JPH05247265A - ジエン系共重合体ラテックス - Google Patents

ジエン系共重合体ラテックス

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JPH05247265A
JPH05247265A JP4082885A JP8288592A JPH05247265A JP H05247265 A JPH05247265 A JP H05247265A JP 4082885 A JP4082885 A JP 4082885A JP 8288592 A JP8288592 A JP 8288592A JP H05247265 A JPH05247265 A JP H05247265A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バインダーとして高性能な共役ジエン系共重
合体ラテックスを提供する。 【構成】 脂肪族共役ジエン単量体(イ)、エチレン性
不飽和カルボン酸単量体(ロ)およびその他の共重合可
能な単量体(ハ)を乳化重合して得られる共重合体であ
って、かつ特定構造をもつアミノ化合物でpH調整され
たジエン系共重合体ラテックス。 【効果】 塗工操業性に関わる機械的安定性、耐ベタツ
キ性および塗工液流動性に優れ、かつ顔料バインダーと
して使用した際に塗工紙のピック強度、インキ転移性、
耐ブリスター性および網点再現性のバランスが向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙加工および繊維加工
用バインダーならびに接着剤に好適な脂肪族共役ジエン
系共重合体ラテックスに関するものである。更に詳しく
言えば、本発明は、特に紙加工分野において、塗工紙用
の顔料バインダーとしての性能に優れるジエン系共重合
体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、紙塗
工用バインダーをはじめカーペットバックサイシング用
バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイン
ダー、あるいは各種材料の粘接着剤などに広く用いられ
ている。
【0003】例えば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上お
よび光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造さ
れた原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サ
チンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それら
のバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水剤
あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性
高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであっ
て、従来からスチレンとブタジエンを主要単量体成分と
し、これらを乳化重合して得られたスチレン−ブタジエ
ン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックスが
汎用的に用いられている。
【0004】近年、多色印刷された雑誌類、パンフレッ
ト、広告類および包装材類の急速な需要拡大に伴って、
塗工紙あるいは塗工板紙の生産が著しく増大している。
とくに、オフセット印刷の高速化に伴い、塗工紙・塗工
板紙における顔料バインダーの品質に対する要求水準も
一層高度化してきている。
【0005】例えば、オフセット印刷全般においては、
塗工紙の表面強度、すなわちドライピック強度あるいは
湿し水が関与するウエットピック強度、湿し水転移後の
塗工紙の吸水性およびインキの均一かつ良好な着肉性
(インキ転移性)、転移されたインキの乾燥速さ(イン
キセット性)および印刷されたインキ面の光沢(印刷光
沢)などの基本的な特性の向上が強く望まれる。
【0006】また、オフセット輪転印刷においては、上
記の基本特性に加えて、印刷インキ加熱乾燥時の塗工紙
の火ぶくれ抵抗性(耐ブリスター性)も重要となる。ま
た、凹版印刷方式のグラビヤ印刷においては、塗工紙の
平滑性、とくに印刷時の動的平滑性が関与する網点再現
性が、塗工紙の表面強度とともに優れていることが要求
される。
【0007】一方、塗工紙の製造においても、塗工高速
化傾向が一層顕著となってきており、これに伴って、塗
工操業性の大きな障害となるバッキングロール、スーパ
ーカレンダーロール汚れ或いはストリーク、スクラッチ
等のトラブルが頻発している。このような操業上のトラ
ブルを抑制するには、例えば、ブレード塗工方式の場合
には、高速塗工時にブレード直下での高い機械的安定性
と低い粘度を与えかつ非粘着性(耐ベタツキ性)を有す
る塗膜を与える塗工液が要求される。
【0008】上記の各種印刷適性と塗工操業性に対し
て、顔料バインダーとして用いられるSB系ラテックス
はいずれも深く関わっており、しかも互いに負の相関関
係にあるものが多いため、これまでに、これらの性能を
高水準にバランス化させるために使用する単量体の種
類、組成、重合方法および添加剤などの観点から、さま
ざまな検討が行われてきた。
【0009】例えば、オフセット印刷紙用の顔料バイン
ダーとして、エチレン性不飽和カルボン酸およびエチレ
ン性不飽和アミンを含む特定の種類、組成の単量体を特
殊な条件下で乳化重合し、特定範囲のゲル化点を有する
共重合体ラテックスを顔料バインダーとして用いた紙塗
被用組成物により、塗工紙の吸水性の低下を防止して、
オフセット印刷時における2色目以降のインキ転移性の
良好な塗工紙が得られることが提案されている(特公昭
59−49360号公報)。
【0010】しかしながら、該紙塗被用組成物では、イ
ンキ転移性およびウェットピック強度の向上は見られる
が、塗工液の粘度を著しく上昇させるという欠点を有す
る上に、十分なインキ転移性の改良効果を得ようとする
と、ドライピック強度の低下を招くものであった。ま
た、印刷光沢、インキ転移性およびピック強度の良好な
塗工紙を与える共重合体ラテックスについて、特定組成
の単量体混合物を少なくとも1種の両性界面活性剤の存
在下、pH6以上の条件で乳化重合させる方法が提案さ
れている(特開昭61−268709号公報)。
【0011】しかし、該共重合体ラテックスにおいて
も、塗工液の粘度上昇すなわち流動性の低下および塗工
液の機械的安定性の低下による塗工操業性の低下という
欠点は、依然として解決されておらず、また塗工紙のウ
エットピック強度および白紙光沢を低下させる傾向を持
つものであり、到底満足できるものとは言い難い。
【0012】また、共重合体ラテックスの添加剤という
観点からは、アミノ基を少なくとも2個有する炭素数3
〜30個のアミノ化合物を特定の共重合体ラテックスに
添加することにより、塗工紙のインキ転移性を改良する
手段も提案されている(特開昭59−59996号公
報)。この場合にも、ドライピック強度の低下および塗
工液の粘度上昇による塗工操業性の低下を来すことにな
る。
【0013】さらに、該アミノ化合物に加えてプロピレ
ンオキサイドとエチレンオキサイドとのブロックポリマ
ーよりなる減粘剤を添加することにより、塗工液の流動
性を改良することも提案されている(特開昭60−19
9998号公報)。しかしながら、流動性の低下はある
程度抑制できるものの、さらなるピック強度の低下を伴
い、満足できるとは言い難い。
【0014】また、カルボキシ変性の共重合体ラテック
スでは、通常pH2〜6程度の酸性領域で乳化重合が行
われる。重合されたラテックスは、一般に水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムおよびアンモニアなどの無機塩基
性物質を用いて中和され、pH4〜11程度に調整され
て、必要とされる分散安定性を付与されるが、例えば水
酸化ナトリウムを用いた場合、ラテックス皮膜の耐水性
が低下することにより、塗工紙のウエットピック強度の
低下を招きやすい。
【0015】また、水酸化カリウムやアンモニアを用い
た場合は、水酸化ナトリウムを用いた場合に比較して、
ウエットピック強度は良好であるが、塗工液の流動性の
低下を招きやすいなど一長一短があり、ある程度妥協を
しながら用いられているのが現状である。
【0016】一方、グラビア印刷用紙においては、不飽
和線状アミン単量体または/およびその4級塩を共重合
単量体として用いた、特定のゲル含量を有する共重合体
ラテックスをバインダーとして用いることにより、網点
再現性および表面強度を改良する手段が提案されている
(特開昭61−225394号公報)。しかし、その効
果は不十分なものであり、塗工液の流動性の低下も免れ
ない。これまで述べてきたように、塗工紙の製造工程に
おける良好な塗工操業性、塗工紙の光学的性質および印
刷適性といった全ての要求性能を同時に高い水準にまで
向上させるには、前記技術はいずれも十分に満足しうる
ものではなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上に述べ
たような従来の共重合体ラテックスの欠点を克服し、耐
ベタツキ性と塗工液の流動性および機械的安定性の良好
な、すなわち優れた塗工操業性を有する塗工液を与え、
かつ塗工紙の光学的性質および印刷適性に関する他の要
求性能を犠牲にすることなく、特にオフセット印刷用紙
においてウエットピック強度およびインキ転移性に優
れ、グラビア印刷用紙において網点再現性に優れた性能
を持つ塗工紙用顔料バインダーとして好適なジエン系共
重合体ラテックスを提供することを目的としてなされた
ものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の性
能を有する共重合体ラテックスを提供することを目的と
して種々検討を重ねた結果、特定の構造をもつアミン化
合物を中和剤として用いたジエン系共重合体ラテックス
によって、意外にも前記の目的を達することができるも
のであることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完
成するに至った。
【0019】すなわち、本発明の特徴とするところは、
脂肪族共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸
単量体およびこれらと共重合可能なその他の単量体を乳
化重合して得られるジエン系共重合体ラテックスであっ
て、かつ少なくとも1種の下記(1) 式で示されるアミン
化合物を使用してpHが4〜11に調整されている点に
ある。
【化2】
【0020】〔ただし、R1 は水素原子または炭素数1
〜5の炭化水素基であり、R2 、R3 は炭素数1〜10
の炭化水素基であり、X、Y、Zはそれぞ水素又は炭素
数1〜5の炭化水素基またはアミノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基、エステル
基を表す。〕
【0021】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
ジエン系共重合体は、脂肪族共役ジエン単量体、エチレ
ン性不飽和カルボン酸単量体およびこれらと共重合可能
なその他の単量体を乳化重合させて得られる。
【0022】脂肪族共役ジエン単量体(イ)は、共重合
体に必要な可撓性を与え、接着力を高めるための必須成
分である。この使用量は全単量体の重量に基づき、20
〜80重量%であり、好ましくは25〜70重量%であ
る。使用量が20重量%未満では、共重合体に必要な可
撓性を与えることが困難となり、80重量%を越えると
共重合体が柔らかくなり過ぎるため、接着力が低下して
好ましくない。
【0023】該脂肪族共役ジエン単量体として、例えば
1,3−ブタジエン、ペンタジエン、2−メチル−1,
3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ク
ロロプレンなどが好ましい例として挙げられ、これらは
単独で、または2種以上を組合せて用いられる。
【0024】エチレン性不飽和カルボン酸単量体(ロ)
は共重合体ラテックスの分散安定性、主として機械的安
定性と接着力を高めるための必須成分である。その使用
量は全単量体の重量に基づき0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%の範囲である。この量が0.5重量
%未満では、共重合体ラテックスに必要な分散安定性を
付与することが困難となり、また接着強度も十分に得ら
れない。また、10重量%を越えると共重合体ラテック
スおよび塗工液の粘度が著しく高くなって取扱が困難と
なる上、ラテックス皮膜の耐水性の低下により塗工紙の
ウエットピック強度が低下して好ましくない。
【0025】該エチレン性不飽和カルボン酸単量体の好
ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、ケイ皮酸のごとき一塩基性カルボン酸;フマル
酸、イタコン酸、マレイン酸のような二塩基性カルボン
酸またはその酸無水物やモノアルキルエステルなどが挙
げられる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体
は、それぞれ単独で用いても、2種以上を組合せて用い
てもよい。とくに、この中でも二塩基性カルボン酸が、
共重合体ラテックスに高い安定性を与えることができ、
また本発明の効果を良好に発揮できて好ましい。
【0026】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
(イ)、(ロ)成分の他にこれらと共重合可能な他の単
量体〔(ハ)成分〕10〜79.5重量%が必要であ
る。この(ハ)成分を適宜選択することにより、該共重
合体ラテックスに様々な特性を付与することが可能であ
る。
【0027】(ハ)の例の中で最も代表的かつ有効に用
いられるのは芳香族(ジ)ビニル単量体であり、次いで
(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニル、エチレ
ン性アミド等の単量体である。
【0028】芳香族(ジ)ビニル単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキル
スチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、さらには、グリシジル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0029】シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。エチ
レン性アミド単量体としては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メト
キシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリ
ルアミドなどが挙げられる。
【0030】そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエ
ステル;塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン
化ビニル;アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、
4−ビニルピリジンなどのエチレン性アミン;スチレン
スルホン酸ソーダなどの単量体を例示することができ
る。これらは、目的に応じて、単独であるいは2種類以
上を組み合わせて用いることができる。
【0031】本発明では、pH調整剤として下記(1)
式で示される特定のアミン化合物(ニ)の使用が必須で
ある。
【化3】
【0032】〔ただし、R1 は水素原子または炭素数1
〜5の炭化水素基であり、R2 、R3 は炭素数1〜10
の炭化水素基であり、X、Y、Zはそれぞ水素又は炭素
数1〜5の炭化水素基またはアミノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基、エステル
基を表す。〕
【0033】該アミン化合物の使用量は、該共重合体ラ
テックスの固形分100重量%当たり0.05〜5.0
重量%であり、好ましくは0.1〜3.0重量%であ
る。使用量が0.05重量%未満では、本発明の効果発
現に乏しく、また5重量%を超えての使用はとくに塗工
液の著しい増粘を引き起こし好ましくない。
【0034】本発明の効果を発揮する好ましい例として
は、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリ
メチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノエチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ
−3−アミノプロピル−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3−エチル
−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−
アミノメチル−3−メチル−5,5−ジメチルシクロヘ
キサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3−メチル−
5−メチル−5−エチルシクロヘキサン、1−アミノ−
3−ジアミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5−ジメ
チル−5−クロロ−シクロヘキサン、1−アミノ−3−
アミノメチル−3,5−ジメチル−5−アミノメチル−
シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3−
メチル−5,5−ジアミノメチル−シクロヘキサン等が
挙げられる。これらは、目的に応じて、単独であるいは
2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】また、他の既知のアミン化合物あるいは、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金
属水酸化物或いはアンモニアなどの塩基性物質と組み合
わせて用いても良い。また、本発明のアミン化合物およ
び無機塩基性物質の添加時期にも特に制限は無く、重合
前、重合中または重合終了後の何れにおいて添加しても
構わない。
【0036】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
これらの塩基性物質を用いてpH4〜11、好ましくは
pH6〜10に調整され、必要とされる分散安定性を付
与されて各用途に供される。ジエン系共重合体ラテック
スに添加されたこれらのアミン化合物の定性および定量
は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー
などにより簡便に行うことができる。
【0037】また、本発明では既知の連鎖移動剤を用い
ることができる。例を挙げれば、硫黄元素を含む連鎖移
動剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタンなどのアルカンチオール;メルカプトエタ
ノール、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルア
ルコール;チオグリコール酸、チオプロピオン酸などの
チオアルキルカルボン酸;チオグリコール酸オクチルエ
ステル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオ
カルボン酸アルキルエステル;ジメチルスルフィド、ジ
エチルスルフィドなどのスルフィドなどが挙げられる。
上記の硫黄元素を含む連鎖移動剤の好ましい例としては
チオアルキルカルボン酸アルキルエステルが挙げられ
る。
【0038】その他に、連鎖移動剤の例としては、α−
アルキルスチレンの二量体、ターピノーレン、ジペンテ
ン、t−テルピネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化
炭化水素などを挙げることができる。該連鎖移動剤は1
種または2種以上が使用できる。また、必要に応じて、
該連鎖移動剤との併用で、ジフェニルエチレン、2,6
−ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンなどの油溶性重
合速度抑制剤を用いるのが好ましい。
【0039】また、これら連鎖移動剤の使用方法につい
ては周知のいずれの方法も用いることができる。すなわ
ち、一括前添加方法、連続追加添加方法、断続追加添加
方法或いは添加速度を順次変化させた濃度勾配型添加方
法などである。これらの添加方法のうち、とくに連鎖移
動剤の一部を単量体の添加終了後も連続的に添加する方
法が、本発明の効果を良好に発揮し、好ましい。
【0040】次に、製造法について述べる。本発明のジ
エン系共重合体ラテックスは、水、界面活性剤、単量
体、ラジカル重合開始剤、および必要ならばその他の原
料を基本構成成分とする分散系において、これらの原料
をラジカル乳化重合によって共重合体粒子の水分散液と
して得られるものである。一般的に、共重合体濃度は4
0〜60重量%の範囲である。
【0041】共重合体ラテックスの粒子径は界面活性剤
および/またはシードラテックスの使用割合によって調
整することができ、概ねその使用割合を高くするほど生
成共重合体ラテックスの粒子径は小さくなる。ここで、
粒子径の好ましい範囲は0.05〜1μmであり、さら
に好ましくは0.07〜0.5μmである。
【0042】界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、ロ
ジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピ
レンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、
カチオン性界面活性剤がある。これら界面活性剤の他の
例としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、
小池、小林編:光学図書(株)発行、1972)」に記
載されているものなどが挙げられる。
【0043】界面活性剤は、通常、アニオン性界面活性
剤単独またはアニオン性/ノニオン性の混合系で用いら
れ、単量体に対する使用割合としては0.05〜2重量
%の範囲が好ましく用いられる。
【0044】重合開始剤としては、熱または還元性物質
の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるものであって、水溶液または油溶性のペルオキソ二
硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用い
られる。その例としては、ペルオキソ二硫酸カリウム、
ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニ
トリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、ま
た他に「POLYMER HANDBOOK 3rd
Ed.(J.Brandrup,E.H.Immerg
ut:JohnWilly & Sons,198
9)」に記載されている化合物が挙げられる。この中で
も、特にペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果を良好に発
揮し、最も好ましく用いられる。
【0045】重合開始剤の使用割合は単量体に対して通
常0.2〜2.0重量%である。なお、重合温度は通常
60〜90℃の範囲が一般的であるが、重合速度の促進
或いはより低温での重合を望む時には、重亜硫酸ナトリ
ウム、アスコルビン酸或いはその塩、エリソルビン酸或
いはその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤に
組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を用い
ることができる。
【0046】また、所望によって種々の重合調整剤を添
加することもしばしば行われる。例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム
などのpH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
などの各種キレート剤などである。
【0047】また、所望によって各種の添加剤を共重合
体ラテックスに添加することができる。これらの添加剤
としては、例えば分散剤、殺菌剤、粘度調節剤、耐水剤
およびその他の塩類などが挙げられるが、これらは必要
に応じて重合前、重合中および重合終了後のいずれにお
いて添加してもよい。
【0048】本発明のジエン系共重合体ラテックスを紙
塗工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常の
実施態様で行うことができる。すなわち、分散剤を溶解
させた水中に無機顔料および/或いは有機顔料、水溶性
高分子、各種添加剤とともに該共重合体ラテックスを混
合し、均一分散液とする態様である。そして、この塗工
液は各種ブレードコーター、ロールコーターなど通常の
方法によって原紙に塗工することができる。
【0049】
【実施例】次に、実施例および応用例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。 (実施例及び比較例)直径0.035μmのシード粒子
の水性分散体(シード固形分濃度30重量%)3重量部
を、攪拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧
反応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.2重量部、イタコン酸2.5重量部を仕込
み、内温を80℃に昇温し、ついで単量体混合物および
t−ドデシルメルカプタンからなる油性混合液と、水1
5重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1重量部、水酸
化ナトリウム0.2重量部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.1重量部からなる水溶液とをそれぞれ4時間および
5時間をかけて一定の流速で添加した。そして80℃の
温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了した後、
冷却した。該共重合体ラテックスのpHは3.5であっ
た。
【0050】次いで、1次中和剤として水酸化カリウム
を添加して、該共重合体ラテックスを表1に示すpHに
調整した後、通常のスチームストリッピング法によって
未反応の単量体を除去し、網目75μmのろ布でろ過し
た。さらに、二次中和剤の1−アミノ−3−アミノメチ
ル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(Huls
Aktiengesellschaft社製、以下た
んにイソフォロジアミンと呼称する)を表1に示した所
定量添加して、pH9に調整してA〜Cの本発明のジエ
ン系共重合体ラテックスを得た。一方、二次中和剤のイ
ソフォロジアミンのみを、ジメチルアミン、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムおよびアンモニアにそれぞれ変
えてD〜Hの比較用共重合体ラテックスを得た。
【0051】なお、すべての共重合体ラテックスは最終
的に固形分濃度が50重量%になるように調製した。原
料の詳細、使用量(重量部)を表1に示した。
【0052】
【表1】 (共重合体ラテックスの組成)
【0053】(応用例1)実施例および比較例で調製し
た共重合体ラテックスについて、紙塗工用バインダーと
しての性能評価を行った。その結果を表4に示す。な
お、塗工塗料は表2に示す配合で、不揮発分濃度が64
重量%になる水量で高速攪拌機で調製した。塗料のpH
はアンモニア水で9.5に調整した。この塗料を用いて
塗工紙の調製条件を表3に示す。また、ラテックス、塗
工液および塗工紙の性能評価は、以下の方法により行っ
た。
【0054】
【表2】 (塗工液の配合組成)
【0055】(注) 1)エンゲルハード社製「ウルトラホワイト90」 2)エンゲルハード社製「ウルトラコート」 3)三共製粉社製「エスカロン♯1500」 4)東亜合成化学社製「アロンT−40」 5)日本食品加工社製「MS4600」
【0056】
【表3】 (塗工紙調製条件)
【0057】(イ)耐ベタツキ性 ラテックスをPETフィルム上No.15ロッドにより
塗布し、50℃、1時間加熱して皮膜を形成する。この
皮膜と黒ラシャ紙を併せ、ベンチスーパーカレンダーに
より200kg/m・70℃条件下で圧着させる。これ
を引き剥がして、黒ラシャ紙のラテックス皮膜への転写
の程度を5点相対評価法で目視判定した(点数の大きい
方が転写が少なく良好)。
【0058】(ロ)塗工液の低シャー粘度 B型粘度計を用いて、4号ローターで60rpmにおけ
る粘度を測定した。 (ハ)塗工液の高シャー粘度 ハーキュレス粘度計を用いて、Fボブで8800rpm
における粘度を測定した。 (ニ)塗工液の機械的安定性 塗工液の機械的安定性をマロン式試験機により測定し
た。試験方法は塗料100gを荷重30kgw、時間2
0分の条件でマロン式試験機にかけ、発生した凝集物を
♯325メッシュにて採取し、凝集物の乾燥重量の試料
固形分量に対する重量百分率で求めた。凝集物の発生率
が小さいものほど、機械的安定性は良好である。
【0059】(ホ)白紙光沢 村上式GM−26D型光沢計により、75°−75°で
測定した。 (ヘ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデ
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cc5回重ね刷りを行い、ゴムロールに現れたピッキ
ング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察する。
評価は5点相対評価法で行い、ピッキング現象の少ない
ものほど高得点とした。
【0060】(ト)ウエットピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cc1回刷り
を行い、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙
に裏取りし、その程度を観察する。評価は5点相対評価
法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点とし
た。
【0061】(チ)インキ転移性 RI印刷適性試験機を用いて、モルトンロールで水を塗
布したのち、紙むけを起こさない条件でべた刷りを行
い、インキの転移性(印刷されたインキの濃さ)を目視
で判定した。評価は5点相対評価法で行い、インキ転移
の良好なものほど高得点とした。
【0062】(リ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(WebbZett黄、大日本インキ社製)
0.3ccをべた刷りする。この印刷された塗工紙を適
当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整し
たシリコンオイル恒温槽に浸して、ブリスターが発生す
るか否かを観察する。恒温槽の温度を変化させて試験を
行い、ブリスターの発生が認められる最低温度を求め
る。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優れる。
【0063】(ヌ)網点再現性 大蔵省印刷局式グラビア印刷試験機(熊谷理機社製)に
より、網点印刷の版を用いて試験片に適当な条件で印刷
を行い、発生した網点の欠落数の全網点数に対する百分
率(網点欠落率)を求めた。数字の小さいものほど網点
再現性は良好である。
【0064】
【表4】 (ラテックス、塗工液及び塗工紙の各物性)
【0065】表4の結果より明らかなように、従来公知
の無機系中和剤を用いた比較例共重合体ラテックスF、
GおよびHに比べて、それぞれ対応する本発明のジエン
系共重合体ラテックスA、BおよびCでは耐ベタツキ
性、機械的安定性、ウエットピック強度およびインキ転
移性が数段優れていることは明らかである。
【0066】また、無機系中和剤に比べて、特にウエッ
トピック強度とインキ転移性に優れる従来公知のアミン
中和剤を用いた比較例共重合体ラテックスDおよびEで
は、耐ベタツキ性および機械的安定性に大きな向上が認
められないのに対して、本発明のジエン系共重合体ラテ
ックスAおよびCでは、塗工操業性を支配するこれらの
諸物性が格段に向上していることは明らかである。以上
より、本発明の共重合体ラテックスは、塗工紙物性およ
び塗工操業性に係わる諸物性が、高度にバランスされた
ものであることが分かる。
【0067】
【発明の効果】塗工操業性に関わる機械的安定性、耐ベ
タツキ性および塗工液流動性に優れ、かつ顔料バインダ
ーとして使用した際に塗工紙のピック強度、インキ転移
性、耐ブリスター性および網点再現性のバランスが向上
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン単量体、エチレン性不
    飽和カルボン酸単量体およびこれらと共重合可能なその
    他の単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックス
    であって、かつ少なくとも1種の下記(1) 式で示される
    アミノ化合物を使用してpHが4〜11に調整されてい
    ることを特徴とする、ジエン系共重合体ラテックス。 【化1】 〔ただし、R1 は水素原子または炭素数1〜5の炭化水
    素基であり、R2 、R3 は炭素数1〜10の炭化水素基
    であり、X、Y、Zはそれぞ水素又は炭素数1〜5の炭
    化水素基またはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ
    ル基、シアノ基、ハロゲン基、エステル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 無機顔料およびバインダーを主成分とす
    る水分散性紙塗工用組成物において、無機顔料100重
    量部に対して、バインダー成分として請求項1記載の共
    重合体ラテックスを固形分で3〜30重量部用いること
    を特徴とする、水分散性紙塗工用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231299A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体ラテックス、紙塗工剤、及び共重合体ラテックスの製造方法

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