流値
(A)≧目標電流値(Aobj)」が問われる。最初は
初期値として電流値(A)には0が入力されているた
め、上記と「電流値(A)≧目標電流値(Aobj)」
の条件を満足しないから、ステップS11が実行され
る。ステップS11は電流値(A)に変化率(AIN
C)を順次加えていくステップであり、このステップが
実行される毎に電流値(A)は増加して行く。
【0066】そして、電流値(A)の値が目標電流値
(Aobj)を越えるとステップS9の条件を満足し、
ステップS10が実行されて電流値(A)には目標電流
値(Aobj)の値が入力される。次にステップS12
に移る。
【0067】ステップS12は、上流側のステップで設
定された電流値(A)の値が電流上限値(AMAX)よ
りも大きいか否かを判別するステップである。ステップ
S11を通ってステップS12に到達した場合は、上記
の条件を満足していないため、つまりEMCD1に供給
する電流値を上昇させつつある最中であるため、ステッ
プS14が実行されて(Ao)に電流値(A)の値が入
力される。この(Ao)は、EMCD1に対する電流の
出力値であり、この値の電流が実際にEMCD1に供給
されてデフロックが実行される。
【0068】ステップS12の条件を満足している場
合、すなわち、電流値(A)が電流上限値(AMAX)
よりも大きくなった場合には、ステップS13が実行さ
れて、(Ao)は電流上限値(AMAX)の値と入れ換
えられる。ステップS15は電流上限値(AMAX)を
設定するステップであり、供給され得る最大の電流値が
電流上限値(AMAX)に置き換え入力される。以後、
フューエルカット領域を脱出するまで、電流上限値(A
MAX)の電流値がEMCD1に供給され続ける。
【0069】そして、フューエルカット領域を脱出した
ときには、エンジンコントロールユニット41内のF/
CスイッチはOFFになるため、ステップS1の条件は
満足せず、ステップS16以降の供給電流漸減のルーチ
ンが実行される。
【0070】まず、ステップS16においては「前回の
フューエルカットフラッグ(FFC)=1」であるか否
か、すなわち、前回はフューエルカット領域であったか
いなかが問われる。最初にこのステップに到達したとき
は、必ずこの条件を満足しているため、ステップS17
が実行される。
【0071】ステップS17は、ステップS4とは逆に
フューエルカット領域を脱出してからEMCD1への通
電を遮断するための遅れ時間(ADECD)と、電流漸
減の変化率(ADEC)とが設定される。この場合も、
遅れ時間(ADECD)および変化率(ADEC)は減
速度(D)の関数として定義され、予め設定されている
関係式遅れ時間(ADECD)=f'(D)および変化率
(ADEC)=g'(D)より算出される。また、目標電
流値(Aobj)は0に設定される。そして、ステップ
S18が実行され、前回のフューエルカットフラッグ
(FFC)は0に置き換えられる。
【0072】次の回からは、ステップS16において、
前回のフューエルカットフラッグ(FFC)は0に設定
されているため、ステップS19以降が実行され、EM
CD1に供給される電流の漸減が行われる。
【0073】まず、ステップS19において、遅れ時間
(ADECD)が0か否かが判別され、0でない場合は
ステップS20が実行されて遅れ時間(ADECD)の
値が1づつ減算され、0になるまでリターンとスタート
間の処理が繰り返される。そして、遅れ時間(ADEC
D)が0になれば、ステップS19の条件を満足するた
め、すなわち予め設定された遅れ時間が経過したため、
次のステップS21が実行される。
【0074】ステップS21においては、「電流値
(A)≦目標電流値(Aobj)」が問われる。目標電
流値(Aobj)はステップS17において0と設定さ
れており、電流値(A)には前のステップS10におい
て設定された電流目標値が入力されているため、最初は
必ずこの条件を満足せず、ステップS23が実行され
る。
【0075】ステップS23は現に設定されている電流
値(A)の値から変化率(ADEC)を減算するステッ
プであるため、このステップが実行される毎に電流値
(A)の値は漸減し、ステップS24で出力値としての
電流値(Ao)が設定され、この電流値がEMCD1に
供給される。
【0076】そして、電流値(A)が0より小さくなっ
た場合にステップS21の条件が満足され、ステップS
22が実行されて出力電流値(Ao)は0とされ、この
状態に到達したところで、EMCD1の差動制限の制御
は、通常の差動コントロールユニット43が行うものに
引き渡される。
【0077】本実施例における差動制限制御において
は、減速運転時で、特にフューエルカット領域のときに
は、以上詳述したように、EMCD1の差動制限が実行
されるため、適正な減速感を得ることができる。また、
上記差動制限の開始および終了は、フューエルカットの
開始および終了よりも遅らせて実行されるため、バック
ラッシュによるショックを緩和することができ好都合で
ある。
【0078】また、フューエルカット領域に突入した減
速状態であっても、操舵が実行されているときは、操舵
角度に応じて完全デフロックの場合に供給される電流値
よりも少ない値の電流が供給されるようにされているた
め、フューエルカット時の転舵中であっても、バランス
のとれた差動制限制御が実現し、より良好な運転感覚を
得ることができる。
【0079】なお、上記のフューエルカット時の差動制
限制御に加えて、更に、エンジンの冷却水の水温に反比
例した状態で、差動制限を実行する時間、および解除す
る時間を遅らせるようにしてもよい。すなわち、エンジ
ン2のアイドリング駆動時のように水温が低いときには
エンジンショックが大きいため遅れ時間(AINCD)
を長くとり、エンジン2暖機後の高速運転時のように水
温が高いときには応答性を良好にするために遅れ時間
(AINCD)を短くするのである。そうすれば、更に
良好なフューエルカット時の差動制限制御を実現させる
ことができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両の差
動制限装置は、車輪の駆動状況に応じて差動機内のクラ
ッチの制御を行う制御装置が設けられ、この制御装置に
はエンジンが減速した際にその減速の応じて差動制限さ
せる減速時差動制限手段が設けられているため、減速に
応じた適正な度合いの差動制限が実現する。
【0081】また、運転状態がフューエルカット領域に
あるとき、すなわちエンジンブレーキが掛っている状態
においてエンジンへの燃料の供給が遮断される際には、
最高の差動制限が行われるように構成すれば、完全デフ
ロックが実行され、上記エンジンブレーキによる制動作
用が各車輪に均等に伝わり、安定した制動が実現すると
共に、適正な減速感を得ることができる。
【0082】更に、エンジンへの燃料の供給が遮断され
た時点から予め設定された遅れ時間の経過後に差動制限
が実行されるように構成すれば、燃料供給遮断後差動制
限が実行されるまでの時間差によって、差動機のバック
ラッシュによる衝撃を柔げることができる。
【0083】加えて、エンジンへの燃料の供給遮断が解
除された時点から予め設定された遅れ時間の経過後に差
動制限が解除されるように構成すれば、差動機の差動制
限解除ショックを柔げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の差動制限装置の全体構成を例示
する説明図である。
【図2】電磁クラッチに供給される電流値と電磁クラッ
チのロックトルク値との関係を示すグラフである。
【図3】エンジン回転数とスロットル開度との関係にお
いてフューエルカット領域を示すグラフである。
【図4】フューエルカットスイッチのON、OFF状態
と電磁制御差動機(EMCD)のトルク値との関係を時
系列で表示するグラフである。
【図5】減速度とデフロック開始の遅れ時間(AINC
D)との関係を示すグラフである。
【図6】減速度とデフロックの変化率(AINC)との
関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係る差動制限制御の制御フローの一例
を示すフローチャートである。
【図8】四輪駆動車の駆動力伝達機構を例示するスケル
トン図である。
【図9】EMCDの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 EMCD(電磁制御差動機) 1f フロントEMCD 1c センターEMCD 1r リヤEMCD 11 デフケース 12 遊星キャリヤ 13 サンギヤー 14a パイロットクラッチ 14b メインクラッチ 15 電磁石 2 エンジン 21 トランスミッション 22 トランスファ 23 フロントプロペラシャフト 24 リヤプロペラシャフト 25 前輪駆動軸 26 後輪駆動軸 28 ステアリング 31 ブレーキ状態検出スイッチ 32 スロットル状態検出センサ 4 制御装置 41 エンジンコントロールユニット 42 ABSコントロールユニット 43 差動コントロールユニット 44 減速時差動制限制御手段 W1 前輪 W2 後輪 R1 前輪回転速度検出センサ R2 後輪回転速度検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早岐 隆 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 木村 嘉孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 杉本 武司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 高田 稔 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸間または車輪間に設けられた差動機
    に、アクチュエータによって作動するクラッチが内装さ
    れ、このクラッチの開閉に応じて車軸間または車輪間の
    差動制限を行う車両の差動制限装置において、この車両
    にはエンジンの減速を検知するエンジン減速検知手段が
    設けられ、上記車両には車輪の駆動状況に応じて上記ク
    ラッチの制御を行う制御装置が設けられ、この制御装置
    には上記エンジン減速検知手段がエンジンの減速を検知
    した場合に上記クラッチが上記差動機の差動制限を行う
    状態となるように上記アクチュエータを制御する減速時
    差動制限手段が設けられていることを特徴とする車両の
    差動制限装置。
  2. 【請求項2】 スロットル開度が所定の開度以下であ
    り、かつ、所定の回転数以上のエンジンの回転によって
    車両が走行している状態においてエンジンへの燃料の供
    給が遮断される際には、最高の差動制限が行われるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両
    の差動制限装置。
  3. 【請求項3】 エンジンへの燃料の供給が遮断された時
    点から予め設定された遅れ時間の経過後に、差動制限が
    実行されるように構成されていることを特徴とする請求
    項2記載の車両の差動制限装置。
  4. 【請求項4】 エンジンへの燃料の供給遮断が解除され
    た時点から予め設定された遅れ時間の経過後に、差動制
    限が解除されるように構成されていることを特徴とする
    請求項2記載の車両の差動制限装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの冷却水の水温の上昇に応じて
    上記遅れ時間を短く設定するように構成されていること
    を特徴とする請求項3または4記載の車両の差動制限装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002087103A (ja) * 2000-09-14 2002-03-26 Mitsubishi Motors Corp 車両用差動制限装置
JP2003014084A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Isuzu Motors Ltd 差動制限装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002087103A (ja) * 2000-09-14 2002-03-26 Mitsubishi Motors Corp 車両用差動制限装置
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