JPH05230720A - 高炭素化収率のピッチの製造方法 - Google Patents
高炭素化収率のピッチの製造方法Info
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- JPH05230720A JPH05230720A JP4201766A JP20176692A JPH05230720A JP H05230720 A JPH05230720 A JP H05230720A JP 4201766 A JP4201766 A JP 4201766A JP 20176692 A JP20176692 A JP 20176692A JP H05230720 A JPH05230720 A JP H05230720A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 メソフェーズピッチを予め繊維状にして、酸
性溶媒の液相中で限定的に酸化・重合することによる、
炭素化収率の向上した、各種炭素材料のマトリックスと
して有用なピッチの製造方法を提供する。 【構成】 メソフェーズピッチを常法に従って溶融
紡糸して繊維状に成形し、該繊維状ピッチを酸触媒と架
橋剤の存在下で溶媒中で、生成するピッチが熱流動性を
保持できる範囲内で酸化・重合させる、炭素化収率の向
上したピッチの製造方法であり、 繊維状ピッチの径を20μm以下に成形すること。 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を使用し、かつ
酸化・重合を90〜150℃で0.5〜5時間の条件下
で、ピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の混合比が、
夫々繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル及び0.00125〜0.025モルであるこ
と。
性溶媒の液相中で限定的に酸化・重合することによる、
炭素化収率の向上した、各種炭素材料のマトリックスと
して有用なピッチの製造方法を提供する。 【構成】 メソフェーズピッチを常法に従って溶融
紡糸して繊維状に成形し、該繊維状ピッチを酸触媒と架
橋剤の存在下で溶媒中で、生成するピッチが熱流動性を
保持できる範囲内で酸化・重合させる、炭素化収率の向
上したピッチの製造方法であり、 繊維状ピッチの径を20μm以下に成形すること。 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を使用し、かつ
酸化・重合を90〜150℃で0.5〜5時間の条件下
で、ピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の混合比が、
夫々繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル及び0.00125〜0.025モルであるこ
と。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炭素化収率のピッチ
の改良された製造方法に関する。より詳細には、本発明
は、メソフェーズピッチを予め繊維状にして、酸性溶媒
の液相中で限定的に酸化・重合することによる、炭素化
収率の向上した、各種炭素材料のマトリックスとして有
用なピッチの製造方法に関する。
の改良された製造方法に関する。より詳細には、本発明
は、メソフェーズピッチを予め繊維状にして、酸性溶媒
の液相中で限定的に酸化・重合することによる、炭素化
収率の向上した、各種炭素材料のマトリックスとして有
用なピッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族化合物を主体とするピッチ
を溶融状態でエアーブローなどにより空気酸化して、炭
素化収率を高くする試みがなされているが、この方法に
よると、ピッチと酸素が十分に接触しないため酸化反応
の進行が遅く、また不均質なピッチを生成し、良好な炭
素材を得難い問題がある。
を溶融状態でエアーブローなどにより空気酸化して、炭
素化収率を高くする試みがなされているが、この方法に
よると、ピッチと酸素が十分に接触しないため酸化反応
の進行が遅く、また不均質なピッチを生成し、良好な炭
素材を得難い問題がある。
【0003】また、ピッチを粉砕もしくは繊維状に成形
した後空気酸化する方法では、十分に酸化して炭化収率
を高めるとピッチが溶融流動しなくなり、一方ピッチが
溶融流動する範囲内で酸化を抑えると炭素化収率は十分
に高くならない。
した後空気酸化する方法では、十分に酸化して炭化収率
を高めるとピッチが溶融流動しなくなり、一方ピッチが
溶融流動する範囲内で酸化を抑えると炭素化収率は十分
に高くならない。
【0004】芳香族化合物などを原料として、ホルムア
ルデヒドなどの架橋剤と酸触媒の存在下で酸化・重合さ
せて、塗料、接着剤、粘着剤、注型材、シール材などに
適する石油樹脂やフェノール樹脂などを得る技術も知ら
れており、このような石油樹脂やフェノール樹脂を炭素
材料の製造原料として用いることも考えられるが、メソ
フェーズピッチ原料と比べて高い炭素化収率を得ること
は本質的に困難である。
ルデヒドなどの架橋剤と酸触媒の存在下で酸化・重合さ
せて、塗料、接着剤、粘着剤、注型材、シール材などに
適する石油樹脂やフェノール樹脂などを得る技術も知ら
れており、このような石油樹脂やフェノール樹脂を炭素
材料の製造原料として用いることも考えられるが、メソ
フェーズピッチ原料と比べて高い炭素化収率を得ること
は本質的に困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来法
の溶融ピッチの気相酸化によるピッチの製造法では、酸
化反応が遅いため、均質なピッチを得ることができず、
また反応を早めるために反応温度を高くすると、熱重合
反応が起こりピッチの流動性が失われるため炭素化収率
を高めることに限界があった。
の溶融ピッチの気相酸化によるピッチの製造法では、酸
化反応が遅いため、均質なピッチを得ることができず、
また反応を早めるために反応温度を高くすると、熱重合
反応が起こりピッチの流動性が失われるため炭素化収率
を高めることに限界があった。
【0006】また、メソフェーズピッチを粉末状もしく
は繊維状にした状態で気相酸化する方法も考えられる
が、反応が粉末又は繊維内部にまで進行し、ピッチが熱
しても流動しなくなるので、流動性を保持したまま炭素
化収率を高めることはかなり困難であると推定される。
は繊維状にした状態で気相酸化する方法も考えられる
が、反応が粉末又は繊維内部にまで進行し、ピッチが熱
しても流動しなくなるので、流動性を保持したまま炭素
化収率を高めることはかなり困難であると推定される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を種々検討した結果、ピッチを予め繊維状にして、限
定的に液相酸化することにより、ピッチの加熱流動性を
保持したまま炭素化でき、その結果、予期せずして炭素
化収率の向上したピッチを製造できると共に、低収縮率
を有する炭素材が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
点を種々検討した結果、ピッチを予め繊維状にして、限
定的に液相酸化することにより、ピッチの加熱流動性を
保持したまま炭素化でき、その結果、予期せずして炭素
化収率の向上したピッチを製造できると共に、低収縮率
を有する炭素材が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は: メソフェーズピッチを常法に従って溶融紡糸して繊
維状に成形し、該繊維状ピッチを酸触媒と架橋剤の存在
下で溶媒中で、生成するピッチが熱流動性を保持できる
範囲内で酸化・重合させることを特徴とする、炭素化収
率の向上したピッチの製造方法を提供する。さらに、
維状に成形し、該繊維状ピッチを酸触媒と架橋剤の存在
下で溶媒中で、生成するピッチが熱流動性を保持できる
範囲内で酸化・重合させることを特徴とする、炭素化収
率の向上したピッチの製造方法を提供する。さらに、
【0009】 繊維状ピッチの径を20μm以下に成
形する点にも特徴を有し、また、 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を使用し、かつ
酸化・重合を90〜150℃で0.5〜5時間の条件下
で、ピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の混合比が、
夫々繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル及び0.00125〜0.025モルである点に
も特徴を有する。
形する点にも特徴を有し、また、 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を使用し、かつ
酸化・重合を90〜150℃で0.5〜5時間の条件下
で、ピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の混合比が、
夫々繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル及び0.00125〜0.025モルである点に
も特徴を有する。
【0010】以下、本発明を詳細に述べる。本発明にお
いて、炭素化収率の向上したピッチを製造するには、
(イ)メソフェーズピッチを原料とし、(ロ)該ピッチ
を比表面積の大きい繊維状にし、(ハ)該繊維状ピッチ
を溶媒中で生成するピッチが加熱流動性を保持できる範
囲内で、酸触媒と架橋剤の存在下で酸化・重合すること
が必要である。
いて、炭素化収率の向上したピッチを製造するには、
(イ)メソフェーズピッチを原料とし、(ロ)該ピッチ
を比表面積の大きい繊維状にし、(ハ)該繊維状ピッチ
を溶媒中で生成するピッチが加熱流動性を保持できる範
囲内で、酸触媒と架橋剤の存在下で酸化・重合すること
が必要である。
【0011】このような方法の採用により、繊維状ピッ
チ内部の配向を保持したまま繊維状ピッチの表面を架橋
・重合することができ、その後の炭化工程での炭素化収
率を著しく向上させることができ、低収縮率の炭素材が
得られる。
チ内部の配向を保持したまま繊維状ピッチの表面を架橋
・重合することができ、その後の炭化工程での炭素化収
率を著しく向上させることができ、低収縮率の炭素材が
得られる。
【0012】本発明において、炭素化収率が向上すると
いうことは、本発明の方法で製造されたピッチの炭素化
収率が、原料のメソフェーズピッチを直接炭化した場合
の炭素化収率に比べて、原料を空気酸化して不融化した
後に炭化する場合と同等に約10%或いはそれ以上高く
なることを意味する。
いうことは、本発明の方法で製造されたピッチの炭素化
収率が、原料のメソフェーズピッチを直接炭化した場合
の炭素化収率に比べて、原料を空気酸化して不融化した
後に炭化する場合と同等に約10%或いはそれ以上高く
なることを意味する。
【0013】本発明の方法の原料として用いるメソフェ
ーズピッチは、石油ピッチ、石炭ピッチから常法に従っ
て濾過、精製、蒸留、水添、接触分解などの処理工程を
経て製造されるものであり、光学的異方性成分を50%
以上含有するメソフェーズピッチが得られるように上記
処理工程のいずれかが適宜選択される。
ーズピッチは、石油ピッチ、石炭ピッチから常法に従っ
て濾過、精製、蒸留、水添、接触分解などの処理工程を
経て製造されるものであり、光学的異方性成分を50%
以上含有するメソフェーズピッチが得られるように上記
処理工程のいずれかが適宜選択される。
【0014】繊維状ピッチの製造は、メソフェーズピッ
チを繊維状に成形できるなら公知の紡糸・成形法を採用
できる。
チを繊維状に成形できるなら公知の紡糸・成形法を採用
できる。
【0015】液相酸化・重合される繊維状ピッチとして
は、繊維表面の酸化・重合が十分に行われるために、な
るべく細径で比表面積が大きいものが重合促進の面から
望ましく、繊維状ピッチの径が20μm以下、好ましく
は16μm以下である。
は、繊維表面の酸化・重合が十分に行われるために、な
るべく細径で比表面積が大きいものが重合促進の面から
望ましく、繊維状ピッチの径が20μm以下、好ましく
は16μm以下である。
【0016】メソフェーズピッチは、繊維状にせず、2
0μm以下の粒径に粉砕しても、比表面積が高くなり、
酸化・重合反応は十分進行するが、メソフェーズピッチ
を20μm以下に粉砕することが困難であり、また反応
後のピッチの回収にも労力を要するため好ましくない。
0μm以下の粒径に粉砕しても、比表面積が高くなり、
酸化・重合反応は十分進行するが、メソフェーズピッチ
を20μm以下に粉砕することが困難であり、また反応
後のピッチの回収にも労力を要するため好ましくない。
【0017】繊維状ピッチの液相酸化・重合は、酸触媒
と架橋剤の存在下で溶媒中で生成するピッチが加熱流動
性を保持できる範囲内で酸化・重合させることが必要で
ある。ピッチが過度に酸化・重合すると、生成するピッ
チの炭素化収率は高くなるが、加熱しても溶融流動しな
くなるので、各種炭素材料用のマトリックスとしては適
さなくなる。
と架橋剤の存在下で溶媒中で生成するピッチが加熱流動
性を保持できる範囲内で酸化・重合させることが必要で
ある。ピッチが過度に酸化・重合すると、生成するピッ
チの炭素化収率は高くなるが、加熱しても溶融流動しな
くなるので、各種炭素材料用のマトリックスとしては適
さなくなる。
【0018】本発明における酸化・重合反応の機構は、
基本的にフェノール樹脂の合成の場合と同様であると考
えられる。
基本的にフェノール樹脂の合成の場合と同様であると考
えられる。
【0019】本発明に使用する架橋剤としては、反応系
内で単量体のホルムアルデヒドを生成するものであれ
ば、如何なる形態のものでも良く、市販の各種濃度のホ
ルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンのよう
な重合物等を使用できるが、触媒濃度を低下させず、低
価格で入手できるパラホルムアルデヒドの使用が好まし
い。また、ガス状のホルムアルデヒドも反応系に吹き込
み仕込むこともできる。
内で単量体のホルムアルデヒドを生成するものであれ
ば、如何なる形態のものでも良く、市販の各種濃度のホ
ルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンのよう
な重合物等を使用できるが、触媒濃度を低下させず、低
価格で入手できるパラホルムアルデヒドの使用が好まし
い。また、ガス状のホルムアルデヒドも反応系に吹き込
み仕込むこともできる。
【0020】本発明に使用する酸触媒としては、溶媒に
可溶な酸触媒であれば特に制限されないが、例えば硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸などの無機強酸;パラトルエン
スルホン酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどを
挙げることができ、パラトルエンスルホン酸の使用が触
媒活性、取り扱い性等の点で好ましい。
可溶な酸触媒であれば特に制限されないが、例えば硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸などの無機強酸;パラトルエン
スルホン酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどを
挙げることができ、パラトルエンスルホン酸の使用が触
媒活性、取り扱い性等の点で好ましい。
【0021】また、溶媒としては、使用する酸触媒との
関係で酸性溶媒が望ましく、特に酢酸、プロピオン酸、
ラク酸等の有機カルボン酸を挙げることができ、酢酸の
使用が取り扱いの便宜さなどの点で好ましい。
関係で酸性溶媒が望ましく、特に酢酸、プロピオン酸、
ラク酸等の有機カルボン酸を挙げることができ、酢酸の
使用が取り扱いの便宜さなどの点で好ましい。
【0022】本発明の方法において、繊維状ピッチに対
する各種成分の添加割合は、反応及び反応条件が適切に
維持されるなら特に制限されないが、一般に、架橋剤の
量は繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル、酸触媒の量は繊維状ピッチ1g当たり0.00
125〜0.025モル、溶媒の量は繊維状ピッチ1g
当たり50〜100gである。
する各種成分の添加割合は、反応及び反応条件が適切に
維持されるなら特に制限されないが、一般に、架橋剤の
量は繊維状ピッチ1g当たり0.00125〜0.02
5モル、酸触媒の量は繊維状ピッチ1g当たり0.00
125〜0.025モル、溶媒の量は繊維状ピッチ1g
当たり50〜100gである。
【0023】架橋剤の量が0.00125モル未満では
酸素原子の含有率が低下し、充分に酸化重合が行われず
炭素化収率の向上は望めない。また、架橋剤の量が0.
025モルを越えると酸素の含有率が極端に高くなり、
重合反応が過度に進行するため、ピッチが溶融しなくな
る。
酸素原子の含有率が低下し、充分に酸化重合が行われず
炭素化収率の向上は望めない。また、架橋剤の量が0.
025モルを越えると酸素の含有率が極端に高くなり、
重合反応が過度に進行するため、ピッチが溶融しなくな
る。
【0024】本発明の酸化・重合反応の条件は、生成す
るピッチが加熱流動性を保持する範囲を保つなら特に制
限されないが、一般に90〜150℃で、好ましくは1
00〜130℃で0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間行われる。この反応温度が90℃未満では十分に酸化
・重合を行うことが出来ないし、また、150℃を越え
ると酸化・重合体反応速度が大きくなり、生成するピッ
チが加熱溶融しなくなり易い。
るピッチが加熱流動性を保持する範囲を保つなら特に制
限されないが、一般に90〜150℃で、好ましくは1
00〜130℃で0.5〜5時間、好ましくは1〜3時
間行われる。この反応温度が90℃未満では十分に酸化
・重合を行うことが出来ないし、また、150℃を越え
ると酸化・重合体反応速度が大きくなり、生成するピッ
チが加熱溶融しなくなり易い。
【0025】また、反応時間は反応温度によって0.5
〜5時間の範囲で選択されるが、0.5時間未満では反
応が十分に行われず、また5時間を越えての反応時間は
実用上意味ない。
〜5時間の範囲で選択されるが、0.5時間未満では反
応が十分に行われず、また5時間を越えての反応時間は
実用上意味ない。
【0026】本発明の酸化・重合に用いる装置は、特に
形状を問わず、通常のバッチ式、流通式などを用いるこ
とができる。本発明の方法で得られた、炭素化収率の向
上したピッチは、必要に応じて触媒除去(そのまままた
は希釈溶媒を加えて通常の油水分離操作など)、洗浄
(水洗やアルカリ中和処理など)などの後処理を行って
もよい。
形状を問わず、通常のバッチ式、流通式などを用いるこ
とができる。本発明の方法で得られた、炭素化収率の向
上したピッチは、必要に応じて触媒除去(そのまままた
は希釈溶媒を加えて通常の油水分離操作など)、洗浄
(水洗やアルカリ中和処理など)などの後処理を行って
もよい。
【0027】炭化工程はその用途に応じて、反応条件を
種々選択できるが、一般に窒素、アルゴンなどの不活性
ガス下で、5〜100℃/分の昇温温度で400〜2,
000℃、好ましくは600〜1,200℃まで熱処理
する。
種々選択できるが、一般に窒素、アルゴンなどの不活性
ガス下で、5〜100℃/分の昇温温度で400〜2,
000℃、好ましくは600〜1,200℃まで熱処理
する。
【0028】
【作用】従来法の溶融ピッチの気相酸化によるピッチの
製造法では、酸化反応が遅いため、これにより得られた
酸化・重合ピッチでは均質性に限界があった。また、メ
ソフェーズピッチを繊維状にした状態で気相酸化する方
法も考えられるが、反応が繊維内部にまで進行し、生成
するピッチの流動性が無くなるため、炭素化収率を高め
ることはできても、ピッチを炭素材料のマトリックス等
として使用することは困難であった。
製造法では、酸化反応が遅いため、これにより得られた
酸化・重合ピッチでは均質性に限界があった。また、メ
ソフェーズピッチを繊維状にした状態で気相酸化する方
法も考えられるが、反応が繊維内部にまで進行し、生成
するピッチの流動性が無くなるため、炭素化収率を高め
ることはできても、ピッチを炭素材料のマトリックス等
として使用することは困難であった。
【0029】また、この反応を抑制すると、その後の炭
化時に繊維形成時の配向が消失する恐れがある。これに
対して、本発明の方法では、メソフェーズピッチを予め
繊維状にして、液相中で酸化・重合したところ、表層部
だけが選択的に反応し、その結果、予期せずして加熱流
動性を保持しかつ炭素化収率の高い低収縮率のピッチを
製造できた。
化時に繊維形成時の配向が消失する恐れがある。これに
対して、本発明の方法では、メソフェーズピッチを予め
繊維状にして、液相中で酸化・重合したところ、表層部
だけが選択的に反応し、その結果、予期せずして加熱流
動性を保持しかつ炭素化収率の高い低収縮率のピッチを
製造できた。
【0030】この理由は明らかでないが、次のことが考
えられる。 メソフェーズピッチを予め繊維状に成形してその比
表面積を増大させたので、酸化・重合反応を促進させる
ことができる。通常固体の比表面積を増大させるために
行う粉砕処理も考えられるが、その径を極細繊維状の2
0μm以下にすることは非常に困難である。
えられる。 メソフェーズピッチを予め繊維状に成形してその比
表面積を増大させたので、酸化・重合反応を促進させる
ことができる。通常固体の比表面積を増大させるために
行う粉砕処理も考えられるが、その径を極細繊維状の2
0μm以下にすることは非常に困難である。
【0031】 酸化・重合が、液相で特に酸性溶媒中
でかつ繊維状ピッチを用いて行われるので、反応を繊維
の内層にまで進行させずに表層を重点的に酸化・重合す
るように調整できる。 従って、繊維状ピッチの内層はメソフェーズの特性
が保持されており、結果的に炭素化収率が向上する。
でかつ繊維状ピッチを用いて行われるので、反応を繊維
の内層にまで進行させずに表層を重点的に酸化・重合す
るように調整できる。 従って、繊維状ピッチの内層はメソフェーズの特性
が保持されており、結果的に炭素化収率が向上する。
【0032】酸化・重合した繊維状ピッチを加熱流動化
して炭素材料のマトリックス等として使用するとき、2
0μm以下のサイズで表層が重合しているため、大きな
流れ構造が生成せず、小さなドメインサイズを持つモザ
イク化された構造となるので、焼成時の収縮は等方的で
結晶サイズが小さく、高炭素化収率と併せた効果で低収
縮性となる。
して炭素材料のマトリックス等として使用するとき、2
0μm以下のサイズで表層が重合しているため、大きな
流れ構造が生成せず、小さなドメインサイズを持つモザ
イク化された構造となるので、焼成時の収縮は等方的で
結晶サイズが小さく、高炭素化収率と併せた効果で低収
縮性となる。
【0033】
【実施例】本発明は以下の実施例及び比較例により具体
的に説明されるが、これらは本発明の範囲を制限しな
い。
的に説明されるが、これらは本発明の範囲を制限しな
い。
【0034】(実施例1)フローテスターで測定した軟
化点234℃のメソフェーズピッチ(メソフェーズ含有
率85%)を原料にして、溶融紡糸法により紡糸口金温
度310℃で、巻取速度170m/分で紡糸して、平均
繊維径15μmの繊維状ピッチを得た。
化点234℃のメソフェーズピッチ(メソフェーズ含有
率85%)を原料にして、溶融紡糸法により紡糸口金温
度310℃で、巻取速度170m/分で紡糸して、平均
繊維径15μmの繊維状ピッチを得た。
【0035】該繊維状ピッチ3gを500mlの三口セ
パラブルフラスコに入れ、酢酸溶媒150g(2.34
モル)、パラトルエンスルホン酸(PTSと略称する)
触媒0.0375モル、ホルマリン架橋剤0.025モ
ル(ホルムアルデヒド換算)を添加した後、110℃で
1時間重合反応し、軟化点305℃の重合繊維状ピッチ
を得た。この時の反応収率は106%であった。
パラブルフラスコに入れ、酢酸溶媒150g(2.34
モル)、パラトルエンスルホン酸(PTSと略称する)
触媒0.0375モル、ホルマリン架橋剤0.025モ
ル(ホルムアルデヒド換算)を添加した後、110℃で
1時間重合反応し、軟化点305℃の重合繊維状ピッチ
を得た。この時の反応収率は106%であった。
【0036】該重合繊維状ピッチを窒素気流中で10℃
/分で800℃まで昇温した時の炭化収率は84.3重
量%であった。
/分で800℃まで昇温した時の炭化収率は84.3重
量%であった。
【0037】(実施例2)実施例1の繊維状ピッチを用
いて、実施例1の重合条件で3時間反応を実施し、軟化
点348℃の重合繊維状ピッチを得た。この時の反応収
率は109.6重量%であった。該重合繊維状ピッチを
窒素気流中で10℃/分で800℃まで昇温した時の炭
化収率は86.8重量%であった。
いて、実施例1の重合条件で3時間反応を実施し、軟化
点348℃の重合繊維状ピッチを得た。この時の反応収
率は109.6重量%であった。該重合繊維状ピッチを
窒素気流中で10℃/分で800℃まで昇温した時の炭
化収率は86.8重量%であった。
【0038】(比較例1)実施例1で得た繊維状ピッチ
を重合せずに、そのまま窒素気流中で10℃/分で80
0℃まで昇温した時の炭化収率は72.6重量%であっ
た。
を重合せずに、そのまま窒素気流中で10℃/分で80
0℃まで昇温した時の炭化収率は72.6重量%であっ
た。
【0039】(比較例2)実施例1で得た繊維状ピッチ
を空気中200℃で30分保持し、酸化繊維状ピッチを
得た。この時の収率は101.4重量%であった。該酸
化繊維状ピッチを窒素気流中で10℃/分で800℃ま
で昇温した時の炭化収率は83.8重量%であったが、
殆ど流動性を示さなかった。それらの結果を下記表1に
まとめた。
を空気中200℃で30分保持し、酸化繊維状ピッチを
得た。この時の収率は101.4重量%であった。該酸
化繊維状ピッチを窒素気流中で10℃/分で800℃ま
で昇温した時の炭化収率は83.8重量%であったが、
殆ど流動性を示さなかった。それらの結果を下記表1に
まとめた。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の方法により、ピッチを予め繊維
状ピッチにして、液相中で酸化・重合することにより、
加熱流動性を保持しかつ炭素化収率の向上したピッチが
製造でき、その結果、炭素化収率が高く低収縮率で各種
炭素材のマトリックス等として有用な基材が得られる効
果がある。
状ピッチにして、液相中で酸化・重合することにより、
加熱流動性を保持しかつ炭素化収率の向上したピッチが
製造でき、その結果、炭素化収率が高く低収縮率で各種
炭素材のマトリックス等として有用な基材が得られる効
果がある。
Claims (3)
- 【請求項1】 メソフェーズピッチを常法に従って溶融
紡糸して繊維状に成形し、該繊維状ピッチを酸触媒と架
橋剤の存在下で溶媒中で、生成するピッチが熱流動性を
保持できる範囲内で酸化・重合させることを特徴とす
る、炭素化収率の向上したピッチの製造方法。 - 【請求項2】 繊維状ピッチの径を20μm以下に成形
することを特徴とする、請求項1記載の炭素化収率の向
上したピッチの製造方法。 - 【請求項3】 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を使
用し、かつ酸化・重合を90〜150℃で0.5〜5時
間の条件下で、ピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の
混合比が、夫々繊維状ピッチ1g当たり0.00125
〜0.025モル及び0.00125〜0.025モル
であることを特徴とする、請求項1記載の炭素化収率の
向上したピッチの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04201766A JP3082163B2 (ja) | 1991-07-25 | 1992-07-07 | 高炭素化収率のピッチの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20729091 | 1991-07-25 | ||
| JP3-207290 | 1991-07-25 | ||
| JP04201766A JP3082163B2 (ja) | 1991-07-25 | 1992-07-07 | 高炭素化収率のピッチの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05230720A true JPH05230720A (ja) | 1993-09-07 |
| JP3082163B2 JP3082163B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=26512974
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04201766A Expired - Fee Related JP3082163B2 (ja) | 1991-07-25 | 1992-07-07 | 高炭素化収率のピッチの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3082163B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101205411B (zh) | 2006-12-22 | 2010-05-19 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种改性沥青组合物及其制备方法 |
| KR101094785B1 (ko) * | 2010-02-19 | 2011-12-20 | 국방과학연구소 | 탄소-탄소 복합재 함침용 피치의 제조방법 |
| CN107531956A (zh) * | 2015-04-27 | 2018-01-02 | 陶氏环球技术有限责任公司 | 由聚烯烃前体制备的含硼制成制品 |
| JP2024512736A (ja) * | 2021-03-29 | 2024-03-19 | エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド | 芳香族原料由来のメソフェーズピッチ組成物、その製造方法及びその使用 |
-
1992
- 1992-07-07 JP JP04201766A patent/JP3082163B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101205411B (zh) | 2006-12-22 | 2010-05-19 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种改性沥青组合物及其制备方法 |
| KR101094785B1 (ko) * | 2010-02-19 | 2011-12-20 | 국방과학연구소 | 탄소-탄소 복합재 함침용 피치의 제조방법 |
| CN107531956A (zh) * | 2015-04-27 | 2018-01-02 | 陶氏环球技术有限责任公司 | 由聚烯烃前体制备的含硼制成制品 |
| JP2024512736A (ja) * | 2021-03-29 | 2024-03-19 | エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド | 芳香族原料由来のメソフェーズピッチ組成物、その製造方法及びその使用 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3082163B2 (ja) | 2000-08-28 |
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