JPH05222067A - 有機錫化合物の製法 - Google Patents

有機錫化合物の製法

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JPH05222067A JP13729991A JP13729991A JPH05222067A JP H05222067 A JPH05222067 A JP H05222067A JP 13729991 A JP13729991 A JP 13729991A JP 13729991 A JP13729991 A JP 13729991A JP H05222067 A JPH05222067 A JP H05222067A
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島 郁 子 分
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に用途の多い4価錫有機酸誘導体を安
価な化合物を原料として、安全な方法で製造することが
できる有機錫化合物の製造を提供することを目的とす
る。 【構成】 一般式Sn(OCR′)(式中R′は水
素、アルキル基又はアリール基)で表わされる2価錫化
合物に一般式Cu(OCR)(式中Rは水素、アル
キル基又はアリール基、RとR′は互いに同一又は別
異)で表わされる有機カルボン酸第二銅塩を反応させて
一般式Sn(OCR)(OCR′)(RとR′
は上記と同じ)で表わされる4価錫有機酸誘導体を製造
することを特徴とする有機錫化合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料のドライヤー、樹脂
安定剤、反応触媒や、電子材料や光学材料などとに利用
される錫酸化膜形成材料などとして利用される四価錫化
合物の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】塗料や各種高分
子の改質や電子、光学特性を持った錫酸化膜の形成等に
広く使用されている4価錫有機酸誘導体Sn(O
R)、Sn(OCR′)(式中R,R′は水
素、アルキル基、アリール基、Xはハロゲン、アシロキ
シ基を示す)の工業的製法は種々の方法が提案され、実
施されている事は周知の通りである。
【0003】この4価錫有機酸誘導体の製造法は例えば
Ang.Chem. 59 233(1947)ではSnIに無水酢酸をタリ
ウム触媒の下で反応させて、酢酸第二錫化合物を得る方
法が提案され、Inorg Chem, 3 912(1964)には塩化第2
錫にイソ酪酸銀を反応させて、4価イソ酪酸塩Sn〔O
C−CH(CHを合成する方法が提案され
ている。更にJ.Orgmetal.Chem, 4 377(1965) ではテト
ラビニル錫(Sn(CH=CH)にカルボン酸を
反応させ、相当する4価錫カルボキシレートを得る方法
等も提案されている。
【0004】これまでに一般的に知られている、これら
の方法では、沃化第2錫やテトラビニル錫と言う高価化
合物を原料に使い、又タリウムの様な毒性に対する配慮
が必要とされる触媒を用いる必要があり、工業的製造法
としては適当ではなかった。又安価な塩化第2錫を原料
にする方法では高価なカルボン酸銀を使用するので実用
性が少なく実施し難かった。
【0005】本発明は工業的に用途の多い4価錫有機酸
誘導体を安価な化合物を原料にし、安全な方法で製造す
る方法を提案することを目的とする。
【0006】本発明者等はこれまで周期律表第4族金属
のアルコキシド、キレート等種々の化合物の製造法や反
応の研究をし、その成果を発表し又特許を得て来てい
る。たとえば第一錫キレート化合物の新しい製造法を提
案し特許を得た(特許第1461985号)。この方法
では金属錫にアセチルアセトン銅を反応させ直接第1錫
アセチルアセトネート〔Sn(O〕を収
率よく製造することができる。
【0007】本発明者等は、これらの方法を更に研究し
た結果アセチルアセトン銅の代りに有機カルボン酸第二
銅〔Cu(OCR)〕を、第1錫有機酸塩Sn(O
CR′)と反応させれば4価有機酸錫誘導体〔Sn
(OCR)(OCR′)〕(RとR′は下記の
とおり)が得られ4価錫有機カルボン酸塩の製造方法と
して有効である事を見出して本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明は、一般
式Sn(OCR′)(式中R′は水素、アルキル基
又はアリール基)で表わされる2価錫化合物に一般式C
u(OCR)(式中Rは水素、アルキル基又はアリ
ール基、RとR′は互いに同一又は別異)で表わされる
有機カルボン酸第二銅塩を反応させて一般式Sn(O
CR)(OCR′)(RとR′は上記と同じ)で
表わされる4価錫有機酸誘導体を製造することを特徴と
する有機錫化合物の製造法に関するものである。
【0009】かくて本発明は4価有機酸錫化合物を安価
で安全な原料を使って製造する方法を提供しようとする
もであり、次のような反応を含むものである。即ち Sn(OCR′)+2Cu(OCR)→ Sn(OCR)(OCR′)+2Cu の反応である。
【0010】本発明方法を詳しく説明すれば、出発原料
としてSn(OCR′)で示される錫アシロキシ化
合物を使用する事により4価錫有機酸化合物を合成する
事が出来る。
【0011】上記2価錫化合物の式中R′は水素、アル
キル基たとえばメチル基、エチル基、プロピル基等の低
級アルキル又は高級アルキル基、アリール基たとえばフ
ェニル基等を表わし、かかる2価錫化合物としては酢酸
第一錫が好んで用いられる。
【0012】二価錫化合物と反応される銅の有機カルボ
ン酸塩としては一般式Cu(OCR)で示される第
二銅塩が用いられる。この式中Rは水素、アルキル又は
アリール基を表わす。アルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル基等の低級アルキル基の外に炭素数の多い
高級アルキル基も含まれ、アリール基としてはたとえば
フェニル基があげられる。上記錫化合物の式中のR′と
銅化合物の式中のRとは互いに同じでもよく又別異でも
よい。
【0013】かくて銅化合物としては上記式中Rが水素
又はアルキル基であるギ酸、酢酸、酪酸、オクタン酸
(カプリル酸)、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪族
カルボン酸或は式中Rがアリール基である安息香酸等の
芳香族カルボン酸の第二銅塩を用いることができる。こ
のカルボン酸塩には他の置換基を有するものも含まれ
る。
【0014】本発明の反応は上記反応式で示される様
に、出発原料であるSn(OCR′)1モルに対し
て互いに同じアシロキシ基を有する、即ちR=R′でR
とR′が共に水素又は互いに同じアルキル基又はアリー
ル基である有機酸第二銅Cu(OCR)2モルを反
応させるとテトラアシロキシ錫Sn(OCR)が得
られる。2価錫化合物のアシロキシ基と有機酸第二銅の
アシロキシ基が異なる場合即ち上記式中RとR′が互に
別異である場合には、反応生成物はSn(OCR)
(OCR′)の混合アシロキシ錫化合物となる。
【0015】これらの反応は溶剤中で行う事が一般的で
ある。2価錫化合物と有機酸第二銅塩を溶媒中に分散
し、溶媒の沸点又はそれ以下の温度で反応させ、副生す
る金属銅を濾過して除去し、濾液を蒸留して溶媒を除去
すると4価錫有機酸誘導体が得られる。生成物はそのま
ま又は再結晶、吸着、精製等の通常の方法で精製して使
用する事が出来る。
【0016】反応溶媒としては、トルエン、キシレンの
様な芳香族炭化水素類、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸アシル等のエステル類、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が一般的であ
り、更に有機カルボン酸第二銅として酢酸第二銅を用い
る時には、無水酢酸や酢酸等を用い、同種の有機酸を溶
媒として使用する事も有効である。
【0017】反応に接する時間は数時間〜数十時間でよ
い。又、反応は通常の雰囲気下でも行いうるが、酸化錫
膜の形成や酸素による副反応を防止する為、窒素、アル
ゴン等の不活性ガス雰囲気下で行う事もまた有効であ
る。
【0018】
【効 果】かくして、4価錫有機酸誘導体を合成するに
際して、従来の公知の方法が何れも4価錫化合物を出発
原料とするのに対し、本発明の方法では2価錫化合物を
用いる新規な方法であるだけでなく、安全で安価な原料
を用いて高品位の化合物を収率良く合成出来、原料とし
て用いる銅化合物中の銅は回収使用する事が出来るの
で、本発明の方法は公知方法に比して実用的であり経済
価値の高い有利な工業的製法である。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1 乾燥窒素ガスで置換した200ml四ツ口フラスコ中で、
無水酢酸150mlを溶媒とし、酢酸第一錫2.48g
(1.05×10-2モル)と酢酸第二銅1.96g
(1.08×10-2モル)とを溶媒の沸点下で2時間反
応させた。生成した金属銅を熱濾過により除去後、減圧
下に溶媒を完全に留去し、残渣にベンゼン150mlを加
えて溶かし、不溶物を再び熱濾過により除去後、濾液を
濃縮、放置すると、3.73gの白色結晶が得られた
(収率約100%)。融点、赤外線スペクトル、Sn分
析値から、この結晶はSn(OCOCHであるこ
とが同定された。
【0020】実施例2 実施例1と同様にして酢酸第二銅の代りにステアリン酸
第二銅6.4g(1.08×102 モル)を用い130
℃、26時間反応させて同様に処理し6.7g(収率9
6%)の白色結晶を得た。この物質はSn分析値及び赤
外線吸収スペクトルからSn(OCOCH(OC
OC1735であると同定された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Sn(OCR′)(式中R′は
    水素、アルキル基又はアリール基)で表わされる2価錫
    化合物に一般式Cu(OCR)(式中Rは水素、ア
    ルキル基又はアリール基、RとR′は互いに同一又は別
    異)で表わされる有機カルボン酸第二銅塩を反応させて
    一般式Sn(OCR)(OCR′)(RとR′
    は上記と同じ)で表わされる4価錫有機酸誘導体を製造
    することを特徴とする有機錫化合物の製造法。
JP13729991A 1991-05-13 1991-05-13 有機錫化合物の製法 Expired - Lifetime JPH0689007B2 (ja)

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