JPH05214613A - メソフェーズピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

メソフェーズピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH05214613A
JPH05214613A JP20176892A JP20176892A JPH05214613A JP H05214613 A JPH05214613 A JP H05214613A JP 20176892 A JP20176892 A JP 20176892A JP 20176892 A JP20176892 A JP 20176892A JP H05214613 A JPH05214613 A JP H05214613A
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JP
Japan
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fiber
pitch
mesophase pitch
solvent
carbon fiber
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JP20176892A
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Hisafumi Kawamura
寿文 河村
Takashi Maeda
嵩志 前田
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PETOCA KK
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PETOCA KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 メソフェーズピッチ繊維を低温で液相酸化・
重合することにより、不融化繊維を得るものであり、ピ
ッチ繊維自体の保有する分子配向が保持されていて、物
性の向上したメソフェーズピッチ系炭素繊維を提供す
る。 【構成】 メソフェーズピッチを常法に従って溶融
紡糸してピッチ繊維とした後、該ピッチ繊維を酸触媒と
架橋剤の存在下で溶媒中で液相酸化・重合することによ
り不融化する、メソフェーズピッチ系炭素繊維の製造方
法であり、 溶媒としてカルボン酸などの酸性溶媒を使用するこ
と、 酸化・重合条件が90〜150℃で0.1〜10時
間であり、かつピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の
混合比が、夫々ピッチ繊維1g当たり0.0001〜
0.05モル及び0.0001〜0.05モルであるこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メソフェーズピッチ系
炭素繊維の改良された製造方法に関する。より詳細に
は、本発明の方法は、メソフェーズピッチ繊維を低温で
液相酸化・重合することにより、不融化繊維を得るもの
であり、ピッチ繊維自体の保有する分子配向が保持され
ていて、物性の向上したメソフェーズピッチ系炭素繊維
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メソフェーズピッチを紡糸してメ
ソフェーズピッチ繊維を製造し、それを空気中で200
〜400℃程度の高温で酸化・重合することにより、得
られる不融化繊維は、繊維内部にまで酸素が侵入し、酸
化によってピッチ分子の配向性が低下しているために、
後段の炭化過程における結晶成長が阻害され、かつ導入
された酸素原子の脱離に伴って構造欠陥が生じることか
ら、高物性の炭素繊維を得ることが難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来法
の気相酸化による不融化繊維の製造法では、ピッチ分子
の配向性が低下するために、後段の炭化過程における結
晶成長が阻害されるなどの理由により充分に結晶構造を
成長させることが難しく、高物性のメソフェーズピッチ
系炭素繊維を得ることが難しいものであった。
【0004】本発明者らは、上記問題点を種々検討した
結果、メソフェーズピッチから得られたメソフェーズピ
ッチ繊維を、比較的低温下で液相酸化・重合して不融化
することにより、不融化による分子配向の乱れが抑制さ
れて、メソフェーズピッチ繊維形成時の配向を保持した
まま、不融化繊維を形成することができ、その結果、予
期せずして物性、特に引張強度の向上したメソフェーズ
ピッチ系炭素繊維が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は: メソフェーズピッチを常法に従って溶融紡糸してピ
ッチ繊維とした後、該ピッチ繊維を酸触媒と架橋剤の存
在下で溶媒中で液相酸化・重合することにより不融化す
ることを特徴とする、メソフェーズピッチ系炭素繊維の
製造方法であり、また
【0006】 溶媒としてカルボン酸等の酸性溶媒を
使用する点にも特徴を有し、さらに 酸化・重合条件が90〜150℃で0.1〜10時
間であり、かつピッチ繊維に対する架橋剤及び酸触媒の
混合比が、夫々ピッチ繊維1g当たり0.0001〜
0.05モル及び0.0001〜0.05モルである点
にも特徴を有する。
【0007】以下、本発明を詳細に述べる。本発明にお
いて、高物性のメソフェーズピッチ系炭素繊維を製造す
るには、(イ)メソフェーズピッチを常法に従って紡糸
してピッチ繊維を製造し、(ロ)該ピッチ繊維を酸触媒
と架橋剤の存在下で比較的低温で溶媒中で酸化・重合す
ることが必要である。
【0008】このような方法の採用により、不融化によ
る分子配向の乱れが抑制されて、ピッチ繊維形成時の配
向を保持したまま、ピッチ繊維の表層を酸化・重合して
不融化繊維を形成することができ、高物性のメソフェー
ズピッチ系炭素繊維を製造できるのである。
【0009】本発明の方法に用いる、メソフェーズピッ
チは、石油ピッチ、石炭ピッチから常法に従って濾過、
精製、蒸留、水添、接触分解などの処理工程を適宜選択
して製造される。なお、繊維物性の点では、メソフェー
ズ含有率が約70%以上のメソフェーズピッチを用いる
ことが好ましい。
【0010】メソフェーズピッチ繊維の製造は、メソフ
ェーズピッチを繊維状に紡糸できるなら公知の紡糸方法
を採用できる。
【0011】メソフェーズピッチ繊維の液相酸化・重合
による不融化処理は、酸触媒と架橋剤の存在下で溶媒中
で比較的低温の調整された条件下で液相酸化・重合させ
ることが肝要である。
【0012】本発明におけるピッチ繊維の不融化のため
の酸化・重合反応の機構は、基本的にフェノール樹脂の
合成の場合と同様であると考えられる。
【0013】本発明に使用する架橋剤としては、反応系
内で単量体のホルムアルデヒドを生成するものであれば
如何なる形態のものでも良く、市販の各種濃度のホルマ
リン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンのようなア
ルデヒド類やヒドロキシメチル基を有する化合物を使用
できるが、触媒濃度を低下させず、低価格で入手できる
パラホルムアルデヒドの使用が好ましい。また、ガス状
のホルムアルデヒドを反応系に吹き込み仕込むこともで
きる。
【0014】本発明に使用する酸触媒としては、溶媒に
可溶な酸触媒であれば特に制限されないが、例えば硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸などの無機強酸;パラトルエン
スルホン酸などの有機強酸;三フッ化ホウ素、塩化アル
ミニウムなどのルイス酸などを挙げることができるが、
パラトルエンスルホン酸などの有機強酸の使用が触媒活
性、取り扱い性等の点で好ましい。
【0015】また、溶媒としては、使用する酸触媒との
関係で酸性溶媒が望ましく、特に酢酸、プロピオン酸、
ラク酸等の有機カルボン酸を挙げることができ、酢酸の
使用が取り扱いの便宜さなどの点で好ましい。
【0016】本発明の方法において、メソフェーズピッ
チに対する各種成分の添加割合は、反応及び反応条件が
適切に維持されるなら特に制限されないが、一般に、架
橋剤の量はピッチ繊維1g当たり0.0001〜0.0
5モル、酸触媒の量はピッチ繊維1g当たり0.000
1〜0.05モルであることが好ましく、溶媒の量は特
に制限はない。なお、架橋剤としてホルマリンを使用す
る場合のモル数はホルムアルデヒド換算のモル数であ
る。
【0017】架橋剤の量が0.0001モル未満では酸
素原子の含有率が低下し、充分に酸化重合が行われず意
図する不融化繊維が得られない。また、架橋剤の量が
0.05モルを越えると酸素の含有率が極端に高くなる
と共に、過度の酸化によってピッチ分子の配向性が低下
するようになり、高物性の炭素繊維が得られにくい。
【0018】本発明の不融化のための酸化・重合反応の
条件は、メソフェーズピッチ繊維の表層が重点的に反応
することができるなら特に制限されないが、一般に90
〜150℃で、好ましくは110〜130℃で、0.1
〜10時間、好ましくは1〜2時間である。
【0019】この反応温度が、90℃未満では充分に酸
化・重合を行うことができないし、また150℃を越え
ると繊維内部にまで酸化が進行するようになり、繊維内
部までも配向が乱され、充分に高い物性の炭素繊維が得
られない。
【0020】また、反応時間は反応温度によって0.1
〜10時間の範囲で選択されるが、0.1時間未満では
反応が充分に行われず、また10時間を越えての反応時
間は実用上意味がない。
【0021】本発明の酸化・重合に用いる装置は、特に
形状を問わないが、メソフェーズピッチ繊維の紡糸に続
いて連続に又は別個に行うことが出来て、通常のバッチ
式、流通式などを用いることができる。
【0022】本発明の方法で得られた不融化繊維を、そ
の後常法に従って、炭化して高物性の炭素繊維又は黒鉛
繊維を製造する。
【0023】炭化工程は炭素繊維の用途に応じて、反応
条件を種々選択できるが、一般に窒素、アルゴンなどの
不活性ガス下で、5〜100℃/分の昇温速度で400
〜3000℃、好ましくは900〜2500℃まで熱処
理する。
【0024】
【作用】従来法の気相酸化によるピッチ繊維の不融化処
理では、繊維内部にまで酸素が侵入し、酸化によってピ
ッチ分子の配向性が低下するために、後段の炭化過程に
おける結晶成長が阻害されるなどの理由により充分に結
晶構造を成長させることが難しく、また、導入された酸
素原子の脱離に伴って構造欠陥が生じて、高物性の炭素
繊維を得ることが難しいものであった。
【0025】この場合、不融化反応温度は200〜40
0℃と高いので、この反応温度を下げて反応を抑制しよ
うとすると、反応が不均質になったり不十分になったり
する恐れがある。
【0026】これに対して、本発明の方法では、90〜
150℃と言う低温の反応条件下で液相で、特に酸性溶
媒中で不融化するので、その反応が迅速であり、かつ繊
維の内層にまで進行せずに表層が重点的に酸化・重合さ
れる。従って、不融化による分子配向の乱れが抑制され
て、ピッチ繊維形成時の配向を保持したまま、不融化繊
維を形成することができる。その結果、高物性、特に引
張強度の向上したメソフェーズピッチ系炭素繊維が得ら
れる。
【0027】
【実施例】本発明は以下の実施例及び比較例により具体
的に説明されるが、これらは本発明の範囲を制限しな
い。
【0028】
【実施例1】フローテスターで測定した軟化点が245
℃のメソフェーズピッチ(メソフェーズ含有率90%)
を原料にして、溶融紡糸法により紡糸口金温度320℃
で、巻取速度170m/分で紡糸して、繊維径13μm
のメソフェーズピッチ繊維を得た。次に、プロピオン酸
溶媒にパラトルエンスルホン酸触媒0.075モル、ホ
ルマリン架橋剤0.075モル(ホルムアルデヒド換
算)を添加して反応溶液を調製した。
【0029】該反応溶液に該メソフェースピッチ繊維3
gを浸漬し、120℃で7時間反応させた後に繊維を取
り出し、130℃で真空乾燥して不融化糸を得た。この
時の不融化収率は96重量%であった。
【0030】該不融化糸を2500℃で黒鉛化し、収率
81重量%、繊維径9.5μmの黒鉛化繊維を得た。こ
の黒鉛化繊維の引張強度は343kgf/mm2 、弾性
率54tf/mm2であった。
【0031】
【実施例2】プロピオン酸溶媒にパラトルエンスルホン
酸触媒0.15モル、ホルマリン架橋剤0.15モル
(ホルムアルデヒド換算)を添加して反応溶液を調製し
た。
【0032】該反応溶液に実施例1で得られたメソフェ
ーズピッチ繊維3gを浸漬し、120℃で5時間反応さ
せた後に繊維を取り出し、130℃で真空乾燥して不融
化糸を得た。この時の不融化収率は100重量%であっ
た。
【0033】該不融化糸を2500℃で黒鉛化し、収率
81重量%、繊維径9.5μmの黒鉛化繊維を得た。こ
の黒鉛化繊維の引張強度は370kgf/mm2 、弾性
率64tf/mm2であった。
【0034】
【比較例1】実施例1で用いたメソフェースピッチ繊維
を、空気中で1.8℃/分の昇温温度で300℃まで加
熱し、収率106.7重量%の不融化糸を得た。
【0035】該不融化糸を2500℃で黒鉛化し、収率
88重量%、繊維径9.9μmの黒鉛化繊維を得た。こ
の黒鉛化繊維の引張強度は307kgf/mm2 、弾性
率56tf/mm2であった。これらの結果を下記表1
にまとめて示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法により、メソフェーズピッ
チ繊維を低温で液相酸化・重合することにより、不融化
による分子配向の乱れが抑制されて、ピッチ繊維形成時
の配向を保持したまま、不融化繊維を形成することがで
きる。従って高物性のメソフェーズピッチ系炭素繊維が
得られる効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソフェーズピッチを常法に従って溶融
    紡糸してピッチ繊維とした後、該ピッチ繊維を酸触媒と
    架橋剤の存在下で溶媒中で液相酸化・重合することによ
    り不融化することを特徴とする、メソフェーズピッチ系
    炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒としてカルボン酸などの酸性溶媒を
    使用する、請求項1記載のメソフェーズピッチ系炭素繊
    維の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化・重合条件が90〜150℃で0.
    1〜10時間であり、かつピッチ繊維に対する架橋剤及
    び酸触媒の混合比が、夫々ピッチ繊維1g当たり0.0
    001〜0.05モル及び0.0001〜0.05モル
    である、請求項1記載のメソフェーズピッチ系炭素繊維
    の製造方法。
JP20176892A 1991-07-18 1992-07-07 メソフェーズピッチ系炭素繊維の製造方法 Pending JPH05214613A (ja)

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JP3-202131 1991-07-18
JP20213191 1991-07-18
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110230124A (zh) * 2019-05-21 2019-09-13 湖南东映碳材料科技有限公司 一种中间相沥青纤维上油的方法

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